1 知事の政治姿勢について 2 新型コロナ対策について 3 米軍岩国基地の問題について 4 教育条件の整備について 5 公立大学に係る諸問題について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第五十七号まで 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第五十七号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従って一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてであります。 一つは、公職選挙法違反事件についてです。 県庁ぐるみの公選法違反事件について村岡知事は、一昨日の藤本議員の質問に対し、今回の事案は、昨年十一月上旬に職員が警察の捜査を受けたことの報告を受け承知したと答弁されました。 しかし、知事は昨年の十二月二十八日の記者会見で、県の組織を使った形で何らかの活動がいろいろと行われているんだろうな、そういうことは雰囲気としては感じておりますと述べておられます。 小松前副知事の事案を承知したのは十一月上旬としても選挙をめぐって組織的に何らかの対応が行われていたことはそれ以前から感じておられたわけであります。誤りを知った時点でそれを正すのは県庁組織のトップである知事の責任だったはずです。それを怠った知事の責任も免れないと言わざるを得ませんが、この点をお尋ねします。 無論、一番悪いのは後援会員の勧誘を依頼した側であります。さきの会見で知事も法令違反につながることですから頼むこと自体もそれは問題だと思いますと言明されました。その上で知事は、組織としてそれを受けなければ、当然、法令に違反はなかったと言われていますが、あまりにも自虐的ではないでしょうか。少なくとも依頼した側に二度と依頼しないよう要請すべきと考えますが、お尋ねします。 その他として、県土木建築部の部次長が収賄の疑いで書類送検についての問題です。 報道によれば、公共事業に伴う資材価格の単価表を提供する見返りに業者から金品を授受していた疑いが持たれています。提供期間は二〇一七年から四年間にも及んでいます。幹部職員の不正行為を四年間も見抜けずに収賄容疑で書類送検された事実をどう受け止め、再発防止にどう取り組まれるのか伺います。 また、公選法違反に続く不祥事の発覚は遵法意識の希薄さの現れと危惧されますが、どう対応し責任を取るのか、それぞれお尋ねをいたします。 三つ目は、ロシアのウクライナ侵略についてです。 ロシアによる蛮行に対し県も断じて容認できないと述べられ、核兵器による威嚇または使用も決して許されるべきではないと明言されたことは評価します。 今、人類は一九六二年のキューバ危機以来の核大国による核攻撃の危機にさらされています。核による脅威を取り除く唯一の方法は核廃絶しかありません。現在進行形の危機を踏まえ、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求めていくべきでありますが、この点を伺います。 自民党や維新の会の一部の政治家や日本会議の勢力は、ウクライナ侵略を利用して国連はもう無力だ、憲法九条は役に立たないなどと言い募っています。人類が経験した二つの世界大戦の反省から武力行使などこれを否定してきた国連や憲法九条を攻撃することは、力の論理をひたすら信奉して戦後の国際秩序の根本、戦後の日本の原点を否定することに行き着きます。 ロシアによるウクライナ侵略という許されざる蛮行を正すためにも、今こそ憲法九条を生かしたときだと考えますが、知事の見解を伺います。 関連して、ロシア・クラスノダール地方との交流事業について伺います。 資料一のように、クラスノダール地方は今まさに戦場となっているウクライナに近接する地域であります。地域間の交流だと言われていますが、二〇一七年四月の友好協定書はロシア連邦クラスノダール地方行政府と締結されたものです。 国際社会がロシアに対する政治的・経済的な圧力を強めることで侵略行為の中止とウクライナからの撤退を求めている今、山口県が検討すべきはロシア連邦を構成するクラスノダール地方行政府との友好関係の一時凍結ではありませんか。交流行事の実施はロシアに誤ったメッセージになると考えませんか。それぞれ伺います。 質問の第二は、新型コロナ対策についてです。 一つは、県内の感染レベルの評価について、一月九日から岩国市と和木町に発令され、二月一日から全県に拡大されたまん延防止等重点措置は二月二十日をもって解除されました。