1 非正規公務員の処遇改善について 2 新型コロナ5類変更への対応について 3 上関原発問題について 4 教育目標の達成について 5 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第六十一号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 社民党・市民連合の中嶋光雄でございます。通告に従い質問をいたします。 まず、非正規公務員の処遇改善。 労働契約法では、パート、アルバイト、派遣、契約社員などの有期労働契約で働いている人が同じ職場で雇用契約を更新されて契約期間が五年を超えた場合、労働者が雇用主に申し出ることによって無期雇用になれるようになっています。 これはたとえ一回の契約期間が一年であっても、繰り返し雇用されていたら更新されているため、雇用期間は一年目、二年目、三年目と数え累計で五年を超えていたら、無期雇用に変えてもらうことが可能です。 無期転換ルールもしくは五年ルールと言い、民間企業では、同じ職場で五年間働けば正社員になれる人も中にはいます。 この労働契約法そのものが公務員には適用されていないため、再度の任用を繰り返して五年間継続勤務しても、無期雇用に転換されることはありません。 民間企業と異なり、公務員の場合、労働法はほとんど適用されません。 例えば、労働基準法は一部を除き適用されませんし、労働組合法、労働関係調整法、最低賃金法に至っては一切適用されません。 そのため、例えば民間企業を辞めたらもらえる失業保険も公務員は一切もらうことができません。公務員は失業保険をもらえない分、退職金で民間企業との差を補?していたのですが、最近は退職金も削られていく一方なので、ますます収入面の不安要素が増えています。 このように、公務員は守られているようで、意外と法律に守られていないため、残念ながら、同じ公務員である会計年度任用職員もそのあおりを受け、何年働いても無期雇用になることはかないません。 そこで会計年度任用職員について伺います。 総務省の二○年の調査では、全国に約六十九万人いる非正規地方公務員のうち、会計年度任用職員は約九割の六十二万人を占めています。このほか休職者の代替をする臨時的任用職員と特別職非常勤職員がいます。 会計年度任用職員の職種は、事務職に加え、看護師や医療技術者、保育士、教員、図書館司書など多岐にわたって行政サービスの提供に欠かせない専門職が多く含まれています。 また、会計年度任用職員の八割弱は女性。育児や介護を担い、フルタイムで働きづらい実情もありましょうが、自治体が女性を雇用の調整弁としてきたことは否めません。 国は民間従業員については同一労働同一賃金を掲げるが、足元の公務員の分野では対応が遅れている。まさに掛け声倒れです。 そこでお尋ねします。県における、例えば知事部局では、会計年度任用職員数は令和四年四月一日現在で八百九十六人、率にして約二○%と伺っています。こうした会計年度任用職員にはパートタイム勤務とフルタイム勤務とありますが、一般の非正規労働者のフルタイム勤務とパートタイム勤務者と比較して賃金は安いのではないですか。お尋ねいたします。 会計年度任用職員には期末手当は支給されていますが、勤勉手当が支給されていません。人勧のプラス勧告は勤勉手当に配分され、マイナス勧告は期末手当に配分されているので、このままでは会計年度任用職員の一時金は減る一方となってしまいます。国においては非常勤職員への勤勉手当の支給がされているようですが、県としても勤勉手当を支給すべきではないですか。伺います。 今日の地方行政は、六十二万を超える会計年度任用職員なしには成り立たなくなっています。総務省も予算で実際の積算に基づいて処遇改善の交付税措置がなされているにもかかわらず、会計年度任用職員の四割が収入が変わらない、ないしは減ったと回答しており、勤務時間数を減らしてフルをパートタイムに置き換えたり、月例給を下げて手当を支給し人件費総額を維持したりするなど、不適切な事案が横行しているようです。 そこで、会計年度任用職員の処遇改善に結びつくような効果的なフォローアップ調査が必要で、実施すべきです。御所見を伺います。 この三月末で制度が始まって三年になります。多くの現職の雇い止めと新たな公募が発生しているのではと懸念しています。現に存在する職を公募することは、多くの職員に不安を与えるとともに、会計年度任用職員に対するハラスメントの温床となっています。 公務非正規女性全国ネットワーク、はむねっとの調査によれば、三割を超える人が身体面での不調を、四割を超える人がメンタル面での不調を訴えています。不安定、低賃金雇用の官製ワーキングプアをなくすために、任用と処遇の適正化を図る目的で導入した会計年度任用職員制度が、逆に自治体に雇い止めと低賃金の口実を与えています。 