委員長報告
議長(柳居俊学君)決算特別委員長 森繁哲也君。 〔決算特別委員長 森繁哲也君登壇〕(拍手) 決算特別委員長(森繁哲也君)決算特別委員会を代表いたしまして、令和四年九月定例会において本委員会に付託されました、令和三年度電気事業会計及び工業用水道事業会計の利益の処分並びに令和三年度山口県歳入歳出諸決算並びに令和三年度電気事業会計、工業用水道事業会計及び流域下水道事業会計の決算に関し、議案の審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 審査に当たりましては、執行部に詳細な説明を求め、また、出先機関等の現地調査を実施するとともに、監査委員からは決算審査に関する意見を聴取した上で、予算の執行が適正かつ効率的に行われたか、また、住民福祉の向上にどのような成果を上げたかなどを主眼に、慎重な審査を重ねた結果、継続審査中の議案第十五号及び第十八号の議案二件については、賛成多数により、継続審査中の議案第十三号、第十四号、第十六号及び第十七号の議案四件については、全員異議なく、いずれも可決または認定すべきものと決定をいたしました。 まず、審査の過程のうち、一般会計の決算概要を申し上げます。 一般会計の決算は、 歳入が、八千三百六億三千四百九万円 歳出が、七千九百二十八億二千七百八十六万円 であり、前年度と比較して、歳入は四・四%、歳出は二・九%増加し、歳入、歳出ともに三年連続の増加となっています。 また、実質収支は、二百七十二億七千六十九万円の黒字となっております。 前年度と比較して、決算額が増減している主なものは、 まず、歳入では、原油価格の高騰等による輸入額の増加に伴い地方消費税が増加、また、新型コロナウイルス感染症の影響で企業収益が低下した前年度に比べ、製造業を中心とした企業収益が増加したことにより法人事業税が増加しております。 一方、歳出では、中小企業制度融資貸付金の減により商工費が、警察管理関係費の減により警察費が、ICT関連事業費の減により教育費等がそれぞれ減少したものの、新型コロナウイルス感染症対策関連事業により総務費及び衛生費が、また、地方消費税清算金や地方消費税交付金の増により諸支出金が、それぞれ増加しております。 次に、母子父子寡婦福祉資金など、十三の特別会計の決算は、 歳入が、三千六十四億六百七十五万円 歳出が、二千九百七十六億九千三百四十一万円 であり、実質収支は、八十七億千三百三十四万円の黒字となっております。 次に、審査の過程における発言のうち、主なものについて申し上げます。 まず、宿泊施設の高付加価値化等支援事業について、 コロナの時代における変化に対応するため、宿泊事業者等への積極的な支援を行っているが、従来の事業との違いや取組の成果について、また、ウイズコロナ時代の観光地づくりを推進していくための課題について伺うとの質問に対し、 新しい生活様式への対応や感染防止対策などの取組に加え、宿泊施設の高付加価値化等を図る前向きな設備投資も対象として、将来の事業展開を見据えた大規模改修への支援を行ったところである。 おおむね県内全域、百二の宿泊施設から申請を受け、露天風呂付客室への改修など、高付加価値化等を図る大型投資を幅広く支援し、コロナ禍で変化した、観光客の新しいニーズにも対応できる魅力ある観光地域づくりが着実に進んだ。 また、インバウンドや国内観光が回復していく中、宿泊施設だけでなく、観光地全体の付加価値を地域ぐるみで高める必要があることから、観光事業者等が連携した観光素材の磨き上げなどの取組に対して支援を行っていくとの答弁がありました。 次に、社会の様々な分野でデジタル化が進む中、建設産業における担い手不足の解消や建設現場での生産性の向上を目的とした、建設DX加速化事業の具体的な取組内容と成果、課題について伺うとの質問に対し、 測量・設計、施工、維持管理の各段階において、三次元モデルを積極的に活用することにより、建設現場の生産性向上を図るものである。 昨年度は、全国の三次元モデルの活用事例を調査するとともに、県内の建設業者及び測量設計業者の六十九社を対象に、三次元モデルの作成に係る実績、体制、課題や活用事例等の調査を実施し、事業の各段階における三次元モデルの具体的な活用の方法等を定めた活用方針を作成したところである。 この方針を基にガイドラインを作成し、三次元モデルの活用促進を図っていくことが重要であることから、まずは、測量・設計業務における効果や課題の検証を行っているとの答弁がありました。 これに関しては、 ○ AIによるインフラ点検・診断システム活用推進事業の取組状況と成果、課題について などの発言がありました。 このほか、一般会計及び特別会計全般では、 ○ 令和三年度決算の評価について ○ 不納欠損額の内容と解消について ○ 収入未済額の減少に向けた取組内容について ○ 内部統制制度における会計事務への取組について ○ 不適切事案に対する監査委員の認識等について ○ 行財政改革の一時凍結による影響について ○ 本県の社会経済回復に向けた取組に係る考え方について 総務・企画関係では、 ○ 新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の支給実績と効果について ○ ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業の実績と効果について ○ 県税収入の状況について ○ ふるさと納税の実績と返礼品の充実に向けた地元事業者との連携について ○ 個別避難計画の策定状況及び市町への策定支援について ○ やまぐちDX推進事業の事業構築の背景や成果、課題について ○ 地方創生テレワーク・ワーケーションの推進の狙いや取組の成果、課題について ○ 弥栄ダム未事業化分の事業化に向けた検討状況について ○ 山口発!