1 県民から信頼される県政の推進について 2 令和5年度当初予算案について 3 上関原発建設計画について 4 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第六十一号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 戸倉多香子さん。 〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) 戸倉多香子さん 民政会の戸倉多香子です。通告に従い質問いたします。 初めに、県民から信頼される県政の推進についてお尋ねいたします。 私は、昨年の二月定例会で代表質問に立ち、三期目の当選をされた知事にお祝いを申し上げ、知事の新たな四年間の県政運営についてお尋ねいたしました。 その際、一昨年に起きました公職選挙法違反による副知事の辞職についても取り上げ、県民の皆様の信頼を取り戻すためには、不偏不党で公平・公正な県政運営が今まで以上に求められるのではないでしょうかと知事の御所見を伺いました。 知事は、これまでも、公正・中立を旨とし、不偏不党の立場で県政運営に当たってまいりましたと述べられ、公職選挙法違反の事案については、現在、外部の弁護士をトップとするチームが調査を行っているところであり、今後、その結果を基に、職員へのコンプライアンスの徹底をはじめとする再発防止の取組を実施してまいりますと答弁されました。 最初の質問は、県民から信頼される県政の推進についてです。 その議会の後、二月定例会が終わった後、三月二十四日に公表された、山口県前副知事による公職選挙法違反事案に係る調査報告書の中の再発防止に向けた提言の内容を読みますと、予想以上に、県に対して厳しい言葉の並ぶ内容となっていて大変驚きました。この点については、私たちの仲間の議員の皆さんも取り上げられたと思います。私は、「文責 弁護士 高村七男」とされた「おわりに」のページが心に残っています。 そこには、「以上、るる申し述べたが、提言を総括するに当たり、調査に対し寄せられた回答の中で提言との関係で特に注目し、参考になると思料されるものを改めてここに列記し、拙文に代える。」として、九項目のことが書かれていました。 その最初には、一、「知事自らが宣言したので、今後は同様の事案は発生しないと考える。」と、知事への信頼と期待の言葉がありました。 そして、三には、「今回の事案が明るみになり、「もうやらなくてよい」と安堵した職員が大半ではないか。」との記載もあり、これまでの職員の皆様の複雑な思いも酌み取った内容となっておりました。 しかし、七には、「議会との関係を見直さない限り、また同様のことが行われる可能性が高い。」とも書かれており、県民の信頼を取り戻すには、まだまだ課題が山積していると心配しておられるようにも読み取れます。 そんな中、昨年は残念ながら県民の信頼を損ねかねない事案が相次ぎました。 その一つが、全国でも話題となったセンチュリー購入問題です。 公用車として、高級車のセンチュリーを購入したのは違法な支出であるとして、県の元職員さんが県を相手取り起こされた住民訴訟ですが、山口地裁は、村岡知事に購入費全額の二千九十万円を請求するよう県に命じる判決を下しました。 昨年十一月二日の判決ですが、実際にこの購入が決定されたのは、公職選挙法違反の事案で辞職された小松前副知事が就任されるより前の時代のことであり、知事もその決裁内容を直前まで知らなかったという信じがたいことが起きていたわけですから、県民の間に不信感が広がったのも無理のないところです。 また、県民の思いを分断しながらも実行された安倍元総理の県民葬もありました。残念ながらお亡くなりになった安倍元総理の国葬については、山上容疑者の銃撃の動機が、旧統一教会の問題であることが明らかになるにつれ、法的根拠もない国葬を行うことに批判の声が上がるようになりました。 各報道機関の世論調査で六○%以上の方が反対される中で国葬が実施され、その決断により、岸田総理の支持率は急激に下がり続けました。 そういう中でも、山口県は、安倍元総理の地元であるということで、県民の反対の声には耳を貸さず、県民葬の実施を断行されました。県民の間に様々な意見がある中での実施に、不信感を抱かれた方もあると思います。 昨年の二月定例会でお尋ねした村岡知事の三期目の県政運営について、知事は、多様な主体との連携・協働が不可欠であり、引き続き、県議会をはじめ市町や関係団体、企業、大学、そして県民の皆様と力を合わせて、一丸となって、より大きな成果を目指していきたい。その基盤となるのが県民との信頼関係だと答弁され、私たち議員は、知事が何より県民からの信頼を大切にされていることを再認識いたしました。このことを広く県民の皆様に御理解いただけるよう取り組むことが重要だと考えます。 村岡県政三期目の四年間のうち、一年が過ぎた今、外部の弁護士をトップとする調査チームの再発防止に向けた提言は、県民から信頼される県政の推進に向けた取組にどのように生かされたのか、またその提言にあるように、これまでの特定の政党に対する悪しき配慮を完全に断ち切り、公平・公正な立場で行動するという県として本来あるべき姿を県民に明確に示すことができたのか、そして県民からさらに信頼される県政づくりを進めるために、知事は今後どのように取り組まれるおつもりか、この三点についてお尋ねしたいと思います。 次に、令和五年度当初予算案についてお尋ねいたします。 初めに、県税収入増に見合った分配についてお尋ねいたします。 二月定例会初日、知事は、新たな県づくりの本格始動と、新型コロナ対策・物価高騰緊急対策、この二つの柱に沿って編成された来年度予算は、一般会計の総額が前年度当初予算に比べ一・○%増の七千九百四十億一千三百万円となったことを説明されました。 歳入予算については、まず県税収入について、円安等に伴う輸入額の増加により、地方消費税の増収が見込まれるため、前年度に比べ七十五億円増、率にして三・九%増の二千七億九千万円を計上したことが報告されました。 また、予算概要説明資料には、地方消費税清算金について、全国の地方消費税の増収が見込まれるため、前年度に比べ七十八億円増、率にして一三・三%増の六百六十七億円となっていることも説明されています。 