1 知事の政治姿勢について 2 上関原発問題について 3 米軍岩国基地について 4 自衛隊基地について 5 教育条件の改善について
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてであります。 G7広島サミットで出された核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンへの認識を伺います。 今回のサミットは、開催地が広島であることから、内外から核兵器廃絶への前向きのメッセージを期待する声が寄せられましたけれども、広島ビジョンはそれを真っ向から裏切るものとなりました。 第一に、広島ビジョンは、核兵器のない世界を、と文言では述べられていますが、それは究極の目標と位置づけられ、永久に先送りしています。 何より重大なことは、核兵器は侵略を抑止して、戦争と威圧を防止すると、核抑止力論を公然と宣言したことであります。 核抑止力論は、いざというときは核兵器を使用する、広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こすことをためらわない暴論であります。こうした立場を被爆地から発信したことは、被爆者と被爆地を愚弄するものであり、決して許されないものと考えますが、伺います。 第二に、広島ビジョンは、核兵器そのものが非人道的な兵器であるという批判や告発は一言も述べていない上に、核兵器禁止条約には一言の言及もなく、世界で九十を超える諸国が署名しているこの国際条約が、あたかも世界に存在しないかのような態度を取っています。 被爆地から核兵器に固執する宣言を行ったことは、恥ずべきことであります。この点についても伺います。 第三に、こうした恥ずべき宣言を発表した議長国である日本の岸田首相の責任が厳しく問われています。被爆者をはじめ、市民社会、世界の多くの各国政府が求めているのは、核兵器の禁止であり廃絶であります。 日本政府に、核抑止力論ときっぱりと決別をして、核兵器禁止条約に参加することを強く求めるべきであります。伺います。 質問の第二は、上関原発問題について伺います。 一つは、原発推進等五法についてであります。 福島第一原発事故から十二年余りが経過しましたが、事故も被害もいまだに続いています。第一原発の施設そのものも原子炉内の深刻な実態などがあらわとなり、事故収束さえ見通せない中、原発推進等五法、GX脱炭素電源法が五月三十一日の参議院本会議で自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立させられました。 同五法は、電力の安定供給と脱炭素を口実に、原発の活用を国の責務として原子力基本法に明記しました。既設原発の活用にとどまらず、新たな原発建設を含め、将来にわたり日本を原発に縛りつけるもので、福島原発事故以来、原発依存度の低減という建前を投げ捨てて、原発回帰にかじを切った明らかな変質であります。 二月議会の際、政府が閣議決定したGX実現に向けた基本方針への認識をただしたのに対し、県は、第六次エネルギー基本計画の方針の範囲内のものであると明記されており、県としてもそのように受け止めていると答弁されましたけれども、原発の活用を国の責務とする原発推進五法は、可能な限り原発依存度を低減するとした現エネルギー基本計画すら逸脱するものではないでしょうか。断じて容認できません。県の見解を伺います。 二つは、中国電力の経営姿勢について伺います。 中国電力を含む大手電力七社が国に申請していた電力料金の値上げが五月十六日、了承されました。中電によると、使用量が平均的な家庭の規制料金は六月から千六百六十七円の値上げとなります。 昨年来、指摘してきたように、中国電力は関西電力とカルテルを結び、公正な競争を阻害したことにより、公正取引委員会から七百七億円の課徴金支払いを命じられました。近く経済産業省からも業務改善命令も発せられる予定です。 不正続きの中国電力が県民の家計に耐えがたい重荷を負わせることは絶対に許されません。中国電力は、巨額の課徴金について、電気料金に反映させることはないと説明していますが、その根拠は説明されていますか、伺います。 料金値上げについては、二月議会で、住民の理解を得られるよう適切に対応してもらいたいと答弁されましたが、その理解は得られたとお考えでしょうか。今からでも料金値上げの再考を求めるべきであります。それぞれについて答弁を求めます。 質問の第三は、米軍岩国基地についてであります。 一つは、空母艦載機による訓練についてお尋ねします。 米空母ロナルド・レーガンの艦載機によるFCLPやCQという訓練は、今年も五月九日から二十九日の間、実施されました。二〇二〇年から二二年は、硫黄島及び付近の洋上で所要の訓練が完了されましたけれども、今年はCQが九州沖で実施されたため、訓練終了後、深夜に岩国基地に帰還する航空機による騒音が住民生活に少なからず影響を与えました。 