1 知事の政治姿勢について 2 ヤングケアラーについて 3 高校教育について 4 朝鮮学校の補助金について 5 ローカル線の存続について 6 上関原発について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第五十七号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第五十七号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 宮本輝男君。 〔宮本輝男君登壇〕(拍手) 宮本輝男君 おはようございます。社民党・市民連合の宮本輝男でございます。誰もが安心して暮らし続けられる山口県を目指す立場から、通告に従いまして質問をさせていただきます。 まず、知事の政治姿勢についてです。 昨年末に、衆議院選挙において特定の政党の候補者のパンフレットを部下に配付し、後援会に加入をめぐる公職選挙法違反事件で、当時の副知事が辞任をされました。 そのとき、何年にもわたる慣行で、何で今頃になって取り沙汰されるのか。パンフレットを配付することで、県政を円滑に進めることができると思った、との旨のコメントを出されていました。 行政マンとして、県庁マンとしてあるまじき言動であり、行為であったと言わざるを得ません。 本日も収賄の疑いの記事が出ていましたが、本当に綱紀が緩んでいるのではないかというふうに思います。 県の行政は、あまねく公平で、その本質はあくまで県民一人一人の生活の維持向上を大切にする観点であり、特定の政党、個人に加担してはなりません。そのために国の動向を見守るだけでなく、県民の声をいかに酌み取り、県政に反映していくことが非常に重要であると思います。 記者会見等では、知事はコメントを出されています。悪しき慣行が以前から行われていたことに関し、知事は御存じだったのか、また、今後、県政を執行されるに当たっての所見について、改めて知事の見解を求めます。 あわせて、弁護士の一名を除くと、ほかは県庁の職員で構成されている調査チームの中間報告ともいうべきものの途中経過はどうなっているのでしょうか、お伺いをいたします。 昨年からコロナに新種のオミクロン株の流行の兆しが見え始め、今年に入り全国的にアメリカ軍の基地関係者を発生源としたと見られるクラスターで、第六波が発生しました。 山口県や広島県、沖縄県にまん延防止対策が行われ、全国にも波及しました。 沖縄のキャンプ・ハンセンのみならず、軍関係者のアメリカ出国時のPCR検査が九月三日以降実施されておらず、入国後の行動制限期間中の基地間の行動制限も行われていなかったことは、全ての基地が対象であったことが明らかになりました。 アメリカ出国時のPCR検査が、九月以降されなかった理由について、アメリカ軍は、ワクチン接種の実施や世界的に感染が抑制されていたことを挙げています。 しかし、当時、世界各国とも出国時の検査はもとより、入国時の検査、いわゆる水際対策が、オミクロン株の発生時から一段と強化される中で、アメリカ軍の出国時の検査、入国後の基地間の行動制限が事実上何もされていなかったことは、到底許されるべきものではありません。 日本では、一昨年、昨年と国民生活は大きく後退し、とりわけ非正規社員のシフト減などによる収入減で女性の自死が増加しました。 いわれなき中傷の中でも過密労働で国民の命を守ってくれている医療関係者等、そして、売上げが減少している中での中小零細業者の経営破綻の危機。 国民は、それでもコロナ感染防止のために、三密を避け、手指の消毒、外出規制を重ねてきました。 日本国内の感染防止対策が適用されず、アメリカ軍に要請しかできない、アメリカ軍の言うことをうのみにしなければならないという現在の日米地位協定の現状を変えなければならないと思います。 一九六○年六月、日米新安保条約が成立しました。地位協定は、第六条「アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」という規定の下に定められ、言い換えれば、在日米軍は日本の法律に縛られない活動もできるということであり、六十年以上にわたり改定されていません。 諸外国では、アメリカ軍が駐留国の国内法が適用されているところもあります。公務執行中の犯罪・事故であれば日本側において裁判権を行使できないなど、ほかにも特権は多くあります。 このことに関し、知事も要請を出されていますが、せめて国内法等の遵守をするような日米地位協定に見直すように国に強く要請すべきだと思いますが、知事の見解を求めます。 以上、公職選挙法の問題、アメリカ軍のクラスターが第六波の原因の一つという問題に関し、また、コロナ対策の現状と課題、そして、今後の施策と併せ、知事は選挙で県民に直接訴えるべきではなかったかと思います。 私どもは、渦中の副知事の人事案に対し、選挙中は不在が続き県政に支障があってはならないとおもんぱかって賛成をいたしました。 