1 新型コロナウイルス感染症について 2 農業振興におけるチャンスについて 3 尊い二つの命からの教訓について 4 地域バランスの取れた平等な教育の提供について 5 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十九号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十九号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 皆様、お疲れさまです。県民の誇りを育む会、松浦多紋です。 まずもって、時間は経過をしてしまいましたが、七月八日、奈良の地におかれまして、凶弾によって御逝去されました安倍元首相に、心よりお悔やみ申し上げます。 混沌とした平成、令和の日本を卓越した政治手腕とリーダーシップの下、牽引いただきましたことに対し、感謝申し上げます。 先日行われました国葬こそ参列することはかないませんでしたが、七月十日、渋谷区の自宅におきまして拝顔させていただいた際、安らかに目を閉じていらっしゃったお顔の中ではありますが、まだまだやり残したことがあるという思いを感じたことが今でも思い出されます。 御功績をしのび、謹んで哀悼の意を表しますとともに、感謝を申し上げます。長い間、本当にありがとうございました。 さて、新型コロナウイルス感染症が確認され、あと三か月で三年になろうとしています。 四回目のワクチン接種や特効薬と言われる飲み薬も開発され、収束に向け一歩一歩ではありますが、前進している状況だと思います。亡くなられた多くの方へのお悔やみと罹患されている方々へのお見舞いを申し上げるとともに、長い期間目に見えないウイルスと対峙し、献身的に従事していただいている皆様に、改めて感謝申し上げます。 それでは、通告に従い、一般質問を始めさせていただきます。 まず、新型コロナウイルス感染症についてです。 私ごとではありますが、八月二十日、新型コロナウイルス感染症の陽性となり、十日間の療養となりました。また、遡ること約一か月前、濃厚接触者として五日間の自宅待機を強いられました。療養などに際し、保健所、医療関係者の皆様に感謝を申し上げる次第です。 七月、八月連続で新型コロナウイルス感染症に関する経験をしたことで、市民の方からの問合せにも幾分対応できるようになりましたが、経験して初めて新型コロナウイルス感染症に対する取組に対しての気づきや、県民の皆様にもっと寄り添える対策があるのではないかとの思いから、質問をさせていただきます。 まず、保健所の確実な運営についてです。 濃厚接触者となった場合、濃厚接触者検査受付窓口へ電話などをして検査キットを取り寄せなくてはなりません。 濃厚接触者は薬局等での無料検査を受けることができず、なかなかつながらない検査受付窓口に根気よく電話をかけ、何日か経過した後、やっと検査キットを受け取れる状況でした。 濃厚接触者ではない場合は薬局等での無料検査を受けることができましたが、より強く不安を感じている濃厚接触者のほうが検査を受けるタイミングが遅くなる状況は、感染拡大防止への取組に問題があると感じました。 今回の第七波のような大きな感染拡大はもうないことを願うばかりですが、専門家の方々が言われる、次の流行への備えも耳にしている状況です。 検査体制などにもっと人員を確保することができれば、よりスムーズな検査体制を構築でき、県民の皆様が感じる不安を和らげることが可能だと思います。 厚生労働省により、令和三年五月三十一日から適用されている新型コロナウイルス感染症に係る対応人材の確保に、Infectious disease Health Emergency Assistance Team、通称IHEAT(アイヒート)があります。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大とともに、保健所等に大きな業務負担が発生することが課題となっており、令和二年八月二十八日、新型コロナウイルス感染症対策本部において、新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組として、さらなる保健所体制の体制整備を目的に立ち上がっています。 