1 知事の政治姿勢について 2 米軍岩国基地について 3 新型コロナ対策について 4 上関原発計画について 5 木屋川ダム再開発事業について 6 漁業問題について 7 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十九号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十九号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。質問の前に一言申し上げます。 まず、私たちは安倍元首相への弔意表明そのもの、これに反対しているわけではありません。亡くなられた際には心からの弔意を表明いたしました。しかし、事実として、安倍政権の八年八か月は、戦後最悪の政権だったと言わざるを得ません。 憲法違反の安保法制を強行する、そして立憲主義を破壊しました。モリカケ、桜など、国政私物化疑惑にまみれましたけれども、国権の最高機関たる国会の場で、百十八回もの虚偽答弁を重ねるなど、説明責任を一切果たしませんでした。 アベノミクスで格差と貧困を広げる、そして消費税の二度の増税で国民の暮らしを苦しくさせました。さらに反共謀略組織である国際勝共連合や反社会的カルト集団統一教会とずぶずぶの癒着関係をつくり、最大の広告塔ともなりました。 国葬と同様、県民葬は、こうした政治を礼賛することにつながる、断じて許せません。県民葬は中止すべきであることを申し上げまして、通告に従い、一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢について伺います。 一つは、県民葬についてです。 知事は、県民葬を行う法的根拠として、地方自治法の二条二項に、地方公共団体は地域における事務を処理すると規定しており、県民葬もその中に含まれていると説明されています。 この地域における事務について、地方自治法の逐条解説は、住民を含め当該地域との合理的な関係性が認められれば、地域における事務であると考えられると明記しています。 法律を解釈する際は、関連する規定も参照して文言の意味を確定することが当然求められます。今回の場合は、地方自治法第一条の二第一項の規定がそれに当たります。同項は国と地方との役割分担に係る規定ですが、地方公共団体が所管すべき事務、特に地域における事務の基本的性格を示すものです。 住民を含め当該地域との合理的な関連性の有無は、同項がいう住民の福祉の増進を図ることが認められるか否かによって判断すべきであります。 よって、県民葬が住民の福祉の増進を図ることにつながる合理的な関連性の根拠を示さない限りは、県民葬を行う法的根拠は失われるのではありませんか。この点、お尋ねします。 二つは、重要土地等調査法、いわゆる土地利用計画法についてです。規制法についてです。 これも安倍元首相の置き土産の一つですが、米軍・自衛隊基地などの周辺住民を監視下に置く土地利用規制法が、この二十日、全面施行されました。 同法は、米軍・自衛隊基地や原発など、周辺一キロメートルの、また、国境離島を注視区域などに指定し、所有者や使用者を監視・情報収集して、機能阻害行為があれば使用中止を勧告・命令できるというものであります。 しかも、何が機能阻害行為に該当するのか法律上の規定がなく、首相の判断や政令に委ねられています。また、情報収集と称して、住民間の監視・密告が奨励もされています。 年内にも区域指定が始まるとされ、県内の米軍・自衛隊基地を抱える地域では懸念が高まっています。指定される区域をどう想定し、県はどう対応されるのか、お尋ねします。 また、県民を監視し、県民の権利を著しく制約することや、不動産取引にも重大な影響を与えるようなことがあってはなりません。この点についても見解を伺います。 質問の第二は、米軍岩国基地についてであります。 一つは、基地内の燃料備蓄量を五倍に増やす、そして中型タンカー接岸のための埠頭整備が計画されている問題です。 米陸軍工兵隊日本地区等の資料によりますと、基地内にある百五十九万リットルの燃料タンク三基を解体して、七百九十五万リットルの燃料タンク三基が新造されます。貯蔵能力は四百七十七万リットルから二千三百八十五万リットルへ、何と五倍も増強されます。 加えて、基地南東部の港湾施設に中型タンカーが着岸できる係留施設や桟橋を設けることも計画され、今年十月以降に事業者の募集が始まるとしています。 