1 高校生の就職支援について 2 耕作放棄地の解消について 3 県産農林水産物等の大都市圏に向けた販路拡大について 4 医療人材の確保について 5 萩市における中核病院について 6 人口減少時代におけるデジタル技術の地域公共交通への活用について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十二号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十二号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 岡生子君。 〔岡生子君登壇〕(拍手) 岡生子君 皆さん、おはようございます。自由民主党の岡生子でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 初めに、高校生の就職支援についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症が五類へ移行され、我々の社会同様、学校現場においても日常の生活が戻ってきました。 また、高校生の就職活動の場面においても、一時期に一部の業界で見られた企業の採用控えからは打って変わり、社会全体の人手不足も相まって、これまでにない、いわゆる売手市場となっています。 先日、山口労働局が発表した令和六年三月の新規高卒予定者の求人・求職・内定状況によると、九月末時点での求人数は、前年同期と比較して三・四%の増加、また求人倍率は前年比〇・一八ポイント増の二・六九倍であり、現在の形で統計を取り始めた平成七年度以降で、最も高い倍率を記録しています。 就職を希望する生徒からすると、より多くの企業から求人があることは、選択枠が広がるという点で好ましいものでもありますが、一方で、懸念される状況も生じているところです。 本年十月、厚生労働省から全国の新規高卒就職者の離職状況が公表され、それによると、就職後三年以内の離職率は、前年度と比較して一・一ポイント増の三七・〇%と、新規高卒就職者の三人のうち一人以上が三年以内に離職していることが明らかになっています。 これらの離職の中には、新たな夢や目標を得て、次なる道へと歩み出した方など、様々なケースが含まれていると思われることから、必ずしも全ての離職がマイナスイメージを持っているものではありません。しかし、生徒が思い描く企業に対する認識と、実際の企業の実態の間にギャップが生じ、その結果として早期の離職につながることは防がなくてはなりません。 私も経営者の一人ではありますが、企業への理解が十分に進んでいなかったがゆえに離職という選択をすることは、生徒はもちろん、企業側にとっても大変残念なことです。生徒が多くの求人から企業を検討できる現状であるからこそ、生徒の企業や職種の理解を促進し、マッチングを支援することがより重要になると考えます。 また、本県においては、全国に引けを取らない、魅力的な企業が多数存在しています。とかく生徒は有名な大手企業に目を向ける傾向にあることも想像されますが、イメージ先行ではなく、こうした県内企業を含めて、生徒が真に希望する職種や企業等の研究や理解を、早い段階から生徒に寄り添い、しっかりとサポートすることで、若者の県内就職・県内定着が進み、本県の重要課題である人口減少の克服にもつながっていくのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。高校生の求人倍率がこれまでにない高さを示す一方、早期離職等も懸念される状況の中、生徒一人一人の希望に沿った就職支援に、今後どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、耕作放棄地の解消についてお尋ねいたします。 農林業センサスの統計情報によりますと、耕作放棄地はこの三十年間、全国的に増加を続けています。 本県においても、中山間地域の占める割合が高く、また、全国平均を上回るスピードで高齢化が進んでいることなどにより、農業の担い手が不足し、また、農産物価格の低迷等により耕作の継続を断念する人が増えていることに伴って、耕作放棄地が増加しています。 私の地元である萩・阿武地域においても、地域内に引受手がない、事業の継承ができないなどの理由から、地域の耕作者が少なくなっており、また、農産物の価格低迷や収益の上がる作物がないといった、農業経営条件の悪化によって、農業をやめてしまう農家が増えることにより、耕作放棄地が発生するという例が幾つも見受けられます。 