解除理由について知事は二月十六日の会見で、一、新規感染者数が全国的にも低く継続的に減少傾向にあること、二、医療提供体制は逼迫していない、このことを挙げられました。 資料二に示したように、解除後も新規感染者数は高止まりをし、六日のモニタリングによれば、直近一週間と比較した増加費は一・一となっています。オミクロン株の一種で、さらに感染力が強いと見られるBA・2の影響の有無も含め、今の高止まり状況をどのように分析されているのか伺います。 感染状況を評価するモニタリング指標は、昨年十一月二十五日に見直しが行われ、その後は資料三のようになっています。二十日時点で七つの指標のうち十万人当たりの療養者数は二百一・五人でレベル四の二倍、直近一週間の新規感染者数は百五十二・八人でレベル三の六倍以上であります。確かに確保病床使用率は三九・四%でレベル三を下回っていますが、これは昨年まで陽性者は基本的に入院させていたのを一月中旬以降は自宅療養としているためであります。 こうした指標で県内の感染状況をレベル二としていることに県民から分かりにくいという声が寄せられています。分かりやすく説明すべきですが、この点もお尋ねします。 あわせて、日々更新される入院等の状況で宿泊療養者数等が公表されていますが、現状は自宅療養者が過半を占めています。自宅療養者数等とすべきではありませんか、お尋ねします。 二つは、コロナ対策に関わる人事管理についてです。 新型コロナのパンデミックが発生して二年、感染拡大の波が訪れるたびに社会サービスを支えるエッセンシャルワーカーの方は過大な負担を担わされてきました。県庁職員の皆さんも例外ではありません。 昨年一月から今年一月の間、残業時間が月八十時間以上となった職員は延べ八百十九人、うち月百時間以上は延べ五百三十人にも上り、三百十二時間という職員もおられます。業務が集中する保健所へは市町の保健師が延べ七百人、県庁の他部局から延べ三千四百四十七人応援に入っています。 コロナ感染の波は七波、八波も想定されます。職員の負担軽減のためにも新年度に向け職員の大幅増や組織再編など思い切った対応が求められていると考えませんか、お尋ねいたします。 質問の第三は、米軍岩国基地の問題についてです。 一つは、新型コロナ感染の拡大防止策についてであります。 資料二に示したように在日米軍の感染防止対策の不十分さから岩国基地などで軍関係者に感染者が続出し、その感染者から飲食店の従業員や利用者に感染が広がったことを契機に山口県全域にまん延防止等重点措置が発令される事態を招きました。 村岡知事ですら一月三日の会見で感染が広がった要因は米軍関係者の影響の可能性が高いものと判断しておりますと言明されました。この認識に今も変わりはないのか、知事にお伺いします。 米軍基地における感染拡大の要因の一つに在日米軍が昨年九月三日から十二月二十六日の間、軍人やその家族などが日本に入国する際の出国前検査を免除するなどコロナ対策を緩和していたことがあります。 この措置については、在日米軍司令部はしんぶん赤旗の取材に対し、九月末までに日本政府に情報を提供してきたと回答しましたが、林外務大臣は、政府が確認したのは十二月二十四日だとの説明を繰り返しています。国に対して在日米軍がコロナ対策を緩和したことを日本政府が現認した年月を明らかにするよう求めるべきだと考えますが伺います。 米軍岩国基地周辺自治体でのコロナ感染拡大防止のためにも、米軍の軍人とその家族、軍属について、出入国管理に関する国内法の適用から除外されるとした日米地位協定第九条を改定することは不可欠であります。 同時に一九九六年三月の日米合同委員会合意、ここで検疫は米軍が責任を負うと明記し、日本の当局は関与しないこととした合意を撤回することが必要ですが、お尋ねします。 二つは、岩国基地の機能の質的変化と強化についてであります。 さきの議会でも取り上げましたが、岩国基地の港湾施設には、昨年十月十四日、米海軍ミゲルキースが艦上訓練のために寄港し、十一月十八日には米海軍の強襲揚陸艦アメリカが運用能力の確認のため寄港しました。さらに、今年一月十三日にはミゲルキースが再び寄港して、二月二十五日にはドック型揚陸艦アシュランドが初めて寄港しました。 岩国基地港湾施設の運用について山口県当局は、国からはあくまでも補給物資の荷揚げ作業を行うことを目的とした施設であり、米軍艦船のいわゆる母港となるような計画はない、また、乗組員に岩国への訪問の機会を目的とする寄港は一般的にはあり得るとの見解が示されていると説明をしています。