地方行政の担い手の四割近くを占めるにまでなっている労働者の尊厳を踏みにじる扱いを放置することは許されません。現場では、公募で事務作業が増加して職員が疲弊したり、新たな別の職に置き換わることで知見の蓄積が妨げられ、公共サービスの質の低下を招いたりするような本末転倒な状況が生じています。人事院は、公募によらない採用は、同一の者について連続二回を限度とするよう努めるよう通知しています。もし、どうしても公募によらなければならないとしても、せめてその職員の前の任期における勤務実態を評価して再度の任用に努めるべきです。同一人物について、三回目以降の再任用は機械的に公募しなければならないということではなく、三回目以降の公募によらない採用も認めるべきではありませんか。御所見を伺います。 任用可能期間について、長野県では、会計年度任用職員は制度上、一会計年度を超えない範囲で任用する職であり、職の設置に当たっては、会計年度ごとにその職の必要性を十分検討した上で設置しています。翌年度以降も同一の職を設置する場合は、採用における平等取扱いの原則と同一の職員が継続して業務を担うことによる円滑な業務執行の観点とのバランスを考慮する中で、公募によらず、五年間は任用が可能とするなど柔軟な運用を行っています。 消費生活相談員や労働相談員など専門的な知識が必要な職などは、積み重ねてきた経験も貴重であり、後補充の難しさもあると考えられますが、任用可能期間についてどのようにお考えかお聞かせください。 次に、新型コロナ五類変更への対応について。 政府は、新型コロナ感染症法上の位置づけを五月八日から、季節性インフルエンザと同等の五類へと変更する方針を決定しました。 今後、国内の治療はどう変わるのか。五類になれば医療逼迫は改善するのか。マスクはもうしなくていいのか。肺炎を起こす確率が高かったデルタ株に比べ、重症化のリスクは下がっているとはいえ感染力は高くなっており、五類変更への解放感が怖いと感染症の専門医の指摘もある中での方針変更です。 今後は、感染拡大時に入院勧告や外出自粛要請などの強い要請が取れなくなります。医療体制をどう確保するのかなど多くの課題が十分に検討されているのか。 現行のコロナ医療は都道府県が指定する発熱外来が中心となってきましたが、五類に移行すると一般の医療機関にも広がるが、院内感染などを恐れて二の足を踏む医療機関が少なくないと見られます。診療報酬の加算などがなくなれば、患者の診療や入院から手を引かざるを得ない病院も出てくるとの見方があります。 これでは流行時には受診や入院ができず、自宅で死亡する人がさらに増える事態になりかねません。 国や県は、医師会とも協力して万全の医療体制を構築する必要があります。病床確保や入院調整機能を維持していくことも重要です。 医療費は期限を切って一定の公費支援を継続するらしいが、急激な患者の負担増加は受診控えや治療の遅れにつながるおそれがあります。ワクチンも無料接種を当面継続すると言っていますが、いつまでか定かではありません。 また、感染者や濃厚接触者の自宅待機などは一律の要請はなくなり、自主的判断になる。患者の体調を考慮しながら、職場復帰の時期をどう決めるかなどは難しい課題です。 そこで、コロナ禍の三年間、使命感で様々な苦悩にも耐えて地域医療を守ってきた医療従事者の皆さんに敬意を表しつつ、お尋ねしたいと思います。 自治労の医療職場で働く組合員へのアンケート調査によれば、この三年間で業務量はどのように変化したかの問いに、七六・九%が増加したと回答。急な勤務変更、シフト変更、休日出勤、休日の変更を経験したことはあるのかの問いに、七六・三%があると回答。現在の職場を辞めたいと思っていますかの問いに、七二・三%が仕事を辞めたいと思うと回答しています。 重点医療機関や入院協力医療機関のみならず、全ての医療機関では、この感染症対応の中で、業務量の増大、急なシフト変更などを余儀なくされてきました。特に入院協力医療機関は、フェーズが上がれば入院を受け入れ、下がれば入院はさせないなど病院側もその対応に追われることも多く、医療従事者はそのたびに振り回されてきました。 これから五類変更後も、新型コロナ感染症の治療をする医療機関に対して偏った負担とならないように、必要な場合は金銭的優遇措置を維持したまま、各医療機関への協力要請において、要請時期や要請解除時期においても配慮した上で行える体制が必要と考えます。 そこで、新型コロナ感染症の五類への変更を見据え、どのように県民が安心できる医療提供体制と感染拡大防止措置を講じられるのかお伺いします。 また、マスク着用は、基本的に屋内外を問わず個人の判断に委ねると言いますが、専門家には、感染対策として着用は必要との意見があります。リスクが高い高齢者を守る観点からも、マスクなしの日常へと性急に転換することは避けねばならないとの指摘もあるが、県のお考えを伺います。 