耕作放棄地が増加すると、農作業の非効率化や病虫害の発生をもたらすなど、県民の暮らしを支える食料の安定供給を図る上でも重大な支障となってしまうだけでなく、県民の良好な生活環境を保全する上でも大きな問題となってしまいます。 農地は、安心・安全な食料の安定供給の確保、豊かな自然環境の保全や災害の防止など、多面的な機能を有する県民共有の財産であり、次世代へ良好な形で引き継いでいかなければなりません。そのためにも、耕作放棄地の発生防止と解消に向けて、しっかりと取り組んでいかなければなりません。 県におかれましては、山口県農業振興地域整備基本方針に基づき、耕作放棄地の発生防止と解消に向けて、各種制度や交付金、有効利用を図るための再生事業など、ソフトとハードの面から様々な支援を講じておられます。 こうした中、新たに農業を始めたいものの、遊休農地に関する情報や相談窓口が分からないといった声や、草刈りや排水路の整備など、耕作放棄地となった農地の再利用に対するコストや負担が大きいことから二の足を踏んでしまうといった声を聞いており、こういったことが耕作放棄地の解消が進まない一因ではないかと私は考えています。 ぜひとも、市町や関係団体等とも連携しながら、耕作放棄地の増加に歯止めがかかるよう、取組を強化していただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。耕作放棄地の解消に向け、遊休農地に係る情報発信、コストや負担のかからない対策を今後どのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、県産農林水産物等の大都市圏に向けた販路拡大についてお尋ねいたします。 本県は、日本海、響灘、瀬戸内海と三方を海に囲まれており、海風のよさ、雨、太陽の恵みなどを浴びながら、数多くの農産物が生産されており、萩地域では、萩たまげなす、千石台の大根、白菜、トマト、お米、果物など、挙げれば切りがないぐらい、季節に応じた旬の食材が地元農家の方々によって生産されています。 しかしながら、少子高齢化に伴う担い手不足や世界情勢の不安等による燃油・資材価格の高騰など、本県農林水産業を取り巻く環境は年々厳しさを増しているところであり、農林水産業者が将来にわたり、安心して農林水産業を営んでいくためには、生産したものが確実に売れるための安定的な需要の確保が重要であると考えています。 県におかれましては、これまでも特産品であるお酒や和牛等を中心に、海外への販路拡大に積極的に取り組まれているところであり、私自身、本年七月に県議会議員団派遣の一員として台湾訪問に同行させていただき、村岡知事をはじめとして、台南市との間で、観光・物産などに関わる覚書の締結や観光と物産の情報発信会を通じた、本県の食の魅力などを紹介するイベント等に参加をさせていただき、本県の農林水産物等をPRしてまいりました。 近年、全国の自治体間で需要獲得に向けた売り込み競争が激化する中、海外の販路拡大だけではなく、国内の販路拡大についても、取組を加速化させる必要があると強く感じております。 本県の魅力ある農林水産物等を大都市圏をはじめとして、もっと多くの方々の目に触れ、味わっていただく機会を提供することが重要であると考えており、そのためにも、これまで以上にPR活動に力を入れるとともに、大規模な展示・商談会のようなイベントなどを積極的に活用し、販路拡大につなげていっていただきたいと考えています。 一方、今後の大都市圏への販路拡大に向けては、物流・運送業界における二〇二四年問題が取り沙汰されているように、輸送手段の確保が喫緊の課題となっており、これを早急に解決しなければなりません。 ぜひとも、コロナ禍から日常を取り戻しつつある中、需要が回復傾向にある今をチャンスと捉え、現場の農林水産業者や関係団体と共にしっかり連携して、大都市圏に向けた販路拡大の取組を加速化していただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。本県農林水産物等の販路拡大について、現在、海外に向けたトップセールスを積極的に行われておられますが、国内の大都市圏に向けた販路拡大に今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、医療人材の確保についてお尋ねいたします。 県民にとって、医療とは、周産期や小児医療から始まり、生涯の最期を迎えるそのときまで、人生の全ての過程で関わるものです。 その医療サービスを提供するのはもちろん、医師や看護師をはじめとした人であり、県民が生涯を通じて健康で安心して暮らしていくためには、こうした医療人材をしっかりと確保し、揺るぎない医療提供体制を確立することが重要です。 