1 スタートアップ支援について 2 山口県立東部高等産業技術学校について 3 多胎児の家庭に対する支援について 4 オンラインを活用した遠隔医療のさらなる充実について 5 臨時食品営業の届出について 6 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十二号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十二号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 福田吏江子さん。 〔福田吏江子さん登壇〕(拍手) 福田吏江子さん 皆様、おはようございます。すずらんの会、福田吏江子です。 質問に先立ちまして、本日、村岡知事の五十一歳のお誕生日とお伺いいたしました。すてきなお誕生日となりますように、心からお祝い申し上げます。お誕生日おめでとうございます。 それでは、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 スタートアップ支援について、質問をいたします。 日本からGAFAMのようなスタートアップ企業が生まれるか。この問いに皆様はどのようにお考えでしょうか。 本県では、スタートアップ起業家育成事業として、やまぐちアクセラレーションプログラム「Mirise~ミライズ~」を実施されており、新たなビジネスプランを持った方を対象に、その事業化を加速させるためのワークショップやメンタリング、全国のベンチャーキャピタルや投資家に向けてピッチを行うためのプレゼンスキルの向上や各種知識の習得などのプログラムを通して、山口県内からロールモデルとなるスタートアップ企業が創出するよう取組を進められております。 先日、そのワークショップの傍聴にお伺いをさせていただきました。 今年度は十一名のアントレプレナー、事業家・起業家の方がプログラムに参加されており、御自身のアイデアを事業化すべく熱心に学ばれておりました。来年二月十日には、萩市の松下村塾において成果発表が行われるとのことで、参加者の皆様が本プログラムを通して、社会を変革するビジネスをつくり上げられることに期待したいと思う取組です。 何より本プログラムでは、アクセラレーターとしてベンチャーキャピタリストの方が講義やアドバイスをされることも大きな魅力なのだと感じました。 参加者の方から、国内ベンチャーキャピタルは多くの場合東京に住んでおり、東京ではベンチャーコミュニティーが形成され、ベンチャーキャピタルと出会えるチャンスが身近にあるが、山口県ではなかなかそのコミュニティーがなく、山口県にいてどうやってベンチャーキャピタルにたどり着くか難しいのが現実であるという実情もお聞きいたしました。そして、今回のプログラムでは、ベンチャーキャピタルと出会える機会を得られることは大きなメリットであるのだと教えていただきました。 私は、山口県にいても多くのチャレンジができること、様々なチャンスをつかめること、若い人にとっても年齢を重ねた方にとっても、社会を、地域をよりよくしたいという発想が形になりビジネスになるという土壌をもっと醸成していくことが、本県の人口や資本の流出を防ぐため、あるいは人口や外貨の流入を促進する一つの要素となると考えます。 挑戦したい、社会課題を解決したいと意欲を持った方が、やはりチャンスを得るには東京に行かないと駄目だという思いにならないように、日本では駄目だという気持ちにならないように、今、本県においてもスタートアップ企業の育成に目を向け、力を入れていく必要があると考えます。 国においては、二〇二二年をスタートアップ創出元年と位置づけ、同年十一月にスタートアップ育成五か年計画が出されました。これは、人材・ネットワークの構築、資金供給の強化と出口戦略の多様化、オープンイノベーションの推進を三本柱として、スタートアップへの投資額を五年で十倍にすることを目指すものです。 経産省の資料、スタートアップ育成に向けた政府の取り組みにも、スタートアップこそ課題解決と経済成長を担うキープレーヤーであるとし、国内スタートアップへの投資額は十年で十倍の、二〇一三年八百七十七億円から二〇二二年八千七百七十四億円に成長していることから、スタートアップを取り巻く環境は徐々に向上しているが、さらなる支援強化が必要であると述べております。 日本からGAFAMのようなスタートアップ企業が生まれるかどうかという問いに答えが出てくるのは、まだまだこれからだと思います。 そこでお尋ねいたします。本県におけるスタートアップ支援の意義と今後の取組のビジョンについて、国が示す、人材・ネットワークの構築、資金供給の強化と出口戦略の多様化、オープンイノベーションの推進の三つの柱も踏まえて、どのようにお考えでしょうか、御見解をお伺いいたします。 山口県立東部高等産業技術学校について質問をいたします。 先日、周南市に所在する東部高等産業技術学校へお伺いいたしました。本施設での取組について概要説明を頂き、また何人かの訓練生からのお話もお聞きすることができました。