1 山口県の人口減少対策について 2 コロナ禍でのがん検診について 3 長期化するコロナ禍での中小企業金融支援について 4 県産品の需要喚起について 5 大規模災害時における住宅復旧の広域応援体制の構築について 6 DV被害者の居住支援について 7 その他
議長(柳居俊学君)先城憲尚君。 〔先城憲尚君登壇〕(拍手) 先城憲尚君 皆さん、おはようございます。公明党の先城憲尚でございます。早速質問に入らさせていただきます。 まず初めに、山口県の人口減少対策についてお尋ねをいたします。 二月二十二日開催の活力創出本部会議において報告されました山口県の人口減少の状況によりますと、二○二○年の国勢調査では山口県の人口は百三十四万人となり、前回二○一五年の調査と比べて、減少数六万二千六百七十人、減少率マイナス四・五%と、減少数、減少率ともに過去最大の下げ幅となりました。 特に、生産年齢である十五歳から六十四歳までの人口総数に占める割合は、前回比で一・九%減少し、自然減だけでなく社会的要因による減少も増加途上にあります。 さらに、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、何もしなければ、山口県の人口は、二○四五年までにさらに三十万人減少する見込みであり、問題は深刻化をしています。 しかしながら、一方で、新型コロナの感染拡大が長期化したため、感染症から回避するための地方移住に関心が高まってまいりました。これにテレワークなどの新たな働き方が加わることで、都市と地方の距離は縮小し、国民生活の在り方や意識に大きな変化が生じ始めています。 結果として、人口面では東京への転出超過が山口県を含め三十一の道府県で前年に比べて縮小となりました。 また、近年、頻発化・激甚化する自然災害の発生が続いていることから、リスク回避のため、地方各地に拠点を分散する取組を推し進める動きが民間企業に始まっています。 したがって、東京一極集中を是正し、地方への流れを確かなものにするためには、地方にとっては絶好のタイミングが到来していると言っても過言ではありません。 政府もこの流れに沿って政策展開をしています。 例えば、中央と地方をつなげる鍵の一つはデジタルですが、政府は、オンライン診療やスマート農業、車の自動運転や配送ロボットの公道利用といった技術を地方で活用するため、整備計画づくりに着手をしています。 既に通信大手は、地方における5Gの早期展開と次世代通信6Gの技術開発へと移っています。5Gのアンテナ基地局の開設を支援する通信事業者向けのワンストップ窓口を設ける自治体も出てきました。 そうするとデジタル人材も不可欠であります。政府は、デジタル技術で都市と地方の格差を解消する会合を開き、五年間で二百三十万人の確保を目指すデジタル人材の育成策などを見据え、国だけでなく地域ごとに計画を立てる方向性も検討されています。 また、政府は、情報拠点となるデータセンターを地方に整備する方針で、東京・大阪から離れた場所に設けることを求めました。既に拠点の立地に前向きな自治体を募集しており、四月から事業者や自治体の公募が始まります。 地方に人材を呼び込む施策も盛り込まれました。転職をせずに地方移住できる働き方や、デジタルを活用した地域課題の解決などを促す取組を後押しする交付金を新設し、二一年度補正予算で二百億円を充てています。テレワーク普及により住む所を問わず働きやすくなったため、地方への新たな人材の流れを促す狙いです。 また、二二年度当初予算では地方創生を推進するための交付金として一千億円を振り向け、自治体が自ら人口減などの地域課題を解決する取組を後押しします。既に新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は二○二○年度から自治体に地方創生臨時交付金を交付していますが、自治体では、これを財源にして、地域消費の振興策の導入が進んでいるところです。 こういった動きに民間企業も反応しています。 SBIが傘下に収めた新生銀行は、資金の運用方針を安全運用からリスクマネーの供給に転換しました。長引く低金利と人口減で地方銀行についても同様の転換が迫られています。今までは融資を供給して取引先の安定を図ることがミッションとされていましたが、今後は、リスクを踏んで取引先の失敗を許容しながら、事業再生から起業支援まで投資マネーを供給するという役割に転じる方針が確認されています。平たく言えば、リスクを取っても多くの起業家にチャンスを与えるということだと思います。 また、地方銀行は、定着しつつあるテレワーク需要を取り込もうと、相次いで移住者向けの住宅ローンを投入しています。