しかし、この説明と昨年からの状況を見るとき、岩国基地はなし崩し的に海軍などの拠点港化が進められているとしか思えません。県は従来からの国の説明と現実がそごを生じているとは考えておられないのか、改めてお尋ねします。 質問の第四は教育条件の整備についてであります。 一つは、三十人以下学級の促進についてです。学校においてどんな子も取り残さないために切望されているのは少人数学級の導入です。国が二〇二一年度から段階的に実施している小学校の三十五人以下学級化は新年度三年生まで広がりますが、まだまだ不十分であります。 そうした中、鳥取県は二〇二五年度までに小学校全学年を三十人以下学級化する方針を決めました。全国初であります。同県の新年度予算案には小学三年生までを三十人以下学級化するための予算として七千四百四十四万円計上されています。 御承知かと思いますが、山口県は二〇一一年度に全国に先駆けて小中学校の三十五人以下学級化をした先進県でもありました。ただし、TTなど少人数指導のための加配教員等を少人数学級化に活用する方針を取ったために単県での教員増は現在に至るまでゼロであります。 どの子にも行き届いた教育を保障するために、後で取り上げます教職員の多忙化を解消するためにも単県での教員増を前提にした小・中・高での三十人以下学級の導入は急務であります。国に定数改善を求めるとともに県独自に教員を採用し、先行実施に踏み切るときと考えますが伺います。 また、文部科学省が初めて実施し、一月末に公表された全国の公立学校の教師不足に関する実態調査結果によりますと二〇二一年四月の始業日時点で小・中・高校、特別支援学校で二千五百五十八人の教員が未配置となり、五月一日時点で二千六十五人が未配置という深刻な実態が明らかになりました。 山口県でも昨年五月一日時点で不足学校が中学校で六校、特別支援学校で一校あります。学校に行っても受けられない授業がある、担任の先生が決まらないなどあり得ないことが現実に起きています。新年度の見通しをお聞きするとともに、この現状を県教委は一体どう認識をして、今後、どう解決されるのか、お尋ねいたします。 二つは、教職員の働き方改革についてです。 代表質問でも取り上げられましたが、県教委が二〇一七年度から三年間で教員の時間外業務時間を三〇%削減する目標で取り組まれてきた学校における働き方改革加速化プランは目標を達成できず、昨年七月、時間外在校等時間が月四十五時間、年三百六十時間を超える教員の割合をゼロ%に近づけることを目標にした改訂版が作成されました。 新年度は改訂プランの二年目となるわけですが、予算案を見る限り、その本気度が疑われる施策が多々あります。 第一は、部活動応援事業であります。当初予算に計上されているのは約二千三百二十一万円で、今年度の約四千百二十一万円から半減しています。その影響なのか、県立高校の部活動指導員は三十人と、今年度より十人減り、年間時間数も報酬も切下げが予定されています。改革に逆行するものであり、この理由について説明を求めます。さらに、予算と人員を増やすべきですが、この点もお尋ねします。 第二は、スマートスクール構想推進事業の柱であるICT支援員です。現場の先生方からは支援員が来るのは週に一日程度に限られ、日々起こるトラブルにはとても対応できないという声を聞きます。その上、新年度を控え大変なのが児童生徒に一人一台配付されたタブレットの初期化、更新作業であります。小・中・高校とも卒業する児童生徒が使ったタブレットを新入生に引き継ぐ、そのためには欠かせないものですが、これが教員の新たな負担となっています。ICT支援員の大幅な増員が必要と考えますが、お尋ねします。 質問の第五は、公立大学に関わる諸問題についてです。 一つは、公立大学における不当労働行為についてです。下関市立大学が二〇二〇年一月から四月にかけて制定した理事会の規程や理事会の諮問機関として設けた教員人事評価委員会、教員懲戒委員会、事務職員懲戒委員会の三つの規程は義務的な団交事項であるにもかかわらず、同大学教職員組合と実質的な交渉を行わずに設けたことは労働組合法の不当労働行為に当たるとして同教職員組合が山口県労働委員会に救済を申し立てていた事案について、労働委員会は一月三十一日付で労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為であると認定し、同大学に対し救済命令を発しました。 この事実を踏まえて山口県労働委員会に四点お尋ねします。 第一は、不当労働行為と認定するに至った経緯と命令の内容を説明してください。 