しかしながら、医療現場からは、その人材の不足の声が大きく聞こえております。 県立萩看護学校では、毎年多くの看護師の卵が入学し、看護師国家試験も例年一〇〇%近い合格率で人材を輩出しているものの、地元に残って医療に従事する看護師は少ないとのことです。 このような人材の不足は看護師に限った話ではなく、医療関係団体の関係者からも、県内の医師は数百人不足しているとのお話も伺っており、医師や看護師の不足は医療提供体制に大きな影響を与える重要な課題と考えております。 さきの九月定例会において、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬及び保育等の公的価格の大幅改定を求める意見書を採択し、十一月には、県と県議会が上京し、医師や看護師等の処遇改善を国に強く要望されました。 近く行われる国の報酬改定においては、我々の要望を踏まえ、他分野・他業種への人材流出を防ぐ大幅な改定が反映されることを強く願っております。 加えて、本県において医療人材の確保を進めるためには、人材の県外流出を防ぎ、他県から呼び込み、本県の医療を担ってもらえるような対策も並行して進めなくてはなりません。 本県では、人材育成・確保、離職防止、再就職支援、資質向上、待遇改善など、総合的な対策を講じられております。 しかしながら、それでもなお不足が進む現状を踏まえますと、どのような対策を打てば本県で働いてもらえるのか、学生や現場、関係団体等の声に耳を傾け、しっかりと施策に反映してもらいたいと思うのです。 また、先般、県看護協会と県立総合医療センターは、看護師の人材確保・育成に向けた協定を締結されました。 この協定は、看護協会と総合医療センターが一体となり、地域医療の最前線で活躍できる優れた看護職員の県内定着や育成を図ることを目的とされたものであり、大変心強く感じていると同時に、県におかれましても、こうした動きともしっかりと連携し、関係機関と一丸となって医療人材の確保・育成を進めていってもらいたいと思います。 そこでお尋ねいたします。医療人材の不足が大きな課題となる中で、県では、今後どのようにその確保対策に取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、萩市における中核病院についてお尋ねいたします。 萩市の中核病院については、昨年十一月議会でもお尋ねし、その際に、当時の弘田健康福祉部長から、「病院統合に向けては、事業主体となる萩市が中心となって地域の関係者等の理解を得ながら取り組むことが必要と考えますが、そのための具体的な動きはなく、現時点、萩市が令和六年四月の開設を目指している中核病院形成については懸念せざるを得ない」との答弁がありました。 事業主体である萩市が中心となって取り組むことは当然のことであり、私も全く同じ考えですが、しかし、この答弁を頂いてからの一年間、萩市において具体的な取組は見えていません。田中市長からは、都志見病院と市民病院の基本合意ができないと県が話合いに応じてくれませんので、基本合意ができましたら、すぐにでも県や県知事にお会いしなければならないと言われていますが、私は全く進んでいないと感じられます。市民の命を守る病院統合の基本合意について、県ともしっかり調整を重ね、早期に進めるべきではないかと考えます。 その一方で、十一月三日、萩市の地域紙はぎ時事には、県も深く絡む中核病院の形成と、現在、地方公営企業法による特別会計で運営されている市民病院を、県が認可することになる独立行政法人にすることも内容とした経営強化プランを萩市が取りまとめ、市議会に報告した後、パブリックコメントを行い、年明けには県に申請することが記載されています。 萩市民病院の独立行政法人化も内容とする経営強化プランの記事で、初めて目にして大変驚きましたが、このプランなどは県が関わるもの、独立行政法人化は県が認可するものであると聞き、既に県が関わられているのであれば、どのような指導や調整をされているのか、確認が必要と思いました。 なぜならば、先ほどのはぎ時事には、経営強化プランは令和六年四月から四年間を計画期間と示されています。昨年の健康福祉部長の答弁にもあったとおり、令和六年四月は病院統合がされ、中核病院のスタートする時期ではなかったかと思います。現実に進まない病院統合はさておき、このプランをスタートさせるということでしょうか。 私は、都志見病院と市民病院の病院統合と、市民病院の独立行政法人化も内容とする経営強化プランは全く別のものではなく、むしろ表裏一体のものではないかと考えます。