1 令和5年度予算案等について 2 新型コロナウイルス対策について 3 高森みどり中学校の募集停止について 4 森林整備と環境保全対策等について 5 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第六十一号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) 井原寿加子さん 一般質問をいたします。よろしくお願いいたします。 今、この国の在り方が大きく変わろうとしています。 岸田首相は、敵基地攻撃能力を含む防衛力の強化と、そのための防衛費の大幅増額を打ち出しました。戦後、大切にしてきた平和憲法、専守防衛の原則が崩れていくようで悲しくなります。 最近、岩国基地には、大型艦船が頻繁に寄港、外来機も飛来しており、明らかに機能が強化されています。 このままいけば、日本が再び紛争に巻き込まれ、岩国や沖縄は真っ先に攻撃されるのではと心配でなりません。 安全保障は、私たちの生活や命に関わる大切なことであり、国民的議論を尽くし慎重に進めてほしいものです。 県政も同じです。最近、ともすれば重要な政策が県民の知らないところで決められているように感じます。そうした視点を忘れないでいただきたいと思います。それでは、住みよい山口県には決してなりません。誰のために県政はあるのか。 以下、県民の目線で質問をいたしますので、分かりやすくお答えください。 一番、令和五年度予算案等についてです。 初めに、物価高騰対策について、お尋ねいたします。 最近は、エネルギーから生鮮食料品まで、あらゆるものが値上がりし、主婦の皆さんの悲鳴がたくさん聞こえてきます。中でも、電気代の値上がりは激しく、毎月の引き落とし額を見るのが怖いくらいです。 こうした物価高に賃上げが追いつかず、実質賃金が目減りをしており、県民の生活はますます苦しくなっていると思います。 山口県として、こうした物価や賃金の状況について、どのように認識しているのでしょうか、御説明ください。 今回の予算にも物価高騰対策の事業が計上されていますが、その内容を分かりやすく御説明ください。それにより、どの程度の効果があると見込んでいるのでしょうか、お示しください。 二月補正予算に、安全・安心、デジタル、脱炭素などに関する新しい基金、合計二百億円が盛り込まれています。財源不足が続く中で、突然四つの新しい基金をつくるというのは、どうも理解できません。 そこでお尋ねいたします。基金の財源は何でしょうか。何のために積み立てるのでしょうか。財源が余ったら、一定の額を借金返済に回すべきではありませんか。 今回その一部、二十七億円が取り崩され予算化されておりますが、コロナや経済対策など急を要する事業にもっと有効に使うべきですし、少なくとも、いざというときのために財政調整基金に積むべきではないでしょうか、お答えください。 次に、山口きらら博記念公園交流拠点化事業についてお尋ねいたします。 交流拠点にふさわしい施設整備を推進するとして、一億円余りの予算が計上されていますが、何かまた立派な施設を建設するのですか。施設整備の目的と効果などについて、具体的に御説明ください。 また、最近の山口きらら博記念公園の利用者数、利用状況と収支など、運営状況を教えてください。 予算の最後に、グローカル人材育成事業についてお尋ねいたします。 先日、ハワイ研修が終わりましたが、初年度の各種事業の実施状況と成果をお示しください。この事業については、昨年来、度々新聞やテレビでも取り上げられ、県民の関心が高まるとともに、疑問も生じています。 第一に、どうして県立の高校と中学だけを対象とするのかということです。私立の高校の生徒にしてみれば、どうして自分たちが除外されるのか理解できないでしょう。この点をどのように説明されるのか、明確にお答えください。 第二に、どうして東部地域に限定されるのか、他地域の生徒や保護者からすれば、到底理解できないはずです。教育の公平性という観点から大いに問題があると思いますが、いかがお考えでしょうか。 二番、新型コロナウイルス対策について伺います。 最近は、新規感染者数も着実に減少し、第八波も収束に向かっているように思えます。国では、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、五月八日からインフルエンザと同じ五類に移行させる方針であり、それに先立って三月十三日からマスクの着用が大幅に緩和されます。 病院を受診する場合などを除き、屋内でもマスク着用を勧めず、個人の自主的判断に委ねるとのことです。 サミットを控えて前のめりに規制が緩和されているようにも見えますけれども、コロナがなくなったわけでもなく、新たな変異株が出現する可能性もあります。国民の意識も急には変わらないと思います。ただ自由にどうぞと言われても判断に迷いますし、混乱が生じかねません。あくまで国民の命と健康を守ることを最優先に慎重に対応してほしいと思いますし、一気に自由にするのではなく、行政が一定の基本的指針を示すべきだと思います。 国の方針を受けて、山口県ではどのように対応するお考えか、お聞かせください。 昨日、県立高校の卒業式が終わりましたが、マスクの着用については、どのような状況だったのでしょうか。今後、小中学校の卒業式、入学式などもありますが、半旗掲揚のときのよう、県教委として各市町教委にどのような通知を出すのか、お示しください。 三番、高森みどり中学の募集停止について伺います。 高森みどり中学校がなくなる。降って湧いたような話に、地域の皆さんは大きな衝撃を受けました。 子供たちが集う学校は、地域コミュニティーの一つで中心であり、地域の希望とも言える存在です。その大切な学校がなくなるというので、保護者や同窓会など関係者の皆さんからこぞって反対の声が上がっています。 私もこの計画には反対であり、今からでも見直しを行うべきだと思います。 理由の第一は、この計画の目的と効果が不明確な上に、高森みどり中学校の募集停止を行う理由がないということです。第二に、地域関係者の理解を得ないままに、一方的に進められているということです。 