1 看護人材の確保対策について 2 行政サービスの向上に向けたデータ活用の推進について 3 食の安心・安全の確保について 4 出生時育児休業制度創設を契機とした働き方改革の推進について 5 いじめ対策について 6 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十九号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十九号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において順次発言を許します。 森繁哲也君。 〔森繁哲也君登壇〕(拍手) 森繁哲也君 皆様、おはようございます。今議会も登壇の機会を頂き、柳居議長をはじめ議員諸兄の皆様に感謝を申し上げます。 それでは、早速、通告に従い一般質問をさせていただきます。 初めに、看護人材の確保対策についてお尋ねします。 近年、医療業界では、看護人材の不足が問題となっています。特に、コロナ禍においては、日常の業務に加え、ワクチン接種や感染症対策の対応をしなければならないことから、病院等で働く看護師、看護助手の皆様の中には、人手不足で忙しさを感じている方々も多いのではないかと思われます。 日本は、超高齢化社会に突入してなお高齢者の人口増加が進んでおり、看護人材の需要はますます高まり、一方で少子化の進行に伴い看護人材養成者数の減少も懸念をされ、今後ますます看護人材の不足が拡大をすることが予想をされています。 また、看護人材の不足には、高い離職率が主な原因と言われています。看護師等の業務は、不規則な勤務形態や業務量の過多、医療技術の高度化など、実際に働き出してみないと分からない大変さも多く、人材不足の現状とも複雑に絡み合い、離職につながっているものと思われます。 そして、冒頭に述べましたように、コロナ禍の影響により医療需要が爆発的に拡大する中、人材が不足をし、それにより看護師等の業務負担が増えたことで、看護師の離職が増加をしたと言われています。 実際に私が運営に携わっている病院においても、コロナ禍において以前より離職者が多くなったという現実も見ております。 このような人材不足の状況が続くと医療ミスが発生しやすくなることや、また看護師のキャリア養成が難しくなるという弊害が生じ、何より一人当たりの負担が大きくなり、さらに離職を招く悪循環が生まれやすい状況を招いてしまいます。 看護人材の不足は、私たち県民の命と健康を守る医療提供体制そのものに支障を来す重要な課題であり、決して他人ごとではなく、しっかりとその対策に取り組んでいかなければなりません。 そこで現在、国においては養成促進、復職支援、離職防止・定着促進を中心に看護人材不足への対策が実施をされており、本県においてもこれら三つの視点で充実した対策を講じていることは承知をしておりますが、その中でも特に力を入れるべきは潜在看護師の復職支援と離職防止・定着促進だと私は考えています。 復職支援について、潜在看護師は有資格者の三割を占めると言われており、少子化により短期的な供給増が見込めない中、即戦力となる潜在看護師は、人材確保の面でも切り札になると言えます。 また離職防止・定着促進については、勤務環境の改善が一番の課題とされています。勤務形態や福利厚生など、現場の裁量が大きくなることから、現場への直接的な支援が難しいところではありますが、現在、県が開設をしている医療勤務環境改善支援センターを核とした専門家による支援を充実させることで、看護師の離職を防ぎ、定着率の増加につながっていくものと思います。 そして、これらを含め看護人材確保の諸施策を進めていく上で特に重要なのは、県の支援策が真に現場のニーズに合致しているかどうかの分析・検証と考えます。 現場のニーズに合致していない支援策は、やはり現場において効果が感じられないものとなります。 県におかれましては、現場で働く看護師や看護人材を欲している医療現場の声にしっかりと耳を傾け、より効果的な支援策を引き続き展開していっていただきたいと思います。 そこでお尋ねします。看護人材の不足は、コロナ禍によりさらに拍車がかかっています。県では、看護人材の確保対策に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、行政サービスの向上に向けたデータ活用の推進についてお尋ねいたします。 県では知事が先頭に立って、新たな未来を目指し、やまぐちデジタル改革に基づく取組を積極的に展開をされています。 