燃料タンク増設の必要性について、アメリカ側資料は、岩国飛行場の現在の燃料貯蔵量は必要量の三七%、不測の事態には機能しないと説明しています。 既存の燃料タンクは、空母艦載機移駐のための拡張工事に伴って整備されたものであります。その規模は、艦載機約六十機を含む約百二十機の運用に必要な貯蔵量を前提に決められたはずであります。にもかかわらず、貯蔵量は必要の三四%ということは、岩国基地では現状より三倍近い航空機の運用が可能な規模に増強されるということを意味するのではないでしょうか。この点もお尋ねします。 この問題は、日本共産党の井上哲士参院議員が、今年五月十七日の外交防衛委員会で取り上げています。 井上議員は、インド太平洋地域で中国に対抗して戦力増強を図る太平洋抑止イニシアチブ、PDI、これに関連して、アメリカ国防総省が四月までに米議会に提出した長期計画の中で、岩国基地での貯蔵能力の補強は、インド太平洋地域における兵たんを改善して、同地域における戦略的な途中給油作戦、戦略的空輸及び戦力投射を可能にすると明記されていることを指摘し、政府の認識をただしました。 これに対し、岸防衛大臣は、インド太平洋地域における現在の米軍の兵たん体制、能力は、特に紛争下での作戦を支えるには不十分であるという旨の記載があり、在日米軍岩国基地や横田基地への燃料貯蔵タンクの調達などが予算案に含まれていると承知していると答弁しています。 岩国基地の燃料貯蔵能力を五倍に増強する動きは、インド太平洋地域での軍事衝突に備えるためであることは明らかであります。こんな危険極まりない計画は即刻中止を求めるべきでありますが、伺います。 二つは、岩国基地提供用地の返還問題です。 岩国市は一九九六年度以降、都市計画道路昭和町藤生線の全通のために、未整備区間を含む約五ヘクタールの返還を国に要望し、県も一九九七年以降政府要望を行うなど、市の取組を支援してこられました。 この問題を私が、二〇一一年六月議会で取り上げた際、県は、国から岩国市に対し、返還予定地にある基地内の学校は、現在の駐機場を移設した跡地に移設する。それによって、五ヘクタールの返還がなされる旨の説明があったと聞いており、今後、岩国基地内の施設整備の進捗に伴い、返還が進むものと考えていると答弁をされています。答弁者は、当時の基地対、小松さんでありました。 この答弁から十一年が経過しました。なぜいまだに返還が実現していないのか、明確な説明を求めます。 質問の第三は、新型コロナ対策について伺います。 一つは、政府が二十六日から踏み切った感染者の全数届出の全国一律の見直しです。 見直し後、発生届の対象は、一、六十五歳以上、二、入院を要する、三、重症化リスクがあり、かつ新型コロナ治療薬の投与または酸素投与が必要な方、四、妊婦に限られています。 症状が軽い人、重症化リスクの低い感染者については、セルフチェックで、自宅療養者フォローアップセンターへの登録となり、保健所の健康観察の対象外になります。 懸念する一つは、軽症者が自宅療養中に重症化しても、自己申告のために見逃されるおそれであります。二つは、保健所からの指示がないことで、患者自身が自分の判断で出歩いて感染を拡大させるおそれであります。三つ目は、新たな変異株を見落とすおそれです。 また、高齢者施設では、入院が必要な患者が施設内にとどめ置かれる事態が多発し、死亡者数が増えているのに、施設内療養に対する支援強化が打ち出されたことで、死亡者がさらに増えることも懸念されています。 こうした懸念が顕在化させることは絶対あってはなりません。山口県はどう対応されるのか伺います。 二つは、救急搬送困難事案をなくすことであります。 同事案は、一一九番通報を受けて現場に駆けつけた救急隊が、医療機関への受入れを四回以上照会し、かつ現場に三十分以上の滞在を余儀なくされたケースです。 県内十二消防本部では、感染拡大の第七波に襲われた七月四日から九月十一日の間に六百三十七件あり、うちコロナ疑いは二百二十四件報告されています。こんなにも救急搬送困難事案が発生した要因をどう分析されているのか、お尋ねします。 医療機関や県の努力もあって、コロナ患者が受入れ可能な病床は増えてはいますが、医療従事者に感染が広がり、病床があっても受け入れられない事態が生じたことも原因の一つであると考えますが、いかがでしょうか。 