移住者には通常のローンよりも金利を安くしたり、自治体と組んで移住者に住居取得補助金を支給し、人口誘致を開始しました。 これらを後押しするかのように、マーケティングを支援するベンチャー企業は、スマートフォンの膨大な位置情報から人流や消費者の行動パターンを解析し、地方創生やまちづくりを支えています。 このように、国や民間企業が地方と中央をつなぐツールは、かなり整ってきたと言えます。県は、これらを活用して、山口県人口の社会増にどう取り組むのか、お尋ねをいたします。 次に、コロナ禍のがん検診についてお尋ねします。 日本人の死因、第一位であるがん。その克服に向けた取組に、新型コロナ感染拡大が大きく影を落としています。 国立がんセンターは昨年十一月二十六日、二○二○年の新規がん患者が、集計を開始した二○○七年以降で初めて減少したと発表しました。 がん治療を行う全国の医療機関のうち、がん登録推進法に基づく調査が始まった二○一六年以降の集計に参加している七百三十五の施設で、新たにがんと診断または治療された患者の登録数を調べたところ、二○二○年は九十六万七千八十八人、新型コロナ感染拡大前の二○一九年と比較して、六万六百六十一人も減少し、減少率は六%となっています。 ここで問題なのは、新規がん患者の減少の主たる原因として、がん検診の受診率低下があると見られていることであります。 新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、受診を控えた人が増えたことは想像に難くありません。緊急事態宣言を受けて多くの自治体が検診を中止し、または延期した影響もあることも重要な背景と言えます。 そこで、最も心配されるのが、がんの発見が遅れることであります。発見の遅れは治療の選択肢を狭め、患者の負担を大きくしてしまいます。コロナ禍にあっても、がん検診を受けることが重要です。がん検診の受診を見送っているうちに未発見のがんが進行がんとなり、治療の選択肢を狭めてしまいかねないことも重要な問題です。 県や自治体、医療機関には、がん検診を控えないよう呼びかけをさらに強化していただきたいし、検診を予約制にして密を防ぐなど感染防止に努めていることも周知する必要があります。 各地のがん診療連携拠点病院には、がんに関する相談窓口が設けられており、対面だけでなく電話などでも対応している病院もたくさんあります。検診を受けるか迷っている人は、まず電話で相談してみてはいかがでしょうか。 また、がん検診の種類によっては受診者数にも差が出てくるので注意が必要です。二○一九年上半期と二○二一年上半期を比べますと、胃がんは約二二%減で減少率が最も大きく、肺がんが二○%減、乳がん一七%減、大腸がんは一五%減、子宮頸がんは一一%減となっています。少なく見積もっても、一万人以上のがん患者が未発見となっている可能性が否定できません。 一方で、がん生存率そのものは改善傾向が続いています。これには、治療技術の発達や医療機関の整備といった取組とともに、がん検診の推進が大きな役割を果たしていることは間違いありません。 そこで質問ですが、コロナ禍で受診控えが懸念される中、がんの早期発見にはがん検診の受診率向上が重要ですが、今後どのように取り組むのか、県の見解をお伺いいたします。 次に、長期化するコロナ禍での中小企業金融支援についてお尋ねをいたします。 日本のGDPは、新型コロナの影響により年率約三%の減少を余儀なくされています。特に、中小企業のシェアが高い外食、小売、交通、観光を中心に売上げの落ち込みは避けられない状況です。企業によっては三○%の売上げダウンというのも珍しいことではありません。 景気悪化なのだから企業倒産は当然増えるだろうというのが普通の考え方です。ところが、予想に反して、企業倒産は歴史的に低い水準となっています。東京商工リサーチの調査によりますと、コロナ感染が始まった二○二○年の企業倒産件数は七千七百七十三件、翌二○二一年、六千三十件と、戦後最低水準を記録しました。戦後日本の年間倒産件数は一万五千件から一万八千件というのが業界の常識ですから、いかに減少しているかが分かります。 私が金融機関に入ったのが一九八○年ですが、前年の第二次オイルショックは既に落ち着きを取り戻し、企業は大量採用に転じておりました。それで就職できたんですが、景気は回復途上であったにもかかわらず、一九八○年代は、毎年約一万八千件の企業倒産が発生していました。今の三倍です。 以後、二○一○年代初頭に至るまで失われた二十年ともやゆされましたが、日本の企業倒産件数は、やはり年間一万五千件から一万八千件前後で推移をしています。 ところが、二○一三年、政権に復帰した自公政権は、日銀による異次元の金融緩和を実施し、日本政策金融公庫や信用保証協会による中小企業金融支援に大幅な資金投下を開始しました。