このたび示された、やまぐち未来維新プランの素案においても、デジタルを県づくりの推進を図る上での視点にしっかりと位置づけ、デジタル改革をさらに加速化していくとされています。 これからの社会においてデジタルの活用は必須であり、さらなる取組を期待しておりますが、私がこれからより力を入れるべき重要なテーマの一つだと考えるのがデータの活用です。 様々な物がネットワークでつながるデジタル社会では、データが新たな石油と言われるように、データは新たな価値の源泉であり、GAFAと呼ばれる巨大IT企業が優れたサービスを提供できるのも、データを持ち、それを効果的に活用しているからであります。 これからのデジタル社会においては、行政や産業など様々な分野でデータを生かして生み出されるサービスが、人々の暮らしをより豊かで便利なものとすることが期待されており、本県においても、データの利活用に積極的に取り組む必要があると考えます。 こうしたデータ活用の身近な事例としては、先般、テレビの特集でも取り上げられましたが、県警察が県のデータカタログサイトに不審者情報や交通死亡事故・人身事故のデータを提供し、これが地図上でも確認できるようになった事例があります。 県民の関心の高いデータということもあり、サイトへのアクセス数も増加したと伺っております。 データが県民の安心・安全の確保に生かされるという非常によい事例だと思いますので、こうした取組をさらに進めていただきたいと考えております。 そのためにも、まずは行政が所有する様々なデータを誰もが使える形で公開をする、いわゆるオープンデータ化の取組を市町と連携をして着実に進めていただきたいと思います。そうして、このオープンデータが様々な課題の解決や、新たな行政サービスの構築へとつながるように取り組んでいただきたいのです。 また、データの効果的な活用を図るためには、それを分析・活用できる人材を育成することも重要です。 EBPMというエビデンスイコール根拠、言い換えれば、データに基づく政策立案の重要性が掲げられて久しいですが、いまだ取組は十分とは言えません。 県民のニーズに基づく政策を立案するためには、それを捉えるためのデータの収集や分析が重要であり、効果的な取組を構築するためにも、県、そして市町も含めてデータを活用できる人材をしっかりと育成していただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。やまぐちデジタル改革により、県民が求める便利で豊かに暮らすことのできるデジタル社会の実現をするために、データを生かすことが非常に重要なテーマとなると考えますが、県は今後、行政サービスの向上に向けたデータ活用の推進にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、食の安心・安全の確保についてお尋ねします。 食は人の天なり、これは今から千五百年前の唐の時代の皇帝、太宗の言葉で、食べることは、人々の全ての活動を支える最も大切なものという意味です。 言うまでもなく、食は私たちが健康で豊かな生活を送る上で必要不可欠なものですので、食べることに起因する健康への危害を防ぐことは、私たちの暮らしにおいて極めて重要な課題です。 また、食を提供する事業者にとっても、食中毒やアレルギー事故を起こせば、お客の命に関わるだけでなく、自身の信用問題にもつながりますので、日頃から食の安心・安全に取り組むことは何よりも重要です。 こうした中、食品衛生法の改正により、昨年六月から飲食店や喫茶店、弁当や総菜の製造施設、学校・病院の給食施設など、原則として全ての食品事業者に対してHACCPの導入が義務化をされました。 HACCPは、本来、宇宙食などの食品の安全性を保つという目的の下、NASAで生み出された考え方で、食品を製造するための原材料の搬入から製造、梱包、出荷までの全工程を監視をしていこうというものです。 この手法では、各工程で生じる食品汚染のリスクポイントを特定し、そのリスクを回避するために、科学的に分析した根拠に基づいて、全工程を網羅的に監視しますので、これまでの一部の食品を抜き取って検査をする手法と比べ、格段に高い精度で衛生管理ができるとされています。 法改正以降、HACCPの導入に向けては、県の熱心な指導や助言等の導入促進策に加え、各事業者団体ではマニュアルを作成するなど、全力でその導入を進められたことを承知をしています。 しかしながら、多くの中小事業者にとってHACCPは初めて取り組む手法であったために、コロナ禍の影響で対応が遅れぎみであった飲食店などにとっては負担が大きく、導入後も運用に課題を抱える事業者が多くありますので、今後も飲食店等の小規模な事業者への継続的な支援が必要となっています。 