しかし、知事は初日の出発式のみで、あとは選挙カーに乗られませんでした。当然、県民には訴えられる機会は極端に少なかったわけです。 この非常事態ですから、コロナ対策に専念するという気持ちも分からなくはありませんが、せめて多少の日にちでも街頭で県民に訴えることも必要ではなかったのでしょうか。知事の見解を求めます。 ヤングケアラーについてです。 二○二二年度の予算では、ヤングケアラー支援体制強化事業としてのヤングケアラー実態調査、ヤングケアラーシンポジウムで、国と県が二分の一ずつで計四百五十万円計上されています。 この金額が、事業の中身によって金額の多寡が評価されると思いますが、これまで幾度となくこのヤングケアラーについて県の見解・取組について質問してまいりましたので、予算計上されて個人的には大変うれしく思います。 国の二○二一年度の調査のデータがなく、二十年度の調査では、ヤングケアラーは、「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っていることにより、子供自身がやりたいことができないなど、子供自身の権利が守られていないと思われる子供」を言う定義がなされていました。 調査は、中学二年、全日制の高校二年生が中心で、その結果、中学生は五・七%、十七人に一人、高校生は四・一%、二十四人に一人でした。 また、世話をしているために、やりたいことができないことでは、宿題や勉強の時間が取れない中学生一六%、高校生一三%、自分の時間が取れない中学生二○・一%、高校生一六・六%、睡眠時間が十分取れない中学生八・五%、高校生一一・一%、友人と遊ぶことができない中学生八・五%、高校生十一・四%で、まさしく年齢以上の負担がかかっているものと思われ、政府も家族の世話により進路に影響があることが推察されると考察を出しています。 子供自身が、中高生とも二%程度しか自覚していない現状の中で、学校での子供に対する啓蒙・啓発が必要と思われます。 そこで、熊本県が二月二十五日公表したヤングケアラーに関する初の実態調査では、県内の中学二年と高校二年のうち四百八十一人が、日常的に家族の世話をしていることが分かりました。 しかし、自分がヤングケアラーに当てはまると答えたのは、二百十二人にとどまり、家族の世話に時間を取られて勉強や睡眠の時間が足りなくなる、同世代から孤立するなど子供への影響が懸念されるとされています。 熊本県の調査には一万七千百六十五人が回答。家族の世話をしていると答えた四百八十一人は、回答者の二・八%、約三十五人に一人。クラスに一人程度いる計算になるとされ、まさしく国の調査と同様な結果が出ています。 そこで、来年度のこの事業について、何点かお伺いをいたします。 この調査は、児童生徒のタブレット端末を用いてのウェブとされていますが、全員対象なのか、プライバシーの保護が重要だと思いますが、どのように実施されるのかお伺いをいたします。 また、以前の埼玉県のようなヤングケアラーを含む介護全般の基本計画や基本条例を策定し、介護をしている方のケアの方向性を示すことが必要ではないかとの私の質問に対し、当面は考えていないとの旨の回答でしたが、この調査結果をどのように今後、児童生徒のために生かされていくのか、お伺いをいたします。 教育委員会は、教職員にヤングケアラーについての研修を行う、また、スクールソーシャルワーカーの増員を国に要請しているとの答弁でしたが、熊本県の調査では、回答した県内二十二小学校と全中学・高校のうち六○・九%が、言葉は知っているが学校としては特別な対応をしていない、また、保護者の同意が得られずスクールソーシャルワーカーを介した支援も思うように進まない、お手伝いとの境目が不明瞭など、現場の戸惑いも見えてきたと新聞報道でなされています。 このことについての学校や教職員の現状と今後の課題についてお伺いをします。 熊本県の調査でも、本人に自覚がないという児童生徒に対しての支援がなかなかしにくいということもありました。児童生徒に対しての指導など啓蒙・啓発はどのようにされていくのか、お伺いをいたします。 福祉、介護、医療、教育機関等、関係機関の職員研修と一般県民の理解促進を目的としたシンポジウムの開催とありますが、どのようにされるのかお伺いします。 全国では、NPOなど相談支援機関がありますが、県内の機関とどのように連携を図られるのか、また、地域では、地元に密着されて子供たちを見守る民生児童委員や自治会長などの方々との協力が必要不可欠ですが、各自治体において、こうした方々との連携がスムーズにいくような県の支援はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 高校教育についてです。 一月二十六日付の中国新聞を見て驚きました。