1 県民の命と健康を守るコロナ感染症対策について 2 中小企業支援について 3 インバウンドの推進について 4 農林水産物等の輸出拡大について 5 インフラの老朽化対策について 6 山口県の英語教育について
議長(柳居俊学君)先城憲尚君。 〔先城憲尚君登壇〕(拍手) 先城憲尚君 皆さん、おはようございます。公明党の先城憲尚でございます。公明党を代表して質問をいたします。どうぞよろしくお願いをいたします。 まず初めに、県民の命と健康を守るコロナ感染症対策についてお尋ねいたします。 岸田総理は先月二十三日、新型コロナの感染症法上の位置づけを、現在の二類相当から五類へと変更する方針を明らかにしました。 この五類への変更は、制限緩和につながる一方で、医療費の公費負担や医療提供体制の変更など、多くの課題が想定されています。 そのため、公明党の石井幹事長らは先月二十四日、松野官房長官に対し、ワクチン接種や検査・治療・入院の費用について当面の間の公費負担の継続や、医療提供体制の段階的な移行を求める提言を提出いたしました。 これを受け、政府は対応方針を決定し、公費負担の当面の継続などが盛り込まれることとなりました。 この感染症法上の位置づけの変更は、ウイズコロナの取組を今後さらに進めるための我が国の一つの決意であり、本県で初めて感染が確認されてから三年間、長きにわたるコロナとの闘いに一つの大きな節目を迎えるものとなります。 振り返りますと、県では、当初から検査を幅広く実施し、感染者の急増にも先手先手の対応により十分な体制を確保し、適切に医療を提供されてきました。 また、ワクチン接種についても、全国トップクラスのスピードで接種を進められるなど、県民の命と健康を最優先として迅速・的確に対応されたことは大いに評価をしたいと思います。 また、全力で向き合っていただいた保健所や県の職員の方々にも、改めて感謝の意を申し上げたいと思います。 しかし、制度上の位置づけは変わろうとも、コロナの感染者は今でも増え続けています。県におかれましては、移行に当たり県民の不安・混乱がないよう、医療機関との綿密な連携体制や県民への相談窓口など、引き続き、万全の体制をもって臨んでいただきますようお願いいたします。 そこで、感染症二類相当から五類への移行を踏まえ、これまでの三年間における県のコロナ感染症対策をどう評価し、今後どのように対応していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、中小企業支援について、二点お尋ねいたします。 まず、中小企業の賃上げに向けた支援です。 総務省が発表いたしました昨年十二月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が、前年同月比で四%の上昇となりました。この上昇率は、第二次石油危機以来、四十一年ぶりの水準です。 このように急速な物価高では継続的な賃上げは不可欠であり、政府は各種支援策の拡充とともに、経済界への協力を呼びかけています。 公明党も物価上昇を上回る賃上げを訴え、特に、中小企業における各種支援策に力を注いできました。これまでに、業務改善支援金における対象事業者の拡大、賃上げを条件に各種補助金の補助率や補助額を引き上げる仕組みの創設、さらには賃上げに必要な価格転嫁を進めるため、下請Gメンの増員による相談体制の強化などを実現してまいりました。 さて、県の当初予算では、当面の物価高への対応、デジタル化や脱炭素化などの経営転換を支援する事業、職業能力を再開発するリスキリング推進など、生産性向上や経営力強化に向けた事業が計上されています。県内中小企業が、これらの事業や国の支援策をしっかりと活用し、賃上げを進めることができるよう支援機関等とも連携しながら、きめ細かな支援に取り組んでいただきたいと思います。 そこで、中小企業の賃上げに向けた支援に今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 二点目に、中小企業のDX推進についてお尋ねをいたします。 二○二三年度は、商慣習や働き方に関する多くの法改正が施行される予定であり、中小企業の経営者にとっては厳しい年となりそうです。そのうち、三つの法改正を紹介をしておきます。 まず、四月から始まるのが、中小企業に対する月六十時間を超える時間外労働の割増賃金率引上げです。現行の二五%から五○%へ倍増いたします。これに深夜割増賃金率二五%を加えると、合計七五%の加算になります。中小にとっては大変な負担増です。 二点目に、賃金のデジタル払いが、同じく四月から解禁されます。企業は、電子マネーやスマホを使って賃金を支給できるようになるため、コストが俄然低下します。導入するかどうかは企業側の判断となるものの、中小企業もデジタル改革は避けられません。 最後三点目に、最も大変なのが反対の声が鳴りやまないインボイス制度の導入です。開始は本年十月からとなっていますが、課税売上高一千万円以下の免税業者は決断を迫られています。