登録者は、大学教員等で構成される公衆衛生等に関する関係学会、団体に所属する会員、保健師、管理栄養士等で構成される関係団体の会員、各都道府県が都道府県の関係団体や大学教員等から確保している支援協力者、主な専門職としては、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、管理栄養士等と並びます。 登録者数も、令和三年三月時点で三千名を超え、支援の準備は整っていると言って過言ではありません。 しかしながら、今回の第七波の感染拡大におきまして、山口県では職員の皆様の懸命な御努力においても、県民の皆様が安心して生活基盤が守れなかったと思います。 今後の感染拡大に備え、今回のようなことが起きないように、山口県におきましても、IHEATを活用し、感染拡大防止に努める必要があると強く思います。 そこでお尋ねいたします。厚生労働省が主導していますIHEATの取組を山口県においても活用し、県民の健康と安心を守るべきだと考えますが、県の御所見をお聞かせください。 次に、陽性者に対する山口県の今までの取組についてです。 私は、八月二十日からの新型コロナウイルス感染症の療養に、宿泊療養施設を使用させていただきました。そのときの気づきを質問させていただきます。 八月二十日、お昼前に陽性と診断され、表現に自信こそありませんが、いわゆる陽性者の手続をいたしました。 八月二十日の県内の陽性者数は二千八百三十五名、防府市は二百十三名、私自身の感染経路は分からず、保健所からのその後の連絡を待たせていただきました。 その後の連絡は、まず携帯にショートメールでMy HER─SYS、新型コロナ健康状態入力フォーム入力案内が入り、本人情報を入力、しばらくたってから保健所から電話が入り、療養に関しての打合せとなります。 翌日、宿泊療養施設へ保健所の車で送っていただきましたが、出発前に車内で必要事項の記入などし出発となりましたが、感染拡大防止のため、運転席側と後部座席はしっかりした養生で区切られた車両でした。 私は、自宅から療養施設まで近い場所でしたので、車内で過ごす時間も十五分程度だったと思いますが、運転席と助手席はエアコンがかかり、後部座席はエアコンを入れてもらえない状況でした。陽性翌日、発熱もあり、その車内の状況はいかがなものかと感じた次第です。 当然、移動時間を多く要する方、症状がもっと悪い方も中にはいらっしゃり、発熱している上、長時間あの暑い車内で過ごさなければいけない状況は改善すべきだと思いました。 二〇二〇年六月議会におきまして、ウイルス対策として空気中の浮遊菌を殺菌し、空気環境対策ができる紫外線照射装置を取り上げ、県民の命を守るための質問をさせていただきました。 その装置を車内に取り付けるなど対策をしていれば、陽性者の方を熱中症などから守る取組も可能だったと思われますし、何より陽性者を運んでいただく方の命も守れ、安心して業務についていただけたのではないかと、今さらながら考える次第です。 そこでお尋ねいたします。今まで、県では新型コロナウイルス感染症陽性者の移動に関し、どのような体制で行われていたのか、また、今後、そのような方の移動の際、特に夏場の暑い車内が想定される状況での移動をどのように行っていかれるのか、御所見をお聞かせください。 次は、宿泊療養施設の運営に対し、お伺いいたします。 私が利用させていただいた宿泊療養施設に、二十四時間体制で常駐していただいていた看護師の方をはじめとするスタッフ並びに関係者の皆様には、改めて感謝を申し上げる次第ですが、あえて苦言を申し上げ、これから宿泊療養施設を使用される皆様が、より安心して宿泊療養施設を利用することができればとの思いから、発言させていただきます。 それは、宿泊療養施設の衛生管理です。 入所翌日、ベッドの枕元を見ていると、結構たまっているほこりが気になり、モップの貸出しはありますかと伺いました。ないとのことでしたので、掃除機の貸出しはありますかと伺いましたが、かないませんでした。 人によって呼び名は異なると思いますが、粘着カーペットクリーナーなるものを貸していただきました。その後、モップは差し入れで入手でき、一時しのぎできましたが、入所直後ほどではありませんでしたが、すぐにほこりがたまってしまう状況でした。 貸し出してくださった粘着カーペットクリーナーもありましたので、早速、カーペットを、いわゆるころころしてみますと、今まではだしで室内を歩いていたことをなかったことにしたいくらい、いろいろなものが付着をします。改めて、掃除機の貸出しをお願いしましたが、やはりかないませんでした。