討論
議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 社民党・市民連合を代表して討論を行います。 我が会派は、提案されています議案第一号、三十三号、三十六号、五十七号に反対をいたします。あとの議案については全て賛成をいたします。 そして、請願第一号及び第二号を不採択とすることに反対をいたします。 順次、意見を述べさせていただきます。 まず、議案第一号、令和四年度一般会計予算について、意見を述べます。 予算規模は七千八百六十二億円と、コロナ対策で突出した前年度予算をさらに上回る四・四%増になっています。 国は、過去三年連続して一月の補正予算と当初予算を一体的に編成する十五か月予算でしたが、今回、国は昨年十二月に補正を行い、新年度予算と一体的に編成されたので十六か月予算と言われています。 近年の国の予算編成方針については、景気対策などの面で有効であるとの評価がある一方で、補正予算本来の役割から逸脱し、通常の予算として盛り込むべきものを比較的注目度の低い補正予算として計上すること、例えば、ミサイルなどの防衛費の七千七百億円もの大幅な補正予算計上などにより、必要な議論を避けているのではないかという批判が当然あります。 本県も、こうした国の予算編成方針に追随、踏襲したものであることに注目しなければなりません。 では、県の予算案についての疑問点を申し上げたいと思います。 建設事業費等に係る繰越明許費が六百六十四億九千二百万円も予定されています。四年前の平成二十九年度の三百五億九千百万円から倍増しています。さらに、新年度一般会計予算の公共事業関係予算の六百五十五億六千九百万円をも超えており、大いに疑問に思っています。 さらに、国の子育て世帯への臨時特別給付は、クーポン配布か、はたまた十万円一括給付かで物議を醸しましたが、要するに新年度予算には、コロナ禍で世帯への給付などを通じて消費を喚起する景気対策のための事業予算はてんこ盛りですが、収入減少生活困窮世帯への直接支援、県でもできる返還不要の給付型奨学金の拡充などは見られません。 また、一般質問でこれまでも多くの方が取り上げてこられましたが、子供の医療費助成などについて、結果として市町に負担を押しつけることになっている県の事業について、今回も見直しがされていません。 さらに、原子力発電関係団体協議会と日本原子力産業協会に会費を納入し続けることに納得いきません。また、朝鮮学校への補助金カットには、何の法的根拠もありません。これでは、県民の差別や偏見を助長させる官製ヘイトだと批判されて当然です。来年度の途中からでも、補助金復活の決断をぜひともお願いをしておきたいと思います。 県民にとって身近で要望の多い道路補修や河川改修などのいわゆる生活関連予算も、到底十分とは思えません。 三期目の県政を担われる村岡知事におかれましては、不偏不党の姿勢を貫かれ、多くの県民世論の声に耳を傾けていただき、かつ率直な知事の御肉声をお聞かせいただくことを御期待申し上げ、この第一号議案には反対をいたします。 続いて、議案第三十三号 山口県学校職員定数条例の一部を改正する条例及び議案第三十六号 山口県立高等学校等条例の一部を改正する条例について、一括して意見を述べます。 教職員の定数は、高校では収容定員の減等で四十七名減、小中学校では合わせて五十名減となっており、特別支援学校の学級増に伴う三十九名の増を差し引いても全体では五十八名の減となっています。 教職員の働き方改革が言われる中で、遅々として進まず、社会状況の変化が子供たちにも影響をし、子供の数が減少しているにもかかわらず、教職員への負担は減っていないと思います。 いじめ、不登校、子供の貧困、ヤングケアラーや医療的ケア児への対応など、子供と向き合って、フェース・ツー・フェースのスキンシップで接し、信頼関係を築き、先生が子供の状態をいち早くキャッチすることが求められています。 官製ワーキングプアの臨時採用、非常勤の教職員を増やすのではなく、安心して働き続けられる正規の教職員を増やすことが重要です。 多いと言われる教職員の病気休職を減少させることにもつながっていくものと思います。 とりわけ高校では、長期的に見て生徒数は減少と言われる中でも、ここ四、五年先までは横ばいか多少なりとも増加傾向にあり、今年度で閉校する高校があるといえど、教職員数を減らすべきではないと考えます。 一般質問でもありましたが、○五年度からの再編では、全日制の県立高校六十七校四分校が四十六校六分校に減っています。 