インボイスを発行しないと販売先から取引をストップさせられる可能性があるからです。 以上、代表的なものを三つ紹介しましたが、いずれも経営者にとっては、DX改革を達成しなければ乗り越えられないものばかりとなっています。 ちなみに、最近、アメリカでは、企業内の稟議書や報告書、優れた研究論文の多くが、人間ではなく対話型AIが作成をしているのではないかと言われています。チャットGPTと言われるもので、あっという間に一億人のユーザーを獲得しています。商品紹介や取扱説明書まで自動作成しているようです。 また、国内でも、角度は違いますが、ローソンにも全店にセルフレジの導入が完了いたしました。デジタル改革も既に次の段階に入りつつあることを認識しないといけません。 そこで、県は、中小企業のDX推進に対してどのような支援を行っていくのか、お伺いいたします。 次に、インバウンドの推進についてお尋ねをいたします。 世界の航空需要予測では、日本の外国人観光客は本年末には二千万人を超える水準まで回復するという見通しになっています。インバウンドは本格回復の兆しです。 特に、国際線旅客数については、成田国際空港を十二月単月で見ますと二○二一年十二月比では五・八倍の百五十八万人で、このうち外国人は十四倍に達しています。外国人観光客が急激に回復をしています。 マーケットも反応しました。この状況を受けて、投資信託では、インバウンド関連に投資する銘柄が最も多く資金を集める状況となっています。八年ぶりですが、一発で一千億円超を集めた野村の銘柄も出てきました。お金は正直です。 私は、インバウンド回復の要因は三つあると考えています。 第一の要因は、政府による新型コロナ水際対策の緩和です。昨年十月以降、入国者総数の上限が撤廃され、ビザ免除が再開されました。同時に、受入れ責任者による健康確認も不要になっています。 加えて、中国大使館は一月二十九日、日本人向け渡航ビザの発給手続を即日再開すると発表しましたし、日本政府がコロナの感染症法上の分類を二類相当から五類に変更することも、大きな引き金になっています。 そして、第二の要因は、円安の恩恵です。円安が進行するほど外国人観光客の消費が増加するという傾向にあります。多くの外国人にとって日本の物価は割安になっているからです。 分かりやすい指標があるので紹介します。皆さん、ビッグマック指数を御存じでしょうか。イギリスの経済誌エコノミストが、年に二回発表している経済指数です。皆さんも食べたことがあると思いますけれども、マクドナルドのビッグマックは世界の多くの国で販売されています。しかも、材料と調理法が全く同じ、つまり全く同じ商品なんです。そこでビッグマックの価格を基準にして、各国の物価水準を比較しようというのがビッグマック指数なんです。 海外旅行を選ぶ場合、ビッグマック指数の高いランキングの国ほど割高であり、低い国ほど安い価格で旅行や買物ができるというわけです。 で、どうなっているのでしょうか。日本で三百九十円のビッグマックが、スイスへ行くと何と九百二十五円、二倍半です。アメリカで七百十円、やはり高い。シンガポール五百八十五円、中国四百九十円、韓国四百八十三円です。これを見ますと、円安で日本の物価がどれだけ安くなっているかが分かります。 ちなみに、戦渦にあるウクライナでさえ三百二十二円ですから、日本とほとんど戦争をやっている国が変わらない、こういった状況です。 ちなみに、極端な例ですけど、日本で有名な一風堂の八百円のラーメンは、シンガポールでは四千円出さないと食べることができません。どれだけ日本に割安感があるのかが分かります。 逆のケースですけれども、二十二年前、共産主義の中国で鄧小平さんが経済だけ資本主義を取り入れました。そのときに私、青島に行きました。中国経済は急速に発展し、人々は豊かになっていました。人口は七百万人に膨れ上がり、高層ビルやマンションは林立し、ベンツやBMWはやたら走っているという風情で、大都会に変貌を遂げていました。 しかし、まだ中国の通貨である元が安いために、レストランへ行きますと青島ビールがジョッキ一杯で何と五十円、タクシーの初乗りが百円、マッサージに来てもらったら一時間で六百円、驚くべき割安感があり、思わず長期滞在になってしまいました。ちょっと極端な例ですけれども、外国から見た日本の状況はこれに近い。 ですから、愛媛県などは天守閣に泊まる一泊百十万円のキャッスルステイを開始しましたが、春のシーズンは外国人も含めたキャンセル待ち状態になっています。 JR九州の観光列車「ななつ星」は一泊六十五万円と高額ですが、外国人の申込みが増えており、既に抽せんになっております。 また、通貨が安いと全てが安いので、長い滞在になりがちなんですが、それを見た茨城県なんかはタイムリーに四泊五日のゴルフツアーを企画しました。昼は名門ゴルフ場巡り、夜はグルメで長期滞在をさせる。これを実験的にやってみたら完売で、二弾、三弾を拡大して企画中とのことです。