このCQについては、岩国基地に帰還せず、硫黄島付近の洋上で実施せよと求めてきた県や市の要請が無視されたことに抗議すべきでありますが、今後も含め、どう対処するのかお尋ねします。 今回のFCLPについては、五月十九日、住民投票を力にする会が岩国市に対して、十六日、E2D早期警戒機がFCLPに使う装置を滑走路に置いて離着陸を繰り返し、夜間は三機が約一時間で四十回訓練したと指摘をして、夜間離着陸訓練であることは明らかだ、認めることはできないと抗議しました。ところが、岩国市は、国を通じて通常の訓練の一環と米軍から回答があり、そのように受け止めていると回答しています。県も同様の認識なのか、お尋ねします。 艦載機の全ては空母出港前のFCLPが義務づけられています。岩国基地におけるE2Dの離発着がFCLPでないのなら、同機が硫黄島でFCLPを実施したことは確認されているのでしょうか、お尋ねします。 また、FCLPは岩国基地を使用することなく、と要請する一方で、低騒音機によるFCLPは容認するかのような曖昧な対応はもうやめる。そして、岩国基地では、あらゆるFCLPは許さないと毅然とした対応をすべきですが、この点についてもお尋ねします。 二つは、燃料タンク等の機能強化についてです。 昨年十二月議会で指摘した米国防総省の二〇二三年度予算概要に盛り込まれている岩国基地の燃料タンク五倍化計画は、想定事業費百十九億円という巨大な事業であります。昨年八月に設計が完了、今年八月には契約締結をして、十二月に着工、二五年十二月の建設完了予定とされています。県は国に情報提供を求めていると説明を繰り返してきていますが、現時点で果たして回答はあったのか、お尋ねいたします。 この文書では、不測の事態の要件を満たすために燃料貯蔵量を五倍に増強する必要があると説明していますが、アメリカ側が言う不測の事態とは一体何か。国や米軍に問いただす必要があると考えますが、伺います。 いずれにしても、岩国基地が現在の三倍から五倍の航空機の運用が可能な機能を持つ基地になることは明らかな機能強化であり、看過することはできません。この点についてもお尋ねします。 三つは、米兵犯罪についてであります。 近年、岩国基地所属の米兵・軍属による犯罪が続発しています。県は事件が発覚するたびに再発防止を要請されていますが、目に見える効果はないようであります。米側はどのような再発防止策を講じているのか、お尋ねします。 オール沖縄の高良鉄美参議院議員による在日米軍人・軍属等による事件、事故に関する質問主意書への答弁書によると、二〇二二年中に警察が検挙した米軍人や軍属等の検挙件数は、資料一に示したとおりであります。まず、この件数に間違いないのか、県警本部長にお尋ねをいたします。 この検挙件数が各都県の米軍関係者の居住者数に占める割合、これを見ますと、山口県、広島県、この両県の数字は異常に突出して高い水準であります。居住者数は十年前から非公表となっているので、岩国基地を抱える山口県の居住者数は増えていますから、若干は下がると思いますが、やはり異常であります。この実態をどうお考えか、お尋ねします。 昨年十二月、岩国市内の店舗で車を盗んで、その車で追突事故を起こした上、逃走したとして窃盗などの罪に問われた海兵隊員に対して、山口地裁岩国支部は今月十六日、懲役二年六か月、執行猶予四年の有罪判決を言い渡しました。 しかし、事故で損壊した時価五百三十万円の車の弁償は行われていません。 米兵・軍属等が不法な行為を公務外で行ったことから生じる請求権については、日米地位協定に基づいて、被害者から補償金の請求を受けた場合は、被害者に対して速やかな補償がなされるよう努めることが求められています。 県としても、一刻も早い補償を実現するため、最大限の支援が求められていますが、今後、県はどう対応されるのか、お尋ねします。 質問の第四は、自衛隊基地についてであります。 一つは、敵基地攻撃能力の保有についてであります。 政府は、敵基地攻撃能力を持つことが、相手国に対する抑止力となって、日本が守られると説明し、県も同様の認識をお持ちのようですが、抑止力とは、相手国に脅威を与えることであり、つまり手を出したらひどい目に遭わせるぞ、という威嚇・脅威によって、相手の攻撃を思いとどませることにほかなりません。先制攻撃の容認が前提とされる危険極まりない戦略であります。 先制攻撃を行えば、相手国から反撃を受けることは必至であり、どのような攻撃を受けても継戦能力を維持するための方策こそ、自衛隊施設の強靱化のその正体ではありませんか、伺います。 二つは、その具現化として県内七施設の強靱化についてです。 自衛隊施設の強靱化については、二月議会で藤本議員が、その目的などを取り上げた際、県は、国の資料によると、既存施設の更新や自然災害対策、新規装備品の導入などと答弁されました。 