1 少子化問題について 2 長州出島等への企業誘致の推進について 3 うそ電話詐欺撲滅について 4 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から議案第二十五号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十五号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 酒本哲也君。 〔酒本哲也君登壇〕(拍手) 酒本哲也君 民政会の酒本哲也です。通告に従いまして、順次質問いたします。 まず、少子化問題について質問いたします。 一九五〇年には二十五億人だった世界の人口は、現在八十億人を突破しました。世界最多の人口を抱えている国は中国で、二位のインドを僅かに上回っていますが、人口の増加はインドやアフリカ諸国などで著しく、国連の公表ではインドの人口は二〇二二年の時点で十四億一千七百万人ですが、二〇三〇年には十五億一千五百万人に増え、中国を抜き世界で最も人口が多い国になると予測されております。インド、中国は今後もその他の国に比べて圧倒的な人口規模を維持すると見込まれています。 二〇五〇年までに人口が大幅に増加する国としてナイジェリア、フィリピンなどの八か国を挙げており、予測では、今後の世界人口は今世紀中増え続け、二一〇〇年までに百八億人にまでになると見込まれています。 人口増加のメリットとしては、人口が多い社会は豊富な労働力に支えられ、経済活動が活発になります。一方、デメリットは、人口が増加するほど農地確保のために森林を伐採や、温室効果ガスの発生原因となる化石燃料を大量に消費が増え、環境破壊が進むことや、限られた資源をめぐって国同士の争いも起きやすくなることが挙げられます。 インドやアフリカで人口が増えるその一方で、欧州、北米、アジア地域は今世紀中に人口のピークを迎え、人口減少社会に転じると見られています。人口が減少に転じれば、人間による環境破壊行動は抑えられます。しかし、労働人口が減ってしまうため、経済活動の停滞は避けられません。 特に、日本の人口減少は歯止めが利いておりません。一言で言うと、日本の人口減少の原因は少子化です。日本では、少子化、出生率の低下が問題視されており、第二次ベビーブームと呼ばれた一九七三年の出生数が約二百十万人だったのに対し、二〇一九年の出生数はその半数以下の約八十六万人です。当然、生まれてくる子供の数が減少すれば、その世代において将来親になる人たちも減少していきます。そのため、出生数が回復しない限り、今後も少子化は加速していきます。 日本総研のレポートでは、二〇三〇年には出生数が七十七万人になるとされておりましたが、直近の調査では二〇二二年の出生数は、前年比マイナス五・一%の七十七万人前後となる見通しとなり、八年前倒しで少子化は深刻です。 第二次ベビーブーム期に生まれた人が結婚・出産世代になる一九九〇年代には、第三次ベビーブームの到来が出生数の回復につながるとも期待されておりました。しかし、第三次ベビーブームは到来せず、出生数は年々下がり続けております。 少子化が進む背景には、次のような要因があります。 まず、育児にかかる費用の高騰です。高校卒業後に就職する人の割合は、第二次ベビーブームだった一九七三年が五〇・四%だったのに対し、二〇〇〇年には一八・六%まで減少し、大学や短大、専門学校に進学する人が増えました。それに伴い、塾などの教育費もかかるようになり、子供一人を育てるのに二千万円から三千万円かかると言われております。その結果、経済的な事情から多くの子供を持つことが困難になっています。 次に、出産・育児を支援する体制の不足です。 共働き世帯の増加によって、働きながら出産・育児をしたい夫婦が増えている一方で、子供を預けられる保育施設の不足や待機児童の問題があり、意欲的に社会で活躍する女性の中には、このようなケースで仕事を選択する人も少なくはありません。共働き世帯が安心して出産・育児するための環境や支援体制の不足が、出生率増加の壁になっています。 そのほかにも、未婚率、晩婚率の増加、子供を多く望まない夫婦の増加、仕事と育児の両立が困難なため、仕事か出産かの二者択一を迫られるケースなど、まだほかにも様々挙げられますが、これらの要因が今日の少子化の主な原因になっております。 もちろん、本県の少子化問題も例外ではなく、日本の平均以上に減少しております。