討論
議長(柳居俊学君)国本卓也君。 〔国本卓也君登壇〕(拍手) 国本卓也君 自由民主党会派を代表いたしまして、提出された全ての議案及び意見書案に賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 まず、議案第一号 令和四年度一般会計補正予算についてです。 今回の補正予算は、国の原油価格・物価高騰の緊急対策に呼応したもの、及び新型コロナウイルス感染症対策やウクライナ避難民支援など、現下の経済社会情勢に対応した内容となっており、いずれも実施が急がれるものであります。 とりわけ、コロナ禍における原油価格・物価高騰対策については、先週、岸田総理が、物価・賃金・生活総合対策本部を設置し、今後も最大限の警戒感を持って対応することを表明されたところであります。 こうした国・政府の動きに対して、県が遅れることのないよう即応していくことはもちろんでありますが、県自らも県民や事業者の置かれた状況や、今後、待ち受ける課題をいち早く把握した上で、時として国に先んじて対策を打つなど、常時、危機感を持って臨んでいただきたいと思います。 先週、六月十四日に、突如、西部石油の山口製油所が再来年の三月を目途に石油精製を停止することが発表されました。 長年、緑色の原油タンクが地元で親しまれている西部石油の今回の発表は、県内経済や雇用に及ぼす環境の大きさはもちろんのこと、今後の県づくりの勢いにブレーキをかけるのではないかと不安感が生じるほど大きな衝撃を持って受け止められたところであり、影響を最小限に食い止めるよう、県には迅速な対応を改めてお願いする次第であります。 一方、今回の件が如実に物語っていることは、企業の脱炭素に向けた動きは極めて速いということであります。 我が会派が常々訴えているように、脱炭素社会を迎える中にあっても、本県の産業力を守り、さらに強化していくためには、こうした民間の動きにしっかりと対応していくことが求められており、県にはギアを一段上げ、取組を加速していただきますようお願いいたします。 また、今回の補正予算には、コロナ禍で深刻な打撃を受けた宿泊事業者への支援も盛り込まれておりますが、国は来月前半にも宿泊料金を割り引く観光需要喚起策を全国に拡大し実行する方向であることから、今後、観光をめぐる他県との熾烈な競争局面に突入することが、容易に想像できるわけであります。 このため、県には、一歩も二歩も先んじるような対策を速やかに打っていただきたいと考えますが、その内容や実施方法等については、現場の宿泊事業者の声をより丁寧に聞いた上で決定していく必要があることは、これまで我が会派が幾度となく申し上げてきたとおりであります。ぜひ効果的な対策を実施していただくようお願いをいたします。 さらに、こうした全国的な競争の土俵で山口県の存在感を示すためにも、引き続き新型コロナウイルス感染症の防止に万全を期することは言うまでもありません。 今回の補正にあるワクチンの四回目接種を推進するための追加予算の計上も時宜にかなったものではありますが、二年以上にわたる医療関係者の方々の負担は計り知れないことから、今後も現場に寄り添った柔軟な対応が求められているところであります。 特に、最前線で膨大な業務量を抱えながら奮闘を続けている保健所については、平時における一層の機能強化、体制強化を図った上で、有事における対策を県庁全体で用意することを基本に、引き続き、不断の見直しを図っていただきたいと思います。 また、ウクライナからの避難民の方々への生活支援についても計上されておりますが、これは一刻も早く実施すべきであります。 私ども自民党県連では、人道支援のための募金活動を展開し、先般、在日ウクライナ大使館にお届けをしたところでありますが、今回の活動を通じて、改めてロシアの侵略に対する強い怒りと、ウクライナ国民に寄り添う思いを新たにすると同時に、我が国の平和と安全を守り抜くために、今、我々が何をすべきか痛感した次第であります。 今定例会では、我が党が発表した新たな国家安全保障戦略への提言に対し、軍拡競争により地域の不安定化を招くものであるといった主張を展開された方もおられましたが、これほど緊迫度合いが増す国際情勢の中で、一体どうやって我が国の主権を守っていくおつもりなのかと首を傾けざるを得ません。 今、日本を取り巻く安全保障環境は、中国の急激な軍拡や海洋進出、北朝鮮の核ミサイル開発などにより、いや応なく激変をしております。 こうした中で、国民の命や平和な暮らし、領土・領海・領空を断固守り抜くためには、日米同盟を基軸とした抑止力が万全に機能するよう態勢を抜本的に強化しなければならないのは当然のことであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり) ロシアによるウクライナ侵攻は、決して他人ごとではなく、私どもは、こうした国際社会の現実や危機を直視し、国家の根幹である外交・防衛について、真正面から議論しなければならないということを強く申し上げさせていただきます。(「そうだ」と呼ぶ者あり) 次に、議案第二号 産業団地の整備についてです。 本事業については、我が会派の代表質問でも申し上げたとおり、過去に廃止に至った土地開発公社の教訓を踏まえることが重要ですが、その上で、コロナ禍での社会変革や企業活動の変化など、時代の流れを見極め、果敢に決断することも知事の責務であります。 過去の答弁を例に出し、新たな産業団地の整備を否定する意見もありましたが、それでは、未来の県づくりを期待する県民の負託に応えることはできません。 土地開発公社の解散後、現在の県所有の産業団地は、十一ヘクタールまで減っており、ここまで新たな産業団地の整備を待たれたこと自体が、慎重に取り組まれていることの証左でもあると考えます。 今、新たな取組を進めることが、将来の県づくりに向けて必要なのであり、我が会派は、中長期的な視野で決断された知事のお考えに賛同いたしますし、同時に、新たな団地が造成された暁には、速やかな誘致が実現できるよう、地元自治体とも連携しながら、今からしっかりと万全の準備をしていただきたいと思う次第であります。 以上、賛成の立場から意見を申し上げましたが、村岡知事におかれましては、現在、山口県の新たな未来に向けた総合計画の策定に取り組まれているところであります。 知事が思い描く本県の未来図と道筋を、県民の皆さんにしっかりと示すことが重要であることは言うまでもありませんが、決してその思いが一方通行のものとならないよう、県民の皆さんが理解でき、課題を共有し、共に次世代に誇りを持って引き継げる県をつくっていこうと思える計画をぜひつくり上げていただきたいと思います。 私ども自由民主党は、確かな判断と実行で幾多の危機を乗り越え、日本と国民・県民の暮らし、産業を守り、国・地方の明るい未来を切り開いていくとともに、国民・県民の皆様とともに新しい国の形をつくり上げていく責任を果たすため、全力を尽くす所存であることを申し上げ、討論を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。