1 ヤングケアラーについて 2 JRに関する諸問題について 3 上関原発について 4 コロナ対策について 5 学校教育について 6 その他
副議長(二木健治君)宮本輝男君。 〔宮本輝男君登壇〕(拍手) 宮本輝男君 こんにちは。社民党・市民連合の宮本輝男でございます。本日、最後の質問になりました。いましばらくのお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。 それでは、誰もが安心して暮らせる山口県を目指す立場から、通告に従いまして質問をいたします。 ヤングケアラーについてです。 私が、これまで複数回、強く要望してきたヤングケアラーの実態調査が実施され、その結果が公表されました。 調査は、小学生の五、六年生、対象人数二万一千二百九十一人で回答数一万八千二百九十八人、回答率八五・九%。 中学生、全学年、対象人数三万二千六百六十七人で、回答数二万七千百八十七人、回答率八三・二%。 高校生、全学年、対象者三万六千三百七十五人で、回答数一万六千八百九十四人、回答率四六・四%。 合計で、対象者数九万三百三十三人で回答数六万二千三百七十九人、解答率六九・一%となっています。 全体を通して、家族の世話をしている児童生徒が一二%であり、校種別では、小学校では一九・五%、中学生では九・九%、高校生では七・四%となっており、全国調査に比較して一・七倍から三倍になっていることは気にはなることかと思います。 世話をしている家族では、兄弟姉妹、母、父、祖母、祖父の順で、家族の世話でやりたいけどできないことでは、自分の時間が取れない、睡眠が十分に取れない、宿題や勉強する時間が取れない等の順になっており、全体の回答者の二・三%が国の調査と同様に、まさしく本来大人が担う家事や家族の世話などを日常的に行っていることが浮き彫りになっていると思います。 最後の考察に書かれていますが、改めて今回の調査結果についての県の見解をお伺いいたします。 今回は、実態の調査だけでなく、学校の先生たちへの相談ができる体制も併せて実施されることも明記され、実際に行われることは評価できると思いますが、その中で全体を通してヤングケアラーに関する相談は五人であったとされています。 今後は、ヤングケアラーと思われる児童生徒や、ヤングケアラーと自覚していないと思われる児童生徒の顕在化が必要になってくると思います。 先ほども述べましたが、学校の先生たちへの相談希望という設問に対して、全体の○・七%の四百二十九人しかいないということです。学校に対する児童生徒の思いはうかがい知れませんが、学校がより児童生徒に寄り添うことが大事になってくると思われます。 学校の先生方も児童生徒への勉学、いじめ、不登校等の対応で多忙だとは思いますが、県教委はヤングケアラーについての児童生徒や先生方の啓蒙啓発や対応を今後どのように考えておられるのか、お伺いいたします。 世話をしている家族がいると回答した中学生の一・一%、高校生の一・七%が進路の変更を考えざるを得ない、もしくは進路を変更したということは重要視しなければならないと思いますが、県教委の見解をお伺いいたします。 各種調査の結果でよく言われることですが、ヤングケアラーの顕在化、あるいは支援の中で、地域の民生児童委員や福祉委員、自治会長などの果たす役割の重要性が言われています。 市町の問題ではあると思いますが、地域の役員のなり手が少ない、とりわけ民生児童委員を引き受ける人がいない、事情が分からない複数の自治会を管理しなければならない、それに加え個人情報保護の観点から、他の役員さんにつなげられない。地域のネットワークが機能しないおそれがあります。 今後の地域での顕在化や支援につなげるネットワークが重要となってくると思いますので、既存の要保護児童対策地域協議会等を利活用して、児童相談所や市役所などの公的機関、学校、医療・福祉などの関係機関、地域、民間の支援機関等の有機的なネットワークが必要だろうと思います。 今後の支援として、例えば、精神障害者や高齢者の独り暮らし等の家庭には、訪問することができますが、そういった訪問することによって、個別のケースに合わせて協議会等と協議し支援につなげることができるのではないかと思います。 今後、県は、この調査が基本になると思いますが、どのように県内市町と連携し取り組まれていくのか、お伺いをいたします。 あわせて、今後ヤングケアラーへの対応策としての指針、あるいは基本計画等の作成を考えておられるのでしょうか、お伺いをいたします。 調査結果では、児童生徒のヤングケアラーに対しての認知度は国の調査より高かったのですが、一方、今年開催されている講演会やシンポジウム等の評価と、県民への認知度を高める啓蒙啓発は、今後どのようにされていくのか、お伺いをいたします。 JRに関する諸問題についてです。 JR西日本は、十一月三十日に利用者の少ないローカル線の輸送密度、一キロ当たりの一日平均の乗客数が二千人未満の二○一九年から二○二一年の収支を公表しました。 