1 新年度予算及び施策について 2 脱炭素の住宅・建築物について 3 米軍岩国基地問題について 4 朝鮮学校問題について 5 その他
副議長(二木健治君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 社民党・市民連合の中嶋光雄でございます。通告に従い、質問いたします。 村岡知事におかれましては、三期目のかじ取りに当たり、県民の命と健康を守り抜くため、また、人口減少対策や度重なる自然災害、そしてコロナ禍による疲弊した県内経済を再興するための経済政策を推し進めていただければと思います。 ですが、私自身は、三期目の村岡知事の県政運営に当たっては、これまでの経済政策で進めてきた利潤・税、いわゆる果実の再分配の政策に注目していきたいと考えています。 生活困窮世帯への対応、子育て世帯への支援、教育環境の整備、雇用対策等の命が脅かされている生きるための生存権を守り、人権尊重の理念に基づいた施策に再分配を行う県行政の推進が必要だと考えています。 コロナ禍によって、これまで見えにくくされていた格差社会の社会的課題の背景が、社会の脆弱性があぶり出されたのではないでしょうか。 日本の賃金は、経済協力開発機構(OECD)各国と比べても二十二位と低位にあり、厚労省が示す実質賃金指数は、二〇一五年、一〇〇に対し、二〇二〇年は、九八・六となり、物価の上昇に賃金が追いついていませんし、このことに連動して年金の引下げも相次いでいます。 また、二〇一九年、国民生活基礎調査では、全体の相対的貧困率は一五・四%、子供の貧困率は一三・五%と、子供の七人に一人が生活困窮の、いわゆる貧困状態にあります。 コロナ禍の県内において、社会福祉協議会が生活に困った世帯に貸し付けている生活福祉資金の貸付実績は、令和二年九月三十日現在で五千八百四十七件、十六億約三千万円が、最新では一万五千四百九十九件、五十九億七千万円弱、再貸付けが二千三百三十三件、十二億三百十九万六千円となっており、生活困窮の厳しさが表面化してきています。 分配機能が県内の生活に困っている方々の隅々にまで、行き届いていない証左ではないでしょうか。 非正規の不安定雇用、突然の解雇、働いても、働いても暮らしが楽にならない等々、親の就労状況や、マルトリートメント、不適切な養育によって、学びたいけれども学べない、進学したいけれども諦めなくてはならない、子供たちの将来の夢や希望を打ち砕いてしまう社会的課題に届く財政措置と政策が必要です。 そこで、知事二期八年の経済政策の成果・課題、そして三期目のスタートに当たり、生活困窮世帯への対策、子育て福祉の充実、教育環境の整備、雇用対策への税の再分配について、知事のお考えをお伺いします。 さらに、再分配について、児童生徒の学びいく教育条件である教育費の財源確保と教職員の配置について伺います。 OECD加盟各国の図表で見る教育資料によると、二〇一八年の日本の教育における国内総生産に占める公財政支出の割合は、OECD平均四・一%を大きく下回り、加盟国中最下位の二・八%となっています。 山口県の歳出総額に占める教育費の割合は、決算ベースで二〇一九年度、二三・六%、二〇年度では一九・三%に、当初予算ベースで二一年度、一八・三%、二二年度は一七・〇%と、主に人件費の縮減で低下しています。 山口県の将来を憂うとき、県経済や社会、持続可能な地域活動を担う人材の育成が必要なことは言うまでもありません。 特に生活に困窮し、不利な環境にあえいでいる子供たちの健康と教育に積極的に再分配し、先行投資することは必然ではないでしょうか。 山口県における教育費への分配が少ないことに対する教育長の見解をお伺いします。 教職員定数に対して、臨時的任用教職員を配置している割合、いわゆる中長期教員採用方針について伺います。 子供たちの最も大切な教育条件は、教職員であることは論を待ちません。本年度の小学校一年生の三十人学級化は五校にすぎず、残念です。小学校における三十五人学級の導入、教科担任制の導入、教職員の定年延長制度の導入など、状況変化に対応し得る採用計画の検討と併せ、財源の確保が必要です。 