まず、高校再編計画の中に、高森みどり中学校の募集停止が盛り込まれた経緯について、お尋ねいたします。 令和三年度に検討協議会が設置され、第三期県立高校将来構想が策定されました。その中に中高一貫教育の推進が盛り込まれていますが、その検討の過程で、岩国高校に新たに中学校を併設し、高森みどり中学校を募集停止にするという議論は具体的に行われたのでしょうか、お伺いいたします。 次に、昨年九月に示された県立高校再編整備計画(素案)には、高森みどり中学校の募集停止が盛り込まれていますが、これは外部の専門家の意見によるものでしょうか、それとも教育委員会事務局が考えられたのでしょうか、お伺いいたします。 また、岩国高校に併設される計画の中学校のクラス数と定員を教えてください。 今回の再編の目的は、小中学校卒業時の児童生徒の県外への流出を防止することであるとされています。確かに、岩国では、小学校や中学校卒業時に広島の学校に進学する生徒が一定数いますし、そうした流れは昔からほとんど変わってはおりません。 岩国と広島は時刻表なしで利用できるシティ電車で結ばれ、買物や娯楽など、あらゆる面で広島は身近な存在であり、大学進学などで実績のある有名な学校が幾つもあります。新しい中学校をつくっても、この流れを止めることができるとは到底思えません。 小中学校別に、岩国地域から広島県の学校に進学している児童生徒の人数を教えてください。今回の計画により、それをどの程度減少させることができると考えているのでしょうか、具体的に根拠をお示しください。 また、高森みどり中学校を設置した目的と、これまでの実績について、どのように評価しているのか教えてください。 知人の娘さんが、先日入学試験を受けましたけれども、毎年志願倍率は一倍を超えており、今年度は昨年よりも高くなっていますし、周南や柳井など市外から来る生徒が四○%に達しています。 さらに、英語をはじめとして、部活など高校とも連携した特色のある教育が行われ、多くの人材を輩出しています。つまり高森みどり中学校は、広域にわたる児童生徒や保護者のニーズに対応した特色のある学校づくりができている。まさに県立学校として大きな成果を上げ、他校のモデルになるような学校だと思います。 これを廃止すれば、県の教育行政の実績を自ら否定するに等しいと思いますが、県教委の認識をお聞かせください。それとも、存続させることができない何か重大な問題があるのでしょうか、お答えください。 児童生徒の県外流出の防止を目的に、岩国に新しい中学校をつくることの是非は別といたしまして、そのことと高森みどり中学校とは本来関係ないはずです。 近接して二つの県立中学校を運営することは難しいという説明がなされているようですけれども、本当にそれだけの理由で実績のある学校を廃止していいのか、とても不可解で何か別の力が働いているのではないかと勘ぐりたくもなります。地域の方々が納得できないのはその点にもあると思います。 そこで改めてお尋ねいたします。 今回、高森みどり中学校を募集停止にしなければならない本当の理由と根拠を具体的に分かりやすく説明してください。 次に、地域の理解についてお尋ねいたします。 初めにも触れましたけれども、県政は誰のためにあるのか。もちろん県民のためであり、その県民の理解を得ないままに行政を進める権利は、知事にも教育長にもないはずです。 この間、地域への説明はどのように行われましたか、そこでどのような意見が出されましたか、パブリックコメントも含めて具体的にお答えください。 国が示した、公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引と題する文書があります。 そこには、学校は、教育だけでなく、防災や交流など地域コミュニティーの核となるものであり、その配置等の検討については、行政が一方的に進めるのではなく、保護者など地域の関係者と十分協議をし、その理解を得ることときちんと書かれています。全くそのとおりだと思います。 今回の計画については、同窓会や地域の関係者を中心に結成された、高森みどり中学校の存続を求める会から提出された反対署名が既に一万人を超えており、理解が進むどころか、反対と怒りの声が満ちています。 子供のためと言われますが、その子供たちからも「この学校は必要ないのですか。成績が悪いのが原因ですか。それならもっと勉強します」「学校がなくなると聞き、とても驚き悲しくショックを受けました」「周南や下松の友達ができ、カヌーやホッケーなどの珍しい部活やオーストラリアへの語学研修など、ほかにないすばらしい学校なので、絶対になくさないでほしい」などなど、たくさんの手紙が出されており、本当に読んでいると涙が出てきそうです。どうして子供たちにこんな疑問や不安を与えるのですか。 もう一度教育長にお尋ねいたします。今回の計画について、地域関係者の理解は得られていると思いますか、端的にお答えください。また、地域の理解が得られていないとすれば、今後どのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。 四番、森林整備と環境保全対策等についてです。 新たに、森林環境税が創設され、令和六年度から国税として一人年額千円が市町村により徴収され、それを財源に森林環境譲与税が都道府県と市町村に交付されるとのことですが、こうした仕組みがつくられた目的、都道府県や市町村への配分方法などを教えてください。 また、令和元年度から森林環境譲与税の配分が先行して行われているようですけれども、これまでの本県への交付額と、その取り組み状況について、分かりやすく御説明ください。 一方、平成十七年度から個人・法人に課税されている森林づくり県民税は、徴収から二十年近くがたっていますが、これまでの徴収額、また、どのような事業が行われてきたのか。その額と内容について実績をお答えください。 この間、本県の森林の環境は大きく改善されたとお考えでしょうか。具体例があれば教えてください。また、今後、森林環境譲与税と県の森林づくり県民税を使って、どのような森林づくりをしていくおつもりか。その違いも含めてお伺いいたします。 