1 観光振興について 2 漁業者の所得向上対策について 3 ダムによる治水対策について 4 北朝鮮による日本人拉致問題について 5 上関原発建設計画について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十五号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十五号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 髙瀬利也君。 〔髙瀬利也君登壇〕(拍手) 髙瀬利也君 自由民主党の髙瀬利也でございます。まだまだ左側の口が麻痺残っております。それから、声にも力がありませんけれども、一生懸命質問したいと思います。お願いします。(拍手) まずは観光振興についてお尋ねいたします。 県では、これまで、コロナ禍がもたらした危機的状況に迅速に対応するために、山口県観光V字回復プランを策定し、国の旅行支援事業に加え、県独自の宿泊割引券による需要喚起や、ポストコロナを見据えた宿泊施設の高付加価値化の取組などにより、観光産業を支えてこられました。 こうした取組により、令和三年は、コロナ禍前の水準にまでは戻らなかったものの、本県の宿泊者数の減少率を全国最小に、また、客室稼働率は全国二位という成果を上げてこられたことを、私としても大変評価しております。 一時期は落ち着き始めたコロナ感染者数ですが、本県においても第八波の拡大も懸念されるなど、引き続き需要喚起策などで観光産業を支援していくことも必要ですが、今後は、コロナ禍で生じた社会変化に対応した観光振興に向け、コロナへの緊急対策から出口を見据えた、自ら稼ぐ力を高める施策へと取組を進めていかなければなりません。 こうした中、県は、やまぐち未来維新プランの維新プロジェクトの一つに、新たな観光県やまぐちの創造を掲げ、その目標を具現化するための新たな観光振興計画の策定を進められています。 長引くコロナ禍は人々の意識を大きく変え、旅行ニーズも変化しております。個人・少人数旅行へのシフト、アウトドア志向など自然環境の中での体験型旅行ニーズや近隣県を旅行するマイクロツーリズムの人気が高まり、長期滞在型観光にも注目が集まっております。また、リピーターとなって何度も同じ観光地へ旅行するケースも増えています。 このような変化を的確に捉え、各地域の有する強みを生かした観光地域づくりを進めていく必要があります。私の地元下関の奥座敷にあります川棚温泉地域では、コロナ禍で川棚の持つ穏やかで優しい風土の中での散策が人気であることに着目し、地域全体で周遊を促し、出湯や食などを楽しんでいただく、面的な観光地域づくりを進めています。 本県には、長門の俵山温泉や周南の湯野温泉など、コンパクトではありますが、魅力ある観光地域が多数あります。こうした地域にもスポットライトを当て、本県の多彩な魅力をPRしていくことも私は大切だと思います。 また、裾野の広い観光産業の多くの業種に利益が行き渡るよう、観光消費額向上にも取り組んでいくことは、本県観光産業が持続的に発展していくためにも極めて重要です。 私は、コロナ禍で生じた旅行ニーズの変化は、豊かな自然を有する、また多彩な文化資源を有する本県にとっては大きなチャンスでもあると思います。新たな計画の下で、こうした本県の魅力を伸ばし、観光産業のさらなる発展に向けて、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思うのです。 また、本県の認知度はまだまだ低い傾向にあります。こうした厳しい現実にも目を向け、しっかりとプロモーションにも取り組んでいただくようお願いします。 そこでお尋ねします。コロナ禍がもたらしたニーズの変化を踏まえ、今後、観光振興にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、漁業者の所得向上対策についてお尋ねいたします。 先日、山口県豊魚祭が三年ぶりに特牛港において開催されました。当日は、キジハタやトラフグ等の放流行事などが行われ、多くの人でにぎわっていました。 さて、私の地元川棚を含む豊浦・豊北地区が面している海、響灘は、豊かな漁場に恵まれ、古くから一本釣りや定置網などの漁などが盛んなところであり、漁業は地域の重要な産業の一つとして位置づけられています。 しかしながら、漁業就業者の高齢化の進行とともに、漁業就業者が減少しており、それに伴い漁業生産量も減少するなど、漁村地域の活力の低下が課題となっています。