見出しには、小規模校存続の岐路、小見出しには、地域なくなる懸念もとあり、二○○五年度からの再編では、全日制の県立高校六十七校四分校が四十六校六分校に減っているとあり、ここまで減っているのかと改めて思い知らされました。 それと、高校再編整備計画に当たっての島根県と山口県の考え方の相違にも驚かされました。 島根県では、小規模校は地域の担い手を育て、地域を活性化する重要な役割を持つ。規模にこだわらず、市町村と相談し学校の在り方を考えるとしています。 島根留学で、二十一年度は、全国二十九都道府県から過去最高の二百三十人が入学しているとのことです。私がある高校に聞いたのと同様なものです。その地元の自治体では、小中学校と同様に高校にもかなりの金額の補助金を出しているとのことでした。まさしく、おらが町の学校です。 新聞でも取り上げられていましたが、中山間地域の方は少子化で、他人とはいえ、自分たちの子であり、孫であり、地域の宝なのです。この生徒たちに少しでも地方創生の中で地域活性化のために頑張ってほしいと願っているのです。 各分校では、地域とともに食品の開発、地域で古くから伝わってきた伝統や伝統技術の継承など、生徒たちとの交流を大切にされているわけです。 しかし、教育委員会が全日制高校を分校にし、生徒数が少ない中で募集停止の検討という話が出れば、分校の閉校に反対するという声は出しづらいのではないかと思います。 地域から元気な若者の姿が消えると地域から元気がなくなりますよ。日常的に、地域の声なき声、地域活性化の一つとしての学校への思いをどのように評価されているのか、また、そのことをどのように高校再編整備計画に反映されようとしているのかお伺いをします。 教育委員会から頂いた、二学級規模校の学校・一学級規模校の分校生徒の出身地についての資料を見ると、旧市町村別に見ると、所在地である地元の生徒より、近隣の市町からの生徒が圧倒的に多く、その数はおよそ三分の二から四分の三までが在学し、勉強にいそしんでいます。 私は、大規模校で切磋琢磨することを否定するわけではありません。しかし、現実にバスや電車を乗り継ぎ、親の送迎を頼りにして遠距離を通いながら分校に学んでいる生徒がいるのです。 前日の同じ新聞の記事の中で、勉強が苦手だったがここなら授業中でも先生がすぐに駆けつけて教えてくれる旨の談話を出していました。 このように、少人数学級に憧れてという生徒もいますし、繰り返しになりますが、多くの方に話を聞くほど、大規模校や大集団での生活になじめない、過去のもろもろのことで心を痛めたり、中学校の時に不登校ぎみだったり、同じ中学校の出身者と違う高校に通いたいという生徒の受け皿が分校、小規模校だと強く思うようになりました。 今年初めて、県内の分校がオンラインではありますが、分校サミットが開かれ、生徒自身が地域の方と商品開発などで交流を深めていることを報告し合っていました。 このように、小規模校、分校は、生徒自身が自己の能力を伸ばし、自分の好きな進路を見つけ、社会を生き抜いていく力を育て、一方で、地域との交流で郷土に誇りと愛着を持ち、地域・社会に貢献しようとする人材が育つ学校の一つだと思います。 そこで質問いたします。高校再編整備に当たって、小規模校、分校の生徒の気持ちを聞いて、将来構想に反映すべきだと思いますが、見解をお伺いします。 地方創生と言われる中で、これまで中山間地域の小規模校、分校にどういう姿勢で臨まれてきたのか、お伺いします。 多様性を認め合う時代です。パートナーシップ宣誓制度、障害者などに対して、お互いが認め合うことが叫ばれている時代です。学び方についても、いろんな形があってもいいじゃないかと思います。学び方の多様性についての県教委の見解をお伺いします。 二月十六日発表の公立高校の入学志願登録状況が発表されたのを見ると、二十一年度登録倍率と比較して、同等かそれ以上の倍率になっています。小規模校、分校が見直されているというあかしではないでしょうか。 分校を閉校するということは、そこで学びたいという子供たちの学ぶ権利を否定することにもなります。人権侵害になると思いますが、見解をお伺いします。 二○一一年、全国に先駆けて、小中学校が三十五人学級を実施されたのに対し、高校は大規模校の四十人学級の四から八学級が望ましいとの素案が出されていますが、なぜかお伺いします。 また、質の高い教育と言われていますが、大規模校なら切磋琢磨して質が確保されるのか、裏を返せば小規模校、分校は質が低いのかということになります。これは当該校にとっては大変失礼な話です。 改めて、何をもって質が高いと言われるのか、根拠をお伺いします。 朝鮮学校に対する補助金についてです。 朝鮮学校補助金についての質問に対して県の答弁は、県民との相互理解の増進を図ることを目的として交付してきたものですが、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外とした国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、県として、現時点では、県民の理解が得られないと判断しているものですと、質問者の質問の中身は変わっても答弁はいつもこの三点セットプラス一で変わりません。 