さらに、令和四年度補正予算案では、県税収入について、企業収益の改善により、法人二税等の増収が見込まれることから、百二十七億九千二百万円の増額補正を行っていることが報告されました。 そして、地方交付税については、国の補正予算に伴う再算定等の結果、九十一億三千六百万円を増額すると報告されています。 以上の説明の内容を考慮すると、知事の言われたとおり、我が国経済の先行きが不透明な中、厳しい財政状況は続いているという現実は変わらないのでしょうが、様々な要因が重なって、県税収入等が増えていることは事実です。説明資料には、県税は過去最高とされていました。 しかし、来年度の一般会計の総額は、前年度当初予算に比べ一・○%増ということで、県税収入等の増加に見合った伸び率とはなっていません。 知事は、議会初日、今後はコロナ前よりも経済や暮らしをより高いレベルに引き上げていく発展的再生を目指すと話されました。 そのための予算として、来年度の予算案が、県税収入等の増加に見合ったベーシックサービスを充実させる予算となっているのか、住民サービスを向上させる予算となっているのか、疲弊した社会経済を力強く再生させる予算となっているのか、知事の御所見を伺います。 次に、新たな基金の創設についてお尋ねします。 このたび、県税収入の上振れ分等を活用し、令和四年度二月補正で、合わせて二百億円の四基金を積み立てると説明がありました。 知事からは、やまぐち未来維新プランに掲げる重点施策を五年間の計画期間に着実に推進し、確かな成果につなげていくためとの説明があり、このことについては否定はしませんが、わざわざ基金として積立てをする意義や期待される効果については、どのようにお考えなのでしょうか。 基金の財源としては、令和四年度の法人二税等の増収百二十七億九千二百万円などが考えられますが、この基金から令和五年度当初予算において充当されるのは二十七億円のみです。 先ほども申し上げましたが、前年度当初予算に比べ一・○%増の予算案は、率だけで比べると、県税収入等の増加に見合ったものとはなっているとは言えません。そのような状況で、この五年間の事業の財源を先取りするような基金の積立てについて、知事のお考えをお聞きしたいと思います。 次に、中小企業や小規模事業者支援についてお尋ねします。 令和四年度補正予算案や令和五年度当初予算案で県税収入等が増収という説明がされるたびに、まるで景気が回復しているような錯覚に陥ってしまいますが、思ったよりはコロナの影響が小さかったと言われる大企業は別として、これまでも質問で取り上げてきましたように、コロナ前から経営状況の悪かった中小企業や小規模事業者、個人事業主などは、コロナの影響に加え急激な物価高騰、さらにはゼロゼロ融資などの返済も始まるなど、本当に大変な状況と聞いています。 コロナ対策に関連した補助金を受けた企業や個人事業主さんも多いと思いますが、それらは売上げに上がるため、見かけの売上げはあまり下がっていないように見えるのではないかと思いますが、そういった補助金もなくなっていくと、実際の売上げはコロナ前ほどには戻っていないことを痛感する方も多いのではないでしょうか。 県内各地域の経済と雇用を支えて、町の歴史や文化を紡ぎながら、次の世代にも伝える役割を担ってきた商店や飲食店などの店主たちが疲れて、諦めて閉店していく、そういった悪循環を止めるために、まだまだ支援が必要だと思います。 知事の予算案の説明では、中小企業制度融資において、中小企業者の脱炭素化に向けた意欲的な取組に必要な資金需要に対する新たな資金を創設するとの話も出ました。 予算説明資料には、賃金引上げ・価格転嫁支援資金や返済負担軽減借換等特別資金などの説明もあり、利用できる方はぜひ金融機関に相談していただきたいと思いますが、飲食店の店主たちからは、借入れは返済しなくてはいけないのでもうできないという返事ばかりが返ってきます。 あるいは、様々な補助金を受けている企業であっても、補助金漬けにはなりたくないと考える事業主さんの声も聞きます。どんな支援が必要なのか難しい問題ですが、事業を続けていただくために、それぞれの悩みに寄り添った支援を引き続きお願いしたいと思っています。 今年は十月からインボイス制度が始まるとされています。実質大増税となる方もいらっしゃると思いますので心配しています。それらへの対応は、県としてもできることは限られているのでしょうが、それらも含めて、中小企業や小規模事業者支援に、県はどのように取り組まれるのでしょうか、お尋ねいたします。 新年度予算案の四番目の質問です。 山口県ふるさと産業振興条例についてお尋ねします。 山口県では、地域の特性を生かした農林水産業や中小の事業者による多彩な商工業が営まれる一方、基礎素材型及び加工組立型の産業の集積が見られることを踏まえ、地産地消の推進による、ふるさと産業の育成や振興を目指して、山口県ふるさと産業振興条例が制定されています。 条例にある県の責務の一つは、行政の各分野において、地産地消に関する施策を講じることとあり、第七条の基本的施策の十号には、官公需における県内の事業者の受注機会の確保、県産品の活用を図ることとされています。 本年度予算での事業の執行についても、県内の事業者の受注機会の確保や県産品の活用といった視点が働いているのか重視していきたいと考えています。 今年度の予算では──一昨年度でしたか、予算では、コロナの感染拡大の中、子供たちへのタブレットの配付が急がれたため、大量にタブレットを購入することとなったにもかかわらず、他県の業者との契約となったという事例があり、残念な気がしたことを思い出しました。 そのときは、特定調達契約のため仕方なかったのでしょうが、もっと時間的余裕があれば、地元企業に少しずつ、学校ごとの発注など、例えば、配分できるような契約の仕方も可能だったのではないかと会派の仲間と話しました。 今回の予算案についても、山口県ふるさと産業振興条例の趣旨が生かされた執行がなされるか注目したいと考えています。予算全般にわたり、地産地消の推進の視点で取り組んでいただきたいと考えますが、御所見を伺います。 予算案の中の五番目、最後ですが、県有施設への再生可能エネルギー設備の設置についてお尋ねします。予算に関する質問では最後になりますが、県有施設への太陽光発電設備導入促進事業についてお尋ねしたいと思います。 