第二は、下関市立大学は今回の救済命令一部を不服として中央労働委員会に再審査を申し立てましたが、不当労働行為と認定された四つの規程の現時点での効力はどう扱われるのかお尋ねします。 三つは、救済命令には同大学理事長が同大学教職員組合に対し、資料四の誓約分を命令書の受領後二週間以内に交付することとともに学内の目立つ場所に掲示することが含まれていましたが、期限内には履行されなかったと聞いていますが、この事実をどう捉えているのか、お尋ねします。 第四に、過去に不当労働行為に当たるとして救済命令を受けた公立大学は果たして山口県内にあったのでしょうか、お尋ねします。 二つは、公立大学における法令違反、不適切な業務運営への対応についてです。 地方独立行政法人法第百二十二条三項及び四項によれば、地方独立行政法人である下関市立大学、または、その役員や職員が法令に違反する行為をした場合、同法人の認可権者である山口県知事は、設立団体である下関市、または、下関市長に対して当該行為の是正のための必要な措置を講ずることを命ずることができると定めています。 さらに緊急を要するときには、山口県自らが地方独立行政法人下関市立大学に対し当該行為の是正のため必要な措置を講ずることを命ずることができるとも定めています。 さきに指摘したように下関市立大学がこの間行った一連の行為について、山口県労働委員会は労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為であると認定し、救済命令を出しました。法令に違反する行為を行ったことは明白であります。 同大学の認可権者である山口県は、下関市や下関市長、同大学に対し当該行為の是正のため、必要な措置を講ずるよう命ずるべきと考えますが、見解を伺って第一質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問にお答えします。 まず、公職選挙法違反事件に関する私の責任についてです。 今回の事案について、昨年十一月に小松前副知事から報告を受けて以降、過去にも今回のような選挙をめぐる組織的な勧誘が様々な形で行われていたということを承知したところです。これを受け、昨年十二月に、今回のような選挙をめぐる組織的な勧誘は今後一切なくすこと、仮に外部から依頼があっても全てお断りすることについて、私自らが県民の皆様にお約束をいたしました。 私は、今回このような事案が二度と起こらないよう調査チームの報告を踏まえ、再発防止策を確実に実施するとともに、なお一層誠実な県政運営に努め、県政の信頼回復に向け全力で取り組むことで職責を果たしていきたいと考えています。 次に、県職員の収賄容疑についてのお尋ねにまとめてお答えします。 まず、今回の土木建築部職員の収賄容疑については、現在捜査中であり、県としては捜査に全面的に協力するとともに事実関係を把握の上、厳正に対処したいと考えています。 言うまでもなく法令を遵守して公正な行政を行うことは県民の皆様の県政に対する信頼の基礎となるものであり、県としては職員のコンプライアンスの徹底に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)ロシアのウクライナ侵略についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求めていくべきとのお尋ねでありますが、核兵器禁止条約は国の専管事項である安全保障とも密接に関わるものであることから、県としては国に対して条約への参加を求めることは考えておりません。 次に、憲法九条を生かすことについてであります。 日本国憲法は、我が国の最高法規であり、その適用範囲は国内を前提としています。 このたびのロシアの侵略行為については、憲法の規定に関わりなく国連憲章と国際法によってその平和的解決が図られるべきものであり、政府においてはその観点から国際社会とともに必要な対応をされているものと受け止めております。 次に、公立大学に係る諸問題についての御質問のうち、公立大学における法令違反、不適切な業務運営への対応に関するお尋ねにお答えをします。 不当労働行為事件については、労働組合法第二十条の規定により労働委員会が権限を有するものであり、労働委員会は労働組合法施行令第十六条の規定に基づき労働組合法に規定する権限を独立して行うとされています。 したがいまして、不当労働行為事件に関して必要な措置は労働委員会において講じられるものであり、県として地方独立行政法人法第百二十二条第三項または第四項を適用する考えはありません。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)公選法違反事件についてのお尋ねにお答えします。 