さらに、子供のマスク着用不要論が拡大していますが、子供がウイルスを運び、家庭内感染するケースはよく聞く話です。昨年九月に文科省が公立の小・中・高校などを対象に実施したアンケートによると、高性能のHEPAフィルターを搭載した空気清浄機を一台以上設置している学校は全体のうちの三六・八%、四割にも満たなかったと言います。 そこで、本県の公立学校におけるこの空気清浄機の設置状況について伺います。あわせて、学校における子供のマスク着用に対する見解も伺います。 次に、上関原発問題について。 原発の運転期間の延長、次世代革新炉の開発・建設を含む原発推進の色濃いGX基本方針が二月十日、閣議決定されました。 原発を環境の名目で推進することは、環境に配慮するように見せかける最大のグリーンウオッシュです。原発は、ウラン燃料の採掘から運転、廃炉まで放射能汚染を伴い、何万年も管理が必要な核のごみを生み出します。トラブルが多く、不安定であり、柔軟に止めたり動かしたりすることはできず、出力調整も難しく、計画外に停止すれば広範囲に大きな影響をもたらす原発は電力需給逼迫の解決には役には立ちません。原発を維持し推進することは、むしろ対策を阻害します。脱原発こそ進めるべきですが、御所見を伺います。 岸田政権は、原発最大限活用方針を閣議決定。依存度低減から大転換、運転六十年超可能に、建て替えも推進。閣議決定後に政府が公表した意見公募、パブリックコメントの結果には、政府に再考を求める意見が並んでいます。 意見公募終了後に、基本方針の大きな修正は、原発関連では一点のみ。福島事故後に政府が想定してこなかった原発の建て替えについて、対象となる場所を、廃止決定した炉の建て替えから、廃炉を決定した原発の敷地内での建て替えと詳しくしたことだけです。 注目すべきは、原発回帰に大きくかじを切った岸田政権だが、国内唯一の新規立地、上関原発建設計画については一言も触れていないことです。 上関原発は、重要電源開発地点指定としての位置づけは変わらないとするものの、実際は福島原発事故後に上関原発に係る原子炉設置許可申請の審査はストップ、たなざらしにされたまま放置され、原子力規制委員会による新規原発の新規制基準の検討すらされていない状況に何らの変化はないことを意味しています。 こうした点について、県としてどう評価しているのか。あわせて、国の関係機関に今後の見通しを含めた詳しい情報を照会すべきではないですか。見解をお尋ねします。 上関原発に係る公有水面埋立免許は、三回目の埋立免許の期間伸長。着手した日から起算して十七年八か月以内とするなど、公有水面埋立法が想定していない、ほかには例のない事態で全く規定がなく、県は十三条の二の正当な事由有りと認むるときは伸長を許可することを得との規定を利用して、正当な事由については、県は恣意的に判断できる、判断されていると思わざるを得ず、じくじたる思いであります。 そこで、今回は埋立免許は一旦置いておいて、漁民に補償しなければ着工できないのではないかという点に絞ってお尋ねします。 周知のとおり、埋立計画海域で許可漁業や自由漁業をしている祝島の漁民は上関原発建設に反対し、二○○○年の漁業補償契約による補償金の受け取りも拒否しています。 許可漁業や自由漁業について、埋立法は何も触れていません。しかし、埋立法は昭和四十八年に改正されましたが、その際に、水面権以外の財産権について国会では論じられ、政府は、具体的な実害がある場合には当然民法の不法行為責任によりまして損害賠償をしなければならないことになります。したがいまして、事前に、そうした方々とは損害賠償を行うなり、あるいは損害賠償の予約を行うなりというような行為が当然必要になると思います。運用上そうした方々を無視してはならないと思っておりますと答弁しています。 この答弁に示されるように、埋立法の不備を補うため、埋立法を所管する国土交通省は実際には水面権以外の財産権に対しても協議を行い、契約に基づいて補償を行うよう埋立事業者に指導しています。 埋立法の不備を補っているもう一つのものが、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱です。要綱二条五項には、この要綱において、権利とは、社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益を含むものとすると規定してあり、要綱の解説書には、二条五項の慣習上の利益の事例として、入会権、慣行水利権、許可漁業あるいは自由漁業を含む実態が漁業権と同程度の地位を有する権利と認められるものが挙げられています。つまり、許可漁業、自由漁業の利益が成熟すれば財産権に当たり、補償が必要とされているのです。 