一九八五年の山口県の人口は百六十万人強、二〇二一年では百三十三万人弱と、三十六年間で二十七万人減少しており、おおよそ下関市と同じくらいの人口が減っております。 また、コロナ禍により婚姻数、出生率が減ったこともあり、近年ではさらに加速の傾向にあります。 本県の少子化を食い止めるためには、出産・育児の支援体制を早急に強化する必要があると考えます。 そんな中、全国戻りたい街ランキング二〇二一、一位の明石市では、九年間連続で人口が増えております。特に子育て層が増加しており、二〇一八年には合計特殊出生率が一・七と政府が目標としている一・八に近づいていることが注目されております。 明石市の取組ですが、まず、高校三年生まで医療費が無料であること。子供が小さいうちは病院にかかることが多く、想定外の入院など予測ができない出費が負担となります。明石市民の十八歳以下の子供であれば、親の所得に所得制限もなく、医療費、薬代も全て無料です。 次に、第二子以降の保育料が完全無料であることです。働く家庭にとって、保育料は大きな負担となりますが、明石市では親の所得制限も兄弟の年齢制限もなく、第二子以降はどのような条件であっても保育料が無料になります。金銭的な不安から二人目、三人目の子供に踏み切れない家庭の背中を押してくれる制度だと思います。 次に、中学校の給食費が無料であることです。教育費が膨らみ、負担が重くなる中学生に向けた給食の費用が、親の所得制限なしで無料になります。 このほかにも公共施設の入場無料など様々あります。 明石市の泉市長は、子供施策はフランスをかなり意識したと言われております。フランスは、一旦下降に転じた合計特殊出生率を再上昇させた国で、一九六四年には二・九一であった合計特殊出生率が、一九九四年には一・六六にまで低下し、その後、家族給付による両立支援や育休体制の充実、父親休暇の拡大など様々な出産・育児支援策を講じ、その結果、二〇〇七年には合計特殊出生率が一・九八まで上昇しました。 最近では、日本でも様々な支援策が講じられていますが、育休や両立支援など、まだまだ当たり前と感じられるところまでは至っておりません。こうした環境の違いが、出生率にも表れているのかもしれません。 そこでお伺いします。国レベルの施策はもちろん必要ですが、県として、子育て支援体制の強化を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、若者の流出について質問いたします。 人口減少が加速する山口県にとって、長年続く若者の県外流出は大きな課題です。関東や福岡、広島への転出が続き、県は企業誘致やテレワーク移住の促進など、県内に定着を図っていますが、なかなか目に見える成果には至っておりません。二〇二〇年一月一日から十二月三十一日の人口増減を見ると、県外転入・転出に伴う社会増減は二千六百八十二人の減少となっております。その中でも特に若い女性の占める割合が大きいことが問題です。 私ごとではありますが、今年、福岡の大学を卒業した私の娘もそのまま福岡市内に就職してしまいました。山口県に戻って来なかった理由は、理想の就職先が地元になかったこと、また、若者の遊ぶ場所、そういうものが地元には少ないことなど、様々な若者なりの意見を聞きました。 日本創成会議の人口減少問題検討分科会が、二〇四〇年に若年女性の流出により全国八百九十六市区町村が消滅の危機に直面するという試算結果を発表しました。分科会は地域崩壊や自治体運営が行き詰まる懸念があるとして、東京一極集中の是正や魅力ある地域の拠点都市づくりなどを提言しました。 若者が求める企業誘致、各企業の説明会など、既に事業としては力を入れていると思いますが、若者の流出を防ぐため、就職先だけではなく、若者が住みたくなる魅力ある県づくりをどう進めていくかをもっと明確に発信するべきであると考えますが、県の所見をお伺いします。 次に、労働力の確保についてです。 生産人口が減少することで、労働力並びに消費者の不足が発生し、国内経済の縮小が懸念されております。 新しい世代が生まれてこないことで、次世代の生産人口が減少していく中、外国人労働者の受入れ体制の強化を進めるべきであると考えます。 二〇一九年四月一日から、特定技能という在留資格制度が始まり、外国人労働者は特定技能一号、また特定技能二号の在留資格を持って日本で働くことができるようになりました。 