円安の恩恵は大いに活用すべきです。 データ上も、外国人の消費額が回復しているのが分かります。三井住友カードは、クレジットカードの決済データを活用して消費動向を分析をしていますが、そのレポートによりますと、訪日外国人のカードによる消費は、昨年十月以降急増し、新型コロナ流行前の二○一九年水準にほぼ回復をしています。日本人の消費動向からすれば、驚きの回復力です。 最後に、第三の要因でございます。新型コロナ禍で積み上がったコロナ貯蓄が、海外では一気に取り崩され、消費に回り始めたということです。 皆さんの中にも、飲み会が減って普通預金の残高が増えたという方もいらっしゃるでしょう。 アメリカでは、新型コロナの影響で積み上がったコロナ貯蓄が取り崩され、消費に勢いよく回ってきました。このため、アメリカへ進出している日本企業はいずれも絶好調です。日本総研の試算では、アメリカのコロナ貯蓄は二百六十兆円まで拡大しました。日本のGDPの半分に相当します。 しかし、昨年以降、消費回復とともに減少に転じ、昨年十二月時点で九十兆円にまで縮小しています。つまり、この差額百七十兆円が、アメリカ人を海外旅行へ押し出す財源となっているのです。いわゆるリベンジ消費です。 しかし、将来の生活不安が根強い日本では、コロナ貯蓄が大きく取り崩される状況には至っていません。国内観光は回復傾向にあるものの、海外のほうが勢いがあります。やはり今は、インバウンドを追いかけることが重要です。 以上、インバウンドの傾向は、水際対策の緩和、円安による割安感、コロナ貯蓄の取崩しという三つの要因により、今後も急回復していくことは間違いありません。インバウンドは今が旬です。 具体名は出しませんが、山口県の観光名所は、食材も豊富で豊かな温泉も多く、お酒もうまい。観光地としてのポテンシャルは極めて高いと言えます。これを超えるものは、福岡県には見当たりませんし、広島県には原爆ドームぐらいしかありません。 水際対策の規制緩和、円安、リベンジ消費と最高の条件が出そろった今、コロナで打撃を受けた県内観光関連業界の回復に向け、山口県としても、インバウンド獲得にしっかりと取り組むべきと考えます。知事の方針をお伺いいたします。 次に、農林水産物などの輸出拡大についてお尋ねいたします。 まず、国の動向ですが、二○二二年の農林水産物・食品の輸出額は前年比一四%増の一兆四千億円となり、十年連続で過去最高を更新しました。この勢いを捉えるため、国は今後の輸出額目標を二○二五年に二兆円、二○三○年に五兆円に設定しました。 世界の農林水産物・食品市場が拡大する中、国はこれまでの国内市場に依存する構造を、成長する海外市場で稼ぐ方向に転換するという方針を示しています。 具体的には、生産から販売までのバリューチェーン全体を、プロダクトアウトからマーケットインに徹底的に転換します。つまり、日本の都合から、海外のニーズに合わせていくという根本的な方針転換です。したがいまして、量、価格、品質、規格においても、海外市場で求められているスペックに合わせて生産・輸出し、新たな市場を開拓していく方針です。 さらに、昨年十月、輸出促進法を改正し、品目団体の法制化によるオールジャパンで、輸出にチャレンジする農林水産事業者を後押しすることになっています。 県の動きとしても、私も、昨年九月議会で、日本酒の海外への売り込みを取り上げましたが、世界各国で入国規制が緩和された今、再び輸出の波が起こってまいりました。 昨年十一月には、村岡知事やASEAN議連の皆さんがシンガポールやベトナムを訪問され、今後の必要な課題も浮き彫りになりました。 そこで、二月十日、村岡知事、柳居議長、ASEAN議連の吉田会長、島田副会長に、私も副会長として末席に加えていただき、農林水産大臣に直接、要望書を渡してきたところでございます。 自民党の皆さんが中心となって、三十年近くかけて築き上げてこられたASEAN諸国とのパイプが今、花開こうとしています。 さて、山口県の課題ですが、本県の農林水産物などは品質で評価されているものの、個々の生産量が少ないため、輸送コスト面で不利となっていることに加え、商社がいないという問題もあります。 さらに、大規模産地を有していない本県では、加工品を中心に輸出しており、食品製造事業者等の輸出を加速させることが急務です。 そこで、本県の農林水産物などの特性である小ロット・高品質を生かし、輸出先のニーズにきめ細かに対応した新たな輸出戦略を推進するべきと考えますが、知事の方針をお伺いいたします。 次に、インフラの老朽化対策についてお尋ねいたします。 山梨県の中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、九人が死亡した事故から既に十年が経過しました。インフラの老朽化という問題を浮き彫りにしたこの事故を教訓に、二度と惨事を起こさないとの決意で対策を進めなければいけません。 