このたびの訪問に当たって御対応いただきました校長をはじめ、職員の皆様に重ねて御礼申し上げます。 県立東部高等産業技術学校は、その設置目的として、職業能力開発促進法に基づく職業能力開発校として設置され、中学校、高等学校あるいは短大や大学の新卒者や離転職者及び在職者を対象として、地域産業の技術ニーズに沿った人材を育成することにより、職業の安定と労働者の地位向上を図るとともに、地域社会への貢献や地域振興に資することを目的としていますとあります。 本県の経済を支えるものづくりの技能を習得し、地域産業界の多くの現場で即戦力となれる人材の育成をされており、また在職者に対しても様々な資格を取得するための講義を開設されており、業務に必要な技能や資格取得によるキャリアアップ支援をするため、事業所からの推薦もあるなど好評であると状況をお聞きいたしました。 訓練課程においても、本年四月より、これまでの機械加工科から機械デジタル科へと変更され、デジタル活用による機械加工オペレーションの習得を軸に、3Dプリンターなど、製造現場でのデジタル活用力につながる関連知識や機器の自動制御と関連ある国家資格第二種電気工事士を取得できるという説明を受け、今日の製造業現場で必要とされているコンピューター制御のオペレーションスキルに対応する訓練内容にアップデートされていることも本施設の強みの一つであると思いました。 また、施設見学の途中で、溶接技術科を受講されている女性の訓練生からお話をお伺いさせていただきました。その方は、前職は事務員として働かれていたのですが、手に職を持ち正社員として働きたい、資格を取りたいという気持ちから本校を学ばれているとのことでした。 これまでと全く異なる分野であっても希望するキャリアに向かうことができることは、セカンドキャリアを考えている方にとって不安を払拭するものであり、本施設でしっかりしたカリキュラムがあるからこそだと感じました。 また、自動車整備課で訓練を受けている新卒者十代の四名の方々からもお話をお伺いいたしました。岩国市や周南市などから自動車整備士を目指して入校されており、その日はブレーキの整備の訓練に取り組まれていたのですが、とても楽しいというお話をしてくださり、また訓練生と先生との関係もよいもののように思いました。 全体を通して、本施設は、求職者の方を対象としていることは基本ではありますが、決して個人のセーフティーネットのためだけではなく、本県の産業に資する人材育成の場としての重要な役割を担っているのだという印象を持ちました。本施設がさらに今後の地域産業の発展を見据えた取組を充実させていくことが必要であると考えます。 特に周南地域では、コンビナート・製造業が基盤産業であり、昨今の人手不足の中で、セカンドキャリアやキャリアアップのための資格取得による新たなスペシャリストの育成は重要であると考えます。 さらに、今後の成長分野である半導体や蓄電池の人材育成や化学分野の訓練課程について本施設で設置検討することは、より地域の産業発展に資する取組になると考えます。 また、工場内でもドローン活用のニーズは広がっており、警備や防災目的での夜間巡回監視や煙突内部の点検などで活用されていることから、ドローンの免許を取得できる訓練を実施することも検討できないでしょうか。 県として、今後の東部高等産業技術学校をどのようにお考えでしょうか、御見解をお伺いいたします。 多胎児の家庭に対する支援について質問いたします。 多胎児とは、双子や三つ子などのお子さんを指す言葉で、その育児をされている家庭は多胎児家庭と言われております。 多胎児の出生率は総分娩数の約一%となっており、山口県においても保健統計年報によりますと、令和元年の統計で出生数八千七百七十一名のうち多胎児数は百八十六名、令和二年の統計で出生数八千二百三名のうち多胎児数は二百十六名、令和三年の統計数で出生数七千九百七十八名のうち多胎児数は百六十名となっております。 多胎児家庭では、多子世帯の子育てともまた違った大変さがあると言われております。双子の子育てをされている御家庭に実際の育児の状況をお聞きいたしますと、特に多かったのは、外出がとても大変であるという意見です。 外出時に一人の親が乳幼児を二人連れて歩くことは困難で、だっこも一人で二人の子供をだっこできないためベビーカーが必要であること、そして多胎児では通常よりベビーカーが大きくなり、十キロないし十五キロと特に女性にとっては重く、車から出し入れするにも駐車場のスペースが必要となることから、多胎児の場合はベビーカーを使う二、三歳くらいまで、やまぐち障害者等専用駐車場のスペースに止められたら助かるという具体的な御意見もありました。 通常の駐車場では、双子用のベビーカーを広げるスペースまで持っていき、一人ずつ車からピックアップしていくことになり、大変危険であるというお話をお聞きしました。 また、一人の具合が悪くなったときに病院に行くのも大変であること、あるいは風邪を引いたらもう一人も絶対にかかるというお話や、病院での待ち時間の状況が分かるようになると助かるという御意見や、どうしても一人だけは留守番させなければならないなど、何か困ったときに付近住民などを含めて地域で助けてくれる状況がつくれると助かるという御意見がありました。 