提案理由説明
───◆─・──◆──── 日程第三 議案第一号から第十九号まで 議長(柳居俊学君)日程第三、議案第一号から第十九号までを議題といたします。 ────────────────────── 提出者の説明 議長(柳居俊学君)これより提案理由の説明を求めます。 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)本日は、令和四年度一般会計補正予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。 議案の説明に先立ち、御報告を申し上げます。 まず、安倍晋三元内閣総理大臣におかれましては、去る七月八日、民主主義の根幹たる参議院議員選挙の街頭演説中に銃撃され、同日夕刻御逝去されました。 故安倍元総理は、卓越した政治手腕とリーダーシップを発揮され、憲政史上最長の八年八か月にわたって内閣総理大臣の重責を務められ、この間、アベノミクスによるデフレ脱却や日本経済の再生、国際社会における日本の地位向上などに向け、我が国を力強く導かれ、偉大なる御功績を残されました。 また、地方の元気なくして日本の再生なしとの信念の下、人口減少に歯止めをかけ、地域の活性化を目指す、地方創生の実現に向けた取組を強力に推進されるとともに、地元山口県の取組にも大変な後押しを頂くなど、県政の発展にも格別の御尽力を賜りました。 こうした故安倍元総理のこれまでの数々の御功績や、多くの県民の皆様から哀悼の意が寄せられている状況を踏まえ、最も深く哀悼の意を表する形として、県民葬を本年十月十五日に執り行うこととし、今回の補正予算に所要の経費を計上いたしました。 私としては、故安倍元総理の御遺徳をしのび、我が国はもとより、山口県への多大なる御貢献と御功績を称え、謹んで深く追悼の意を表するにふさわしい県民葬となるよう、関係者とともに準備を進めてまいりたいと考えています。 次に、やまぐち未来維新プランについてです。 今後の県づくりの指針となるやまぐち未来維新プランについては、六月に作成した骨子に沿い、安心・安全、デジタル、グリーン、ヒューマンの四つの視点を踏まえ、三つの維新を未来志向で再構築し、このたび、素案を取りまとめました。 この素案では、これまでの取組の成果や本県を取り巻く環境、さらには、産業集積や豊かな自然、歴史、文化をはじめとする本県の強みや潜在力を踏まえ、重点的に政策を進める、二十の維新プロジェクトと七十二の重点施策を設定しており、基本目標である安心で希望と活力に満ちた山口県を実現するための取組を積極的に展開してまいります。 さらに、グリーンの取組の核となる脱炭素社会の実現に向けては、本県産業の国際競争力の維持とさらなる成長につながるよう、本県の強みを生かしながら、産業分野の脱炭素化の取組を強力に進めていくとの方針の下、産業分野における具体的な取組やロードマップを示すやまぐち産業脱炭素化戦略の本年度中の策定に向けて、現在、作業を進めているところであり、このたび骨子案を取りまとめました。 これらの計画・戦略については、引き続き県議会や県民の皆様の声をしっかりとお聞きしながら、今後の策定作業を精力的に進めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症の状況についてです。 本件の感染状況については、新規感染者数は減少傾向にあるものの、依然、高い感染レベルが継続し、また、陽性者のうち自宅療養をされている方が約九割と、その大半を占めています。 また、重症化リスクの高い高齢者施設等でクラスターが断続的に発生するとともに、秋の行楽シーズンにおける旅行等で人と人との接触の機会が増えるなどにより、感染拡大防止対策のさらなる充実が求められています。 こうした中、県では、陽性者の方が安心して療養していただけるよう、医療提供体制のさらなる拡充を図るとともに、自宅療養者の方に対する相談等支援体制を強化するほか、今月から順次開始されるオミクロン株対応ワクチン接種の体制確保について、今回の補正予算に所要の経費を計上したところです。 私としては、これらの取組を通じて、県民の皆様の命と健康を守ることを第一に、社会経済への影響を最小限に食い止めることができるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、ハワイ州との交流についてです。 本県からハワイへの移住者は特に多く、明治期には、本県から一万人を超える県民がハワイに移住され、現在もハワイには五つの山口県人会が組織されています。 これまで、県人会の記念行事への参加や、県人会の皆様の本県への訪問等を通じ、県人会と本県は、長年にわたり活発な交流を深めてきたところですが、高齢化が進む県人会の活性化や、本県との交流を次世代に継承していくためにも、本県とハワイ州との正式交流を実現する機運が醸成されてまいりました。 こうしたことから、ハワイ友好促進山口県議会議員連盟の皆様方のお力添えを頂きながらハワイ州政府との協議を進め、このたび、デービッド・イゲ州知事をはじめとするハワイ州訪問団を本県にお迎えし、去る八月二十七日、周防大島町において姉妹提携の調印を行ったところです。 私としては、これを契機として、これまで長年にわたって築いてきた県人会の皆様との信頼関係を土台とし、幅広い分野での交流を一層推進していきたいと考えています。 次に、最近の経済情勢についてです。 