笹子トンネルの事故の後、国が全国一斉に橋や道路などの社会インフラの総点検を実施した結果、一九六○から七○年代の高度成長期に集中的に建設されたインフラの多くが傷んでいることが露呈しました。 このため、国は道路法を改正し、インフラを五年に一度点検することを国や自治体に義務づけました。 しかし、この十年で新たな課題も出てきました。点検で問題が判明しても、自治体によって補修作業を十分に進めることが難しいという点です。規模が小さい自治体ほど顕著で、財源や人材不足が原因となっています。 現状を放置すれば重大な事故につながるため、早急な対応が必要です。 この点、国土交通省の有識者会議が昨年十二月に発表した提言では、複数の自治体が橋やトンネルを共同管理する仕組みづくりなどを提案しています。 この提言を受けて国土交通省は、具体的な検討を進める方針です。斉藤国交大臣も、インフラ老朽化は喫緊の課題との認識を示しており、迅速な対応を期待したいと思います。 公明党としても、この間、インフラの安全総点検や予防保全という事前対策に取り組んできましたが、今後は自治体が抱える課題の解決に取り組み、インフラの老朽化対策を遅滞なく進めることが重要と考えています。 そこで、インフラの老朽化対策について、県内の現状と今後の方針についてお尋ねをいたします。 最後に、山口県の英語教育についてお尋ねいたします。 二○一三年、教育再生実行会議は、グローバルに対応した教育環境を築くため、初等中等教育段階から英語学習の早期化、時間増、教科化、専任教員配置等、抜本的拡充を提言しました。 これを受け、二○一七年、新たな小学校学習指導要領が告示され、外国語教育が本格的に取り組まれることとなりました。 山口県においても、二○二○年四月より、小学校外国語教育が全面実施され、専科教員との連携、研修の充実、デジタル教科書の活用、人材育成などに取り組んでこられたところです。 さらに、昨年八月、文科省はアクションプランをまとめ、英語教育・日本人の対外的発信力の改善に向けて取り組むべき事項を明確に示しました。 背景には、国際的な英語の検定試験で、日本人の平均点が最低水準に落ち込んでいることがあります。TOEFLのテストにおいて、日本人の平均点は、OECD加盟三十七か国中最下位、アジアの二十九か国中二十七位という大変不名誉な状況であることが判明しました。 英語教育の改善は急務です。 そこで、そもそも今なぜ、子供たちに英語教育なのか考えてみたいと思います。ポイントは五つです。 まず、一点目、グローバル化で海外進出する企業が急増しているからです。 世界八十か国以上で使用されている言語ですから、英語を話さないということは、それだけで他の企業との競争についていけないことを意味しています。 日本企業の海外拠点は事業所が七万八千か所ありますが、コロナ期を除いては一貫して増え続けています。 英語が使えれば、日本依存を脱却し、海外でビジネスをして生き残りを図ることも可能になります。失われた三十年で給料が全く上がらないと嘆いている間に、年率七%という驚異の経済成長を続けるASEANに進出して稼ぐという選択肢も出てきます。 例えば寿司職人ですけど、ヨーロッパは今、日本食ブームで寿司職人の争奪戦が起こっています。高級店では日本人が握ること自体がブランドとなるわけですから、所得は日本の約倍近くになるそうです。 二点目です。リモートワークが広がっています。 世界中の企業がリモートワークを推奨するようになって、英語の重要性はますます高くなっています。インターネットによって世界中とつながることで、家にいながら世界中の求人に応募できる時代になりました。実際に企業がリモートで求人を募集する動きが世界中に広がっています。 ちなみに、デジタル先進国ではこういった越境テレワーカーのための短期滞在ビザを導入して、インバウンドと同じ効果を上げているようです。 三番目、国内でも英語力重視の会社が増えているからであります。 国内の就職や転職でも、応募者に一定レベル以上のTOEICスコアを求める求人が増えています。たとえ国内であっても、英語の重要性・必要性は高いので、人材としての価値が向上し、年収も上がってまいります。 結果として、英語を社内公用語にしている企業もたくさん出てきました。ユニクロ、アサヒビール、シャープ、日立、武田薬品、楽天、ソフトバンクなどなどです。 恐らく英語ができれば、就職は引く手あまたとなるでしょう。 四番目です。英語の情報であれば、素早く大量に手に入るからです。 世界では、重要な情報の多くは英語でやり取りをされています。インターネットの情報のほとんどが英語で書かれており、私もグーグルで検索やってみましたけれども、実際に検索するワードを日本語から英語に置き換えるだけでヒットする情報の量が何倍にもなります。ちょっと驚きました。 そもそも株価は、世界の市場でほぼ同時に動きますが、買っている投資家のほとんどは外国人ですから、もうけている人はほとんど英語が堪能で、英語で海外の情報を集めています。