赤字でも再建計画を立て、可能性のある企業には融資を大胆に実行していくこととなり、二○一四年以降、企業倒産は徐々に減少を始めていくこととなりました。 そして、コロナ感染拡大が始まった二○二○年には、この方針にのっとり、信用保証協会がリスクを引き受ける形で、それまでの三倍を超える三十五兆円の保証承諾を実行し、金融機関の融資につなげていったことから、二○二○年の年間企業倒産が七千七百七十三件、二○二一年が六千三十件となって、戦後最低水準に至ったと、こういうわけでございます。 信用保証協会と金融機関が、企業の資金繰りをつなぎ、倒産を食い止め、地域経済と雇用を守ったと言っても過言ではありません。 さて、現在、中小企業の返済能力はコロナ感染拡大の長期化により約十年ぶりの低水準に陥り、返済の本格化で息切れする懸念も強まっています。コロナ対策融資の返済が本格的に始まる二二年以降、企業倒産が増勢に転じる可能性は否定できません。 自民党の金融調査会も昨年末、過剰債務を抱える企業の負担軽減策を検討することを表明し、政府にも協力を求めています。ここは、私どもも大いに期待をしたいと思っています。 また、県は全国に先駆けて、返済条件を緩和する際の追加信用保証料の補助も打ち出されました。村岡知事の英断に感謝をしています。 以上より、引き続き、信用保証協会や金融機関と連携し、制度融資の融資枠、利子補給、追加信用保証料の確保による県内経済の下支えを維持すべきと考えますけれども、県の所見をお尋ねいたします。 次に、県産品の需要喚起についてお尋ねします。 この冬のオミクロン株流行により、本県でも初めてまん延防止等重点措置が適用され、二月一日からは県内全域の飲食店に時短営業が要請され、酒類の提供も制限されました。こうした感染拡大防止対策を背景に、県民の間には再び飲食店の利用を自粛する動きが広がり、度重なる感染拡大によって飲食関連産業は深刻な打撃を受けています。 当然のことながら、飲食店に酒や食材を供給している生産者にも大きく影響が及んでおり、飲食店への販路を失った商品の多くは在庫として残ったり、需要の減少から値崩れを起こしたりしています。 こういった感染拡大に起因する価格の下落傾向は、我々が主食として毎日食べている米にも及んでいるから驚きです。二○二一年産米の十二月の相対取引価格は六十キロ当たり、全銘柄平均で一万二千九百七十三円と前年同月比一三%安となっており、米価下落の大きな原因として外食産業での需要の落ち込みが指摘されています。米価の下落は、我々消費者にとっては米を安く買えるありがたいような話でありますけれども、長期間にわたって値が下がれば、生産者の所得も落ち込むことになり、やがては営農を続けていくことも困難となってしまいます。耕作面積の八割を水田が占め、稲作を中心とした農業が営まれている本県にとって、米の需要減少や価格下落は深刻な問題であります。 また、感染拡大により深刻な影響を受けているのは米だけではありません。本県が全国に誇る日本酒もまた同様の状況です。県産の日本酒は、平成三十年度まで十二年連続で出荷量が伸びていましたが、感染がはやり始めた令和元年度には減少に転じました。外出自粛による飲酒機会の減少などから、日本酒も飲食店への販路が塞がり、酒造会社や小売店に在庫として積み上がっている状況です。日本酒の販売不振は当然、その原料となる酒米の需要減少を招き、生産者にも大きな影響を及ぼしています。 このように、コロナ禍に伴う外食産業の不振によって、多くの県産品では需要が落ち込み、生産者の経営を圧迫している状況です。生産者の皆さんが安心して生産活動を続けるためには、所得確保による経営の安定が不可欠であり、そのためには需要を回復し拡大させる取組が必要です。苦境に立たされている生産者の皆さんが笑顔で生産活動を継続できるよう、感染状況を適切に見極めながら、本県独自の思い切った需要喚起策を展開していただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。感染拡大により深刻な影響を受けている生産者の経営安定を図るため、県産品の需要喚起に今後どのように取り組まれるのかお伺いします。 次に、大規模災害時における住宅復旧の広域応援体制の構築についてお尋ねします。 近年、平成二十八年の熊本地震、二十九年の九州北部豪雨、三十年の大阪北部地震、七月豪雨、北海道胆振東部地震、台風二十一号、令和元年の房総半島台風、東日本台風などなど、災害が激甚化かつ頻発化しています。また、南海トラフ地震や首都直下地震など、広域的な大規模災害の発生も懸念され始めました。 