1 インクルーシブ社会の実現について 2 その他
副議長(二木健治君)橋本尚理君。 〔橋本尚理君登壇〕(拍手) 橋本尚理君 私は、自由民主党新生会の橋本尚理でございます。質問に入る前に、一言述べさせていただきます。 私は、初当選以来、我が国の安全保障や、日本のよき伝統文化を守り、正しく継承していくことが、私に与えられた県議としての使命であるとの信念から、この議場でいわゆる保守的な質問や提言を何度となく繰り返し訴えてまいりました。 最も印象に残っておりますのが、初めてこの議場に入った際、伝統ある山口県議会本会議場に国旗「日の丸」が掲揚されてないことを知り、愕然としたことであります。 そこで、この席から何度となく、本会議場に国旗を掲揚してくださいと訴え続けてまいりました。 その都度、共産党や野党の皆さんから激しい抵抗を受け、議会が止まったこともあり、先輩県議から、一年生議員で議会を止めたのは君が初めてだ、ただ、君は正しいことを言っているので、このまま続けなさいと激励を受けましたが、多くの県議からは、山口県議会に右翼が来たとやゆされたものであります。 しかし、御覧のように、平成十四年二月定例会より、この本会議場に国旗「日の丸」と県旗が掲揚されたのであります。当時の島田明議長から、この国旗は君が揚げたのだから、国旗に君のサインをしていいよと言われたことは、今でもはっきりと覚えております。サインはしておりませんが。 その後も、ジェンダー問題や拉致問題、教科書採択問題、何より私の地元で起こった米空母艦載機部隊の移駐問題を、保守本流の立場で真正面から取り上げてまいりました。 また、一貫して、かつては厚生委員会、今では環境福祉委員会と名称は変わりましたが、同じ委員会に所属し続け、多くの身障者団体や身障者支援団体からの要望を受けてまいりましたが、昨年、ある障害のある子を持つお母さんから、うちの子は普通の公園で遊ばすことができませんという話を初めて聞き、衝撃を受けたのであります。 当初、なぜ公園で遊べないのと理解に苦しみましたが、よく聞いてみると、多くの公園には遊び場へのアクセスや遊具の利用を拒む物理的バリア、人々の無理解や偏見による心理的バリアなど、様々な障害があるとのことでした。 障害のある子と家族を遊びから遠ざけることは、健康面や発達面の課題、自立心や自己肯定感の低下、地域での孤立など、障害のある子に長期的な困難や課題をもたらすおそれがあり、また障害のない子にとっても、多様な仲間と出会い、育ち合う機会を失うことにつながるのであります。 そこで、公園等の身近な遊び場において、障害のある子がそれぞれの特性に応じ、自らの力を生き生きと発揮し、安心して遊び育つことができる環境、いわゆるインクルーシブ社会を実現させなければならないとの思いに至り、昨年八月に、遊びと育ちのインクルーシブ架け橋会を設立し、昨年十月と今年五月に、ふくろう公園インクルーシブDAYを開催したのであります。 昨年からインクルーシブ社会の実現に向けた質問をしておりますが、私の主義主張をよく知る県議さんからは、橋本さんがいつも嫌っている片仮名言葉を使うのはどうかと思いますよ、そもそも橋本さんがインクルーシブ社会の実現を取り上げること自体が似合ってませんよと、温かい忠告を頂きました。 ただ昨年来、私が話を聞いた、障害のある子を持つ多くのお母さんたちの顔を思い浮かべると、やはり私はこの問題に全力で取り組まざるを得ないとの結論に至ったのであり、私自身、インクルーシブという言葉を覚えるのに時間がかかりましたが、あえてこの言葉を使い続けることにより、一人でも多くの県民にインクルーシブの持つ意味を知ってもらおうと感じたからであります。 先日、自衛隊ボランティア部の代表から、橋本さん、インクルーシブDAYに参加したおかげだと思いますが、最近、基地内の日常会話によくインクルーシブという言葉が出てくるんですよと、うれしい話を聞くことができました。 先日実施した第二回ふくろう公園インクルーシブDAYでは、一回目をはるかに上回る、障害のある子百五十五人、その家族三百七十二人の計五百二十七人の参加があり、二百三十六名のボランティアスタッフでサポートをさせていただきました。 