しかし、さきの通常国会において浜田防衛大臣は、自衛隊が保有する施設について、施設の機能や重要度に応じ、化学、生物、放射性物質、核兵器など、いわゆるCBRNEを含む各種脅威に対する防護性能を付与することとしていると明確に答弁しています。 また、資料二に示したとおり、防衛省整備計画局作成の資料にもCBRNEに対する防護性能の付与と明記されており、自衛隊施設の強靱化を、単なる既存施設の更新や自然災害対策、新規装備品の導入とした県の認識は明らかな見当違いであります。 今年度防衛省予算には、自衛隊施設の強靱化のため総額五千四十九億円計上され、資料二のとおり、県内七施設では約三十四億円が投じられます。 どの施設にCBRNEを含む各種脅威に対する防護性能を付与するのか、これは定かにされていませんが、逆に言えば、どの施設も可能性はゼロではないということであります。 先般、中国四国防衛局を訪ね、レクチャーを受けましたが、各施設での事業内容については、防衛本省で検討されており詳細は本省に問い合わせてほしい、こういう説明で、地元自治体が説明を求めた場合の対応については、大規模なものなど事業の内容については必要かもしれないと話されています。 身近にある自衛隊施設が、化学、生物、放射性物質、核など、いわゆるCBRNEを含む各種脅威に対する防護性能を付与される対象になれば、周辺の住民の皆さんは本当に不安に駆られます。 県内七施設での強靱化の事業内容を把握をして、国に説明会などの開催など、住民不安の解消に取り組む必要があると考えますが、お尋ねします。 質問の第五は、教育条件の改善についてであります。 県が全国に先駆けて導入した小中学校の三十五人学級化のうち、中学二年、三年生については見送られました。今年度は三十九の中学校の二・三年生の四十七学級が三十八人学級化となっています。必要な教員数が二百人程度、確保できなかったためであります。 教員は本来やりがいがあり、身分も安定した職業です。また、教員確保は教育行政の基本中の基本であります。それなのになぜ、教員不足が止まらないのか。最大の要因は、学校での異常な働き方が改善されず放置されていることであります。 昨年度の調査でも、県内中学校の教員の時間外在校等時間は、平均で月四十七時間に達し、月八十時間を超えている教員も一二・二%も占めています。 こうした働き方のため、もう続けられないと現職教員の早期退職が後を絶たないのであります。教員免許保有者は声をかけられても二の足を踏みます。教育系の学生たちも教職以外の道を選ぶようになっています。 教員不足の解決は、教員の働き方の改善以外にありません。とりわけ、授業数にも見合っていない教員定数を増やすことは不可欠であります。 ところが、文部科学省が打ち出している対策は、教員採用試験の早期化など、その場しのぎの対応に終始をして、肝腎要の教員の働き方の改善は一言もありません。 今の事態は、小手先で解決できるものではありません。国に教職員定数の大幅増などの抜本的な対策を求めると同時に、一つ、不要不急の業務を中止すること、二つ、産休や育休、育児短時間勤務のための代替教員を先行配置すること、三つ、非正規教員を正規化すること、四、学力向上、体力向上など県教委主導の施策、学校訪問、研修、出張などは見直しまたは中止すること、教員の奨学金返済免除制度の復活を求めることなど、直ちに実行できる緊急の対策に取り組むことが求められています。事は、県教委の存在意義に関わることであり、繁吉教育長にそれぞれ答弁を求めて、一回目の質問といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からはG7広島ビジョンについての三点のお尋ねにまとめてお答えします。 このたびのG7広島サミットでは、現下の国際情勢の中、平和の誓いの象徴である広島の地に各国首脳が集い、被爆の実相に触れていただき、核兵器のない世界に向けて議論されたところです。 お示しの広島ビジョンについては、全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けたコミットメントを再確認され、核軍縮に特に焦点を当てた初のG7首脳文書として発出されたものであり、大きな意義があったものと考えています。 また、核兵器禁止条約については、国は、条約への参加という手段によらず、核兵器廃絶に向けた取組を進めるとしていることから、県としては、国に対して条約への参加を求めることは考えていません。 