1 知事の政治姿勢について 2 6月補正予算について 3 県民の生活と生業を守る課題について 4 防衛政策と米軍岩国基地に係る諸問題について 5 JRローカル線の存続と利用促進について 6 公立大学の運営について 7 その他
議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。質問に入る前に一言申し上げます。 岸田政権が七日決定した、二○二二年の骨太の方針では、NATO諸国が国防予算を対GDP比二%以上とする基準を満たすという誓約をしていることを明記し、防衛力を五年以内に抜本的に強化することを盛り込みました。 これまでの専守防衛の立場を投げ捨てて、敵基地攻撃能力の保有を求めた自民党の提言を丸のみしたものであります。 経済財政についても、九年間のアベノミクスで経済成長が止まってしまったことへの言及は避け、アベノミクス路線の全面的な継承を宣言しました。 日本共産党は、こうした自公政治に厳しい審判を下すために、目前に迫った参院選挙で比例代表で五議席獲得を目指すとともに、この山口選挙区には政策論戦の第一人者、県副委員長、皆さん方おなじみの吉田達彦県議団事務局長を擁立して戦います。 野党共闘の仲間である立憲民主党さんや社会民主党さん、お互いに競い合いながら、同時にスクラムを組んで、改憲・軍拡路線に進めていく岸田政権に痛打を与えるために全力を挙げて戦う決意を表明して、通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてです。 前副知事による公選法違反事件に関わる依頼者への対応についてお尋ねします。 同事件の背景や原因を調査し、再発防止に向けた提言をまとめるために設置された調査チームが、課長級以上の管理職を対象に実施したアンケート調査を通じて、山口県庁内では、数十年以上にわたって自民党候補への後援会への勧誘が常態化していた実態が明らかになりました。 こうした調査結果を踏まえ、調査チームがまとめられた報告書では、再発防止を含む県政全般への正しい運営を実現する最も重要かつ根本的な方針として、自民党に対するあしき配慮を完全に断ち切り、特定の政党に偏ることなく公平・公正な立場で行動する、このことを提言しました。 まず、県はこれまでどのような自民党に対するあしき配慮を、これを行ってきたのか、お尋ねします。 二つは、前副知事に自民党候補の後援会入会を勧誘するよう依頼した団体、人物は一体誰か、村岡知事は、県としては調査しないと繰り返し述べられていますが、依頼した側には犯罪を教唆した疑いが持たれています。 教唆とは、犯罪を行う決心をしていない人を唆すことで、犯罪を行う決心をさせてしまう行為であります。教唆犯は、刑法上、正犯の刑を科すとされています。 依頼を受けた側だけが裁かれるのは著しく公平を欠くものであります。公平・公正であることが求められる行政の長として、依頼した側を特定する、そして公平な裁きを求めるべきだと考えますが、伺いたいと思います。 質問の第二は、六月補正予算についてであります。 一つは、原油価格・物価高騰対策についてお尋ねします。 六月補正予算案に、生活困窮者等への支援策として約二十一億七千万円、事業者等への支援策として約五十四億七千万円、計七十六億四千万円が計上されたことは評価します。 しかし、物価高騰は電気、ガス、食品、生活必需品など全般に及び、今後も値上げラッシュが続きます。所得が少ない人ほど打撃を受ける、中小企業・小規模事業者への影響も深刻であります。今政治がやるべき仕事は、物価の引下げと物価に負けない収入を増やすことです。 最も効果的な対策は、消費税の緊急減税であります。一昨日時点で八十九か国が減税に踏み切っています。今日あたり九十か国を超したと思いますが、時限的にでも実施するよう国に要請する考えはありませんか、お尋ねします。 また、物価高騰が続く中、年金削減や七十五歳以上の医療費の窓口負担を二倍化する、このような血も涙もないような政策は、直ちに中止を強く求めるべきであります。年金減額の仕組みを改め、年金の底上げこそ急務と考えますが、それぞれ見解をお尋ねします。 二つは、新型コロナ感染症の拡大防止策であります。 五月十四日、新型コロナウイルスに感染して、自宅療養していた県内の五十代の女性が死亡するという悲しい事件が発表されました。県内で自宅療養者の死亡が確認されたのは初めてです。 同事案の経過と県の対応に問題はなかったのか、同事案からどのような教訓を酌み取り、今後、再発防止のため、どのような対策を講じるのか、伺います。 質問の第三は、県民の生活となりわいを守る課題についてであります。 