中でも湯玉地区では、平成二十二年に十五名いた正組合員が令和三年には八名に半減するなど、深刻な状況となっています。 このような中、漁村の活力を維持するため、この地区においては、新規就業者の確保・定着に力を入れており、毎年のように地区外から就業希望者を積極的に受け入れ、研修などを行っています。その結果、過去五年で十一名の方がこの地域で新たな漁師となり活躍するなど、県内でも定着率の高い地域です。 また、近年、高単価が期待される高級魚キジハタの漁獲量増加に向けた取組も積極的に行われております。種苗の大量放流や成長段階に応じた魚礁の設置、三十センチ未満の漁獲を禁止するなどの資源管理などに取り組まれており、漁業就業者の所得向上に向け、様々な取組が行われています。 このような中、近年、漁業を取り巻く環境は、地球温暖化の影響による海水温の上昇により、漁獲量の減少や捕れる魚の種類に変化が起こっていることが各地で問題になっています。地元の漁業者からも、いつもの漁場に行ってもイカがおらず、思うように漁はできなくなったなどという声も耳にしました。地球温暖化による海洋環境の変化により、これまでの常識が通用しなくなってきている状況となっています。 漁村を活性化させ、本県漁業の振興を図っていくためには、漁師を志す若者たちにとって魅力的であり、また、漁師を続けていくための安定した収入が確保できる環境を整備することが何よりも重要であります。 そのためには、これまでの取組に加え、地球温暖化の影響にも対応できる効率的な漁業の展開や新たな所得確保につながる対策を講じていくことが重要となってくるのではないでしょうか。 そこでお尋ねします。地球温暖化の影響などにより海洋環境が変化する中、漁業者の所得向上に向け、今後どのように取り組まれるのかお尋ねいたします。 次に、ダムによる治水対策についてお尋ねします。 近年、気候変動の影響等によって自然災害の激甚化が進行しており、今年八月には、東北地方や北陸地方を中心に、大雨による深刻な浸水被害が発生し、九月にも台風十四号による被害が九州を中心に発生しました。 山口県でも、七月の大雨や九月の台風十四号で、河川の氾濫による家屋等の浸水被害が発生しました。私としては、こうした浸水被害の未然防止を図っていくためには、ダムの整備をはじめ、堤防の強化や河道掘削を行うなど、治水対策を一層強化することが重要と考えます。 とりわけ、ダム整備については、下流域の浸水被害を防ぐ上でも極めて有効な治水対策であると考えており、現在、本県では平瀬ダムや大河内川ダムの建設工事が着実に進められています。 中でも、平瀬ダムについては、令和五年の出水期からの運用開始に向け、今年十月から試験湛水が実施されており、供用開始されれば、錦川流域の浸水被害について、大幅に軽減されることが見込まれます。 また、地元下関にあります木屋川ダムについても、かさ上げ工事着手に向け、長きにわたり実施計画調査が続けられていましたが、昨年度から現地測量を開始し、今年八月には、地元の地権者協議会と基本協定を締結されるなど、かさ上げ工事の着手に向け、一歩一歩事業が進捗しております。平成二十二年七月の大雨では、木屋川が氾濫し、流域で多数の浸水被害が発生していることから、ダムのかさ上げについて流域住民の期待は大きく、早期整備が求められているところです。 このように、各ダムの整備を進めていくのはもちろんですが、激甚化する自然災害に対応するため、既存ダムの有効活用を図っていくことも重要です。既存ダムの適切なメンテナンスや、老朽化した設備の更新を行っていくことも必要だと考えます。 また、ダムの洪水調節機能強化のため、本県の一級水系と二級水系に整備されているダムについては、既に事前放流の実施方針を定めた治水協定を締結されておられます。九月の台風十四号の襲来時には、協定に基づき、県内のダムでも事前放流が行われました。ただ、事前放流は利水者への影響が大きいことから、河川管理者やダム管理者、利水者などの関係者が十分に協議をした上で取組を進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。浸水被害から県民の暮らしや安全を守るため、ダムによる治水対策について、今後どのように取り組んでいかれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、北朝鮮による日本人拉致問題についてお尋ねをいたします。 北朝鮮による日本人拉致は、国民の生命と安全に関わる重大な人権侵害問題であり、一日も早い解決が求められております。 