教員の働き方改革の一丁目一番地は、教員の数と教員の本務者化の追及だろうと考えますが、定数内臨採の解消に向けた具体的な方針も含め、教育長の見解をお伺いします。 昨年九月の議員立法で成立をした医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行への対応について伺います。 医療的ケアが必要な子供を持つ保護者にとって、子供に医療のケアサポートが必要であり、地域の学校に通わせたいが、看護師等の専門職が配置できていないため、通学させられないので働きにも出られないなど困っている。悩みの種だとの話を聞かされました。 在宅の医療的ケア児、零歳から十九歳は、二〇一九年度の厚労省の推計によると、全国で二万百五十五人、山口県でも実態調査により百五十人を把握されており、改めて県内でも多くの医療的ケア児への支援の拡充を望んでいる子供たち、また、その家族がおられると認識させられました。 幸い新年度新規事業として、医療的ケア児支援センター運営事業、そして医療的ケア児保育支援事業の予算が計上されており、大いに評価をいたしております。 こうした問題への対処、事業を成功させるには、社会的合意の形成が何より重要だろうと考えています。 そこで、この間の医療的ケア児支援の取組の状況をお聞かせください。 あわせて、その成果と課題を踏まえた上での新規二事業の展開だろうと考えます。今後さらにバージョンアップした必要なケア、サポート方針などについて、併せて保護者、家族の抱えている悩みや課題への対応・支援策について、知事部局はどのように対処していかれるのか、お聞かせください。 また、医療的ケア児は、年々増加するとともに多様化し続けており、一人一人の状況や教育的ニーズに適した対応が求められる県教育委員会として、法律の施行を受け、医療的ケア児の地域の学校への受入れ等について、今後、具体的にどのように対応されようとしているのか、御所見を伺います。 持続的な農業についてです。 現状の本県の農家数は、農林業センサスによると、令和二年の総農家数は二万七千三百三十八戸で、二十年前の平成十二年の五万六千二百五戸に比べて五一・四%も減少しています。 実は、二十年前には、我が家も兼業販売農家でした。現在は、農地中間管理事業で担い手に耕作してもらえていますので幸せていますが、我が集落のほとんどの兼業農家も、高齢化ともうからないで離農してしまい、しかもマッチングがうまくいかず、そのまま遊休農地が増えているのが現実です。 事実、本県の集積率は、昨年三月末で三一・五%にすぎず、全国的にも農地中間管理機構の関連予算が、業務が始まって以来七年間で二割弱の二百三十八億円が未使用、借手不足もあって農地集積が進んでおらず、集積率は五八%にとどまっています。農村を取り巻く状況は、全国どこも、特に山口県では厳しくなる一方です。 そこで、本県では、農地中間管理事業に対する現時点での評価、そして今後の事業展開方策についてお聞かせください。 令和二年の基幹的農業従事者数は一万六千六百十三人、前回五年前比三〇・五%減ですし、平均年齢は全国一高い七二・三歳であることからして、若い就農者の確保は継続的に必要な課題です。 本県での令和二年度までの五年間での新規就農者は五百八十三名で、自己経営二百四十六名、雇用就業三百三十七名になっています。 農業大学校の令和二年度卒業生三十五名中、自営就農は二名、雇用就業二十二名、その他十一名です。 新たな担い手を計画的に確保・育成していかなければ、本県農業の先細りを防ぐことはできません。 新たな担い手を呼び込むための所得向上策なども、もちろん必要ですが、第一次産業に興味を持ち、就業を始めた担い手の定着に向けた対策も同時に必要です。 ここ数年の新規就業者は、幸い百名超とはいえ、さきの議会で井原議員の御質問への答弁では、新規就業者の定着率は、自営就農で九九%ですが、法人就業で七一%でした。 本県農業の中核として将来の活躍が期待される農業大学校の卒業生の農業就業率も七割前後と、少し残念な状況です。 持続可能な第一次産業の確立に向け、就業後、また入学後のフォローアップ体制、また受入れ法人等への対策を含め、継続就業等に向けた取組の強化が必要です。 