今回は、岩国医療センター附属看護学校の一年生八十人が正規の授業として参加してくれ、希望のある御家族に二人一組で付き添い、サポートし、さらに学生のアイデアで、手づくりで輪投げ、ボウリング等を作製し、縁日コーナーを実施してくれ、子供たちも大喜びで、保護者からは、「慣れない初対面の子供にずっと付き添っていただき、すてきな笑顔で接してくれて感謝です。岩国にこんなすばらしい学生さんがいることをうれしく思いました。できれば保育士さんになってほしいです。(笑)」とありましたように、看護学生にとって患者さんの気持ちが理解できる、立派な看護師になる一助となる体験であったと確信できました。 さらに、今回からは、岩国警察署や米海兵隊軍人が制服姿で参加してくれ、米軍岩国基地消防隊からは、子供たちの大人気となった自走式消防ロボットも展示していただきました。 また、岩国総合支援学校が長年取り組んでいるリングプルの回収を呼びかけたところ、この活動に看護学生たちが共感して、全校挙げて取り組んでくれたおかげもあり、一個○・五グラムのリングプルが、驚くことに八キロも集まり、後日支援学校に贈呈をいたしました。 当日は、山口県や広島市などの行政機関の方々も視察に来られ、yabをはじめ、幾つかのマスコミも特集を組んでいただくなど、インクルーシブ社会の実現に向けての歩みを進めるイベントになったものと、スタッフ一同、喜んでおります。 そこで、今回はインクルーシブ社会の実現に特化して、イベントに参加した保護者から頂いたアンケートや、私がお母さんたちから聞いた話を紹介をしながら、十数点の質問をさせていただきます。 まず最初に、障害児の増加についてお伺いいたします。 本県では、全国より早いスピードで少子高齢化が進行しており、特に学齢期の子供の数は、大幅に減少しております。 ところが、今回二回目となるイベントに向け、特別支援学校や、岩国市内の普通学校の支援学級に通う児童生徒数を調べましたところ、いずれも昨年より増加しており驚きました。 岩国総合支援学校では、ここ数年、小中学部、特に小学部に在籍する児童数が増加しており、五年前と比較するとおよそ一・五倍にまで増加し、全国でも同様に増加傾向が見られております。 このように、支援教育を必要とする子供たちが増加していることについて、県教委はその原因をどう認識しており、今後どのように対応していかれるのか、お伺いいたします。 次に、あいサポーターの取組充実についてです。 県では、障害者への配慮やちょっとした手助けを行う、あいサポート運動において、あいサポーターや認定企業・団体の育成を進めておられますが、昨年度末時点で、あいサポーターは二万九千八十三人、認定企業・団体は二百四十五と、年々増加しております。 私もあいサポーターであり、私たちの、遊びと育ちのインクルーシブ架け橋会も先月十一日に、あいサポート団体に、第二百四十八番目の団体として認定を頂いたところであります。 イベントの参加者からのアンケートに、「今日は障害に対してみんな理解がある、みんなに見守ってもらえる、偏見の目がないと思ったらとてもリラックスできました。」また、「子供の行動に対して理解してもらえるという安心感は、このイベントでしか味わえないものだと思います。」とあるように、障害を知り、共に生きるあいサポート運動がさらに広がることで、障害や障害者に対する理解が促進され、障害の有無にかかわらず、安心して暮らしていけるインクルーシブ社会の実現につながっていくものと確信をいたしました。 そこで、サポーター数や認定企業・団体数の増加に向け、これまでどう取り組み、今後どう取り組まれようとしているのか、お伺いをいたします。 次に、「この子には障がいがありますマーク」についてです。 アンケートに、「私の子供は障害のある子とない子の兄弟です。見た目では判断できません。今日、せっかく付き添ってくれた学生さんが、障害のない子を連れて行かれ、付き添ってほしいのはその子じゃないのにと、残念な思いをしました。」また、「外出した際、外見では分からない障害のある我が子が異常な行動を取ると、周囲から冷たい目で見られてしまいます。車椅子や白いつえなどを利用し、外見で障害があると分かる子には、周囲も優しく接してくれているのに、悔しい思いがします。」との声も聞きました。 