1 衆院小選挙区「10増10減」について 2 子ども医療費助成制度の拡充について 3 マイナンバーカードについて 4 物価高騰期の国民負担増について 5 新型コロナ対策について 6 上関原発問題について 7 センチュリー問題について 8 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十五号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十五号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 おはようございます。社民党・市民連合の中嶋です。 早速、通告に従い、質問いたします。 衆院小選挙区十増十減の改正公選法が十一月二十八日官報に公布され、今月二十八日に施行されます。 小選挙区の数は、都市部で十増え、地方で十減となりました。 比例代表ブロックは、衆院選の比例代表の定数百七十六を全国の十一ブロックに割り振った結果、東京ブロックで二、南関東ブロックで一増の一方、東北、北陸信越、中国の三つのブロックでは一つずつ減り、定数は三増三減となりました。 区割り改定は、地方の人口減少傾向が変わらなければ、人口が過密する都心部で定数が増える一方で、より人口が少ない県の小選挙区の数が減り続けることとなり、地方の代弁者が減少することで、地方の声がさらに国政に届きにくくなるなどといった指摘があり、地方軽視ではないかとの声も上げられています。 投票価値の平等は憲法の趣旨であり、一票の不平等は可能な限りなくす必要はあるものの、地方の声をどうくみ上げていくかは、国政に民意を的確に反映させるという政治の根幹に関わります。 しかし、今回の区割り改定は、その具体策が示されることなく、一票の格差是正と言いながらも、その場しのぎの数合わせではないかという不信感も否めません。 地方では選挙区、つまり議員が減るほど有権者の声が国政に届きにくくなる一方、都市部においても、区割り見直しのたびに選挙区が変わることで、有権者と政治家とのなじみが希薄となって結びつきが弱くなり、選挙への関心がさらに薄れるのではないかと懸念されています。 本県では、かつて中選挙区であったときには、九人の衆議院議員がいらっしゃいましたが、小選挙区制に移行し、四選挙となり、当然のことながら、三人となってしまいます。このまま人口減少が続き、さらに地方の声を届ける議員が減少することで、人口減に拍車がかかるのではないかとの懸念も否定できません。 人口比だけを基準にしていては、有権者が政治にアクセスする環境の格差や不平等が都市と地方との間で拡大することを危惧します。 そもそも小選挙区制度自体が民意を切り捨て、多くの死に票を生み出す制度となっており、人口変動に伴う定数及び区割り変更に頻繁に直面することになります。 一票の格差解消と同時に、民意を的確に議席数に反映させることこそが求められていることからして、今の小選挙区比例代表並立制に対し、比例代表選挙に重点を置いた選挙制度の在り方を含めながらの議論こそが必要ではないかと考えます。 そこで伺います。衆議院の区割り改定した、いわゆる十増十減という改正公職選挙法で、本県は衆議院議員の定数が一名減となりますが、今回の改正公職選挙法に対する県の御所見をお聞かせください。 次に、子供医療費助成制度の拡充について。 本議会に、やまぐち未来維新プラン最終案が示されました。いわく、人口減少が続いており、このままの傾向で推移すると、二〇四五年には百四万人にまで減少する、その要因の一つが、出生数が減少を続けていることで、合計特殊出生率は一・四九で全国平均を上回って推移しているものの、人口置換水準二・〇六には達していない。 さらに、理想とする子供の数を、二人または三人とした既婚者は八〇%を超えており、多くの方が人口置換水準以上の子供を持ちたいと思っているが、理想の子供の数を持たない理由では、一般的に子供を育てるためお金がかかるからと、子供の教育にお金がかかるからが五〇%以上占めるなど、経済的理由が挙げられています。 また、決算特別委員会資料によれば、本県の福祉医療費助成制度は、対象年齢は通院、入院とも小学校就学前までで、市町村民税所得割が十三万六千七百円以下の世帯の所得制限ありですが、他県では、対象年齢が十八歳年度末や中学校卒業までが増えていることから、全国比較で制度的に後れを取っていると言わざるを得ません。 また、県内市町の子供医療費助成制度の状況を見ても、市町は県の制度を単独で拡充し、対象年齢は高校卒業までを筆頭に、中学校卒業までがほとんどを占めている現状になっています。 さらに言えば、県都山口市は、対象年齢拡大及び所得制限撤廃ともに中学校卒業まで県制度を拡充し、令和四年度予算ベースで十億九百三万四千円のうち、単独拡充分は、実に七億四千九百四十九万三千円で、実に七四・三%を占めています。 