英語ができれば、金持ちになるチャンスが増えるといっても過言ではありません。 五番目です。プログラム言語は英語がベースだからです。 英語が必要な業界の代表格と言えるのがIT業界です。主要なソフトは英語で開発をされているため、各国のエンジニアたちの間では共通言語として英語が使われています。もはや生活に欠かせないITですが、支えているのは英語なんです。IT業界は今大量の人材が求められています。英語ができれば、IT業界から引っ張りだこになるかもしれません。 以上、るる述べてまいりましたが、英語を話す人の数は二十億人以上と言われており、英語ができると、当然、活躍の場は大きく広がります。別に重要な決意をしなくても、平気で海外留学できるし、平気で海外移住できるようになります。 近隣国で、もし有事が発生し、海外避難を強いられる場合は、英語が自分の身を助けてくれるでしょう。 このように、今、山口県の子供たちが英語をできるだけ自然に身につけていくことで、その可能性が大きく広がり、人生をより豊かなものにすることは間違いありません。山口県の子供たちが、かつての吉田松陰先生のように世界に目を向けるようになることが大事です。グローバル社会となった今、英語ができたほうが夢が実現しやすいのは確かです。 そこで、県は、小学校外国語の教科化全面実施から三年を経て、これをどう検証し、今後、どのように進めようとされているのか、教育長にお伺いをいたします。 偶然ではありませんが、ちょっと時間がありましたので、全体の質問のダイジェスト版をお送りしたいと思いますが、詳細は省きますけれども、円安が進行しているのは事実でございます。 したがって、日本という国は、エネルギー、それから食品、大半は輸入に頼っています。したがって、当然、物価が上昇します。そうすると、中小企業は価格転嫁ができないために非常に苦しい。で、私は、今回、中小企業の賃上げ支援を取り上げたわけであります。 この円安は、ドルと円の交換比率の問題ですから、外国人には当然逆に割安感が出るということになって、それじゃあインバウンドを推進してきていただきましょう。そして、農林水産物を輸出をして、安くたくさん買ってもらいましょうということで、これを進めるべきだという質問を二つしました。 そして、来てもらうためには国の安全をアピールしないといけません。したがって、コロナはもう二類から五類ですよ、減りましたよということをアピールしないといけません。もちろん公費支援は伴ってのことです。 加えて、笹子トンネルの事件がそんなに起こるようでは、日本のインフラはやばいと言って外国人が来なくなるかもしれませんので、老朽化したインフラを再整備するということで質問をいたしました。 総じて、外国為替、円の換算比率の問題ですから、これだけ日本に影響をもたらすものかと感じますけれども、グローバルな視野で世界を見つめ進出すべきでございます。そのためには、こういった問題に対処するにはどうしても英語教育を身につける必要があります。 以上、六項目全てが山口県の将来に向けたパッケージでございまして、知事、教育長の答弁に期待をいたしまして、公明党を代表しての質問とさせていただきます。 皆さん、御清聴大変にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)先城議員の代表質問にお答えします。 まず、県民の命と健康を守るコロナ感染症対策についてのお尋ねです。 三年前の三月三日、本県で初めて感染が確認されて以降、感染拡大の波が何度も押し寄せる中、私は、県民の命と健康を守ることを最優先に、変異を繰り返すウイルスの特性に応じた実効的な感染症対策に全力で取り組んできたところです。 まず、県民の皆さんが必要に応じて速やかに検査を受けられるよう、一日約三万件の検査に対応できる体制を確保し、高齢者施設等への検査や県内七十五か所の薬局等での無料検査など、幅広い検査を実施しています。 また、医療提供体制については、感染された方が速やかに適切な医療を受けられるよう、全国トップレベルとなる六百八十八床の入院病床に加え、一日約八千人の発熱患者にも十分対応できる外来診療体制を確保しているところです。 さらに、ワクチン接種については、市町や医療関係団体の長で構成する対策会議を設置し、関係機関等が一体となった接種体制を確保するとともに、県においても広域集団接種会場を開設するなど、全国トップクラスのスピードで接種を進めてまいりました。 本県では、こうした取組とともに、県民の皆様の御協力もあって感染の波を乗り越え、適切に対応できたものと考えており、県民をはじめ市町や関係機関が一丸となって、ワンチームで取り組んできた成果だと考えています。 こうした中、今般、国は、五月八日から新型コロナを感染症法上の五類に位置づけることを決定しました。私としては、日常を取り戻す新たな段階へと進んだものと認識しています。 この位置づけの変更により、今後は、自主的な感染症対策がベースとなることから、県民の皆さんに不安や混乱が生じないよう、円滑に移行することが極めて重要です。 