また他方、消費者の立場から食の安心について考えてみますと、自分の口にする食品の安全が守られていることへの信頼、そして、食品の安全を守ろうとする食品事業者や行政への信頼を確保していくことが非常に重要です。 リスクをゼロにしてほしいという消費者の理想と、リスクをゼロにすることは不可能であるという事業者の現実のギャップを解消するためには、企業や行政等が消費者と互いに顔を合わせて意見交換等を行い、食に対する相互の理解を深めていくリスクコミュニケーションが欠かせませんが、この点についてもコロナ禍の影響を大きく受けて、思うように実施ができていないと伺っています。 現在、県では、本年が最終年度となっている食の安心・安全推進基本計画の改定作業を行っているとのことですが、様々な課題を克服し、人々の全ての活動を支える食をより安全で安心なものとするためには、行政が消費者や食品関連事業者など幅広い関係者と連携しながら取組を進めていかなければなりません。 そこでお尋ねします。食の安心・安全の確保に向け、県は今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、出生時育児休業制度創設を契機とした働き方改革の推進についてお尋ねをいたします。 男性の育休取得を促す取組は、これまでも積極的に進めてこられたところです。夫婦が共に育児休業を取得する場合、特例として一歳二か月まで延長できるパパ・ママ育休プラスなど、制度の改善・改革も重ねられてきました。 これまでの取組により、男性の育児休業取得率は上昇してきており、厚生労働省の調査によると、二○二一年度には一三・九七%と過去最高を更新し、九年連続で前年比プラスの結果となっています。 しかしながら、女性の取得率八五・一%に対しては引き続き大きな差があり、また三年後の二○二五年の政府目標は三○%とされていますので、取組を加速させなければならない状況です。 こうした中、男性の育休取得促進につながる新たな制度、出生時育児休業、通称産後パパ育休が来月から実施されます。 この制度は子供の出生直後の時期における柔軟な育児休業取得を可能とするもので、本年四月からは育児休業を取得しやすい雇用環境の整備、労働者本人に対する周知や意向確認の義務化など、制度開始に向けた取組も段階的に進められています。 今後は、この制度の浸透を図らなければなりませんが、その際、重要なのは、男性の育児休業取得を単なる男性の休み方の問題として捉えるのではなく、働き方を見直すきっかけ、働き方改革の取組そのものと捉えて進めることだと考えます。 これまでの働き方改革の取組は、女性の働き方を視点に進められることが多いように感じていますが、今後は男性の育児休業取得の促進という視点を通じ、休みにくく長時間勤務になりやすい男性を中心とする職場の働き方の見直しを行うべきであり、そうすることにより男女ともに職業生活と家庭生活の両立を目指す取組が進むのではないでしょうか。 また、育児休業を取得した男性の会社への好感度、会社への帰属意識も高まると言われていることから、人手不足が深刻化する企業の人材確保にもつながり、加えて男性が育児休業期間において育児や家事に取り組むことは、育児休業が終了した後の育児等への参画の継続にもつながることから、コロナ禍でさらに拍車のかかった少子化克服の一助ともなります。 県においては、こうした制度の積極的な導入に取り組む魅力ある企業をより多く創出できるよう、国や関係機関と連携し取り組んでいただきたいと考えます。 また、男性の育休取得促進における職場環境の整備という点では、新型コロナウイルス感染症の拡大により進む仕事のプロセスの見直しやオンラインへの移行など、新しい働き方に向けた取組も重要な要素であり、こうした面での取組もしっかりと進めていただきたいと考えます。 そこでお尋ねします。産後パパ育休制度の創設を一つの契機として、働き方改革の取組をより一層進めることが必要だと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 最後に、いじめ対策についてお尋ねいたします。 本年三月、周南市で二○一六年七月に県立高校の男子生徒が自死された事案について、御遺族と県の間で調停が成立をしました。 また、この七月には、男子生徒が通っていた高校を継承した県立高校において、御遺族や関係者により、男子生徒の冥福を祈るとともに、再発防止の願いを込めて献花が行われました。 