結局、新品のカーペットクリーナーのほとんどを使い切るぐらい、カーペットをくるくるしていた次第です。 また、療養期間中、ごみを捨てに行った際、全身防護服をまとったスタッフの方を一度お見受けしました。多分ではありますが、部屋の切替えのため、使用されていた部屋を清掃されていたのだと思います。 しっかり防護服を着用され、窓など開けながら作業ができる環境であるのであれば、新型コロナウイルス感染症の代表的な症状であるせきの原因にもなるほこりなど、掃除機等を使用しての清掃もしくは入所者が自分で清掃できる道具を準備するなど、施設の衛生管理はしっかりすべきであると強く感じました。 また、部屋の窓は開きましたので、外を眺めることができました。ホテルの構造上、階下に屋根が見えましたので見ていると、たばこの吸い殻が捨ててあったり、空気の入替えで窓を開けている際、どこからかたばこの匂いが漂ってきたり、管理体制も疑問に思えた次第です。 そこでお尋ねいたします。衛生面をはじめとした管理体制はどのような契約をされていたのか、県として宿泊療養施設へのチェックをどのように行っていたのかお示しください。 また、今後、衛生面をはじめとした管理における対策はどのように取り組まれるのか、御所見をお示しください。 次に、農業振興におけるチャンスについてです。 二月二十四日から始まったロシアによるウクライナ侵攻により、貴い人命への被害はもちろん、石油価格高騰などの経済的なダメージは世界規模で起こっています。 両国は一次産品の主要なサプライヤーであり、世界全体の小麦の三〇%、トウモロコシや無機質肥料、天然ガスの二〇%、石油の一一%をその両国で占めています。 これから冬を迎える上で、ロシアの天然ガスや石油に関しては一刻を争う状況となってくる中で、山口県におきましては、原油価格・物価高騰対策関連事業に対し、約三十億円の補正予算を組まれていることは大変ありがたい取組だと思います。 さて、アメリカとカナダのプレーリー地帯、アルゼンチンのパンパと並び、ウクライナは世界三大穀物地帯と呼ばれるほど小麦の生産が多い地域でしたが、侵攻開始から数か月輸出ができない状況となっておりました。 八月に入り、輸出が再開されたとはいえ、輸出量は減少し、これからの生産量も戦禍の影響を受け激減すると言われています。 そのことに加え、喫緊の課題となっている円安も影響し、小麦などの高騰に歯止めが利かず、食料自給率の低い日本は食料品をはじめ、物価の高騰が続いています。 そのような経済環境の中、九月十五日の報道で、輸入小麦の高騰や品不足が続く中、セブンイレブンは秋以降に発売するカップうどんの原料を、全て国産小麦に切り替えるというニュースが報道されました。 その内容は、セブンイレブンは今月二十一日以降に発売するカップうどん二品目から原料の小麦を全て国産に切り替え、今後、地域ごとに限定発売するうどんに地元産の小麦を使用することを決めたそうです。 また、セブンイレブンでは、国産小麦に切り替えることで、仕入価格や品質の安定を図るとともに、地産地消にも力を入れたい考えだそうです。 その小麦ですが、二〇二一年の概算値では、輸入量は五百三十八万トン、国内産小麦は百十万トンとなっており、自給率は一七%となっております。 国内産小麦の生産は、圧倒的に北海道がリードしていますが、次に、福岡県、佐賀県と続き、山口県と気候も近いエリアが生産上位に位置しています。 ここ山口県では、令和元年が五千三百二十トン、令和二年が四千六百五十トン、令和三年は五千七百二十トンと、小麦の生産量が推移しています。 山口県におきましても、昭和三十六年、一九六一年には一万九千三百トン、ピークの翌年、昭和三十七年、一九六二年の一万九千八百トンが生産をされていました。 もちろん当時は専業農家の方が多く、農業を年間通じて行われており、作付面積も五倍以上有していました。山口市秋穂二島地区でのDXを活用したスマート農業などの取組や農家の皆様の御努力のおかげで、最近は小麦の生産も多くなり始め、作付面積当たりの生産量は、昭和のピーク時よりも格段に向上しています。 もっと作付面積を増やし、スマート農業を浸透させることが可能であれば、現在の農業を取り巻く環境を克服でき、画期的な増産も可能になるのではないでしょうか。 また、農林水産省では国産小麦産地生産性向上事業を立ち上げ、外国産小麦から国産小麦への切替えを推進するため、小麦の単収や品質の向上、生産拡大を支援する取組を今年の五月に発表されています。 