本県でも、下関市の河田君江さんをはじめとして、拉致の可能性を排除できない方々が十一名いらっしゃいますが、拉致事件が発生したと思われる一九七○年代、八○年代からおよそ五十年の月日が流れ、そして初めて日本に拉致被害者が帰国してからも、はや二十年が経過しております。この間に、拉致被害者の御家族は高齢化が進み、一刻の猶予も許されない状況でございます。 こうした中で、拉致問題の解決を政治活動の中心に位置づけ、世界にも拉致問題の認識を広げるなど、解決に向けて大変な御尽力をされた安倍元総理が、この夏の参議院選挙の最中、凶弾により亡くなられました。 安倍元総理は、国会議員秘書時代から拉致問題に取り組まれ、拉致被害者の御家族の方々からも厚い信頼を得てこられました。先日行われました国葬儀の際にも、式壇には、被害者の救出を誓うブルーリボンバッジが御遺骨とともに安置され、遺影の胸元にもバッジが掲げられておりました。 国葬儀には、拉致被害者である横田めぐみさんのお母様、横田早紀江さんが参列されており、献花に臨む姿を拝見した私は、拉致問題の解決に当たり、被害者の御家族に寄り添った政治活動をされた安倍元総理に最大限の敬意を表すとともに、その御遺志をしっかりと引き継ぎまして、決して風化させることがあってはならないと身に誓ったところであります。 先日、北朝鮮向けラジオ放送を行う政府と特定失踪者問題調査会が共同で行う、北朝鮮向けラジオ放送「ふるさとの風」「しおかぜ」の共同公開収録が下関市で開催され、特定失踪者の御家族から、拉致被害者へ向けた心からのメッセージが発信されました。 以前にも、本議会において訴えさせていただきましたが、我々国民ができることで、最も大切なことは、拉致問題に対し絶えず関心を持ち続けることです。 一つ一つの活動を積み重ね、国民一人一人が全ての拉致被害者を必ず取り戻すという強い意志を持ち、一致団結して発信し続けていくことで、その声が国際社会を動かし、北朝鮮を動かすことにつながっていくのであり、県におかれても、それを後押しするような啓発を引き続き行っていただきたいと考えております。 そこでお尋ねします。県では、北朝鮮による拉致問題に対し、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、上関原発建設計画についてお尋ねします。 エネルギーの安定的な確保は、我が国の根幹的な課題であり、私は、昨今の国際情勢や、将来の脱炭素社会を見据え、国が原子力を最大限活用していくという方針を示していることは、責任あるエネルギー政策として当然であると考えます。 先月二十八日、村岡知事は、上関原発建設計画に係る中国電力からの公有水面埋立免許の期間伸長許可申請に対し、竣功期限を令和九年六月六日までとする期間伸長を許可されました。 今回の許可処分の考え方と上関原発建設計画への対応についてただした今議会の我が会派の代表質問に対して、知事は、公有水面埋立法に基づき、竣功期限内に工事を竣功できなかった合理的な理由があること、今後埋立てを続行する土地需要があること、この二つの要件をいずれも満たし、正当な事由があると認められるときは許可しなければならないものであることから、埋立免許権者である知事として、期間伸長を許可したと答弁されるとともに、上関原発建設計画については、今後も、これまでと同様、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するとの考えを改めて明らかにされました。 また、前町長が進めてこられた政策を継承し、十月二十三日の町長選挙で当選された西町長への向き合い方について問われた公明党の一般質問に対しても、知事は、まちづくりに対する町長の強い思いもしっかりと受け止めながら、適切に対処していく旨の答弁をされました。 私ども自民党会派は、こうした知事の法律に基づく埋立免許権者としての対応、西町長の思いも受け止めた上関原発建設計画に対する一貫した基本姿勢については、適切かつ妥当なものであると、この場で改めて評価させていただきます。また、私自身としても、民主主義の根幹である選挙において、七割という得票率により示された、西町長のまちづくりに対する地元上関町の民意は、しっかりと尊重されなければならないと考えます。 一方で、今議会の質問では、原発反対の立場の議員から、今後も海上ボーリング調査はできないのだから延長許可をしたのは裁量権の濫用であるとか、中国電力の一連の行動は訴訟のための証拠集めであるなどの、臆測だけの一方的な主張も見受けられました。 これらの発言は、あたかも知事が、中国電力の説明をうのみにしているだけの印象を与えようとしていると感じたのは、私だけではないと思います。 