我がまち山陽小野田市は、対象年齢は中学卒業までで、所得制限撤廃が就学前までなのですが、それでも予算額一億七千六百三十万七千円に対し、単独拡充分は一億七百六十三万八千円で六一・一%と、市の持ち出しが過大になっています。 そこで、本県の人口減少率は中国五県ワーストワン、全国でもワーストテンであることも鑑み、人口減少対策の具体的なカンフル注射として、また、市長会、町村会も子供医療費助成制度の拡充要望を出されていることからも、かかる県の福祉医療費助成制度は対象年齢を拡大し、所得制限も撤廃すべきと、藤本県議も言われましたけれども、私からも御所見をお聞かせください。 三つ、マイナンバーカードについて。 十月十三日、河野太郎デジタル相は、マイナンバーカードと健康保険証の機能を一体化させたマイナ保険証への切替えを前倒しし、二〇二四年度秋に現在の保険証の廃止を目指すとともに、運転免許証の機能との一体化の時期も前倒しを検討すると発表しました。 マイナ保険証は昨秋から本格運用が始まっていますが、これまで政府はカード取得はあくまで任意であり、マイナンバーカードを持たない人は従来の保険証を使えると説明をしてきましたし、法律上もマイナンバーカードの交付は個人の申請に基づく任意のはずであります。 現在の健康保険証でも不都合がないのに、それに運転免許証やクレジットカードともつながり、経営では消費税のインボイスともつながっていきます。個々人の資産管理も徹底され、医療、介護など社会保障の負担増にもつながりかねません。 様々なナンバー化は個々に必要であるとしても、国の一元的番号制度は個人情報の強制的な管理となり、情報漏えいの心配もあります。零細経営でマイナンバーの設備投資についていけないことや、独居老人などでデジタル化に対応できない人々の社会的生存権を奪うことにもなりかねません。 また、地方交付税の交付金でカード交付率ごとに自治体間の格差をつけるとしていますが、地方交付税は自治体の財源であり、自治体間の格差を是正し、均衡化を図るという原則からも外れています。 マイナンバーカードの申請率は、二〇一五年から七年もたって、しかもマイナポイント第二弾などのばらまきによって、物価高に苦しむ国民の足元を見た、金でつるような政策を行うことで、強引に実質的な義務化を進めてようやく六〇%、十一月二十八日総務省発表ですが、世論調査も二分化しています。日本弁護士会も異議を唱えています。 さらに、紛失などの何らかの事情でマイナンバーカードがない人も、保険診療ができるよう検討などと政府は言っているようです。そもそも健康保険証を廃止しなければ発生しない問題であり、いつから法によって任意とされたカードを持たない事情が必要になったのか、訳が分かりません。 そこで、現在の紙などの健康保険証は、切れる前に新しい保険証が自動的に送られてきて、今のままのほうがずっと便利だと、しかし、岸田政権の現行の健康保険証を二四年に廃止し、マイナンバーカードと機能を一体化させたマイナ保険証に切り替えるとする方針は、事実上マイナンバーカードの取得を強制することになると考えますが、県の御所見をお聞かせください。 また、新型コロナ対策等で疲弊する地域医療への影響も否定できないと考えますが、併せて県の御所見をお聞かせください。 四点目、物価高騰期の国民負担増について伺います。 長引く新型コロナ感染症期からさらに物価高騰期となり、多くの国民は生活苦にあえいでいます。この歴史的な物価高騰とまで言われる困難な時期に、社会保障の各種負担増と大衆増税が政府とその審議会などから予定されています。 物価対策も、その多くは一過性の臨時的な給付金であり、継続的な対策は負担ばかりが強まることになってしまいます。 社会保障で見るなら、特に全世代の公平性とか少子高齢化社会だからとされ、高齢者から苛酷になっています。この一年のうちに、年収二百万円程度で決して生活に余裕などない高齢者に医療費窓口負担の二倍化、食費倍増で年金収入のみで介護施設が利用できない窮地に追いやる、そして物価高騰の中で容赦なく年金支給額を削減、そして、今度は、要介護一・二の介護保険外しや介護費負担原則二倍化まで狙われています。 二〇二四年度が診療報酬と介護報酬の改定期であり、様々に保険料や患者負担、利用料が今までにない負担増の方向とされています。 現役時代の国民健康保険や健康保険も、同じく様々な負担増が予定されています。年金も引き下げられるばかりか、基礎年金である国民年金の保険料負担期間が六十四歳まで引き延ばされ、四十五年間の負担とされています。 大衆増税では、諸外国のように消費税を下げるどころか、インボイスだけでなく、税率も引き上げるとされています。そのほかには、たばこ税、退職所得控除見直し、自動車関連道路利用税、配偶者控除見直しなどが様々に提言され、予定されています。 その一方で、防衛費は前半の五年間で総額四十八兆円程度が必要、防衛省とまで言われています。このような軍事費拡大ではなく、社会保障や税制の軽減で国民の生活と命を守ることこそが最優先にすべきです。 