また、人口千人当たりの病床数を見ると、アメリカが二・九床、イギリスが二・五床に対し、日本は十三床と圧倒的に多いものの、医者の数では二・四人と、OECD加盟国三十八か国の平均三・五人よりも少ないために、長時間過密勤務が日常化しています。 将来を見据えて、国に対し、医師を大幅に増員するよう求めるべきと考えますが、見解を伺います。 質問の第四は、上関原発計画についてです。 中国電力が国に、上関町への原子力発電所建設のための原子炉設置許可申請を行った二〇〇九年十二月からもう十三年を迎えようとしていますが、二〇一一年三月十一日の福島原発事故以降は、審査も全くストップしたままであります。中国電力自身、新規制基準を満たしていないあの申請書を十年以上もたなざらしにしています。 中電は、島根原発二号機の再稼働と三号機の稼働を目指していますが、新規制基準を満たすための安全対策費は、当初の一千億円から六千億円と五千億円も膨らみました。上関では、二機の原子炉建設を計画し、一機当たりの建設費を四千五百億円と見込んでいましたが、追加して必要となる安全対策を含めれば、何と二兆円を超える資金が必要になると考えられます。 折しも、中国電力は十三日、二三年三月期の連結純損益が千三百九十億円の赤字になる見通しを発表しました。前期の約四百億円を超えて、過去最大であります。年間配当は一九五一年の創業以来、初めて無配になる予定です。前期の内部留保、利益剰余金は三千九百三十八億円でした。 燃料価格の高騰の要因であるウクライナ危機は長期化が予想され、岸田政権による失政による異常な円安にも歯止めがかかる見通しもありません。来年一月には、公有水面埋立免許の竣功期限を迎え、中電は再び延長申請をすることが予想されます。 その際には、出願人、届出人が埋立てを進めるに足る資力及び信用を有するか、要するに、体力があるか、そして信用があるか、これも厳正に審査すべきと考えます。現時点での中国電力の経営状況の評価も含めて、お尋ねします。 質問の第五は、木屋川ダム再開発事業についてです。 下関市豊田町にある木屋川ダムは、治水、利水、発電の機能を持つ多目的ダムとして、一九五五年に完成しましたが、その後も下流域では浸水被害が相次ぎ、二〇一〇年七月の豪雨では甚大な被害が発生しました。 再開発事業は、浸水被害の軽減等を目的に、現行四十一メートルのダムの高さを約五十一メートルにかさ上げする計画で、一九七三年に実施計画調査に着手しました。 一九九七年、当時の建設省のダム事業総点検により、足踏みダムとされて中断しましたが、二〇〇八年度予算に国交省が調査費を盛り込んだことで復活、二〇〇九年度から同事業が再スタートしました。総事業費は約四百億円、完成予定は二〇三九年度と見込まれています。 同事業について、県は、八月十日、下関、長門両市の地権者協議会との基本協定に調印し、今後、地元説明会や現地測量に着手するとしています。 我が党は、以前からダムに頼らない治水対策への転換を求めてきました。この観点から同事業には疑問を持たざるを得ません。 一つは、かさ上げによる効果であります。 二〇二〇年八月二十一日に開催された公共事業強化委員会では、県は二〇一〇年七月豪雨について、平成二十二年は、木屋川ダム上流域ではあまり降雨がなく、むしろダムより下流地域で豪雨になった。そのため、この洪水では、旧豊田町の日野川周辺と旧菊川町で浸水被害が多数発生したと説明しています。 ダム堤をかさ上げして貯水能力を高めたとしても、下流域で豪雨に見舞われたら、浸水被害は避けられないのではないか、この点をお尋ねします。 二つは、川の合流地点で、水の逆流が起こるバックウオーター現象であります。 豊田、菊川地域には、木屋川に合流する稲見、山本、日野、田部、貞恒の五河川があり、同現象の発生が心配されています。この点も評価委員会で議論され、県は未改修の箇所があれば、バックウオーター現象が起こる可能性はある。詳細については把握していないと答えています。 現時点で、同現象が起こる可能性は一体どうなのか、改めてお尋ねします。 三つは、事業費の算定であります。 ダム建設費は当初見積りより大幅に超えることが問題化しています。完成間近の平瀬ダムも当初三百五十億円の事業費が最終的には九百二十億円、約二・六倍化しました。今後、四百億円としている木屋川ダム再開発の事業費も膨張することは避けられないと考えますが、お尋ねします。 以上、指摘した疑問点を踏まえると、再開発事業は再検討し、ようやく国も取り組み始めた流域治水、これに転換すべきときだというふうに考えます。見解を伺いたいと思います。 