それぞれの立場の違いはあるにせよ、恣意的で一方的な主張を繰り返し、あくまでも法律の定めに沿った処理を行っている県の答弁に対し、異を唱え続ける発言に、共感を覚えることはできません。 そこで、これまでの本議会での議論も踏まえ、改めてお尋ねします。今回の期間伸長許可処分の考え方と、今後の上関原発建設計画への対応について、知事の御所見をお伺いいたします。 以上、用意した質問は以上でございますが、少し時間が余っておりますので、一言言わせていただきます。 六月の四日ですが、自宅で右の脳血管から出血をいたしまして、全く左側の手と足が動かなくなりました。なった瞬間に、すぐ救急車を呼んで病院に連れていっていただきましたが、本当にこれからどうしようかと絶望にたたき落とされまして、もう終わったな人生というふうに思いまして、大変落ち込みました。 おかげさまで、病院の中で懸命なリハビリをすることができまして、多少手と足が動くようになりまして、お医者さんからも、まだまだ動く可能性はあるから頑張りましょうという声を頂きまして、三か月ほど入院をいたしました。 六月の議会は全てお休みをさせていただきまして、委員会もお休みさせていただきました。所管の委員会でですが、教育長さんとか、それから県警の本部長さん、大変御迷惑かけました。 九月の議会には、はってでも行こうと思いまして、大変格好悪かったんですけども、足を引きながら、議会に出させていただきました。この議場も段差をなくしていただきましたりとか、また、電動の車椅子を用意していただきましたり、それから今ここに立派な椅子がありますけど、大変障害者に優しい議場づくりをしていただきまして、本当に感謝しております。ありがとうございます。 また、ここにいらっしゃる先生方、先輩議員、それから同僚議員はじめ、与野党問わず、皆さんから本当に温かいこと、お見舞いいただきました。本当にありがとうございます。これからリハビリする力になりました。大変皆様には御迷惑と御配慮いただきました。そして、御心配をおかけいたしました。改めましておわびと、また感謝の意を表します。本当にありがとうございました。 まだまだ回復は道途上でございまして、まだまだ一生懸命リハビリをしなきゃいけないと思います。元の体にはなかなか戻らないかなというふうには思いますけども、前の体に少しでも戻れるように、一生懸命また頑張っていきたいと思います。まだまだリハビリも頑張りますので、温かい目で見ていただきまして、優しくしてください。お願いします。 御感謝を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)髙瀬議員の御質問にお答えをしたいと思いますが、まず髙瀬議員、大変なリハビリを重ねられて、本当に驚異的に回復をしておられることに、心から敬意を表したいというふうに思いますし、これからますます、さらに回復されますことを心から応援をしております。頑張っていただきたいと思います。 まず、観光振興についてでございます。 コロナ禍の長期化に伴い、本県の観光産業が未曽有の危機に直面する中、私は、本県観光の一刻も早い回復に向け、昨年十月に策定した山口県観光V字回復プランに基づき、観光需要の喚起や宿泊施設の高付加価値化など、観光産業への総合的な支援に取り組んできたところです。 こうした中、県内の宿泊者数は着実に改善するとともに、インバウンドの本格的な回復の兆しも現れており、私は、この機会を逸することなく、本県の観光のV字回復の先を見据えた、新たな観光県やまぐちの創造につなげていきたいと考えています。 このため、コロナ禍により生じた観光の変化を踏まえた、中長期的な指針となる、新たな観光振興計画を策定することとしており、これに基づき、持続可能な観光地域づくりや、戦略的なプロモーションの展開などの取組を積極的に進めていくこととしています。 まず、持続可能な観光地域づくりについては、コロナ禍により多様化した旅行者のニーズに的確に対応するため、本県の強みである豊かな自然や、歴史、多彩な食などを生かした、本県ならではの新たなツーリズムの創出に取り組んでまいります。 また、観光地域の稼ぐ力の向上に向けて、観光客の年代や嗜好などの詳細なデータに基づく、効果的な観光地経営を支援するとともに、これを通じて、観光客の満足度を高める魅力的なコンテンツ造成を積極的に進めてまいります。 さらに、戦略的なプロモーションの展開については、本県の認知度向上に向けて、絶景やグルメなど、本県の優れた観光資源を活用し、観光客の心をつかむ新たなプロモーションの展開をするほか、JRと連携したデスティネーションキャンペーンの誘致も図ることとしています。 