1 新たな県立高等学校のあり方について 2 特定健康診査の受診率向上について 3 移住定住に繋がる取り組みについて 4 地域医療の充実について 5 不登校児童生徒への支援について 6 地域の介護提供体制の充実について 7 その他
議長(柳居俊学君)磯部登志恵さん。 〔磯部登志恵さん登壇〕(拍手) 磯部登志恵さん 皆様、改めましておはようございます。光風会の磯部登志恵でございます。質問に入ります前に一言申し上げます。 このたび初めての一般質問に登壇させていただきます。今までと違い、山口県という大きな視点でもっての質問であり、非常に戸惑うところばかりでございました。 しかしながら、多くの先輩議員からのアドバイスを頂き、何とか今日この日を迎えることができました。ありがとうございます。 背伸びをすることなく、女性ならではの視点で緊張感を持って質問を進めたいと思っておりますので、どうぞ皆様、温かく見守っていただきますようお願い申し上げます。 それでは、通告に従いまして一般質問を始めます。 一点目、新たな県立高等学校の在り方についてです。 県教育委員会は、さきの議会において、今年度から十五年先を見据えた上で、今後十年間の高校改革の指針となるよう第三期県立高校将来構想が示されました。 今までにも、県教委は学科・学校再編整備やコミュニティ・スクールの導入など、課題解決に取り組まれてこられましたけれど、急激な生徒の減少は避けることができず、グローバル化・情報化が加速され、感染症拡大などで教育環境は大きく変化をしてきております。 さらに、今年度から高校の学習指導要領が改訂され、高等学校の教育が大きく変わろうとしております。 今回の高校教育改革のキーワードは探究。自ら問いを立て、様々な学問・学科や芸術の手法を駆使して、よりよい答えを見いだしていくような学習を指しますけれども、一つの正解を人から教わるのではなく、試行錯誤を繰り返し、多様な他者と協働しながら、一番よいと思われる答えを見いだしていくような学びであります。 知識・技能を持つだけでなく、それらを自分らしく使いこなす資質・能力の育成が、今回の改革の大きなテーマでもあります。 また、高校の特色化・魅力化に向けた取組には、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業の改善が必要です。日常生活の中で様々なことに関心を向ける学習、やりたいことのための勉強へ、先生はアドバイザーの役目でもあると思っております。 私が住んでいる光市では、二年前に県立光丘高校と光高校が統合され、新たな光高等学校として三年目がスタートいたしました。 光丘高等学校は総合学科、光高等学校は普通科で、山口県内で総合学科と普通科があるのは、新たな光高等学校だけであります。まさに、新年度から強化される探究については、従来の総合学科の強みでもあるのではないでしょうか。 さらに、光丘高校といえば全国出場の演劇部、光高校といえばオリンピアンを輩出したヨット部など、それぞれの部活動においても力を入れておられます。 以前、私は母校である光高等学校の評議員を数年務めさせていただき、一年生から三年生までの様々な授業を見学する機会を頂きました。特に学年が上がるにつれ、少人数体制で、教師との活発なやり取りに大変感動したのをよく覚えております。生徒のやる気を高めるために、様々な手法を取り入れながら授業を進めていることなど、もっと保護者や地域の方が知ることができたらと痛感いたしました。 新たな県立高校将来構想の中にも掲げられていますが、県内の生徒に選ばれる高校、特色ある高校とするためには、それぞれの県立高校が内容や強みをもう少し精査し、積極的に情報発信していく必要があると考えます。特に地域の方々や地域の中学校との連携は必須ではないかと思っております。コミュニティ・スクールの導入の成果がここに求められているのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。新たな県立高校の在り方として、これからの高校は情報発信、中学校との連携や地域への周知に一層積極的に取り組んでいくべきと考えますが、今後どのように進めていかれるのか、県教委の御所見をお伺いいたします。 二点目、特定健康診査の受診率向上についてです。 日本国内で高齢者の割合が年々増えていく中、健康寿命をいかに延ばせるかが注目されるようになってまいりました。病気にかからないよう予防する意識が大切で、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすことが重要であると痛感しています。 