委員長報告
議長(柳居俊学君)総務企画委員長 畑原勇太君。 〔総務企画委員長 畑原勇太君登壇〕(拍手) 総務企画委員長(畑原勇太君)総務企画委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。 審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第一号のうち本委員会所管分、並びに議案第三号、第四号、第六号、第七号及び第十三号の議案六件については、全員異議なく、いずれも可決または承認すべきものと決定いたしました。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、やまぐち未来維新プランの策定について、 県の目指す未来像を県民の皆さんと共有できる、実効性あるプランを策定していただきたいと考えるが、今後、どう取り組んでいくのかとの質問に対し、 本県の新たな未来に向けては、コロナ禍を契機とする人々の意識や価値観、働き方等の変化や、デジタル化・脱炭素化などの社会変革の動きをチャンスと捉え、安心・安全、デジタル、グリーン、ヒューマンの四つの視点で、三つの維新をさらに進化させ、安心で希望と活力に満ちた山口県を目指してまいりたい。 今後は、この新たなプランを、実効性ある、よりよいものとしていけるよう、二十の維新プロジェクトを構成する重点施策等について、全庁を挙げて精力的に検討していくこととしている。 議会での議論をはじめ、山口県活力創出推進会議や、「元気創出!どこでもトーク」、パブリックコメントなどを通じて、県民、市町、団体等の皆様の御意見をしっかりとお聞きしながら、十二月中を目途に策定を進めてまいるとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 現行のやまぐち維新プランの総括について ○ 重点施策の構築におけるデータ等の活用について ○ 新たなプランの視点としてヒューマンを掲げた狙いについて などの発言や要望がありました。 次に、やまぐちデジタル改革の加速化について、 DX推進拠点「Y─BASE」の開設から七か月が経過し、相談件数は着実に増加し、コンサルティングの成果も上がってきている。 今後、これをさらに拡大し、全県に波及させていくため、どのように取り組んでいくのか。 また、こうした取組を支える人材の育成や基盤の整備に、どのように取り組んでいくのかとの質問に対し、 県内の企業や団体、行政等における、デジタル技術を活用した課題解決への意欲は高まっており、「Y─BASE」におけるDXコンサルティング等を通じて、相談者に寄り添ったきめ細かな支援を積み重ね、優良事例の横展開も図りながら、全県的なDXの推進につなげてまいりたい。 また、「Y─BASE」のサテライト機能の構築を進め、デジタル技術による課題解決に向けたリモートでの相談対応や実証実験等の支援を行えるよう、環境を整えてまいりたい。 こうしたDXの推進を支える取組については、まず、官民問わずデジタル人材が不足していることから、「Y─BASE」を核にIT企業とも連携して、デジタル技術を現場で生かせる人材や、AIやデザイン思考にも精通した、より高度な人材の育成にも取り組んでまいりたい。 さらに、5G等のデジタル基盤の整備については、都市部に遅れることなく進める必要があり、国や県、通信事業者等が参画する地域協議会などを通じて、地域の実情を伝え、国や通信事業者等への働きかけを行うことにより、県内での整備促進につなげてまいりたいとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 小規模自治体等のDXの取組への支援について ○ YSNの在り方検討の実施状況と今後の進め方について ○ モバイル中継装置等を活用したデジタル環境の整備について などの発言や要望がありました。 次に、脱炭素化に向けた産業戦略の取組について、 脱炭素化に向けては、企業等から寄せられる様々な声をしっかりと受け止めるとともに、本県産業が競争力を失うことなく成長・発展できるよう、実効性ある構想や戦略を策定する必要があるが、今後、どう取り組んでいくのかとの質問に対し、 脱炭素化がもたらす産業・経済への影響に対する強い危機感の下、今年三月に議会特別委員会から十七項目の提言を頂いた。また、企業や関係自治体からは、危機感や不安、戸惑いなど様々な声を聞いている。 こうした中、多くの企業は、脱炭素化がもたらす環境変化を成長への機会と捉え、生産プロセスの高度化や次世代燃料への転換などに、果敢にかじを切られようとしており、県としては、危機感や取組の方向性を関係者間で共有しながら、企業の前向きな挑戦をしっかりと後押ししていかなければならないと考えている。 このため、県では、関係部局間の連携を一層強化し、課題・ニーズ等を把握しながら、戦略的かつ具体的な取組を進めることができるよう、新たに産業脱炭素化推進室を設置し、産業分野の脱炭素化の取組を総括的にマネジメントしていくとともに、次の定例会では、コンビナート低炭素化構想の最終案と、産業脱炭素化戦略の骨子案を示すこととしている。 脱炭素の取組は、これからが正念場であり、今後とも企業等の声をしっかりと聞きながら、本県ならではの実効性ある産業戦略の構築に向け、強い危機感と緊張感を持って取り組んでまいるとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 西部石油株式会社山口製油所の石油精製機能停止に伴う県内産業への影響について ○ 産業脱炭素化戦略とコンビナート低炭素化構想の関係性について ○ 本県のコンビナートの特性や強みを生かした構想の策定について ○ 石炭火力発電をめぐる最近の動向について などの発言や要望がありました。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について、 昨年九月の本委員会において、新たな対策の実施に際しては、議会に十分な説明をしながら進めてまいるとの答弁があったにもかかわらず、ゴールデンウイーク期間中の無料検査所の開設の際、議会への事前の説明がなされなかったことへの指摘があり、これに対し、今後新たな対策を講じていく際には、事前に委員長と相談し、議会に説明をしながら、一緒になって対応を進めてまいりたいとの答弁がありました。 次に、米軍岩国基地関係では、 ○ 岩国基地に関する苦情の内容に応じた対応について ○ 昨年度の航空機騒音の状況について ○ 訓練を伴う外来機の飛来への対応について ○ 騒音の状況を踏まえた県の対応について ○ 住宅防音工事の第一種区域等の見直しについて ○ FCLPの恒常的な訓練施設の整備の状況について ○ 米軍無人偵察機の岩国基地への一時展開に対する県の対応について ○ 外来機の展開や軍艦の寄港等に係る、基地機能強化の考え方について などの発言や要望がありました。 このほか、 ○ 新たな時代の人づくり推進方針に基づく乳幼児の育ちと学び支援センターの体制及び実績について ○ 人づくりにおける県の独自性ある取組の検討について ○ 公職選挙法違反事案に係る五つの取組について ○ 山口県税賦課徴収条例の改正内容と税収への影響等について ○ 宇宙状況監視レーダーの説明会の開催状況等について ○ デジタルサイネージを活用した情報発信の推進について ○ マイナンバーカードの普及促進について ○ 県の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の改正趣旨について ○ 期日前投票等の投票環境の整備について などの発言や要望がありました。 終わりに、本委員会に付託された、意見書案第一号 地方財政の充実・強化を求める意見書については、採決の結果、全員異議なく可決すべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)