厚生労働省の調査によりますと、二〇二一年十月末現在の外国人労働者数は約百七十三万人で、平成十九年に届出が義務化されて以来、増加傾向にあります。 国籍別では、ベトナムが最も多く四十五万三千三百四十四人、次に中国が三十九万七千八十四人、そしてフィリピンが十九万一千八十三人の順です。 増加の原因としては、政府が推進している高度外国人人材や留学生の受入れが進んでいること、雇用情勢の改善が着実に進み、永住者や日本人の配偶者などの身分に基づく在留資格の方々の就職が進んでいるということであります。技能実習制度の活用により技能実習生の受入れが進んでいることなども考えられます。 外国人労働者は増加しているものの、コロナ禍で増加率は急減しており、こうした状況の中、最近では水際対策の緩和から、日本を訪れる外国人観光客のインバウンド需要が急拡大しており、その際の外国人観光客に対応するための外国人労働者が不足しているという報道も確認しております。 今後もさらなる外国人労働者の受入れを進める上で解決しなければならないのは、労働環境の問題や、日本人との生活格差などです。いまだ外国人労働者への賃金設定が低いという現状が続いております。賃金以外でも、受入れ体制が整っていないという現状もあります。ただでさえ、慣れない土地で生活しながら働かなければならない中、長時間労働のほか、差別やいじめ、パワハラなども問題となっております。外国人にとって働きやすい労働環境をつくり上げなければ、より多くの外国人労働者が日本で活躍することはできません。 先日、ASEAN議連で訪問したフィリピンのカマリネス・スル州では、日本語を習っている生徒から、いつか日本で働きたいという強い思いを伺ってまいりました。今でも、日本で働きたいと言ってくれた方々のすがすがしい表情は忘れられません。 そこでお尋ねします。本県の少子化に伴う労働力強化のためにも、外国人労働者の受入れ体制を強化すべきと考えますが、県の所見をお伺いします。 次に、長州出島等への企業誘致の推進について、お伺いします。 私の地元下関市では、関門海峡沿いの港湾整備が背後地の不足や船舶航行上の制約等により限界があることから、国際コンテナ貨物の増大や船舶の大型化に対応するため、関門海峡内に比べて制約が少なく、将来への発展の可能性が高い日本海側への新港地区に沖合人工島、長州出島を整備いたしました。 長州出島は、分譲中の産業ゾーン、物流ゾーン、また国際ターミナルと新たにバースを拡張中のクルーズターミナルで形成されております。 下関市は、外国人観光客の増加を目指し、一度に数千人単位で人を呼び込めるクルーズ船の受入れ体制強化に乗り出し、二〇一八年では一年間に三十七回、クルーズ船が寄港しました。約十万人の旅客が訪れ、買物など消費額は約二十億円と推定されております。 関門海峡にある、あるかぽーとでも、ぱしふぃっくびいなすなどの大型船は寄港しますが、五万トン以上の大型クルーズ船については、長州出島で受入れしており、現在では世界最大級の約二十二万トン級のクルーズ船も入港可能となりました。 下関市は、世界最大級のクルーズ船運航会社MSCクルーズと連携し、MSCクルーズが待合室や入管施設が入る旅客ターミナルを建設し、二〇二三年度には運用開始の予定でしたが、コロナの影響もあり、まだ旅客ターミナルの建設には至っていませんが、二〇三五年に年間寄港数百八十回、クルーズ旅客数年間約五十四万人を目標に取組を進めております。 今回の質問内容は、分譲中の産業ゾーン、また、物流ゾーンについてですが、二〇一九年に分譲を開始し、下関市も早期売却に向け積極的な取組を進めているものの、分譲開始から三年が経過した現在、二十四ある分譲区画のうち分譲済みは八区画となかなか分譲が進んでおりません。新たな港湾物流拠点、産業エリアである長州出島への企業誘致は、下関市の活性化、県経済の活性化につながるものと私も期待しており、一つでも多くの企業誘致を進めていかなければならないと考えております。 本県では、今年度、光市において新たな産業団地の整備に着手されました。加えて、第二期事業の整備に向けた調査検討も進められております。新たな産業団地の整備は本県の立地競争力の強化につながるものと評価していますが、それらの産業団地が分譲されるのは数年先です。