委員長報告
議長(柳居俊学君)文教警察委員長 髙瀬利也君。 〔文教警察委員長 髙瀬利也君登壇〕(拍手) 文教警察委員長(髙瀬利也君)文教警察委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第一号のうち本委員会所管分並びに議案第十六号、第二十号及び第二十三号の議案四件については、全員異議なく、いずれも可決すべきものと決定いたしました。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、教育関係では、 県立高校再編整備計画(案)について、 パブリックコメントではどのような意見があったのかとの質問に対し、 パブリックコメントでは、素案の内容を支持する意見がある一方、募集停止される学校の存続を求める意見も多く頂いた。具体的には、未来の高校生のために何が最善かを最重要視して検討すべきといった意見や、時間をかけて説明会等を実施するなど多くの意見を聞いた上で進めるべきといった要望や意見があったとの答弁がありました。 また、本県の将来を担う子供たちに質の高い教育を提供するため、不退転の決意でこの計画を進めるべきと考えるが、教育長の決意を伺うとの質問に対し、 母校の存続や小規模校の維持を求める声、地域への影響を懸念する声などの様々な声があることは承知しており、こうした地域の方々の思いは大変重く受け止めている。 県教委としても、地域の学校を残したいとの思いで、これまで学校の特色化や魅力化に努めてきたが、少子化の波は我々の想定を超える勢いで押し寄せてきており、今後の急激な生徒減少を踏まえると、新しい時代に対応した学校づくりを、今、積極的に進めなければ本県教育の未来はないとの強い危機感を持ち、不退転の覚悟で再編整備に取り組んでいるところである。 何よりも、本県の将来を担う子供たちに、より質の高い高校教育を提供できるよう、将来を見据えた第三期県立高校将来構想の方向性に沿って、子供たちのことを最優先に考え、県立高校の再編整備を推進してまいるとの答弁がありました。 次に、地域連携教育について、 やまぐち型社会連携教育の考え方や、具体的にどのような連携先とどういった取組を行うのかとの質問に対し、 やまぐち型社会連携教育とは、学習指導要領の社会に開かれた教育課程の理念の下、小中学校での地域連携教育で育まれた子供たちの資質・能力をさらに伸ばしていくために、地域の枠を超えて広く社会と連携し、各学校・学科の特色や専門性に応じた高校ならではの取組を支援するものである。 おおむね中学校区を一つのまとまりとした地域協育ネットと連携しながら、ICTも活用し、県外、海外を含めた大学や企業、関係機関等とテーマに応じた共同研究や国際交流を行うなど、探究学習や体験活動を展開していくこととしており、こうした多様な他者との協働的な学びが、子供たちの豊かな学びにつながると考えているとの答弁がありました。 このほか、 ○ 山口松風館高校における他機関と連携した取組について ○ 幼稚園等送迎バスの安全対策について ○ 教員の確保・資質向上について ○ デジタル教科書の導入について ○ 不登校・いじめ対策について ○ 発達障害のある子供の学習支援について ○ ヤングケアラーへの対応について ○ 学校跡地の利用について ○ 県立高校再編整備計画への地域意見の反映について ○ 非常勤講師等の労働条件について などの発言や要望がありました。 次に、警察関係では、 社会的な問題となっている児童虐待の防止対策について、 先月末に実施された児童相談所職員と警察官による合同訓練の概要について伺うとの質問に対し、 今回の訓練では、法医学的見地による、創傷等からの虐待の見分け方を中心とした座学講義を実施した上で、虐待が疑われる児童の家に立入調査等を行う想定のロールプレイング形式の訓練を行い、連携状況などを確認した。 今後も、児童の権利利益の擁護に資するという共通の目的の下、情報共有を徹底し、より一層、緊密な連携を図り、事案の危険性、緊急性を的確に判断してまいりたいとの答弁がありました。 次に、本年十月十五日に行われた県民葬儀における警察の要人警護や交通対策等について、 どのように総括しているのかとの質問に対し、 今回は、新しい警護要則に基づき警護計画を作成し、新たに定められた現場指揮官の設置による指揮体制の強化や、危険度を踏まえた警護員等の増強配置、事前の広報による安全かつ円滑な交通の確保など、県警察の総力を挙げて必要な対策を実施し、要人を含む参列者の安全と県民葬儀の円滑な進行を確保するという、所期の目的を達成できたと考えている。 来年には、G7広島サミットなどの大規模警備が予定されていることから、今回の検証結果を今後の措置にしっかりと反映し、より高度で効果的な諸対策を推進してまいるとの答弁がありました。 このほか、 ○ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社との包括連携協定の概要について ○ 交通死亡事故の抑止対策について ○ 横断歩行者の安全対策について ○ 雑踏事故の防止対策について ○ SNSに起因する犯罪の防止対策について ○ 技術情報流出防止などの経済安全保障対策について ○ 自転車利用者に対する交通指導取締りについて ○ 警察への苦情の対応について ○ 会計年度任用職員の処遇等について などの発言や要望がありました。 終わりに、請願について御報告申し上げます。 本委員会に付託された請願第二号及び第四号については、全員異議なく、採択すべきものと決定いたしました。 次に、請願第三号については、国は、特別支援学校の教室不足解消を図るため、集中取組期間において、施設整備に係る国庫補助率の引上げにより支援を強化しており、県においても、現在、集中取組期間内での教室不足解消に向け、必要な施設整備に取組中であるなどの意見があり、採決の結果、賛成少数により、不採択とすべきものと決定いたしました。 次に、請願第五号について、少人数学級の実現及び複式学級の解消については、財源措置が必要であり、県独自での実施は難しいとの意見、正規の教職員の増員については、国において働き方改革等の観点から、教職員定数の改善を図っているところであり、現時点では、その動向を注視すべきなどの意見、特別教室や体育館へのエアコン設置については、施設整備全体の課題や経常経費の負担増を踏まえ検討する必要があるとの意見があり、採決の結果、賛成少数により、不採択とすべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)