過疎化が進み、森林が手入れもされず放置されていたり、ゴルフ場の跡地や開発が中止された広大な土地にメガソーラーのパネルが設置される事例が県内でも多く見られます。岩国市北部や柳井市でも、その影響が深刻になっています。 河川に有害物質が流出したり、土砂が堆積して、氾濫の危険が高まり、しゅんせつが頻繁に行われても流出量にしゅんせつが追いつかないのが実情です。この現実を県はどのように把握し、対応するのか、お伺いいたします。 関連して、水源涵養や土砂災害防止などを目的とした保安林制度についてお尋ねいたします。 県が発行している保安林のしおりには、暮らしを守る大切なものが保安林であると記されています。さらに、保安林としての働きをしていない場合に、特定保安林の指定が行われますけれども、本県の特定保安林の割合を教えてください。さらにそのうち、要整備森林に指定し、地域森林計画に明示してある箇所はどのくらいでしょうか。またこうした地域の巡視はどのように行われているのでしょうか、お答えください。 森林の荒廃は、下流に住む住民の生活に大きな影響を及ぼします。森林と裸地、さらに荒廃地の保水力、浸透能力の差、また土砂流出量の違いはどのくらいに差があるのでしょうか、お示しください。 また、耕作放棄地の農地については、高齢化が進む山間部では、特に個人での管理が難しくなっています。荒廃地をこれ以上増やさないために、手を差し伸べることが喫緊の課題だと考えますが、どう取り組まれるのか、お伺いして、一回目の質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)井原議員の御質問のうち、私からは、物価高対策についての三点のお尋ねにまとめてお答えします。 まず、本県の物価や賃金の状況に対する認識についてですが、実質賃金が名目賃金を下回る傾向が続いていることなどを踏まえると、私は賃金の上昇が進まない中、多岐にわたる物価の高騰が長期化していることにより、県民の皆様の暮らしに大きな影響を与えているものと認識しています。 こうした認識の下、物価高騰による県民や事業者への影響を緩和するため、今年度実施してきた対策を来年度予算においても、現下の情勢を踏まえつつ講じることとしたものです。 具体的には、今年度と同様、医療機関や社会福祉施設等に対する光熱費高騰に係る支援金の支給や、介護施設等における食材料費の価格上昇相当分に係る経費、学校・保育所等における給食の材料費等に係る増加経費の支援を実施します。 また、ECサイト等により商品を販売する事業者への送料支援や中小企業者等に対する省エネ機器等の導入補助を行うほか、県内店舗の資金支援と消費需要喚起のための購入型クラウドファンディング等を実施します。 さらに、燃料費の価格上昇により厳しい経営環境にある交通事業者に対する負担軽減のための補助を行うほか、日本酒や花卉等の農林水産物の需要拡大キャンペーンを実施します。 これらの取組の効果ですが、社会福祉施設等への光熱費等の支援や交通事業者への燃料費支援等について、今年度、物価上昇率等を基準とした負担軽減策を講じており、これと同等の効果を見込んでいます。 また、購入型クラウドファンディングの発行総額は、二十六億円を目標にするとともに、農林水産物需要拡大キャンペーンについては三・六億円の需要喚起を見込んでいます。 私は、今回の物価高騰緊急対策等を通じ、今後とも、国や市町と連携しながら、県民生活の安定を図るとともに、傷んだ社会経済の再生に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)新たな基金についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、二百億円の基金の財源については、令和四年度の税収等の上振れ分五十七億円、令和三年度の税収等の上振れ分百四十三億円を財源としています。 次に、基金の創設理由についてですが、やまぐち未来維新プランに掲げる重点施策の計画的かつ着実な推進に必要な財源を確保するとともに、新たな県づくりに向け共に取り組んでいく市町や企業等に対し、県としての取組姿勢を示すことにより、施策の実効性を高めるために創設するものです。 次に、財源が余ったら一定の額を借金返済に回すべきではないかとのお尋ねですが、先ほどの両年度の税収等の上振れ分等は、年度間の調整財源として財政調整基金にも積み立てることとしており、令和四年度は百八十六億円を積み立てることとしています。 また、コロナや経済対策など急を要する事業にもっと有効に使うべきであり、少なくとも、いざというときのために財政調整基金に積むべきではないかとのお尋ねについてです。 令和五年度当初予算においては、国の交付金等を最大限活用して、新たな県づくりに向けた取組をはじめ、新型コロナ対策や現下の物価高への対応に重点的な予算配分を行い、必要な予算規模を確保したところです。 また、来年度末の財政調整基金残高は、先ほどの積立てを行うこと等によりまして九十八億円と見込んでおり、災害等への備えとして目安としている百億円に近い額は確保しているものと考えています。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)山口きらら博記念公園交流拠点化事業についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、施設整備の目的と効果などについてです。 山口きらら博記念公園は、海に面した絶好のロケーション、広大な芝生広場など高いポテンシャルを有していることから、山口の豊かさや住みよさを実感できる交流拠点として、また県外の人に山口の魅力を感じ、訪れてもらう集客拠点として再整備を行うこととしています。 このため令和五年度は、まず民間活力導入の可能性調査や宿泊、モビリティー等の社会実験などを行った上で基本構想を策定することとし、それらの経費として約一億一千二百万円の予算を計上しているところです。 今後、交流拠点化へ向けた施設整備やイベントの開催等による交流拡大の取組を推進することで、令和八年度の年間利用者数八十万人を目指すこととしています。 次に、最近の利用者数、利用状況と収支などの運営状況についてです。 