それは、生活の質を改善したり、社会全体を活性化させたりすることにもつながります。先進国の中には三十年以上も前から予防医療に取り組んでいる国もありますが、日本ではまだ大きな広がりは見せておりません。 予防医療には、大きく三つの段階があり、健康な時期から始める一次予防、検診により病気を早期発見する二次予防、リハビリテーションを行う三次予防です。 健康寿命を延ばすためには、日常からの適度な運動、適切な食事など、生活習慣の改善をはじめとした健康づくりの取組が重要となりますが、自分の健康状態を知る二次予防、特にメタボリックシンドロームに着目し、生活習慣病のリスクを検査する特定健康診査、いわゆる特定健診の受診は、一次予防の動機づけにも当たり最も有効であると考えています。 特定健診の受診については、生活習慣病のリスクが高まる四十歳以上からが対象で、山口県の特定健診受診率は令和元年度で四九・六%、全国平均五五・六%を下回り、全国順位は四十二位となっております。 このうち、企業などが加入する健康保険組合などにおける特定健診については、全国平均を上回りますが、自営業者などが加入する市町村国民健康保険については、令和元年度の山口県の国保特定健診受診率が三○・三%と、全国平均の三八%を下回り、全国順位は四十四位であります。 山口県において健康寿命の延伸を進めるためには、二次予防である特定健診の受診率について、企業などにおける取組をさらに加速させるとともに、国保特定健診受診率をしっかりと進めることが必要であると考えています。 また、コロナ禍で自粛生活や行動範囲が制約される中、体力の衰え、病院への受診控えなどもあり、健康状態に不安を抱えている方も多いのではないかと思っています。コロナ禍を乗り越えるためにも、まずは二次予防である健診率を上げることが、山口県の健康寿命の一助となるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。自らが抱える生活習慣病のリスクを知ることは、長く健康に生きるための第一歩であります。山口県の健康寿命の延伸に向け、特定健診の受診促進について、県として今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 三点目、移住定住につながる取組についてです。 移住定住というキーワードでインターネットを検索しますと、多くの自治体で移住者や定住者の受入れに積極的な案内を見つけることができます。高度成長期に定着した働き方モデルに、今まさにコロナ禍は見直しを迫っているのではないでしょうか。 さらに、コロナ禍でリモートワークの拡大が大きく影響し、多くの若い世代が、地方への移住を模索し続けています。 今の学生は既にオンライン授業が日常で、二十代から五十代の社会人の意識調査に対し、約六割がワーケーションしてみたいとの回答があり、二十代から三十代は七割近くになったとの記事を読みました。 県内各市町のオンライン環境の整備を加速し、外部の人材を積極的に受け入れ、移住定住につなげることは、これからの山口県の魅力発信につながると確信をしております。ウイズコロナ時代の新しい働き方は、災害が少なく自然豊かな住みやすい山口県としては、移住者にとって魅力的な場所と考えています。 現状、移住定住策としてUJIターンの雇用につながる支援など様々な取組が行われております。しかし、ワーケーションとして受け入れられる場所はまだまだ少ない状況であり、今後さらなる展開が求められていると感じております。現在の事業展開も視野に、各市町との連携の下、ワーケーションをきっかけに移住定住に結びつけることも大きな効果が見込めると思います。 私は、今回の質問としてワーケーションを取り上げるに当たり、早速、山口宇部空港国内線ターミナルビル二階のやまぐちワーケーション総合案内施設「YY!GATEWEY」に伺い、現場でどのような活動をされているのかなど、基本的な取組内容をお聞きすることができました。 当日、グループ会議を行っている方々もおられましたが、ビジネスのみならず、リラックスエリアなど待ち時間を有効に使う場所としても活用されます。 さらに、山口型ワーケーションとして、様々なプランの提案にも積極的に対応してくださるとのことでした。特に担当者の柔軟さと心地よいコミュニケーションに、いろいろなことへの可能性を描くことができ、私自身が引き込まれてしまいました。 ワーケーションなどをきっかけに山口県を訪れる方は、新たな視点での空き家活用や地域の課題解決など、新しいビジネス創出につながる提案にも関わっていただけるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。