萩市民病院の独立行政法人化なども念頭に置く経営強化プランは、病院統合の見通しを欠いては絵に描いた餅になってしまうのではないかと懸念しています。 そして、病院統合は健康福祉部が、独立行政法人化などを含む経営強化プランは総合企画部が担当窓口になられているとしても、同じ県、同じ知事の下で判断され、整合性のある形で県としての考えや許認可の可否を示されるのではないかと思います。部は異なっても、同じ知事の下では、統一した考え方で進められる必要があるのではないでしょうか。また、同じ知事の下で判断をされるのであれば、地域の医療を考えて、整合性のあるよりよい形で進められるべきものではないかと考えます。 そこで、二点お尋ねいたします。 一点目は、私は経営強化プランと病院統合は表裏一体のものであり、いろいろな経緯はあったものの、田中市長も病院統合を進める立場にあります。それであれば、病院統合が具体的に進まない間は、経営強化プランを県として認めることや独立行政法人化を認可されることは、見通しのない計画などを県が容認するようにもなりかねず、不適当ではないかと思いますが、県としては、現状はどのように受け止め、どう対応しようとして考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。 二点目は、多くの市民の間に不安のある萩地域の医療体制を立て直すためには、私は令和二年一月の調整会議で合意された都志見病院と萩市民病院の統合を核とした中核病院の形成による医療体制の整備が不可避と考えますが、この点について、改めて知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、人口減少時代におけるデジタル技術の地域公共交通への活用についてお尋ねいたします。 急速に進む人口減少により、地方の地域交通事業者は苦境に立たされています。コロナ禍が明け、厳しさは一時よりは緩和したものの、コロナ禍前の状況にすら利用者が戻っていない経営状況の中で、運転手不足という大きな困難に直面しているのです。 担い手が不足する一方で、サービスを必要とする高齢者などは、免許返納などの増加により着実に増え続けるとともに、地方においてはそのニーズが偏在しているという課題もあります。地域の限られた資源の中で、いかにして偏在する利用者の多様なニーズを充足させていくのかと地域は頭を悩ませています。 阿武町では、利用者や担い手不足などによる路線バスの減便や廃止などを受けて、ふくすけという車両を地域住民への貸出しをスタートさせ、近隣住民同士の助け合いなどを補助するなど、こうした課題へのアプローチを進めています。 利用する高齢者からは、安心して移動ができるという声や、車中の利用者同士の会話が認知症予防にもつながってよいなどの高い評価を受けているほかに、こうした協力体制が、希薄となった近所付き合いの活性化もつながっているなどの副次的な効果も生じているとお聞きしており、こうした取組がこの地域を超えて、さらに広がってほしいと思います。 しかし、人口が減少し続ける中、地域公共交通を持続可能な形で維持していこうとすれば、こうした協力体制で補うことは困難であり、人手不足という課題を抱えるほかの産業と同様に、デジタル技術を活用し、地域公共交通の生産性や効率性向上にも取り組んでいかなければならないと考えます。 デジタル化の応用は、自動運転の導入やAIの活用など新たなモビリティーの実証実験という形で既に全国で始まっており、茨城県境町では、スマホの位置情報などのビッグデータを活用し、人流の多い地域や最適なルートを把握し、それを基に効率的な自動運転バスの運行や、隣県の福岡県福岡市では、自動運転技術の高度化を進め、必要なときに必要なところに行けるサービスの提供に向けた取組が進められています。 安全性の観点からも多くの課題や障壁が存在しますが、将来を見据え、高齢化が全国一進む本県においても、スピード感を持ってデジタル技術の導入に取り組んでいただくとともに、交通弱者のみを対象にするのではなく、幅広い層にも利用してもらえるきっかけとなる、新たな需要創出にもつなげていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。全国で人口減少が続く中、将来にわたり地域公共交通を維持させていくために、県は、デジタル技術の地域公共交通への活用について、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)岡議員の御質問のうち、私からは、萩市における中核病院に関し、中核病院形成による医療体制の整備についてのお尋ねにお答えします。 