さらに、チャイルドシートやベビー用品が一気に二倍使用となること、おむつ代で月四ないし五万円、ミルクが一週間で二缶使い五千円というように、おむつとミルク代だけでも月に十万円かかるという経済面での御意見から、負荷のかかり具合が一遍に来るということで、多子世帯とは異なる状況が見られました。そのため、おむつやミルク、おしり拭きなどの消耗品に使える費用補助があると助かりますという御意見もありました。 そして、経済的なことだけではなく、おむつ替えや授乳の回数、ミルクの準備などが双子の場合でも通常の倍となること、お風呂や寝かしつけに時間が多くかかること、二人同時に寝ないということや夜泣きも一人が泣くともう一人も泣くという連鎖が起こり寝られないという状況があります。 ある御家庭の方からのお話でも、授乳は三時間サイクルだが二人同時に同じタイミングでそろうわけではないため、夜中は夫婦で時間交代制にして、母乳だけでなく粉ミルクの活用にしないと母親が寝られなくなってしまうのだということをお聞きしました。 また、保育所に入所するにも二人分の枠が必要となり、そろって同じ園に入園できるだろうかという懸念もお聞きしました。多胎児家庭ならではの悩みがあるが、双子や多胎はあまり多くないので、同じ悩みを抱えているであろう他の多胎児家庭の人たちとのコミュニティーがつくれると心強いのではないかという御意見もありました。 このように、多胎児家庭に係る実情を様々お伺いしているのですが、国の提示する支援事業の実地主体は市町村であります。そして、各市町村の判断によって制度導入の有無が生じているのが現状です。 例えばですが、国において令和二年度に創設された、多胎妊産婦等サポーター等事業は、二歳程度までの多胎児を育児する妊産婦やその家庭の元へサポーターを派遣し、外出時の補助や日常の育児に関する介助を行うという事業ですが、令和三年度ベースで、全国で実施している自治体数は七十一自治体で、本県では周南市が取り組んでいるほか、山口市と宇部市が交流の場づくりである、多胎ピアサポート事業に取り組んでおり、本県では、この三市において、多胎児家庭を対象とした事業が実施されている状況です。 令和三年三月に出された国の子ども・子育て支援推進調査研究事業による多胎児の家庭等に対する子育て支援に関する調査研究報告書によりますと、特に多胎児の出生数が少ない小規模自治体では、多胎児家庭に対する支援の事業化が難しいという課題があることが示されております。 このことから、京都府では、医療との連携推進に当たって、契約書ひな形や各種様式の作成、単価調整等の支援を府が実施し、府内市町村が補助事業を実施しやすくする取組を行っていることや、岐阜県や石川県でも多胎児家庭に対する支援の取組をやや広域となる県内四ないし五程度の圏域別に行うなど広域での対応がなされているなど、都道府県が積極的に関与・支援している事例が報告されております。 私は、どの自治体にお住まいの方でも支援が受けられるよう、山口県においても医療圏など広域での共同の事業化が進められないかと考えます。県において、県内市町で多胎児家庭への支援策が普及するように促していくことを図れないでしょうか。多胎児の家庭に対する支援について、本県の御見解をお伺いいたします。 オンラインを活用した遠隔医療のさらなる充実について質問いたします。 本県では、令和四年度に地域医療デジタル改革加速化事業を実施しており、5G環境での遠隔医療支援体制の構築と併せ、離島などの多様な現場で新たなデジタル技術を活用することで、遠隔医療の加速化を図り、医療提供体制の充実を目指すことを趣旨として、5G環境での遠隔医療支援の実証と併せて、離島で巡回診療している医療機関へ高画質モバイル中継装置を貸し出す実証事業を展開してきました。 このたびは、この高画質モバイル中継装置での実証事業の成果を踏まえた、さらなる活用についてお伺いいたします。 本事業で導入された高画質モバイル中継装置は、小さな通信装置で持ち運びができる大きさのため、大がかりな整備が必要なく、装置を移動させることができることから、県内のほかの場所でも活用できるとのこと。また、4Gという従来の通信ではありますが、複数回線に分散してデータを伝送するマルチリンクとすることで、大容量は送れなくとも、通信速度は5Gと遜色なく、普通の画面よりクリアに映し出され、皮膚の色なども目の前にあるときと変わらないくらいであったということは、この装置の大きなメリットであったのだと理解しております。 離島などの常駐している医師が少ない診療所において、悪天候で医師が診療所に行くことができないときも対面と同じように診療ができるかということは、限られた医療資源の中でも医療提供体制の充実へとつながると考えます。 そこで、本事業を通して、どのような成果を得られ、また地域の皆様からはどのようなお声が届いているでしょうか。また、本事業から見えてきた課題はどのようなものでしょうか、お伺いいたします。 