こうした取組に加え、本格的に回復するインバウンド需要を確実に取り込むため、海外の観光プロモーターによる重点的な誘客促進や、デジタル技術を活用した情報発信の強化を図るとともに、大阪・関西万博などを見据え、新たな観光コンテンツや周遊ルートの開発を進めていきます。 私は、市町や関係団体等と緊密に連携し、コロナ禍がもたらした観光ニーズの変化を的確に捉え、新たな時代をリードする本県観光の振興に全力で取り組んでまいります。 次に、上関原発建設計画についてのお尋ねにお答えします。 埋立免許の期間伸長の申請につきましては、埋立免許権者として、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて合理的な理由があることと、土地需要があることの二点について、公有水面埋立法に基づき、どこまでも法令の規定に従って厳正に審査いたしました。 まず、竣功できなかった理由については、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査について、調査地点付近で複数の船舶を停泊させるなどの行為が継続してあったことなどから調査を終了できず、工事を期限内に竣功できなかったこと、また、訴訟によりその解決を図ることが説明されており、合理的と認められます。 さらに、事業者から、調査を安全に進めるため、訴訟に要する期間が必要であるとの説明もされており、その期間を加えた四年五か月を妥当であると判断したところです。 また、土地需要については、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であるとの国の見解を改めて得たことが示されており、土地需要があると認められます。 このように、私は、申請内容の的確な把握に努め、公正な立場で、適正に審査を行わなければならないとの考えの下、申請及び補足説明の内容について審査した結果、正当な事由があると認められたことから、埋立免許権者である知事として許可したものです。 次に、今後の対応についてでありますが、私は、国策である原発の立地については、県に権限が与えられていない中で、地方自治の原則から見て、住民に最も身近な地元市町の政策選択や意向を尊重すべきであると考えています。 地元上関町におかれては、原発立地によるまちづくりを進めたいという政策選択がなされていると理解しており、そのことは現在も変わっていないと認識しています。 私は、まちづくりに対する西町長の思いもしっかりと受け止めながら、上関原発建設計画に対しては、これまでと同様、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するとともに、県民の皆様の安心と安全を守るという観点から適切に対応してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)漁業者の所得向上対策についてのお尋ねにお答えします。 漁業就業者の減少・高齢化や、漁業生産量の減少など、本県水産業が直面する課題を克服し、漁村を活性化させるためには、意欲ある担い手の定着に向けて、安定した収入を確保できる環境を整備することが重要です。 こうしたことから、県では、市場単価の高いキジハタ等の種苗放流や、新たな水産資源を確保するため、本県漁業調査船による漁場調査・開発に取り組んできたところです。 しかしながら、お示しのとおり、地球温暖化等を要因とした漁獲量の減少や魚種の変化が、近年顕著になっていることから、こうした変化にも対応できる効率的な漁業の展開や、新たな所得確保につながる対策を一層強化していく必要があります。 このため、効率的な漁業の展開に向けて、ICTによるケンサキイカなどの漁場形成予測の精度向上を図るとともに、はえ縄漁業などの操業場所や漁獲量、水温等の操業情報を蓄積・分析することで、科学的データに基づく操業支援システムの構築を進めます。 また、近年、海水温の上昇により漁獲量が増加傾向にある高級魚ハタ類の資源や回遊調査を進め、主要漁場ごとの資源量をデジタル化し、適正な漁獲量を管理することで持続的な利用を図り、漁業者の効率的な操業に向けた支援を強化します。 次に、新たな所得確保につながる対策については、水産大学校の専門的知見も活用し、一本釣り漁業とはえ縄漁業などの他の漁業を組み合わせた多角化経営への転換を支援することにより、所得の向上を図っていきます。 また、漁獲量の増大を図るため、環境の変化にも対応し、効果が見込める種苗を重点的に放流するとともに、生息環境の確保に向けた漁場整備を進めてまいります。 