私は平成二十三年四月に当選させていただいて、最初の定例会となる六月定例会で初めて一般質問に立たせていただき、この問題を質問に取り上げました。 そのときは、神奈川県が県有施設に設置する太陽光発電設備の事業費を五月補正予算に計上して推進されるというニュースがあったので、それを取り上げ、県有施設への太陽光パネル設置は、地球温暖化防止、再生可能エネルギーの普及啓発に加え、直接公共事業として地域経済への波及効果も望める。山口県においても、県有施設や市町の施設に対する太陽光発電設備の設置促進による再生可能エネルギーの導入を促進する事業の一層の充実について検討していただけないかと質問しました。 環境生活部長からの答弁では、県では、太陽光発電の導入促進を加速化プランの重点事業に掲げ、積極的に取り組んできたこと、また、設置に当たっては、県内で製造・加工された製品の使用や県内事業者による工事の実施など、地域経済の活性化にも配慮してきたとの説明がありました。 そして現在、そのときの答弁では、当時ですが、国において議論が進められているエネルギー政策の見直しや太陽光発電の全量固定価格買取制度などの動向を注視するとともに、今後、関係部局から成る庁内プロジェクト会議等において、公共施設等へのさらなる導入について検討も行いたいと考えているという御答弁を頂きました。 あれからもうじき十二年近くたつわけですが、この間に県有施設への再生可能エネルギー設備の設置はどのくらい増えたのか、また今後どのように増やしていかれるおつもりか、お尋ねしたいと思います。 三点目の質問、最後になりますが、上関原発建設計画についてお尋ねいたします。 昨年十一月定例会では、中国電力さんから十月二十五日に提出された公有水面埋立免許の期間伸長の申請が、十一月二十八日に許可されたことに対する質疑がたくさんありました。 私は、質問の機会がなく残念に思っていましたが、各会派からの御意見が多く聞けて参考になりました。 ただ、前回の定例会でのやり取りについて疑問に思うこともありましたので、お尋ねしたいと思います。 まず、自民党会派の代表質問に対する知事の答弁は、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて合理的な理由があることと、今後埋立てを続行するのに十分な理由があること、すなわち、土地需要があることの二つの要件をいずれも満たしており、正当な事由があると認められるときは許可しなければならないものであることから許可いたしましたとの答弁でした。 その中で、竣功できなかった理由については、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査について、調査地点付近で複数の船舶を停泊させるなどの行為が継続してあったことなどから調査を終了できず、工事を期間内に竣功できなかったこと、また、訴訟によりその解決を図ることが説明されており、合理的と認められますと説明されています。 しかし、竣功ができなかった理由についてはもう一つあると思います。公有水面埋立免許権者としてではなく、原発建設計画が存する県の知事の立場から発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないことを知事が事業者に要請されていることが大きな阻害要因としてあります。 この阻害要因と、その解消に向けた取組は、合理的であったと期間伸長許可の審査の中で整理されたのでしょうか。もちろん要請であり、無視することもできると考えられますが、それらが審査表の中に記載されているのか、お尋ねしたいと思います。 審査の中で検討された上で合理的とされたのであれば、裁量権の逸脱だと言わざるを得ませんし、仮に審査をされていないのであれば、許可処分について瑕疵があると思います。御所見を伺いたいと思います。 前回の定例会での質疑に戻りますが、自民党会派の質問のほかに、公有水面埋立免許の期間伸長が許可されたことを評価される質問が公明党会派の議員からもあり、少し驚きました。 質問は、公明党会派としては、上関町のまちづくりは、まずは何より地元自治体の考え方を尊重することが重要と思いますと話され、昨年十月二十三日に行われた町長選挙で当選された上関町長の思いに、知事はどのように対処されるお考えかと質問されました。私は、公明党さんも原発の新増設を認める立場に変わられたのかと心配しておりました。 しかし、その後、十二月十六日のニュースで、公明党さんは新増設は認めない方針と報道されましたので、ひとまずほっとしたところです。 先日、二月二十二日のことですが、衆議院予算委員会の中継を、うちの党の泉代表の中継を見ようと思ってパソコンで見たんですが、そのときに立憲民主党の泉代表の質問の前に質問に立たれていた公明党の赤羽議員が、岸田総理に、第六次エネルギー基本計画にあるとおり、原発は可能な限り低減していくという認識で変わりないか、GX実行に向けた基本方針の下で、この方針は変わらないか、確認されていました。総理は、変わらないと答弁されており、少し不思議な感じもしましたが、私としては喜んでいるところです。 このたびの期間伸長の申請が許可された時点と、前回の期間伸長が許可された令和元年時点では、自民党会派の代表質問にも少し違いがありました。 前回は、代表質問に立たれた方が、我が会派としては、原発依存度を可能な限り低減させる方針の下と始まっており、今とは少し違うように思います。 このような動きから、上関原発建設計画のある山口県に暮らす県民の一人としては、現在の国の原発の新設についての考え方に大変関心を持ってしまいます。 この国の原発の新設についての考え方、この点についてどのように県としては認識されているのでしょうか、お尋ねいたします。 結局、平成二十年十月二十二日──二○○八年の十月二十二日に公有水面埋立免許がなされた後、三回の期間伸長がされたわけですが、その間に三・一一東日本大震災があり、埋立ての進捗状況はゼロのままです。 延長許可申請に記載する、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて、合理的な理由が必要とされたためと私は思うんですが、合理的な理由が必要とされたために、海上ボーリング調査が持ち出されたり、そのボーリング調査を妨害しているとして、祝島島民の会の方々が訴えられたりしました。とっても残念に思います。 