1 アフターコロナ時代の交流拡大について 2 認定看護師等の活躍促進について 3 産業人材の確保・育成について 4 県立大学における高大連携の推進について 5 部活動の地域移行について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第六十一号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 西本健治郎君。 〔西本健治郎君登壇〕(拍手) 西本健治郎君 自由民主党の西本健治郎です。それでは、通告に従い、質問をいたします。 初めに、アフターコロナ時代の交流拡大についてお尋ねをいたします。 本年五月、新型コロナの法的位置づけも見直され、社会経済活動が平時に戻り始めるための新たなスタートが切られます。 コロナ禍を経て、国内外の多くの観光客が、地方が持つ自然資源など新たなニーズを求めていることは、三方を海に開かれ、豊かな自然環境を有する本県にとって、まさに誘客拡大の大きなチャンスではないでしょうか。 私は、これまで本県の豊かな自然環境という強みを生かし、県内外からの誘客につなげていくことの重要性を一般質問において発信してまいりました。 このたび、村岡知事は、コロナ禍で生じた観光客のニーズ変化を踏まえ、新たなアウトドアツーリズムを掲げ、積極的な誘客促進に取り組む考えを示されました。 私自身、新年度の事業展開に大きな期待をしているとともに、今後、県内外からの多くの観光客を呼び込み、アウトドアツーリズムを定着・発展させていくためには、本県の地域特性を生かすことはもとより、競合する近隣県を分析し、差別化を図っていくことが重要です。 秋吉台カルスト台地や秋芳洞、青海島、須佐ホルンフェルスなど、県内各地にある、それだけでも多くの観光客を魅了する地域資源を今後さらに磨き上げ、誘客につなげていくことが必要です。 また、知事は、山口きらら博記念公園の潜在力にも着目され、新たな交流・集客拠点として再整備していく方針を新規事業に盛り込まれました。 今後も、より多くの県民に愛され親しまれる交流拠点となることはもちろんですが、これまでも西日本最大級の野外音楽イベントの開催により、わずか数日間で七万人が訪れるなど、イベント開催地としても全国から高い評価を受けている本施設のポテンシャルをさらに伸ばしていく取組こそ、誘客拡大にとって絶好のチャンスであると考えております。 一方で、大規模イベント開催時には、大渋滞が発生するなど、乗り越えなければならない課題にも目を向け、しっかりと対策を講じていただきますよう、お願いをいたします。 こうした点を踏まえながら、今回の山口きらら博記念公園の再整備と村岡知事の目指すアウトドアツーリズムを連携させ、県内各地の周遊につなげていくことで本県経済の活性化を実現していただきたいと願っております。 そこでお尋ねいたします。コロナ禍で生じたニーズ変化を踏まえ、本県の強みを生かした新たな時代の交流拡大に向け、アウトドアツーリズムの推進や山口きらら博記念公園の再整備を通じた交流の拡大に県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 また、本年はインバウンド再起動の一年であります。 私の地元下関では、昨年末、関釜フェリーの運行も再開し、いよいよインバウンド本格再開に向け、市民をはじめとした関係者の機運も大いに高まっているところです。 また、この春からいよいよ国際クルーズ船の寄港が全国各地で再開され、下関港ではクルーズ専用岸壁の供用も開始し、秋頃には下関市へ寄港する旅行商品も発表されるなど、地元の期待は尽きることがありません。 さて、私は、八年前の初当選以降、クルーズ船の誘致促進について、これまで一貫して質問してまいりましたが、このたびのコロナ禍を経て、クルーズ市場も大きくさま変わりをいたしました。 コロナ禍以前は、一度に数千人単位で訪れる中国人を中心とした外国人観光客が寄港先の免税店やドラッグストア等を目がけ、日本の化粧品や薬などを大量購入する、いわゆる爆買いが主流でありましたが、昨年のインバウンド再開以降、欧米の富裕層を中心に、その土地でしか体験できない、中でも文化的な体験にシフトしていると伺っています。