私は、核兵器の廃絶自体は、これを強く願っているところですが、そのための手法については、国の専管事項である安全保障とも密接に関わることから、国民の命と平和な暮らしを守る観点で、国において、しっかり検討を進めていただきたいと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)上関原発に関する御質問のうち、原発推進等五法についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 お示しのように五月に成立したGX脱炭素電源法は、GX実現に向けた基本方針に基づき、地域と共生した再エネの最大限の導入促進、安全確保を大前提とした原子力の活用に向け、五つの関連法を改正するものと認識しています。 国の第六次エネルギー基本計画では、原子力について、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していくこと、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減することを挙げています。 そして、GX実現に向けた基本方針では、今回示す方策は全て、第六次エネルギー基本計画の方針の範囲内のものであると明記しており、当該基本方針に基づき制定されたGX脱炭素電源法についても、同じと理解しています。 エネルギー政策は国家運営の基本であることから、GX脱炭素電源法の制定を含め、エネルギーとして原子力をどう利用するかは、安全性・信頼性の確保を大前提に、国の責任で判断すべきものと考えています。 次に、中国電力の経営姿勢についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、課徴金を電気料金に反映していないことの根拠についてです。 今回、中国電力の規制料金値上げを認可した国は、課徴金が料金の原価に含まれていないことを確認済みであるとしています。 次に、料金値上げに係る住民の理解についてです。 中国電力は、このたびの料金見直しの内容について、ホームページや検針時に配付するお知らせ、専用フリーダイヤル等により、お客様に丁寧に説明をしていくとしています。 県は、電気事業法上の監督権限を有しないことから、料金値上げに係る住民の理解について判断する立場にありませんが、中国電力には、引き続き適切に対応していただきたいと考えています。 最後に、料金値上げの再考についてです。 今回の料金値上げは、電気事業法に基づき、国において、厳格な審査を経て認可されたものであり、県として、料金値上げの再考を求める考えはありません。 議長(柳居俊学君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)米軍岩国基地についての御質問のうち、空母艦載機による訓練についての四点のお尋ねにお答えします。 まず、県や市の要請が無視されたことに抗議すべきだが、今後も含め、どう対処するのかとのお尋ねについてです。 CQを含めた米軍機による訓練については、国の専管事項である外交・防衛政策の一環として行われるものであり、地方自治体として、その是非を論ずる立場にはなく、今回のCQが九州沖の洋上の空母で実施されたことに対して、抗議することは考えていません。 しかしながら、基地周辺住民の生活への影響の観点から、硫黄島付近の洋上でCQを実施するよう求めていきたいと考えており、今後とも、地元市町と連携して、適切に対応してまいります。 次に、E2Dが五月十六日に岩国基地で行った訓練に対する県の認識についてです。 国に照会したところ、岩国市と同様の回答を得ており、県においても、通常の訓練の一環であると認識しています。 次に、硫黄島でのFCLPの実施についてです。 国に照会したところ、E2DのFCLPは、硫黄島において実施されたとの回答を得ています。 次に、岩国基地でのFCLPへの対応についてです。 県では、これまでも、基地問題に対する基本姿勢の一つとして、NLPなど、激しい騒音被害をもたらす離着陸訓練の実施は認められないという考えで対応しており、今後とも、この基本姿勢により、適切に対応してまいります。 次に、燃料タンク等の機能強化についての三点のお尋ねにまとめてお答えします。 国に対し、燃料タンクの整備の有無などの事実関係を照会しておりますが、具体的な内容に関する情報は得られていません。 県としては、引き続き、情報収集に努め、地元市町と連携しながら、適切に対応してまいります。 次に、米兵犯罪についての二点のお尋ねのうち、まず、米側の再発防止策についてです。 国を通じて米側に照会したところ、公務中も、公務外であっても、安全で適切な行動を取るよう、日本で生活する上で守るべきルールについて、定期的に教育を行っている、事件から得られた教訓は基地全体に共有され、次の講習時に反映されるなどの回答を得ているところです。 次に、被害者への補償に対する県の今後の対応についてです。 県では、地元二市二町とで構成する基地関係県市町連絡協議会において、お尋ねのような事件や事故が発生した場合の被害者への損害賠償について、迅速かつ誠意を持って対応するよう、国に要請しており、引き続き、地元市町と連携しながら対応してまいります。 