裁判の経過としては、令和四年七月二十二日に中国電力が民事調停の申立てをされ、十月五日が第一回目の調停だったのですが、調停は不成立となり、訴えられた方のほうは、さらに調停が続くと考えられていたわけですが、そういった動きは全くなく、十月二十五日に中国電力さんは山口地裁の岩国支部に提訴されました。 その日は、中国電力さんが公有水面埋立免許の期間伸長の申請を出された日でもあり、先ほどから私が申し上げているとおり、この裁判を、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて合理的な理由の根拠としたいとの申請者の意図が透けて見えると思います。 訴えられた祝島島民の会の弁護士の方は、島民の会は中電の水面使用を妨害していないと主張されています。また、海上ボーリング調査は、公有水面埋立権に基づく水面使用ではないという主張もされると聞いています。 第一回口頭弁論は、被告は欠席で、代理人弁護士が答弁書を提出しただけで終わったということで聞いていますが、次回の期日は三月十日に予定されています。訴えられた、上関原発を建てさせない祝島島民の会の方々の裁判を応援しようと、裁判を支援する会が立ち上がりました。 県内外から支援の声が寄せられています。支援をする会の立ち上げの集会では、多くの方々がお集まりになり、いろんな御意見が出されましたが、光市にお住まいの方からの御報告で、以前、光市で行われた世論調査の結果についての御報告がありました。上関原発の建設には七二・六%の方が反対との結果だったそうです。 知事は、上関原発建設計画については、お示しの原子力発電をめぐる国の検討など、様々な環境変化を踏まえつつ、今後もこれまでと同様、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するとともに、県民の皆様の安心と安全を守るという観点から適切に対応してまいりますと答弁されていますが、万が一の事故の際には、影響を受ける地元は上関町だけで済まないことは、三・一一東日本大震災のケースからも明らかであり、御理解いただいていると思います。 今後も政策選択は、上関町だけでなく、周辺自治体の住民からも意見を聞いていただきたいと思いますし、裁判で訴えられた祝島の方々とも意見交換をしていただきたいと思いますが、知事のお考えをお聞きします。 以上で、一回目の質問とさせていただきます。再質問もしたいと思いますけれども、なかなか準備ができなかったので、ゆっくりと言えないかもしれませんので、御挨拶だけさせていただいておきますけれども、この今回の質問についても、大変皆さんに御心配をおかけして、早く原稿を出すことがちょっとできなくて、苦手で、いろいろ職員さんたちにも手伝っていただいたりして質問を作りました。 本当に今年度限りの任期でも、次、選挙がありますけれども、これで最後になるかもしれないので、私もしっかりと取り組みたいと頑張ったのですが、またぜひ次の議会でも、こういったおかしいことはおかしいとしっかりと主張できる、そのことのためにも頑張りたいと思いますので、引き続きの御支援をよろしくお願いいたします。 以上で、質問を終わります。再質問するかもしれません。どうもありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)戸倉議員の御質問のうち、私からは、県民から信頼される県政の推進についてのお尋ねにお答えします。 一昨年に発生した公職選挙法違反事案においては、私は直ちに、今後、今回のような選挙をめぐる組織的な勧誘は一切なくす、仮に外部から求められたとしても全て断るという二つのことを県民の皆様にお約束しました。 そして、これを確実に履行するため、調査報告書の提言も踏まえ、昨年三月に、甘い認識を持たない、勧誘を受けても抱え込まない、今回の事案を忘れないという観点から、再発防止に向けた五つの取組を新たに定め、県庁を挙げて、その徹底を図っているところです。 具体的には、幹部職員をはじめとした全ての職員に対する研修等により、職員のコンプライアンス意識の徹底を図ったほか、働きかけ対応制度や公益通報制度の見直しによる組織的な対応力の強化等を実施しました。 また、事案発生から一年を経過した昨年末には、本庁・出先機関全ての所属において所属長による研修を実施し、事案の概要や再発防止策を改めて全職員に周知徹底しました。 こうした再発防止策や、それに当たっての県の考え方については、私自身、先頭に立って記者会見や議会等のあらゆる機会を通して御説明させていただき、県民の皆様に御理解を頂けるよう努めてきたところです。 本県の新たな未来を見据え、様々な課題に一丸となって県づくりの取組を力強く前に進めていくためには、県民の皆様との信頼関係が不可欠であり、このような考えの下、私は今後とも公正・中立を旨とし、不偏不党の立場で誠実な県政運営に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)令和五年度当初予算案についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、県税収入増に見合った分配についてです。 来年度当初予算の歳入については、お示しのとおり七十五億円の税収増を見込む一方で、それに伴い、地方交付税は十億円、その振替財源である臨時財政対策債は七十五億円の減少を見込んでいます。 また、地方消費税清算金については、お示しのとおり七十八億円の収入増を見込む一方で、清算金の支出として九十億円の増加を見込んでいます。 これらの結果、本県財政は引き続き、歳出が歳入水準を上回る、収支が均衡していない財政構造となっており、最終的な財源不足額八十八億円について、財源調整用基金の取崩しを余儀なくされました。 そうした中にあっても、新設する四つの基金等も活用し、コロナ前よりも経済や暮らしをより高いレベルに引き上げていく発展的再生を目指して、新たな県づくりに向けた取組をはじめ、新型コロナ対策や現下の物価高への対応に重点的な予算配分を行い、必要な予算規模を確保したところです。 次に、新たな基金の創設についてです。 本県財政は、来年度の財源不足額が八十八億円となるなど、依然として歳出が歳入水準を上回る、収支が均衡していない財政構造が続いており、今後五年間も来年度と同様、大幅な財源不足が生じる状況が続く見通しです。 