最後の質問は、漁業問題についてであります。 下関特牛市場の製氷施設について伺います。 特牛市場は、下関の水産物五大ブランドの一つ、特牛イカの水揚げ拠点であります。往時は約三十八億円あった年間取扱量は、二〇二〇年度、約十四億円に減少していますが、今なお地域産業にとってはなくてはならない重要な市場です。 しかし、同市場や近隣漁業者に氷を提供してきた有限会社特牛製氷所が七月末で事業廃止になり、県漁協と県角島漁協が共同出資して設立された合同会社が既存施設を買い取り、運営を引き継ぎました。 特牛市場を継続していくには、製氷施設を欠くことはできません。同社は、既存施設の機能維持のための補修や製氷施設の新設及び既存施設の解体に係る支援を下関市等に要請されています。 下関市も支援策について検討されているようですが、問題は、山口県は現状をどう把握されているのかお尋ねします。 また、県としても、地域にとって欠くことのできない特牛市場の維持・発展と漁業関係者を守るためにも、下関市並びに県漁港とも連携して、でき得る限りの支援を検討すべきと考えますが、併せて伺い、第一質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、新型コロナ対策に関して、全数届出の見直しについてのお尋ねにお答えします。 今回の見直しにより、若い軽症者等については、発生届の対象外となることから、私は、自宅療養者フォローアップセンターの機能強化により、健康相談や生活相談等に二十四時間対応できる体制を確保し、安心して自宅療養できる体制を構築したところです。 まず、自宅療養中の方の重症化を見逃さないため、センターに確実に登録をしていただけるよう、医療機関の協力の下、診断時に、医師から直接本人に登録を促すとともに、容体急変時にはセンターに連絡していただくよう、個別に説明し、徹底を図ることとしています。 また、自宅療養者の療養中の過ごし方についても、不要不急の外出を控えるなどの注意事項を記載したリーフレットを作成し、医療機関での受診時等に、必ず本人に伝えることとしています。 次に、新たな変異株への対応と高齢者施設内での療養についてです。 今後も、コロナウイルスは変異を繰り返すことが懸念をされることから、変異株の出現を速やかに検知するため、引き続き、県環境保健センターでウイルスのゲノム解析を実施し、変異株の発生動向を監視してまいります。 また、重症化リスクの高い高齢者施設に対する支援については、県では、医師や看護師などで構成するクラスター対策チームを施設に派遣し、ゾーニング等の的確な初動対応をはじめ、診察や治療等を行っているところです。 私は、県民の命と健康を守ることを第一に、全ての陽性者が、安心して療養していただけるよう、医療機関等と緊密な連携の下、新型コロナ対策に万全を期してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)まず、県民葬についてのお尋ねにお答えします。 地方自治法第一条の二第一項において、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとすると規定されており、これは、地方公共団体の存立目的と役割を規定したものとされています。 また、同法第二条第二項では、普通地方公共団体は、地域における事務を処理するとされており、住民を含め当該地域との合理的な関連性が認められれば、地域における事務であると考えられているところです。 故安倍元総理におかれては、本県選出の国会議員として、憲政史上最長の八年八か月の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、地元山口県の取組にも大変な後押しを頂くなど、県政の発展にも格別の御尽力を賜りました。 こうした故安倍元総理の御功績や、八日間で一万三千八百人を超える記帳が集まるなど、多くの県民の皆様が哀悼の意を示されていることを踏まえると、県民葬の開催は、県民を含めた本県との合理的な関連性があると同時に、お示しのあった地方自治法第一条の二第一項が規定する地方公共団体の存立目的と役割にも適合するものと考えています。 次に、新型コロナ対策についての御質問のうち、救急搬送困難事案に関する二点のお尋ねにお答えします。 お示しの期間においては、本県も全国と同様、感染力の非常に強いオミクロン株の流行による、医療従事者を含めた感染者数の急増はもとより、猛暑による熱中症患者の発生、お盆期間による医療機関の休診など、様々な要因が重なって発生したものと考えています。 