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるサプライチェーンの国内回帰の動きも強まる中、この機を逃さず企業誘致の取組を進めなければならないのですが、そのためには、長州出島のように市町により整備された産業団地や企業未利用地なども含め、今ある基盤をしっかりと活用し、最大限の効果を上げることができるよう、市町とより一層の連携の下、取り組んでいただきたいと思います。 そこでお伺いします。企業誘致の推進にどのように取り組んでおられるのか、御所見をお伺いします。 最後に、うそ電話詐欺撲滅についてお伺いします。 うそ電話詐欺、また、特殊詐欺とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信用させて、指定した預貯金口座へ振り込ませるなどして現金などをだまし取る犯罪ですが、年々手口が巧妙化しております。 私が衝撃を受けたのは、タイのパタヤ郊外で日本人特殊詐欺グループ十五人が逮捕された事件です。この犯罪グループは外国から日本に電話をかけて金をだまし取るというもので、拠点を海外に移すなど手口が複雑化されていることに驚かされました。 去年一年間、全国での特殊詐欺被害は、認知件数合計が一万四千四百九十八件、被害額が約二百八十二億円。 特殊詐欺全体の被害者のうち、六十五歳以上が八八・二%を占めております。典型的な例がオレオレ詐欺です。第三者が自宅に電話をかけて、子供や孫のふりをして、俺だけど事故を起こしてしまったから金を貸してほしいなどと言って金銭をだまし取るわけですが、テレビや様々な媒体で注意を呼びかけているように思いますが、いまだ被害は続いております。 実際、私がこの原稿を作成している最中にも下関市でオレオレ詐欺により、高齢者が百万円をだまし取られたというニュースが入っておりました。男から、喉の調子が悪くて今病院に来ていると電話があり、電話の相手を本当の息子だと信じ込んだそうです。その後、再度、息子を名のる男から電話があり、今日、仕事で使う機械の支払い日だけど、病院で財布を盗まれたから同僚が金策して払ってくれることになった、なかなかお金が集まらないので、お母さん、幾ら準備できるなどと言われ、話を信じ、訪ねて来た息子の同僚を名のる男に現金を渡し、だまし取られたそうです。子供が困っているならすぐに助けなければと、母親としては当然そう思うでしょう。 本県でのうそ電話詐欺の被害は、二〇二一年十月末で九十三件、約一億九千六百六十六万円で、二〇二二年十月末では八十九件、約一億九千八百十八万円と、ほぼ件数も被害額も変わらず被害者が出ている状況であります。被害者は高齢者が大半です。これまで老後のために蓄えてきた財産を悪人に奪われ、残りの人生を不安の中で過ごすことがあっては絶対にいけません。 そこでお伺いします。本県でも、うそ電話詐欺被害は続いており、被害者は後を絶ちません。うそ電話詐欺撲滅に対する県の取組をお伺いします。 また、うそ電話詐欺などの犯罪に抵触する行為で報酬を得る闇バイトも撲滅しなければなりません。SNSの投稿やダイレクトメッセージ、インターネット掲示板などで募集されることが多く、高収入バイト、高額報酬バイトといった言葉で募集しているケースもあり、だまされて応募してしまう人が後を絶ちません。うそ電話詐欺に加担する若者を出さないためにも注意喚起が必要と思いますが、これまでの県の取組をお伺いします。 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)酒本議員の御質問のうち、私からは若者の流出についてのお尋ねにお答えします。 本県では、若年層を中心に、進学や就職による県外流出が一貫して続いており、人口減少の大きな要因となっています。 このため、県ではこれまで、大学リーグやまぐちと連携した県内進学・県内就職の促進や、県民に魅力ある雇用の場の創出、就職支援協定締結大学を通じた県内企業の魅力情報の発信などの取組を進めてきました。 また、コロナ禍を契機に、都市部に住む若い世代を中心に、地方移住への関心が高まり、テレワークを通じて都市部での仕事を継続しながら、豊かな生活環境に恵まれた地方で暮らすワークスタイルが広がっています。 こうした状況を踏まえ、県内への移住の働きかけを強めるとともに、県内に地方創生テレワークとワーケーションの拠点施設を設け、都市部のテレワーカー等の受入れ促進を図っているところです。 その結果、転出超過が縮小し、中でも三十代から四十代の男性が転出超過から転入超過に転じるなど、一定の成果が上がってきており、今後は、若者や女性が魅力を感じる県づくりをさらに進めていく必要があります。 