議長(柳居俊学君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)自衛隊基地に関する御質問のうち、敵基地攻撃能力の保有についてのお尋ねですが、国家安全保障戦略では、反撃能力については、武力攻撃が発生しない段階で自ら先に攻撃する先制攻撃は許されないとされていると承知しています。 お尋ねの防衛体制の内容や考え方は、国の専管事項である防衛政策に関する事柄であることから、県として、見解を申し述べる立場にはありません。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)自衛隊基地に関する御質問のうち、県内七施設の強靱化についてのお尋ねにお答えします。 県としては、自衛隊施設の強靱化については、国の防衛政策に関する事柄であり、あくまでも国の責任において、適切に対応していただきたいと考えていますが、地元自治体から具体的な事業内容について説明の要請があれば、国に対し連携して対応してまいります。 議長(柳居俊学君)中西警察本部長。 〔警察本部長 中西章君登壇〕 警察本部長(中西章君)米軍犯罪に関する御質問についてお答えします。 まず、議員お示しの資料に記載された検挙件数についてのお尋ねですが、その数字に相違はございません。 次に、県内の米軍人等の居住者数については、現在公表されていないものと承知しており、したがいまして、県内における米軍人等の居住者数に占める検挙件数の割合やその評価について、お答えすることは困難であると考えています。 いずれにいたしましても、県警察としては米軍犯罪のみならず、各種犯罪を認知した場合には、法と証拠に基づき、厳正かつ適正に捜査を行ってまいります。 議長(柳居俊学君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)教育条件の改善についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、国に教職員定数の大幅増などの対策を求めるべきとのお尋ねについてですが、全国都道府県教育長協議会等を通じて、国に定数の改善・充実を要望しているところです。 次に、不要不急の業務を中止することについてですが、県教委では関係課・室で構成する業務精選検討部会を設け、毎年度、学校を対象とする各種会議や調査の精選などに取り組んでいます。 次に、産休や育休、育児短時間勤務のための代替教員を先行配置することについては、今年度から実施されている国の産休・育休代替教師の安定確保のための加配定数による支援により、適正に配置を行っています。 次に、非正規教員を正規化することについては、今後児童生徒数の減少が見込まれる中で、定数の全てを正規教員とすることは困難です。 次に、学力向上、体力向上など県教委主導の施策、学校訪問、研修、出張などは見直し・中止することについては、これまでも、市町教委と連携を図りながら子供たちに求められる資質・能力を育むために必要な取組を実施しているところであり、見直し・中止することは考えていません。 次に、教員の奨学金返還免除制度の復活を求めることについては、先日閣議決定されました骨太の方針において、奨学金の返還支援に係る速やかな検討を進めると示されたところであり、引き続き、国の動向を注視してまいります。 議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 広島ビジョンについてです。 この広島ビジョンの最大の問題は、核兵器禁止条約を完全に無視するだけではなくて、G7各国の核兵器は、防衛目的のための役割を果たし、侵略を抑止するものだと、核保有と核抑止の正当化までしていることであります。よくもこんな声明を、あの原爆ドームと記念碑の前で言えたものだと思っています。 何よりこの声明には、被爆者という言葉が一言もありません。岸田首相は一体何を学び、何を感じたのでしょうか。ノーベル平和賞を受賞したICANのサーロー節子さんが、日本政府に裏切られた、広島サミットは失敗だった、こういうふうに言われたのは当然であります。 七十八年前、広島の警察官だった私のおじきは、あの八月六日、原爆が落ちたその直後、どろどろになりながら罹災証明を発行しなくてはいけない、いうふうに警察署を飛び出して、そのまま行方不明になり、いまだに骨すら見つかっていません。 私の母と祖父母は、そのおじきを捜しに呉から広島入りして、入市被爆をいたしました。私は被爆二世であります。幼少期は、毎年、広島県警主催の慰霊祭に祖父母と一緒に参加をしていました。長じては原水禁世界大会でありましたが、広島県警のあの慰霊祭、爆心地から二キロ以内であります。それだけに被爆者へのリスペクトさえない広島ビジョンは、絶対に許すことはできません。 