旅行会社や船社等も、こうした観光客のニーズ変化を受け、各寄港地での特性を生かした商品プランの開発にも力を入れており、県としても、この流れに乗り遅れることなく、国際クルーズ船誘致を通じて、確実に本県経済の活性化につなげていかなければいけません。 萩の城下町、柳井の白壁の町並み、また地元である城下町長府など、歴史や時代を感じることができる昨今のニーズに適した施設や文化財などを多数有している本県としても、こうした文化資源の磨き上げや県内でお金を落としてもらうための着地整備にも早急に取り組んでいく必要があります。 また、本年五月にはG7サミットが広島で開催予定であり、改めて世界の注目が日本に集まります。 さらに、コロナ禍を経て、日本の観光地としての人気は急上昇していることも追い風です。まさに今年は、国際クルーズの誘致に向け、本県を売り込んでいく最大のチャンスであります。 県では、これまでもアフターコロナを見据え、国際クルーズの受入れ再開に向けた誘致活動を行ってきたことと存じますが、今後は、そうした動きをさらに加速・強化させ、文化的資源など、本県独自の魅力を積極的にPRし、確実なクルーズ船誘致につなげていただきたいと願っています。 そこでお尋ねいたします。インバウンド再起動となる本年、国際クルーズ船の誘致にどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、認定看護師等の活躍促進についてお尋ねをいたします。 本県では、全国に先行して高齢化が進行しており、団塊世代が七十五歳以上となる二〇二五年を目前に控え、さらには団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二〇四〇年と、今後、高齢化のさらなる進行、高齢単身世帯や認知症の人の増加等が見込まれています。 こうした中、県民が安心して地域で暮らせるためには、疾病予防などをはじめとした地域保健福祉の充実が重要となりますが、地域ニーズの複雑化・多様化が進む中で、その担い手として活躍が期待されているのが認定看護師や専門看護師の皆さんではないでしょうか。 とりわけ、この長引くコロナとの闘いの中で、感染管理認定看護師は、高齢者施設や医療機関でクラスターが発生した際、クラスター支援チームとして派遣され、圏域でいち早く感染対策の技術指導等を行うなど、現場の感染拡大防止に高い効果を上げてきました。また、平時においては、社会福祉施設等への巡回指導等を行うなど、地域の保健福祉の充実に向け、不可欠な存在となっています。 昨年度の我が会派の要望に応じて、今年度、七年ぶりに山口県立大学で感染管理認定看護師の養成研修が再開されたところですが、ウイズコロナの中で地域保健福祉の充実を図るには、感染症における対策は欠かせません。今後も、新型コロナウイルスの感染拡大や新興感染症等への迅速な対応を行うためにも、引き続き養成研修への支援をお願いいたします。 また、現在、県内には、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師が二十三名、特定の看護分野における熟練した看護技術や知識を用いて、水準の高い看護を実践できる認定看護師が二百八十四名登録されており、県内の医療機関や施設で活動しています。 こうした専門的なスキルを持った専門・認定看護師の皆さんが、今後、さらに活動の場を広げていくことは、地域保健福祉の一層の充実に資するものと考えますが、そのためにも、円滑に地域活動を行うための仕組みづくりの構築が重要です。 関係団体からも、我が自民党会派に対し、認定看護師等のさらなる活躍推進に向けた支援要望の声が上がっており、引き続き県の取組に大きな期待を寄せています。 そこでお尋ねいたします。県では、地域保健福祉の充実に向けて、認定看護師等の活躍促進について、今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、産業人材の確保・育成についてお尋ねいたします。 私は、コロナ禍前の平成三十年二月議会において、本県産業振興の取組と併せ、その産業を支える人材確保の必要性について、まさに車の両輪として対策を押し進めていただきたい旨の質問をいたしました。 