そのため政府は、堤防等のハード整備やハザードマップ作成支援等を実施し、災害時には救命救急、職員の現地派遣、必要な物資を緊急輸送する物資支援、激甚災害指定や被災者生活再建支援法等による資金的支援等、公助による取組を絶え間なく続けているところです。 しかしながら、災害の激甚化・頻発化に加え、高齢者の増加などにより、突発的に発生する激甚な災害に対し、行政主導の対策のみで対処することが困難になっています。このため、災害時には、建設業をはじめとする様々な民間団体が県内だけでなく県外からも被災地に駆けつけ、国、地方団体だけでは手の届かない、きめ細かな復旧支援活動を展開しています。 中でも、被災家屋の応急処理は地域住民にとって最も重要な支援。民間業者の力を借りて、我が家を、本格復旧まで風雨にも耐えられるよう施工されることは、被災され、避難を余儀なくされた方々が、自宅に戻って生活を続けていく上で、最も必要で有効な支援です。 平成二十八年の熊本地震、三十年七月の集中豪雨、令和元年房総半島台風と東日本台風でも、建設業など民間団体が全国から現地入りし、被災家屋の復旧活動を行いました。熊本地震以後、政府では、民間団体が発災時に連携・協働して災害復旧活動が行えるよう、都道府県ごとの連携体制の構築にも着手をしています。 現状、山口県では、被災家屋を迅速に処理するために、山口県内の建設業の団体の皆さんと災害救助法に基づく応急修理に関する協定、これを締結しており、家屋の応急修理など協力して復旧活動に取り組んでいただいているところです。 特に、平成三十年七月の豪雨災害では、災害救助法の適用になった岩国市において、同協定に基づき応急処理の業務が迅速に実行され、多くの被災者が我が家での生活を続けることができました。 しかしながら、全国に目を向けますと、令和元年の房総半島台風では、多数の住宅が屋根の破損等の被害を受け、応急対応として屋根にブルーシートを設置するニーズが急増しましたが、ブルーシートを設置できる事業者数は限られていたことから、千葉県内の業者だけでは対応が追いつかず、他県の業者からも応援を頼まざるを得なかったと伺っています。また、熊本地震においても、修理業者が確保できなかったため、発災から一年たっても応急修理が完了せず、相当数の世帯が壊れた自宅に住み続ける事態となっています。 冒頭述べましたように、近年は、特に豪雨災害が激甚化しており、地震についても、どこで発生しても不思議ではない状況となっています。 したがいまして、今後、山口県においても、かつて経験したことのないような激甚化した災害が発生し、被災家屋の迅速な応急修理や家屋の応急対応についても、県内業者の皆さんだけでは対応し切れなくなる状況も想定されます。 そのバックアップ体制を強化するためにも、災害時のより広域な応援体制、つまり県外業者による応援体制も構築しておくべきと考えています。 県の今後の対応方針をお伺いいたします。 最後に、DV被害者の居住支援についてお尋ねをいたします。 我が国において、新型コロナウイルス感染症による社会的影響が長期に及ぶ中、社会不安やストレス、外出自粛による在宅時間の増加などにより、DV被害の増加や深刻化が懸念されています。 本県でもDV被害は大きな社会問題となっており、県や市町の配偶者暴力相談支援センター等では、被害者に寄り添ったきめ細かなサポートが実施されています。 こうした支援の中で、課題の一つとなっているのが、DV被害者の居住支援です。 例えば、DV被害者については、公営住宅への入居が特例的に認められていますが、この特例はDV法に基づく一時保護や裁判所の保護命令を受けている必要があります。 しかし、現行のDV法では、裁判所が出す保護命令の対象は身体的暴力に限られており、精神的暴力、性的暴力は含まれていません。 そのため、身体的暴力以外のDV被害者が公営住宅などの住居を確保することが困難なケースが本県でも生じています。 さきの十一月議会におきまして、私ども会派の石丸議員が、こうした窮状を一般質問で訴え、住居の確保が困難な被害者への一層の支援を求めたところです。 これに対し、県は、DV法改正の動きも注視しながら、県営住宅について、緊急時の入居対象の拡大などを検討していくことや、民間賃貸住宅について、被害者の入居を拒まない住宅の登録数の拡大を図っていくとの考えを示されました。 私ども会派としては、県の示した方向に沿って、実効性のある取組を着実に進めていただきたいと考えているところですが、この年明けに国に動きがありました。 国土交通省は、一月二十五日付で、配偶者からの暴力被害者の公営住宅の入居について、DV法による保護などに加え、婦人相談所などからDV被害の証明書などの発行を受けた方についても、公営住宅の入居対象とする旨の改正通知を発出しました。 