県では、外見からでは障害の有無が判断できない方でも、周囲から一定の配慮を受けられるよう、ヘルプマークやサポートマークの普及を行っているものと承知しておりますが、今では広く周知された、同じように外見から判断できない妊娠初期の妊産婦がつけるマタニティーマークのように、「この子には障がいがありますマーク」のような民間の取組も生かしながら、障害者に対する合理的配慮を進めることが、さらに重要であると考えますが、県の御所見をお伺いします。 次に、特別支援学校へのインクルーシブ遊具の導入促進についてですが、県教委におかれましては、昨年度末、岩国総合支援学校に三連サポート付ブランコを導入されました。県下初となるインクルーシブ遊具の導入であり、まずは、素早い対応に感謝する意味で、あるお母さんからのファクスを紹介します。「私の子供は、この春、岩国総合支援学校小学部に入学しました。入学式の日、中庭に出て一番にブランコに乗って遊んでおりました。学校生活が楽しいそうです。ありがとうございました。」 子供たちは、新しい遊具ができたことに大変喜んでおり、毎日のように我先にと遊んでいるようですが、一方で、このブランコは小学部の中庭に設置されていることから、中学部の生徒は使用しづらい面があると残念な声も聞きました。 学校外に自由に遊べる公園などが少ない中、特別支援学校に通う子供たちが、安心して思い切り遊べるよう、さらなるインクルーシブ遊具の導入に取り組んでいただきたいと思いますが、県教委として、特別支援学校へのインクルーシブ遊具の導入に、今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、教員へのインクルーシブ教育についてです。 昨年、この議場で私は、日本では障害のある子と障害のない子が別の学校や教室で学んでおり、お互いの理解が進みにくい状況にあることから、障害のない子たちにも、障害のある子に対する理解を広めることが重要であると申し上げました。 障害のある子にもない子にも、共に理解を広める取組を確実に実施していただくためには、学校において、誰よりも子供たちに近くで接している教員が、インクルーシブ教育への理解を深めることが何より重要であると考えます。 人事異動により、特別支援学校に初めて勤務する教員も、その日から障害のある子供たちに日々接していかなければなりません。昨年、インクルーシブ教育を理解せずに特別支援学校に異動になり、考えられないような態度で子供たちに接する教員がいると、あるお母さんからお聞きしましたが、その教員は、この春、普通学校に異動されたとのことで安心をされておりました。 また、「教員への研修制度はあるのですか。障害のある子に対しての知識が少ない先生がいます。全体でのスキルアップを望みます」と強い声も聞きます。 そこで、現場の教員が改めて、我々が目指す共生社会、インクルーシブの理念を見詰め直し、真に理解していく取組が必要であります。さらには特別支援学校には、インクルーシブ教育を十分に理解している教員の配置が必要と考えますが、県教委として今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、障害児に対応したトイレについてです。 障害児の中には色で男女トイレを理解している子供もおり、多目的トイレは色での判別ができず、かえって分かりにくくなったという声を聞きます。 多目的トイレの整備促進に当たっては、障害のある方の視点を持って進めていくことが重要と考えますが、県では多目的トイレの整備促進について、どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 あわせて、岩国総合支援学校のPTAから、昨年の夏休みに高等部二階のトイレが洋式に改修されると、他の階の生徒にも大人気となりましたとの話も聞きました。 岩国総合支援学校では洋式化が進んでいるとは聞きますが、県下の特別支援学校のトイレの実情と、今後のトイレ改修にどう取り組んでいかれるのか、県教委にお伺いをいたします。 次に、放課後児童クラブについてですが、国では、放課後児童クラブでの障害児の適切な受入れを図っており、本県でも多くの放課後児童クラブで受入れを行っているとは聞いておりますが、障害のある子を持つお母さんからは、近くの放課後児童クラブが受入れ可能かどうか、どの程度、どういう障害なら受け入れてもらえるのか分かりませんという声を聞きました。