埋立事業者である中国電力はどう言っているのかというと、二○○五年七月二十七日の市民団体と中国電力への申入れにおけるやり取りを、中国電力本社CSR推進部門専任課長○○さんと私、原水爆禁止山口県民会議議長とで二十八日付で確認し合ったメモ書きを保存しておりますが、これによると、個々の許可漁業、自由漁業の操業実態と漁獲高を正確に把握することはできないので、関係八漁協の漁獲高をもって、全てが補償の対象となり得るものと判断して包括的に補償をしている。こうしたやり方が一般の公共事業で広くやられているやり方だ。個々の操業に権利性があるなしを確認して補償しているわけではない。個々の漁業者について把握できない。公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の言う権利と認められるまで成熟した操業もあるかもしれないし、成熟していないものもあるかもしれない。個々の漁業者はあまりにも多いので、当たるのが不可能。関係八漁協の漁獲高をもって、トータルで補償しているのだ、などと言っています。つまり、許可漁業、自由漁業についても補償の対象に含めているのです。 これまでの議会答弁は、公有水面埋立法上、埋立工事の施工区域内の漁業権者に対する補償が必要ですが、漁業権者である山口県漁業協同組合に補償がされておりまして、その上で事業者は埋立工事に着手しています、です。 つまりは、埋立法の漁業権者は免許を受けた漁業権者に限られ、慣習に基づく漁業権者は含まれないというごまかしではないですか。見解をお聞かせください。 埋立法六条、八条はこのごまかしでクリアできたとしても、憲法二十九条はクリアできません。祝島漁民が現場海域で自由漁業を営む権利も、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱で財産権と認められているからです。 以上のことを十分に踏まえた上で、許可漁業、自由漁業を営む権利は財産権ではないのですか。 財産権ならば、公有水面埋立て、海上ボーリング調査で侵害する際に補償が必要ではありませんか。 中国電力が、許可漁業、自由漁業を営む権利にも補償したと主張しているのはなぜか。 この三点について、明確にお答えください。 次に、教育目標の達成について。 当初予算案では、児童生徒数の減少を理由に教員数を前年度比百十九人も削られています。しかし、学校現場の疲弊は深刻さを増しています。 精神疾患のため休職した公立小・中・高校と特別支援学校の教員が過去最多を更新したそうです。二○二一年度は六千人弱で、一か月以上の病気休暇を合わせると初めて一万人を超え、これは全教員の一・二%、百人に一人です。長時間労働の慢性化に加え、新型コロナ対策などで仕事が大幅に増えた影響に、現場の要となる中堅教員の不足が若手らの負担増に拍車をかけていると言われています。 このままでは公教育の質が維持できなくなるおそれがあります。必要な人員を配置し、負担を減らす働き方改革は待ったなしです。 残業代を出さず、調整額を支給すると定める公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、給特法の見直しも急がれます。 文科省によると、精神疾患による病気休職者は一九九○年代は一千人台でしたが、二○○○年以降に急増し、一○年頃から五千人前後で推移してきました。年代別では二十代の増加が目立っています。団塊世代の大量退職などで年齢構成の偏りが生じ、若手を支え相談相手となる四十代の少なさが響いているとの指摘があります。 こうした現場のコミュニケーション不足に加え、コロナ禍で急速に進んだデジタル化や保護者への対応の増加も要因と見られます。教員の適正配置を進め、年代構成のバランスを取ることが欠かせません。メンタルヘルス対策の重要性は言うまでもありません。 そこで、まず、本県の教員の年代構成はどのようになっているのかお聞かせください。 教員以外でも可能な仕事を担う支援員の配置や、部活動指導の外部専門家への委託などで現場負担を軽減する取組など、労働時間の短縮も避けては通れません。 教育現場の働き方の苛酷さから、教員志望者は減少傾向が続いています。昨年四月には、教員不足から、教員免許を持っていなくても知識や経験のある社会人を採用できる特別免許状の制度を積極活用するよう、文科省が緊急通知を出すほどになりました。 なぜ、若者が教職を敬遠するのでしょうか。それは、教職に魅力がないからではなく、苛酷な労働環境が知れ渡ったからです。 現場の余裕が失われれば、子供たちの豊かな学びを実現するのは難しくなるでしょう。公教育の土台が揺らいでいるのは間違いありません。もはや場当たり的な対応で事態を好転させるのは困難な段階にあるのではないでしょうか。 文科省は、給特法については、昨年末に有識者会議を設け、見直しの検討作業に入ったようです。