そこで、社会保障の負担増や大衆増税は、国債の発行や軍事超大国化と結びついています。この十年余り、地方自治体は国の乱暴な政治に振り回され続けてきたと考えます。 そこで、住民の福祉の増進と県民の安心・安全を守る地方自治体の本旨を踏まえ、物価高騰期の二〇二三年度、特に二〇二四年度から提言され、予定されている社会保障や大衆増税に対する県の御所見をお聞かせください。 五点目、新型コロナ対策について。 二〇一九年十二月、中国の武漢で新型コロナウイルス感染症患者が確認されました。もう三年の歳月が流れ、それ以降マスクの着用、手指の消毒、三密の回避をはじめとした様々な感染予防対策が求められ、鬱屈した三年間でした。 当初は、PCR検査についても、国のガイドラインは体温が三十七・五度C以上の状態が四日以上続く場合は医療機関を受診することとされ、この解釈をめぐっては後々物議を醸しましたが、その後、今では、九月二十六日から新型コロナ陽性者の対応が変更になり、全数届出ではなくなり、保健所に発生届を報告する対象者が六十五歳以上の高齢者や妊婦の方など、重症化リスクの高い方に限定され、それ以外の方の自宅療養は自己管理が基本となっています。 そのため、県では、自宅療養者フォローアップセンターを設け、発生届の対象外となった方に登録をしてもらい、病症悪化時の健康相談や食事等の生活相談などの支援を行うことになっています。 そして今、第八波入りが指摘される中、オミクロン株の新たな系統の広がりに注視が必要な状況です。ここに来て、全国の新規感染者数の増加速度は比較的緩やかなようでありますが、年内にもピークを迎えるとの見方も出ています。専門家は、今後の新しい系統への置き換わりの状況などにより、ピーク後に再増加する可能性もあると警告しています。 そこで、新型コロナウイルスが確認されて、もう三年が経過し、既に第八波に入ったと思われますが、県はこれまでの経験を生かしつつ、今後の感染拡大に対して、どのように対応しようとされているのかお聞かせください。 また、ある中学校の生徒さんが肘を骨折し入院、手術前検査でコロナ陽性が判明し、手術できずに自宅療養を余儀なくされ、二回の検査がようやく陰性反応が出て、十日後に手術が受けられ、完治まで二か月かかるとの嘆きを聞かされました。 こうした新型コロナ陽性患者の手術について、県内の医療機関では、医学的・専門的な知見からどのように対応されているのか、お聞かせください。 六点、上関原発問題について。 十月二十五日、中国電力は、公有水面埋立ての工事竣功期間伸長許可申請書を提出、その理由を海域のボーリング調査に六か月、埋立工事の竣功に約三年、海上ボーリング調査に対する妨害予防請求訴訟に十一か月必要として、着手の日から十七年八か月以内を竣功期限としたとしています。 同日付で、上関原発を建てさせない祝島島民の会に対し、海上ボーリング調査の作業を妨げないよう求め、山口地方裁判所岩国支部に提訴しました。 村岡知事は、十一月二十八日に三度目となる期間延長許可について、これまで同様、工事が竣功できなかったことに合理的な理由があるか、また、土地需要があるかどうかを法律に基づいて審査して許可を出したとコメントされています。 また、さきの中電の訴状を読むと、工事竣功期間伸長許可申請においては、発電所敷地内の断層の活動性評価に万全を期すため、埋立工事に先立って埋立工事施工区域内において海上ボーリング調査を実施する旨を明記し、当該調査に要する期間を工事竣功期限に織り込んでいると主張しています。 そこで、海上ボーリング調査と公有水面埋立ては、そもそも異なる法令に基づいた許可申請が必要で、共通項は許可権者が村岡知事である点だけです。公有水面埋立工事に先立って行う海上ボーリング調査の期間を竣功期限に含めて、期間延長を許可できるとする根拠法令等をお示しください。 事実、海上ボーリング調査に当たって、県は、一般海域の利用に関する県条例に基づく一般海域内行為許可申請書を提出させていますが、これとの関連、整合性を説明されたい。 今回は、さらに、公有水面埋立権等に基づく妨害排除請求権又は妨害予防請求権を争う訴訟期間まで含めて、中電の求めに応じるままに許可していますが、同じくこれの根拠法令をお示しください。 これに関連して、この間、中電は海上ボーリング調査をやるやると言いながら、現場海域で漁をする祝島漁民の釣り船を回って、御協力をお願いしますと頼んで回ったものの、ことごとく拒まれたり、写真・動画を撮ろうとするので肖像権の侵害だと抗議されて、すごすご引き返す始末で、本気でボーリング調査をする気はないように感じていましたが、今回の訴状で、その理由がはっきりしました。 訴状によれば、被告らは、原告が海上ボーリング調査の実施を試みようとするたびに、本件公有水面に船舶を進入、停泊させるなど、これを妨害したことから甲第九号証を提出、これは各社の新聞記事のことですが、原告は、令和元年から令和三年の三年にわたり、同調査を実施することが全くできなかったと厚かましくも主張しています。