私は、高齢化の進行に伴う医療需要の増大に対応し、県民の皆様が生涯を通じて、住み慣れた地域で、安心して暮らし続けていくためには、より効率的で質の高い医療提供体制を確保することが重要であると考えています。 このため、県では、医療圏ごとの現状や課題、将来に必要とされる医療機能等を見据え、医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療構想を策定し、その実現に向けて取組を進めているところです。 このうち、萩医療圏においては、医療機関や受療者の代表者等で構成する地域医療構想調整会議における議論を通じて、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院の形成に向けて検討することが、令和二年一月に、調整会議で協議の上、合意されています。 県としては、萩医療圏の課題とされる二次救急医療等に対応するため、この調整会議での合意に基づき、その推進に向けて、国の手厚い財政的支援等が受けられる重点支援区域の選定など、必要な支援を行ってまいりました。 その後、萩市においてゼロベースの見直しが行われましたが、昨年二月の調整会議で、市から二病院統合に必要となる基本合意を進めるとの説明があり、既に合意された当初の方針に沿った取組を再開することとされたところです。 萩市においては、病院統合に向けて調整中であると仄聞しておりますが、現時点、基本合意は締結されておらず、また、県としては、市から基本合意の取組に関する報告等は受けていない状況であり、中核病院形成の取組の遅れを懸念しているところです。 病院統合は、当事者間の主体的な取組が基本となりますが、萩医療圏において、二次救急医療等の課題を克服し、将来にわたって持続可能な医療提供体制を確保するためには、私は、二病院統合による中核病院形成が不可欠であると認識しています。 県としては、当事者による基本合意がなされた際には、中核病院の形成に向け、調整会議において議論を深め、地域住民の皆様が安心できる医療提供体制の構築を推進してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)三坂農林水産部長。 〔農林水産部長 三坂啓司君登壇〕 農林水産部長(三坂啓司君)耕作放棄地の解消についてのお尋ねにお答えします。 担い手の高齢化が進行する中、農業生産の基盤である農地を、将来に向けて適切に保全・活用するため、これまで、耕作放棄地の解消に向けた取組を支援してきたところです。 しかしながら、条件不利地域等を中心に、依然として耕作放棄地が増加傾向にあることから、県としては、今後、その発生防止と解消に向けた取組を一層進めることとしています。 まず、耕作放棄地が発生しないよう、引き続き、農地の集積による効率的な営農活動を行う集落営農法人等の育成を進めるとともに、条件不利地域においても生産活動が継続できるよう、中山間地域等直接支払制度を活用した営農体制の整備等を支援してまいります。 また、市町や農業委員会、農地中間管理機構の連携による農地の出し手と受け手のマッチングを促進し、農地の継続的な利用による将来の営農計画の策定を支援することにより、耕作放棄地の新たな発生を防止します。 次に、耕作放棄地の解消に向けては、新規就農希望者や規模拡大の意向を有する農業者が、遊休農地を円滑に借り受けることができるよう、誰もが閲覧できる国の農地ナビを活用し、その情報を的確に提供することとしています。 さらに、耕作放棄地等に牛を放牧する、本県独自の取組である山口型放牧の導入を推進することにより、草刈りなどの農地の維持管理に係る負担やコストの軽減を図るとともに、将来的な農地の活用を促進し、その解消につなげてまいります。 加えて、農地中間管理機構が耕作放棄地を一時保有し、国事業を活用して再生した上で、希望する新規就業者等に円滑に貸し付ける制度により、農地の有効活用を促進します。 県としては、今後とも、農地中間管理機構や農業委員会等の関係団体等と連携しながら、耕作放棄地の発生防止と解消に積極的に取り組んでまいります。 次に、県産農林水産物等の大都市圏に向けた販路拡大についてのお尋ねにお答えします。 産地間競争が激化する中、収益性の高い持続可能な農林水産業の実現を図るため、県としては、旺盛な大都市圏の需要を確実に取り込むことができるよう、今後、県産農林水産物等の戦略的なブランディングや、一層の販路拡大に重点的に取り組むこととしています。 