令和三年度は、コロナ禍の中、ゆめ花マルシェ等のイベントや、マラソン、水泳等の競技大会などに利用され、年間利用者数は約十六万人でした。 また、山口きらら博記念公園では、指定管理者制度を活用しており、令和三年度の指定管理者の収支決算は、収入が約五億一千百万円、支出が約五億九百万円であり、約二百万円の黒字となっています。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナウイルス対策についてのお尋ねのうち、マスク着用に関する県の対応についてお答えします。 国においては、マスクの着用は個人の判断に委ねることを基本とし、各個人が判断できるよう医療機関の受診時や重症化リスクの高い方が、混雑した場所に行く際など、感染防止対策として効果的な場面を示した上で、マスク着用を推奨する方針を決定したところです。 県としましては、こうした国の方針について、ホームページ等を通じて広く周知に努めているところです。 副議長(二木健治君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)森林整備と環境保全対策等についての御質問のうち、森林環境譲与税と森林づくり県民税についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、森林環境税と森林環境譲与税の目的と配分方法についてです。 この制度は、森林の有する公益的機能の維持管理の重要性に鑑み、市町村及び都道府県が実施する森林の整備等を進めるため創設されたもので、森林環境税の収入額に相当する額を森林環境譲与税として市町村に九割、残りの一割が都道府県に配分されます。 次に、森林環境譲与税のこれまでの県への交付額とその取組状況についてです。 令和元年度から三年度までの県への譲与額は、約二億九千万円であり、森林総合情報システムの機能強化や研修会の開催、やまぐち森林経営管理サポートセンターによる指導・助言など、市町への総合的な支援に活用しています。 次に、やまぐち森林づくり県民税の徴収額と事業実績についてです。 平成十七年度から令和三年度までの累計の税収額は約六十八億円で、荒廃森林や繁茂竹林の整備などのハード対策で約六十六億円、ボランティア団体を支援するソフト対策で約二億円を活用してきました。 この結果、荒廃森林の整備は約七千七百か所、七千三百ヘクタール、繁茂竹林の整備は約六百か所、一千六百ヘクタールを実施してきたところです。 また、ボランティア団体については、延べ百十六団体、約四千六百人の活動に対して支援を行ってきたところです。 次に、本県の森林環境は、大きく改善されたかとのお尋ねです。 荒廃森林や繁茂竹林の整備箇所では、下層植生が回復し、森林の持つ多面的機能の回復が見られるところです。 次に、今後、森林環境譲与税と森林づくり県民税を使って、どのような森林づくりをしていくのかとのお尋ねです。 県では、林業経営に適した森林は森林環境譲与税で、林業経営に適さない奥山の荒廃森林は、森林づくり県民税で整備等を進め、森林資源の適切な管理を図ってまいります。 次に、メガソーラーの設置による影響についてです。 県は、地域森林計画対象森林における、太陽光発電施設用地造成を目的とした一ヘクタールを超える開発については、森林法や県要綱に基づく基準に照らし、許可要件が満たされているかを審査を行った上で、林地開発の許可を行っています。 また、許可に際しては、防災施設整備の先行実施等を許可条件に付すとともに、許可後においても必要に応じ事業者に対し周辺への濁水等の流出防止など、生活環境の保全に留意し留意の上、慎重に開発を進めるよう指導しているところです。 次に、保安林制度の数点のお尋ねについてです。 まず、本県の特定保安林の割合と要整備森林の箇所数についてです。 森林法において、農林水産大臣は、指定の目的に即して機能していないと認められる保安林を特定保安林として指定することができるとされ、知事は特定保安林内において要警備森林の所在や実施すべき施業方法等について、地域森林計画に定めることとされています。 現在、本県において、農林水産大臣による特定保安林の指定はなされておらず、したがって、要整備森林の指定箇所もありません。 なお、県内の保安林全般を対象に、県が委嘱する森林保全巡視指導員によって、森林利用者に対する山火事予防等の指導や、標識類等の保全状況の確認など、巡視活動が行われています。 次に、森林の荒廃による影響についてです。 文献等によると、森林の保水力、いわゆる浸透能力は、草地の二倍、裸地の約三倍、流出土砂量は耕作地の七分の一以下、荒廃地の百五十分の一以下とされています。 次に、耕作放棄地対策についてです。 国においては、耕作放棄地対策として、各地域での農業者や関係団体等による話し合いを基に、農地を、農業利用する区域と保全管理する区域とに整理する方針を示しています。 県としては、農業利用する区域について、地域ぐるみで農地を守る集落営農法人の設立や、農地中間管理機構による農地の出し手と受け手とのマッチング活動等を促進します。 また、農業利用が困難な、保全管理する区域については、引き続き、除草作業の省力化につながる山口型放牧や、植林による農地から林地への転換など、地域の意向を踏まえた取組を支援することにより、荒廃地をこれ以上増やすことのないよう努めてまいります。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)教育に関するお尋ねにお答えします。 最初に、令和五年度予算案等のうち、グローカル人材育成事業についての数点にお答えします。 まず、今年度の実施状況と成果についてです。 今年度は、語学力育成や国際交流体験等、四つのプログラムを実施し、ハワイで行われたグローバル探究プログラムには百四十一名の生徒が参加しました。 参加した生徒からは、「ハワイに行って世界を感じるとともに、山口県のよいところを感じることができた」「研修を通じて、今後の自分の目標や行動について考えることができた」といった肯定的な意見が多数寄せられておりまして、グローバルな視点の獲得や地域の課題解決に向けた意識の醸成などの成果があったものと考えています。 