一つは、インボイスの導入について。 新型コロナ危機の収束や景気回復が見通せない中で、二○二三年十月からのインボイス制度実施に向け、二○二一年十月一日からインボイス発行事業者の登録申請が始まりました。国税庁は、五月末時点の登録者数を約五十一万社と発表していますが、山口県内の登録件数をお示しください。 全国で約五百十三万社に上る免税業者を取引から排除しかねないインボイス制度は、事業者間の取引慣行を壊し、さらに免税点制度を実質的に廃止するものであります。仕入れや経費に含まれる、この消費税を価格や単価に転嫁できなければ、ベンチャーやフリーランスも育たないと考えますが、見解を伺います。 コロナ禍で時短・自粛営業を余儀なくされ、地域経済が疲弊する下で、中小企業・自営業者の経営危機が深まっており、インボイス制度に対応できる状況では全くありません。 新型コロナ危機を克服し、新しく構築すべき経済社会においても、地域に根差して活動する中小業者の存在は不可欠であります。 こうした状況を踏まえ、インボイス導入については国に対し、見直し、ないしは中止を求めるべきでありますが、お尋ねいたします。 二つは、最低賃金の引上げについてです。 山口県の最低賃金は約八百六十円、フルタイムで月百七十三・八時間働いても月収は約十五万円、手取りは約十二万円程度であります。山口県労連が山口市内で若者が人並みの暮らしをするために必要な月収額を調査したところ、男女とも月額約二十四万円、これを満たすには最低賃金を千五百円まで引き上げる必要があることが分かりました。 さきに紹介した骨太の方針二○二二に盛り込まれた最低賃金の目標は千円であります。あまりも低過ぎる。国に対して、大幅な引上げを求めるべきですが、見解を伺います。 三つは、農林漁業の振興策について伺います。 ウクライナ危機は、輸入に頼り切って、国内の農林漁業振興をないがしろにして、食料自給率を三七%まで低下させた歴代自民党政治の罪悪を浮き彫りにしました。国内に残されている潜在能力をフルに活用して、食料自給率を大幅に高める方針に転換すべきと考えますが、見解を伺います。 こうした中、農水省は、今年度から水田活用の直接支払交付金の見直しに着手しました。この見直しで多くの農家が受給対象から外れるおそれがあります。 あぜや水路がなく水張りができない水田や、今年から二六年の五年間で一度も米を作らなかった水田を交付金の対象から外していく内容で、現場の農家や農協で混乱が広がっています。 県内における同交付金の活用実態を明らかにするとともに、この見直しによってどのような影響が生じるのか、また、県としてはどう対応されるのか、伺います。 質問の第四は、防衛政策と米軍岩国基地に関わる問題であります。 一つは、敵基地攻撃能力、反撃能力保有についてです。 冒頭、指摘したように、自民党が四月二十六日発表した、新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言に、これには、岸田首相が検討を繰り返し表明している、敵基地攻撃能力の名称は反撃能力に変更、攻撃対象をミサイル基地だけではなく、指揮統制機能などにも拡大した上で保有を求めています。 防衛大臣も務めた自民党安保調査会の小野寺会長は、相手国が攻撃に着手したと認定すれば攻撃は可能だと説明をしたことも報じられています。そうなれば、国際法違反である先制攻撃との区別も事実上不可能になります。 このため、四月二十三日の朝日新聞は、専守防衛の原則から逸脱するとともに、軍拡競争によって、かえって地域の不安定化を招くおそれがある、また、同日付の毎日新聞も、反撃能力を抑止力として振りかざせば、地域での軍拡競争を過熱させかねないと懸念を表明しています。 自民党の提言は、専守防衛を逸脱し、軍拡競争により地域の不安定化を招くものと考えますが、見解を伺います。 二つは、米軍岩国基地の機能強化についてであります。 第一に、戦闘機の爆音問題。 山口県は、五月二十三日、令和三年度の岩国基地周辺の航空機騒音の状況、これを発表しました。月間W値の推移は、四月、五月は高く、七、八月は低い低水準だったけれども、十月以降は高くなり、十二月、一月は四、五月を上回る水準になったとしています。 その上で、十二月、一月に月別最高値を示した地点が多かった理由については、F35Aの展開に伴う訓練が実施されたことを挙げています。訓練機の所属はアメリカ本国のアラスカ州のアイルソン空軍基地であります。 この訓練について、山口県は、昨年十二月三日、中国四国防衛局に対し、騒音対策や安全対策に万全を期す、そして騒音軽減措置を実施することを要請されましたが、この要請は遵守されたとお考えでしょうか、お尋ねします。 