先ほど知事が答弁したとおり、このたびの事案を受け、昨年十二月に、今回のような選挙をめぐる組織的な勧誘は今後一切なくすこと、仮に外部から依頼があっても全てお断りすることの二点を県として全ての県民の皆様に対し宣言したところです。 このことから、改めて今回の依頼元に対し要請することは考えておりません。 次に、新型コロナ対策に関するお尋ねのうち、人事管理についてです。 新型コロナの感染拡大に伴い職員に大きな負担が生じたことから、保健所や本庁関係課の増員、ほかの所属職員の応援派遣、市町保健師の応援受入れ、相談業務の外部委託等により業務執行体制の強化や職員の負担軽減を図ってきたところです。 こうした取組に加え、新年度においては保健所の保健師をさらに増員するとともに山口健康福祉センター防府支所を改組して防府保健所を設置するなど、一層の体制強化を図ることとしています。 今後とも、職員の業務負担も考慮しながら感染状況や現場のニーズ等に柔軟かつ機動的に対応してまいります。 副議長(二木健治君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)ロシアのウクライナ侵略に関するお尋ねのうち、ロシア・クラスノダール地方との友好関係の一時凍結を検討すべきではないか、また、交流行事がロシアへの誤ったメッセージになるとは考えないかとの二点のお尋ねにまとめてお答えします。 本県とクラスノダール地方との交流は、地域間の交流であり国家間の関係や国の動きに直ちに結びつくものではないと考えています。 しかしながら、このたびのロシアによるウクライナへの侵略は国際社会の平和と秩序の根幹を脅かすもので断じて容認できないと考えており、今後の交流事業の取扱いについては国際情勢や国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナ対策についてのお尋ねのうち、県内の感染レベルの評価についてお答えします。 まず、現在の新規感染者数の状況の分析についてです。本県の新規感染者数は一月二十七日の四百四十五人をピークに一部地域を除き減少傾向にありますが、その減少スピードは緩やかなものとなっています。 これは感染力が強く感染スピードも速いオミクロン株の特性によるものであり、感染の連鎖を容易に断ち切ることが難しく、家庭内感染の増加や施設等でのクラスターの発生などが要因であると分析しています。 なお、お示しのBA・2については、現在、国内で広がっている状況にはありませんが、感染力が強いと言われており、今後の影響が懸念されます。 次に、県内の感染状況をレベル二としていることを分かりやすく説明すべきとのお尋ねです。 レベルの判断に当たっては、医療の逼迫度合いをより重視することとされており、現在、本県では軽症者が大部分を占めていることや、病床使用率は四〇%前後で推移していることなどからレベル二と判断しているところです。 こうした判断の理由については、これまで報道等を通じて県民にしっかりと説明してきましたが、県ホームページ等においても分かりやすく掲載することとしています。 次に、入院以外の療養者について、宿泊療養者数等として公表しているが、現状は自宅療養者が過半数を占めていることから自宅療養者数等とすべきとのお尋ねです。 感染状況の公表については、保健所設置市である下関においても行っているため、今後、下関の意向も踏まえ決めていきたいと考えています。 次に、米軍岩国基地の問題についてのお尋ねのうち、感染拡大の認識についてお答えします。 今回の岩国地域での感染については、米軍岩国基地における陽性者の確認後、基地内施設の利用を介し、基地従業員等に感染が広がったことや感染が確認された飲食店でクリスマス時期に多くの米軍基地関係者が利用していることが判明しています。 また、国立感染症研究所によるゲノム解析の結果、基地内と飲食店で確認されたウイルスは同じタイプであったことから、今回の岩国での感染拡大については米軍岩国基地が大きな要因の一つとなっていると判断しているところです。 副議長(二木健治君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)米軍岩国基地の問題についての数点のお尋ねのうち、まず、新型コロナ感染の拡大防止策の二点のお尋ねにお答えします。 まず、国に対し、在日米軍が出国前検査を免除するなどコロナ対策を緩和したことを日本政府が現認した年月を明らかにするよう求めるべきとのお尋ねです。 