水産インフラ輸出構想展開支援事業の課題と構想の進捗状況について ○ 新たなモビリティーサービスの調査・実証事業の実績や事業者からの評価及び課題について 環境・福祉関係では、 ○ 海洋ごみ対策の取組内容と成果、課題について ○ 野生鳥獣の捕獲対策の成果について ○ 不妊に悩む方への相談体制やコロナ禍により不妊治療の延長を余儀なくされた方への対応について ○ 新型コロナウイルスワクチンの接種体制や相談体制の整備について ○ つながりサポート事業についての取組と成果、課題について ○ ぶちエコやまぐちCO2削減加速化事業の内容と成果、改善点について ○ 看護業務指導管理費の取組内容について ○ 児童虐待相談対応件数の状況と児童相談所の体制について ○ 地域医療情報のデジタル化の取組について 商工・観光関係では、 ○ コロナ禍における県内経済の下支えと消費需要の喚起に向けた取組内容と成果について ○ 中小企業DX推進総合支援事業の取組内容と成果について ○ 越境EC活用推進事業の取組内容と成果について ○ 働き方の新しいスタイル推進事業の取組内容と成果について ○ 新型コロナウイルス感染症対応資金に係る信用保証について ○ やまぐち地域観光事業の取組内容と成果等について ○ スポーツツーリズム推進事業の取組内容と成果について ○ 秋吉台国際芸術村におけるアーティスト・イン・レジデンス事業について 農林水産関係では、 ○ 農林水産業における新規就業者の確保・定着促進対策の取組内容と成果について ○ やまぐち六次産業化・農商工連携推進事業の取組内容と実績について ○ 農林水産業におけるスマート技術導入に係る事業の取組内容と実績について ○ やまぐち森林づくり県民税事業の取組内容と成果及び周知方法について ○ 林道の開設状況と成果、課題について ○ 母船式捕鯨の母港化に向けた鯨肉消費拡大推進事業の取組内容と実績等について ○ 漁船リース事業の取組状況と実績について 土木建築関係では、 ○ 山陰道や下関北九州道路などの幹線道路網の整備について ○ 建設産業活性化推進事業の取組内容と成果について ○ 防災・減災対策の取組状況について ○ 高度なインフラ監視・点検の取組内容と成果、課題について ○ 民間建築物耐震改修等推進事業の取組内容と成果、課題について ○ 道路、橋梁、トンネルなどの維持管理費の状況等について ○ 河川整備計画策定後の事業の進捗状況について 教育・警察関係では、 ○ 山口松風館高校の設置の経緯及び現状と課題について ○ 幼児教育の推進に係る取組内容、課題について ○ ICTを活用した先進的教育推進事業に係る取組内容や効果、課題について ○ 山口県立図書館における電子図書館サービスの実績、課題について ○ 第三期県立高校将来構想策定における検討状況について ○ うそ電話詐欺未然防止推進事業の取組内容について ○ 交通安全県やまぐち推進事業の取組内容と成果について ○ サイバーセキュリティー対策事業の取組内容と成果について などの発言や要望がありました。 次に、企業会計の各事業の決算概要を申し上げます。 まず、電気事業では、発電設備の点検のために稼働日数が減り、電力料収入が減ったこと等により、純利益は、前年度と比べて三千百六十四万円減の二億六千三百二十四万円となっております。 次に、工業用水道事業では、島田川工業用水道の通年給水により給水収益は増となりましたが、減価償却等の費用の増により、純利益は前年度に比べて二千五十三万円減の八億五千百三十九万円となっております。 次に、流域下水道事業では、維持管理費や建設改良等の費用に対し、関係市町と協定に基づく市町負担金等の収入により、収支は十四億八千三百四十九万円で均衡しており、純利益は生じておりません。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、工業用水道事業について、 工業用水道施設の老朽化の現状及び老朽化対策の取組状況について伺うとの質問に対し、 企業局が管理している工業用水道施設のうち、管路については、約二百四十二キロメートルのうち約百二十七キロメートルが、また、導水路トンネルについては、約七十八キロメートルのうち約三十五キロメートルが法定耐用年数を経過している。 また、ダムや調整池についても、建設からおおむね二十年から四十年が経過している。 このため、周南地区において、菅野四号線バイパス事業や既設管路の効果的な施設設備を行うための劣化状況調査、宇部・山陽小野田地区においては、厚東川二期ルートバイパス管布設事業などに取り組むなど、施設の劣化状況を的確に把握するとともに、施設の健全度や重要度に応じて更新時期の最適化や事業費の平準化を図りながら、計画的に更新を進めている。引き続き、こうした老朽化対策や強靱化対策の取組を着実に進めてまいるとの答弁がありました。 このほか、企業局の経営全般では、 ○ 内部留保資金の状況について ○ 物価・燃料費高騰による経営への影響について 電気事業関係では、 ○ 平瀬発電所建設事業の進捗率について ○ 川上ダム地点水力発電所の計画概要と進捗状況について ○ 水力発電の普及啓発、取組状況について ○ 既設発電所のリパワリング、リニューアルの検討状況について 工業用水道事業関係では、 ○ 島田川工業用水道事業による節水緩和の効果について ○ 周南地区の工業用水の供給状況について ○ 未契約水、未稼働水の状況について 流域下水道事業関係では、 ○ 財務運営の在り方に関する検討状況について ○ 維持管理事業等の取組内容について などの発言や要望がありました。 以上が、審査の経過でありますが、執行部におかれましては、これらの意見、要望はもとより、審査の過程でありましたその他の発言にも十分留意されるとともに、監査委員の意見も踏まえて、なお一層、効率的な行財政運営に努められるよう要望いたします。 以上をもちまして、本委員会の審査の報告といたします。(拍手)