まさに、訴訟に備えた証拠集め活動だったことが明らかになったと言えます。 そこで、この間の中電の現場海域での不可思議な行動の繰り返しを、県の許認可所管課は確認の上で、指定期間内に竣功できなかったことについて合理的な理由があると判断したのか否かお聞かせください。 次に、土地需要については、今回も資源エネルギー庁の一課長の上関原子力発電所に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていないとの文書をもって良としたと思われますが、これは二〇〇五年二月に定められた重要電源開発地点の指定に関する規程によるもので、上関原発がこれの対象電源に指定された経緯について詳しく御説明ください。 なお、二井知事時代の六分野二十一項目の意見書提出により、電源開発基本計画への組入れがそもそもの出発であるはずですが、この点を踏まえて、山口県としてどのような関わりをこの間持たれたのかお聞かせください。 さらに、歴代の水産部長、農林水産部長は、祝島漁民が係る埋立海域で漁をしていると認識しているとの議会答弁があります。さきに触れた一般海域内行為許可申請書に添付するよう定められている利害関係人の同意書の中に、祝島漁民のものがないにもかかわらず、土木建築部では許可していることについて、漁業権を所管する農林水産部としては、どのような見解をお持ちかお聞かせください。 最後に、センチュリー問題について伺います。 十一月二日、山口地方裁判所はセンチュリー裁判で、購入は裁量権を逸脱、濫用した財務会計上の違法行為で、知事には指揮監督上の義務に違反した過失があるなどとする県民感情に近い判断を示した判決を出しました。 村岡知事は判決後、正直驚いている、弁護士とも相談し、控訴するか検討したいとコメントされ、結果、十一月十五日に広島高等裁判所に控訴されました。 控訴理由などをお聞かせ願いたいものですが、例により係争中であり、答えられないでしょうから、せめて知事御自身は、東南アジア出張中にあえて控訴されたことに特別な事情があったのか否かお聞かせください。 次に、このセンチュリー購入問題について、私も二〇年十一月定例会で質問、当時の会計管理局長の主な答弁は、知事の定例記者会見でのコメントを踏まえた、次回更新時には運用状況を踏まえ、車種の選定や購入金額の検討を行っていきたいです。 そして、十一月二日に、県民注目の山口地裁判決が出たにもかかわらず、驚いたことに、週刊誌に、公用車に二千九十万円は違法判決後も云々との見出しが躍り、十一月十日、自民党本部にセンチュリーが横づけされたなどとする記事が全国発信され、まさに驚きました。 そこで、この間の一連の流れからして、来年度予算・施策要望のためなどとはいえ、県議会議長が東京出張の際のハイヤーにセンチュリーを手配するということは、県として過剰過ぎる忖度ぶりではないのかお尋ねし、一回目の質問といたします。 ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中嶋議員の御質問のうち、私からは、衆院小選挙区十増十減についてのお尋ねにお答えします。 このたびの改正公職選挙法の成立により、人口減少に直面している地方の有権者の声を、国政に届ける上で重要な役割を果たしておられる衆議院議員の定数が本県において減少することは、大変残念なことと考えています。 また、現行の選挙制度では、衆議院における都道府県の選挙区数は、人口基準のみにより定められていることから、さらなる人口減少が見込まれる地方においては、今後も議員数の減少が避けられないものと認識しています。 このたびの改正法の採決に当たって、衆議院では、人口減少や地域間格差が拡大している現状を踏まえ、議員定数や地域の実情を反映した選挙区割りの在り方等に関し、抜本的な検討を行うとの附帯決議がされたところです。 こうしたことから、私は、今後、国会において、地方の声を国政にしっかりと反映させることができる選挙制度の検討を行っていただきたいと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)子供医療費助成制度の拡充についてのお尋ねにお答えします。 本県の制度は、国の医療保険制度を補完し、一定の福祉医療の水準を確保することを目的として、基準を定めて助成しており、受診回数の多い三歳未満児を無料とした上で、一部負担金は中国地方で最も低額であるなど、全国的に遜色なく、将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することが基本と考えています。 次に、マイナンバーカードについてのお尋ねのうち、地域医療への影響についてです。 マイナンバーカードと健康保険証の一体化については、医療機関の受診情報の共有による質の高い医療の提供などが期待されていることから、県としては、国の責任において、国民の十分な理解と納得を得て普及・啓発を進めるよう、全国知事会等を通じて要望しているところです。 