また、特別支援学校にはなぜ、放課後児童クラブがないのですかとの声も聞きます。 民間のデイサービスは必ずしも身近にあるとは限らず、県内の多くの小学校等で整備されている放課後児童クラブにおいて、障害児の受入れを一層促進するとともに、明確に周知する必要があり、特別支援学校にこそ放課後児童クラブが必要であると考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 また、放課後等デイサービス事業所は、おおむね日曜日が休みであり、障害児の家族が日曜日に勤務のある場合などには、預け先がないという声もよく聞きます。 放課後等デイサービス事業所に対して、障害児が日曜日でも利用できるよう実施の促進を図るなど、対策が必要と考えますが、県ではどう取り組むのか、お伺いをいたします。 次に、児童発達支援についてです。 障害児には、個々の障害の状態や発達の過程、特性等に応じた児童発達支援が、未就学児の段階において特に重要であると考えられます。 今回のイベントを知り、広島市のこども療育センター三園から未就学児の十七家族の参加があり、アンケートには、「山口では、こんなイベントがあり、感謝しかありません。宇部空港の公園整備のことなど、障害のある人や家族に対して、いろんな形でケアをされており、うらやましく思います。」とあり、山口県に対してお褒めの言葉を頂きました。また、「子供を見守ってくれたので、同じ障害のある子を持つ方々とゆっくり話をすることができ、これからの子育てに少し自信が持てました」との声もありました。 さて、県では、今年度より、子育てAIコンシェルジュの運用を開始しておりますが、二月の委員会でお伺いしたところ、想定した問答例千七百のうち、障害児に関する問答例は四つしかないとお聞きし、強く改善を求めたところであります。 障害のある子供を支える家族、特に未就学児を持つ家族の子育ての悩みは、障害のない子供を持つ家族よりはるかに深く、相談窓口も限られております。そこで、障害児への発達支援をさらに充実させなければいけません。こうしたシステム等を通じて、障害児を育てる家族の声を拾い上げ、県の取組の改善や、新たな取組の創出に結びつけていくことが重要と考えられます。 そこで、児童発達支援、特に障害児、児童発達支援の一層の充実に向けて、県では今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、障害児に対応した避難所についてであります。 東日本大震災のとき、横浜市に住んでおられたお母さんから、「二歳の子供を連れて指定された体育館に避難しましたが、停電により暗くなるとろうそくで明かりを取られました。我が子には多動性があるので、ろうそくを倒して火事を起こしてはいけないと思い、一晩中我が子を抱きしめていました。明るくなるとすぐ家に帰り、それからは自家用車に避難し、車中泊を続けました」と聞きました。 災害時において、障害児やその家族が一般の避難所に避難することは困難であり、また、福祉避難所があっても、おのおのが抱える障害にその避難所が対応しているのかどうか分からないのが、我が県においても現状であります。 先日、山口市宮野地区では、地区社協の協力で、一般の避難所を経由せずに自宅から直接福祉避難所に行ける独自制度をつくったとの報道がありました。 このように、様々な障害に対応した福祉避難所の設置促進と、明確な周知を図ることが重要と考えますが、県では今後どう取り組まれるのか、お伺いをいたします。 最後に、インクルーシブ公園の整備についてお伺いをいたします。 昨年の議会で二回ほど取り上げさせていただきましたが、その後、県内でも、宇部市が、山口宇部空港内の山口宇部ふれあい公園内にインクルーシブ遊具を設置されると聞いており、岩国市でもインクルーシブ公園の整備に向けて取り組んでおられます。県においても、こうした取組に遅れることのないよう、まずは要望させていただきます。 そこで、私は先月、日本初のインクルーシブ公園と言われている東京都立砧公園を視察してまいりました。 