核抑止力を公然と擁護して、核保有国の代弁者になる。唯一の戦争被爆国のこの日本から、こうした卑屈な立場で、知事が言われる核廃絶は喫緊の課題、これが実現できるでしょうか、改めて伺います。 上関原発について伺います。 国のエネルギー政策であります。予想どおり、第六次エネルギー基本計画の方針の範囲内という答弁でした。 それでは、改めてお聞きしますが、県は現在も原発については、可能な限り依存度を軽減すべきとの理解なのでしょうか、お尋ねします。 また、既存原発を事実上七十年以上稼働させるなど、原発回帰については懐疑的な立場を持たれているのでしょうか。この二点、伺います。 中国電力そのものについて伺います。 中電株の配当金は、昨年度、当初約十七億円計上していますが、七百七億円課徴金の支払いなどで、千三百億円の損失を出した影響で五億円に減りました。今年度当初予算に計上された配当金はゼロであります。中電株は、県民の共有財産です。中国電力自らの不祥事により十七億円の共有財産が失われていることをどう認識しているのか、伺います。 中国電力がカルテルを結び、公正取引委員会から処罰された問題で知事は、三月三十日、電気事業に対する県民の信頼を大きく損なうものであり、大変遺憾である、こうコメントをされていました。 にもかかわらず、一昨日開かれた中電株主総会では、これまでどおり所有する三千四百万株の議決権を中国電力側に白紙委任して、中電の経営方針にもろ手を挙げて賛成する、こういう対応を続けられました。中国電力の不祥事を免罪するのと同様ではありませんか、お尋ねします。せめて棄権するという選択肢は検討されなかったのか、この点も伺います。 米軍岩国基地について伺います。 空母艦載機による着艦訓練、夜間に艦載機が一時間で四十回訓練しているのに、自ら検証もせず、通常の訓練の一環という、米軍の言い分をうのみにして、夜間離着陸訓練ではないと問題視もしない。県民の命や暮らしよりも、米軍や国への忖度を優先する、これこそ屈辱的で対米従属の極み、こうした対応をいつまで続けられるのか、お尋ねします。 また、米軍の大規模演習、ノーザン・エッジが七月二日から二十一日にかけて実施されるのに伴い、岩国基地には米軍三沢基地、嘉手納基地、両基地の米空軍機二十四機が展開することが二十七日に明らかにされました。ノーザン・エッジは二年に一回、実施されてきましたが、岩国基地が使用されるのは初めてではありませんか。岩国基地が使用される理由について説明があったのでしょうか、併せてお答えください。 また、演習期間中、土日及び深夜に離着陸が行われる可能性もあります。県としてどう対応されるのか、伺います。 従来、岩国基地は海兵隊基地でしたが、近年、空軍機の一時的な駐留や海軍の大型艦船の入港が相次いでいます。米四軍の拠点基地となりつつあります。国から何らかの説明はされているのか、伺います。 海兵隊の機能に加えて、空軍、海軍の機能が加わることは、誰が考えても機能強化そのものであります。見解を伺います。 こうした岩国基地の機能強化こそ、燃料タンク等の五倍化が必要となった要因だと考えます。八月にも入札が行われる大事業であります。地元自治体に何の説明もないまま事業が進められることは容認できません。見解をお尋ねします。 不測の事態の中身も分からなくて、どうやって県民の安全を守るつもりか。自民党さんがしきりに日米同盟、日米同盟と言いますが、その実態がこれであります。かつての満州国のようではないですか。主権国家の自治体として、国や米軍に問いただす必要どころか、地方自治体としての責務があると考えますが、伺います。 米兵犯罪について伺います。 山口県警が法と証拠に基づいて、体を張って頑張っていることに心から敬意を表します。 しかし、その法の上に日米地位協定があり、さらにその上に日米同盟、日米安保条約がのしかかっているのが現状であります。 ドイツやイタリアのように同じ敗戦国であっても、国内法が優先する、当たり前の主権国家日本。一刻も早く卑屈な対米従属をやめていく必要があると痛感しています。 その上でお尋ねします。米軍関係者居住者に対する検挙件数の割合は、ちょうど十年前から居住者数が非公表になったため、現状を正確に反映していませんが、艦載機移駐等に伴う米軍関係者居住者約四千百三十人を加えて計算をしてみると、沖縄県を上回っています。 米軍人等の犯罪防止策の一つにリバティー制度があります。深夜外出や飲酒の禁止であります。内容は、状況によって変更されますが、現在のところ、三等軍曹以下の隊員は、午前一時から午前五時までの外出の規制、午前零時から午前五時までの基地外での飲酒の禁止などが定められているようであります。 しかし、飲酒に伴う不祥事が続いています。規制の強化を求めるべきと考えますが、改めてお尋ねします。 最後に、自衛隊基地についてですが、防衛省が自衛隊の各施設を生物、化学、核兵器などの脅威に対する防護性能を付与するための強靱化を進めていることは紛れもない事実であります。 