まず、戦略的なブランディングに向けては、首都圏における企業立地フォーラムや情報発信会等、あらゆる機会を捉えて、日本酒やフグ、和牛など、本県の食材の効果的なPRを行うなど、県産農林水産物等の魅力を大都市圏に向けて積極的に発信していくこととしています。 また、メディアへの働きかけ等により、今年度、萩たまげなすや千石台大根などが全国放送で紹介され、大きな反響を呼んだところであり、引き続き、効果的なメディア戦略を展開するとともに、SNS等を活用した情報発信により、大都市圏における一層の認知度向上を図ります。 次に、販路拡大に向けては、国内最大級の展示商談会であるスーパーマーケット・トレードショーなどへの県内事業者の出展を支援するとともに、大都市圏のホテル等でのやまぐちフェアの開催により、県産農林水産物等の新たな需要の創出に取り組んでまいります。 さらに、お示しのように、輸送手段の確保が喫緊の課題であることから、先般、トラック輸送の代替として、新たにJR西日本と連携した関西圏への新幹線輸送を実現したところであり、今後さらに、本格的な大都市圏への安定供給に向けた新たな輸送手段の検討を進めることとしています。 県としては、今後とも、力強い農林水産業の実現に向け、生産者団体等と緊密に連携し、大都市圏に向けた本県農林水産物等の販路の拡大に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)医療人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 県民が生涯を通じて、健康で安心して暮らしていくためには、質の高い医療提供体制の構築が必要であり、中でも、医療現場を支える人材を確保することが、大変重要です。 このため、県では、県医師会や県看護協会をはじめとした関係団体等の意見を踏まえ、緊密な連携の下、医師や看護師の県内外からの確保に取り組んでいます。 具体的には、まず、医師の確保については、県内の医療機関での勤務を要件とする医師修学資金の貸付けを行うとともに、県外からも、研修を受ける医師を呼び込むため、県医師会と連携し、全国の医学生等を対象とした説明会等を通じて、本県の充実した研修体制の魅力を発信してまいります。 次に、看護師の確保については、中高生に県内で働く看護師を志してもらえるよう、進路ガイダンスや、看護体験イベントを実施するほか、人材確保が厳しい中小医療機関の声を反映し、看護学生に対する修学資金の貸付けを行っています。 また、県外に就学や就業している看護師等のUJIターンを促進するため、奨学金の返還支援を行うとともに、県看護協会と連携し、総合情報サイトにおいて、県内医療機関の採用情報や現役看護師の声などの発信に努めてまいります。 なお、県立総合医療センターは、本年十月に県が策定した機能強化基本構想において、県内大学や関係団体等と連携して、高度専門医療人材などの確保・育成に取り組むこととしており、このたびの県看護協会との協定の締結は、県内の医療人材の一層の確保・育成に資するものと考えています。 県としましては、今後とも、関係団体と連携・協力しながら、本県の地域医療を担う医療人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)萩市における中核病院についてのお尋ねのうち、経営強化プランに対する県の考えについてお答えします。 お示しの公立病院経営強化プランは、病院事業を設置する地方公共団体が病院事業の経営強化に総合的に取り組むため、当該団体自らが責任を持って策定するものです。 プランの策定に関しては、総務省がガイドラインを示しており、その中で、都道府県に対しては、市町村がプランを策定するに当たり、市町村担当部局と医療政策担当部局や病院事業担当部局が連携・協力して助言・調整を行っていくことや、地域医療構想や医師確保計画等との整合性を確認することが求められています。 この地域医療構想等との整合性の確認に関し、萩医療圏については、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院形成が地域医療構想の方向性であるというのが、県の関係部署間における共通認識であり、県としては、このことと萩市民病院単独での地方独立行政法人化は、整合性が図られているとは言い難いものと受け止めています。 また、経営強化プランの策定は、公立病院に対する国の財政措置の要件ともなっていることから、今後統合を予定している病院であっても、統合までの期間を対象とした現病院のプランの策定が必要であるとされています。 