こうした中において、新たな四つの基金については、県税収入の上振れ分等を活用し、やまぐち未来維新プランに掲げる重点施策の計画的かつ着実な推進に必要な財源を確保するとともに、新たな県づくりに向け、共に取り組んでいく市町や企業等に対し、県としての取組姿勢を示すことにより、施策の実効性を高めるために創設するものです。 今後も、これらの基金を有効に活用していくことで、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現に向けた確かな成果につなげてまいります。 副議長(二木健治君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)令和五年度当初予算案の御質問のうち、中小企業や小規模事業者支援についてのお尋ねにお答えします。 コロナの長期化に加え物価高騰等により、多くの中小企業や小規模事業者が売上げや利益減少等の影響を受けるなど、厳しい経営環境にあります。 こうした状況下においても、その事業の継続・発展を図ることが重要であり、県では関係機関との連携の下、事業者のニーズや経営状況等を適切に踏まえながら、生産性向上や経営安定等に資する的確な支援策を講じることとしています。 具体的には、まず、生産性の向上に向けては、経営革新計画の策定を通じて、新商品開発等の付加価値向上の取組を支援するとともに、専門家による経営課題診断等を通じて、デジタル技術を活用した業務改善の取組を支援してまいります。 また、今年度、事業者からのニーズの高かった省エネや業務効率化に資する設備導入補助を引き続き実施します。 次に、経営安定に向けては、今後、ゼロゼロ融資の返済が本格化することから、金融機関の伴走支援による経営行動計画の策定を通じた融資により、既往債務の返済負担の軽減や経営改善を図っていきます。 さらに、収益改善に向けて、クラウドファンディングを活用した頑張るお店応援プロジェクトや、商店街でのキャンペーン等により消費需要の喚起も行います。 また、十月から開始されるインボイス制度については、免税事業者に緩和措置が講じられることとされており、商工会議所等による相談やセミナー等を通じ、制度の周知を図りながら、その円滑な導入を支援していきます。 県としては、今後とも関係機関との連携を強化し、中小企業や小規模事業者支援に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)前田産業戦略部長。 〔産業戦略部長 前田安典君登壇〕 産業戦略部長(前田安典君)令和五年度当初予算案についてのお尋ねのうち、山口県ふるさと産業振興条例についてお答えします。 本県経済の持続的な発展に向けては、ふるさと産業の振興を図ることが重要であることから、県では、条例の基本理念を踏まえ、全庁組織である山口県ふるさと産業振興推進協議会の下、関係課から成る官公需部会など七つの部会を設け、各部局が連携した取組を進めてきたところです。 具体的には、条例の周知はもとより、政策入札制度の積極活用や、公共調達に向けた県産品リストの作成、会計検査における履行確認や指導、定期的なフォローアップ等を通じ、県内事業者の受注機会の確保や県産品の活用を促進してまいりました。 これらの取組により、物品購入や建設工事、業務委託など公共調達において、県内に本店を有する事業者の受注率は約九割と高い水準となっています。 こうした中、来年度予算においても、県産品の利用拡大の視点を生かした新たな取組を進めることとしています。 例えば、予算を重点配分した脱炭素関連では、中小企業が太陽光発電施設等を導入する際、県産の省・創・畜エネ関連設備に対して補助を上乗せする制度を創設するほか、県産農産物や木材の利用拡大の促進等にも取り組んでいくこととしています。 県としては、今後とも、行政の各分野において、地産地消の視点を持って取組を進め、県民、事業者、行政の協働の下、ふるさと産業の振興を図ってまいります。 副議長(二木健治君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)県有施設への再生可能エネルギー設備の設置についてのお尋ねにお答えします。 平成二十三年当時の国のエネルギー政策の見直し等を踏まえ、県では県内の再生可能エネルギーの導入を総合的かつ計画的に進めるため、庁内プロジェクトチームや外部有識者等で構成する検討委員会での議論を経て、平成二十五年三月に再生可能エネルギー推進指針を策定しました。 本指針では、重点プロジェクトの一つに、太陽光発電の普及拡大を位置づけ、それに基づき公共施設への率先導入に取り組んできたところであり、指針策定以降、県有施設では、総合庁舎や警察署をはじめとした二十三の施設に、計二百四十五キロワットの太陽光発電設備を設置しています。 今後は、三月改定予定の県地球温暖化対策実行計画に位置づけた県庁エコ・オフィス実践プランにおいて、二○三○年度までに設置可能な県有施設の五○%以上に太陽光発電設備を設置の目標を新たに掲げることとしています。 その実現のため、今年度実施した県有施設への太陽光発電等の導入ポテンシャル調査の結果も踏まえ、設置可能な百五十九施設のうち、設置済みの五十四施設を除く百五施設を対象とした導入計画を策定することとしており、来年度以降、この計画に基づき、順次設置を進めてまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発建設計画に関するお尋ねのうち、工事を竣功できなかった理由の審査についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、知事の要請について、阻害要因とその解消に向けた取組は合理的であったと期間伸長許可の審査の中で整理されたのか、また、それらが審査表の中に記載されているのかについてです。 公有水面埋立法において、許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、埋立免許権者としては、申請内容の的確な把握に努め、法に基づき、適正に審査を行うこととなります。 