県では、これまで、救急搬送困難事案の抑制にもつながる感染患者受入れ病床を確保するとともに、国の通知に基づき、救急車の適正利用を各消防機関を通じて県民の皆様に周知をしてきたところであり、引き続き、各消防機関とも連携して取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)松岡総合企画部長。 〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 総合企画部長(松岡正憲君)重要土地等調査法についての二点のお尋ねにお答えします。 お示しの重要土地等調査法に規定する注視区域等は、防衛関係施設等の周囲おおむね一キロメートルの区域内や国境離島にある土地等であって、機能阻害行為の用に供されることを特に防止する必要があるとして国が指定するものであり、県内でも、その指定が行われる可能性があると考えています。 指定に当たっては、国から県に対し、事前に意見聴取が行われるとともに、指定された場合には、必要に応じ国土利用計画法に基づく届出等の資料提出が求められることとなりますが、県としては、法令の規定とその具体的な内容を定めた基本方針に沿って、適切に対応してまいります。 また、法による措置は、注視区域内にある土地等が機能阻害行為の用に供されることを防止するため、必要最小限度のものにしなければならないとされ、基本方針では、国民の自由と権利を不当に制限することがないよう留意するとされていることから、国において、これらに沿った適切な運用が行われるものと考えています。 副議長(二木健治君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)米軍岩国基地についての数点の御質問のうち、まず、燃料備蓄を拡大しようとする計画に関する二点のお尋ねにまとめてお答えします。 国に対して、当該計画の事実関係を照会したところ、米側に情報を求めているところであり、米側からお知らせできる情報が得られれば、関係自治体に情報提供してまいるとの回答を得ているところです。 県としては、引き続き情報収集に努め、地元市町と連携しながら適切に対応してまいります。 次に、岩国基地提供用地の返還問題についてです。 当該用地では、学校施設の解体等が順次行われ、令和二年二月に整地が完了したところです。 また、岩国市からは、早期に市民が有効に活用できるよう、返還という選択肢だけでなく、共同使用も視野に入れ、現在、国を窓口として協議・調整を行っている状況と聞いています。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナ対策についての御質問のうち、国に対し医師を大幅に増員するよう求めるべきではないかとのお尋ねにお答えします。 県としては、国に対し、今後の新興感染症の流行に備えて、これまで以上に医師が必要であることや、医師の働き方改革を十分に配慮した医師需給推計を策定することなど、地域の医療提供体制に必要となる医師の確保について、全国知事会等を通じて要望しているところです。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発計画についてのお尋ねにお答えします。 公有水面埋立法において許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、県としては、申請がなされた場合には、その時点において、法に従って正当な事由の有無を厳正に審査し、適正に対処します。 なお、中国電力の経営状態の評価については、埋立免許権者としてお答えする立場にありません。 次に、木屋川ダム再開発事業についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、ダムをかさ上げしても、下流域で豪雨に見舞われたら、浸水被害は避けられないのではないのかについてです。 ダムの下流域のみが豪雨となるような場合は、ダムの効果は限定的ですが、治水対策においては、そのような特定の豪雨を対象とするのではなく、過去に流域内で大きな被害をもたらした様々な豪雨に対応できるよう検討することとしています。 