移住定住に関する現状の取組の中でどのような課題があるのか、今後どのように事業を深化させていくのか、当局の御所見をお伺いいたします。 四点目、地域医療の充実についてです。 地域医療とは、地域医療構想を基に各自治体で取り組んでいる医療体制の改革で、病院などの医療機関での治療といった枠組みにとらわれずに、地域住民の健康を支えていく体制のことであります。その体制を整えるためには、まずは地域医療構想をしっかりと進めていくことが重要であると考えています。 地域医療構想は、将来の人口推計を基に二○二五年に必要となる病床数を四つの医療機能ごとに推計した上で、地域の医療関係者の協議を通じて病床の機能分化と連携を進め、効率的な医療提供体制を実現する取組であります。 令和元年六月二十一日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二○一九を踏まえ、厚生労働省は、地域医療構想の実現に向け、全ての公立・公的医療機関などに関わる具体的対応方針について、診療実績データの分析を行い公表をいたしました。 しかし、コロナウイルス感染拡大の中、様々な課題も出てきたのも事実であります。 全国、特に都市部を中心として医療体制の逼迫が発生し、医療機関の役割分担・連携が不十分、必要な機能を発揮できない急性期病床、民間医療機関での受入れができないなど、地域における医療提供体制の課題が出てきました。 そのような中、令和二年一月三十一日の厚労省の発表で、第一回の重点支援区域で山口県の二つの医療圏が選定されています。一つは柳井区域で、二つ目は萩区域であります。 さらに、今年の四月二十七日には、下関構想区域が国の重点支援区域として唯一選定されました。現状では、八医療圏のうち三医療圏が国の重点支援区域になっております。 私が住んでいる光市は周南医療圏に属していますが、コロナ禍で周辺住民の安心を確立するためには、少ない医療資源を効率よく進めて、役割分担をしていく必要があると痛感いたしました。 そのためには、重点支援区域以外についても、県が積極的に関わり、地域の議論をしっかり後押しする必要があると考えています。 新年度予算の中で、知事は、県立総合医療センター機能強化検討事業として、感染症への対応強化と県内医療の中核的な役割を担えるよう、建て替えに向けた検討を進めることを表明されました。 感染管理の要となる認定看護師を養成し、県全体の感染管理体制を強化されます。コロナ禍の現状を見据えた今後の医療体制の方向性に、多くの方が期待をされたのではないでしょうか。 これらの取組に加え、有事の際においてもスムーズな対応を行える地域医療の充実に向けては、コロナでの課題を踏まえた上で、地域の実情に応じた医療機能の分化・連携の議論を進めることが必要であり、県におかれましては、重点支援区域以外についても、しっかりと後押しをしていただきたいと考えています。 そこでお尋ねいたします。山口県の高齢化は全国より進んでおり、人口減少が確実に見えている中、山口県の地域医療の充実について、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 五点目、不登校児童生徒への支援についてであります。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に、全国的に小・中・高の児童生徒の不登校が年々増加しております。当たり前に通っていた学校がコロナウイルス感染防止のため臨時休校となり、規則正しい生活が送れず、生活リズムが大きく変わり、友達との交流も減ってしまった状況も不登校児童生徒が増えた一つの要因として上げられております。 特に、学校の保健室にさえ通えない子供たちも増えているという声を現場の先生からもお聞きしております。 県内では、不登校の児童生徒を受け入れる教育支援センターが設置されている自治体もありますが、まだその対応は十分ではないと感じております。 私の住む光市では、不登校児童生徒に対して、平成十七年から訪問型のスクールライフ支援員の活動に力を入れ、その後体験的な学びの場や、日常的に利用できる学びの場を試行的に実施してきております。その成果を基に、不登校支援として、今年度から教育支援センターまなびばひかりを市立図書館の二階に開設されました。 さらに、不登校の問題は各地域の課題として捉え、国際ソロプチミスト光が会員在住の地域限定で不登校生徒を受け入れ、勉強を教える取組も始めております。 全国では、授業時間削減や少人数指導などが可能な不登校特例校に四月時点で、十都道府県の公私立学校二十一校が指定されております。