次に、新型コロナ対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、今後の感染拡大に対する対応についてです。 県では、これまで新型コロナウイルス感染症の度重なる感染拡大時において、県民の安心・安全を守るため、市町や関係機関との連携の下、医療提供体制の整備やワクチン接種の促進に努めてきたところです。 こうした中、これから本格的な冬場を迎えるとともに、季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されることから、今後、感染症対策の一層の強化を図ってまいります。 まず、医療提供体制については、医療機関の御協力により、六百八十床の入院病床に加え、六百五十二の診療・検査医療機関等を確保するなど、想定される一日最大約八千人の発熱患者に対応できる体制を整備したところであり、引き続き、休日・夜間を含めた診療体制のさらなる強化に努めてまいります。 また、感染者が確実に相談でき、適切な受診につながるよう、受診・相談センターの相談体制や自宅療養者フォローアップセンターの相談・診療体制の拡充に取り組みます。 次に、ワクチン接種についてですが、現在、接種を行っているオミクロン株対応ワクチンは、重症化予防はもとより、感染や発症予防にも高い効果が期待されています。 このため、できるだけ多くの方に速やかに接種いただけるよう、市町等と連携し、十分な接種体制を確保するとともに、ワクチンの効果等についての情報発信の強化に努めてまいります。 県としては、引き続き、市町や関係機関と連携し、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期してまいります。 次に、新型コロナ陽性患者の手術への対応についてです。 コロナ患者の手術に当たっては、術後に、コロナの影響により全身状態が悪化するリスクがあることを踏まえ、各診療科の専門医が、患者の受傷の程度などを医学的に評価し、手術を含めた治療方針や実施時期について慎重に検討することとなります。 このように、県の医療機関においては、医師が個々の事案ごとに患者の状態等を総合的に評価し、緊急性を判断するとともに、必要な感染対策を講じた上で、適切に対応しているところです。 議長(柳居俊学君)松岡総合企画部長。 〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 総合企画部長(松岡正憲君)マイナンバーカードに関する御質問のうち、健康保険証との一体化によるカード取得についてのお尋ねにお答えします。 国においては、マイナンバーカードは法の規定により、国民の申請に基づき交付されるものであり、この点について健康保険証との一体化に当たっても変更することはないとされていることから、カードの取得義務は課されておらず、取得を強制するものではないと考えています。 次に、物価高騰期の国民負担増についてのお尋ねにお答えします。 人口減少、少子高齢化が進む中、国民一人一人が将来に希望を持ち、安心して生活できる社会を実現していくことが、今後の重要な課題となっています。 このため、国において、社会保障における給付と負担の在り方を見直し、能力に応じて皆が支え合うことを基本としながら、それぞれの人生のステージに応じて、必要な保障をバランスよく確保する制度の構築を目指す検討が行われています。 また、厳しさを増す我が国の安全保障環境やエネルギー価格の高騰など、これまでにない様々な事柄への対応が求められる中、持続可能な財政運営を行っていけるよう、今後の税制の在り方等も議論されていると承知しています。 これらの事柄は、いずれも国の制度に関わるものであり、県としては、まずは国政の場において十分議論していただきたいと考えています。 次に、ハイヤーについてのお尋ねにお答えします。 議長が東京での移動に使用されるハイヤーの車種については、これまでの使用実績や地元で使用している車両の状況等を踏まえて、大型を手配しています。 なお、使用の申込みに当たり、特定の車名を指定しているものではありません。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発問題に関するお尋ねのうち、埋立免許の延長許可についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、埋立工事に先立って行う海上ボーリング調査の期間を、竣功期限に含めて期間延長を許可している根拠法令等は何か、また訴訟期間まで含めて許可している根拠法令とは何かについて、まとめてお答えします。 公有水面埋立法第十三条の二第一項において、正当な事由があると認められれば、期間の延長を許可することができると定められています。 