一九七二年施行の給特法は、月給四%分を一律支給する代わりに残業代は出さないとする。四%の根拠は、当時の残業時間である月八時間分であり、長時間労働に苦しむ今の現場実態とかけ離れています。長年の課題となっており、見直しの着手は遅すぎた感が否めません。残業の対価を正当に支払う制度の導入が大きな課題になっています。 そこで、こうした教員の人員補充と待遇改善など教育現場を取り巻く困難な状況をどのように認識され、どう克服されつつ、本県が掲げる教育目標、未来を拓くたくましい「やまぐちっ子」の育成、この教育目標の実現をどのように図っていかれようとされているのか。教育長の御所見をお尋ねし、一回目の質問といたします。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中嶋議員の御質問のうち、私からは、新型コロナ五類変更への対応に関して、医療提供体制と感染拡大防止措置についてのお尋ねにお答えします。 国は、五月八日から新型コロナを五類に変更する方針を決定しましたが、今後も感染の継続は見込まれることから、私は、引き続き、県民の安心・安全を守るため、医療提供体制の確保と感染拡大防止対策に取り組むこととしています。 まず、医療提供体制については、これまでは県が指定する医療機関に限られていましたが、五類変更後は、他の疾病と同様、かかりつけ医等、広く一般の医療機関で安心して受診できる体制の確保が必要となります。 このため、コロナ診療の経験のない医療機関に対して、パーティションの設置や防護具の配備など、必要な院内感染対策を支援するとともに、これまでに積み上げられたコロナ診療のノウハウを圏域会議等を通じて共有することにより、十分な医療提供体制を確保します。 次に、感染拡大防止対策については、重症化予防等の効果があるワクチン接種について、実施主体である市町において、安心・安全な接種が進められるよう、関係機関等と連携し接種の促進に努めるとともに、換気や手洗いなど、基本的な感染予防対策を県民に呼びかけてまいります。 なお、五類変更に当たっては、医療現場に混乱を生じさせず、国民の命と健康を守りながら円滑に移行できるよう、医療費の公費負担や病床確保に係る支援、入院調整の在り方等の具体的な措置などについて、全国知事会を通じて国に要望しているところです。 私は、今後とも市町や関係機関と連携し、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)非正規公務員の処遇改善についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、会計年度任用職員と一般の非正規労働者との賃金の比較についてです。 会計年度任用職員の報酬・給料については、民間給与との均衡が図られている正規職員の給与を基礎としており、間接的に民間との均衡が図られているものと考えています。 次に、会計年度任用職員への勤勉手当の支給についてです。 会計年度任用職員の勤勉手当の支給を可能とする地方自治法の改正案が本日閣議決定されており、県としてはその動向を注視してまいります。 次に、フォローアップ調査についてです。 会計年度任用職員の任用や処遇については、制度の趣旨や国の事務処理マニュアル等を踏まえ適切に運用しており、また処遇を含めた制度の運用状況等について、毎年、国による調査が実施されているところです。 次に、同一人物の三回目以降の公募によらない採用についてです。 獣医師や各種相談員などの専門性の高い職や人材確保が困難な職については、同一人物の三回目以降の再任用に当たり、公募によらない採用を既に行っているところです。 次に、任用可能期間の考え方についてです。 国のマニュアルにおいて、公募によらない採用は、同一の者について連続二回を限度とするよう努めると示されていることから、本県においてもこの考え方に沿い、先ほど申し上げた専門性の高い職等を除き、任用可能期間を三会計年度以内とする運用を行っているところです。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナ五類変更への対応についてのお尋ねのうち、マスク着用に関する県の考えについてお答えします。 国においては、マスク着用は個人の判断に委ねることを基本とし、高齢者等、重症化リスクの高い方への感染を防ぐため、効果的な場面でのマスク着用を推奨しているところです。 県としても、マスク着用は重症化リスクの高い方への感染を防ぐ上で有効と考えており、国が示すマスクの着用が効果的な場面について、市町及び医療機関等と連携し、広く周知に努めているところです。 