また、この際、今回の展開が、なし崩し的に延長されることがないようにとも要請されましたが、今月一日以降、十二月と同様にアイルソン空軍基地所属のF35A十八機がまた飛来して、六日から訓練を開始しました。これこそ、なし崩し的な運用というのではありませんか、伺います。厳重に抗議すべきと考えますが、この点もお尋ねします。 同訓練が始まって九日までの四日間で、岩国市には騒音に関する苦情が百十二件寄せられたほか、広島市街地上空での夜間に爆音をとどろかせる広島市にも、三十八件の苦情が寄せられました。 中国四国防衛局も米軍機の可能性が高いとして、米軍岩国基地に安全面、騒音面での最大限の配慮などを要請したそうですが、中国新聞の取材によると、同基地報道部は、地元の方々にもたらすかもしれない不都合は遺憾に思うと回答したそうで、全く意に介しておりません。 こうした状況を見れば、山口県は県民の平穏な生活環境を守るという機能、これを果たせていないと言わざるを得ませんが、この点お尋ねします。 同時に、単なる要請では限界が来ています。日米地位協定の抜本改定による訓練規制しか道はないと考えますが、伺います。 第二は、オスプレイについてであります。 海兵隊ペンドルトン基地を拠点とするMV22オスプレイが八日、メキシコ国境付近に墜落し、五人の搭乗員が死亡しました。同型機は三月にもノルウェーで演習中に墜落し、四人が死亡しています。 一年前にもお尋ねしましたが、岩国基地に所属する第五空母航空団のC2Aは、近々、MV22の改良型であるCMV22に機種変更されることが決まっています。 オスプレイの墜落事故が相次いでいることを踏まえると、オスプレイの安全性には改めて疑問を持たざるを得ず、C2Aのオスプレイへの機種変更、これは断じて容認できないと考えますが、見解を伺います。 質問の第五は、JRローカル線の存続と利用促進策について伺います。 一つは、JR西日本が中国五県の十路線二十一区間の赤字ローカル線について、関係自治体に存廃を含めた協議を求めている問題であります。 これに対して、中国地方知事会は五月十八日、鉄道ネットワークの維持・存続についての特別要請を採択し、JRの広範なネットワークは、国鉄改革の経営に鑑み、その実施者である国の責任において適切に堅持されるよう求めています。 国交省は、JR西日本の完全民営化を控えた二○○一年、国鉄改革の経緯を踏まえて路線の適切な維持に努め、廃止や見直しをしようとするときには関係自治体や利害関係人に十分に説明するという大臣指針を示していますが、曖昧な表現になっています。 ローカル線の存続のためには、鉄道事業法そのものを改正し、地域同意の義務づけを明確にすべきと考えますが、見解を伺います。 二つは、鉄道など公共交通機関の利用促進策についてです。 ドイツでは、エネルギー価格高騰対策とともに、公共交通の利用を促すことによる気候変動対策も兼ねて、今月六月から三か月間、月千二百円で国内の鉄道を含む公共交通機関を乗り放題にするチケットの販売を始めました。ローカル線の存続のためには、こうした思い切った利用促進策も検討すべきと考えますが、見解を伺います。 質問の第六は、公立大学の運営についてです。 下関市立大学における不当労働行為、すなわち、法令違反問題に係る認可権者たる山口県の対応について伺います。 二月議会で私は、地方独立行政法人法は、地方独立行政法人、または役員や職員が法令に違反した行為をした場合、同法人の認可権者である知事は、設立団体または同首長に対し、当該行為の是正のため必要な措置を講ずることを命ずることができるとしていることを指摘して、不当労働行為という法令違反をする行為を行った下関市立大学等に必要な対応を取るよう求めたのに対して、平屋副知事は、不当労働行為事件に関して必要な措置は、労働委員会において講じられるものと答弁されました。 確かに不当労働行為の是正措置は労働委員会が講じるものと理解していますが、法令に違反する行為があったことは事実であり、認可権者である山口県にも当該行為の是正のための必要な措置を講ずるべきことを求める責任があるのではないですか、改めてお尋ねします。 それとも同大学等による不当労働行為は、法令違反とは考えていないのでしょうか、この点お尋ねして、私の第一質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、原油価格・物価高騰対策に関し、消費税の緊急減税についてのお尋ねにお答えします。 