しかし、この答弁をよく見ると、いささか矛盾を感じるところです。 県民との相互理解の増進を図ることを目的として交付してきたものとありますが、以前は、行事等の学校運営等に対しての補助金だったと認識しているのですが、なぜ交付目的が変わったのでしょうか。 下関朝鮮初中級学校は、近隣の学校との交流も過去なされてきたとお伺いしています。であるならば、朝鮮初中級学校がもっともっと交流するためにも補助金は出すことが必要なのではないでしょうか。 他県の動向を言われていますが、新聞報道によりますと、岡山県では二○一八年度、二○一九年度と連続で支出ゼロだったのに対し、二○二○年度に一校に二十万円を補助しました。私立の各種学校に備品購入費として一校当たり年間二十万から百万を補助しており、朝鮮学校も三年ぶりにこの制度を活用したとあります。 一方、福岡県では、朝鮮学校が行う日本の学校や地域との交流イベントなどへの補助を続けており、二○一九年度は六十七万円補助していましたが、二○二○年度は新型コロナウイルス禍の影響で開催できなかったため、補助もゼロでした。二○二一年度に入り、朝鮮学校側からイベント開催に伴う申請があり、開催された場合には、申請内容に即して支出する方向だということです、とあります。 補助をしている県もあるわけです。県の見解をお伺いします。 私学等への補助金は、県が主体をもって判断すべきと思いますが、見解をお伺いします。 北朝鮮と朝鮮学校を同一視されていますが、北朝鮮と日本の朝鮮学校で学ぶ子供たちは関係ないのです。学校の実態については、現地に赴いて児童、教職員、保護者の意見を聞き調査すべきではないでしょうか。県の見解をお伺いします。 県民の理解が得られないではなく、県民の理解が得られないであろうがより正確な表現だと思います。相互理解の増進を目的とするならば、一つは外国人に対する人権教育の推進が今まで以上に必要であると思いますし、その上で県民への調査が必要だと思いますが、県の見解をお伺いいたします。 ローカル線存続についてです。 ローカル線の存続の検討について、今年になって慌ただしくなってきました。 二月十四日に、国において第一回ローカル線についての検討会が始められ、十六日にはJR西日本の長谷川社長が記者会見を行い、ローカル線の線区別収支を四月に公表するとコメントしました。 また、輸送密度一日二千人未満の線区については維持が困難だ、の旨の発言もありました。ローカル線の一層の議論を促す狙いがあるものと思われます。 それでいけば、山口県では五路線六区間が参考として示されています。 それに先立ち、中国地方知事会は、今年の一月二十五日付で六項目にわたる要望書をJR西日本に対して提出されました。 一、今年のダイヤ改正は再考すること。 二、減便の場合でも臨時便や車両の増結、コロナ収束後は二○二一年の改正も含め復活させること。利用者、地元自治体に事前周知し、理解を求めること。 三、沿線自治体が、利用促進をしてきたことを水泡に帰さないこと。 四、区間ごとの数字で判断することなく、適切に堅持されること。 五、支社機能の集約は慎重にされること。 六、地域のまちづくりと連動した地域交通の維持や利便性の向上に取り組むこと。とされています。 電車に乗れば、学生たちの若い熱気がありますし、幼子を抱えた家族の旅行・レジャー、ビジネスマン、高齢者もおられます。 これは、ローカル線はこのような方たち、沿線地域の住民の通勤・通学等に重要であり、不可欠な移動手段であり、利便性や地域活性化のためにも存続のためには、必要な要望事項だと思います。 そこで質問に移ります。 ローカル線の議論が、国や鉄道事業者で一層進められようとしていることへの県の見解についてお伺いします。 中国地方知事会での要望は分かるのですが、山口県独自として国あるいは事業者に要望、要請をされるのでしょうか。 三、各自治体では、住民の移動手段の利便性を図る上で、鉄道、バス、タクシーなどを有機的に連動した公共交通網形成計画を策定せねばなりません。 とりわけローカル線の沿線自治体にとっては、鉄道は重要な役割を占めています。中国地方では、最近で廃止されたところでは通学の若者あるいは高齢者等に不便であるとの話を聞きます。 これまで沿線自治体は、利用者を増やすためにいろんな企画・助成をされてきたところです。まさしく知事会要望の三項目めになりますが、利用促進を水泡に帰さないためにも、利用促進協議会に県も参加されていると思いますが、その協議会に県としてどのような支援・助成をされようとしているのかお伺いをいたします。 上関原発についてです。 