副議長(二木健治君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発問題についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、脱原発を進めるべきとのお尋ねです。 エネルギーは国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。したがって、県としては、バックエンド問題や電力需給逼迫への対応も含め、原子力発電を活用するかどうかについては、安全性、信頼性の確保を大前提に国において判断されるべきものと考えています。 次に、上関原発計画をめぐる現在の国の状況についてです。 このたび閣議決定されたGX実現に向けた基本方針において、原子力の活用に関する今後の対応が示されており、その中で、具体的な地点名までは記載されていませんが、次世代革新炉の開発・建設に取り組むとされています。 一方、上関原発については、国から重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、解除する考えはないとの見解が示されていることから、国のエネルギー政策における上関原発の位置づけは現在も変わっていないと認識しています。 また、お示しの上関原発の原子炉設置許可申請については、国の審査会合が開催されていないことは承知していますが、国において現在なお審査中とされていることに変わりはないと認識しています。 なお、福島原発事故後に新たな規制基準が策定されていますが、新規原発の取扱いについては、国でどのような検討がなされているのかも含め、県は承知していません。 次に、今後の見通しなどに関する国への照会についてです。 県としては、国のエネルギー政策における上関原発の位置づけが現在も変わっていないことから、お尋ねのような照会を行う必要はないと考えています。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発問題に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、公有水面埋立法上の漁業権者についてです。 公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱は、土地収用法等に基づき、土地等を収用し、または使用することができる事業の円滑な遂行と損失の適正な補償の確保を図ることを目的として損失補償の対象と在り方を定めたものであり、公有水面埋立法とはその目的が異なることから、補償の対象となる範囲は異なります。 公有水面埋立法において、補償が必要とされる漁業権者とは漁業法に基づき漁業権の免許を受けた者を言い、自由漁業・許可漁業者は含まれておらず、ごまかしとの御指摘は当たりません。 次に、許可漁業、自由漁業を営む権利は財産権ではないか。また、財産権ならば、公有水面埋立て、海上ボーリング調査で侵害する際に補償が必要ではないかの二点のお尋ねにまとめてお答えします。 公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の解説では、その他漁業に関する権利とは、許可漁業及び自由漁業であって社会通念上、権利と認められる程度に成熟したものを言うとされています。 権利にまで成熟しているか否かについては、譲渡性・排他性を有しているか、経済的利益を長期間にわたり享受しているか等、個々の実態に即して判断するとされています。 補償の要否及び内容については、事業者において対象となる漁業に係る諸事情に応じて個別具体的に判断するものであり、民事上のことであることから、県としては見解を述べる立場にありません。 副議長(二木健治君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)中国電力が許可漁業、自由漁業を営む権利にも補償したと主張しているのはなぜかとのお尋ねについてです。 漁業補償については、あくまで当事者間の問題であり、お示しの中国電力の主張内容については、県は承知しておりません。 副議長(二木健治君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育目標の達成に関するお尋ねのうち、私からは、教育目標の実現に向けた所見についてお答えします。 県教委では、未来を拓くたくましい「やまぐちっ子」の育成に向け、子供たちの豊かな学びを支える教育環境の充実に取り組んでいるところであり、中でも教員の果たす役割は大きいものであると考えています。 こうした中、教員志願者数の減少や教員の長時間勤務の実態など、教育現場を取り巻く環境は全国的に厳しい状況が続いており、本県においても教員の人材確保と働き方改革は重要な課題になっています。 