地域農業再生協議会や農業者団体への支援として、一つ目に、団地化に向けた話合い等の支援、二つ目に、営農技術導入支援、三つ目に、機械・施設の導入支援、四つ目に、生産拡大支援、そして都道府県、市町村への支援として、麦の生産拡大の推進に必要な実需者との意見交換会の開催、技術指導マニュアルの作成等を支援などが組み込まれています。 休耕田や耕作放棄地など多くの課題を抱える本県にとって、早急にこの事業に対し取組を開始し、小麦の生産にもっと力を入れ取り組んでいくことは、ウクライナ侵攻や円安などに始まる、不安定な小麦の価格などによる食品関連企業の国産小麦に対する需要に対して、他県との地域間競争に打ち勝て、差別化にもつながると思います。 また、そのことは農業の発展に大きく寄与し、農業に対しての新規就業者数のさらなる増加につながると思います。 既に、かじを切り始めている企業の国産小麦に対する取組、これから国産小麦の需要が増えるであろう環境に対して、農林水産省が行う事業などを山口県主導の下、確実に進めることこそ広い意味での県益につながり、農業振興へのチャンスであると考えます。 このチャンスをものにできれば、白い粉も令和の防長三白として山口県の農業の屋台骨になると思います。 そこでお尋ねいたします。県内産小麦増産に向けた山口県の今後の取組について、具体的な目標を持った御所見をお聞かせください。 次に、貴い二つの命からの教訓についてです。 今月四日、富山県氷見市沖合で見つかった子供とみられる遺体は、八月二十日から行方不明になっていた高岡市の二歳の男の子と確認されました。高岡市で行方不明となった男の子は、自宅周辺の増水した用水路に転落して、海まで流された可能性があるとして調査されています。 また、五日には、静岡県牧之原市の認定こども園川崎幼稚園で、送迎バスに三歳の女の子が置き去りにされ、死亡するという痛ましい事故の報道がありました。 昨年、令和三年七月二十九日にも、福岡県内におきまして同様の事故が発生しており、発生してからわずかな期間で同様の事故が発生したことに憤りを感じました。 輝かしい未来に向け育っている、幼い子供の命が失われるという悲惨な事故だったと思います。改めて御冥福をお祈りいたします。 まず、河川や農業用水路の安全確保についてお伺いいたします。 先日の台風十四号では、県内の河川も危険水位を超え危険な状態となりましたことは、記憶に新しいところでございます。 私は、議会におきまして、河川の適切な管理について質問等してまいりましたが、安全面の管理については取り上げることがありませんでした。台風後に議会で取り上げた河川の水位などは確認に出向きましたが、しゅんせつ等行っていただいたこともあり、安全に流れていました。 このことに関しましては、御礼を申し上げる次第ですが、安全面から見ますと、河川には容易に立ち入れる状況となっており、子供だけではなく、全ての方に危険な状態であると感じた次第です。 全てに安全対策をすることは困難なのかもしれませんが、住宅街を流れる河川や農業用水路に立入りをしづらくするガードレールなどを設置することで、住宅街の幼児、通学時の子供、高齢者の方を守ることができないか感じた次第です。 そこでまずお伺いいたします。県が管理されている住宅街近くや幼稚園や保育園、小学校近くの河川と農業用水路などの安全管理についての取組、近隣住民の方々の生活を脅かす喫緊の課題に対し、どのように取り組まれるのか、県の御所見をお聞かせください。 次に、スクールバスの安全確保についてお伺いいたします。 山口県内には、公立私立合わせ二百六十九か所の保育所、公立私立合わせ三十一園の幼保連携型認定こども園、管轄はこども政策課、公立幼稚園が二十二園、管轄は義務教育課、私立幼稚園が百十五園、管轄は学事文書課となっております。それぞれの担当がつかれ、業務に当たっていただいております。 保育所におきましては、送迎バスを運行している割合は少なく、幼稚園に関しては、送迎バスを運行している割合が多いと承知しております。先にも述べましたとおり、送迎バスによる置き去りによる熱中症事故により、幼い命が奪われました。 九月とはいえ、車内温度はかなりのものだったと容易に予想できます。また、厳冬の地での車内への置き去りは、凍死なども起こる可能性も否めません。 