このような事件は二度と起きてはいけないし、決して起こしてはいけないと、その場にいる全員が強く心に誓ったのではないかと思います。 しかし残念ながら、日々新聞やテレビなどでは、いじめに関する報道がやむことはありません。 昨年発表された文科省の調査では、令和二年度における全国のいじめ認知件数は、新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、前年から減少したものの、いまだ五十二万件近い数値となっています。 本県においても、認知件数は全国と同様に前年と比べると減少したものの、特に中学・高校では、生徒千人当たりの認知率は全国を上回る数値となっているのです。 実際に私も、昨年からある県立高校の生徒と保護者から、心ない言葉や態度によるいじめの相談を受けたところであり、この問題はいまだ解決に至っておりません。 先ほど申し上げた県立高校の生徒が亡くなるという大変痛ましい事案を受け、全県を挙げて再発防止に臨まなくてはならない本県において、新たないじめが表面化し問題となっているのは非常に残念なことですし、早期の解決を願うばかりです。 これまでも学校現場の教員をはじめ多くの関係者が、いじめの根絶に向けて取り組んでおられると思いますが、やはりいじめは容易になくなるものではありません。 学校現場においては、いじめはいつでも起こり得ると強く認識し、未然防止、早期発見に向けて子供たちが発する小さなサインを見逃すことのないよう、アンテナを高くして、子供たち一人一人にきめ細かに接していかなければなりません。 また、いじめが起きた場合、解決に向けて早期に対応する必要がありますが、そのためには、いじめを受けている子供はもちろんのこと、周囲の子供や関係する子供であっても、教員等に相談等をしやすい環境をつくるとともに、外部の関係機関も含めて組織的に対応できる体制を整備していくことも求められます。 県教委には、いじめは根絶しなければならないという強い決意の下、関係機関とも連携・協力し、不断の努力をもっていじめ対策に取り組んでいただきたいと思うのです。 そこでお尋ねします。コロナ禍においてもなくなることがない、学校において取組を続けていかなければならない課題であるいじめの未然防止、早期解決に向けて県教委としてどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いをいたします。 以上で、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)森繁議員の御質問のうち、私からは、行政サービスの向上に向けたデータ活用の推進についてのお尋ねにお答えします。 デジタル化の進展に伴い、飛躍的にその量と種類が増大しているデータを生かし、これまでにない新たな製品やサービスが次々と生み出されており、デジタル社会の実現に向けて、その礎であるデータの重要性が非常に高まっています。 このため私は、データの利活用の推進を、やまぐちデジタル改革の重要な取組の一つに位置づけ、そのための環境整備やデータによる課題解決に向けた取組などを展開するとともに、データ活用人材の育成も積極的に進めています。 まず、環境整備に向けては、行政が最大のデータ保有者であることから、その保有データを企業や市民等が自由に使えるようにするオープンデータ化を県全体で推進するため、県がデータ形式等を定めたマニュアルを策定し、県警本部や市町等とも連携をして、オープンデータの拡充を図っています。 また、データによる課題解決に向けては、やまぐちDX推進拠点「Y─BASE」において、データ分析を通じて課題を発見し、新たな行政サービス等を創出する取組を推進し、周南市のデータを生かした野犬対策等の成果が生まれており、今後もこうした取組への支援に力を入れていきます。 さらに、本県のスマートシティの実現等も視野に入れた、データ連携による住民サービスの構築を目指す官民連携ワークショップの開催など、データ活用による地域課題の解決や新たな価値創造を図る取組を様々な形で進めます。 次に、データ活用人材の育成に向けては、大学との連携によるデータサイエンス専門講座など多様な取組を実施しており、行政職員については、お示しの客観的な証拠、すなわちデータに基づき政策を企画立案するEBPMの実践人材の育成などに取り組んでいきます。 具体的には、地域の現状や課題を明確化するためのデータ分析・可視化ツールの習得セミナーや検診予約等のサービス構築に向けて、データ収集からアプリ試作までを実践的に学ぶデータアカデミーの開催など様々な取組を進めます。 