企業における四大経営資源は、人、物、金、情報と言われていますが、このうち最も重要なのは、言うまでもなく人材であります。あらゆる経営資源も、担い手となる人が手を加え、活用することによって初めて企業価値が高まり、成長・発展につながっていくのではないでしょうか。 しかしながら、現在、多くの地元企業は、長引くコロナ禍の影響もあり、人材確保に苦慮しています。需要は回復しているものの、人手不足で対応できず、受注機会を失った、また人手不足による賃金単価の上昇が受注単価の上昇に追いつかないなど、コロナ禍からの脱却を目指す企業にとって人手不足が大きな障壁となっているのが現状です。 実際、帝国データバンクが行った中国地方における企業の人手不足に関する調査においても、昨年十月時点で正社員が不足する企業は五二%にも上り、これは新型コロナウイルス感染症が本格化する前の二〇二〇年一月を上回っていることからも、人手不足は県内企業が抱える喫緊の課題であり、今こそ早急な対策が求められているのではないでしょうか。 県では、これまでも人手不足の解消に向け、生産性向上による賃金等の労働条件や就業環境の改善を通じ、人材を企業に引きつけ、つなぎ止めていく環境の整備や若者の積極的な採用、また女性・高齢者の一層の活躍促進など、様々な対策を講じておられますが、今後は、これらの取組をさらに充実強化していくことが必要です。 また、これまで県内人口の流出抑制の観点からも、地元学生の県内就職に積極的に取り組んでこられましたが、今後は、多様な県外人材にも本県で活躍してもらえるよう、新たな施策展開も重要であると考えています。 加えて、新年度における組織改編では、産業人材を所管する課を新設され、私も大いに期待をしているところですが、県では、今後、コロナ禍からの脱却も目指す様々な観点から、さらなる充実強化を図っていただきたいと強く願っています。 そこでお尋ねいたします。本県の産業振興を支える人材の確保・育成に向けた取組を一層強化すべきと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、県立大学における高大連携の推進についてお尋ねいたします。 平成四年に二百五万人でピークを迎えた十八歳人口は、以降、少子化の進行によって、令和四年にはその半分近くの百十二万人となっており、今後もさらに減少していく見通しであることは、大学運営にとっても大変厳しい時代を迎えます。 このような状況の下、大学が社会で求められる人材を育成、輩出していくという使命を果たしていく上で、高大連携の推進は重要な取組ではないでしょうか。 例えば、高校生が大学を訪問し、授業に参加することで、大学の授業内容やキャンパスの雰囲気を知ることができ、近い将来、大学への進学意欲を喚起することにもつながります。 また、高校生がどのような授業を求めているかなどのニーズを的確に把握することで、大学での授業に生かすことができます。 また、こうした高大連携の推進は、全国でも特色ある取組を進めている県立大学があります。 兵庫県立大学がその一つで、同大は、附属中学校、高等学校を設置し、大学のガイダンス講義や大学教授による専門分野の講義など、高大連携授業が高校の教育課程に組み込まれています。 また、奈良県でも今年度から附属高校を設置し、大学教員が高校に出向き、論文の作成指導を行ったり、高校生が県立大学の単位を取得できるプログラムを取り入れたりするなど、新たな連携に取り組まれています。 このように附属高校を設置し、高校から大学まで一貫した教育を行うことは、より専門的で、幅広い知識や技能を身につけることが可能となります。 また、附属高校を設置することで、地域に根差した人材育成が実現でき、探究活動やボランティア活動などを継続して行う中で、地域への愛着も育まれ、大学卒業時の進路選択においても、県内就職を希望する学生の増加や本県の重要課題である若者の県内定着へとつながることも期待されるのではないでしょうか。 私は、進行する少子化の中で、山口県立大学が高校生から選ばれる、魅力ある大学となり、地域に貢献していくためには、こうした附属高校を設置するなど、一歩前に出た特色ある高大連携を進めていくことが必要であると考えます。 