沿線人口が減少する中で、新型コロナウイルスの影響が直撃した。今後、地元自治体との存廃を含めた運営の在り方の協議を急ぐ方針だとの旨の記事を中国新聞は伝えています。 また、同日の別の欄では、広島県の湯﨑英彦知事は、恣意的に選んだ一部区間でなく、黒字を含めた全ての区間を発表すべきだと述べています。 また、これに先立つ十一月九日に、JR岩徳線沿線の山口県岩国市周東、玖珂町の住民が、午前十時台の列車の復活をJR西日本に働きかけるよう市に求めた。要望書と両町などの四百三十二人分の署名を提出した。要望書は、二○一七年三月のダイヤ改正で十時台に周防高森・周東町、玖珂・玖珂町両駅を発着する列車がなくなり、上下とも三時間以上列車が走らないと指摘。通院や買物に不便として、復活を求めていると中国新聞は報じています。本当に切実な願いだと思います。 私も宇部線と山陽本線や新幹線を利用しようとしても、乗り継ぎが悪く、結局車で行くか、一時間程度駅構内で覚悟を決めて次の電車を待つということがあります。県民の重要な移動手段であるローカル線は、県民生活にとって不可欠だと思います。 一方で、輸送密度、一キロ当たりの一日平均の乗客数が、千人未満のローカル線の見直しが国やJRによって進められており、JR西日本管内では十三路線が輸送密度千人未満となっています。 今後、地方ローカル線の存続に向けて、県はどのように対処されるのか、お伺いをいたします。 また先日、視覚障害者と行動を共にする機会がありました。その時、視覚障害者の方に、どこに何が表示されているのか分からず、無人駅や駅員さんがいないときは困ると言われ、初めて気がついたのですが、点字がついている乗車券の自動販売機から、タッチパネル式の自動販売機に変わっている駅が増えているのです。合理的配慮に欠けるのではないかと思います。 せめて、これ以上のタッチパネル式を増やさないようにするか、何か改善を求めることをJRに要請すべきだと思いますが、県の見解をお伺いいたします。 あわせて、県内のバスのICカード化が進んでいる現状の中で、県内のJRの地方ローカル線の交通系ICカード化が進めば、視覚障害者はタッチパネルに苦労することなく、高齢者も小銭で苦労することなく、県民全体の利便性が向上し、利用者の増加にもつながると思いますが、県の対応についてお伺いをいたします。 上関原発についてです。 県が十一月二十八日に、中国電力に対して上関原発に係る公有水面の埋立免許の期間伸長の許可を出したことに怒りを感じます。 一つは、埋立免許を交付したこともあります。埋立免許と海上ボーリング調査は、法体系を別にしているのに、原子炉設置許可申請の不備を補うための海上ボーリング調査の期間が含まれているのか、改めてお伺いをいたします。 同様に、海上ボーリング調査を妨害したとして、漁業者を相手取っての裁判の判決が出るまでの十一か月間を埋立てとは直接関係がないにもかかわらず、期間伸長の許可期間に含めたのかお伺いをいたします。 また、一般海域占用許可基準の二の占用許可の基本方針の中で、一般海域は公共用物、国有財産法第三条第二項第二号の公共用財産として、天然の状態において、一般公衆の自由な使用に供されるべきもので、原則として、その占用は認めるべきではないが、社会経済上、必要やむを得ない場合には、この基準に従って許可するものとする。占用許可の基本方針は、次のとおりであるとして、一で、特定の者の排他独占的使用の排除を原則とするとありますが、海上ボーリング調査について、申請者の中国電力の言い分のみで妨害をしたとされる漁業者に事実確認をされた上で、一般海域占用許可を出されてきたのか、お伺いをいたします。 当該地周辺は、絶滅危惧Ⅱ類(VU)国指定天然記念物のカンムリウミスズメの生息地です。 現地の自然保護団体の調査では、この一年間でほぼ通年で確認されており、周年生息域として書かれているハンドブックもあり、年間でその数は二百二十六羽に上ります。 しかし、問題なのは、中国電力の調査結果は、調査を行わなかった四か月を含み、年間五羽しか確認されなかったとされています。 このカンムリウミスズメの確認数の開きは何なんでしょうか。うがった見方をすれば、原発が建設され、カンムリウミスズメが減少したとしても、もともと少なかったという理由になるのでしょうか。 県は、この両者の調査結果の差をどのように受け止められているのか。あわせて、中国電力に問い合わせをなされたのか、お伺いをいたします。 議案第十七号の山口県自然海浜保全地区条例の一部を改正する条例が出されています。瀬戸内海環境保全特別措置法の改正に伴い、水際付近だけでなく、その水深がおおむね二十メートルを超えない海域、砂浜、岩礁に加え、干潟、自然の状態が維持されることの中に損なわれた砂浜等が再生され、または砂浜等が新たに創出されたものを含むとされることが追加された内容です。 以前にも県議会で取り上げましたが、まさしく二酸化炭素を吸収する海洋性植物が繁茂するブルーカーボンにとって貴重な浅い海域です。 