出国前検査は、昨年十二月末から米軍において再開されており、国においてもお示しの状況を受けて日米間で認識のそごが生じないよう一層緊密に連携していくこととされています。 県としては出国前検査の免除について政府が現認した年月を明らかにすることを国に求める考えはありませんが、今後はこのようなことがないよう日米間の緊密な連携の下、在日米軍の水際対策に万全を期していただきたいと考えています。 次に、日米地位協定第九条の改定をすることと同時に日米合同委員会合意を撤回することも必要ではないかとのお尋ねです。 基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会において、毎年度、日米両政府に対し日米地位協定の改定について重点的に要望を行ってきています。 要望の中でお示しの地位協定第九条についても、米軍人等の検疫に国内法令を適用し、日本側による検疫を実施するよう求め続けているところであり、日米合同委員会合意の撤回については求める考えはありません。 次に、基地機能の質的変化・強化に関し、岩国基地の港湾施設の運用についてのお尋ねです。 お示しのように物資の補給や親善以外の目的の寄港も行われていますが、いずれもその運用は一時的なものであり、基地周辺住民への影響も少ないものと考えています。 こうしたことから県としては、港湾施設の運用について問題があるとは考えていませんが、引き続き国に対し艦船が寄港する際の事前の情報提供の徹底を求めてまいります。 副議長(二木健治君)西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕 副教育長(西村和彦君)教育条件の整備についての数点のお尋ねのうち、まず、三十人以下学級の促進についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、少人数学級について県独自に教員を採用し、三十人以下学級の先行実施に踏み切るときではないかとのお尋ねですが、国の財源措置が図られない中、県の独自財源で三十人学級化を進めることは困難です。 なお、教職員定数の改善については、全国都道府県教育長協議会等を通じて、引き続き、国に要望してまいります。 次に、教師不足についてのお尋ねです。 本県におきましても全国と同様に大変厳しい状況にありますが、新年度に向け各学校の児童生徒数や学級数の状況を把握し、必要な教員を確保するとともに適切な配置に努めてまいります。 次に、教職員の働き方改革についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、山口部活動応援事業についてですが、部活動指導員の配置については、平成三十年の学校における働き方改革加速化プラン策定以降の取組により、教職員の勤務時間に対する意識の向上や時間外在校等時間の縮減等の一定の効果も得られたことから、厳しい財政状況の中、令和四年度の予算編成において見直しを行ったところです。 次に、ICT支援員についてですが、国の配置基準は小・中・高校とも四校に一名程度となっており、県立学校ではこの基準に基づき配置し、年度末のタブレット端末の更新も既に委託業務の対象としているところです。 また、来年度、学校で解決困難な技術的課題などに対応するため、新たに運営支援センターを設置することとしており、ICT支援員の増員については考えておりません。 副議長(二木健治君)近本労働委員会会長。 〔労働委員会会長 近本佐知子さん登壇〕 労働委員会会長(近本佐知子さん)公立大学に係る諸問題についての御質問のうち、公立大学における不当労働行為についての四点のお尋ねにお答えします。 まず、不当労働行為と認定するに至った経緯と命令の内容についてです。 労働委員会においては、不当労働行為の救済申立てが行われた場合は、法令に基づき中立的な第三者の立場で、労使双方の主張や立証を公正かつ慎重に検討した上で救済命令を発しています。 本事案は、令和二年四月に申立てがなされ、その後、二度の追加申立てがありました。 これを受け、労働委員会としては大学が理事会規程などについて労働組合との実質的な団体交渉を経ることなく施行したこと、住居手当等の引下げについて組合から指摘等があったにもかかわらず、協議を経ることなく実施したこと、外国研修担当教員に対する調査について団体交渉に応じなかったこと、これらの大学の対応はいずれも不誠実であり、労働組合法に定める不当労働行為に当たると認定したものです。 その上で大学に対し、組合と誠実に団体交渉を行うことなどを命じたところです。 