一般の車内に取り置きにされて、熱中症などで死亡する報道は耳にすることがあり、当然ながら看過することはできませんが、子供を安全に預かることが第一の目的にされているであろう施設での事故は、二度と同じことが繰り返されないことを願うばかりです。 県立の公立私立問わず、保育所、幼稚園における送迎バスの運行における安全確保はどのように指導されているのか、多くの保護者が心配されていらっしゃることと思います。 その後の対策などで取り残された場合、クラクションを鳴らせるように指導することやブザーを押すなどの指導をされていると伺いました。果たして、パニック状態になった子供が冷静にそのような行動を取れるのか疑問に感じます。 静岡県の事故は、いつもの運転手がおらず、代理で理事長が運転をし、確認不足で事故を招いたとのことでしたが、送迎バスの運行基準、いわゆるガイドラインの作成は、事故を受けこれから策定していくとのことです。 鳥取県では、昨年七月の福岡県の事故を受け、昨年十二月の時点で、鳥取県子育て・人財局子育て王国課によって、鳥取県版教育・保育施設等における児童の車両送迎に係る安全管理ガイドラインをつくられ、事故の再発防止に取り組んでおられます。 山口県におかれましても、送迎バス運行などの聞き取り調査などは行われておられると思われますが、このような事故の再発を防ぐため、共通の安全管理ガイドラインの作成をするべきだと要望、提言させていただきます。 そこでお尋ねいたします。輝かしい未来のある子供たちを守るため、山口県版送迎バス運行安全管理ガイドラインのようなマニュアルを早急に作成し、安全管理を徹底すべきだと思いますが、県の御所見をお聞かせください。 最後に、地域バランスの取れた平等な教育の提供についてです。 県教委が進めています、県立高校の再編整備計画の新たな中高一貫校の設置に、岩国、下関の二つの県立高校に中学校を併設する案が盛り込まれることを報道で伺いました。 既に、県東部と西部の両エリアには、周辺に県立周防大島高が一貫校と指定され、また併設型で平成十五年に県立高森みどり中学校、県立高森高等学校、そして平成十六年に県立下関中等教育学校の三校があると認識しております。 私は、令和二年十一月議会中の文教警察委員会内で、進学を目的に県境の子供たちはもちろん、設置場所から離れた場所に居住し、県立の中高一貫校で学びたいという志を持っている将来の子供たちのためにもチャンスを与えていただける取組こそ、少子化が進行している山口県において、子供の県外流出抑制につながると思い、県立の中高一貫校の設置を県央やその他の地域にない状況など、検討していただけるのかと伺いました。 高校教育課長から、県外流出の状況とか、また地域のバランスとか、いろいろな観点から検討して、今後の方向性を考えていきたいと御答弁頂きました。 あの委員会でおっしゃられていた地域のバランスを考えると、現状で偏った中高一貫校設置状況をさらに偏りを持たす状況になってしまうのではないでしょうか。 平等な教育を受けられない環境を子供たちに与えてしまう状況を回避することはできないでしょうか。ただでさえ、高校再編の動きで県央地区の防府高校佐波分校の募集をやめられ、学ぶ場所を奪われている次第です。 地域バランスを考慮しますと、県央の地域こそ県立の中高一貫校の設置が必要だと思います。せめて将来の山口県を担う子供たちには、平等に学びの機会を与えていただきたいと切に願う次第です。 そこでお尋ねいたします。未来の山口県を担う子供たちに、平等に学べる機会を与えていただきたいと思います。県立の中高一貫校の新たな設置について、地域のバランスの考慮したをどのようにお考えになられているのか、県教委の御所見をお聞かせください。 以上で、一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)松浦議員の御質問のうち、私からは農業振興におけるチャンスについてのお尋ねにお答えします。 農地の八割を水田が占める本県において、小麦は水稲の裏作栽培が可能である上、水稲用の機械が共通利用できることなどから、水田農業を展開する経営体にとって重要な作物となっています。 このため、私は、これまで集落営農法人を中心に、栽培技術の向上支援や機械化による低コスト・省力化栽培の普及等を進め、小麦の生産体制の確立に取り組んできたところです。 また、小麦は需要予測等に基づき、生産量が決定される作物であることから、学校給食用のパンにおける利用拡大など、製粉業者等とも連携しながら事業拡大対策を進めてまいりました。 