ブルーカーボンは、CO2吸収速度が速いため、CO2吸収能力が極めて高く、また、貯留期間が長いとされ、人類の生産活動による二酸化炭素排出量の約三○%を吸収すると言われています。 近年、世界的にも注目され、日本でも国土交通省や環境省でも、その環境保全に取り組んでいます。 この条例改正には、こういったことからも評価はいたしますが、上関原発建設予定海域では、百種類を超える海の藻や海草が確認されており、この海域の環境保全を今後どのような形でされるのか。加えて、事業者に対してどのような指示を出されるのか、改めてお伺いをいたします。 コロナ対策です。 全国に限らず、山口県でも第八波に入り、第七波のような爆発的感染になることが危惧されます。そこで以下について質問をいたします。 初の国産新型コロナウイルスの飲み薬、ゾコーバが承認されました。症状が八日から七日に短縮されるとの報告がある一方で、痛風、不整脈、血圧の薬や、一部睡眠薬等との飲み合わせの問題や、インフルエンザの治療薬に比較して価格が非常に高いという問題もあります。 国はゾコーバの供給を十一月二十八日から本格的に始めようとしています。この新薬に対しての見解と、県内での取扱機関についてお伺いをいたします。 コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されるのは、誰もが同じだと思います。両方接種するのが望ましいことだとは思いますが、県民の皆さんには同時接種の不安もあります。接種の間隔等を含めて県の見解をお伺いいたします。 県内経済の動向は、景気は持ち直しているとされています。しかし、先行きについては、新型コロナウイルス感染症、地政学的リスクの動向や、これに伴う供給制約、原材料価格の上昇等が当地の金融経済に与える影響について注視していく必要があるとされ、ある意味先行き不透明な部分もあります。 そういった中で、国は雇用調整助成金の特例が廃止されるとのことですが、今後の景気の状況により、失業者の増加が懸念されますが、県の見解をお伺いをいたします。 学校教育についてです。まず、高校教育についてです。 県教委は、五月二十六日に、岩国高校広瀬分校、山口高校徳佐分校、防府高校佐波分校の来年度からの生徒募集の停止を発表しました。 その半年にも満たない十月四日の文教警察委員会に、宇部西高校をはじめとした高校再編整備計画の素案が突如として発表されました。 宇部西高校は、二○二四年度からの生徒募集停止、田部高校は二○二五年度に厚狭高校と統合、高森みどり中学校は二○二六年度で生徒募集停止、岩国、下関では、中高一貫校の新設、周南・柳井地区の高校の再編整備の検討、萩高校奈古分校の募集停止の検討が提案されました。 教育委員会から頂いた資料によりますと、二○○六年度から毎年のように再編統合、分校化が行われ、二○一八年度以降、毎年、再編統合、募集停止が行われ、来年は、先ほどの三分校が募集停止になり、二○二二年度末で、徳山高校徳山北分校、鹿野分校が閉校となります。 二○二四年度末で山口県内の中山間地域、過疎地域での山口県立高校の大半がなくなることになります。 従来から私が申し上げているように、教育委員会からの資料でも明らかなのですが、各分校に通学する生徒は、約半数が高校の所在地からではなく、近隣のいわゆる都市部からの生徒です。都市部の大規模校になじめない、それでも勉強したい、自分の能力を高め、高校の卒業の資格を取って自分の将来を見つけたいと小規模校、分校に通学しているのです。 また、地域では、我が町の学校で、学校はもとより生徒にも慈しんでこられました。にもかかわらず閉校となることに地域の方の落胆は大きいものがあると察します。 近年、相次いで閉校となる分校について、地域の方々とどんな協議をされてきたのか。存続に向けたことなのか、閉校ありきだったのか、お伺いをいたします。 山口松風館高校は、多様な思いがある生徒のために創立されたものだと思っています。現在はLGBTQ等の社会的マイノリティー(少数者)、個性・多様性を認め合おうという時代になっています。そのことが民主主義の基本だと思います。 それを児童生徒に教える教育委員会が、真逆のことをしていいのですか。今後の高校再編整備計画の中で、小規模校、分校に通いたかったという多様な思いの生徒の学ぶ場をいかに保障されるのか、お伺いをいたします。 そもそも文部科学省の示す一クラス四十人を基本に、一学年四から八クラスという発想自体が私にはよく分かりません。小中学校は、三十人程度の少人数化に移行しつつありますし、なぜ八クラスの大規模校が必要なのか。一学年三クラス程度以下の学校を分散させてもいいのではないかと思います。 逆に、うがった見方をすれば、都市部の拠点拠点に大規模校を集約し、過疎地域にある小規模校、分校を閉校にし、切磋琢磨という名目で投資対効果という教育の効率化が図られているのではないかと思います。県の見解をお伺いします。 