討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 藤本一規君。 〔藤本一規君登壇〕(拍手) 藤本一規君 日本共産党県議団を代表いたしまして、六月定例会に提出された議案に対する反対討論を行います。 反対する議案は、二号、五号、九号、十二号です。 議案第二号 令和四年度産業団地整備事業特別会計予算と議案第五号 特別会計設置条例の一部を改正する条例は、関連するので一括して討論を行いたいと思います。 両議案は、二十年ぶりに県関与産業団地を光市に整備をするためのものです。 私が、一般質問で指摘をしたとおり、二○一二年三月に、県関与産業団地を管理していた土地開発公社など三公社が廃止されました。 産業団地の負債額は、約四十三億円に上り、同額の県債発行で処理をいたしました。 また、県は、産業団地の価格上昇を抑えるために、利子補給を約十七億円行いました。さらに、県は、土地の価格をさらに下げるために、約三十二億円の土地取得補助を行いました。県は、産業団地の負債処理や大幅引下げのために約九十二億円の県財政を投入したことになります。 小関商工労働部長は、本県固有のニーズについて、一、輸送用機械関連産業、二、半導体産業、三、医療・医薬品産業の誘致が見込まれると言われました。しかし、県が第一に行うべきは、日夜奮闘されておる県内企業の支援ではないでしょうか。 また、小関部長は、新たに製造拠点を設けたいとのお問い合わせいただいており、と答えましたが、県内には防府市の防府第二テクノタウンと下関市の長州出島で計約三十八ヘクタール、県関与団地が約十一ヘクタールなど、未分譲団地だけで五十五・八ヘクタールを抱えています。また、きらら浜に未利用の土地が実に九十三ヘクタールもあるのであります。 県は、新しい団地を造る前に、県内のこの未分譲の産業団地や未利用の県有地を分譲することに力をまず入れるべきではないでしょうか。 減少傾向とはいえ、当初予算時点の今年度未県債残高は、実に一兆一千七百二十一億円であり、二○二○年度末の県民一人当たりの県債残高は実に九十万八千円です。一兆円を超える県債残高を抱える山口県が、リスクの高い産業団地の造成を今、行うべきかどうか大いに疑問を抱くところであります。 小関部長は、現時点で補助金など県の負担は予定していないと答えられましたが、特別会計の歳出には、一般会計繰出金並びに付随する諸支出金があります。これら費目は、企業負担を税金で肩代わりした過去の歴史を繰り返す余地を残すものと言えます。 十一年前の二井知事の、長期の経済状況の変化を読み取ることができなかったことは私の不徳の致すところとの答弁は、誠に重いものがあります。 今後の経済状況も大きく変化することが予測をされます。変動が激しい経済を見通すことは、誰もできません。このような不動産投資に税金をつぎ込む県関与団地の造成に大いなる疑問を述べて、これら議案に反対いたします。 次に、議案第九号 山口県使用料手数料条例の一部を改正する条例についてであります。 この議案には、電気工事士免状交付等手数料の値上げが含まれています。コロナ禍で苦しむ中小電気事業者の経営を考慮し、本議案に反対いたします。 議案第十二号は、県立病院の紹介状がない場合の初診及び再診に係る選定療養費を値上げするものであります。保険医療機関及び保険医療養担当規則の改正に伴うものであります。 国の規則改正が大本であったとしても、県はその改正に物申すべきだと思います。 コロナ禍で医療アクセスの拡大こそが求められているときに、県立病院の初診及び再診に係る選定療養費を値上げすべきではないと考え、本議案に反対をいたします。 次に、賛成する議案に対する討論を行います。 議案第一号 令和四年度山口県一般会計補正予算(第一号)には賛成いたします。 日本共産党山口県委員会と同県議団は、五月三十日、深刻な物価高騰とコロナ禍から県民の命と暮らしを守るための要望書を村岡知事に提出いたしました。 補正予算には、一、学校給食費の価格上昇に対する補助、二、飼料代高騰対策などの農家への補助、三、中小企業への補助など私たちが要望した幾つかの点が予算化されており、賛成したいと思います。 今後とも県民の暮らしに寄り添い、県民の暮らしを応援をする積極的かつ柔軟な予算措置を強く求めたいと思います。 最後に、意見書案第二号 シルバー人材センターの安定的な事業運営のための適切な措置を求める意見書には賛成いたします。 意見書は、インボイス制度が導入されると、センターの会員が新たに消費税の課税事業者となることを選択し、センターに対して適格請求書を発行しない限り、センターは仕入税額控除をすることができなくなり、新たに預かり消費税分を納税する必要が生じるとして、インボイス制度の導入に当たり、センターの会員への配分金を制度の適用から除外することなどを求めております。 インボイス制度は、免税業者を課税業に仕立て上げ、税率を上げずに新たな消費税収を国民から搾り取る増税案であります。 インボイス発行対象事業者は、実に一千百万超と推定されており、シルバー人材センターだけではなく、学校給食協会などにも影響を与えると言われています。 全国中小企業団体中央会が、自民党に凍結を要望し、地方自治体からインボイス制度に関する意見書が上がっているのは、実に二百四十二件に上っています。そのうち十三件は都道府県からのものです。 シルバー人材センターをインボイスの適用から除外することに、心からの賛成を表明すると同時に、多くの中小業者に甚大な負担を強いるインボイス制度そのものの中止を超党派で国に求めようではありませんかということを提起をいたしまして、討論といたします。(拍手)