具体的には、まず、若者や女性が働きやすいデジタル関連企業、サテライトオフィスをはじめ、働く場の拡大につながる企業誘致の取組を一層強化していきます。 また、町の魅力向上に向けては、市町と連携しながら、民間による都市開発の活性化を図るとともに、生活交通の利便性向上等の取組を進めます。 さらに、山口きらら博記念公園のポテンシャルを生かして、年間を通じたイベントの開催や、交流拠点にふさわしい施設整備を行うことで、山口の新たな活力を創出し、本県の魅力を高めるとともに、これを県内外に広く発信していくこととしています。 あわせて、本県の将来を担う若者たちの県内定住を促進していくため、ふるさと山口への誇りと愛着を高める取組を学校や地域など多様な主体と連携しながら進めていきます。 私は、このたび、こうした施策を盛り込んだ、やまぐち未来維新プランの最終案を取りまとめたところです。 今後は、プランが目指す姿やその道筋を多様な主体としっかりと共有し、若者や女性に、本県に住みたいと思われる魅力ある県づくりを県民の皆様とともに進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)少子化問題についてのお尋ねのうち、子育て支援体制の強化についてお答えします。 少子化の流れを変えるためには、若い世代が結婚の希望をかなえ、安心して子供を産み育てることができる環境づくりを進めることが重要です。 このため、やまぐち未来維新プランの最終案において、結婚、妊娠・出産、子育て応援プロジェクトを掲げ、切れ目のない支援や、子供と子育てに優しい社会づくりに向けた取組を一層充実していくこととしています。 具体的には、子育てしやすい環境づくりを進めるため、企業や関係団体等で構成するやまぐち子育て連盟を中心とした子育て県民運動を通じ、社会全体で子育てを応援する取組を進めます。 また、子育て世代に寄り添った支援を進めるため、やまぐち版ネウボラの推進による相談支援体制の充実や子育てAIコンシェルジュによる子供の成長段階に応じた伴走型支援の実施など、やまぐち型子育て支援の充実を図ることとしています。 さらに、子育て世帯の多様なニーズに対応するため、保育所や放課後児童クラブ等の受入れ体制の整備や保育士等の人材育成などに取り組んでいるところです。 加えて、男性の家事・育児参画を促進するとともに、仕事と家庭の両立に向けた企業の取組を支援するなど、子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。 こうした取組に加え、今般、国において伴走型相談支援と経済的支援を一体的に実施する出産・子育て応援交付金が創設されたところであり、県としても、本事業の円滑な実施に向け、所要の経費を十一月補正予算に計上し、市町の取組を支援していくこととしています。 県としましては、若い世代が安心して子供を産み育てていけるよう、今後とも、市町や関係団体等と連携し、子育て支援体制の強化に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)少子化問題についてのお尋ねのうち、労働力の確保についてお答えします。 生産年齢人口が減少するとともに、雇用情勢の持ち直しが進み、企業の人手不足感が強まる中、外国人材の活用は企業が人材確保を図るための有効な方策であり、このため、県では、外国人材の受入れ・共生を積極的に進めています。 具体的には、外国人にとって働きやすい職場環境や、様々な不安を解消し、安心して生活できる環境の整備に取り組んでいます。 まず、外国人にとって働きやすい職場環境づくりに向けては、山口しごとセンターに外国人材雇用アドバイザーを配置し、企業からの相談等にワンストップで対応しています。 また、外国人材の受入れを検討している企業の担当者に対し、労働局と連携して、適正な労働条件など、外国人雇用時の留意事項やコミュニケーションの取り方などを具体的な事例も交えて説明するセミナーを実施しています。 さらに、労働局と連携し、労働条件について相談できる外国人労働者向け相談ダイヤルや、職場におけるハラスメントや解雇等のトラブルに関する相談対応を行う総合労働相談コーナーの活用を促進します。 次に、安心して生活できる環境の整備に向けては、防災情報や県政情報等の多言語による情報発信に取り組むとともに、外国人の不安解消のため、外国人総合相談センターにおいて、生活に関する幅広い相談にも対応しています。 