今回の県立高校再編整備計画前期実施計画の素案が提案される中で、宇部西高校では、十月三十日に、存続させる会が発足され、十一月二十九日に県教委に存続の申入れまでに集まった署名は一万七千五百三十四筆であり、何らかの関係で集約できなかったものもあると聞き及んでいますが、それらを加えると、まだまだ多いものと思われます。 なぜ一か月間という短期間の間に、これまでの署名が集まったのか。言わずもがなの県教委に対する不信感、母校がなくなるといった同窓会の皆さんの怒り、それでも残してほしいという熱い思いが、そうさせたのだと思います。 宇部西高校の前身は、宇部農芸高校であり、これまで農業、園芸はもとより、造園や福祉などの従事する人材を輩出してきたわけです。 この九月定例会での国本議員の農業高校の今後の在り方についての質問で、少し長いですが、引用させていただきます。繁吉教育長は、「少子高齢化や人口減少等による農林業の担い手不足が進む中、新たな時代において持続可能な農林業等を創造できる人材や、地域の農林業や関連産業を担う人間性豊かな職業人の育成が求められており、農業高校が果たす役割は重要であると考えています。このため、本県の農業高校では、基礎的・基本的な知識・技術の習得はもとより、専門性の向上や実践力の育成のため、作物の栽培方法等について学ぶ農業現場での技術研修や、商業科等の異なる学科と協働しながら、それぞれの専門性を生かした商品開発や販売活動に取り組んでいるところです。(中略)こうした中、県教委では、本年三月に策定した第三期県立高校将来構想において、これらの農業教育の方向性として、生徒の興味・関心を就農につなげる教育活動や、新しい時代の農業の担い手を育てる教育活動などの充実を掲げたところです。今後は、この方向性に沿って、若手就農者とのディスカッションや小中学校への出前講座、地元企業との共同研究など、地域や産業界と連携・協働した取組を通して、生徒に農業の魅力ややりがいを実感させるとともに、職業観や勤労観を一層育んでまいります。(中略)こうした農業教育を全県的に推進するため、地域の特色を生かした農業高校を県内にバランスよく配置することも検討してまいります。県教委といたしましては、新たな時代において、本県の地域・社会を支え、農業の持続的な発展を担う人材の育成に向け、将来構想の方向性に沿って、農業教育の一層の充実を図ってまいります。」と、農業高校の果たす役割の重要性を答弁されています。なのになぜ宇部西高校が募集停止にならなければならなかったのか、どこで素案が決まったのか、お伺いをいたします。 宇部西高校に入って、造園、園芸や福祉に目覚めて、自分の将来を見つけたという生徒も多くいます。造園では、先輩の力を借りながら、日本はもとより、世界のコンクールにも入賞をしていますし、世界で羽ばたき、日本庭園を管理している人もいると聞いています。 日本の神社仏閣などの日本庭園の維持管理をする造園業界では、人材不足が続いており、宇部西高校は、その中でもかなり評価され、引く手あまただそうです。 園芸では、西校祭りの開催や、スーパーで、春の七草を販売して、地域の方に喜ばれ、生徒の自信にもつながっていると思いますし、福祉は人材難と言われる中でも就職し、その結果、県内就職は一○○%です。これが、本当の高校教育の一端ではないでしょうか。 これまで宇部市近郊の農業を支え、造園業界を支えてきている人材を輩出し、特色ある学校づくりを同窓会、地域の方や生徒、保護者がつくってきた宇部西高校をどう評価されるのか、お伺いをいたします。 そもそもこのような特色ある宇部西高校の募集停止の素案が十月四日に提案され、十一月議会で案として示されるという、しかも同窓会、地域の方をはじめ、生徒、保護者との協議が一切なしという異常な事態です。 県教委として素案を決めたのだから、地元説明会は開催するが、肝腎なところは持ち帰って検討すると言いながら、どう検討されたのかの答弁もなく、これでは上から目線の問答無用の対応であり、お上が決めたから逆らうなというような対応ではないかと思います。このままでは、あまりにも拙速すぎます。このまま進めば山口県の教育界における民主主義はなくなります。 今回の宇部西高校の募集停止の案をもっと同窓会、地域の方々、生徒、保護者、学校等の関係者と今後の在り方について話し合い、協議する時間が必要ですが、見解をお伺いします。あわせて、なぜこれまでの短期間で決めようとされているのかもお伺いをいたします。 今年四月に開校された松風館高校についてお伺いをいたします。 周辺の小人数の高校の定時制を募集停止して、大規模校に集約するということに対し、一抹の疑義を持つものであります。ただ、自分のライフスタイルに合わせてカリキュラムを選べ、四年制でありながら三年でも卒業できるという多部制定時制高校は、様々な思いがある生徒にとって大切な存在だと認識しています。 開校して一年未満ではありますが、これまでの現状と今後の課題についてお伺いをいたします。 不登校対策についてです。 二○二一年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題の現状についての概要が発表されました。 