国においては、消費税は、勤労世代など特定の者への負担が集中せず、経済活動に与えるひずみが小さいという特徴を持つことから、高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいとしています。 私としても、今後とも社会保障関係費の増嵩が続くと見込まれる中、国・地方を通じた厳しい財政状況や急速に進む少子高齢化という現状に鑑み、消費税の減税を国に要請することは考えていません。 お示しの原油価格・物価高騰対策については、このたびの国の総合緊急対策の趣旨を踏まえ、コロナ禍による疲弊に加え、現下の原油価格や物価高騰によりさらに深刻な打撃を受けている県内経済等の下支えに取り組むため、生活困窮者や各事業者等への支援策を今回の補正予算に計上したところです。 私としては、引き続き、経済情勢や国の動向等を十分に注視し、国の緊急対策にしっかりと呼応しながら、大きく傷んだ社会経済の再生に積極的に取り組む考えです。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)まず、公職選挙法違反事案に関する二点のお尋ねにお答えします。 最初に、県が行ってきたとされる配慮に関するお尋ねですが、さきの調査で、過去から選挙リーフレットの配付や後援会入会申込書への協力依頼があったとされたこと等について、そのように表現されているものと認識しています。 次に、後援会入会を勧誘するよう依頼した側を特定し、公平な裁きを求めるべきとのお尋ねです。 県としては、県庁内で公職選挙法に違反する事案があったことを踏まえ、その事実関係を把握し、再発防止に全力を挙げることが何よりも重要と考えており、依頼した相手方を特定することは考えていません。 次に、インボイス制度の導入についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、県内の登録件数は、五月末時点で約五千五百件です。 次に、免税事業者に対する見解と、国に対して見直し、中止を求めるべきとのお尋ねです。 インボイス制度は、消費税の軽減税率制度の下で適正な課税を行うために必要なものであり、国に対し、見直し、中止を求めることは考えていません。 国においては、令和元年十月の軽減税率の実施から、インボイス制度の導入まで四年間の準備期間を設け、相談窓口の設置や説明会の実施、リーフレットの配布など、事業者の理解と準備に向けて必要な対策を行っています。 また、免税事業者からの課税仕入れに係る六年間の経過措置を設けるほか、小規模事業者持続化補助金に免税事業者からインボイス発行事業者への転換を支援する特別枠を設けるなど、影響を最小限にするための対策を行っており、御指摘の点については配慮されているものと考えています。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)原油価格・物価高騰対策に関する御質問のうち、年金削減と七十五歳以上の医療費の窓口負担の見直しについてのお尋ねにお答えします。 年金については、少子高齢化を見据え、将来にわたって持続可能な制度となるよう、給付水準を調整する仕組みが導入され、七十五歳以上の医療費については、現役世代の負担を抑制するため、一定以上の所得のある方の窓口負担が、本年十月から二割へ引き上げられることとされています。 こうした年金や医療保険制度は、社会保障制度の根幹であり、国の責任において十分な議論の下、制度設計がなされるべきものと考えており、県としてはお答えする立場にありません。 次に、新型コロナ感染症の拡大防止策についてのお尋ねにお答えします。 本事案の経緯についてですが、医療機関からの発生届を踏まえ、保健所が直接本人に疫学調査を実施したところ、軽症で、呼吸苦はなく、せき症状も軽いなど、自宅での対応が可能な状態であったため、本人の希望も考慮し、自宅療養の決定を行ったところです。 その後、保健所等からの健康観察の電話への応答はなく、保健師が安否確認のため自宅を訪問しましたが、応答がないため、警察に通報し、自宅での死亡が確認されたところです。 県としては、本事案については、保健所において、発生届を提出した医師の所見や患者の症状及び生活状況等を踏まえ、総合的に判断して対応を行ったものであり、適切なものであったと認識をしています。 今回の事案を踏まえ、県では、改めて症状等に応じて療養先を適切に判断することや、自宅療養中の健康状態の確認等について適切に対応することなどを、各保健所に対し周知したところです。 議長(柳居俊学君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)県民の生活となりわいを守る課題についてのお尋ねのうち、最低賃金の引上げについてお答えします。 