加えて、放流効果が最大限発揮されるよう、魚種ごとに最適な放流サイズや時期などを分析・検証し、小型魚保護等による資源管理と栽培漁業を一体的に推進していきます。 県としては、関係団体等と緊密に連携し、漁業が若者にとって魅力ある産業となるよう、海洋環境の変化にも的確に対応した所得向上対策にしっかりと取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)ダムによる治水対策についてのお尋ねにお答えします。 近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による水害が、全国で頻発・激甚化しており、こうした災害から県民の生命・財産を守るためには、河川やダムの整備等の治水対策は極めて重要であると考えています。 とりわけ、ダムは、洪水を貯留し、下流域の浸水被害を防止・軽減するという極めて有効な機能を有することから、県では、現在、河川整備計画に基づき、平瀬ダムなどの三つのダムについて整備を進めているところです。 具体的には、平瀬ダムについては、工事がおおむね完了し、来年の出水期からの運用開始に向け、試験湛水を行っており、大河内川ダムについては、付け替え道路の工事等を実施しています。 また、木屋川ダムについては、お示しのとおり、本年八月に地元の地権者協議会と事業を円滑に進めるための基本協定を締結し、九月から用地の測量や調査等に取りかかるなど、工事着手に向けた取組を着実に進めているところです。 一方、既存のダムについては、その機能を将来にわたって維持するため、長寿命化計画に基づき定期点検やダム本体の補修、管理に必要な機器の更新等を行っており、今年度から、新たにデジタル技術を活用した、ダム本体の変状調査を行うなど、維持管理の高度化・効率化にも取り組んでいます。 加えて、こうしたダムの整備等の効果をより高めるため、県が管理する十九ダムについて、利水者との協定の下、事前放流の基準を定めており、本年九月の台風十四号では、この基準に基づき五ダムで事前放流を実施し、浸水被害の防止や軽減を図ったところです。 なお、事前放流については、利水者の理解や協力が必要不可欠なことから、今後運用を開始する平瀬ダムなどについても、関係する利水者と十分に協議し、取組を進めていくこととしています。 県としましては、県民の安心・安全の確保のため、引き続き、国の補正予算も積極的に活用しながら、ダムの整備や老朽化対策を着実に進めるとともに、事前放流等のダムの整備効果を高める運用を行うことにより、治水機能の一層の強化に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)北朝鮮による日本人拉致問題についてのお尋ねにお答えします。 北朝鮮による日本人の拉致は、基本的人権の侵害はもとより、国家主権と国民の生命、安全に関する極めて重要な問題です。 本県には、拉致の可能性を排除できない方々が十一名おられ、長い年月が経過する中で、御本人や、その御家族の方々が高齢となられており、拉致問題の早期解決が強く望まれています。 このため県では、拉致被害者を救出する知事の会等を通じて、国に対し拉致問題の早期解決を要請しているところです。 また、拉致問題の解決に向けては、県民の関心を喚起していくことが大きな力となることから、十二月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間のパネル展示をはじめ、人権ふれあいフェスティバルや県政ラジオ番組による啓発など、幅広い取組を展開しています。 さらに、一人でも多くの方に関心を持っていただけるよう、市町と連携し、身近な地域で実施される啓発行事の日程等を取りまとめ、県ホームページで発信しています。 加えて、政府と連携した啓発活動も効果的であることから、今年度は、お示しの内閣官房と特定失踪者調査会の主催により、下関市において開催された北朝鮮向けラジオ放送の公開収録に際して、知事による激励のビデオメッセージの上映を行ったところです。 こうした取組により、今年度の県政世論調査では、拉致問題に関心があると回答された方の割合が、昨年度と比較して高くなるなど、その成果も現れているものと考えており、引き続き、粘り強く啓発活動の充実に努めてまいります。 県としましては、今後とも、国や県議会、市町等と一体となり、拉致問題の一刻も早い解決に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。