新年度予算の新規就業者の確保対策及び定着促進事業を見ると、国の制度改正に合わせた手直しはうかがえますが、就業後の財政的支援、給付金の増額や期間延長、さらには市町が独自に行っている就業助成に県も支援するなどの思い切った予算、施策の展開が求められているのではないでしょうか。御所見を伺います。 最近、総務省の持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化に関する検討会の委員の先生の講演を聞く機会がありました。 その講演では、本県は、何もしなければ医師が集まる地域ではないとのことでした。 また、山口県内の病院の医師数のこの五年間の推移では、山口大学医学部附属病院や医師研修に強い病院の医師数に増加が見られるとのことでした。 しかし、医師の初期研修マッチングでは、一部で定員割れしている状況も見受けられ、若い医師が勤務する県となるためには、何よりも医師研修機能の充実が重要とのことでした。 そこで、県立総合医療センター機能強化検討事業について伺います。 友広議員の代表質問に、知事は建て替えると答弁されました。新築移転して、駐車場が広い、医師が集まる、最新の感染症対応ができる、できるだけ全個室の病院にすることが必要です。今の百十人くらいの常勤医師では、県内の病院に医師の派遣はできません。 総務省の公立病院経営強化ガイドライン案では、拠点病院は充実させて、他の病院等へ医師を派遣する体制を目指すとしています。お手元に資料をお配りさせていただきました。 医師の目標を二百人とか二百五十人ぐらいの体制にして、県内の病院、自治体病院等へ医師を派遣する。そのような機能を目指す。古くなったからではなく、機能を向上させ、医師を集め、そこから医師を派遣する。県立総合医療センターは、そういうものを目指すべきだと考えます。 そこで、県立医療センターが県内の医師不足対策に向けて果たすべき役割をしっかりと基本構想の策定に反映すべきと考えますが、御所見を伺います。 また、基本構想の策定に当たっては、地域医療に造詣の深い専門家を有識者会議の委員に招聘すべきと考えますが、御所見を伺います。 次に、再生可能エネルギーの大規模太陽光発電・風力発電に対して、自然環境に調和した規制ルールづくりに及び腰であったり、石炭火力発電からの転換も、本県では特にハードルが高そうな現状からして、政府が掲げているカーボンニュートラルの実現を現実的なものにするために、まず、省エネをやらなければの観点から質問いたします。 専門家も、家庭やオフィスビル内で使われている冷暖房などを含め、建築物で使われているエネルギーは、日本のエネルギー消費量全体の三分の一を占めている。昨今の石油・石炭を原料とする発電をめぐる問題など、日本の温暖化対策は、エネルギーをつくる側で議論されますが、使う側、そしてそれを減らす側での議論も重要です。使うエネルギーを減らして、どうしても使うものを再生可能エネルギーにするというのが、目指すべき方向ではと指摘しています。 構造的に住宅が寒いために暖房で暖めるという無駄遣いをなくすためには、冬暖かく、夏は涼しい住宅、つまり断熱性に優れた住宅を造ることが鍵になっています。 年間一万九千人もがヒートショックになっている状況を踏まえ、鳥取県、山形県は、健康省エネ住宅を進める施策を既に展開しています。 東京都でも、CO2など温室効果ガス排出量を実質ゼロにするエミッション・ゼロの住宅を新築する場合、必要経費の一部を補助するゼロエミ住宅を二〇一九年十月から始め、コロナの影響で在宅勤務が増え、生活の中心が住宅になり、高性能な住宅への関心、ニーズが高まって想定を上回る申込みが殺到。都は新年度、予算を四倍に増やして省エネ住宅の普及を進めるとしています。 また、この分野のトップランナー、長野県は、建築物のCO2の削減率を高める政策によって、雇用や産業を生み出し、暖かく住みやすい家を増やし、人口の流出を抑えるなど、言わば持続可能性を見据えた産業振興策としての長野県ゼロカーボン戦略を推進しています。 私も、二〇年九月議会で、ヒートショックに絡めて住宅政策について質問しましたが、答弁は、言わば国の制度、法律待ちでした。 