最低賃金については、法律に基づき、最低賃金審議会の審議を経て、各地域の労働者の生計費や賃金などを総合的に勘案して、地域の労働局長が決定するものです。 その額については、最低賃金審議会を構成する公益、労働者、使用者の代表によりしっかり議論され、国において適切な水準に設定されるものと考えています。 議長(柳居俊学君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)県民の生活となりわいを守る課題についての御質問のうち、農林漁業の振興策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、食料自給率を大幅に高める方針への転換についてです。 国は、令和二年三月に策定した食料・農業・農村基本計画において、カロリーベースの食料自給率の目標を二○三○年に四五%へ引き上げるとしており、この達成に向けて、生産・消費両面の取組を推進することとしています。 お尋ねの食料自給率の目標については、国の責任において示されるべきものと考えています。 次に、水田活用の直接支払交付金の見直しについての数点のお尋ねにお答えします。 まず、県内における交付金の活用実績については、約三千五百の農家や法人等に対し、三十五億円余りが交付されています。 次に、見直しによりどのような影響が生じるのかについてですが、国は、今後五年間で一度も水稲を作付しない水田について、地域の課題を把握・検証した上で、交付対象水田のルールを具体化するとされており、現段階ではお示しすることはできません。 次に、県としてどう対応されるのかについては、先般、国に対し、地域の実情を踏まえた見直しが行われるよう要望したところです。 議長(柳居俊学君)松岡総合企画部長。 〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 総合企画部長(松岡正憲君)敵基地攻撃能力の保有についてのお尋ねにお答えします。 お尋ねのありました提言は、かつてない厳しい安全保障環境に立ち向かうため、必要な抑止力や対処力を強化する必要があるとして、自由民主党が様々な方策を取りまとめ、新たに策定される国家安全保障戦略等に反映するよう、政府に求められたものと承知しています。 この提言の内容は、国の専管事項である防衛政策に関する事柄でありますことから、県として、見解を申し述べる立場にはありません。 次に、公立大学の運営についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 不当労働行為事件については、労働組合法第二十条の規定により、労働委員会が権限を有するものであり、労働委員会は、労働組合法施行令第十六条の規定に基づき、労働組合法に規定する権限を独立して行うとされています。 そのため、認可権者である県として、当該行為の是正のために必要な措置を講じるよう求める考えはありません。 なお、不当労働行為とは、労働組合法第七条に反する行為のことでありますが、当該事案については、現在、下関市立大学から中央労働委員会に対して再審査申立て中であり、県労働委員会の救済命令が確定していない状況であると認識しています。 議長(柳居俊学君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)米軍岩国基地の機能強化についてのお尋ねのうち、戦闘機の爆音問題に関する四点のお尋ねにお答えします。 まず、昨年十二月のF35Aの飛来に伴う訓練について、県が行った要請は遵守されたと考えるかとのお尋ねです。 この訓練期間中に岩国日米協議会の確認事項に反した飛行運用や事故等は確認されておらず、米側は、県と地元市町の要請の趣旨を踏まえた対応に努めているものと考えています。 次に、昨年十二月に、なし崩し的に延長することがないよう要請したのにもかかわらず、六月六日に訓練が開始されたのは、なし崩し的な運用ではないか、厳重に抗議すべきではないかとのお尋ねです。 昨年十二月は、滞在期間が数週間程度と示されたことに対して、延長されないよう要請したものであり、同月中旬には岩国基地を離れ、米国に帰還していることから、この要請に反した運用が行われているとは考えていません。 このたびの六月の飛来についても、国に対し、改めて、安全対策などの要請を行っており、今後、滞在期間中に問題があれば、国や米側に必要な対応を求めてまいります。 