こうした中で、国においては、外国人材の適正な受入れに向けて技能実習制度や特定技能制度の在り方を検討する有識者会議が先般設置され、議論が開始されることとなっています。 県としては、国の検討状況を注視するとともに、企業ニーズを的確に把握しながら、外国人材のさらなる受入れが進むよう、その環境整備に取り組んでまいります。 次に、長州出島等への企業誘致の推進についてのお尋ねにお答えします。 企業誘致は、本県経済の活性化や雇用の場の創出など、将来にわたりその効果が波及し、本県の活力向上に資することから、県では市町と一体となった企業誘致の推進に取り組んでいます。 こうした中、コロナ禍や緊迫する国際情勢などを背景とした生産拠点の国内回帰に加え、国が進めるデジタル化やグリーン化等の成長戦略への呼応など、企業の投資意欲は今後も堅調に推移するものと見込まれ、県内でも企業の設備投資が活発に行われています。 このような企業の投資意欲を確実に取り込み、自治体間の誘致競争に打ち勝つためには、県を挙げた誘致活動はもとより企業ニーズに的確に対応できる事業用地の確保が必要なことから、今年度、新たに産業団地の整備に着手したところです。 この産業団地は分譲までに一定期間を要することから、お示しの長州出島をはじめ、小野田・楠企業団地など、既存の産業団地や企業の未利用地等を企業誘致の貴重な受皿として、市町と連携した効果的な誘致活動を展開しています。 具体的には、県と市町が設置する協議会において、立地環境の優位性や事業用地の利点等の情報を掲載した産業団地パンフレット及び企業立地マップを作成し、本県への立地に向けたPR資料として活用しています。 また、知事のトップセールスとして東京で開催するやまぐち企業立地フォーラムでは、これらの資料を活用した売り込みに加え、知事との名刺交換会を行うなど、誘致対象企業の新規開拓に取り組んでいます。 加えて、本県への立地を検討中の企業に対し、県と地元市町が直接訪問し、支援制度の説明のほか、住環境や観光地等を含めたPRを行うなど、県と市町が一体となった誘致活動も行っています。 県としては、本県の産業力強化に向け、市町と緊密に連携し、県の強みを最大限に活用しながら優良企業の誘致に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)中西警察本部長。 〔警察本部長 中西章君登壇〕 警察本部長(中西章君)うそ電話詐欺撲滅に対する取組についてお答えします。 うそ電話詐欺の被害件数は、本年十一月末現在、九十八件で、そのうち六十五歳以上の高齢の被害者は七十一件と全体の約七割を占めております。依然として高齢者を中心に被害が発生している現状がございます。 県警察では、このうそ電話詐欺を治安対策上の重要な課題の一つとして位置づけ、撲滅に向け、広報啓発活動、水際対策、そして事件検挙を推進しているところです。 まず、広報啓発活動については、被害発生時のみならず、不審電話の段階であっても多発している手口等の情報を報道機関にも提供するなどして、県民に対する注意喚起を行っております。 次に、水際対策については、本年十一月末現在、金融機関の職員やコンビニエンスストアの店員の方による声かけにより被害を未然に防止した事例を百十九件把握しており、阻止率は五割を超えています。 多くの被害を水際で防いでいただいており、重要な対策の一つであることから、引き続き、高齢者が高額な現金を引き出す際や電子マネーカードを購入する際における積極的な声かけや警察への通報について協力を求めてまいります。 検挙については、本年十一月末現在、オレオレ詐欺の現金受け取り役や、だまし取った現金の回収役等、うそ電話詐欺の実行犯を十三名、犯人グループに銀行口座などを提供した助長犯を三十五名検挙しています。 今後も徹底した検挙を進めるとともに広報啓発活動や水際対策を進め、うそ電話詐欺の撲滅を図ってまいります。 また、うそ電話詐欺に加担する若者を出さないための取組については、学校と連携の上、少年がうそ電話詐欺に加担している実態や、必要な指導内容を盛り込んだ非行防止教室を開催しています。 検挙した実行犯十三名のうち四名が少年であったことに鑑み、今後はサイバーパトロールを通じて、インターネット上の受け子の募集書き込みを発見し、警告等の措置を講じるなど、少年をうそ電話詐欺に関わらせないための取組を進めてまいります。