これを受け、県は、国からの通知に基づき、この三月からDV被害者が緊急的に入居する際の要件を緩和したと伺っており、迅速な対応を高く評価するものでございます。 県では、山口県住宅マスタープランの策定が進められているところですが、今回の国通知の趣旨を踏まえ、県営住宅の定期募集における被害者への配慮や、セーフティーネット住宅の拡充など、DV被害者に対する居住支援の取組を今後も着実に進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねします。新型コロナなどの影響により、DV被害の増加や深刻化が懸念される中、本県においても、DV被害者に対する居住支援の一層の充実が求められると考えますが、県は今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 質問は以上でございます。よろしくお願いしたいと思います。 偶然時間が余りましたので、一言申し上げたいと思います。 最近、テレビを見てみますと、ほとんどウクライナ危機について、ウクライナの取材が大半となっておりまして、ロシア国内の状況というのは、ほとんどまだ報道されてないと思います。どうなっているのかと、いろいろ調べてみました。私が言っているんでありません。全て報道、いろんな報道からかいつまんできて考えたんですが、日経新聞が二月十一日、ウクライナで懸念が発生したと、ウクライナ懸念が発生したというだけで、侵攻前の段階でインフレ率が八・七%になったと報道しています。ロシア中央銀行がこのままじゃまずいんで、政策金利を九・五%まで上昇しているんです。驚くべき、ちっちゃい記事ですけど、ありました。驚くべき状況です。 二週間たって二月二十四日、ウクライナにロシアが侵攻をかけました。その二日後の二十六日、自由主義経済各国、日本も含めて、経済制裁を開始をいたしました。その中でも経済制裁の核爆弾と言われるSWIFT、これをついに実行しました。SWIFTって何かといいますと、私も金融機関おったから知っとるんですが、今世界の商売っていうのは、お金の流通というのは全部電子決済で行われていますけれども、要するにロシアだけこれを分断するということでございますから、ロシア行って、相手に仕事している人は、仕事をやっても金がもらえないという事態が発生しているという、これ実は大変な事態なんです。であるがゆえに、核爆弾と言われるんですけれども、これでその二日後、日経は報じました。 ロシア中央銀行の政策金利が二○%に跳ね上がったということでございます。二○%ということはどういうことかというと、インフレが加速しているということなんですけれども、日本の住宅ローンで考えますと、二千万のマンションを買って、一年間で四百万ほど、利息だけでも四百万払ってくださいと。こういう恐ろしい状況にロシア、既に突入をしてるということで、経済制裁が十分効いてきたなという感じです。 それに対応して価格が暴落しますので、一ドル八十ルーブルだったのが、二月二十八日の時点で百二十ルーブル、要するに三○%下落しています。したがって、ノーメンクラツーラなどの金持ちは、三億持っている人は一億がじゅっと消えちゃったと、こういう状況になっているということでございます。 そうすると何が起きるかというと、インフレに最も弱い業種というのは銀行ですから、銀行に倒産懸念が出ます。よくテレビで銀行の前に人が並んでいるのが出て、ウクライナの、出ますけれども、あれロシアも同じように並んでいる。ロシアの人々は、どうもロシアの銀行、倒産するかもしれないということで、実はこれ(掲示)日経の写真ですけど、たくさんロシアの人々は、倒産したら金が引き出せないから並んでいると。これは日本で言うところの取付け騒ぎなんです。こういったことが既に発生しているということで、かなり効いてきたなというふうに思っています。騒然としています。 ブルームバーグっていう有名な金融誌ですけれども、ロシア国債のCDS、いわゆる国債の信用度をはかるものですけれども、倒産確率、破産確率が五六%、これを示唆をいたしました。 驚いたのが企業です。それで、ロシアに投資している企業が一斉に今撤退を始めていると。これがジェトロのビジネス短信という記事が昨日配信されています。これ見ますと、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、伊藤忠、ユニクロ、日清食品、日本は行っているの、ほとんど撤退。ボルボ、フォード、エクソンモービル、ビザ、マスター、マイクロソフト、メタ、グーグル、ディズニー、ワーナー・ブラザーズ、皆撤退です。