このため、体調変化時の相談等に応じる受診相談センターの運用や、重症化リスクの高い方を守るための高齢者施設等の従事者に対する検査を継続してまいります。 また、これまで医療関係団体と構築してきた連携体制や積み上げてきたノウハウ等を生かし、他の疾病と同様に、広く一般的な医療機関で安心して受診できる医療提供体制を確保していきます。 さらに、円滑な移行に当たっては、適切な経過措置を講じながら段階的に進める必要があると考えており、負担能力に配慮した医療費の公費負担の継続など、全国知事会を通じて国に要望しているところです。 こうした取組に加えて、三年間のコロナ対策で培ってきた経験を踏まえ、今後とも起こり得る新興感染症にもしっかりと対応できるよう、来年度、感染症予防計画の改定に着手します。 私は、県民の命と健康を守ることを第一に、引き続き、市町や関係機関と連携し、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期してまいります。 次に、中小企業支援についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、中小企業の賃上げに向けた支援についてです。 原材料等の物価高騰をはじめ、世界的な脱炭素化の潮流や急速なデジタル化の進展など、企業の経営環境が大きく変化する中、中小企業における賃上げを実現するためには、生産性の向上と円滑な価格転嫁の実現が重要と考えています。 こうした中、国においては、賃上げを条件とした各種補助金の拡充や取引適正化対策等を強化しており、県ではその活用が十分図られるよう、商工会等の支援機関と連携したサポートを行うとともに、価格交渉促進月間に連動し、大企業等に対する取引適正化に係る文書要請を行うこととしています。 また、経営革新計画の策定等を通じて、新商品開発や設備導入等の取組を支援するとともに、今年度に引き続き、省エネや業務効率化に資する設備導入補助を実施するなど、企業の付加価値や生産性向上の取組を支援することとしています。 さらに、今後の事業継続には、中小企業においてもカーボンニュートラルへの対応が不可欠であることから、新たにセミナーの開催等を通じた理解促進や、CO2排出量算定、設備導入補助等にも取り組み、脱炭素経営への転換を支援します。 加えて、中小企業の収益改善を図るため、昨年創設した賃金引上げ・価格転嫁支援資金等の制度融資により金融面での支援を行うとともに、クラウドファンディングを活用した頑張るお店応援プロジェクトや、運送料の値上げに対応したEC送料支援などの消費需要喚起策にも取り組みます。 これらの取組を通じて県内経済の好循環につながるよう、中小企業の構造的な賃上げに向けた環境整備を図ってまいります。 次に、中小企業のDX推進についてです。 お示しのとおり、本年は労働基準法をはじめ企業経営に関連する法改正が施行されることとなっており、喫緊の課題である生産性向上や働き方改革の実現にはDXの推進が不可欠と考えています。 このため、本県のDX推進拠点である「Y─BASE」において、専門スタッフが具体的な課題解決に向けて、データ分析やアプリ開発を行える「Y─Cloud」を活用したDXコンサル等を行っています。 様々な分野からのDXコンサルは百五十件を超え、過去のデータに基づく最適な生産計画や人員配置など、これまでに八十五件の課題を解決しており、利用者からも大変高い評価を頂いています。 こうした取組と連携し、さらにDX導入の実効性を高めるため、新たな補助制度を創設し、デジタルツールの導入から先駆的な情報処理システムを活用した設備導入に至るまで、企業のニーズや課題に応じた効果的な支援を実施します。 また、DX推進にはデジタル人材の育成・確保が重要であることから、基礎的なセミナーや経営層向けの研修に加え、新たに、業務改革等に必要となるスキルや資格等の取得に向けたリスキリング支援に取り組みます。 さらに、未就業等の女性を対象としたプログラミング等のデジタル技術を習得する講座や、インターンシップによる就業支援を実施することとしており、こうした人材育成の取組については、来年度設置する産業人材課において一体的に推進することとしています。 これらの取組を通じて、中小企業におけるデジタル技術の活用に向けて、基盤整備と人材育成の両面からの支援策を展開することにより、生産性向上・業務効率化の鍵となるDXの推進を図ります。 私は、本県経済の重要な担い手である中小企業が、物価高騰などの直面する課題をデジタル技術の活用等により克服し、事業継続と成長・発展を実現できるよう、関係機関とも緊密に連携しながら中小企業支援に全力で取り組んでまいります。 次に、インバウンドの推進についてのお尋ねにお答えします。 政府による新型コロナウイルスの水際対策の緩和や円安に伴う割安感などが追い風となり、海外での訪日旅行への人気が高まりを見せる中、今後、日本を訪れる外国人観光客の大幅な増加が期待されます。 