中国電力の埋立免許の竣功期限が来年の一月六日まで残り一年を切る状況の中で行われた上関町議会議員選挙は、二十四年ぶりに無投票で終わり、いわゆる賛成派が七名、反対派が三名が当選となりました。 しかし、新聞紙上では、原発、人口減の論戦は広がらずとありました。そして、マスコミ関係者は取材の中で上関町では疲弊感が漂っていると感じたとの話もあります。福島第一原発の事故以降、原発建設は宙ぶらりんになっています。 一方で、十一月定例会での二井元知事の六分野二十一項目の知事意見についての村岡知事の見解を伺うとの質問に対し、県の答弁は、「原子力発電は、国及び事業者の明確な責任において、安全性の確保を大前提に進められるべきものです。知事意見は、こうした考えの下、安全の確保等を中心に六分野二十一項目の要請事項に対し、国の誠意と責任ある対応を求めたものであり、県としては、上関原発計画の進捗に応じて、国の対応をチェックすることとしています。」とありました。 これまで県は、埋立免許の延長を許可した理由について、一、海上ボーリング調査の必要性に合理的な理由が認められる、二、上関原発の重要電源開発地点指定は、引き続き有効との国の見解を得ているとの答弁に終始されています。 村岡知事は、二○一九年の埋立免許の延長を許可した当時の記者会見で、国の発電所の審査は止まっており、本体着工は見通せない。そうした段階で埋め立てるべきではなく、法律とは別の観点から埋め立てをしないように要請したと述べられていました。 しかし、重要電源開発地点の指定は、福島原発事故前であり、十一月定例会での答弁である国の対応をチェックすることとするならば、昨年改定のエネルギー基本計画を重要視する必要があるのではないでしょうか。 その計画には、許しがたいことですが、原発の再稼働は明記されていても、一方で、上関原発のような新増設やリプレースは明記されていません。 埋立免許の延長を許可するが、本体着工が見通せない中での埋立工事はすべきではないと要請することは、以前からも言っていますが、ブレーキとアクセルを同時に踏んだ状態で矛盾していること、それと、重要電源開発地点の指定は有効であるということと、国は新増設は想定していないということの矛盾について、県の見解を改めてお伺いします。 知事の記者会見で言われていた、現段階で埋立工事はすべきでないということと、国も新増設は想定していないという状況の中で、やはり埋立免許は期限が到来すれば再延長すべきではなく、一旦白紙に戻すべきだと考えますが、県の見解をお伺いします。 以上で、最初の質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)宮本議員の御質問にお答えします。 まず、公職選挙法違反事案についてです。 昨年末の公職選挙法違反事案と同様なことが過去にも行われていたことは、小松前副知事から本件についての報告を受けて以降、承知したところです。 私は、このような事案を二度と引き起こすことのないよう、調査チームの報告を踏まえ、職員へのコンプライアンスの徹底をはじめとする再発防止策を確実に実施するとともに、なお一層誠実に県政運営に取り組むことを通じて、県民の皆様の信頼回復に向け全力で取り組んでまいります。 次に、選挙期間中は多少の日にちでも、街頭で県民に訴えるべきではなかったのかとのお尋ねです。 このたびの知事選挙においては、当初は、私自身、できるだけ広く県内各地に足を運び、県民の皆様に私の思いを直接訴えさせていただきたいと考え、その準備をしていましたが、年明け以降、オミクロン株による感染が、かつてない急拡大をし、危機的な状況が生じました。 このため、現職の知事として最も優先すべきは、県民の皆様の命と健康を全力で守ることであると考え、私自身が遊説活動を行うことは断念し、まん蔓防止等重点措置の適用の全県への拡大による感染拡大防止措置や、自宅療養体制の整備、三回目ワクチン接種の前倒し、無料検査体制の拡充など、選挙期間中もコロナ対策に専念することとしました。 過去最大の感染拡大に直面する中で、様々な状況の変化に遅れをとることなく迅速に対応していくため、県庁を離れることは難しいと判断し、私自身が地域で県民の皆様に直接考えを訴えることは、残念ながらかないませんでしたが、推薦を頂いた自由民主党や公明党、連合山口の関係の議員の皆様をはじめ、多くの方々が代わって訴えを行っていただき、また、政見放送やSNS等を通じて政策等を発信したところです。 県民の皆様には、これからも様々な機会を通じて、引き続き、私の思いや考えをできる限りお伝えしていきたいと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)公職選挙法違反事案の調査の途中経過についてのお尋ねにお答えします。 現在、外部の弁護士をトップとするチームで行われている調査については、今月中に結果が公表されるよう作業が進められていると承知しています。 