よく平和のために撤退すると、協調するために撤退、そうじゃないんです。金がもらえないから撤退しているというのが実態だろうと思います。 ニューズウィークを見ますと、肝腎要のロシアの金持ちはどうなっているかということで、これニューズウィーク紙が──これ日本版ですから、英語版じゃない、日本版で読んだんですけど、ニューズウィーク紙が何を報じているかというと、ルーブルが下落した。海外に拠点を置く新興財閥、あるいは赤い貴族、ノーメンクラツーラと言われた特権階級の金持ちたちは、自分たちの資産がどんどん目減りするから、プーチンさん、代えたほうがいいんじゃないのと言い始めている。というのが、これがロシアの今の風景なんです。 私は何が言いたいかと申し上げますと、何も鉄砲持たなくても、経済制裁もある。いろんな交流もある。なくても戦争は十分できるんだろうなというふうに私は感じるわけです。そういった武力をなるべく使わなくして、停戦が一日も早く迎えられますように、無血の解決を期待をいたしまして、一般質問とさせていただきます。 御清聴、大変にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)先城議員の御質問のうち、私からは、山口県の人口減少対策についてのお尋ねにお答えします。 本県では、若年女性人口の減少に伴って出生数が年々低下しており、また、他県との人口移動においても、二十歳代の若者を中心とする転出超過が解消されておらず、県政最大の課題である人口減少問題は、依然として厳しい状況が続いています。 一方で、コロナ禍において、人々の意識や価値観、働き方には大きな変容が生じており、人口の過密や災害等のリスクを回避するため、都市部の若者を中心に地方への関心が高まり、東京都では一昨年の五月以降、転出超過の傾向が続くとともに、企業の地方移転の動きが活発化しています。 私は、知事就任以来、二百件超の企業を誘致し、これによって五千人を超える新規雇用を創出するとともに、移住者についても、ここ四年で倍増をさせてきたところですが、こうした社会変容の動きをさらなるチャンスと捉え、人口減少の克服につなげていきたいと考えています。 そして、そのための重要なツールの一つが、お示しのデジタルであると考えています。 デジタル技術の進展は、都市と地方の格差を縮め、地方でも利便性の高い暮らしを実現するとともに、時間や場所にとらわれない働き方を可能とし、地方で暮らしながら都市部で勤務を続ける転職なき移住が、現在、広がりを見せつつあります。 このため、県では、テレワークを行いたい方が無料で利用できるモデルオフィスを、昨年七月、県庁一階に開設したところであり、県内の市町においても、国の交付金を活用したテレワーク施設等の整備が進んでいます。 今後は、国の移住支援金等も活用しながら、本県への移住のさらなる促進に取り組むとともに、こうした施設を生かしてワーケーションを推進し、移住の裾野を広げる関係人口の拡大を図ってまいります。 また、5Gの普及などデジタル基盤の充実に伴い、地方においても企業の多様なビジネス展開が可能となり、今後は、その地方分散が進むことが期待されるところです。 このため、県としては、来年度、企業向けウェブプロモーションの強化等の取組を通じて、高い成長が見込まれるIT関連企業やサテライトオフィスの誘致を推進し、若者や女性に魅力ある雇用の場のさらなる創出に取り組んでいくこととしています。 国においても、大都市の利便性と地域の豊かさの融合を目指すデジタル田園都市国家構想を掲げ、今後、デジタル基盤の整備を一層進めるとともに、地方が行う、デジタルを活用した仕事の創出や暮らしやすい地域づくりなどの取組を支援していくとされています。 私は、こうした国の施策を積極的に導入し、多様な主体と連携しながら、デジタルをてこに、これまで以上の豊かさと幸せを実感できる社会づくりを進めるとともに、本県への新たな人の流れの創出・拡大と、若者や女性の県内定住の促進に取り組み、本県人口の社会増を目指してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)コロナ禍でのがん検診についてのお尋ねにお答えします。 本県においては、がんにより年間約五千人の方が亡くなられ、死亡者数の約四分の一を占めており、がん対策を進める上で、検診によるがんの早期発見・早期治療が極めて重要ですが、お示しのように、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、受診控えの広がりが懸念されています。 このため、県では、コロナ禍においても、がん検診の受診が促進されるよう、市町や医療機関等との連携の下、検診の重要性の普及啓発と、受診時の感染対策の徹底に努めてまいります。 