私は、このようにインバウンドが本格的に回復する今、この機会を逃すことなく、海外からの誘客促進に積極的に取り組み、旺盛なインバウンド需要を確実に本県に取り込むことが大変重要と考えています。 このため、外国人観光客の早期回復に向け、本県の強みである豊かな自然や歴史、多彩な食などの観光資源を最大限活用しながら、戦略的なプロモーションや受入れ環境の充実などの取組を迅速かつ集中的に行ってまいります。 まず、戦略的なプロモーションについては、韓国や台湾など五つの重点市場に配置した観光プロモーターと連携し、海外の旅行会社を招いた県内視察ツアーや商談会を実施するとともに、本県への早期の旅行商品造成に向けた積極的な働きかけを行っていくこととしています。 また、海外の旅行予約サイトにおいて、本県の見どころを季節ごとに紹介する新たなキャンペーンを展開するとともに、外国人観光客の年代や嗜好に即したターゲティング広告の配信や、観光地の三百六十度映像等のデジタルコンテンツを活用した効果的なPRも行うこととしています。 特に、多くの来訪が見込まれる台湾市場に対しては、これまで実施してきた情報発信会等の取組に加え、新たに現地で人気の高いテレビ番組や観光情報サイトを活用した本県の多彩な魅力の発信や、台湾プロ野球の試合会場における観光PRなど、集中的なプロモーションを行ってまいります。 さらに、外国人観光客を本県に確実に取り込むため、県内空港と韓国や台湾、ベトナム等を直接結ぶ国際チャーター便の早期就航や、その後の国際定期便の運航再開に向けた戦略的な取組を進めていくこととしています。 こうした取組に加え、インバウンドの受入れ環境の充実を図るため、外国人観光客に喜ばれるテーマ性のある観光スポットの整備や、地域の観光資源を生かした本県ならではの体験コンテンツの開発など、観光地としての本県の魅力を一層高める取組も進めてまいります。 また、外国人観光客向けの県内周遊モデルコースを整備するとともに、瀬戸内七県が参画する、せとうちDMOと連携し、観光素材の磨き上げや広域周遊ルートの開発に取り組むこととしています。 私は、海外との交流が本格化するこの機を逃さず、関係自治体や観光事業者等と緊密に連携しながら、外国人観光客の早期回復に向けた戦略的なプロモーションや受入れ環境の充実を進め、本県へのインバウンドの拡大に全力で取り組んでまいります。 次に、農林水産物等の輸出拡大についてのお尋ねにお答えします。 人口減少が進み、国内における食品市場の規模が縮小していく中、県産農林水産物等の需要を拡大するためには、成長する海外市場への展開を図ることが重要です。 このため、私は、やまぐち海外展開方針に基づき、日本酒や和牛などの輸出を積極的に推進してきたところであり、その結果、輸出商品数はこの五年で約四倍に増加し、輸出先も十三の国・地域にまで拡大するなど、着実に成果が上がっています。 また、昨年十一月のASEAN地域への訪問では、シンガポールで県産食材のPRを行ったほか、ベトナム政府との面会では、フグの輸入解禁に向けた検討を担当大臣に約束いただくなど、今後の輸出拡大に大きな手応えを感じています。 特にフグなど、輸出先が限定されている品目については、規制緩和に向けた二国間協議を促進するよう、今月、県議会の皆様とともに、農林水産大臣に対して要望を行ったところです。 こうした中、さらなる輸出の拡大を図るためには、お示しの課題を踏まえ、本県の農林水産物等の特性を生かした新たな輸出戦略を推進する必要があります。 このため、私は、やまぐち未来維新プランに国内外での市場拡大を掲げるとともに、このたびの来年度予算においても、県産農林水産物等の輸出力強化に重点的に取り組むこととしています。 まず、商社機能を有する事業体の育成や輸送コストの低減を図るため、来年度、新たに県内の輸出事業者や関係団体等で構成する輸出プラットフォームを創設します。 この取組により、品目や輸出先別に事業者の連携を促進し、小ロット商品の集約や通関の一元化を進め、個別の事業者ごとに行っている手続の効率化を図ります。 加えて、新たに、近隣県との連携による大ロット化や海外進出企業と連携した定期便化など、県版エクスポーターの取組をさらに進化させることで、輸送コスト面での優位性を確保します。 また、輸出先のニーズにきめ細やかに対応するため、国内外に設置している輸出プロモーターを活用した対象国の市場調査や、海外バイヤーとの商談機会の創出を通じて、食品製造事業者の海外展開を積極的に支援していきます。 さらに、輸出先国の規制に対応するため、HACCPの認定に必要な施設等の整備を支援し、事業者による輸出先の開拓・拡大を後押しするとともに、引き続き、国に対して規制緩和に向けた二国間協議を促進するよう要望します。 私は、今後とも自らが先頭に立ち、これまでの取組を通じて得られた成果や県産農林水産物等の強みを最大限に生かしながら、海外市場のニーズにきめ細やかに対応することで、輸出の拡大に全力で取り組んでまいります。 