砧公園は、三十九万平方メートルもある木々に囲まれた大緑地公園で、私は三十分近く歩き、やっとの思いでインクルーシブ遊具を見つけることができました。そこで驚愕をいたしました。 ここは誰でも遊べる、みんなのひろばと名づけられていましたが、周りはフェンスで囲まれ、その中にインクルーシブ遊具が設置され、出入口は施錠された一か所しかありません。すぐさま、これはインクルーシブ公園ではない、障害のある子が遊ぶ公園だと感じたのであります。 当然のように、中で遊んでいたのは障害のある子とその家族だけでした。とても障害のない子がフェンスの中に自ら入って一緒に遊ぶという雰囲気はなく、これは、私たちが行っているふくろう公園インクルーシブDAYと同じではないかと感じたのであります。 いずれは、障害のない子にも参加してもらい、障害のある子もない子も一緒に仲よく遊んでもらうイベントにしたいという強い思いは我々持っておりますが、障害のない子に障害のある子の思いを本当に理解してもらえるのか、まだ私たちにも自信が持てないのであります。 ある参加者からのアンケートに、「インクルーシブDAYと言いつつ、実際は完全な分離。とても難しい問題だと改めて認識しました。やはり人材育成が大切。」とあり、まさに私たちが感じていることであります。また、このような公園の姿が当たり前の世の中になってほしいとの願いを書かれた方もおられました。改めて私たち、遊びと育ちのインクルーシブ架け橋会も、当たり前の世の中を実現させるために、頑張らなければいけないと決意をしたのであります。 また、先週、足立区の新田さくら公園を視察しました。ここには、車椅子でも利用できる複合施設がさりげなく設置してあり、囲いのフェンスはありません。足立区内の幾つかの公園には、サポート付ブランコや車椅子で利用できるテーブルセットなどが、やはりさりげなく設置してあるそうであります。私たちが目指すインクルーシブ公園は、これかなと感じたところであります。 そこでお尋ねをいたします。昨年の議会において、山口大学との共同研究の中で、インクルーシブな視点も取り入れた公園の新たな利活用方策や、それに伴う施設整備の方向性について、検討しているとの御答弁を頂いたところですが、真の意味でのインクルーシブ公園の整備に向けた、現在の進捗状況と今後の取組について、お伺いをいたします。 終わりに、インクルーシブDAYに参加した人からのアンケートの中で、私の印象に残った幾つかを紹介させていただきます。「いじわるをする子がいなくて楽しかったと子供が言ってくれました。」「ふだんは周りの目を気にして遊びに行きたがらない夫が、とても楽しみにしてくれ、率先して遊んでくれました。」「迷惑をかけるかもとちゅうちょしていたことにも、子供にチャレンジをさせることができ、子供をどんなふうに遊ばせればいいかを学べる機会になりました。」「公園に行ったら、必ず、駄目、危ない、やめなさい、すみません、ごめんなさいと注意したり叱ったり、謝ったりしていますが、今日は一度もそんなことはなく、安心して遊べたのは初めてです。私も障害児を持つ親として、子供たちのために何か頑張りたい、奮起したいと思いました。」「インクルーシブな社会へ向けて活動されている皆様から元気を頂きました。私も私なりにできる方法で、よりよい社会になるよう行動していきたいと思います。」 このように、障害のある子のためにも、その家族のためにも、そして、何より私たち自身のためにも、一日でも早くインクルーシブ社会を実現させなければならないと強く感じるイベントとなったのであります。 紹介する最後のアンケートです。「米軍の軍人さんがすごく優しかったです。」 米海兵隊から今回は二十名のボランティア参加でしたが、次回は五十名で参加すると約束をしてくれています。米軍基地を抱える町、岩国だからこそできる、フレンドリーでインクルーシブな日米交流になったことをお伝えをして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)橋本議員の御質問のうち、私からはあいサポーターの取組の充実についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方が、住み慣れた地域で自立し、安心して生活をしていくためには、障害に対する社会全体の理解を深めることが重要です。 