しかし、今国会において提出予定だった建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律、いわゆる建築物省エネ法改正案は、見送られました。 国の制度、法律待ちではなく、長野県などの住宅・建築物省エネ政策などの先進事例に倣い、脱炭素及び産業振興策として県独自でも政策展開すべきではないか、御所見をお伺いします。 あわせて、市町の住宅リフォーム制度への県助成を創設し、もってアフターコロナを見据えた県内事業者の振興・育成を図られてはどうか、お伺いいたします。 米軍岩国基地についてです。 木佐木県議もおっしゃいましたが、先月の二十五日に、米海軍のドック型揚陸艦アシュランドが岩国基地に初寄港。岩国基地に大型岸壁が整備されて、米軍の大型艦船が続々と入港するようになっています。 この米艦は、米軍の発表では、二月三日から七日まで行われた、米海軍、海兵隊、空軍、海上自衛隊の統合演習に参加し、第三一海兵遠征部隊を舟艇で強襲上陸させる役割を担ったといいます。 この海兵遠征部隊は、今月にも沼津海浜訓練場や東富士演習場で陸上自衛隊の水陸機動団などとの大規模な共同演習を行う予定とされ、これには、MV22オスプレイやCH53のほか、陸自オスプレイなども参加するとされており、今回のアシュランド入港は、この演習の準備と関係があると軍事専門家は見ています。 最近の入港状況は、F35Bを試験運用した海上自衛隊の護衛艦いずも、強襲揚陸艦アメリカ、動く洋上基地と言われる超大型のミゲルキース、弾薬補給艦カールブラシア、超高速輸送艦プエルトリコなど種類も多彩で初めての寄港が相次いでいます。 ある艦長は、正直に岩国基地の施設の利用が可能かどうか確認のためであるとの趣旨の発言を行っており、今後どんどん使っていくという動きと思われます。 基地沖合移設前には、県営岩国港に民間船をチャーターしての物資等の輸送だけだっただけに、隔世の感があります。 今や、岩国基地は極東一の巨大航空基地になっただけでなく、軍港としての運用機能も持つようになったのではないでしょうか。まさに基地機能の拡大強化ではないか、見解を伺います。 また、井原議員も御指摘になりましたけれども、一月二十七日、午前七時三十分頃と八時頃の二回、それぞれ約十分間、岩国基地周辺上空において、米海兵隊のF35Bステルス戦闘機が垂直に急上昇、回転しながら急降下、背面飛行、八の字を描くなどの急旋回、海面近くを低空飛行するといった曲技飛行を行いました。翌二十八日、二月一日、三日にも行ったといいます。 これは、一九八八年に西ドイツで曲技飛行中の米軍機三機が炎上し、三万人の市民の見物席に墜落する大惨事を起こしています。 この件に関しては、国、米軍に厳重に抗議するだけではなく、断固反対を申し入れるべきです。見解を伺います。 さらに、米軍基地から染み出たオミクロン株により、岩国市、和木町、さらには広島県にも迷惑をかけ、まん延防止等重点措置に基づき市内の飲食店には酒類提供停止を求めていた最中に、基地内のバーが、十三日、十四日両日、営業し、酒を提供。基地従業員から客の嘔吐物などの清掃で感染の懸念が、全駐労山口県地区本部さんに寄せられています。 日米地位協定で日本の規制や管理に服さないと定められた米軍基地内の食堂などは、要請の対象外と。これはコロナ感染症との闘いでは、許されざることではないでしょうか、見解を伺います。 そもそも今回、明らかになった基地従業員のコロナへの感染脅威に対し、県としてどのような支援・救済策を講じてこられたのかもお聞かせください。 朝鮮学校問題。質問に先立ち、一言申し上げます。 まず、五日に北朝鮮が、今年に入って九回目のミサイル発射を行ったことは、ロシアのウクライナへの軍事侵略の真っ最中のことでもあり、断じて許せず厳重に抗議するものです。 また、私の戦後の歴史観は、学校教育で得られたものではなく、主に祖母の話から培われたものです。 我が家の仏壇には、二人のおじの勲章があります。さきの戦争で、私が生まれる前か直後に戦死していますので、不思議な感覚にとらわれますが、おじというほかありません。 一人は、陸軍士官学校を出て南方の激戦地で戦死。もう一人は、赤紙で召集され、最後はシベリア抑留で未帰還のまま戦死になっています。