まず、普及啓発に当たっては、コロナ禍であっても定期的な受診は重要であり、不要不急の外出に当たらないことから、広報誌やホームページ、SNSなどあらゆる媒体を活用し、効果的な周知に努めているところです。 また、一人でも多くの方の受診の動機づけにつながるよう、九月のがん征圧月間等におけるキャンペーンの実施やチラシの配布に加え、来年度新たに、テレビCMや県有施設のピンクライトアップを実施するなど、県民への呼びかけを強化してまいります。 次に、受診時の感染対策の徹底については、密による感染リスクを避けるため、事前予約の徹底や予約人数の調整に加え、平日夜間と休日における検診の実施日数をコロナ以前と比べ約四割増やすなど、受診機会の拡充を図っているところです。 さらに、医療機関や検診会場においては、換気や消毒等による感染予防対策の徹底を図るとともに、県民に対しては、受診時のマスク着用を周知するなど、安心して受診していただける環境づくりの一層の充実に努めてまいります。 県としましては、がん検診による早期発見・早期治療に向け、今後とも、市町や医療機関等と緊密に連携し、受診率のさらなる向上に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)長期化するコロナ禍での中小企業金融支援についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍において、多くの中小企業が売上減少等の影響を受ける中、金融支援の充実により手元資金を確保し、その経営の安定を図っていくことは何よりも重要です。 このため、県では、今年度、経営安定資金において四百二十億円の融資枠を確保するとともに、新型コロナウイルス感染症対応資金の据置期間の延長を行う際に、追加で生じる信用保証料を支援する本県独自の制度を創設するなど、中小企業の手元資金の確保による経営の下支えを支援してきました。 また、今年二月からは、経営安定資金の伴走支援枠の融資限度額を六千万円に拡大し、融資枠も四百五十億円まで増額するなど、切れ目のない金融支援を講じています。 こうした対策等により、お示しのように、現在、企業の倒産は、戦後最低水準で推移していますが、今後、コロナ禍の長期化により、多くの企業が資金繰りに窮し、倒産が増加することも懸念されるところです。 このため、来年度も、中小企業の資金繰りに支障が生じないよう、その支援には万全を期すこととし、経営安定資金において、引き続き、十分な三百六十億円の融資枠を確保することとしています。 また、今後、多くの企業で返済が始まる新型コロナウイルス感染症対応資金については、据置期間の延長等が柔軟に行えるよう、引き続き、信用保証料補助を行うとともに、利子の支払いに対する補助支援も継続するなど、資金繰り支援の充実を図ってまいります。 県としては、今後とも、業況や中小企業の資金ニーズを的確に捉え、信用保証協会や金融機関等と連携して中小企業の金融支援に取り組み、県内経済の下支えをしてまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)県産品の需要喚起についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症拡大により大きく減少した県産農林水産物の需要の回復・拡大を図るため、県では、これまで四回にわたり、特に影響の大きい日本酒や花卉、高級魚等について、延べ五十一万人を対象に、大規模な割引キャンペーンを実施してきたところです。 これまでの取組により、全ての対象品目において、市場での販売単価の上昇や県内出荷量の増加等の効果が見られるなど、キャンペーンの実施が、確実に需要の喚起につながったものと考えています。 しかしながら、長期化するコロナ禍の影響により、こうした品目の需要回復はいまだ十分でないことに加え、本県農業の基幹作物である米についても、外食産業の需要の落ち込み等により、在庫が増大し価格の下落が続くなど、生産者の経営を圧迫していることから、さらなる需要喚起策が必要です。 このため、引き続き大きな影響を受けている日本酒や花卉、高級魚に、新たに米を加え、過去最大規模となる合計四十万人を対象に、本県独自の思い切った需要喚起キャンペーンを展開していくこととしています。 具体的には、まず、日本酒や花卉、高級魚について、これまで蓄積したノウハウやネットワークを生かしながら、生産者団体や小売店等、様々な事業者と連携し、合計十万人を対象とした割引販売を実施します。 