次に、インフラの老朽化対策についてのお尋ねにお答えします。 道路や河川等の社会インフラは、経済活動や県民生活を支える重要な社会基盤として、恒常的に機能を発揮することが求められています。 しかしながら、本県においても、高度経済成長期に集中的に整備した施設の老朽化が進み、今後一斉に更新時期を迎えることから、その対策が喫緊の課題となっています。 このため、私は、やまぐち未来維新プランの重点施策に、日本一の安心インフラやまぐちの実現を掲げ、老朽化対策を着実に推進するとともに、デジタル技術を活用したインフラメンテナンスの高度化・効率化に、より一層取り組んでいく考えです。 具体的には、来年度から、橋梁やトンネル等に加え、標識などの道路附属物をはじめとしたその他の施設についても、AIやドローンによる点検・診断を始めるなど、デジタル技術の活用範囲を広げていくこととしています。 さらに、道路や河川などの各施設の点検結果や補修履歴等のデータを一元的に管理するシステムを構築し、効率的な維持管理につなげてまいります。 また、こうした老朽化対策の取組を進めるに当たっては、今後とも、国の五か年加速化対策の予算等を積極的に活用するとともに、必要な予算の確保について、政府要望等あらゆる機会を通じて国に訴えてまいります。 一方、市町においても、県と同様に多くの社会インフラを管理しており、長寿命化計画に基づく修繕や更新等が進められているところですが、限られた財源や人員の中で対応に苦慮されていることから、県の取組を市町に広げていく必要があると考えています。 このため、県では、山口大学等と協働し、地域のインフラメンテナンスを担う中核的な人材の育成を図るとともに、国等と連携し、道路施設等の老朽化対策に関する技術基準や予算制度についての情報提供などを行っているところです。 さらに今後は、県が開発を進めている橋梁の点検・診断システムを提供することなどにより、市町の取組を積極的に支援してまいります。 また、お示しの橋やトンネルを共同管理する仕組みづくりなどについては、国の検討状況や市町の意向等を踏まえながら、持続可能なインフラメンテナンスの実現に向けた対応を検討していく考えです。 私は、県民の暮らしの安心・安全はあらゆることの基本であるとの認識の下、社会インフラの適切な維持管理を進めるとともに、デジタル技術を積極的に活用し、計画的かつ効率的に点検や補修を実施することなどにより、インフラの老朽化対策を着実に進めてまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)山口県の英語教育についてのお尋ねにお答えします。 グローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力は、生涯にわたる様々な場面で必要とされており、児童が将来の可能性を広げるために、小学校において英語を自然に身につけられるようにすることは重要であると考えています。 このため、県教委では、小学校外国語の教科化全面実施以降、授業改善の推進と指導体制の構築に取り組んでまいりました。 具体的には、各学校で設定した学習到達目標に基づき、児童の発達の段階に応じた計画的な授業が行われるよう、小学校教員を対象とした研修会を開催するなどの支援をしてまいりました。 また、高い専門性を有する小学校英語専科教員をこの三年間で延べ八十九名配置し、配置校を中心に質の高い英語教育を推進するとともに、県内七地域の研究指定校において、小・中・高が連携した授業研究会を毎年開催し、教員の英語指導力の向上にも取り組んできたところです。 こうした取組により、今年度の県の調査では、英語の授業が好きと答えた児童は七割近くに上っているほか、小学校で英語教育を受けてきた中学三年生のうち、英検三級程度以上の生徒の割合は五○%を超え、国の目標を上回るなど、一定の成果が上がっていると考えています。 今後は、児童が英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合う活動をより活発にするため、研修会の充実や公開授業の積極的な開催等により、各学校における授業改善の推進に努めてまいります。 さらに、県内全小学校に配付している外国語のデジタル教科書の活用を積極的に進め、音声や動画などを取り入れた授業を展開し、児童が英語になれ親しみながら学習意欲を高めることができるよう取り組んでまいります。 県教委といたしましては、引き続き市町教委や各学校と連携しながら、本県の将来を担う全ての子供たちが英語学習に対する興味・関心を高め、生涯にわたり様々な場面で英語を活用し、世界中の多様な人々と交流を深めることができるよう、英語教育の充実に努めてまいります。 ───────────── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十八分休憩