次に、朝鮮学校に対する補助金についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、交付目的についてのお尋ねですが、朝鮮学校補助金は、平成七年度の制度創設以来、国際理解の促進の観点から、県民との相互理解の増進を図るという趣旨で交付をしてきたものです。 次に、朝鮮初中級学校と交流を深めるためにも補助金を出すことが必要ではないか、他県で補助している県もある、補助金は県が主体をもって判断すべきではないか、学校の実態について、児童等の意見を聞き調査すべきではないか、県民への調査が必要ではないかとのお尋ねにお答えします。 まず、お示しの福岡県や岡山県における対応につきましては、それぞれの自治体の判断によるものと考えています。 また、学校の実情につきましては、学校関係者等からの要望をお受けする機会にお話を伺っているところです。 その上で、朝鮮学校補助金については、個別の事柄ではなく、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、県として、現時点では県民の理解が得られないと判断しているものであり、お示しのような調査を行うことは考えておりません。 議長(柳居俊学君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)日米地位協定の見直しについてのお尋ねにお答えします。 日米地位協定は、裁判権の問題や米軍の活動に国内法令が適用されないことなど、米側の裁量に委ねられている部分が多いことから、米軍基地に起因する諸問題を抜本的に解決するためには、その改定が必要と考えています。 このため、基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会において、毎年度、各般にわたる改定項目について、日米両政府に対し重点的に要望を行ってきており、お示しの感染防止対策や米軍人等が入国する場合の検疫に国内法令を適用することについても、従前から求めているところです。 県としては、地位協定の改定に向けて、引き続き、課題を共にする関係都道府県と連携し、国や米側に粘り強く働きかけてまいります。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)ヤングケアラーについての数点のお尋ねにお答えします。 まず、実態調査の実施方法についてですが、小学校五年生から高校三年生までの全ての児童生徒を対象として、原則、無記名方式により、子供のプライバシーに配慮しながら実施してまいります。 次に、調査結果の活用についてですが、学識経験者や福祉、教育、市町などの関係機関等で構成する会議を設置し、適切な支援につなげるための具体的方策を検討してまいります。 次に、シンポジウムの開催についてですが、関係機関等の職員が支援に当たり配慮すべき事項等を学ぶ研修と県民の理解促進を目的として、オンライン配信も活用しながら、支援の現状や課題をテーマとした講演やパネルディスカッション等を行うこととしています。 次に、関係機関等との連携と県の支援についてですが、現在、国において、多機関連携による支援の在り方の検討が進められており、県としては、こうした国の検討結果も踏まえ、支援の中心となる市町と関係機関や地域で子供たちを見守る方々との連携が進むよう適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)ローカル線の存続についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、ローカル線の議論が国や鉄道事業者で一層進められようとしていることへの見解についてです。 県としては、ローカル線が沿線住民の生活を支える重要な移動手段であるとともに、地域経済を支える基盤であり、廃止されれば地域の衰退につながりかねないことから、現在のローカル線の維持・存続が図られることが極めて重要であると認識しています。 次に、山口県独自の国や事業者に対する要望についてです。 ローカル線を含めた鉄道ネットワークの維持・存続は、全国的な課題であることから、昨年八月、国に対し、本県を含む二十三道県の有志知事による緊急提言を行うとともに、全国知事会としても、昨年五月以降、複数回にわたり要望を行っているところです。 また、JR西日本に対しては、県内ローカル線の維持・存続を図るため、これまでも要望を行ってきたところであり、引き続き沿線市町と連携し、将来にわたって路線が維持・存続されるよう要望してまいります。 次に、利用促進協議会への支援についてです。 ローカル線の利用促進については、地域が一体となって取り組むことが重要であることから、県では各路線の沿線市町を中心とした利用促進協議会の設置に向けた働きかけや調整等の支援を行ってきたところです。 