このたびの期間伸長申請において、指定期間内に埋立工事を竣功できなかった理由については、知事の要請への対応が理由であるとの説明はなされていないことから、要請については審査しておらず、審査表には記載していません。 次に、仮に審査されていないのであれば、許可処分について瑕疵があるのではないかについてです。 竣功できなかった理由として、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査を終了することができなかったことが事業者から説明されています。 埋立免許権者である県としては、提出された申請書の内容について審査した結果、正当な事由があると認められたことから、期間伸長を許可したものであり、許可処分について瑕疵があるとの御指摘は当たりません。 副議長(二木健治君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発建設計画に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、国の原発新設の考え方に対する県の認識についてです。 原発新設に関連する国の動きとしては、本年二月十日に閣議決定された、GX実現に向けた基本方針において、エネルギー基本計画を踏まえて原子力を活用していくため、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組むことが示されました。 具体的には、地域の理解確保を大前提に、廃炉を決定した原発の敷地内での次世代革新炉への建て替えを対象として具体化を進めていくとされています。 また、その他の開発・建設については、各地域における再稼働状況や理解確保等の進展等、今後の状況を踏まえて検討していくとされたところです。 県としましては、エネルギー政策は国家運営の基本であり、原発の新設を含め、原子力をどう利用するかは、安全性・信頼性の確保を大前提に、国の責任で判断すべきと考えています。 次に、周辺自治体や祝島住民の意見への対応についてです。 上関原発建設計画について、様々な意見があることは承知しておりますが、県としましては、国策である原発の立地については、県に何ら権限が与えられていない中で、地方自治の原則から見て、住民に最も身近な地元市町の政策選択や意向を尊重すべきであると考えておりまして、今後もこの姿勢で対応してまいります。 なお、県では、祝島の住民の方々を含め、様々な団体からの上関原発に関する申入れ等に対し、組織として真摯に対応しているところです。 副議長(二木健治君)戸倉多香子さん。 〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) 戸倉多香子さん 再質問させていただきます。 県民から信頼される県政の推進についての知事からの御答弁、再発防止の五つの取組のことや職員の方々への研修等、改めて、そしてまた、研修も行ったという御答弁でしたが、もちろん私たちも知事が、先ほども高村弁護士さんが書かれていたように、知事がそういった公職選挙法違反に手を染めるということはないだろうということは信頼申し上げています。 それから、職員の皆様も、もうこれまでだって本当はやりたくない中で、まああったんだろうと思いますので、またそういったことが起こるということはないと信じています。 ただ、先ほども申し上げましたが、高村弁護士の整理された内容によりますと、七番に、議会との関係を見直さない限り、また同様のことが行われるのではないか、可能性が高いとも書かれている。このことについて御答弁の中では触れられておりませんでしたので、公職選挙法違反だけではなく、県民の皆さんから県政が信頼されていないということは、先ほどいろんな例を取り上げて、センチュリーの問題であったり、いろんな御意見がある中での県民葬のことを取り上げましたりしまして御説明したとおりですので、そういったことに対しての取組もしっかりやらなければ、県民の皆さんの信頼を取り戻すことはできないのではないかと思っています。 特に、この議会との関係を見直さない限り、また同様のことが行われる可能性が高いというふうに書かれている、この提言書、このことについて、どのように取り組んでこられたのか、もう一度知事にお尋ねしたいと思います。 それから、先ほど私が質問したときは、この提言をどのように生かされたのかということをお尋ねしましたが、知事の御答弁の中には、このように生かしたということはちょっとなかったように思いますので、このこともちょっと併せて質問させていただきたいと思います。 それから、原発問題です。国の新増設に対する認識についてお尋ねしたのは、質問の中で取り上げましたとおり、GXの活用をしていく、本年二月にあったということでしたが、そういった新増設も活用していくというような政府の考え方になっていっているのかという不安の中でお尋ねしたんですが、県はいつも国の責任において、そういうことって言われるんですけれども、今回の埋立免許もそうですけれども、今回延長許可を認めていいかどうかということは、やはり国のエネルギー政策がどうであるかということが一番考慮されることだと、たしか二井知事の頃から言われていたと思います。 だから、県としては、そのことをしっかり把握する必要があると思います、県の責任として。中国電力さんの申請書に書いてある主張ではなく、ちゃんと法に基づいて、その主張があるなしにかかわらず、ちゃんとこういったことがある、こういったことがあるということは、最初の埋立免許や二番目の長く、ずっと延長された延長許可申請のときは、徹底的にそういったことも調査されたと思うんです、審査されたと思うんですけれども、審査項目の中にあったと思うんですけれど、国のそのときのどういった考えなのかということについては、大変重要なことなので、県としては、それを確かめるためにもっと努力されるべきだと思いますが、このことについてはどのようにお考えでしょうか。 そして先ほど、公有水面埋立てについて、部長がいつもそうなんですけれども、申請者の説明において、申請者に説明させると言われるんですね。申請者の、それで、出てきた申請書を審査すると言われるんですけれども、例えば、全く知事の今回の要請についても審査されていない、審査書には入っていないということですが、そういったことで延長許可が、たった一つの合理的な理由があったら、それで全部通ってしまうのかということになりますので、これはおかしいと思うんですが、それが法に基づく審査と言えるのか、そのことを部長にお尋ねしてみたいと思います。 