次に、なぜ県立の高校と中学校だけを対象とするのかについてですが、本事業は岩国基地関連の県交付金を活用し、県教委が県立学校の魅力を高めるために取り組むものであることから、対象地域内にある県立学校の生徒を対象としています。 次に、東部地域に限定するのは、教育の公平性という観点から問題はないのかについてですが、東部以外の地域においても、各学校の実情に応じて、姉妹校交流やオンラインによる海外との交流、地域課題についての探究活動等に取り組んでおり、教育の公平性に問題はないと考えています。 次に、新型コロナウイルス対策についてのお尋ねのうち、学校におけるマスクの着用についてお答えします。 県立高校の卒業式については、半数を超える学校で着用しないことを基本として行われた一方で、感染不安を抱く生徒の配慮などから、着用の協力を依頼した学校もあり、各学校の実情に応じて適切に対応されたものと把握しております。 また、小中学校の卒業式については、マスクの取扱いに関する国の基本的な考え方を各市町教委に周知したところです。 なお、入学式など四月一日以降の対応については、国からの通知を待って適切に対応してまいります。 次に、高森みどり中学校の生徒の募集停止についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、第三期県立高校将来構想の策定に当たって、高森みどり中学校の募集停止の議論は具体的に行われたのかとのお尋ねです。 将来構想の検討段階においては、具体的な学校名を挙げた再編整備の議論はしていません。 次に、高森みどり中学校の募集停止は、外部の専門家の意見によるものなのかとのお尋ねですが、県教委において判断したものです。 次に、岩国高校に併設する中学校については、一学年二クラス規模を想定しており、入学定員は検討中です。 次に、岩国地域から広島県に進学した児童生徒の人数ですが、令和四年度は中学校卒業生が六十七人、小学校卒業生が二十六人となっています。 次に、今回の計画により、その人数をどの程度減少させることができるのかとのお尋ねについて、現時点で具体的な数をお示しすることは困難ですが、進学指導に重点を置いた新たな中高一貫教育校の設置により、児童生徒や保護者のニーズに応えてまいります。 次に、高森みどり中学校の設置目的と、これまでの実績に対する評価についてです。 高森みどり中学校は、高森高校との接続による多様な交流を創造する学校づくりの観点から設置したものであり、少人数授業や先取り学習、中高合同で行う学校行事などの取組を実施し、成果を上げていると評価をしています。 次に、高森みどり中学校を廃止すれば、県の教育行政の実績を自ら否定することになるのではないか、存続できない何か重大な問題があるのか、募集停止にしなければならない本当の理由と根拠は何かとのお尋ねにまとめてお答えします。 県外への進学が多く見られる岩国地域において、児童や保護者のニーズに対応する必要があることから、通学の利便性や高校の規模も考慮し、高森みどり中学校での取組の成果を可能な限り継承する形で、岩国高校に併設型中学校を設置することとしたものです。 また、今後の児童数の減少を踏まえると、岩国市で県立中学校二校分の定員の維持は困難であると判断したところです。 次に、地域の説明や、そこでの意見などについてのお尋ねです。 岩国市では、三回の地域説明会を開催し、将来構想の考え方や再編整備の方向性などについて説明しました。 また、地域説明会やパブリックコメントでは、「募集停止は寂しいことではあるが、地元の中学校に進学する生徒の確保という観点から仕方がない」という意見がある一方で、「岩国市に二校の中高一貫教育校があってもよいのではないか」などの意見がありました。 次に、今回の計画について、地元の理解を得られているのか、理解が得られていないとすれば、今後どのように対応するのかについてです。 地元の関係者の意見は、様々あると承知していますが、県教委としては何よりもまず、これから入学してくる子供たちのことを最優先に考え、県立学校の再編整備を進めることとしています。 副議長(二木健治君)井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) 井原寿加子さん 再質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず予算についてですけれども、財調の基金の金額、百億円あれば十分というようなお話で、最近百億円にこだわっていらっしゃるようですけれども、本県規模の財政状況で適正基金の額というのを私以前に聞きましたけれども、百億ではなかったと思いますが、その辺のことをもう一度お伺いいたします。 それから、県は危機的な状況を打破するために、平成二十九年から取り組んでいた行財政構造改革をコロナとか財政対策を理由に一時凍結しておられますけれども、現在でも、その取組期間中のはずです。 二百億円をコロナや経済対策に充てるのなら理解できますけれども、基金に積むというのは、どうしても、この新しい基金に積むというのはどうしても理解できません。県は、行財政構造改革を今もうやめてしまったのでしょうか、お尋ねいたします。 それから、物価対策についてです。もう一度お伺いいたします。 県の対策は施設や事業者支援に限定されているようですけれども、それでは不十分だというふうに思います。本当に困っている人たちに手を差し伸べるために、所得の低い人たちを対象に現金の直接給付などをすべきではないでしょうか。 そのための財源として、例えば、再編交付金を有効に使うという方法もあります。いかがお考えでしょうか。 少なくとも、無用の長物と化している一億数千万円を費やして交付金で錦川清流線に造られた清流みはらし駅よりも何倍も効果があると思いますが、いかがお考えでしょうか。 それから、きらら博記念公園についてですけれども、この事業について唐突感を覚えたのは、私だけではないと思います。 冒頭に申し上げましたように、重要な政策が県民の知らないところで決められていると思いますし、費用対効果など数値を検討して、もっと慎重に判断をすべきではないでしょうか。