次に、大学は中央労働委員会に再審査を申し立てたが、不当労働行為と認定された四つの規程の現時点での効力はどう扱われるのかについてです。 このたびの命令は、大学に対し四つの規程に係る組合との団体交渉について各規程の適用がなかったものとした上で行うことを命じたものであり、命令書の中で一定の考え方を示しています。 四つの規程の効力に係るお尋ねについては、この命令に関連するものと思われますが、本県は再審査中であることから現時点でのお答えは差し控えさせていただきます。 次に、誓約文の交付等が期限内に履行されなかったが、その事実をどう捉えているのかとのお尋ねです。 救済命令は確定前においてもこれを履行する行政上の義務はあるとされていますが、一方で、命令が確定しない間は過料等によりその履行を強制されることはありません。 最後に、過去に救済命令を受けた公立大学が県内にあったかとのお尋ねについては、そのような例はありません。 副議長(二木健治君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 公職選挙法違反事件についてですが、この問題は県政への県民の信頼を失墜させる前代未聞の事態であります。知事も頼むこと自体も問題だとその心情を吐露したように、一番の元凶は県幹部に公選法違反を承知で選挙に関与させた自民党にあります。山口県警捜査二課は書類送検の容疑内容を説明する会見で、過去の選挙でも同様の勧誘活動が繰り返されていたと指摘しています。 村岡知事二期八年のこの時期は、安倍・菅政権の九年間とほぼ重なっています。一体誰が山口県の職員にこの公選法違反を勧誘するように命じたのか。自民党の本部であれば、山口四区の安倍元首相であり、自民党の県連であれば山口二区の岸防衛大臣となります。いずれも山口県選出の国会議員が前代未聞のこうした問題をやってきた。この点ではぜひ、今、県の調査員会が行われていますが、調査委員会の中でも、この点についてもしっかり明記をすることこそが再発防止の第一歩になる、このように考えますが、この点を伺います。 ウクライナ問題です。資料一に示したように、この地方は、今、プーチンの軍隊に侵略され、無垢の人々が殺され、多くの人々が逃げ回っている、ウクライナと国境を接している場所です。知事はそのような場を訪問をして、侵略行為に異を唱えずに協力している地方政府との友好を深めようというのでしょうか。人道上許されない行為とは思われないのか、この点を伺います。 基地問題では、日米地位協定の改定については相変わらず渉外知事会での対応に任せる姿勢に終始されていますが、果たしてそれでいいのでしょうか。このたびは検疫の免除により、県民の命と健康が脅かされる事態が生まれているのですから、山口県として、政府や米軍に直接抗議をし、要請すべきと考えますが、この点を伺います。 県労働委員会から丁寧な御説明がありました。労働委員会の救済命令は、不当労働行為を断罪する、言ってみれば全国的にも注目される極めて重要な内容となっていました。今後も引き続き働く者の暮らしと権利を守る身近な防波堤としての役割をぜひ発揮していただきたいと思います。これは要望であります。 平屋副知事から、この市大の問題について答弁がありましたが、それでは、山口県が認可した定款変更は、ほかの国公立大学では当たり前に認められている教授会、そして教育研究審議会の人事権や懲戒権を不当に奪うものでありました。このような大学自治を壊す不当な定款の認可が、このたびの不当労働行為につながり、教職員の身分に関わる重要な規程の制定にも教職員組合を無視して強行するなどという、言ってみれば暴走を即しているのではないでしょうか。改めて認可団体として具体的にどう責任を取るのか、その答弁を求めたいというふうに思います。 過去三年間で二十五名の教員が退職しましたが、いまだに十九名は補充されていません。この点では一番の被害者は全国から山口県の下関に来る、また、世界各国から留学生として山口県下関に来る、そうした学生が一番の被害者になっています。この点も含め、本来持っているべき権限をきちんと行使をする、この点を改めて答弁を求めて二回目の質問といたします。(拍手) 副議長(二木健治君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)公立大学に係る諸問題のうち公立大学における法令違反、不適切な業務運営の対応についての再質問にお答えをいたします。 まず、認可団体としての責任をどう取るのか、あるいは民間団体としての権限を行使すべきではないのかという御質問でありました。 