それから、三浦理事には、本当にいつも申し訳ない気持ちで質問するんですけれども、先ほどの話に戻るんですが、国の新増設に対する考え方ですけど、今、GXの分で本年二月ということを言われたんですが、これまで国の考え方が変わってきたと思うんですね。 もともとの三・一一の前、それから民主党政権時代、新増設はしないということの方針が決められたんですが、そして、その後、安倍政権になり、新増設は現時点では想定しないというふうになりました。 そして、今回、GXで活用するのは、活用するということで、新設も認めるのかというような形になってまいりました。この国の考え方の変化については、どのように整理されているか、もう一回お尋ねします。 私は、これまでも質問の中で取り上げてまいりましたが、過去のそのときの国のエネルギー政策を尊重すると言われてきた審査の内容について、先ほど申し上げたように、考え方が変わってきていると思うんですけれども、当初の三・一一直後は、エネルギー基本計画が変わらないから国の考え方は変わらないというような御答弁を頂いてきたと思います。それは私はちょっとおかしいんじゃないかと思いますし、今、新増設を認めるような方向性になったのであれば、それはいつからなのか。 そして、さらに、その前の安倍政権時代の現時点では新増設は想定していないとなったのはいつからなのか。そして、三・一一直後の新増設は認めないとしたのはいつからなのか。そしてその前のエネルギー基本計画で、原発をもっともっと増やそうとされていたのはいつからなのか。その整理をしていただきたいと思いますので、よかったらそのことも教えていただきたいと思います。 それから、先ほど部長は、延長許可の理由として合理的な理由があるから、ほかに一つあるから、それでいいんだというふうなことでしたが、先ほどもしつこいんですけれども、やはり知事が要請されていることは大きな阻害要因なんですね。最初のときに、最初に延長許可を認められたときに要請をされたときは、まだ要請されると分かっていなかったから、申請者の方はそれに対する対応は前もってはできなかったと思うんですね。ですけど、その次からは、もうその要請が続くだろうと予想されるようなことなので、その知事の要請は、知事が県民の皆さんの安心・安全をもって出されている要請なので、これは二井元知事が震災後直後に、あの工事を止めなさいと言われた要請と同じ考え方で続いているとは思いますが、要請としてはもう終わって、新しい今の知事の要請が今の県の考え方だと思いますが、このことについて、ちゃんと阻害要因として考えないことは本当に瑕疵があると思うんですね、この埋立免許の今回の伸長許可。そういったことが認識としてあられるか、ちょっとお尋ねしたいと思います。 以上で、再質問は終わりますが、再々質問に多分なると思いますので、よろしくお願いいたします。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)戸倉議員の再質問で、調査報告書の「おわりに」の七に書いてあることについての受け止めや、どう取り組んできたのかということ、そして、それを踏まえた県政運営の対応についての御質問でした。 調査報告書におきましては、事実関係や再発防止に向けた提言などが詳細に取りまとめられており、私としては、この提言も踏まえ、再発防止に向けて二つの宣言と五つの取組を全庁に徹底しているところです。 県政を進めていく上で、県民の皆様との信頼関係は重要な基盤であります。今後とも、公正・中立を旨とし、不偏不党の立場で県政運営にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 副議長(二木健治君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発に関する再質問にお答えいたします。 まず、国の認識についてでございますが、国の考え方をもっと把握するよう努力すべきだという質問であったかと思います。 これにつきましては、先ほども少し述べさせていただきましたけれども、原発に関することとしては、国のエネルギー政策に関することでございまして、これについて、県が何かを述べるということ、独自に見解を述べるということは考えておりません。 それから、国の考え方の変遷についてでございます。 第三次エネルギー基本計画の効力に関する政府答弁書がございますが、この中でエネルギー基本計画が見直しの途上にあること、この計画が見直しの対象となっていること、この計画は引き続き効力を有していることの三点が書かれております。 その後、平成二十六年四月に、次の第四次エネルギー基本計画が閣議決定されるまでの間、改定されておりませんので、その間は第三次エネルギー基本計画が有効であったと理解しております。 これまでに原発の新増設一般について国の考え方がなされたことはございますが、上関原発の重要電源開発地点指定という個別具体的な問題に関しては、国から、地点指定は引き続き有効であり事情の変化がない限り解除する考えはないとの見解が示されております。 したがいまして、県としましては、国のエネルギー政策上の上関原発の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであると認識しております。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)上関原発に関する二点の再質問にまとめてお答えいたします。 県としましては、申請内容の的確な把握に努め、適正に審査を行わなければならないと考えていますが、申請内容に関する説明は申請者自らの責任で行うべきものと考えております。 繰り返しになりますが、公有水面埋立法において許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、埋立免許権者としては、申請内容の的確な把握に努め、法に基づき適正に審査を行うこととなります。 知事の要請は、公有水面埋立法の処分とは切り離し、原発建設計画が存する県の知事という埋立免許権者とは別の立場から行ったものでございます。 