県立大学では、昨年三月、国際化やデジタル化などの社会状況や地域のニーズ変化に対応するため、国際文化学部の再編などを盛り込んだ将来構想を策定され、その中で、高大連携の推進にも取り組み、今後、県内高等学校との連携方策を検討することとされています。 そこでお尋ねをいたします。県立大学では、高大連携の推進に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、部活動の地域移行についてお尋ねをいたします。 約半世紀にもわたり続いてきた部活動が大きな転換点を迎えようとしています。教員の長時間労働の見直しを契機に、少子化をはじめとした様々な要因が相まって、従来どおりの運営が厳しくなった部活動を、まずは休日から地域へ移行させようとする動きがこの春から始まる予定です。 世界の多くの国々では、スポーツは、学校ではなく、地域のクラブ等でなれ親しむというのが常識でありますが、日本では、学校部活動というシステムが古くから定着し、青少年育成にも大きな役割を果たしてきました。 昨年十一月、皆様も記憶に新しい、日本中が熱狂したサッカーワールドカップでは、ドイツ戦で逆転ゴールを決めた浅野拓磨選手をはじめ、七名の選手が、ユース出身者が多数を占める代表チームの中で部活動出身者であったことは、日本の部活動がスポーツや文化芸術活動において、世界と渡り合うための技術や心構えを育み、支える基盤としての役割を有していたことを私たちに証明してくれました。 私自身、幼少期は肥満児で、運動が大の苦手でした。また、身体的な負い目から、明るい将来を思い描くことすらできませんでした。 しかし、部活動との出会いが私を大きく成長させてくれました。そうした経験があるからこそ、現在の子供たちにも部活動が持つ多くの魅力や効果を享受してほしい、また時代が変化する中で、やむを得ない側面もありますが、地域移行という新たな方策によって、何とか子供たちのスポーツや文化芸術活動の機会を確保してほしい、その一心で、これまで部活動に関する質問を行ってまいりました。 これからスタートする地域移行に向けては、いかに持続可能な形で、スポーツや文化芸術に親しめる環境を整備できるかが何より重要です。 しかしながら、現在、部活動の受皿として想定されるスポーツ少年団などは、少子化の影響や指導者不足等によって年々減少傾向にあるなど、今後の取組に当たっては、新たな受皿や指導者の確保、加えて移動手段の少ない子供たちの活動場所の選定など、多くの課題を乗り越えていかなければいけません。 県では、新年度から地域移行に向けた実証事業に取り組むこととされていますが、ぜひとも中学校区ごとにきめ細かく課題を検証され、それぞれの地域に適した在り方を探っていただきたいと考えています。 また、今後の取組におかれましては、引き続き県教委とも連携し、本県の未来を担う子供たちが地域移行後も部活動と同様の効果を享受できるよう、どうか生徒の成長を第一に推進されますことを切に願っております。 そこでお尋ねします。 来年度から改革推進期間が始まりますが、持続可能なスポーツ・文化芸術活動の環境の整備に向けて、県は、今後、部活動の地域移行にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)西本議員の御質問にお答えします。 まず、アフターコロナ時代の交流拡大についてのお尋ねのうち、本県の強みを生かした交流の拡大についてです。 長引くコロナ禍の影響により、人々の意識や行動、価値観が大きく変化する中、自然の中で家族や友人と過ごす体験型の旅行など、アウトドアに着目した観光需要が拡大してきています。 私は、コロナ禍を乗り越え、この間低下した人と人とのつながりや地域の活力を力強く回復・再生させていくため、変化しつつあるニーズをしっかりと捉え、自然に恵まれた本県の優位性を存分に生かして、新たな人の流れと活力を生み出していきたいと考えています。 このため、山口県全域が県内外から多くの人を呼び込むアウトドアフィールドとしてのブランドを確立できるよう、新たなアウトドアツーリズムの創出に取り組むとともに、その核となる施設として、高いポテンシャルを有する山口きらら博記念公園の再整備を行ってまいります。 