多額の予算を投じて、現在十六万人の利用者が八十万人に増えるとはとても考えられませんが、この見通しについての根拠をちゃんとお示しください。 それから、コロナ対策です。 依然としてコロナの感染は続いております。私の周りでも子供から感染が広がったという例がたくさんありますし、個人の判断に任せると言われても、やはりマスクを外すことに不安を感じる人も多いと思います。私もその一人ですけれども、迷ってしまって対応がばらばらになるのではないでしょうか。 学校では、集団生活をするのですから一定のルールも必要だと思います。現場の判断に任せるだけでなく、県教委として一定の明確な方向性を出した方がいいのではないでしょうか。もう一度お伺いいたします。 それから、みどり中学です。一回目の質問に対して、私は今回の計画により、それをどの程度減少することができると考えているのでしょうかという、県外流出の件をお伺いしましたが、数字は分からないとおっしゃいました。数字が分からないままに高森みどり中学を募集停止をして、岩国に新しい中学をつくるんですか。そんな根拠のない予算の使い方と子供を犠牲にするのですか、もう一度、お伺いいたします。 それから、教育長の答弁、副教育長ですけれども、大きな矛盾があります。 まず、教育長、副教育長は、今回の件で、みどり中学に行かれましたか。そしてまた、生徒、先生方と会って募集停止について意見をしっかり聞かれましたでしょうか。まず、それについてお答えください。 それから、岩国から広島へ進学する児童生徒は何人というお答えを頂きましたけれども、今回の再編計画で半数の流出を止めることができる、というふうにいつかおっしゃっていたのを聞いたような気がいたしますが、とてもそうとは考えられません。 たとえ半数になったとして、小中学校の卒業者数に占める割合は何%なのでしょうか、僅かではありませんか、お伺いいたします。 その数%、たった数%のために、みどり中学のように広域の保護者や子供たちに選択する機会を与えて、特色のある教育を実施している地域の核となっている学校をいきなり廃止するというのはどう考えても論理矛盾であり、本末転倒です。この矛盾を私に分かるように、矛盾を解消する答弁をきちんとしてください。 それから、岩国に新しい中学校をつくる話ですけれども、二校の並立が難しいというのであれば、今ちゃんと運営している高森みどり中学校を残して一つをやめればいい、新しくつくることをやめればいい、それだけのことではありませんか。それもお伺いいたします。 それから、例えば、私はこの間、高森みどり中学校を視察してきました。中高一貫という環境がすっかり定着していて、子供たちが生き生きと学んでいましたし、地理的条件もよくて、その魅力をPRしていけば、これからも自治体の枠を超えて、広域から生徒を集めることは十分可能だと思います。 生徒会も努力すると言っているではありませんか。毎年定員数に満たない学校がほかにもある中で、みどり中学は開校以来二十年、一度も定員割れをしていません。拙速に事を進めるべきではありません。どうしても生徒が集まらなくなった折に、改めてその在り方を検討すればいいのではないですか。いかがでしょうか。明確に答えてください。 それから、現場の先生方の戸惑いも大きいと思いますけれども、県教委ではどのように把握しておられますか、お伺いいたします。 私は、存続を求める会の人たちはもちろんですけれども、地域の様々な方にお会いしました。どうして突然廃止するのか理解できない。地域の宝だからぜひ残してほしいなど、ほとんど全ての人が反対でした。 さらに、保護者の方々の悲痛な声は聞いていて胸が詰まるものがありますし、いわんや、その在校生の思いはいかほどかと、かわいそうでなりません。 そんな状況で地域の声を無視して強行することが許されるのか、県教委にはそんな権限はないと思いますが、余計な説明や言い訳は要りませんから、地域の理解を得ずして強行することが許されるのか許されないのか、端的に答えてください。 それから、森林の環境保全です。 保安林の巡視員については、御回答いただきました。ぜひ、活用していただきたいと思いますが、その保安林の巡視員が、県内市町の人数割、それから、管理範囲、巡視の頻度などを教えてください。 それから、その巡視員からの報告をどのように活用しているのかもお示しください。 それから、保水力ですけれども、違いについてお答えいただきましたけれども、本県の保安林、特定保安林などの割合、その数字は今適正とお考えでしょうか。現状では、とても保安林が適正に管理されているとは思えませんし、あちこちばらばらと伐採が行われ、体系的、計画的に税金が使われているとも思えません。森林整備のために、国民からさらに徴収が行われるのですから、もっと目に見える施策と運用をお願いしたいと思いますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。これで二回目の質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)井原議員の再質問にお答えします。 まず、財政調整基金の積立額の目標額です。それから、行財政構造改革についてのお尋ねでございました。 行財政構造改革におきましても、財政調整基金の積立額、これは先ほども御答弁しましたけれども、災害等への備えとしまして百億円を目安としております。 この行財政構造改革ですけれども、コロナ禍になりまして一時凍結ということでさせていただいております。 今後の行財政構造改革ですけれども、五月八日に予定をされております新型コロナの五類見直しの後の状況、それから、それに伴って国からの財源手当がどうなるか。そういったことも見極めながら、今後、取扱いにつきまして、また改めて検討をしてまいります。 二点目は、物価高につきまして、家計への支援を講じるべきではないかというようなお尋ねでございました。 物価の高騰が及ぼす県民の暮らし、あるいはその企業活動等への多大な影響を緩和するということが現下の最重要課題ということで考えております。 こうしたことから、国と地方が一体となりまして、生活者や事業者に対するきめ細かな支援ということで、累次にわたって支援をしてきております。 