海上ボーリング調査については、埋立工事により地層が乱される可能性があることから、地質データの確実な取得のためには、埋立工事に先立ってこれを実施しなければならないとの説明が事業者からなされました。 また、この海上ボーリング調査を実施できなかった状況を解消するため、訴訟を提起し、その判決を得て、安全に作業を進められる状況を確保した上で調査を実施するとの説明が、事業者からなされたところです。 県としては、こうした事業者の説明に合理性があり、正当な事由があると認められたことから、これらの期間を合わせて、延長の許可をしたものです。 次に、一般海域の利用に関する条例に基づく一般海域内行為許可申請書との関連、整合性についてです。 一般海域の利用に関する条例は、公有水面埋立法とは法体系を別にしており、お尋ねの海上ボーリング調査を行う場合には、同条例に基づく許可が必要となります。 次に、中電の現場海域での行動の繰り返しを県は確認の上で、指定期間内に竣功できなかった合理的な理由があると判断したのかについてです。 事業者からは、調査地点付近で複数の船舶を停泊させるなどの行為が継続してあったことなどから、調査に係る作業を安全に行うことができなかったと説明されています。 県としては、調査の実施に支障となる事実があったことについて、申請書及び補足説明により確認し、工事を竣功できなかったことについて合理的な理由があると判断したものです。 議長(柳居俊学君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発問題についての御質問のうち、重要電源開発地点指定の経緯と県の関わりに関するお尋ねに、まとめてお答えします。 平成十三年四月六日、当時の電源開発促進法の規定に基づき、上関原発を電源開発基本計画に組み入れたいとして、国から知事へ意見照会がありました。 これに対し、県は、国において十分考慮、検討し、対応を講ずべき事項があると考え、同年四月二十三日、安全確保等を中心に六分野二十一項目の知事意見を提出し、国の誠意と責任ある対応を求めたところ、誠心誠意対応する旨の回答が国から得られたため、県は計画への組入れに同意しました。 国は、その同意を受けて、総合資源エネルギー調査会の意見を聞いた上で、同年六月十一日に、上関原発を電源開発基本計画に組み入れました。 その後、平成十五年十月の法の廃止に伴い、電源開発基本計画の制度も廃止されましたが、平成十七年二月に、その制度の意義や機能を承継する重要電源開発地点の指定の制度が設けられたところです。 その際、新制度における経過措置により、平成十四年度電源開発基本計画に含まれる電源は重要電源開発地点に指定できるとされたため、上関原発も地点に指定されました。 こうした経緯により、上関原発建設計画は重要電源開発地点の指定を受け、県は、その過程において適切に対応してきたところです。 議長(柳居俊学君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)上関原発問題についての御質問のうち、一般海域内行為許可に係る利害関係人についての、農林水産部としての見解についてのお尋ねにお答えします。 一般海域内行為許可申請書に添付する利害関係人の同意書については、一般海域の利用に関する条例を所管する部局が判断されるものであり、農林水産部として見解を述べる立場にありません。 議長(柳居俊学君)京牟礼会計管理局長。 〔会計管理局長 京牟礼英二君登壇〕 会計管理局長(京牟礼英二君)センチュリーに関するお尋ねのうち、東南アジア出張中の控訴についてお答えします。 お尋ねの控訴を十一月十五日に行ったのは、控訴期限が十一月十六日までであったためであり、当初から予定されていた知事の海外出張とは何ら関係ありません。 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 再質問させていただきます。 まず、センチュリー問題です。 この月曜日に、NHKさんが情報公開で開示された内容を全国放送されました。 これによると、議長さんらの上京時にセンチュリーを繰り返し手配、知事などは二割ほど安い中型ハイヤーだった。当初予算編成方針では、来年度の財源不足額は、現時点で約九十六億円が見込まれるとされ、今、内部で努力をされていると思います。 そして、この放送では、千葉県では経費削減の観点から、また、センチュリーから車種変更したときの県会議長さんは、地域課題を発信する議長の公用車として厳しい社会情勢の中で、本当に必要なのかと考え、見直したとのコメントも報道されています。 この際、知事自らが議長さんにもしかるべき対応をお願いされるべきではないでしょうか、お答え願いたいと思います。 上関原発問題です。 藤本県議の公開請求に対して、十二月一日付の開示文書によれば、県から、原発本体着工時期の見通しがつくまで埋立工事を施行しないこととの要請を出し、中電は、県の要請を重く受け止めると答えています。三度目のことです。