こうした中、国においては、デジタル田園都市国家構想の推進に当たり、心豊かな暮らしを意味するウエルビーイングという新たな視点を重視し、その達成状況を様々なデータを用いて把握していくこととしています。 本県もこれに即応するため、今月、ウエルビーイングへの理解を深め、多様なデータからなる評価指標の活用方法等を第一人者から学ぶセミナーを開催し、私も講師と直接意見交換を行い、その重要性等を理解したところであり、こうした新たなデータ活用手法の導入にもしっかりと取り組んでいきます。 私は、県民の皆様がこれまで以上に豊かさと幸せを実感することができる、そうしたデジタル社会の実現に向けて、データを活用した行政サービスの向上に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)看護人材の確保対策についてのお尋ねにお答えします。 県民が生涯を通じて、健康で安心して暮らすためには、良質な看護サービスを担う看護人材の確保を図ることが重要です。 県では、看護学生の県内就職に向けた修学資金の貸付けに加え、県看護協会に設置した山口県ナースセンターにおける相談対応や職業紹介など、幅広い取組を行っているところです。 こうした中、お示しのように、看護職員の不足は依然として解消されておらず、また、コロナ禍の影響による業務の大幅な増加に伴い、不足感が強まっていることから、看護人材の確保が喫緊の課題となっています。 このため、県では、看護人材の確保に向けて、即戦力となる潜在看護師等の復職支援や離職防止・定着促進の取組を重点的に推進してまいります。 まず、復職支援については、有資格者の約三割と推計されている潜在看護師等に対してナースセンターへの登録を広く呼びかけるとともに、再就業希望者に対し最新の知識・技術を習得する研修や医療機関とのマッチングに取り組んでいるところです。 こうした取組により、昨年度は延べ三千四百八十一人の潜在看護師等に登録をいただき、そのうち二百八十一人を就業につなげたところであり、今後とも、さらなる掘り起こし等に努めてまいります。 次に、離職防止・定着促進については、県に設置している医療勤務環境改善支援センターにおいて、医療機関の管理者を対象に、タスクシフトやワーク・ライフ・バランスの推進に向けた研修や、社会保険労務士等による個別相談の実施など、今後ともきめ細かな支援に努めてまいります。 特に、コロナ対応により、精神的に大きな負担や不安を抱える看護職員に対して、県看護協会と協力をして、公認心理師等による相談対応や、管理者向けのメンタルヘルス研修を行うなど、引き続き精神的なサポートに努めることとしています。 また、こうした看護人材の確保に向けた取組が、現場のニーズを踏まえ効果的に展開されるよう、医療関係団体等で構成する看護職員確保対策協議会において検証し、今後の施策に反映してまいります。 県としましては、今後とも関係団体等とより一層連携し、地域医療の充実に向けて、看護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)食の安心・安全の確保についてのお尋ねにお答えします。 食は、私たちの命と健康の源であり、県民の食の安心・安全の確保は極めて重要です。 このため県では、食の安心・安全推進基本計画に基づき、生産から消費に至る一貫した監視指導や食品検査はもとより、事業者のHACCP導入に向けた支援や、事業者・行政と消費者が相互理解を深めるリスクコミュニケーション等に取り組んできたところです。 しかしながら、HACCPでは、工程ごとの記録が必要となることから、小規模な事業者において効率的な業務の運用が求められており、また、リスクコミュニケーションでは、コロナ禍により施設見学や意見交換会等が困難となるなど、様々な課題が生じています。 こうした課題に対応するため、やまぐち未来維新プランの素案において、重点施策に、食や消費生活の安心・安全の確保を掲げ、これに併せて、今年度中に基本計画を改定し、食の安全、食の安心、参画と協働の三つの基本方針により、積極的に施策を展開したいと考えています。 具体的には、まず食の安全については、特に、事業者によるHACCPの適切な運用を支援するため、事業規模や業態等に応じて、保健所の食品衛生監視員による実践的できめ細かな指導助言を行うとともに、オンラインでの講習会を新たに開催するなど、啓発についても強化してまいります。 次に、食の安心については、リスクコミュニケーションを推進するため、オンラインによる施設見学やeラーニングを用いた食品表示講習会など、コロナ禍を契機とした新たな取組を進めてまいります。 