次に、米の過剰在庫を解消し、生産者が次年度も安心して活動を続けていただけるよう、JAグループや県内米卸売事業者と連携し、三十万人を対象に購入時の増量サービスを実施するなど、県産米の販売を強力に促進します。 加えて、飲食店やその食材を提供する農林漁業者を支援するため、本県独自のやまぐちプレミアム食事券を発行することとしており、日本酒や米等のさらなる需要拡大につなげていきます。 県としては、深刻な影響を受けている生産者の皆様の経営安定や生産活動の継続に向け、関係団体等と緊密に連携しながら、県産品の需要喚起に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)大規模災害時における住宅復旧の広域応援体制の構築についてのお尋ねにお答えします。 大規模災害時においては、県民の安心・安全を確保するため、行政機関による対応に加え、民間の団体等との協力体制をあらかじめ構築しておくことが重要です。 このため、県では、被災者の一時的な住まいの確保を図る観点から、仮設住宅の建設や、民間賃貸住宅の借り上げに関する協定を、県内外の団体と締結しているところです。 また、平成二十八年の熊本地震を受け、被災した住宅を応急的に修理し継続して居住できるよう、平成二十九年一月に県内の大工・工務店の団体などと協定を締結し、協力体制を強化したところです。 しかしながら、お示しのとおり、房総半島台風などの大規模災害においては、屋根の応急対応としてブルーシートの設置や被災した住宅の応急修理のニーズが短期間に急増したことなどにより、被災県の事業者だけでは十分対応できず、広域的な応援体制の必要性が顕在化しました。 こうした状況を踏まえ、国においては、昨年五月、過去の災害による被災した住宅の修理に関する様々な課題やその対応事例を取りまとめ、平時からの準備や発災後の対応についての手引が作成されたところです。 県では、この手引を参考に、大規模災害時に急増する応急修理やブルーシートの設置などのニーズに対応するため、県内外の団体と広域応援に関する協議を進めてまいりました。 現在、住宅の応急修理については県外の大工・工務店の団体と、また屋根の応急対応については県内外の専門的な技能を有する団体と、それぞれ協定の早期締結に向けた調整を行っているところです。 県としては、災害時に被災者が一刻も早く安心・安全な生活を取り戻すことができるよう、引き続き民間の団体等と連携を図りながら、住宅復旧に向けた広域応援体制の構築に努めてまいります。 次に、DV被害者の居住支援についてのお尋ねにお答えします。 DV被害者が自立して生活しようとする際には、就業や生活面において複数の課題を同時に抱えることとなり、このうち住宅の確保は、重要な課題の一つであると認識しています。 このため、DV法に基づく保護等を受けた方について、県営住宅では、公募時の優先的な入居の対象者として条例に規定するとともに、緊急の場合には公募によらない一時的な入居も認めています。 また、民間賃貸住宅では、被害者の入居を拒まないセーフティーネット住宅についての情報提供を行うとともに、その登録の拡大を進め、一月末時点で一万戸以上が登録されているところです。 しかしながら、DV被害者のうち法による保護等が受けられない方の中にも、住まいの確保が困難な方がおられることから、こうした方への支援も必要であると認識しているところです。 こうした中、お示しのとおり、国において、従来のDV法による保護等を受けた方に加え、婦人相談所等による証明書や、行政機関等と連携してDV被害者の支援を行っている民間支援団体の確認書を受けた方についても、公営住宅の居住支援の対象にできる旨の制度改正が行われました。 このため、本県においても、新型コロナウイルス感染症の影響が長期に及ぶ中、DV被害の相談件数が増加していることも踏まえ、まずは、三月一日から証明書等を受けられた方についても県営住宅への一時的な入居ができるよう、要領の改正を行ったところです。 さらに、今後もDV被害者の深刻化が懸念されることから、被害者の状況に応じて継続的な入居が可能となるよう、県営住宅の入居要件の緩和に向けて、条例改正の検討を行っていく考えです。 また、民間賃貸住宅については、現在作成中の住宅マスタープランの中で、証明書等を受けられた方をセーフティーネット住宅への入居対象として新たに位置づけることとしており、併せて、居住支援のためのガイドブックを改訂し、不動産事業者や家主に対して理解促進を図っていく考えです。 県としては、引き続き、国の動向も注視しながら、市町や関係機関と連携し、DV被害者に対する居住支援の一層の充実に努めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十五分休憩