とすれば、ボーリング調査及び埋立工事の順番は、まず、ボーリング調査、二番目に、原発本体着工オーケー、三番目に、埋立工事着手、四番目に、竣功認可になるはずです。しかるに、ボーリング調査に要する期間を工事竣功期限に織り込んでいるのはおかしなことです。 ボーリング調査の結果、原発本体着工オーケーの二が得られた後に、初めて現埋立免許の伸長ではなく、新たな埋立免許を申請しなければならないはずです。これが法令に基づいた手続です。どこが違いますか、お答えください。 先ほど三浦理事から、平成十七年に組み入れられた際には、その前の二井知事時代の六分野二十一項目の意見が引き継がれたということでしたけれども、その二井知事には、きちんと回答がいけなければ、県の有する許認可権を行使する場合もあり得るとこう申されています。この点についてどうお考えですか、再度お答えください。 そして、県は、一般海域占用許可に係る利害関係人を公有水面埋立法五条に列挙された水面権者と限定し、自由漁業、許可漁業を営む漁民を含めていませんけれども、公有水面埋立法では、三条三項の知事に意見書を提出できる利害関係を有する者に、自由漁業、許可漁業を営む漁民はもちろんのこと、地元住民まで含めています。さらに、市町村長の意見は市議会の議決を経たものとなっています。つまり、一般海域占用許可の利害関係人を水面権者と限定する上で、公有水面埋立法を援用しておきながら、なぜ公有水面埋立法の利害関係を有する者を無視するということは、極めて不可解なことです。なぜなのか、明快にお答えください。先ほどの土木部長では答えになっていないと思います。 さらに、物価高騰の中で県民の暮らしを守る施策、このことについては、県民にとって大変な重要なことですので、お尋ねいたします。 政府や官庁エコノミストはもっぱら外部要因、例えば、中国と米国の経済摩擦とデカップリング、ウクライナ戦争、米国の利上げなどによって起きている物価高騰だと説明しています。 しかし、今回起きているのは、単なる供給面に起きた障害や需給のミスマッチによる物価高騰ではなくインフレーション、このインフレーションは米中摩擦やウクライナ戦争によって拍車をかけられましたけれども、本質的には、それ以前から生じていた現象であることを、当たり前のことです。市場に、マネーをじゃぶじゃぶとつぎ込めば経済が活性化するはずだという政策によって、過剰な通貨の規模がさらに膨れ上がっており、それが過剰貨幣資本の巨大なマーケットの形成とも結びついて、生産部門においては、企業として成り立つだけの利潤が得られにくくなった経済環境下で、生産活動からは恒常的に切り離されてしまった巨大なマーケットの形成とその運動、それが今の世界と日本の基本の経済構造そのものになってしまい、それなしにはやっていけない状態になっています。インフレは、その結果に過ぎないと思います。 実体経済における生産的投資では、利潤が上がりにくくなったがゆえの過剰資本、過剰なマネーが株や債券に流れれば、資産インフレを引き起こし、今回のように商品、物への投機に流れ込めば、商品、物の価格高騰として現れるのは当然です。これが現在のインフレの本質と思うのですが、県御当局はどのように考えておられるのかお聞かせください。 さらに、これからの県政運営にとって、このインフレは重要な問題だと思います。私たちは何度か深刻な経済的危機を実際に見てきました。七十年代のオイルショック、八十年代に重厚長大産業が苦境に陥った構造不況、その後の深刻なスタグフレーション、そのスタグフレーションからようやく抜け出して、経済活況が訪れたかに見えたときに生じたリーマンショック、バブルの破裂、リーマンショックの傷跡は今でも就職氷河期、それを背景に広がった非正規雇用の拡大、格差と貧困の定着という深刻な後遺症となって人々を苦しめています。 今回のインフレについて、それらの戦後の経済危機の集大成を意味するような、極めて深刻な経済的困難が発生している、そういう事態だと受け止めています。県は、そういった危機認識を持たれているのかどうか改めてお尋ねし、再質問といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)松岡総合企画部長。 〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 総合企画部長(松岡正憲君)ハイヤーに関する再質問にお答えします。 知事、副知事や議長、副議長等が公務で上京した際には、限られた時間内で効率的に業務を遂行する必要があること等から、移動に当たりハイヤーを借り上げて使用しています。 その車種については、東京事務所がこれまでの使用実績や地元で使用している車両の状況等を踏まえて、大型・中型を選択しており、他県でも大型車の使用例はあることから、大型車の使用自体が過剰な水準とは考えていません。 一方で、行政のあらゆる事務は様々な環境変化等も踏まえながら、業務遂行の効率性や経費節減等の観点から、不断の見直しに努めていくことが必要です。 