また、設置後は、県も協議会に参画し、広域的な立場から国の制度等の情報提供や他の路線の協議会と連携した取組の促進に努めているところであり、今後も引き続き、ローカル線の利用促進に向けた取組を支援してまいります。 議長(柳居俊学君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発についての御質問のうち、まず、埋立免許の延長の許可と、本体着工が見通せない中で埋立工事はすべきではないという要請は矛盾しているのではないかとのお尋ねにお答えします。 お示しの県の要請は、期間延長の許可処分とは切り離し、埋立免許権者としての立場ではなく、あくまでも上関原発建設計画が存する県の立場から要請したものであり、矛盾するとは考えていません。 次に、重要電源開発地点の指定が有効ということと、国が新増設を想定していないということは矛盾しているのではないかとのお尋ねです。 エネルギー基本計画において、原子力発電所の新増設一般について明確な記述がされていないことは承知しています。 一方で、上関原発に係る重要電源開発地点の指定という個別具体的な問題に関しては、地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていないとの国の見解が示されており、県としては矛盾するとは考えておりません。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発に関するお尋ねのうち、埋立免許の期間延長についてお答えします。 公有水面埋立法において、許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、延長許可の可否について、現時点では判断できる状況にありません。 県としては、申請がなされた場合には、その時点において、公有水面埋立法に従って厳正に審査し、適正に対処します。 議長(柳居俊学君)西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕 副教育長(西村和彦君)教育に関する数点のお尋ねのうち、まず、ヤングケアラーについての二点のお尋ねにお答えします。 最初に、学校や教職員の現状と今後の課題についてです。 本県では、お示しの熊本県のような調査は実施しておらず、詳細は把握しておりませんが、今年度から管理職や教育相談担当者等を対象とした研修会において、ヤングケアラーについての理解促進を図っているところであり、引き続き、学校からのヒアリング等を通して課題の把握に努めてまいります。 次に、児童生徒に対する啓発についてです。 今後、国が作成する予定のポスターやリーフレット等を有効に活用し、児童生徒への啓発につなげてまいります。 次に、高校教育に関する数点のお尋ねについてです。 まず、地域の学校への思いの評価と、そのことをどのように再編整備計画に反映するのかについてです。 地域の方々の学校への思いは、様々であると考えています。そのため、再編整備計画の策定に当たりましては、学校や地域の実情等も踏まえ、広く関係者の御意見をお聞きしながら検討してまいります。 次に、小規模校、分校の生徒の気持ちを聞いて将来構想に反映すべきについてです。 第三期県立高校将来構想の策定に当たりましては、生徒、保護者に対して実施した高校教育に関するアンケートも参考にしながら検討を進めているところです。 次に、小規模校、分校にどういう姿勢で臨んでいたのかについてです。 これまで、小規模校、分校を含めた全ての学校において特色化・魅力化を図り、教育活動の充実に努めてきたところです。 次に、学び方の多様性についての見解です。 生徒の興味・関心や目的意識等が多様化しており、こうした様々な生徒の学習ニーズに、より的確に対応した教育を推進することが重要であると考えています。 次に、分校を閉校することは、子供たちの学ぶ権利を否定し、人権侵害になるのではないかについてです。 再編整備に当たりましては、地域バランス等も踏まえ、全県的な視点に立って検討することとしており、御指摘は当たらないと考えています。 次に、高校は四十人学級の四から八学級が望ましいのは、なぜかについてです。 より質の高い高校教育を提供するためには、一定の学校規模の確保が必要であることから、望ましい学校規模を一学年四から八学級としているところです。 また、高校の一学級当たりの生徒数については、いわゆる標準法に基づき、原則四十人としています。 次に、何をもって質の高い教育というのかについてです。 県教委では、選択幅の広い教育や活力ある教育活動、生徒同士が切磋琢磨する環境づくりを進めることが、より質の高い高校教育につながると考えています。 議長(柳居俊学君)宮本輝男君。 〔宮本輝男君登壇〕(拍手) 宮本輝男君 再質問です。時間がありませんので、時間の許す限り再質問させていただきたいと思います。 