木屋川水系の治水対策については、平成二十二年の豪雨だけでなく、昭和三十四年や平成十一年の豪雨などにも対応できるよう検討した結果、ダムのかさ上げと河川改修の組合せで対応することとしました。 次に、現時点でバックウオーター現象が起こる可能性があるのかについてです。 バックウオーター現象とは、本川の増水により、支川の水がせき止められ、流れにくくなった結果、支川の水位が上昇する現象であり、バックウオーターによる浸水被害は、想定を超える降雨となった場合、木屋川水系だけでなく、どこでも起こり得るものです。 次に、四百億円としている木屋川ダム再開発の事業費も、膨張することは避けられないのではないかについてです。 木屋川ダム再開発事業に係る事業費については、必要額を積み上げたものであり、現時点で見直すことは考えていません。 次に、再開発事業は再検討し、流域治水対策に転換すべきではないかについてです。 県では、減災対策協議会の中に設けた流域治水部会において、関係機関と連携し、本年二月に策定した木屋川水系の流域治水プロジェクトの中で、木屋川ダム再開発事業を経済的で治水効果の高い主要な事業として位置づけ、現在、その取組を推進しているところです。このため、木屋川ダム再開発事業について再検討することは考えていません。 副議長(二木健治君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)漁業問題についての二件のお尋ねにお答えします。 まず、現状の把握についてですが、下関市地方卸売市場特牛市場の製氷施設については、特牛市場に氷を供給していた民間の製氷所が本年七月末をもって事業廃止され、代わって八月より山口県漁協と角島漁協が合同会社を設立し、運営を引き継がれていると承知しております。 次に、支援の検討についてですが、今後、市場開設者である下関市と漁業関係者において対応が検討されるものと考えておりますが、特牛市場は北浦地域における水産物流通の中核施設であることから、県としても、下関市等から相談があれば、必要な助言等を行ってまいります。 副議長(二木健治君)木佐木大助君。 〔発言する者あり〕 副議長(二木健治君)(続)答弁漏れはありませんので、再質問でお願いします。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 答弁漏れをした中電株主配当が無配になったことについて、山口県はどのように捉えているか、具体的な損害はどの程度あるか、改めて伺っておきたいというふうに思います。 その上で、県民葬、これについて伺います。 県民葬開催の法的根拠についてるる答弁されましたが、全く納得いきません。角度を変えて再質問します。 地方自治法の第二条第十四項は、地方公共団体はその事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと規定しています。 同項の逐条解説は、住民の福祉を向上させることはそもそも地方公共団体の存立の第一義的な目的であり、これに努めなければならないのは言うまでもないことでありますと明快にしています。 同項に照らして、県民葬開催という事務を処理するための経費約六千三百万円の半額三千百五十万円の公金支出は、どのような県民の福祉の向上につながると考えているのか伺います。 県民葬への公金支出は、県民の福祉の向上とは全く無縁であり、違法な支出であり、県民葬の開催そのものは中止すべきであります。 次に、岩国基地について伺います。 県議会は、五年前の二〇一七年六月議会で、空母艦載機部隊の移駐に関する意見書を賛成多数で採択しています。 同意見の第一項には、新たな部隊の移駐により、航空機騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは容認できないとあります。 二〇一七年度当時と二〇二一年度のW値七十五以上の航空機騒音回数を比較すると、岩国市川口町一丁目では、七千二百六十九回から一万七百三十八回と一・五倍、同市尾津町五丁目では、八千二百五十二回から何と一万三千二百二十七回と一・六倍に激増しています。 この事実は、この意見書が容認できないとした周辺住民の生活環境が現状より悪化している、この証明であり、県議会の意思をも踏みにじるものと考えますが、お尋ねします。 そして米軍は、現状よりもさらに多くの航空機の運用を可能にするため、燃料貯蔵量を五倍に増やす工事に取りかかろうとしています。こんなことは断じて容認できません。