次に、県は、県民の平穏な生活環境を守るという機能を果たせていないと言わざるを得ないのではないか、単なる要請では限界が来ており、日米地位協定の抜本改定による訓練規制しか道はないと考えるがどうかとのお尋ねにまとめてお答えします。 県では、住民の安全で平穏な生活を確保する立場から、国に対し、基地周辺での集中的な訓練の緩和や訓練の分散など飛行運用に係る騒音軽減措置等について、機会あるごとに求めてきたところです。 米側からは、地域への影響を可能な限り緩和する努力をしているとの回答を受けていると、国から聞いており、県の機能を果たしていないとの御指摘は当たらないと考えています。 引き続き、地元市町と連携して、米軍の運用等の状況把握に努め、問題があれば必要な対応を求めてまいります。 また、日米地位協定の改定についても、これまで同様、渉外知事会等を通じて、国や米側に働きかけてまいります。 次に、オスプレイについてのお尋ねにお答えします。 C2AからCMV22への機種変更については、従前から関連の報道等がなされる都度、国に対し照会しており、防衛省として何ら決まった方針があるとは承知していないとの回答を得ているところです。 県としては、引き続き、岩国基地配備機の機種変更について情報収集に努め、地元市町の意向を尊重しながら、適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)JRローカル線の存続と利用促進についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、鉄道事業法への地元同意の義務づけに対する見解についてです。 鉄道は公共性が高く、廃止等されれば、地域住民の生活等に大きな影響を及ぼすことから、県としては、廃止等の手続に地域の実情が反映できるようにすべきと考えており、国に対し、鉄道事業法における手続の見直しを要望しているところです。 次に、ローカル線の存続のための利用促進策についてです。 県では、各路線に設置された利用促進協議会等と連携し、さらなる利便性の向上をはじめ、日常利用の促進や一層の観光利用につながる効果的なプロモーションなど、様々な取組を検討することとしています。 議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 まず、公選法違反事件、部長の答弁で教唆の疑いのある団体、人物については、言ってみれば特定しない、発表しないという答弁でありましたが、これこそまさに自民党に対するあしき配慮そのものであり、特定の政党に偏った不公平・不公正極まるものではないでしょうか、まず、この点についてお尋ねします。 また、調査報告書でも、自民党に対する忖度が組織的に行われたことは間違いない、こう断定して、法律を守る意識が希薄だったと明言しています。さらに、副知事が勧誘を自民党関係者から依頼されたことを踏まえ、根深い自民党との関係性に基づいて敢行されたとまで踏み込んでいます。 要するに、自民党のどのライン、誰と誰が仕掛け人であったかと、このことは調査の過程で明らかになっているわけですから、これを明らかにしないことは、言ってみれば悪質な隠蔽であり、県民への裏切りではありませんか、改めて伺います。 基地問題についてですが、まず、港湾施設の使用について伺います。 昨年十月以降、アメリカ海軍の大型艦船の寄港は十一回にもなりました。港湾施設の使用について県は、二○○五年九月議会で、国からは従来どおり、燃料及び補給物資等の積卸しを行うためのもので、大型艦船停泊のために建設したものではないという説明を受けたと答弁をされています。 また、この国の説明は、もはや有名無実のものとなったと考えざるを得ませんが、この点について見解を伺います。 県は、寄港が一時的なものなら問題ない、これまで答弁されてきましたが、昨年十月以降寄港した艦船の中で、あの巨大なミゲルキースの寄港はもう既に四回に及んでいます。これについて、岩国の福田市長は、五月二十五日、定期的との見方も否定はできないとの認識を示されたようでありますが、県も同様の認識かどうか、改めてお尋ねします。 いずれにしても、いろいろ理屈をつけて米軍の好き勝手、やりたい放題を開けて通す姿勢は正さないと、岩国基地の機能強化は際限なく進むと危惧しますが、お尋ねをいたします。 もう一点は、アメリカ海兵隊が三年ぶりに公表した海兵航空計画に、来年三月末までにKC130二機を追加配備することが明らかにされています。この種の問題について山口県は、防衛省に照会したところ、何ら決まった方針があるとは承知していないとの回答を得ていると答弁されてきましたが、この問題も果たしてそうでしょうか、お尋ねいたします。 