このため、私は、やまぐち障害者いきいきプランにおいて、障害への理解を深め、共に生きる社会の実現を施策の柱として位置づけ、県民誰もが多様な障害の特性を理解し、必要な配慮を実践するあいサポート運動を県民運動として積極的に展開しているところです。 これまで、学校の授業や企業・団体の職員に対する研修等を通じて、この運動の担い手となるあいサポーターが三万人近く誕生するとともに、運動の趣旨に賛同するあいサポート企業・団体も約二百五十となるなど、県民の障害に対する理解は着実に進んでいます。 こうした中、私は、あいサポート運動をさらに進めていく上では、特に、県の将来を担う若い世代に、あいサポーターになっていただくことが、裾野を広げ、行動力を生かした力強い運動の広がりにつながるものと考えています。 このため、今後は、若者を対象とした研修を重点的に実施をすることとし、今年度は、新たに作成した児童向けの研修教材等を活用して、小学校低学年からの障害理解の促進を図るとともに、受講機会の多様化を図るため、オンライン研修を拡充するなど、若い世代の受講を促してまいります。 また、あいサポート企業・団体の増加に向けては、商工団体等に協力を頂きながら、障害のある方が利用する商業施設や公共施設、公共交通機関等に、この運動が広がるよう、引き続き取り組んでまいります。 さらに、現在、制定作業を進めている、差別解消と共生社会の実現を目的とした条例におきましても、障害への理解促進を主要な取組として位置づけることとしており、今後とも、県民や企業等と一体となって、あいサポート運動を推進してまいりたいと考えています。 私は、市町や関係団体等と連携をし、障害のある方もない方も共に暮らしやすい社会の実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)インクルーシブ社会の実現に関する御質問のうち、まず、「この子には障がいがありますマーク」についてのお尋ねにお答えします。 障害の種類は多様であり、外見で分かる障害以外に、発達障害や内部障害、難病の方など外見から分かりにくい障害についても、障害特性への理解や必要な配慮の提供について促進を図ることが重要です。 このため、県では、こうした外見から分かりにくい障害のある方が必要な援助を受けやすくなるよう、やまぐち障害者いきいきプランにおいて、援助を必要としていることを伝えるサポートマークやヘルプマークの普及とその周知を図ることとしています。 お示しの民間の取組については承知していますが、県としましては、これまで、市町や関係団体等と一体となってサポートマークやヘルプマークの普及等に努めており、引き続き、こうした取組を通じ、障害のある方に対する合理的配慮の提供が促進されるよう取り組んでまいります。 次に、障害児に対応したトイレについてのお尋ねのうち、多目的トイレの整備促進についてです。 障害のある方が、住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、日常生活や社会生活を制限する障壁のない社会の実現が重要であることから、県では、福祉のまちづくり条例に基づき、公共施設をはじめとした建築物のバリアフリー化を推進しています。 お尋ねの多目的トイレについては、条例において、多くの方が利用する公共的施設等に対して、設置を義務づけ、整備の促進を図っているところです。 また、整備に当たっては、障害のある方や建築の専門家等で構成する委員会を設置し、誰もが利用しやすいものとなるよう、設計の際に望まれる配慮や構造基準等を盛り込んだ設計マニュアルを策定するとともに、障害のある方の意見も反映しながら、適宜見直しを行っています。 このマニュアルは、市町や県建築士会等の関係団体に配付するとともに、広く県民の皆様にも知っていただけるよう、県のホームページ等にも掲載し、周知を図っているところです。 県としましては、障害のある方が、安心して外出し、施設を利用できるよう、今後とも、市町や事業者等の理解、協力を得ながら、福祉のまちづくりの推進に努めてまいります。 次に、放課後児童クラブ等に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、放課後児童クラブへの障害のある子供の受入れについてです。 