それによりますと、小学校八百七人、前年度比百九十六人増、中学校千七百九十六人、同三百四十一人増、高校生三百四十八人、同八十一人増であり、全国的にも増加傾向にあります。出現率は、千人に対する数値でありますが、小学校、高校は全国以下なのに対し、中学校は全国を上回っています。 まず気になるのは、ヤングケアラーのときにも申し上げましたが、学校の先生たちへの相談希望の項目に対して、希望する生徒が○・七%、四百二十九人しかいないということです。 確かに、ヤングケアラーのアンケートでしたから、一概にこのデータをうのみにすることはできないとは思いますが、本当にコミュニケーションが取れているのかと思わざるを得ません。県の見解をお伺いをいたします。 次に、中学生の不登校人数が、生徒数に比較して異常に多いことです。現在、宇部市で行われている不登校の児童生徒を対象にした、ふれあい教室のような教育支援センターが市町の教育委員会でも設置されています。市町との連携は、どのようにされるのかお伺いをいたします。 高校生の中途退学者は三百八十二人、前年度比三十五人増であり、不登校の生徒を加えると実に七百三十人にも上ります。そういった生徒に対しての学び直し、学びの場の保障という観点から、不登校の生徒に寄り添った教育プログラム、カリキュラムを設置した、全国で二十一ある不登校特例校を募集停止が予定されている分校等に新設すれば、地域の活性にもつながると思いますが、県の見解をお伺いいたします。 以上で、最初の質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)宮本議員の御質問のうち、私からはJRの地方ローカル線の存続に向けた対処についてのお尋ねにお答えします。 地方ローカル線は、沿線住民の日常生活はもとより、地域の経済活動や観光振興などを支える重要な基盤ですが、沿線人口の減少や長引くコロナ禍の影響等により、利用者が大幅に減少しその経営環境は非常に厳しい状況にあります。 こうした中、JR西日本が、利用者の減少が著しい地方ローカル線の今後の在り方についての議論を進めたいとして、輸送密度二千人未満の区間について、収支率などの経営情報を本年四月に公表し、先月末には最新の収支状況を公表したところです。 こうした動きを受けて、沿線市町等から、利用促進など路線の維持・確保に向けた取組の一層の推進や、JRとの協議への参画、国に対する財政支援の充実等に向けた積極的な働きかけなどを求める要望を頂きました。 このため、私は、様々な機会を通じて、国に対し、鉄道ネットワークの維持に向けた関与や、鉄道事業者への財政支援などについて要望しているところです。 また今後、沿線自治体とJR西日本との間で路線の維持・活性化に向けた議論が行われる場合には、県も協議に参画し、利用促進など地域の実情に即した取組を検討することとしています。 さらに、各路線の現状や取組等について、情報共有や意見交換を行うため活性化連絡会議を設置したところであり、こうした場を通じて、県下全域における路線の活性化や鉄道利用の機運醸成を図ってまいります。 私は、今後とも、沿線市町等と連携し、地域住民の日常生活や交流人口の拡大に不可欠な地方ローカル線の維持・活性化に向けて取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)ヤングケアラーに関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、調査結果に関する県の見解についてですが、家族の世話のために学校に行けないなど、深刻な影響が出ている子供がいることが確認されたところであり、今後、適切な支援につなげる取組を一層強化していくことが必要と考えています。 次に、今後どのように市町と取り組んでいくのかについてですが、支援の中心となる市町と連携し、支援事例の情報共有を図るなど、多機関連携による支援体制を構築するとともに、地域において適切な福祉サービスにつなぐ人材の育成等に取り組んでまいります。 次に、対応策としての指針や基本計画等の作成についてですが、本年四月、国において多機関連携による支援マニュアルが取りまとめられたところであり、県としてはこのマニュアルを踏まえ、市町等と連携し、早期把握や適切な支援に向けた具体的な施策を進めていくこととしています。 次に、シンポジウム等の評価と県民への啓発についてですが、シンポジウムの開催により関係機関等の連携強化や県民の理解促進が図られたと考えており、引き続き様々な広報媒体を活用して、県民への啓発に努めてまいります。 次に、コロナ対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、新型コロナウイルス薬、ゾコーバについてです。 初の国産経口治療薬として、十一月二十二日に緊急承認されたところであり、重症化リスクのない軽症者にも投与できる治療薬として期待されています。 