このため、教員の年齢構成も考慮しながら、受験上限年齢を引き上げるなど教員採用試験の改善を行うとともに、学校支援人材の活用などにより、教員のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方改革を進めてきたところです。 県教委としましては、教員の処遇等に係る国の検討状況も注視しながら、引き続き教職の魅力の向上に努めるなど教員の確保に向けた取組を推進することにより、教育目標の実現に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)教育に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、新型コロナ五類変更への対応に関するお尋ねのうち、空気清浄機の設置状況及び子供のマスク着用についてお答えします。 まず、本県の公立学校における空気清浄機の設置状況は、お示しの調査によりますと、三三・七%です。 次に、学校における子供のマスク着用についてです。 国においては、四月一日以降は着用を求めないことを基本とするとされていますが、その対応についての留意事項等は改めて通知するとされていることから、その内容を精査の上、適切に対応してまいります。 次に、教育目標の達成に関するお尋ねのうち、本県の教員の年代構成についてです。 再任用を除く本県教員の昨年四月一日現在の年代構成は、二十代が一九・○%、三十代が二○・三%、四十代が二一・二%、五十代が三九・五%となっています。 副議長(二木健治君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 再質問させていただきます。認識がずれているように思いますので質問いたします。 岸田政権は原発の再稼働加速と新型炉の建設計画を打ち出しましたけれども、当然のことながら、供給不安があおられた今年の冬には間に合いませんでした。この先も問題解決につながらない可能性は大です。 原発は一定の出力を保ち続ける電源なので、原発が増えると、需要に合わせて出力を調整する火力発電の稼働率が下がってしまいます。ますます火力の休廃止が加速することになると言われています。 上関原発は、百三十七・三万キロワット二基の計画で、県は熱心に後押しされておりますけれども、仮定の話、これが造られれば、私の町の五十万キロワット二基の新小野田火力発電所は早速休廃止の対象になりかねません。雇用と地域経済に甚大な悪影響を及ぼす可能性が大になると思われますけれども、それでも県はあくまでも上関原発建設を推進すると言われるのか。この点についてお伺いします。 二○○○年代にも、東京電力で供給不安が二回起きました。地震や不祥事で原発が止まったことが原因です。さらに言えば、大規模集中立地型の原発のような電源は、止まると一気に電力不足に陥るリスクがあることも忘れてはなりません。 こうした観点からも、上関原発建設計画は白紙撤回すべきではないですか。公有水面を埋め立てなければ建設できないのですから、この埋立ての許認可権限者たる県知事なら、やる気にさえなっていただければ、できるのではないでしょうか。どうでしょうか。伺います。 さらに、漁業権とは漁業を営む権利でしょう。ですから、権利者は漁業を営む者に決まっています。ですから、県漁協ではなく、関係地区に住む組合員が権利者です。そもそも権利とは、一定の利益を自己のために使用することができる法律上保障された力ですから、免許を受けるだけで、共同漁業を営みもしない県漁協が権利者であるはずがありません。漁業を営む者が権利者なのではないですか。改めてお答えください。 次に、政府は、コロナ患者専用で受け入れている入院病床は遅くとも一年以内に廃止、医療機関への支援は一定程度継続しつつ、入院・外来とも幅広い医療機関での患者受入れを目指すとしています。 発熱外来は現在約四万二千か所あるが、変更後は順次上積みし、季節性インフルエンザを診療していた医療機関数と同程度の約六万四千か所に拡大する方針だそうです。外来対応施設を増やすことによって医療機関の負担の平均化を進めるとしていますが、五月以降は都道府県ごとに計画を策定し、移行期間の終了後はコロナ病床を廃止する方向とまで言われています。 当面は感染拡大の可能性があるため、現行の体制を維持し、コロナ病床の急激な減少や外来対応する医療機関の混乱を避けるため、これまで講じてきた特例について妥当性を検討し、一定程度縮小した上で、当面は継続の方向で検討と言います。 五類変更後は発熱外来がなくなるため、自分でどの医療機関に行くか選べるようになるようです。また、入院治療が必要な患者、入院先の調整は主に保健所が担い、自治体が新型コロナ感染者用に確保していた病床のある病院が受け入れていましたけれども、変更後は、入院先の調整は医療機関が調整するに変わる、受け入れるかどうかは各病院の判断次第になるということなのでしょうか。 