不登校特例校は、勉強の遅れや学習意欲に合わせた教育課程を編成でき、豊富な体験活動に取り組む例などがあります。 また、現在、国においては、自治体が設ける不登校支援センターが、自宅から出られない子供にオンライン指導を行うことや、学校・教育委員会が、フリースクールなどの民間団体と、より一層連携する方策などについても検討されております。 県においては、これまでもスクールカウンセラーの配置などの対策も行われてきたとお聞きしておりますが、国や自治体の状況なども踏まえ、県内の市町が行う不登校児童生徒の学ぶ機会や居場所の確保に向けた取組への支援など、不登校の児童生徒に寄り添った取組を進めていただきたいと思っています。 今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況は予断を許さない中、児童生徒の不登校支援として、県はどのように進めようとしておられるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に六番目、地域の介護提供体制の充実についてであります。 急激な高齢化の進展、寝たきりや認知症などにより、介護や支援が必要な方の増加や介護期間の長期化など、介護のニーズはますます増大しております。 その一方で、核家族化の進行や介護をする家族の高齢化など、介護が必要な方を支えてきた家族をめぐる状況も大きく変化をしてきております。 高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、介護保険制度が二○○○年四月から始まりましたが、これは介護が必要な高齢者がサービスを選択し、できる限り在宅で自立した日常生活を送ることを目指す制度であります。 しかし、急激な高齢者人口の増大で、施設に入居して介護を受ける人の数は増え続け、特養などの入所施設が追いつかない状態でありました。 施設が増えても、そこで働く介護人材は常に不足し、二○二五年度の社会保障給付費の額は、二○一八年度の約一六%増と予想され、国は施設から在宅へと大きく方向転換してきました。 その理由の一つに、住み慣れた場所で最期のときを迎えたいという社会的な価値観の変化に加え、二○二五年には二百四十三万人の介護職員の需要が見込まれるのに対し、介護職員は二百二十一万人ほどしか確保できない見通しであることも大きな理由であります。 山口県において、全国より十年早く高齢化が進んでいると言われています。 さらに、約三割の世帯が高齢者のみで生活している状況でもあるのです。 各市町の介護サービスの利用状況については温度差もありますが、特に在宅介護の支援強化と二十四時間見守り体制の整備が急務であると感じております。 介護人材の不足を補うデジタルの活用の波も押し寄せているようですが、高齢者の多くが希望されている住み慣れた自宅で過ごせる在宅介護は、介護のみならず、福祉、医療など、在宅介護に関わる地域の限られた人材をしっかりと育成し、その上で互いに密に連携する体制をつくることが最も重要なところでもあると考えています。まさに、地域包括ケアシステムの深化が問われているのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。三つの維新のさらなる進化に向けた国への重点要望として、三十三項目の一つに、地域の介護提供体制の充実についてという項目が上げられていました。このことについて、県はどのように考えておられるのか、御所見を伺います。 以上で、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)磯部議員の御質問のうち、私からは、移住定住につながる取組についてのお尋ねにお答えします。 私は、県政の最重要課題である人口減少を食い止めるためには、移住定住の促進や関係人口の創出・拡大などにより、新たな人の流れを本県へ確実に呼び込んでいく必要があると考えています。 このため、本県では、市町や関係団体等と構成する「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議を中心に、移住者ニーズに対応した相談対応や受入れ支援などに取り組んでおり、移住者数は過去四年間で倍増しています。 こうした中、コロナ禍を契機に、テレワークによる働き方の新しいスタイルが急速に普及し、若い世代を中心に、地方移住やワーケーションへの関心が高まっています。 この環境変化をチャンスと捉え、移住へとつなげていくため、昨年、その拠点施設として、県庁一階に「YY!SQUARE」を、山口宇部空港内に「YY!GATEWEY」を開設し、県内関連施設のネットワーク化を図るなど、積極的に都市部テレワ―カーの受入れを行っています。 