祖母は、同じ部隊で帰還された方を長年訪ね、消息を聞き歩いていましたが、当時のことを誰も話してくれないと涙しているのを、子供の頃のことですが、今でも鮮明に覚えています。 二人のおじの遺骨はおろか、遺品すら何も我が家には帰ってきていません。 そんな祖母に連れられて子供時代、地元の護国神社の清掃や慰霊祭に、一時間以上かけて毎年かかさず歩いて行って、道すがら戦争さえなければ、戦争だけはいけんなどの話を聞かされてきました。私が成人し、車で行こうと言っても、祖母は、暑い中で、寒い中で死んだ息子の供養のために、楽しちゃいけんと、これだけはかたくなでした。忘れられません。 本題です。議会は、言論の府です。また、憲法二十一条一項で、表現の自由が保障されています。当然、言論の自由も含まれます。 しかし、表現の自由も無制限ではなく、公共の福祉による制約を受ける。例えば、人の名誉を損なう表現は、刑法によって名誉棄損罪として処罰されるという制約を受けます。 さらに、表現の自由は、二つの価値、自己実現の価値と自己統治の価値を備えているから重要だとされています。 この自己統治の価値には、多種多様な意見、とりわけ少数意見の尊重が重要とされ、反論や反対意見も同じく尊重される必要があるとされています。 昨年十二月の一般質問で、朝鮮学校補助金の復活を求める質問を繰り返される方々は、北朝鮮の代弁者と成り下がっていると言わざるを得ない。北朝鮮を利するだけの質問は、二度とこの議場で取り上げないでいただきたいと、おおむねこのような御発言がありました。極めて遺憾であります。 余談ですが、総務部長の答弁も、質問された議員の先生の趣旨から外れた、これまで朝鮮学校への補助金復活を求めてきた私たちへの答弁と判で押したような全く同じ内容の答弁だったと感じました。 改めて、朝鮮学校への補助金復活についてお尋ねします。 政府は、日本人、外国人関係なく納める消費税を財源として、幼児教育・保育、高校授業料無償化を実施。また、コロナ禍で生活に困窮する大学生たちに緊急給付金を給付する救済制度も進めました。 しかし、外国人学校や朝鮮学校は、幼児教育・保育の無償化の対象外。さらに、朝鮮高校は、高校授業料無償化、朝鮮大学校へ通う生徒は、コロナ緊急給付金の対象から外されました。 朝鮮学校への対応は、国連などからの是正勧告も出ていると何度も申し上げてきました。何より平等に払う消費税、だが、使い道は日本人だけ。国の考え方はどうにも理解できません。 また、他県の動向にも補助金を支給し続けている県・市もあることから、到底納得しかねます。 また、木佐木県議の昨年九月議会での、県内在日コリアンの方々は県民かどうかの問いに、山口県にお住まいの方は、山口県民であると認識しているとの答弁。 また、村岡知事も、さきの県知事選で、選挙ビラに一人一人を大切にする教育を掲げられていたことから、改めて朝鮮学校への補助金を復活すべきと考えますが、御所見をお伺いしまして、一回目の質問といたします。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中嶋議員の御質問のうち、私からは、経済活動で生み出された利潤・税の再分配に関して、三期目に当たっての経済政策についてのお尋ねにお答えします。 私は、これまでの二期八年間、活力に満ちた産業や活気ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らせる「活力みなぎる山口県」の実現に向け、全力で取り組んでまいりました。 このうち、産業振興については、積極的な企業誘致によって、五千人を超える新規雇用を創出するとともに、本県の強みであるものづくり産業の成長支援や国内外での新たな市場開拓等に取り組み、これらを通じて、県内総生産と県民所得の向上に努めてきたところです。 そうした中で、法人二税をはじめとする毎年度の県税収入は、コロナ禍で一旦は減少したものの、一貫して増加傾向を維持しています。 また、県民の暮らしに関しては、企業や団体、地域の皆様と協働しながら、子育て支援の充実をはじめ、女性や高齢者、障害者の活躍促進に取り組むとともに、全国に先駆けて県立学校のICT環境を整え、子供たちの可能性を広げる、やまぐちスマートスクール構想も推進してまいりました。 