こんな難しい調整を国から押しつけられても、県としてそんなに簡単に行えるようなわけがないと思われますが、県として一体どのようにされようとするのか伺って、再質問といたします。(拍手) 副議長(二木健治君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発問題に関する再質問にお答えします。 上関原発と火力発電との関係についてです。国の第六次エネルギー基本計画では、危機時であっても安定供給が確保されるためには、各エネルギー源ごとの強みが最大限に発揮され、弱みが他のエネルギー源によって適切に補完されるような組み合わせを持つことが必要とされています。 石炭火力については、こうしたエネルギー安全保障の観点から、二〇三〇年度における電源構成として一九%程度を見込むとされています。したがいまして、上関原発が稼働すれば、特定の火力発電所が休廃止になるといった関係にはないと考えています。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発についての再質問にお答えします。 公有水面埋立免許の許認可者である知事であれば、原発の建設が止められるのではないかについてです。 今回の延長申請については、埋立免許権者として法令に従い厳正に審査したところ、正当な事由があり、許可要件を満たしていると認められたことから法的に許可するほかなく、延長を許可したものであり、許可を取り消すことは考えていません。 副議長(二木健治君)高橋農林水産部長。 〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 農林水産部長(高橋博史君)上関原発問題についての再質問のうち、漁業権についてのお尋ねにお答えします。 漁業権は行政庁の免許により、一定の水面において排他的に一定の漁業を営む権利とされています。また、漁業法の規定上、共同漁業権は漁業協同組合または漁業協同組合連合会に対してのみ免許され、組合員は当該漁業権の免許の範囲内において漁業を営む権利を有するとされています。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナについての再質問にお答えします。 医療提供体制など、五類変更後の対応についてのお尋ねがありましたが、現在、国において検討されている段階であり、また、国から都道府県に対して通知もなされておりませんので、現時点お答えすることはできません。 副議長(二木健治君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 議論がかみ合っていませんので、再々質問させてください。 公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱は閣議決定されたものです。さらに、電源開発等に伴う損失補償基準については、平成十二年、二〇〇〇年十二月二十八日に通商産業大臣名をもって通知が発出されています。県は何の権限を持って、私がこの損失補償基準について言ったことを無視されるのか、明確に理由をお答えください。 そして、公有水面埋立法は戦前の大正十年にできた法律で、旧憲法の下では財産権の侵害に対して補償するか否かは事業者の裁量に委ねるとありましたので、埋立法では同意取得及び補償が必要な財産権を漁業権など四つの水面権に限定しました。 しかし、新憲法になりましたから埋立法も新憲法に合うようにしなければ、当然なりません。昭和三十九年に制定された河川法が、許可についての同意に際しては対象を関係河川使用者に限定していても補償対象には関係河川使用者以外の者も含めているでしょう。埋立法も同じでしょうが。再度お尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発に関しての再々質問にお答えします。 繰り返しになりますが、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱は土地収用法に基づき土地等を収用し、または使用することができる事業の円滑な遂行と損失の適正な補償の確保を図ることを目的として、損失補償の対象と在り方を定めたものです。 公有水面埋立法は、公有水面を埋め立てて所有権を与えるに当たっての手続を定めたものであり、両者の目的、内容は異なることから補償の対象となる範囲はおのずから異なるものです。 公有水面埋立法に規定する水面権利者以外の者に対する補償については、公有水面埋立法で必要とされているものではなく、当事者間で解決すべき民事上の問題であると考えております。 また、埋立免許権者としては、公有水面埋立法で必要とされる補償以外の補償に関する国の指導については、承知しておりません。