一方で、移住定住やワーケーションについては、全国的に誘致競争が激化しており、本県が目的地として選ばれるためには、地理的に優位な首都圏近隣県や先進地との差別化を図っていくことが課題となっています。 このため、移住定住の促進に向けては、ファイナンシャルプランナー等の資格を有するYY!ターンコンシェルジュによる、本県ならではの魅力ある働き方や生活設計の提案など、移住の検討段階から受入れ、定着に至るまでのきめ細やかな相談対応を行ってまいります。 また、やまぐちYY!ターンカレッジ等により、若い世代の価値観の変化などに対応した、やまぐち暮らしの提案を行い、本県の魅力を発信していきます。 さらに、ワーケーションの推進については、これまで構築した関連施設のネットワークの拡大に加え、県内企業や地域との交流により、ビジネス創出や地域課題の解決等につなげる、山口型ワーケーションのプログラムの開発を一層強化し、首都圏企業等に売り込んでいくこととしています。 私は、今後とも、市町や関係団体等との連携の下、テレワーク移住やその裾野を広げるワーケーションなどの取組を積極的に推進することにより、本県への移住定住に確実につなげてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)特定健康診査の受診率向上についてのお尋ねにお答えします。 県民誰もが生涯を通じて健康に暮らし、元気で活躍できる社会を実現するためには、健康寿命の延伸に向け、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の発症や重症化の予防に取り組むことが重要です。 こうした病気の発症や、早期発見・早期治療により重症化を防ぐためには、特定健診の受診が大変有効であり、県としては、各保険者と連携して受診率の向上に取り組んでいるところです。 具体的には、県民が特定健診の重要性を理解し、定期的に受診していただけるよう、やまぐち健幸アプリを活用し、個人向けに受診勧奨を行うとともに、健康経営企業の認定制度の普及を通じて、企業等における受診の促進に努めてまいります。 また、県民が特定健診を受けやすくなるよう、市町に対し、休日における健診の実施を働きかけるとともに、市町国保と協会けんぽが連携をした、がん検診との同時実施や、どちらの加入者も受診できる集団検診の開催を支援するなど、受診機会の拡充を図ってまいります。 とりわけ、お示しの市町国保の受診率向上に向けては、特定健診の無料化に取り組む市町に対して財政支援を行うとともに、昨年度からは、毎年、九月及び十月を強化月間と定め、テレビCMを集中的に放映するなど、市町の取組を支援しているところです。 こうした取組に加え、県民が自らの健康に関心を持ち、特定健診の意義を十分に理解してもらえるよう、本年十一月には、生活習慣病をテーマとした県民フォーラムを開催し、特定健診の啓発を行うこととしています。 県としましては、今後とも、市町や関係団体等と連携し、健康寿命の延伸に向け、特定健診の受診促進に努めてまいります。 次に、地域医療の充実についてのお尋ねにお答えします。 全国よりも早いスピードで人口減少、少子高齢化が進行する中、県民が生涯を通じ、健康で安心して暮らせるよう地域医療の充実を図るためには、地域の限られた医療資源を有効に活用し、効率的で質の高い医療提供体制の構築を進めることが重要です。 このため、県では、八つの医療圏域ごとの実情に応じて、医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療構想を策定し、医療機関や受療者の代表者等で構成する地域医療構想調整会議における議論を通じて、その実現に向けた取組を進めているところです。 こうした中、お示しのとおり、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、医療機能の分化・連携等の重要性が改めて認識されたところです。 このため、今後、県では、地域の実情に応じた適切な医療提供体制の確保に向け、新型コロナウイルス感染症への対応状況を踏まえた有事の際の対策等も含め、各医療圏の調整会議において十分な議論が行われるよう、必要なデータの提示や助言など、積極的な支援に努めてまいります。 県としましては、引き続き、市町や関係団体等とも連携をし、地域住民の皆様が安心をできる医療提供体制の構築を進め、本県の地域医療の充実に取り組んでまいります。 