また、この治療薬については、新型コロナ患者に対応する県内の医療機関及び薬局で取り扱われているところです。 次に、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種についてですが、国は、同時接種した場合と単独で接種した場合を比較して、有効性や安全性は変わらないという知見を踏まえ、今年七月から同時接種の実施を可能としたところです。 なお、新型コロナウイルスとインフルエンザのワクチン接種は、いずれも重症化予防等の効果が期待されていることから、県では、希望される方に対し、早めの接種を呼びかけています。 副議長(二木健治君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)JRに関する諸問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、自動券売機に関するJRへの要請についてです。 お示しのタッチパネル式券売機については、視覚障害者の方に配慮し、点字による運賃表や音声ガイダンスにより、運賃の確認や切符の購入が可能となっているとJRからは聞いておりますが、御指摘のような利用者からの声についてはJRに対して伝えてまいります。 次に、地方ローカル線への交通系ICカード導入についてです。 JRにおいては、来年春から交通系ICカードの利用区間が山陽線全線に拡大されるとともに、新たに山口線においても、山口駅と湯田温泉駅へ導入されることが発表されています。 県としては、JRに対してさらなる利用区間の拡大について要望しているところであり、引き続き、県内ローカル線の利便性向上に向けて働きかけを行ってまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発についてのお尋ねのうち、まず埋立免許の期間伸長についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 海上ボーリング調査については、原発の安全審査に万全を期するために海上ボーリング調査を実施し、埋立工事により地層が乱される可能性があることから、地質データの確実な取得のためには、埋立工事に先立ってこれを実施しなければならないとの説明が事業者からなされました。 また、この海上ボーリング調査を実施できなかった状況を解消するため、訴訟を提起し、その判決を得て、安全に作業を進められる状況を確保した上で、調査を実施するとの説明が事業者からなされたところです。 県としては、こうした事業者の説明に合理性があり、正当な事由があると認められたことから、これらの期間を合わせて、延長の許可をしたものです。 次に、一般海域占用許可について、申請者の言い分のみで妨害をしたとされる漁業者に事実確認をした上で許可を出したのかについてです。 現時点で、事業者からは海上ボーリング調査に係る一般海域占用許可申請は出されていませんが、これまでの申請については、申請内容が条例の許可基準に適合していたことから許可したものであり、条例手続上、漁業者への事実確認は必要ないことから行っていません。 副議長(二木健治君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)上関原発に関する御質問のうち、環境保全についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、中国電力が行ったカンムリウミスズメの調査についてです。 上関原発建設予定地周辺における絶滅危惧種等の希少生物の調査は、中国電力が事業者としての責任において、専門家の意見を聞きながら実施されているものです。 その調査結果の検証についても、事業者の責任において行われるものと考えており、お示しの自然保護団体の調査結果等については、中国電力に伝えています。 次に、上関原発建設予定海域の環境保全についてです。 県自然海浜保全地区条例に基づく自然海浜保全地区の指定は、自然公園など他法令で既に保全等の対象となっている区域を含まないことから、瀬戸内海国立公園内にある上関原発建設予定海域は、この条例の対象とはなりません。 県としては、当該海域について、引き続き、自然公園法などの関係法令に基づいて適切な環境保全措置を行うよう、事業者等に対して指導してまいります。 副議長(二木健治君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)コロナ対策についてのお尋ねのうち、今後の景気の状況による失業者の増加についてお答えします。 令和四年十月分の労働力調査によれば、完全失業者数は十六か月連続で減少しており、また、内閣府による令和四年十一月の月例経済報告によると、雇用情勢の先行きについては、持ち直しが続くことが期待されるとされています。 雇用調整助成金については、こうした情勢判断により国において、業況の厳しい企業に配慮しつつ、通常制度に移行するものと決められたものと認識しており、県としては、引き続き雇用情勢を注視してまいります。