障害のある子供が地域社会で生活する子供の一人として、他の子供とともに成長できるよう、放課後児童クラブを利用する機会の確保に努めていくことは重要です。 このため、県では、市町と連携し、放課後児童クラブへの障害のある子供の受入れが進むよう、適切な環境下で過ごすために必要な改修や設備の整備、専門的知識を有する支援員の配置などに取り組んでいるところです。 また、利用を希望する障害のある子供の保護者への周知については、ホームページなどを活用し、情報提供を行うとともに、市町に対しても、適切な情報発信を行うよう働きかけてまいります。 お示しの特別支援学校における放課後児童クラブの設置については、地域のニーズに応じ、実施主体である市町において適切に対応されるものと考えており、設置される場合には、県として、必要な支援を行ってまいります。 次に、放課後等デイサービスの日曜日実施についてです。 学校に通う障害のある子供が、身近な場所で心身の状況に応じた適切な支援を受けることができるよう、放課後等デイサービスの提供体制を確保することは重要です。 このため、県では、子供や家族のニーズに応じて、事業者が日曜日等の学校休業日にサービスを提供する際には、人員体制や学校休業日における報酬の取扱いなど、必要な助言を行ってまいります。 次に、児童発達支援についてのお尋ねにお答えします。 障害のある子供とその家族が、地域で安心して生活していくためには、市町や関係機関との連携の下、障害のある子供の心身の状況等に応じた切れ目のない適切な支援が重要です。 このため、県では、県内八か所の児童発達支援センター等において、就学前の障害のある子供とその家族が、身近な地域で療育指導や相談支援等を受けられる体制を整備しているところです。 また、より身近で気軽に相談ができるよう、発達障害児の子育て経験のある親等を対象に、必要な知識・技術を身につける研修を実施し、子育て中の保護者に対し、適切な助言等を行うメンターの育成にも取り組んでいます。 こうした障害児支援を一層充実させるためには、障害のある子供の家族の意見を幅広くお聞きし、取組に反映することが重要であることから、県では、障害者施策の総合的な推進について検討している障害者施策推進協議会等に、親の会などの団体に参画を頂いているところです。 なお、お示しの、子育てAIコンシェルジュについては、障害のある子供の保護者への子育て支援につながるよう、問答例について順次改善を進め、充実を図ってまいります。 県としましては、今後とも障害のある子供を育てる家族等からの御意見を頂きながら、障害児発達支援に関する施策を推進してまいります。 次に、障害児に対応した避難所についてのお尋ねにお答えします。 災害時に自らの生命・身体を守るためには、安全な場所に確実に避難していただくことが必要であることから、障害者や高齢者など要配慮者の避難先となる福祉避難所の確保は、重要であると考えています。 このため、県では、県内十四の福祉団体と協定を締結し、市町が行う福祉避難所の指定への協力や、広域的な福祉人材の派遣体制の整備など、福祉避難所の確保・運営を担う市町の支援に努めているところです。 こうした取組により、全ての市町で福祉避難所が確保され、現在では二百二十五か所となるなど、その数も年々増加しており、市町において、さらなる確保と分かりやすい周知に努めています。 また、要配慮者は、障害の状態や生活環境等がおのおの異なることから、市町において、本人や家族、関係者の同意の下、適切な避難先や避難支援行動をあらかじめ定めた個別避難計画の作成を進めており、県としては、担当者会議の開催や先進事例の提供など、積極的に支援を行っているところです。 県としましては、今後とも、市町との緊密な連携の下、福祉避難所の充実等を図り、災害時における要配慮者の安心・安全の確保に努めてまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)インクルーシブ社会の実現についてのお尋ねのうち、インクルーシブ公園の整備についてお答えします。 近年、全国的にもインクルーシブ公園が注目されてきており、県としても、今後の公園づくりを進める上で、必要な視点であると考えています。 