例えば、海上自衛隊小月航空基地がCBRNE攻撃にも耐え得る防御性を持たされ、相手国からの攻撃から被害を免れたとしても、周辺住民は一体どうなるのでしょうか。焦土化を前提とした計画ではないか。このことも改めて伺って、再質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)G7広島ビジョンに関する再質問にお答えします。 木佐木議員から数点御指摘がありましたが、核兵器の廃絶についての県の認識を改めて申し上げます。 県としては、核兵器を廃絶し、世界の恒久平和を実現することは、唯一の被爆国である我が国はもとより、人類に共通する課題であると認識しています。 また、核抑止力を正当化するのかとか、擁護するのかというような御指摘もありましたが、先ほど知事が答弁いたしましたように、核兵器の廃絶自体は、これを強く願っているところですが、核兵器のない世界に向かっていくための手法については、国の専管事項である安全保障とも密接に関わることから、国において、しっかり検討を進めていただきたいと考えています。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)上関原発問題に関し、原発推進等五法についての再質問にまとめてお答えします。 先ほど御答弁いたしましたけれども、国の第六次エネルギー基本計画では、原子力について、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していくこと、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減するとしています。 また、原発の運転期間については、GX脱炭素電源法により、最長で六十年に制限するという現行の枠組みは維持した上で、事業者が予見し難い事由による停止期間に限り、六十年の運転期間のカウントから除外するとされたものと承知しています。 いずれにしましても、エネルギーとして原子力をどのように利用するかについては、安全性・信頼性の確保を大前提に、エネルギー政策を所管する国の責任において判断されるべきものであり、お尋ねの原発依存度や原発回帰のような事柄について、県として特に何か独自に見解を述べるということは考えていません。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)数点の再質問にお答えします。 まず、中国電力の関係でございます。 一昨日の株主総会を棄権するという選択肢は検討しなかったのかとのお尋ねです。棄権につきましては、大株主である県の行動が、中国電力の信用や経営に影響を及ぼすおそれがありますことから、例年、議決権の行使書を白紙で提出しているところでありまして、一昨日の株主総会においても、同様に対応したところでございます。 それから、十七億円の歳入の認識というところでございました。中国電力株の配当につきましては、令和五年度当初予算編成時には無配を見込んでおりました。 こうした中、五月二十三日に中国電力が、令和六年度三月期通期の配当予想を未定から年間十円に修正したところでございます。当該予想に基づけば、今年度は一・七億円の配当収入が見込まれることとなるというふうに考えております。 今後とも、当年度の利益の範囲内で配当を実施する方針ということでございますので、本県の貴重な財源として期待できますことから、引き続き保有していくことが最も適当というふうに考えております。 それから、次に自衛隊基地、周辺住民等への影響等も含めてという御質問でございました。繰り返しになりますけれども、県としては、自衛隊施設の強靱化につきましては、国の防衛政策に関する事柄でありますことから、あくまでも国の責任において適切に対応していただきたいというふうに考えております。 議長(柳居俊学君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)米軍岩国基地に関する数点の再質問にお答えします。 まず、E2Dの離着陸訓練についてです。 離着陸訓練について、自ら検証もせず、問題視していないというのが最初にあったと思いますが、今回の訓練については、県や岩国市の騒音測定器により分析したところ、当該時間にプロペラ機の騒音は確認しておらず、また県や市に騒音の苦情電話もないことから、県市間で協議の上、基地周辺住民への影響は少なかったものと考え、問題視しないことにいたしました。 次に、県民の命・暮らしよりも米軍・国への忖度を優先しているのではないかというお尋ねでしたが、県としては、基地周辺住民の安全で平穏な生活を確保する立場から、激しい騒音被害をもたらす離着陸訓練は認められないとの考えで対応しており、今後とも基地周辺住民に大きな影響が及ぶなど問題がある場合には、地元市町と連携して、国や米側に必要な対応を求めてまいります。 