その結果、平成十年には七百トンまで減少した生産量が、昨年は県の目標を超える五千七百トンまで増加してきたところです。 こうした中、輸入小麦の価格高騰等を背景に、国産小麦への切替えの動きが加速化をしており、そのニーズも高まっています。 このため、私は、県産小麦の増産に向け、製粉業者等が求める品種の導入を進めるとともに、高品質な小麦の安定供給に向けた生産体制の強化を図ることとしています。 まず、品種の導入については、要望が高まっている麺用の品種を対象に、国の事業も活用しながら、現地での適応性を確認した上で進めることとしています。 また、生産体制の強化については、本県の小麦生産の約八割を占めるパン用品種せときららの品質向上に向け、栽培管理の徹底等を図ります。 具体的には、衛星画像解析による生育診断やAIによる穂数計測技術など、本県独自のデジタル技術を活用した栽培モデルを今年度構築し、全県に波及することとしています。 なお、お示しの具体的な目標については、やまぐち未来維新プランの素案において、小麦を含む戦略作物の作付面積を成果指標に掲げ、生産拡大に取り組むこととしています。 私は、このたびの県産小麦の需要の高まりをチャンスとして捉え、JA等の関係団体と連携しながら、小麦の品質向上と増産を進めることにより、本県の農業振興にしっかりと取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナウイルス感染症についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、保健所の確実な運営についてです。 お示しのIHEATについては、保健所業務が逼迫した際に、疫学調査を中心とした業務を支援するため、全国の関係学会、団体等を通じて募集した外部の専門職です。 本県では、感染の拡大期においても、保健所業務がしっかりと維持できるよう、県内の市町や県看護協会、医療機関等と協定を締結するなど、協力体制を確保しているところです。 こうした体制の下、このたびの第七波では、これまで延べ約八百名の専門職に御協力を頂き、IHEATに依頼することなく、疫学調査や健康観察、療養先の調整など、適切に保健所業務は実施できているものと考えています。 県としては、県民の健康と安全を守るためには、まずは県内の状況を熟知し、日頃から顔の見える関係を築いている関係機関との連携が重要であると考えており、その体制の下で感染症対策に取り組んでまいります。 次に、陽性者の医療機関等への移動に関する取組についてですが、本県では、国の基準に基づき、車内で感染が広がらないよう、窓を開放しながらエアコンを使用するなど、十分換気を行い、陽性者の体調にも配慮した上で実施しているところです。 次に、宿泊療養施設の運営についてです。 まず、衛生面をはじめとした管理体制については、国が定めた清掃・管理基準に基づき、委託業者と契約を締結するとともに、県看護協会の協力の下、施設ごとに看護師を配置し、専門的知見に基づく感染防止対策を講じているところです。 次に、チェック体制については、委託業者から毎日業務報告を受けるとともに、適宜、関係者によるミーティングを開催しています。 次に、今後の衛生面をはじめとした管理対策についてです。 施設の管理に当たっては、防護服を着用するなど、厳しい勤務環境の下、職員は感染対策を講じながら献身的な作業を行っており、利用者からは多くの感謝の言葉を頂いています。 県としては、これまで関係機関と連携し、宿泊療養施設の適正な管理を行ってきたと考えており、今後とも、感染した方が安心して利用できるよう努めてまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)貴い二つの命からの教訓についてのお尋ねのうち、河川や農業用水路の安全確保についてお答えします。 河川は公共の利益や他人の活動を妨げない限り、原則として、誰もが自由に立ち入ることができるものです。 このため、県では、一般的には河川内の立入りを防止するための柵等は設置していませんが、河川公園など、水辺で遊んだりくつろいだりすることのできる施設には、注意喚起の看板の設置等を行い、利用者の安全が確保されるよう努めているところです。 また、河川堤防等が道路と兼用となっている場合で、交通安全上必要なときは、その道路管理者がガードレールなどを設置しています。 