まず、定款変更については、これは、これまでにも御答弁を申し上げてきておりますけれども、地方独立行政法人法の規程でありますとか、国に準じて定める県の基準に基づいて審査を行った結果として、基準を満たしていると判断をし、認可をしたものでございます。これに問題があったとは考えておりません。 したがいまして、定款変更した県に不当労働行為等に関する責任はないと考えております。 それから、不当労働行為については、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、労働組合法の規程により、労働委員会が権限を有しております。また、地方独立行政法人法の規程に照らし、県は法人の規程制定に関して指導、助言をする権利はなく、法人においても県への報告等は求められていないところであります。したがいまして、県として認可権者としての権限を行使するものではございません。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)公選法違反事件についての再質問にお答えします。 調査において今回の依頼元を明らかにする必要があるのではないかとのお尋ねですけれども、今回の調査は県庁内で公職選挙法に違反する行為があったことを踏まえ、事実関係の把握や再発防止策の検討を行うことを目的としていることから、依頼元を明らかにするということは考えておりません。 副議長(二木健治君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)クラスノダール地方との交流に関する再質問にお答えします。 クラスノダールは、ウクライナと国境を接しており、ここの軍事拠点から侵略行為は行われている。そうした地を訪問して地方政府との友好を深めることは許されないのではないかという御質問ですが、県としては、このたびのロシアによる侵略がウクライナの主権と領土を侵害し、国際社会の平和と秩序の根幹を脅かすもので、断じて容認できないと考えておりまして、先ほど御答弁いたしましたとおり、お尋ねの現地への訪問の是非も含め、今後の交流事業の取扱いについては、国際情勢や国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。 副議長(二木健治君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)日米地位協定の改定について、直接、国や米軍に要請すべきではないかというお尋ねでございました。日米地位協定の改定は、基地を抱える自治体共通の課題でございます。渉外知事会に任せてるというような言い方をされましたけれども、渉外知事会の中で本県を含む十五都道府県が十分議論した上で、毎年度改定が必要な内容などを取りまとめて、日米両政府に対し要望しているものでございます。その取りまとめに当たっては、我が県もその議論を十分リードしていると、こういう自負も持っております。 検疫の問題など米側との交渉を前提とした地位協定の改定に向けては、県単独ではなく、課題を共にしている関係都道府県と連携した取組が有効と考えておりまして、引き続き関係都道府県と連携して、あらゆる機会を通じて粘り強く働きかけてまいります。 副議長(二木健治君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕 木佐木大助君 再々質問を行います。 市大問題、もう今や市立大学の理事会は、ガバナンスとコンプライアンスも失っているという状況にあります。山口県は、見て見ぬふりをせずに、地独法百二十二条三項、四項、これで定款そのものをひっくり返せって言うわけでもありません。しかし、きちんと自らの責任と権限を行使する、このことが必要ではないか。もう見て見ぬふりはしない、この点を改めて平屋副知事に答弁求めて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)公立大学における法令違反、不適切な業務運営への対応に係る再々質問にお答えをいたします。 県として見て見ぬふりをすべきではないとのお尋ねでございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、不当労働行為事件については労働組合法に規定する規程に基づいて権限を有する労働委員会がこれを取り扱うものでございます。したがいまして、必要な措置は労働委員会が講じられるという、そういう制度、仕組みでありますので、県として地方独立行政法人法百二十二条第三項または第四項を適用して措置を求めるということは考えておりません。