萩市民病院もこれに該当することとなりますが、当該病院は病院統合の対象となっていることから、県としても、統合後の病院経営に影響を与えることのないよう、現病院の維持、経営効率化に必要な最低限の範囲内での経営強化プランとすべきものと考えます。 地方独立行政法人化についても、萩市民病院は病院統合の対象となっていることから、住民の生活の安定や地域社会の健全な発展等に資することを目的とする地方独立行政法人制度の趣旨に照らし、将来の地域医療の確保等に支障が生じるということであれば、これを認可することはできないと考えています。 県としては、今後も関係部署間で連携を図りながら、病院統合について共通した認識の下、適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)人口減少時代におけるデジタル技術の地域公共交通への活用についてのお尋ねにお答えします。 地域公共交通は、地域住民の日常生活に欠かせない重要な基盤であることから、県では、デマンド型乗合タクシーの導入など、市町が行う地域の実情に応じた利便性の高い交通体系への転換を支援するとともに、運転士の確保に向けて、就職相談会や運転士体験会を開催しているところです。 こうした中、人口減少下においても、地域に偏在する多様な移動ニーズに対応し、持続可能な形で地域公共交通を維持していくためには、お示しのようにデジタル技術を活用し、幅広い利用者の需要創出も図りながら、地域公共交通の効率性や利便性の向上に取り組んでいく必要があります。 このため、今年度から、自動運転やAIデマンド交通など、市町が行うデジタル技術を活用した新たなモビリティーサービスの導入を支援しており、希望があった九つの市に対し、ノウハウを有する専門家を派遣し、実装を見据えた助言等を行っているところです。 まず、自動運転の導入については、今年度、美祢市において実施する実証事業に対し、企画・立案段階での助言のほか、自動運転車両の確保や公道における実証運行に向けた関係者間の調整等の支援を行っています。 また、AIデマンド交通については、導入を検討している市に対し、運行エリアの設定や交通事業者との調整に関する助言など、実証事業の実施に向けた支援を行うとともに、本格運行を開始した山陽小野田市に対しては、導入後の利用促進策等の検討について、伴走支援を行っているところです。 さらに、こうしたデジタル技術を活用し、地域交通の課題解決を図る先進的な取組を広く県内に波及させていくため、市町や交通事業者等を対象に、自動運転に関するセミナーや試乗会を開催することとしています。 県としては、今後とも、市町や交通事業者等と連携し、人口減少下にあっても、将来にわたって地域公共交通が維持できるよう、デジタル技術の活用に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)高校生の就職支援についてのお尋ねにお答えします。 高校生を取り巻く雇用情勢は、コロナ禍から持ち直しの動きが続き、求人倍率が二倍を超える一方で、お示しのように、雇用のミスマッチによる早期離職も懸念されることから、より一層きめ細かな就職支援に取り組むことが重要であると考えています。 このため、県教委では、ガイダンスの充実とマッチングの促進に重点を置きながら、関係機関と連携した就職支援を推進しているところです。 具体的には、県内企業で働いている卒業生等を講師としたセミナーを学校で開催したり、生徒と保護者が県内企業の採用担当者と直接面談する機会を設けたりすることにより、企業の魅力や業務内容についての理解の促進を図っています。 また、進路選択に役立つ情報を生徒や保護者が容易に入手できるよう、一人一台タブレット端末専用のポータルサイト内に、就職支援のためのページを設け、約百二十社の県内企業の説明動画や、県内のものづくり企業の魅力などを紹介した電子ブックを配信するなど、ICTを活用した情報提供も積極的に行っているところです。 さらに、就職を希望する三年生に対しては、職種や職場についての理解を深める応募前職場見学への参加を促進するとともに、内定後には、働く上での心構えやルールについて学ぶ講座を実施するなど、卒業後を見据えた切れ目のない支援に取り組んでいます。 今後は、こうした取組のさらなる充実に加えて、就職サポーターによる個別面談を一年生のときから実施することで、より早い時期からの就職に向けた意識の醸成や、県内企業等の魅力やよさの理解の促進を図るとともに、早期離職の未然防止にもつなげてまいります。 県教委といたしましては、就職を希望する全ての生徒の進路実現に向けて、高校入学後の早い段階から、生徒一人一人に寄り添ったきめ細かな就職支援に全力で取り組んでまいります。