お示しの家計支援につきましては、国におきましてガソリン価格ですとか電気料金等の引下げといった価格高騰抑制策のほか、特に家計への影響が大きい低所得世帯への現金給付等が講じられているところです。 県としましては、引き続き物価の動向あるいは経済情勢等を十分に注視し、先ほど申し上げた国の支援策、あるいは市町が実施する支援策とも連携を図りながら、必要な対策について機動的に措置していく考えです。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)山口きらら博記念公園交流拠点化事業についての再質問にお答えします。 目標を八十万人とした根拠についてです。目標を八十万人としました根拠については、コロナ前の利用実績が五十万から八十万人であったことを踏まえ、多様で多数の方々の来場や利用を目指す指標として、それを上回るよう設定したものでございます。 副議長(二木健治君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)私からは、保安林制度に関する数点の再質問にお答えさせていただきます。 まず、巡視員の活動状況についてということでございました。巡視員については、今、森林保全巡視指導員は現在八名ほど県が委嘱しておりまして、一人当たり年間十三日から二十三日の巡視を予定しているところでございます。 巡視員の報告をどのように生かしているのかという御質問だったと思います。巡視員のほうは、主に、答弁でも述べましたが、森林利用者の多い箇所とか、それとか案内看板や標識等を設置する箇所を、これを重点的に巡視しておりまして、その報告に基づいて、案内板や、例えば、標識板等の損傷を確認したら、それを直すとか、そういうような活動で生かしているところでございます。 それと、保安林、特定保安林について、荒廃している保安林がいっぱいあると思うのに特定保安林を指定していない、こういう状況はどうかというお話でございました。 特定保安林につきましては、現在のところは指定しておりませんが、本県ではこれまで五十か所、約一万五千ヘクタールの保安林が特定保安林に指定されております。 その中での要整備森林、これについて、当時、間伐等の施業が行われて指定の目的を達したことから、既に指定が解除されているものでありまして、保安林については、適正に管理しているというふうに認識しております。 また今後、本県において、指定の目的に即して機能していないと認められる保安林があって、指定要件に合致している保安林を確認した場合は、国に対して特定保安林に指定すべき旨を申請することとしております。 以上でございます。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)井原議員の再質問にお答えします。 まず、学校におけるマスクの着用についてであります。 一定のルールを示すべきではないかというお尋ねであったかと思いますけれども、卒業式における対応については、先般、通知をしたところでありますが、国においては、四月一日以降は着用を求めないことを基本とするとされてはいるのですけれども、その対応についての留意事項等は改めて通知するということになっておりますので、その内容を精査の上、適切に対応してまいりたいと考えております。 それから次に、高森みどり中学校関連の数点の再質問にお答えします。 最初に、県外流出の減少がいかほどかに関連しまして、根拠なくして再編を行うのかという趣旨のお尋ねであったかと思います。 先ほども答弁しましたように、現時点ではどの程度県外の流出を減少させることができるかという具体的な数字をお示しすることは困難でありますけれども、進学指導に重点を置いた新たな中高一貫教育校の設置によって児童生徒、それから、保護者のニーズに応えた学校づくりを進めてまいりたいと考えております。 それから次に、みどり中学校に行ったことがあるか否かというお尋ねですけれども、私自身、担当であったことがありますので、みどり中学校が設置されて以降、何度も学校には行かせていただきましたし、そのときには生徒さんの声、それから、教員の声も聞かせていただきました。またその後も機会を捉えて訪問をしております。 それから次に、県外に流出する児童生徒の半分は何%かといった御質問でありましたけれども、四十人程度が県外に、小学校卒業時点に出ているということを踏まえたときに、岩国市の子供の数がおよそ八百人ですので、先ほど一生懸命計算しましたけれども二・五%程度になります。 それから次に、二校が無理なら高森みどり中学校を残せばどうかということでありましたけれども、これは先ほどお答えしたように、中学校の定員を満たすことはできないと判断しておりますので、困難であると考えています。 それから、どうしても集まらなくなった時点で募集停止をしてはどうかという御質問がありました。これは、そうなってからでは遅いと判断しています。そうなる前に、これから入学してくる子供たちのことをまずは考える必要があると考えていますので、再編に踏み切ったというところであります。 それから、現場の教員の声をどう聞いているかということですが、これは当然、所属長、すなわち校長を通じてどういった声があるかは把握しております。 それから、地域の声を無視して強行するのかというお尋ねが最後にあったわけでありますが、県立高校再編整備計画前期実施計画の素案を公表した際に、生徒には校長から説明し、保護者には学校から文書により周知し、加えて、先ほど御説明しましたように、地域で三回の地域説明会を行いまして、将来構想の考え方や再編整備の方向性について説明をしました。 加えて、パブリックコメントも実施し、様々な方々からの御意見を伺っております。また、署名等も頂いております。大変重く受け止めてはおりますが、何よりもまず、これから入学してくる生徒のことを第一に考えて、計画に基づいて再編を進めてまいりたいと考えています。 副議長(二木健治君)井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) 井原寿加子さん 再々質問をいたします。 