東京における車両の使用に関しても、そうした観点に立って、これまでに公用車の保有をハイヤーの借り上げに変更してきたところであり、今後も適切に対応していく考えです。 次に、物価高騰に関する二点の再質問にまとめてお答えします。 このたびの物価高騰は、世界的な需要回復やウクライナ情勢等を受けた、原油をはじめとする原材料価格の高騰、円安など、様々な要因により起こっているものと考えています。 この物価高騰は、県民の皆様の暮らしや事業者の経営に大きな影響を与えていることから、県では、これまでも速やかに補正予算を編成し、対応してきたところです。 県としては、今後とも、経済情勢や国の動向等を十分に注視し、国の経済対策にもしっかり呼応しながら、適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発計画についての二点の再質問にお答えします。 まず、ボーリング調査の結果、原発本体の着工が可能との判断を行った後に、新たな埋立免許申請をしなければならないのではないかという御質問についてです。 要請は、公有水面埋立法の処分と切り離し、原発建設計画が存する県の知事という埋立免許権者とは別の立場から行ったものです。 このたびの延長申請については、埋立免許権者として、法令に従い厳正に審査したところ、正当な事由があり、許可要件を満たしていると認められたことから延長を許可したものであり、今後、竣功期限に向けてどのように対応するかは、事業者において判断されるべきものと考えております。 次に、一般海域占用許可の利害関係人を水面権者と限定する上で、公有水面埋立法を援用しながら、なぜ公有水面埋立法の利害関係人を無視するのかについてです。 一般海域の利用に関する条例は、公有水面埋立法とは法体系を別にしており、同条例による占用許可の取扱いについて、同法を援用しているものではありません。 一般海域の占用許可においては、利害関係人を、占用区域において、排他・独占的な権利である漁業権を有する者としていることから、自由漁業者や許可漁業者を利害関係人とは考えておらず、利害関係人を無視しているとの御指摘は当たりません。 議長(柳居俊学君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発問題に関する再質問にお答えいたします。 六分野二十一項目の知事意見におけます、権限の留保についてでございますが、ここで留保ということに対象にしております許認可につきましては、あくまでも法令の基準に沿って判断する必要があると考えております。 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 私は、一般海域の条例と公有水面埋立法は法体系を別にしていると、今、土木部長、いみじくもそうおっしゃいました。だとするなら、なぜ埋立てと公有水面埋立てを一緒に、ごった煮にできるのですか、この法的根拠を教えてくださいとお尋ねしました。これについて答弁がございませんでしたので、御答弁をお願いいたします。 農林水産部長は、所管が違うから関係ないとおっしゃいましたけれども、それで県民のための、県知事が許可権者ですので、県知事は土木建築部も…… 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君に申し上げます。 中嶋光雄君(続)農林水産もある、と思います。この点について再度お尋ねいたします。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発問題に関します再々質問にお答えします。 公有水面埋立法第十三条の二第一項において、正当な事由があると認められれば、期間の延長を許可することができると定められております。 海上ボーリング調査については、埋立工事により地層が乱される可能性があることから、地質データの確実な取得のためには、埋立工事に先立ってこれを実施しなければならないとの説明が事業者からなされました。 県としては、こうした事業者の説明に合理性があり、正当な事由があると認められたことから、今回の期間を合わせて延長の許可をしたものです。 議長(柳居俊学君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)上関原発問題についての再々質問についてお答えします。 農林水産部としては、漁業者、漁業振興を図る立場があるのに、これでいいのかというような趣旨の御質問であったかと思います。 質問の内容は、あくまでも一般海域内行為許可に係る利害関係人について、農林水産部としての見解をお伺いするということでございました。 当然、これは条例に基づいて処理されるべきものでございますので、それを所管する部局が判断されるものであり、農林水産部として見解を述べる立場にはないという答弁をさせていただいたものでございます。 以上でございます。