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)教育に関する数点のお尋ねのうち、まずヤングケアラーに関する県教委の対応等についてお答えします。 最初に、ヤングケアラーについての啓発及び対応ですが、本年六月に国が作成した認知度向上ポスターやリーフレットなどを活用して、児童生徒への啓発につなげるとともに、管理職や教育相談担当者等を対象とした研修会の実施などにより、教職員への理解促進を図っています。 今後もヤングケアラーが必要な支援を受けられるよう、福祉部局等の関係機関やスクールソーシャルワーカーなどの専門家と連携し、適切に対応してまいります。 次に、進路の変更を考えざるを得ないなどの生徒がいることについてですが、県教委では、全ての生徒が希望する進路を選択できるよう、学校や関係機関等と連携した取組を進める必要があると考えています。 次に、学校教育についての二点のお尋ねのうち、まず、高校教育についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、分校の閉校について、地域の方々とどのような協議をしてきたのかとのお尋ねです。 再編整備計画の策定に当たっては、今後の生徒数や入学見込者数の推移などもお示しながら、地域説明会やパブリックコメントなどを通して、広く関係者の御意見をお聞きながら進めてきたところです。 次に、小規模校、分校に通いたかったという生徒の学ぶ場をいかに保障するのかとのお尋ねです。 各地域には、様々な特色を持った高校を設置していることから、進路希望等に応じて、主体的に学校選択ができるものと考えています。 次に、切磋琢磨という名目で教育の効率化が図られているのではないかとのお尋ねです。 中学校卒業者数の急激な減少が見込まれる中、生徒の学びを保障し、より質の高い高校教育を提供していくためには、一定の学校規模の確保を目指した再編整備を進める必要があると考えています。 次に、なぜ宇部西高校が募集停止なのか、どこで素案が決まったのかとのお尋ねです。 宇部西高校については、生徒の志願・入学状況、通学の利便性、施設・設備等を総合的に勘案した結果、他校との再編統合が困難であると判断し、将来構想の方向性に基づき、県教委で募集停止を検討したところです。 なお、農業などの特色ある教育機能については、他の高校に継承していきたいと考えています。 次に、宇部西高校をどう評価しているのかとのお尋ねです。 宇部西高校では、総合学科として選択科目を多く開設し、多様な能力・適性等に対応した柔軟な教育を行ってきており、その教育は、生徒一人一人の進路実現につながっていると考えています。 次に、もっと協議する時間が必要ではないかとのお尋ねです。 学校が所在する地元の関係者には、県立高校将来構想の考え方や再編整備の方向性などについて説明し、御意見を伺ってきたところです。 次に、なぜ短期間で決めようとしているのかとのお尋ねです。 これまでも、素案の公表後、地域説明会やパブリックコメントを実施した後、次の議会で案を公表しています。 次に、山口松風館高校の現状と今後の課題についてのお尋ねです。 現状としては、生徒が、山口松風館高校の特色である多様な学びのニーズに対応した教育活動に期待して入学しており、入学当初からの出席率が高い状況にあります。 今後については、生徒一人一人の状況に応じた取組をより一層充実させていきたいと考えています。 次に、不登校対策についてです。 まず、児童生徒とコミュニケーションが取れているのかとのお尋ねですが、教員による積極的な声かけや定期的なアンケートの実施、生活ノートやタブレットでの生活記録のやり取りなど、様々な方法によりコミュニケーションを取っているところです。 次に、市町との連携についてですが、不登校児童生徒に対する効果的な支援方法等について検討するため、市町教委と設置した協議会において、市町の取組等についての情報共有や関係団体との連携体制についての協議を行っています。 次に、募集停止が予定されている分校等への不登校特例校の新設についてですが、不登校特例校の設置の可能性に関しては、本県の不登校児童生徒の実情やニーズの把握に努めながら研究することとしていることから、現時点、考えておりません。 副議長(二木健治君)宮本輝男君。 〔宮本輝男君登壇〕(拍手) 宮本輝男君 それでは、再質問に入らさせていただきます。 今回の素案に出ている、高校再編整備計画前期実施計画の中の素案に出ている宇部西高校と同様に、募集停止が出された高森みどり中学校は、存続させる会が結成され、六千二十六名の署名を集められ、県に申入れをされていますし、募集停止の検討が示されている萩高校奈古分校でも地元からの不安の声が出されています。 他の再編整備の検討の対象になった地区も、現在の県教委のやり方では実際はもう決まっているのではないかという疑心暗鬼にもなりかねず、県内どこもこのままだと県教委に対して強い不信感しか残りません。 