あわせて、海兵航空計画で明らかにされた岩国基地への配備計画で、実際とはそごがあった事例はあるのか、あるのならその事実を示していただきたいと思います。 市立大学問題で、総企部長からは、市大当局が中央労働委員会に上げた、だから法的効力があたかもないかのような答弁がありました。これは全く違います。 労働委員会、こちらに事務局ありますから、きちんと聞いていただけたらと思いますが、山口県労働委員会で認定された救済命令が出された不当労働行為については、その違法性が明らかになり、市大当局は中央労働委員会に上げましたが、その法的効力は地労委でのこの内容が維持をされています。ただ、処分については、中労委での確定が決まるまでは処分は行わないというだけでありますから、違法性については明らかになっています。 この問題について関連して言えば、この地方の市立大学の問題が中央労働委員会に上がる、こういう中で、まさにこの問題は全国的な注目を浴びるような状況になっています。 国公立大学に限らず、今、私立大学の中でもまさにこの大学の運営その他について極めて大きな関心を集めているという点では、中労委でのこの流れは非常に大事だし、全国的な注目を浴びているという点では、山口県の認可権者としての対応が改めて問われているというふうに思います。 この点では、県の労働委員会は二月議会で近本会長が答弁されたように、労働組合法第二十条その他の法令に基づいて中立的な第三者の立場で、労使双方の主張や立証を公正かつ慎重に検討した上で不当労働行為と認定し、救済命令を出すという、その職責を立派に果たされたわけです。 ならば、認可権者たる村岡知事も、地独法百二十二条三項、四項に明記されている法令に基づき、その職責を果たすべきではありませんか。責任逃れ、見て見ぬふりはしない、これこそが今問われています。 義を見てせざるは勇なきなり、この論語は吉田松陰が最も大切にした一節と言われていますが、今山口県の対応は全く真逆ではないでしょうか、改めて見解を求めて再質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)公職選挙法違反事件についての二点の再質問にまとめてお答えします。 繰り返しになりますが、県としては、県庁内で公職選挙法に違反する事案があったことを踏まえ、その事実関係を把握し、再発防止に全力を挙げることが何よりも重要と考えており、依頼した相手方を特定することは考えておりません。 なお、今回の調査におきまして、依頼者の特定には至っておりませんし、調査チームのリーダーである高村弁護士も記者会見でおっしゃっておりますけれども、我々のほうから依頼者を特定するといった権限は、そもそも有していないものと認識しております。 議長(柳居俊学君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)木佐木議員の五点の再質問にお答えします。 まず、港湾施設の使用について、県議会等で大型艦船停泊のためではないという国の説明があったということで、とにかく国の説明はもはや有名無実と考えるが、どうかというお尋ねです。 県では、国の説明について、港湾施設で補給物資等の積卸しを行うことは想定されていることから、補給目的で艦船が寄港すること自体を否定しているわけではありません。したがいまして、国の説明を有名無実とは考えておりません。 次に、五月二十七日に岩国市長が記者会見で、ミゲルキースが四回寄港していることに対し、定期的との見方は否定できないと認識しているが、県も同様の見解かというお尋ねだったと思います。 岩国市長の認識について、県では八か月の期間の間に、同じ船ミゲルキースが四回寄港したその事実について率直な感想を述べられたものであり、寄港に問題があるとの趣旨まで含むものではないというふうに認識をしております。 次に、岩国基地の機能強化は際限なく進むと危惧するが、見解を伺うという御質問だったと思います。 お尋ねの機能強化が基地の軍事的な機能についてということでありましたら、県は地方自治体として権限や知見を有しておらず、これを判断することはできません。 一方、基地周辺住民の生活環境の悪化という問題でありましたら、県の基地問題に対する基本姿勢において、新たな部隊の移駐等の基地機能の変更がある場合には、航空機騒音や安全性等の面で基地周辺住民の生活環境が現状より悪化するかどうかを判断基準として対応し、悪化する場合には容認できないとの対応をしていくものであり、際限なく進むとは考えておりません。 次に、海兵航空計画にKC130二機を追加配備することが明らかになっているが、この問題についてどうかというところです。 