きっぱりと反対の意思を国及び米軍に伝え、中止させるべきですが、この点も伺います。 原発問題には、先ほど改めて答弁を求めました。 同時に、関連して、これまで山口県は中電の株主総会で県民の共有財産である三千四百万株の議決権行使書を白紙で提出する、そして上関原発推進を悲願とする中電方針を、もろ手を挙げて賛成してきました。その結果が無配当という結果であります。 資力も信用もないことが今や明らかになった今日、責任ある、ほぼ筆頭株主、大株主である山口県は、中電に上関原発建設は撤退せよ、こういうふうに進言すべきであります。この点についても伺いたいと思います。 最後に、木屋川ダムの問題ですが、二〇〇九年度当時に算定された同再開発事業の事業費四百億円は、膨張することは避けられません。二〇年度時点での費用対効果分析では、費用約二百四十億円に対し便益は三百三十億円で、費用便益比は一・四倍でした。 費用便益費が一以下の場合は、事業の見直しが求められると考えますが、この点についてはいかがでしょうか、お尋ねします。 本事業の場合、仮に費用が百億円増えれば、費用便益費は一を割り込んでしまいます。そうした場合は、事業見直しを余儀なくされると考えますが、改めて伺います。 豪雨時に、木屋川においても、未改修の箇所ではバックウオーター現象による浸水被害が発生する可能性があると、こういう答弁でした。 資料に示しましたように、木屋川の河川整備計画の進捗は、全体事業費六十六億五千二百万円に対し、十二億七千七百万円、一九%にとどまっています。バックウオーター現象を未然に防ぐため、河川改修のスピードを早めるべきと考えますが、どう対処されるのか、お尋ねします。 また、今後の河川堤防については、越水しても崩れにくい耐越水堤防を積極的に取り入れるべきだと考えますが、以上、お尋ねして再質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)木佐木議員の再質問にお答えします。 まず、上関原発計画についての再質問から一括してお答えします。 中国電力株が無配となることによる配当金収入への影響についてのお尋ねです。 中国電力株の配当金につきましては、本年度当初予算におきまして、十七億円の歳入を見込んでいたところであります。 中国電力が発表した二〇二三年三月期通期の配当予想どおり無配となった場合、本年度の歳入は五億円程度となる見通しであります。 次に、株主として中国電力に上関原発計画からの撤退を進言すべきではないかとのお尋ねです。 県としましては、これまでも株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応してきたところであり、株主として中国電力の経営方針に関して意見を述べることは考えておりません。 次に、県民葬についての再質問です。 県民葬への公金支出がどのような県民の福祉の向上につながると考えているのかとのお尋ねであります。 先ほども申し上げましたが、故安倍元総理におかれては、憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、県政の推進にも大変なお力添えを頂きました。 また、御逝去後の八日間で一万三千八百人を超える記帳が集まるなど、多くの県民の皆様が哀悼の意を示されております。 こうしたことを踏まえまして、御遺徳をしのび、我が国はもとより、本県への多大なる御貢献と御功績をたたえ、最も深く追悼の意を表する形として県民葬を執り行うことは、お示しの住民の福祉を向上させるという地方公共団体の存立目的に適合するものと考えております。 副議長(二木健治君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)再質問にお答えします。 2点あったかと思います。 まず、平成二十九年六月議会における空母艦載機部隊の移駐に関する意見書についてです。 御質問にありましたこの意見書にあります条項、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは容認できない、この現状より悪化するというところでございますけれども、このことにつきましては、沖合移設前の平成十八年に、国から米軍再編案が提示され、当時の状況と沖合移設後に再編案が実施される場合との比較により、基地周辺住民の生活環境への影響について検証するものというふうに理解をしております。 