次に、地域の介護提供体制の充実についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行する中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を進めることが重要です。 このため、県では、やまぐち高齢者プランに基づき、団塊の世代が七十五歳以上となる二○二五年を見据え、地域包括ケアシステムの深化・推進に向け、介護サービスの提供体制の充実や、システムの基盤強化等に取り組むこととしています。 まず、介護サービスの提供体制については、市町と連携しながら、地域の介護ニーズに的確に対応できるよう、小規模多機能型居宅介護事業所等の設置促進や、ICT導入による介護サービスの質の向上の推進など、在宅介護サービスの充実に取り組んでいるところです。 また、買物や見守り等の生活支援サービスの充実を図るため、サービスの創出等を行うコーディネーターや担い手の養成に取り組んでまいります。 次に、地域包括ケアシステムの基盤強化については、お示しのとおり、地域の医療・介護・福祉等の関係機関や多職種の連携体制の強化と、それを支える人材の育成が重要です。 このため、システムの中核であり連携の要となる地域包括支援センターの機能強化に向けて、センター管理者向けの研修の実施や、在宅介護の困難事例等に対する医師、弁護士等の専門職派遣等により、連携体制の強化を図ってまいります。 さらに、介護職員の医療的知識の習得や、医療的ケアのできる職員の養成への支援を行うなど、関係機関の円滑な連携に向けた介護職員の資質向上を図る取組を進めてまいります。 また、こうした取組をさらに進めていくためには、国の一層の取組や支援が必要であり、先般、政府要望を行ったところです。 県としましては、今後とも、市町や関係団体等と連携しながら、地域包括ケアシステムの深化・推進に向けて、地域の介護提供体制の充実に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)教育に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、新たな県立高等学校の在り方についてです。 社会が大きく変化し、子供たちの興味・関心や目的意識等が多様化する中、中学生が進路希望に応じて行きたい学校を自ら選択できるようにするためには、高校の具体的な取組やその成果をしっかりと発信する必要があります。 このため、県教委では、全ての公立高校の取組等を紹介した県教委のウェブページや、公立中学校の進路指導担当者を対象とした説明会などを通して、高校の特色や魅力を積極的に発信しているところであります。 また、高校においては、コミュニティ・スクールの仕組みを生かした地元自治体と連携した探究活動や、中学生への学習支援などに取り組んでいるところであり、引き続き、中学校や地域の方々と連携・協働する中で、その高校の魅力やよさが伝わるような取組を推進してまいります。 さらに、高校の特色化・魅力化を一層推進するため、県教委では、現在、各学校の社会的役割等を明確化したスクール・ミッションを作成しているところであり、これに基づき、各学校においては、教育活動の方針となるスクール・ポリシーを策定することとしています。 県教委といたしましては、中学生の主体的な学校選択につながるよう、中学校や地域と連携しながら高校の魅力を高め、積極的な情報発信に努めてまいります。 次に、不登校児童生徒への支援についてです。 新型コロナウイルス感染症の影響などにより、児童生徒を取り巻く環境が大きく変化する中、本県においても、不登校児童生徒数の増加は生徒指導上の喫緊の課題であり、その支援に当たっては、一人一人の状況に応じた学ぶ機会や居場所の確保が必要であると考えています。 このため、県教委では、昨年度設置した不登校児童生徒支援協議会において、各市町教委と不登校の実情や支援に関する方策等についての情報共有を行い、フリースクールなど民間施設等との連携による支援体制の構築や効果的な支援方法等について協議を進めているところです。 また、今年度は、市町教委と連携し、不登校児童生徒の学ぶ機会の確保に向け、一人一台タブレット端末を活用した効果的な授業や、デジタル教材を利用した家庭学習の充実を図るとともに、校内に子供たちの居場所を確保し、そこで学習支援や教育相談等を行う体制づくりについて検討していくこととしています。 県教委といたしましては、児童生徒一人一人の状況に応じた効果的な支援を行うことで、不登校児童生徒の学ぶ機会や居場所の確保に向け、取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時二十三分休憩