さらに、コロナ禍においては、生活困窮世帯や家計が急変した独り親家庭に給付金等を支給したほか、中小企業の事業継続への支援などに万全の対策を講じているところです。 これらの結果、県政世論調査においても、県民の暮らしの満足度は着実に高まってきています。 一方で、長引くコロナ禍は、地域経済と県民生活に大きな影響を及ぼしており、一日も早くこれを再生し、本県の元気を取り戻していかなければなりません。 このため、来年度においては、事業活動の維持・発展への支援や、需要喚起等による地域経済の回復に最優先で取り組んでまいります。 そして、生活困窮者対策や雇用対策、子育て・教育環境の充実など、様々な社会課題にしっかり対応し、県民の暮らしの再生を図ってまいります。 具体的には、子ども食堂の開設・運営や高校生等の就学への支援、雇用セーフティーネットの強化などに引き続き取り組むとともに、新たに総合支援学校に先進的なデジタル技術を導入し、児童生徒の自立と社会参加を促進していくこととしています。 さらに、私は、県政の幅広い分野において、デジタル技術を積極的に活用し、これまで対応が困難であった地域課題の解決と、新たな価値の創造に取り組み、より高いレベルでの成長の実現と安心の確保を目指してまいる考えです。 私は、今後とも、その時々の社会経済情勢や県民ニーズ等を踏まえた施策を適切に実施し、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新年度予算及び施策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、医療的ケア児支援の取組状況についてです。 医療的ケア児とその家族が地域で安心して生活できるよう、県では、これまで、医療的ケア児支援地域協議会を設置し、医療、福祉、保育等の関係機関の連携促進や支援に携わる人材育成などに取り組んできたところです。 こうした中、昨年九月の医療的ケア児支援法の施行等を踏まえ、県では、来年度、支援の拠点となる医療的ケア児支援センターを設置し、家族からの相談に応じるとともに、関係機関との連絡調整等を行い、医療的ケア児等への総合的な支援体制の整備に取り組むこととしています。 また、保育所等において、利用を希望する医療的ケア児の受入れが可能となるよう、体制整備に向けた看護師の配置やガイドラインの作成など、市町の取組を支援してまいります。 県としましては、今後とも、医療的ケア児とその家族の日常生活や社会生活を支えるため、市町や関係機関等と連携し、支援の充実に努めてまいります。 次に、近未来の安全医療の充実についてです。 現在、国においては、地域の医療提供体制を持続可能なものとするため、不採算地区病院等に医師を派遣することなどを盛り込んだ公立病院経営強化ガイドラインの検討が進められています。 県では、今後、国から示されるガイドライン等も踏まえ、来年度、県立総合医療センターの機能強化に関する基本構想を策定することとしています。 また、構想の策定に当たっては、県に外部有識者からなる検討組織を設置し、幅広く御意見を伺いながら進めてまいります。 副議長(二木健治君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)新年度予算及び施策についての御質問のうち、持続可能な農業についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、農地中間管理事業に対する評価と今後の事業展開方策についてです。 県では、農業の生産性の向上に向け、基盤整備が完了した全ての農地を担い手に集積できるよう、農地中間管理事業をはじめ、各種施策に取り組んできたところであり、その結果、農地中間管理機構による農地の転貸面積が、中四国地域で最も多くなるなど、一定の成果が得られています。 一方で、小規模・不整形農地が点在する中山間地域などでは、圃場条件のよい地域に比べ、農地集積が遅れている状況にあります。 