さらに、参画と協働については、食の安心・安全の確保に社会全体で一層取り組むことができるよう、食品衛生月間における街頭キャンペーン等を通じた普及啓発の充実に努めるとともに、SNS等を活用した食の安心モニター制度を検討し、若い世代の参画を促進してまいります。 県としては、今後とも消費者の視点に立って、市町や事業者、関係団体等と緊密に連携しながら、食の安心・安全の確保に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)出生時育児休業制度創設を契機とした働き方改革の推進についてのお尋ねにお答えします。 少子高齢化と人口減少が進む本県においては、県民誰もがその個性と能力を十分に発揮し、男女が共に生き生きと活躍できる社会を実現することが重要です。 このため、県では、仕事と子育ての両立に向けた環境整備が促進されるよう、関係機関とも連携しながら、企業における働き方改革に取り組んでいるところです。 具体的には、労働局と連携し、子育て応援企業の登録拡大や模範となる企業の表彰を行うなど、子育て応援の機運を醸成するとともに、働き方改革支援センターのアドバイザーによる助言等を通じ、多様で柔軟な働き方の導入を支援しています。 こうした中、出生時育児休業制度の施行に伴い、男性の育児休業の取得が容易になるとともに、その活用促進は企業の生産性向上や人材確保等にもつながることから、幅広い企業で働き方の見直しが進むよう取り組むこととしています。 まず、今年度新たに人事労務担当者等を対象としたシンポジウムやセミナーを開催し、改正育児・介護休業法の制度周知や事例紹介等を通じて理解促進を図っています。 また、専門家やアドバイザー等が企業訪問を行い、個別事情を踏まえた働き方改革の実現に向けて、課題解決や制度導入への支援を行います。 さらに、多くの企業で取組が進むよう、男性従業員が育児休業を取得した企業に支給する奨励金の予算額を今年度から大幅に拡充したところです。 こうした取組に加え、新たに開催するワークショップや機器導入経費の助成などにより、デジタル技術を活用した仕事のプロセスの見直しなど、新しい働き方の導入を支援していきます。 県では、出生時育児休業制度創設を契機として、関係機関と連携し、仕事と子育てを両立しやすい環境整備を促進し、働き方改革のさらなる進展につなげてまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)いじめ対策についてのお尋ねにお答えします。 いじめは、いじめを受けた児童生徒の心身の健全な成長や人格の形成に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、県教委ではこれまで、未然防止、早期発見、早期対応を基本として様々な取組を進めてきたところです。 しかしながら、依然としていじめがなくならない状況にあり、学校現場での取組の実効性をより高めていく必要があることから、教職員や子供たちのいじめに対する意識を常に向上させる取組や、子供たちに対する教職員の対応力を高める取組をさらに強化していくこととしています。 具体的には、教職員に対しては、職員会議等の様々な機会を通じて、いじめの認知や組織的な対応などの基本認識を繰り返し徹底するとともに、実際に県内で起きた事例を活用し、場面ごとの学校の対応の在り方について学ぶ研修等を通して、より実践的な対応力を身につけさせることとしています。 また、子供たちに対しても、道徳科の授業や特別活動などの時間に、いじめの問題を自分のこととして捉え、考え、議論することを通して、いじめに対して正面から向き合い、他者の気持ちに共感することができる心情を培うとともに、傍観者ではなくいじめを仲裁したり、教職員へ相談したりする態度を育成してまいります。 加えて、学校におけるいじめ対策は、組織的な対応が求められていることから、学校いじめ対策委員会において、スクールカウンセラー等外部の専門人材から助言を得たり、学校運営協議会等で地域住民など様々な立場の人から意見を聞くなど、より多くの目で見守り、検証していく体制の充実を図ることとしています。 県教委といたしましては、いじめは絶対に許されないものであるとの認識の下、市町教委をはじめ、学校、家庭、地域、関係機関等と一体となって、いじめの未然防止や早期の解決に向けた取組をこれまで以上に強化し、いじめの根絶に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。