まず、新たなアウトドアツーリズムの創出に向けては、県や市町、やまぐちDMOをはじめ、観光事業者や関係団体等が幅広く参画する協議会を立ち上げ、外部の専門家の知見も取り入れながら、全県を挙げてアウトドアツーリズムを強力に推進するための体制を構築することとしています。 また、本県ならではのアウトドアツーリズムを象徴するキラーコンテンツの創出に向けて、これまでにない思い切った上限額一億円の補助制度を創設し、観光事業者等によるアウトドア施設などの開発に向けた取組を力強く後押しします。 さらに、県内各地の体験型コンテンツの利用促進キャンペーンを実施するとともに、専用サイトの開設により広く情報発信を行うなど、新たなツーリズムの認知度向上とブランド化に向けた戦略的なプロモーションを強力に展開することとしています。 次に、きらら博記念公園の再整備については、アウトドアフィールドとして重要な集客拠点ともなるよう、まず民間活力導入の可能性調査や宿泊利用、モビリティー導入等の社会実験などを行った上で、施設整備の方向性等を示した基本構想を策定することとしています。 また、公園の集客力を高めるため、全国的な大規模イベントの誘致活動を戦略的に展開するほか、アウトドアツーリズムの機運を高めるキックオフイベントを本年秋に開催し、県内外からの誘客促進を図るとともに、県内の各地の周遊にもつなげていきます。 私は、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、自然豊かな本県の強みを生かして、コロナ禍を乗り越え、アフターコロナの時代における新たな人の流れを創出し、本県に大きな活力をもたらす大交流維新の実現に全力で取り組んでまいります。 次に、産業人材の確保・育成についてのお尋ねにお答えします。 人口減少が進む中で、コロナ禍からの回復に向け本県産業が持続的に成長・発展していくためには、産業を支える人材の確保・育成を図ることが重要です。 このため、若者をはじめ、女性や高齢者の県内就職・定着に向けて、山口しごとセンターにおいて一元的に対応する体制を整え、企業の魅力発信や就職フェアの開催など総合的な支援を実施し、人材の確保に取り組んでまいりました。 また、やまぐち産業振興財団に設置した生産性向上・人材創造拠点における産業人材の専門的・実践的なスキル習得の支援や高等産業技術学校における職業訓練など、地域ニーズに応じた人材の育成にも取り組んでいるところです。 こうした中、企業の人手不足が顕在化している現状を踏まえ、来年度新たに産業人材課を設置し、成長の原動力となる産業人材を確保・育成する取組を充実強化することとしています。 まず、人材確保に向けては、ノウハウを習得するセミナーの開催や転職フェア出展料の補助等を通じて、キャリア人材の採用に取り組む企業を新たに支援するとともに、就職支援協定締結大学との連携強化を図るなど若者をはじめとした多様な県外人材の県内就職を総合的に支援します。 また、経営課題の解決に必要となる専門的なスキルを有するプロフェッショナル人材の確保に向け、県内企業への巡回訪問や相談会等を実施し、副業・兼業等多様な形態での勤務を希望する県外人材とのマッチングを促進します。 さらに、専門家による伴走支援を通じ、賃金等の労働条件の改善やデジタル技術を活用した時間や場所に捉われない新しい働き方の導入による魅力的な職場環境づくりを促進し、優秀な人材の獲得、定着につなげます。 次に、人材育成に向けては、企業の新事業展開等に必要なDXやGXなどのリスキリング支援に新たに取り組むとともに、高等産業技術学校の機械デジタル科開設などにより、デジタル化の進展に対応した訓練の充実を図ります。 また、未就業の女性等のさらなる活躍を促進するため、企業や大学等と連携して実践的なデジタルスキルを習得する講座を新たに開設し、県内企業への円滑な就業を支援します。 私は、本県産業が持続的に成長・発展していけるよう、産業界や関係機関と連携し、産業を支える人材の確保・育成に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)アフターコロナの時代の交流拡大についてのお尋ねのうち、国際クルーズ船の誘致についてお答えします。 