まず、我が国経済は、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、持ち直していくことが期待される一方、世界的な金融引締め等を背景とした海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇による家計や企業への影響や供給面での制約等に十分注意する必要があるとされています。 また、県内経済については、緩やかに持ち直しているものの、先行きについては、感染症や原材料価格の上昇等が金融経済に与える影響について注視していく必要があるとされています。 こうした中、県では、国が先般策定した追加の物価高騰対策に呼応し、急速な円安の進行等に伴う物価上昇などの影響により厳しい状況にある事業者を支援するため、今回の補正予算に所要の経費を計上したところです。 私としては、今後の経済情勢を十分に注視し、国が来月中に取りまとめるとされている新たな総合経済対策とも整合を図りながら、引き続き必要な措置を講じていく考えです。 それでは、提出議案の概要について、御説明申し上げます。 議案第一号は、令和四年度一般会計補正予算です。 今回の補正予算は、当面緊急を要する経費について、所要の補正を行うものであり、補正総額は百十七億九百万円、補正後の予算規模は八千六十三億三百万円となっています。 その主な内容としては、まず、新型コロナウイルス感染症対策として、現下の感染状況を踏まえ、医療提供体制のさらなる充実を図るため、入院患者の受入れ病床を拡充するとともに、急増する自宅療養者が安心して療養できる環境を整備するため、健康相談等支援体制の強化を図ります。 また、オミクロン株対応ワクチン接種の迅速かつ円滑な実施に向けて、医療機関への接種促進のための運営支援等を行うこととし、総額で八十四億七千五百万円を追加計上しています。 次に、原油価額・物価高騰対策として、利用者への食事の提供に影響が生じないよう、介護施設や障害者支援施設等に対し、食材費等の価格上昇相当分に係る経費を補助するとともに、配合飼料価格の高騰による影響を緩和し経営の継続を図るため、畜産業者に対し、価格上昇分の一部を支援します。 さらに、経営悪化に直面する中小事業者が行う省エネや業務の効率化に資する新たな設備等の導入支援に向けて追加の措置を行うこととし、総額で二十九億七千二百万円を計上しています。 また、故安倍晋三元内閣総理大臣の県民葬を実施するため六千三百万円を計上するほか、産地における生産出荷体制の強化に向けた高機能農業用設備の導入を支援することとし、所要の経費を計上しています。 このほか、建設事業に係る繰越明許費について、入札の不調により一億一千三百万円を設定しています。 一方、歳入予算については、歳出との関連において、国庫支出金九十三億三千四百万円等を追加するほか、所要の一般財源については、繰越金二十三億四千四百万円をもって措置しています。 以上が、議案第一号に係る令和四年度一般会計補正予算の概要です。 議案第二号は、令和四年度の県が行う建設事業に要する経費に関し、市長が負担すべき金額を定めることについて、地方財政法等の規定により、県議会の議決をお願いするものです。 議案第三号から議案第十一号までは、条例の制定及び改正に関するものです。 議案第三号は、職員の定年年齢の引上げに伴い、新たに職員の高齢者部分休業制度を導入するため、議案第四号は、障害を理由とする差別の解消の推進に関し、基本理念及び施策の基本となる事項を定めるため、それぞれ条例を制定するものです。 議案第五号は、地方公務員法の一部を改正する法律の施行に伴い、職員の定年について国家公務員と同様に引き上げるとともに、管理監督職勤務上限年齢制の導入等を行うため、改正を要する関係条例について、一括して整備を行うものです。 議案第六号から議案第十一号までは、いずれも条例の一部を改正するものであり、教育職員免許法の一部改正に伴い、教員免許の更新に関する手数料の廃止等を行うものです。 議案第十二号から議案第十八号までは、事件議決に関するものです。 議案第十二号は、訴訟上の和解をすることについて、議案第十三号及び議案第十四号は、令和三年度の企業会計の利益の処分について、それぞれ県議会の議決をお願いするものです。 議案第十五号は、令和三年度山口県歳入歳出諸決算について、県議会の認定をお願いするものです。 なお、当該決算に係る主要な施策の成果並びに基金の運用状況についても、併せて説明書を提出しています。 議案第十六号から議案第十八号までは、令和三年度の企業会計の決算について、地方公営企業法の規定に基づき、それぞれ県議会の認定をお願いするものです。 議案第十九号は、人事案件に関するものであり、公安委員会の委員の任命について、県議会の同意をお願いするものです。 公安委員会委員 弘田公氏は、来る十月十三日をもちまして、その任期が満了いたします。 つきましては、後任の委員の任命を要するのですが、私としては、大田明登氏を最適任と考え、ここにお諮りいたします。 なお、同氏の御経歴は、お手元に配付しました履歴書のとおりです。 この際、御報告申し上げます。 訴えの提起前の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により処理をいたしました。 また、地方独立行政法人法に基づく業務の実績に関する評価結果等の報告、債権管理条例に基づく債権放棄の報告、令和三年度の決算に係る健全化判断比率及び公営企業の資金不足比率の報告、中山間地域振興条例ほか六条例に基づくそれぞれの年次報告、内部統制評価報告書並びに県が出資等を行っている法人の経営状況を説明する書類につきましては、別添のとおり作成しましたので、提出をいたします。 以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。