宇部西高校、高森みどり中学校は、一旦募集停止を凍結もしくは白紙に戻し、今後の在り方について、もっともっと関係者と協議する必要があるのではないでしょうか。改めてお伺いをいたします。 県教委の今回の提案も、難関大学に入学するためだけなのか、生徒一人一人の能力を伸ばすための高校教育なのか分かりません。難関大学に入学しても、高校を卒業して就職しても、自分の将来を見つけて、今の社会を生き抜くことができる生徒を育てることが、今の山口県の高校教育に本当に必要なのではないでしょうか。改めて県教委の見解をお伺いいたします。 大規模校でも、入学したものの、授業、交友関係、校風等についていけない生徒に対しての対応、居場所づくりはどのようにされているのか、お伺いをいたします。 上関原発です。独占禁止法のカルテルに違反したとして、中国電力は七百億円の課徴金の支払い、また、カンムリウミスズメの調査でのあまりにもずさんさが目立ち、企業の社会的責任を果たしているとは言い難いものがあります。 それに加え、水深二十メートルまでの海域の貴重性を考えれば、事業者の責任において環境保全をなされるべきとのこれまでの県の見解ですが、県は今後もっと強い態度で臨むべきではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。 また、今回の埋立ての伸長の許可を取り消すべきではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。 以上で、再質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)再質問にお答えします。 上関原発に関連し、環境保全について県ももっと中国電力に指導すべきというお尋ねでございました。 県としては、これまでも中国電力において適切な環境保全措置が図られるよう必要な対応を求めてきたところでありまして、今後も引き続き必要な対応を行ってまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発についての再質問にお答えします。 許可を取り消すべきではないかとのお尋ねについてです。 今回の延長申請については、埋立免許権者として、法令に従い厳正に審査したところ、正当な事由があり、許可要件を満たしていると認められたことから延長許可したものであり、取り消すことは考えていません。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)再質問にお答えします。 まず、宇部西高校、それから、高森みどり中学校の募集停止を凍結もしくは白紙に戻し、もっと関係者と協議する必要があるのではないかというお尋ねでありましたけれども、地元の関係者には将来構想の考え方や再編整備の方向性などについて説明し、御意見を伺ってきたところであります。 今後、再編整備計画については、これまでに頂いた御意見なども踏まえ、案としてお示ししたいと考えております。 次に、社会を生き抜くことができる生徒を育てることが、山口県の高校教育に必要なのではないかという趣旨のお尋ねであったかと思います。 県教委では、これまでも自分の将来を見つけ、社会を生き抜く力を持った、そういった生徒を育てることができるよう、より質の高い高校教育の推進に取り組んでおりまして今後も変わるものではございません。 次に、大規模校での生徒の対応はどのようにされているのかという趣旨のお尋ねでありましたけども、学校規模の大小にかかわらず全ての県立高校等において、生徒一人一人、個に応じたきめ細かな教育活動に努めているところであります。 副議長(二木健治君)宮本輝男君。 〔宮本輝男君登壇〕(拍手) 宮本輝男君 では、再々質問です。 宇部西高校、高森みどり中学校以外の地区、高校において、地域の方々や同窓会、生徒、保護者など、結論ありきではなく、今後の在り方について双方が納得できるように、今後説明ではなく協議をしてほしいと思いますが、県教委の見解を改めてお伺いをいたしまして、私の全ての質問とさせていただきます。 最後までの御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)再々質問にお答えします。 宇部西高校、高森みどり中学校以外の地区の学校について、今後の在り方について協議をしてほしいと思うがいかがかというお尋ねであったかと思います。 これまでも実施計画でお示しする再編整備対象校については、地元の関係者等に将来構想の考え方あるいは再編整備の方向性などについて説明し、御意見を伺ってきたところです。今後もこの考えは変わるものではありません。 副議長(二木健治君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(二木健治君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時五十九分散会