クルーズ船の寄港は、乗船客の周遊観光等を通じて、交流人口の拡大や高い経済効果が期待できることから、県では、これまでクルーズやまぐち協議会を中心に、コロナ禍にあっても、その誘致活動を積極的に実施してきたところです。 この結果、今月から国際クルーズ船の寄港が全国各地で再開される中で、本県においても、四月の萩港への寄港を皮切りに、現時点で既に十回を超える寄港が予定されています。 今後、クルーズ船の運航は世界的に拡大が見込まれ、訪日旅行への人気も高まっていることから、本年、専用岸壁が供用開始となる長州出島をはじめ、クルーズ船受入れに適した多くの良港や多彩な観光資源など、本県の強みを生かして誘致活動の強化と受入れ環境の充実に取り組んでまいります。 まず、誘致活動の強化については、寄港の決定権を持つキーパーソンを招聘する視察ツアーを実施するとともに、海外の観光プロモーターを活用した現地セールスなど、それぞれの港の特色を生かし、市町と連携した戦略的な誘致活動を展開します。 特に、来年度は、日本の寄港に強い関心を寄せている欧米市場の新規開拓に向けて、日本に活動拠点のない欧米の船会社に対して、オンライン商談会の実施によるセールスを行うなど、積極的な誘致活動により寄港回数の増加につなげていくこととしています。 また、受入れ環境の充実については、コロナ禍により変化した乗船客のニーズを捉え、本県の強みである豊かな自然や文化、多彩な食を生かした観光コンテンツの充実を図るとともに、魅力的な周遊モデルルートを開発し、船会社等に対して商品化を働きかけてまいります。 特に、お示しのとおり、本県の多彩な文化資源は、欧米の船会社から高く評価されていることから、来年度は、本県の文化財を活用した体験メニューを開発し、これを新たな観光素材として磨き上げ、誘客につなげる取組を進めることとしています。 県としては、今後とも市町や関係団体と緊密に連携しながら、文化資源をはじめとする本県の魅力ある多彩な観光資源を活用し、クルーズ船の誘致活動に積極的に取り組んでまいります。 次に、部活動の地域移行についてのお尋ねにお答えします。 少子化や教員の働き方改革が進む中で、学校単位での部活動の継続が困難な状況が生じており、国において公立中学校の休日の部活動を段階的に地域へ移行する部活動改革の取組が進められています。 県としても、こうした国の取組を踏まえ、持続可能で多様なスポーツ・文化環境を整備し、将来的に子供たちがスポーツや文化芸術活動に親しむ機会を確保していくことが重要と考えています。 このため、これまで県教育委員会において県内の中学校での実践研究を進めるとともに、各市町の検討協議会の開催への支援や総合型地域スポーツクラブと地元中学校とが連携した体制整備の取組に対する支援など、移行に向けた環境整備を進めてきたところです。 こうした中、昨年十二月に示された国のガイドラインでは、学校と地域との連携・協働による新たな地域クラブ活動の考え方が示されるとともに、直ちに部活動を地域に移行することが困難な場合など、各地域の実情に応じて取組を進めることとされています。 このため、県としては、国のガイドラインに即して、地域の実情を考慮した各市町の意向を踏まえ、また関係機関等で構成するやまぐち部活動改革推進協議会での意見も参考としながら、部活動の地域移行に向けた県としての方針を示すこととしています。 また、これに併せ、来年度においては、新たに国の実証事業を活用し、地域の実情に即した部活動の地域移行に向けて、部活動の受皿団体の整備や学校施設の活用方法の検討など、各地域の課題解決に向けた市町の取組を支援することとしています。 さらに、今後必要となる指導者を確保するための人材バンクを設置するとともに、資質向上を目的とした研修会を開催するなど、新たな地域クラブ活動を担う指導者の養成・確保に向けた取組を進めてまいります。 県としては、今後とも、子供たちのスポーツ・文化芸術活動の機会が持続的に確保できるよう、県教育委員会と一体となって、各市町や関係団体等と緊密に連携しながら、部活動の地域移行が円滑に進むよう取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)認定看護師等の活躍促進についてのお尋ねにお答えします。 