こうしたことから、今後とも、基盤整備を着実に進めるとともに、中山間地域などにおいても農地集積が進むよう、引き続き、市町、農業委員会、機構等との連携の下で、国の事業等を活用しながら、農地の流動化と担い手の育成に取り組んでいきます。 次に、就業者に対する思い切った予算・施策の展開についてです。 県では、農業就業者の安定した確保に向け、募集から研修、定着までの一貫した担い手支援日本一の取組を進めているところであり、今後も、法人就業者に対して、就業前から就業五年後までの間、本県独自の支援を集中的に行うこととしています。 具体的には、まず農業大学校の学生に対し、法人就業への理解促進を図るため、法人の活動を紹介するガイダンスを開催するとともに、受け入れる法人等のミスマッチを防ぐためのインターンシップなどを計画的に実施します。 また、法人就業後のフォローアップとして、農業大学校において経営感覚を学ぶための研修を開催するとともに、同世代の就業者がお互いの夢や悩みを共有できるネットワークづくりを支援します。 さらに、就業者を受け入れた法人が、技術や経営ノウハウを次の世代へしっかり引き継げるよう、このたび見直された国から法人に給付される制度に対し、対象期間や支給額を拡充することとしています。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)脱炭素の住宅・建築物についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、脱炭素及び産業振興策についての県独自の政策展開についてです。 県では、これまでも、住宅・建築物の省エネ性能の向上を図るため、頻繁に行われる国の制度改正に併せ、その都度、改正の趣旨や内容を、講習会等を通じて県内の関係団体や建築士等へ周知しているところです。 また、中小企業等を対象とした省エネ・再エネ関連設備を導入するための融資制度に加え、令和三年度から新たに、新築のネット・ゼロ・エネルギー・ハウスに対する補助制度を創設するなど、県独自の取組も進めているところです。 次に、市町の住宅リフォーム制度への県の助成による県内事業者の振興・育成についてです。 県では、これまでも、研修会や現場見学会等による若年層の確保や、住宅の省エネ施工技術の講習会等による技術者の育成など、中小工務店をはじめたとした県内事業者の振興・育成を図っているところです。 なお、国において、既存住宅のリフォームについての助成制度の拡充がなされることなどから、現時点では、市町の住宅リフォーム制度への県費助成の創設は考えていません。 副議長(二木健治君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)米軍岩国基地問題についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、最近の米軍艦船等の寄港の状況に関連し、岩国基地が軍港としての運用機能を持つようになったのではないか、まさに基地機能の拡大、強化ではないかとのお尋ねです。 昨年から軍艦等の寄港が相次いでいますが、その運用はいずれも一時的なものであり、基地機能の変更には当たらないと考えています。 また、基地の軍事的な機能に関する問題は、地方自治体として、権限や知見を有しておらず、これを判断することはできないものです。 次に、F35Bの曲技飛行に関し、断固反対を申し入れるべきではないかとのお尋ねです。 県としては、どのような名称や形態の飛行訓練であれ、基地周辺において、激しい騒音をもたらす訓練や、住民に不安や危険を及ぼすような訓練は行われてはならないと考えており、このような考え方で地元市町や関係都道府県と連携し、必要な対応を行ってきたところです。 今後とも、こうした飛行訓練が行われないよう、あらゆる機会を通じて、国や米側に粘り強く求めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症対策に関する二点のお尋ねです。 まず、岩国基地内の食堂などが酒類提供停止の要請の対象外であることは、許されざることではないのかについてです。 基地周辺の感染拡大防止対策は、米軍基地と関係自治体が連携・協力して取り組んでいくものですが、基地内で実施される個別具体的な対策まで、県として米軍に求める考えはありません。 