このほか、県では、学校での出前講座やホームページ等により、水難事故の防止に向けた啓発活動にも取り組んでいるところです。 一方、農業用水路は、市町や土地改良区等が管理する施設であり、県で管理するものではありません。 しかしながら、県民の安全を守る観点から、管理者に対し、手引による啓発や転落防止柵等の整備に係る事業制度の周知などを行っているところです。県としては、引き続き、河川や農業用水路の安全確保のため、こうした取組を行ってまいります。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)貴い二つの命からの教訓に関する御質問のうち、スクールバスの安全確保についてのお尋ねにお答えします。 お示しのように、先般、静岡県の認定こども園において、送迎バスに置き去りにされた園児が亡くなるという、大変痛ましい事案が発生したところです。 県としましては、事案の重大性に鑑み、こうしたことが二度と生じないよう、バス送迎に当たっての安全管理の徹底を図ることが必要と考えています。 このため、今回の事故を受け、直ちに全ての幼稚園等に対して、文書による注意喚起を県独自に行うとともに、国の通知に基づき、安全管理が適切に実施されているか緊急点検を実施したところであり、今後、その結果を踏まえ、実地調査も行うこととしています。 お尋ねのガイドラインの策定に関しては、現在、国の関係府省会議において、バス送迎に当たっての安全管理に関する検討が進められているところであり、安全管理マニュアルの整備を含め、具体的な緊急対応策が十月中に取りまとめられることとされています。 県としましては、こうした国の動向等を踏まえ、幼稚園等における安全対策の強化に向けて適切に対応してまいります。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)地域バランスの取れた平等な教育の提供についてのお尋ねにお答えします。 県教委では、本年三月に、第三期県立高校将来構想を策定したところであり、その中で、児童生徒や保護者、地域、社会のニーズ等を考慮しながら、中高一貫教育校の設置などを検討することとしています。 現在策定中の実施計画では、特に、県境の地域において多くの児童生徒が勉学を目的として県外の中学校や高校に進学している状況があることから、岩国、下関地域への新たな中高一貫教育校の設置について検討しているところです。 県教委といたしましては、引き続き、第三期県立高校将来構想の方向性に沿って高校改革に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 失礼いたします。再質問をさせていただきたいというふうに思います。 先ほど、教育委員会、県教委の方からお答えを頂きました、県境地区での中高一貫校へのニーズがということを、おっしゃられたというふうに認識をしております。 確かに、令和三年三月状態での県外進学者数は県全体で三百八十四人、そして、うち山口・防府地区からは六十九名の人間が県外の進学をしております。 また、中学校の進学状況に関しては、県外に進学したものが百五十六名、うち山口・防府地区は二十四人もいるという形となっており、決して県境だけのニーズとは限っていないというふうに思います。 実際、県央地区へのニーズ等はどのように確認をされていらっしゃるのか、お尋ねをさせていただきたいのと、見えないニーズを見つけることこそ、県教委としての仕事というふうに思われます。 そのような見えないニーズに対して、どのような対策をしていかれるのか、再度お伺いをさせていただきたいと思います。 以上でございます。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)再質問にお答えしたいと思います。 まず一つは、防府市、山口市から中学校卒業段階あるいは小学校卒業段階で、県外に流出しているという状況があるということを踏まえて、どのように確認されているのか、また、見えないニーズを把握される必要があるのではないかというお尋ねであったかと思います。 確認方法につきましては、県教育委員会から各市町教育委員会を通じて、子供たちの進学の状況について確認をしたところであります。 それから、見えないニーズを把握するというのはなかなか難しいことでありますけども、様々なことから、様々な関係者から御意見を聞くなどして、より的確に保護者あるいは子供たちのニーズを把握してまいりたいと考えています。