まず、総務部長ですけれども、山口県規模の予算規模に対しての財調の基金の積立額の適正額は幾らかとお聞きしたんです。それをお答えください。 次に、みどり中学校です。流出二・五%のために、今いるみどり中学の生徒を犠牲にするのでしょうか。まずお伺いします。 それから、今後を見越して、今後、定員割れするかもしれないので岩国につくりますという御答弁だったと思いますが、そのみどり中学が定員割れする根拠というのは何ですか。もう一度お伺いします。そのときでは遅いから、今つくって、みどり中学の生徒には我慢していただきますという御答弁だったと思いますが、この根拠について明確な答弁がありませんでしたので、もう一度お聞きいたします。 それから、先ほどお聞きしましたのは、みどり中学に教育長、副教育長はこの件が起こってから、きちんと生徒と教職員の方とのお話をされましたかと。これまで何回言ったかを聞いているわけではありません。この件が起こって問題になってから、お二人で行かれましたかとお聞きしましたので、それについて答えてください。 それから、生徒の県外流出の防止についてですけれども、そのたった二・五%かもしれません。そのために、中学をつくるという考え方なんでしょうけれども、中高一貫校だけで考えなくて、まずは実績のある高校をつくる、進学校をきちんとつくる、それが大事だと思います。高校そのものの魅力を高めれば、転出する生徒は二・五%より減ると思いますし、いかないと思います。 例えば、個性的な教師を、独特の授業をしてもらうとか、社会的に活躍している卒業生を招いて、これまでより多くの機会で接してもらう。また、進学に特化した学校を別につくる工夫は、余地は幾らでもあるのではないでしょうか。 高森みどり中学を県教委の独善的な思考の犠牲にするのではなくて、保護者や子供たちに選択肢を持たせる高校をつくるために、そっちのほうに知恵を絞るべきだと思いますが、教育長のお考えをもう一度お聞かせください。 それから、最後のほうになりますが、一言申し上げます。 今日の答弁を聞いて、ますます県教委の進め方の理不尽さが分かりました。このままで強行されたら、県の教育行政に対する信頼は地に落ち、誰も協力しなくなります。保護者の皆さんと、とことん話し合うべきです。そのおつもりはないということでしょうか。もう一度お尋ねいたします。 未来のある子供たちの夢を閉ざさないでください。それでも、このまま強行するのか、もう一度、教育長のお考えをお聞かせください。 つまり結論は、見通しの不透明な県立中学を新たにつくる必要はなく、きちんと学校運営が行われている高森みどり中学の募集停止計画は、白紙にすべきだということを申し上げて、私の一般質問を終わります。 以上です。ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)財政調整基金についての再々質問にお答えします。 山口県の予算規模に照らして、適正額が幾らかということでございましたけれども、基金の積立額、これは予算規模に照らして見えてくるものではないものというふうに考えております。 そうした中で災害等への備えとして、目安として、百億円以上の確保ということを目標に、行財政構造改革において取り組んできたところでございます。 行財政構造改革、先ほども御答弁申し上げましたけれども、コロナ禍になって一時凍結しておりますけれども、コロナ五類見直し後の対応、あるいは国の財源手当、そういったことも見極めながら、再開について検討してまいります。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)再々質問にお答えします。 まず二・五%でも再編整備を行うのかというお尋ねでありましたけれども、新設する中学校におきましては、岩国高校に新たに設置する探究科、特進探究科(仮称)ですけれども、こちらに接続することを考えておりまして、広島県に進学する子供たちだけではなくて、新しく設置する探究科への進学を希望する子供たちのニーズにもしっかりと応える教育を提供してまいりたいと考えております。 それから、定員割れの根拠は何かという二つ目のお尋ねでありましたけれども、これは将来的にそうなることを見越したわけではなくて、可能性について言及しただけで、そうならないために、そうなる前にということであります。 それから次に、この件があってから教員の声を聞いたかというお尋ねがありましたけれども、これは校長を通じて把握しております。 それから、いわゆる進学校をつくることはいかがかという話でありますけれども、先ほどお話ししました岩国高校に設置する特進探究科、仮称ですけれども、こういった取組であるとか、それから、既に現在も先輩に学ぶといったような講座で、先輩が後輩たちにこういうふうに頑張ったら自分の夢をかなえることができるよといったような、そういう取組も行っています。 色々な取組を行う中で、生徒たちの進学に対する希望をかなえてまいりたいと考えています。 それから、最後のお尋ねでありますが、本当、地元の関係者の方々からいろいろな御意見を頂いていますし、先ほども申し上げたように署名も頂いて重く受け止めておりますけれども、県教委といたしましては、何よりもまず、これから中学校あるいは高校に入学してくる生徒、その子たちのことを考えて、県立学校の再編整備を進めることにしております。 また、現在、中学校あるいは高校に在籍している生徒に対しては、その生徒さんたちが卒業するまで少しでもよい教育を提供できるように日々努めてまいりたいと考えています。 〔発言する者あり〕 副議長(二木健治君)井原寿加子さんに申し上げます。 答弁漏れがありますか。ありましたら、答弁漏れの箇所を具体的に御指摘願います。 井原寿加子さん。 井原寿加子さん はい。ありがとうございます、議長。 この件につきまして、再編につきまして、みどり中学に教育長、副教育長は行かれてお話を聞かれましたかと聞きました。先ほどのほかの議員のときもありましたが、この件で行かれたか行かれなかったかを聞いております。お答えください。 副議長(二木健治君)ただいま御指摘のありました件は、答弁漏れとは認められませんので御了承願います。