なお、岩国基地においては、基地外に感染が拡大しないよう、在日米軍全体の措置に先行して、一月四日から、米軍関係者の基地外への外出制限の強化が図られるなど、厳格な対策が実施されていたところです。 次に、基地の日本人従業員への支援・救済策についてです。 県では、昨年十二月二十四日に基地従業員にオミクロン株が確認されたことを受け、直ちに米軍や国に対し、従業員への感染拡大防止対策に万全を期すことを要請するとともに、十二月二十五日から希望する従業員を対象とした集中PCR検査を実施したところです。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)朝鮮学校問題についてのお尋ねにお答えします。 朝鮮学校補助金については、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、現時点では補助金の支給は県民の理解を得られないとの判断に変わりがないことから、補助金を予算計上することは考えておりません。 副議長(二木健治君)西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕 副教育長(西村和彦君)新年度予算及び施策についての教育に関する数点のお尋ねのうち、まず、経済活動で生み出された利潤・税の再分配についての二点のお尋ねにお答えします。 最初に、県の教育費についてです。 県教委予算は、給与関係経費が大部分を占めており、いわゆる標準法に基づく教職員定数が減少したことなどから、県予算に占める割合が低くなったものと考えています。 次に、教職員の配置についてです。 教職員の定数が標準法で定められている中、県教委では、児童生徒数や退職者数の推移などを総合的に勘案し、中長期的な視点に立って、可能な限り正規教員の採用に努めているところです。 次に、医療的ケア児及びその家族への支援のお尋ねのうち、医療的ケア児の地域の学校への受入れ等についてです。 県教委では、医療的ケア児支援法の基本理念を踏まえ、小中学校等を所管する市町教委に対し、医療的ケアの安全な実施に向けた校内体制の整備等について助言するとともに、看護師配置に係る国事業の活用の周知を行っているところです。 また、医療的ケア児が高等学校等への進学を希望する場合には、本人の教育的ニーズ等を踏まえ、可能な支援について検討することとしています。 副議長(二木健治君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 再質問をさせていただきます。 紹介させていただきました総務省の検討会の委員の先生は、厚労省重点支援区域の周防大島病院事業再編の現地病院などを視察され、確かに補助金は一・五倍とはいえ、多い額ではない。しかし、橘病院診療所化により東和病院が第一種不採算地区病院になり、年間七千万円程度の特別交付税のほうが大きい。老人保健施設の介護医療院への転換で地域包括ケア病床の在宅復帰先になり、収益改善効果も見込めるのも大きいと、病院事業管理者とも意見交換され、コンサルは、皆、さらなる病院統合を進めるが、この先生は、交通条件の悪い東和病院の経営強化こそが大事で、風光明媚な東和病院の医療は死守すべきだと話されました。 このような地域医療に詳しい先生方を探していただいて…… 副議長(二木健治君)中嶋光雄君に申し上げます。時間が参りました。注意いたします。 中嶋光雄君 (続)有識者会議に招聘すべきではとお尋ねしまして、質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)ただいまの再質問における発言については、持ち時間の範囲内において答弁を求めるに至っておりません。よって、答弁を求めることはできませんので、御了承願います。 副議長(二木健治君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(二木健治君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時四十七分散会