朝鮮学校のことですけど、どうも県は、県民の声は県の考えているとおりであるみたいな、どうも勘違いされているんじゃないかと思うのですが、県民の声を本当に聴かれていたのかどうかが本当に私は問いたいのであって、ぜひそこの辺を県民の調査、声の調査、あるいは本当に韓国・朝鮮の方の人権を含む、外国人の方の人権に対しての認識を、人権教育を本当にすることが重要だと思うのですが、それと含めて今後、調査をしていただきたいと思うのですが、再質問させていただきます。 それと、上関原発なんですが、やはり埋立許可と原子炉本体の着工が見通しがつくまでは埋立てしないでほしいというのは矛盾するわけです。本当に今必要なのは、今の上関町のことを考え、そして将来的なことを考えるならば埋立免許と埋立てをしないでほしいちゅう、そういうことの矛盾点を総合的に判断して埋立ての免許を延長しない、そういうことが必要だと思うんですが、改めて御見解をお伺いしたいというふうに思います。 ヤングケアラーについての調査シンポジウム等が開催されていくと、今後、県内各地、自治体関係者との具体的に対策に取り組んでいくに当たって、将来的には基本計画、基本条例等が必要になってくると思いますが、県の見解をお伺いをいたします。 生徒の能力を伸ばすことが一番で、それで学びの多様性の選択をすることが必要であります。先ほど、質の高い教育というのが、いろんなことを申されてましたけど、本当に小規模校、分校で通う子供たちも、その中で一生懸命、地域の方と協働しながら学んでいるわけです。そういう意味では本当に質の高い教育をしているわけです。そこを否定するようなことは、いけないというふうに思いますし、効率化だけの、コストだけのお金の問題だけではないと思うんですが、県の見解を改めてお伺いしたいというふうに思います。 ローカル線存続は、沿線自治体はもとより住民の皆さんにとって重要なことは、県も先ほどの御答弁にありましたが、共通認識に立っているというふうに思います。県内のローカル線での沿線自治体をはじめ山口線は島根県との協議も必要になってきます。 最後に、ローカル線存続に向けて県の態度を再確認いたしまして全ての質問を終わりたいと思います。最後までの御清聴、大変ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)朝鮮学校への補助金についての再質問にお答えします。 外国人に対する人権教育の重要性については、大変理解をしておりますけれども、先ほど御答弁申し上げました朝鮮学校をめぐる状況に、現時点大きな変化がないと認識しておりまして、新たに調査等を行うことは考えておりません。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発についての再質問にお答えします。 繰り返しになりますが、公有水面埋立法において許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、申請書が提出されていない現時点では、延長許可の可否について判断できる状況にありません。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)ヤングケアラーに関する再質問にお答えします。 県としては、適切な支援につなげるための具体的方策を検討するために、まずは来年度、調査を通じてヤングケアラーの実態をしっかりと把握することとしており、基本計画の策定や条例の制定までは考えていません。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)ローカル線に関する再質問にお答えします。 沿線自治体との協議も必要になってくると思うが、ローカル線存続に向けての県の態度を改めて確認したいとのお尋ねです。 県としては、現在の県内のローカル線の維持・存続が図られることが極めて重要であると認識しております。今後も引き続き沿線自治体と連携し、県内のローカル線の利用促進を図るとともに、JR西日本に対し将来にわたって路線が維持・存続されるよう要望してまいります。 議長(柳居俊学君)西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕 副教育長(西村和彦君)高校教育に関する再質問にお答えします。 生徒の能力を伸ばすことが一番で、それで学びの多様性の選択を保障することが必要である。また、小規模校、分校においても、質の高い教育を行っているのではないか。コストだけの問題ではないと思うけれども、県の見解を改めて伺うというお尋ねであったと思います。 県教委としましては、生徒の様々な学びのニーズにより、より的確に対応した教育を推進することが重要であると考えています。その一方で、より質の高い高校教育を提供していくためには、一定の学校規模の確保を目指し、再編整備を進めることが必要であると考えています。