県立高校将来構想案の中でも、子供たちのニーズの多様化に応えるとして、多様な科目や活動を選択できることや、進学に対応した学力を育む教育、もしくは就職に向けた職業教育の充実等、特色ある学校づくりの推進が必要とされています。 であるならば、一学年四十名の学級を四から八学級の学校の大規模化を推し進めるのではなく、三十五人学級、三十人学級を推し進めることが必要と考えます。 また一方で、この間、分校化した高校や閉校化された高校・分校の存続に向け、地域や所在地の自治体とともに、教委として努力がなされたことが見受けられないように感じます。 子供の多様化したニーズのためにも、その子供たちに余裕を持って寄り添い応えられる先生のためにも、小規模校・分校をはじめとした高校の閉校や教職員数を減らすべきではないと考えます。 県内全ての公立学校がコミュニティ・スクールに、また、スマートスクール構想推進を掲げられているわけでもありますので、その実現のためにも教職員定数の削減には反対をいたします。 以上の観点から、議案三十三号及び議案三十六号には反対をいたします。 また、先進諸国で最低クラスの教育予算の拡充を政府に強く要請されるよう、引き続いて知事と教育長にお願いをしておきます。 議案第五十七号 令和三年度の建設事業に要する経費に関し市町が負担すべき金額を変更することについては、経費の最終確定に伴うものですが、反対です。この議案については、我が会派は反対し続けてまいりました。 せっかく県が立派な道路や橋などを造ってくれたと喜んでいたら、事業によってその負担割合は異なりますが、市町に後になって負担を請求している。おかしい話です。 これまで何度も申し上げていますが、地方分権の掛け声とともに、地方六団体・全国知事会挙げて取り組み、主張されていた国の直轄事業負担金廃止問題は、残念ながら、その声が全く聞こえなくなっています。市町への負担金は、この問題の延長線上の課題でもあります。 財政事情が厳しいのは、県内市町共通の課題です。知事は、県の負担金制度廃止について強く行動していただくことを要望し、本議案に反対をいたします。 次に、請願第一号 人道的見地から沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないように求めることについての不採択について、反対であります。賛同をお願いしたい立場で意見を述べさせていただきます。 一般質問で、私は、我が家のおじ二人もさきの戦争で亡くなっていると申し上げました。本請願は、我が家にとっても積年の悲願である内容が含まれています。 何より請願者には、沖縄戦戦没者の御高齢の御遺族の方もおられます。ぜひとも、本請願に御賛同くださいますよう壇上からではございますが、伏してお願い申し上げる次第でございます。 請願第二号 山口県岩国児童相談所の不作為による要保護児童の自殺についての不採択についてであります。 本請願の根底には、夫婦が離婚した場合の子供の親権問題があると思っています。我が国では、子供が未成年の場合、離婚したときは父母どちらかの単独親権になっています。 この点は、国会でも超党派の共同養育支援議員連盟が、父母の離婚後の後における子と父母との継続的な関係の維持等の促進に関する法律案の提出に向けて活動を行われています。また、法務省内部でも離婚後の共同親権を認める方向で検討を進めているとも聞いています。 我が会派としては、こうした議論の進展を期待する立場、そして何より請願者の苦悩の心情をおもんぱかったときに、本請願に賛成すべきとの結論に至りました。 したがいまして、本請願を不採択とすべきとする環境福祉委員長報告に反対をいたします。 なお、子供の命を守る現場の児童相談所で専門職不足が浮き彫りになっている実態を直視していただき、改善が図られるべきだとの意見も申し述べさせていただいておきます。 以上で、議案、請願に対する討論を終わらせていただきますが、我が会派からも最後に、今年度で退職されます参与員の皆さん、職員の皆さん、本当に御苦労さまでした。皆さんの県民、県政への長きにわたる御尽力に心から敬意を表する次第でございます。 どうか、次なる新たなステージでもそれぞれの持ち場で御活躍されることを心から念願申し上げます。 何より元気が一番です。御健勝を心からお祈りをいたしまして、私の討論を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。