今回の期間伸長申請では、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査を終了することができなかったことから、埋立工事を竣功できなかったとの理由が事業者から示されており、知事の要請の対応がその理由であるとの説明はなされておりません。 いずれにしましても、埋立権者である県としましては、提出された申請書の内容について審査した結果、正当な事由があると認められたことから、期間伸長を許可したものであり、許可処分について瑕疵があるとの御指摘は当たりません。 副議長(二木健治君)戸倉多香子さん。 〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) 戸倉多香子さん 再々質問させていただきます。 知事から、再質問に答弁は頂いたんですけれども、県議会との関係については、どのように努力されてきたのかということについて、県議会との関係が一番問題じゃないかと。この公職選挙法の違反が起きたことの底辺にもあることは、調査報告書の中にもあったと思いますので、県議会とのうまくやっていくために、言うことを聞かなきゃいけないんだというようなことの、そういったことに対する対応というか、どのようにそれを克服していこうと、こようとされたのか、この一年間。 これすごく難しい問題だと思うんですね。県議会と執行部がうまく行政を動かしていく中での取組というのに対して、公正・中立で、ちゃんと不偏不党でやっていくというの、難しい問題だとは思いますけれども、そのことにどのように取り組まれたのかについては、ちょっと先ほど御返事がなかったので、それをお尋ねしたいと思います。 それから、提言については何か生かされてはいないのかなと思うんですよね。踏まえてというふうに御答弁がありました。知事は、提言を踏まえということを言われたんですけれども、この提言はすごく貴重な提言であったと私は思います。 山口県全体が県民から信頼されて一歩前に進んでいく、そして知事の言われているとおり、発展的再生をしていくためには、この提言は本当に貴重な提言であったと私は考えるわけですが、この提言は生かされていないのか、このことについても再度お尋ねしたいと思います。 それから、国の新増設に対する考え方について、三浦理事に御答弁いただきました。本当に、三浦理事はいつも御苦労されながら一生懸命答えていただいているので、申し訳ない気はするんですけれども、ちょっと久々に出てきた話がありました。 エネルギー基本計画の中で、うちの元民主党政権時代の、あれは何でしたっけ、ちょっと書類が思い出せないんですけれども、エネルギー基本計画はまだ見直される予定だけれども、まだ見直されていないので、それは生きているんだと。三・一一後も原発を大増設する、そのエネルギー基本計画は生きているんだという答弁だったと思います。それがちょっと私はずっと違うんじゃないかと言い続けてきました。エネルギー基本計画だけが国の方針ではないんじゃないかということを主張してまいりました。このことを、これは幾ら言ってもしようがないのかもしれませんけれども、県の一番最初の延長許可のときのその考え方、これは絶対におかしいと思いますので、今後も県としては見直していただきたいんですね。 その根拠としては、今回もGXが二月二十日に決まったんですか、二十二日だったか、二十日でしたか、決まった内容ということですが、エネルギー基本計画の変更ではないですよね、エネルギー基本計画の変更ではない。そして、公明党さんの岸田総理への質問についても、特に、エネルギー基本計画の考え方を変えているわけではないという答弁があったんですね。それにもかかわらず、今、国は新増設を、新型の分を進めることは活用していくという御意見だということも取り上げられたんですが、そういった考え方、都合よくこっちではそういうふうに取り、こっちではエネルギー基本計画は国の政策だというふうに、立場を変えられるのはおかしいと思いますので、このことについてのお考えをお聞きしたいと思います。 これは最後に質問ではありませんが、祝島の方々と意見交換していただきたいというのは、やはり公平・公正な立場で、両方側の意見を聞いてほしいんですね。それが知事の姿であってほしいと思っています。 いろんな申入れはさせていただいておりますけれども、延長許可の申請を出した側だけの意見を聞くんではなくて、裁判にまでされてしまったわけですけれども、反対していらっしゃる方々、自分たちは漁業をやっているだけなんだと、妨害をしているわけではないと言っていらっしゃる方々の意見をしっかりと聞いていただくのが、公正、信頼される県政づくりにつながることだと思っていますので、そのことは要望して終わりにしたいと思います。 以上で終わりにしますが、御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)戸倉議員からの再々質問で、議会との関係について見直したことはないのかということ、それから、提言を生かしていないのかという再々質問でございました。 この事案を受けまして、私のほうでは二つの宣言を行い、その中では、外部から求められたとしても全て断るということ、それから、五つの取組の中では、具体的に働きかける対応制度や公益通報制度の見直しによる組織への対応の強化を図ってまいりました。 これは、議会の中であろうと外であろうと、全ての対象を含めて見直しを行ったものでありますので、そうした形で対応を行っているということが一つであります。 それから、提言を生かしていないのかということですが、これ最初の答弁でも申し上げましたが、提言を踏まえて、それを受けて、五つの取組を新たに定めて、このことについて全庁を挙げて、その徹底を今図っているということであります。 副議長(二木健治君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発に関する再々質問にお答えいたします。 国の考え方についての御質問だったと思いますが、本年二月に閣議決定されましたGX実現に向けた基本方針でございますけれども、これはエネルギー基本計画を踏まえて取組を取りまとめたものとされております。 県としても、そのように理解しておりますが、いずれにしましても、エネルギー政策は国策でございまして、県として申し上げる立場にはないかと思っております。 以上でございます。