海兵航空計画の位置づけでございますけれども、その内容は随時変更され得ることを前提にした海兵隊内部の報告用資料として作成されたものでありまして、米国防省の公式な立場を反映したものではないと承知をしているところです。 したがいまして、県としては、そもそも二機追加配備されるとかというふうな考えは持っておりません。 最後五点目、海兵航空計画で明らかにされた岩国基地への配備計画で、実際とそごがあった事例はあるのかというお尋ねでした。 一つ前の御質問でありましたKC130ですけれども、二○二二海兵航空計画におきまして、KC130の配備機数が十二機から十七機へ増加する旨の記載があります。ただ、実際の配備については、平成二十六年に沖縄県の普天間基地から岩国基地に移駐の際には、国から十五機と説明があり、実際に十五機配備されております。 したがいまして、計画上は十二機で実際は十五ですから、こうしたようにそごがある事例はあるものと考えております。 議長(柳居俊学君)松岡総合企画部長。 〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 総合企画部長(松岡正憲君)下関市立大学の運営につきましての再質問にお答えします。 当該不当労働行為、この事案につきましては、現在、下関市立大学から中央労働委員会に対して再審査申請中でございまして、県の労働委員会の救済命令が確定していない状況であると認識しております。 不当労働行為事件に関しまして必要な措置は、労働組合法の規定に基づきまして、労働委員会において講じられるものと考えております。 したがいまして、県として、地方独立行政法人法第百二十二条第三項、または第四項の規定を適用することは考えておりません。 議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 まず、公選法違反事件、問題は教唆をした疑いがある、やった側ですね、要するに嫌がる相手に対して犯罪を唆すようなことをやって、自ら進んだ方もいらっしゃったかもしれませんが、山口県の幹部の方々が、本当に長年にわたって公選法違反事件をやったと、こうなるわけですから、この点は明らかにする必要があるというふうに思います。 とりわけ、小松元副知事は、言ってみれば自ら詰め腹を切り、この後の解明は村岡知事に託しました。しかし、それは全くなされていない。こうした問題を含めて、県民の誰もが不信感を持つ。言ってみれば、不愉快に感じており、山口県のコンプライアンスもガバナンスも、言ってみれば一旦地に落ちた状況になりました。 山口県政の再出発のためにも、うみは全て出し切る、このことが不可欠であり、再出発への起点ではないでしょうか。再発防止、これをやっていくために再出発の出発点としてこの点を明らかにする必要がある、この点の見解を伺いたいと思います。 市大問題について確認したいのは、山口県の労働委員会のあの不当労働行為の救済命令で、中労委に出したからといってその法的効力は、総合企画部はないってこういうふうに言っているわけですが、法的効力があれば地独法百二十二条三項、四項に基づいて、市大当局に対してその効力を発揮、認可権者としての責任を果たすのかどうか、効力問題について改めて伺いたいというふうに思います。 以上で、再々質問を終わり、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)公職選挙法違反事件についての再々質問にお答えします。 先ほども御答弁いたしましたけれども、我々は捜査当局ではありませんので、そもそも我々のほうから依頼者を特定するといった権限は有していないところでございます。 県としましては、再発防止策として掲げた二つの宣言と五つの取組を県庁を挙げて徹底することを通じて、県民の皆様の信頼回復に向けて取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡総合企画部長。 〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 総合企画部長(松岡正憲君)下関市立大学の再々質問についてお答えします。 法的効力はということでございましたけれども、法的効力はございますけれども、基本的に不当労働行為に関して必要な措置は労働委員会において講じられるものと考えております。 したがいまして、県として当該行為の救済のために必要な措置を講じるよう求める考えはございません。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時五十四分休憩