医療技術が飛躍的に進歩し、県民の医療に対するニーズが多様化する中、高度化・専門化する医療や看護に対応できる質の高い人材が求められていることから、専門的なスキルを持った認定看護師や専門看護師の確保・育成が重要です。 このため、県では、これまで医療機関や社会福祉施設等で指導的な役割を担う認定看護師等の資格取得研修の受講料補助などの支援を行っており、現在、県内で約三百人の方が認定看護師等として活躍されています。 とりわけ、今般の新型コロナウイルス感染症との闘いを通じて、感染管理認定看護師の重要性が再認識されたことから、今年度、県立大学において感染管理認定看護師養成研修を再開したところであり、今後起こり得る新興感染症の発生等も見据え、引き続き専門人材の確保・育成を図ってまいります。 また、高齢化がますます進行する中、複雑化・多様化する地域のニーズに応えられるよう、お示しのように、県内の認定看護師等が健康づくり活動や高齢者施設等への訪問指導など、活躍の場を広げていくことが県全体の地域保健福祉の充実につながるものと考えています。 このため、県では、来年度、県看護協会と連携し、地域における認定看護師等の活躍促進に向けた取組を一層強化してまいります。 具体的には、地域ごとの認定看護師等の人数や就業状況等を把握し、地域活動に協力いただける認定看護師等に対して、がん薬物療法の看護や認知症のケアなど、専門性を生かしながら地域のニーズに応じた活動が行えるよう、指導力向上研修等を実施します。 また、県看護協会に新たに認定看護師等を登録・派遣するシステムを構築し、市町が行う健康講座の講師や施設等への訪問指導など、地域のニーズと認定看護師等とのマッチングを行い、活躍の機会の拡充につなげてまいります。 県としましては、地域保健福祉の充実に向けて、今後とも、県看護協会をはじめ、関係機関と一層の連携を図り、認定看護師等の活躍促進に積極的に取り組んでまいります。 〔弘田健康福祉部長の発言中、二木副議長に代わり、柳居議長が議長席に着く〕 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)県立大学における高大連携の推進についてのお尋ねにお答えします。 高大連携は、福祉やDXに携わる人材など、本県が必要とする人材の育成や若者の県内定着の観点から大変重要な取組と認識しています。 このため、県立大学では、教育内容の充実や学生等の資質向上、高校から大学への円滑な学びの移行の実現等を目的に、様々な取組を進めています。 具体的には、大学生による高校生のための福祉の講座等を毎年開催しており、本年度は新たに高校生向けのデータサイエンス講座を開催したところです。 また、県内の四校と包括連携協定を締結し、大学生による高校での模擬授業や教育実習、出前講義、地域のイベントでの高校や地域の魅力発信等を行っており、こうした取組により、県内高校との連携を図っています。 こうした中、昨年三月、県立大学が地域貢献型大学として、時代や社会の変化に対応し、地域と共に未来を切り開く大学であり続けるよう、県と大学で県立大学将来構想を策定したところです。 この構想において、高校生が修得した大学の単位が大学入学後に卒業に必要な単位として算入される修業年限の通算制度や高校在学時に大学と連携した活動実績が推薦入試で評価される仕組みなど、高大連携の強化に向けた方策を検討することとしています。 現在、将来構想を実現するための今後の取組方針等について議論しているところですが、本県が必要とする人材の育成や若者の県内定着をより強力に進める観点から、お示しのような附属高校の設置は有効な取組の一つと考えており、こうした取組も含め、県立大学と共に具体的な検討を進めてまいります。 県としては、昨年末に策定した、やまぐち未来維新プランにおいても、新たな時代の人づくり推進プロジェクトとして、県立大学の機能強化をはじめとする高等教育の充実を図ることとしており、こうした県立大学における高大連携の取組について、積極的に支援してまいります。 議長(柳居俊学君)これをもって一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。