次に、日米共同訓練のノーザン・エッジについての数点の御質問です。 まず、岩国基地が使用されるのは初めてではないかということですけれども、岩国基地での実施は初めてです。 次に、岩国基地が使われる理由についての説明があったのかということですけれども、国からは岩国基地を使用する理由として、岩国基地に所在する部隊と連携しながら、日本の防衛及び東アジアの平和と安定のため、米軍の練度と即応性を向上させるための訓練を行うため、岩国基地を使用するとの説明があったところです。 次に、演習期間中の土日及び深夜の離着陸への懸念のお尋ねです。 国からは、展開する米軍戦闘機について、土日及び深夜の飛行訓練を控えるよう申入れをしているとのことで、今般の一時展開による地元への影響が最小限となるよう、引き続き努めてまいりますとの説明を受けており、今後、地元市町と連携し、航空機の運用状況の把握に努め、問題があれば、国や米側に必要な対応を求めてまいります。 次に、基地の性格のお尋ねだったと思いますけれども、米四軍の拠点基地となりつつあるが、国から何らかの説明をされているのかということですけれども、国からは米四軍の拠点基地となりつつあるという説明はありません。 海兵隊の機能に加えて、空軍・海軍の機能が加わって、機能強化そのものだ、との見解ですけれども、これまでも答弁しておりますけども、軍事面での質的な変更など、軍事的な機能に関する問題は、地方自治体として、これを判断することはできないものです。 燃料タンクの計画についての二点のお尋ねがあったと思います。 まず、地元自治体に何の説明もないまま、事業が進められることは容認できないが、見解を尋ねるというところですけれども、燃料タンクの建設については、国において引き続き米側に照会中であります。 米軍工事につきましては、米軍施設・区域の周辺の公共の安全、または民公有財産の保全に何らかの影響を及ぼすおそれがある場合は、事前に米側から日本側に通報されることとされており、国からは、米側から新たな情報が得られたら、関係自治体に提供するとの回答を得ていますので、繰り返しになりますけれども、引き続き情報収集に努め、地元市町と連携しながら、適切に対応してまいります。 次に、タンクの関係で、不測の事態の中身も分からなくて、どうやって県民の安全を守るのかと、日米同盟との関係で、国や米側に問いただす必要というようなお尋ねがあったと思いますけれども、これは国からの一般論としての回答を得たことがありますが、一般論として、米国が日米安全保障条約上の義務を果たすため、あらゆる事態に対応するための後方支援基盤をしっかり整えておくことは重要であるとの認識を国から示されております。 最後の米兵犯罪に関して、リバティー制度のお尋ねでございます。飲酒に伴う不祥事が続いているが、規制の強化を求めるべきであるということに対する御質問ですけれども、飲酒による不祥事ですけれども、リバティー制度は昨年末に変更されており、実効性のある事件防止対策になっているか、よく分析して対応を検討していく必要があると考えております。 議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 岩国基地問題は委員会でしっかりやりたいと思います。 最後ですが、自衛隊基地問題については、敵基地攻撃能力の保有、そもそもこれは先制攻撃の容認が前提とされる危険極まりない戦略、この点では国連憲章にも日本国憲法にも違反しているものだと考えますが、この点伺います。 そして、私は自衛隊施設の強靱化など、相手国から攻められることを想定した構えではなく、相手国から攻められないための外交にこそ力を注ぐべきだと思います。この点、国に要請すべきだと考えますが、この点も伺って、一般質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)敵基地攻撃能力に関する再々質問にお答えをいたします。 敵基地攻撃能力の保有に関する認識というお尋ねでございましたけども、先ほども御答弁いたしましたけども、防衛体制の内容や考え方につきましては、国の専管事項である防衛政策に関する事柄でありますので、県として、見解を申し述べる立場にはありません。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)自衛隊基地に関する再々質問にお答えします。 自衛隊施設の強靱化などではなく、外交に力を注ぐよう国に要請すべきとのお尋ねであったかと思います。自衛隊施設の強靱化につきましては、国の防衛政策に関する事柄でございまして、本県県民を含め、国民全体の生命・財産を守る立場から、国が責任を持って判断されるものであると考えております。このため県としては、国に対しお尋ねのような要請をする考えはありません。