このため、山口大学との共同研究の中で、インクルーシブな視点も取り入れた公園の新たな利活用方策や、それに伴う施設整備の方向性について、検討しているところです。 その一環として、インクルーシブ公園に係るニーズや課題を把握するため、本年十月、山口きらら博記念公園において、民間事業者の協力も得ながら、インクルーシブに配慮した遊具を試験的に設置し、実際に遊具を利用した方へのアンケート調査等を行うこととしています。 県としては、今後とも、障害の有無等にかかわらず、多くの方が集い、誰もが安心して一緒に遊べる公園づくりに積極的に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)インクルーシブ社会の実現についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、障害児の増加についてです。 お示しのとおり、本県においても特別支援教育の対象となる児童生徒は増加傾向にあります。これは、保護者等の特別支援教育への理解が進み、きめ細かな指導・支援への期待が高まっていることが要因の一つであると考えています。 県教委では、障害のある児童生徒の増加傾向を踏まえ、引き続き特別支援学校や特別支援学級などの学びの場の整備とともに、一人一人の教育的ニーズに的確に応えることができる指導・支援の充実に向けた取組を着実に進めてまいります。 次に、特別支援学校へのインクルーシブ遊具の導入促進についてです。 障害のある児童生徒にとって遊びは、心身の発達を促す大切な活動であり、特別支援学校において、障害の程度にかかわらず、安心して遊び、楽しめる環境を整備していくことは重要であると考えています。 こうした認識の下、お示しの岩国総合支援学校では、昨年度、老朽化したブランコの更新の機会を捉え、学校のニーズや必要性等も勘案して、インクルーシブ遊具を導入したところです。 県教委としましては、各学校が実施する遊びを取り入れた教育活動を支援していく中で、それらの取組を支えるインクルーシブ遊具のさらなる導入についても、学校の教育活動の状況や要望も踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと考えています。 次に、教員へのインクルーシブ教育についてです。 共生社会の実現に向けては、全ての教員がインクルーシブ教育への理解を深めることが重要です。 そのため、県教委では、テキストを活用した校内研修の充実や、市町教委と連携した講習会の開催などにより、教員の理解促進に努めているところです。 今後は、こうした取組に加え、新たに作成する教員向けの研修動画を活用し、教員の共生社会やインクルーシブ教育への理解をさらに深めていくこととしています。 また、初めて特別支援学校に勤務する教員には、現在、各学校において年間を通して研修を実施していますが、今後は、指導主事等が各学校を定期的に訪問し、研修内容や指導方法等について助言を行うなどにより、教員の専門性のさらなる向上を図ってまいります。 次に、特別支援学校のトイレの実情と今後のトイレの改修についてです。 県教委では、令和二年度に、特別支援学校を含む全ての県立学校を対象としたトイレの洋式化に係る意向調査を実施し、その際、要望があった箇所について、集中的に洋式トイレへの改修を実施したところです。 これにより、令和四年四月時点で、特別支援学校の児童生徒が利用するトイレの洋式化率は七九・四%となっています。 今後も、校舎の改築等の機会を活用して、さらなる洋式トイレの整備を進めるとともに、児童生徒の状況の変化などで、洋式トイレの追加が必要となった場合にも、学校の要望等を踏まえながら、必要な整備を進めていくこととしています。 県教委といたしましては、インクルーシブ社会の実現に向けて、引き続き特別支援教育の充実に努めてまいります。 副議長(二木健治君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(二木健治君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時二十四分散会