そうした場合に、平成二十九年の移駐判断時や移駐後においても、再編案が提案された平成十八年当時と比べて、住民の生活環境が全体として悪化している状況にはないことから、県議会の御意思が踏みにじられているとは考えておりません。 次に、燃料備蓄の御質問についてです。 いろいろ御質問にありましたけれども、貯蔵量を五倍に増やす工事だとか、こういったその計画について、県としては承知をしておりません。そのため、国に照会しているところです。 したがいまして、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、現在、国において米側に照会中ですので、事実関係が分かり次第、地元市町と連携しながら適切に対応してまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)木屋川ダム再開発事業に関する再質問にお答えいたします。 まず、再開発事業の見直しに関する二点の御質問について、まとめてお答えいたします。 木屋川ダム再開発事業に係る事業費につきましては、必要額を積み上げたものであり、現時点で見直すことは考えておりません。 なお、一般的に事業費を見直す場合には、山口県公共事業評価委員会で事業の必要性、経済性、社会性等を審議していただき、事業の継続の可否について御意見を伺った上で、適切に判断することになります。 それから次に、河川改修のスピードを早めるべきではないかとのお尋ねです。 県では、水系ごとに河川整備計画を策定し、計画に位置づけた治水対策を過去の被災状況、また背後の土地利用状況等を勘案し、緊急性の高い箇所から進めているところです。 木屋川水系につきましても同様の考えに基づき行っているところであり、引き続き河川改修を着実に進めてまいります。 次に、耐越水堤防を積極的に取り入れるべきではないかとのお尋ねについてです。 耐越水堤防とは、堤防を越水することに対して一定の安全性を有するよう、堤防の表面をコンクリート等で被覆するなどの対策により、流下の能力をより高めることができる堤防のことをいいます。 当該堤防につきましては、土木学会が安全性確保の観点からすると現状では技術的に見て困難との見解を示していることから、県では耐越水堤防の整備を検討することは考えていません。 副議長(二木健治君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 県民葬開催についての法的根拠は、地方自治法の恣意的解釈によって成立しようとしていますが、法的根拠はありません。この点については、改めて内海総務部長に答弁を求めるとともに、県民葬を中止すべきだと考えますが、併せて答弁を頂きたいというふうに思います。 そして、中電の株主の問題については、やっと先ほど答弁がありましたが、株主総会で議決権行使を白紙提出する、これはますます中電が経営破綻に陥っていく道ではないでしょうか。 原発事故が起こる前、まだ原発の安全神話が成り立っているのんきな時代とは今日は違います。私たち、中電株は県民の共有財産、これをきちんと保全するためにも、言うべきことは言う、この点も改めて答弁を求めて、私の一般質問を終わりたいと思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)木佐木議員の再々質問にお答えします。 まず、県民葬についての再々質問です。 改めて、法的根拠についてのお尋ねがございましたが、地方自治法第二条第二項におきまして、地方公共団体は地域における事務を処理すると規定されており、県民葬はこれに含まれると考えております。 県民葬を実施する考え方でありますけれども、故安倍元総理におかれては、憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、県政の推進にも大変なお力添えを頂いたこと、また多くの県民の皆様が哀悼の意を示されていることを踏まえ、最も深く哀悼の意を表する形としてこれを執り行うことが適当であるというふうに考えております。 また、上関原発について、株主としての立場として進言すべきではないかとの再度のお尋ねでありますけれども、繰り返しになりますが、県としましては、これまでも株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応してきたところであり、株主として中国電力の経営方針に関して意見を述べることは考えておりません。