また、オンライン診療については、現在、国の社会保障審議会医療部会で様々議論がなされており、規制改革推進会議、健康・医療・介護ワーキング・グループの基本認識として、オンライン診療の普及・促進は患者本位の医療サービスの提供を実現するためである、持病を抱えながらデイサービスを利用されている歩行困難なお年寄りの方、ひきこもりの方、都市にお住まいでも御家族の育児・介護がある中通院の同伴で仕事を休まないといけない方、地域によっては近くに医療機関がない方など、オンライン診療を必要とされる様々な方がいらっしゃる。オンライン診療は利用者起点の徹底の観点から、患者と医師が現場でオンラインか対面かを柔軟に選択できる制度整備の検討が求められるという意見が報告されております。 私は、僻地や準僻地に限らず、オンライン診療によって、自宅にいても診療してもらえる可能性が広がることで、特に、外出が難しく待合室で長時間待機することがつらいお子さん連れの方にも対面診療の回数の軽減による移動の負担減も図れるのではないかと考えます。 このたびの実証事業の成果とこれらの取組を踏まえたオンラインを活用した遠隔医療のさらなる充実について、県としてどのようにお考えでしょうか、御見解をお伺いいたします。 臨時食品営業の届出について質問いたします。 コロナ禍を経て、最近はまた地域での様々なイベントが行われるようになりました。 運動会や夏祭り、ハロウイーンのイベントや地酒横丁、ビアフェスティバルなど多くの来場者の皆さんでにぎわう様子は、地域に笑顔と明るい声が戻ってきたことを実感いたします。 このような地域のイベントの中で、飲食物の調理・提供を行う際、原則、食品衛生法に基づく食品営業許可が必要でありますが、山口県では、それが臨時食品営業に該当する場合は、一定の条件の下で、届出営業として認められております。 この届出制度での臨時食品営業では、地域における諸行事に付随して、その行事の開催期間中に限って開設される営業のことを言い、届出営業の対象となる出店行事の範囲や業種と提供可能な食品が示されております。 このたび、臨時食品営業の届出に当たってイベントを開催したいとする様々な団体の皆様から御意見を頂きました。 その一つに、県がホームページで掲載している臨時食品営業を行う場合の注意事項で明記されております提供可能な食品が分かりづらいという御意見です。 そこで、業種のみならず、もっと煮物類や焼き物類、揚げ物類、飲料類といった分類名や、おでん、焼き鳥、フライドポテト、コーヒーといった品目名の例示を出すことを御検討いただけないかと考えます。 例えばですが、広島市保健所が公表している、臨時店舗や地域活動等での食品の提供についてというガイドでは、調理の品目例として取扱いを認める品目例の分類と取扱い条件、品目例を明記しています。また、条件つきで取扱いを認める品目例や取扱いを認めない品目例には、その基準も明記されております。そして、販売を行う場合の取扱い条件についても、販売品目と販売に係る注意事項を明記されております。 イベントの主催者や出店者の方々からも、コロナ禍で中断されてしまったイベント開催のノウハウも失われており、現行の注意事項だけでは、何がよくて何が駄目なのか、情報が少ない中で、保健所の担当の皆さんと細かくやり取りしていくのが大変であること、調整に時間がかかってしまうとのことで、先に詳しく明記していただけたらありがたいというお話がありました。 また、届出営業は、あくまでも地域における諸行事に付随して開設される営業となっていますので、地域の活性化を目的とした飲食を主とするイベントについても臨時食品営業の対象となるよう御検討をいただきたいと考えます。 飲食を主とするイベントでは、その土地ならではの食の魅力から集客が図られ、交流人口の増加や山口県の食文化が広がることにつながります。 もし、対象が広がれば、地域の盛り上がりにつながるものと考えますが、その一方で、最近ニュースになる機会が増えている食中毒発生の可能性が高まるおそれもありますので、届出営業に係る衛生監視及び指導・助言についても、併せて、より力を入れていただきたいと考えます。 そこでお尋ねいたします。臨時食品営業の届出について、県として、今後どのように運用されていくお考えでしょうか、御見解をお伺いいたしまして、私の一般質問を終了いたします。 ありがとうございます。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)福田議員の御質問にお答えします。 まず、冒頭に誕生日のお祝いの言葉を頂きました。誠にありがとうございました。また新たな気持ちで頑張りたいと思います。 頂いた御質問のうち、私からはスタートアップ支援についてのお尋ねにお答えします。 深刻な人口減少や少子高齢化に直面する本県において、経済の縮小が懸念される中、社会課題の解決や経済成長の担い手となるスタートアップを育成することは、本県経済の活性化や雇用の拡大を図っていく上で重要であると考えています。 県では、これまで、スタートアップを目指す起業家のビジネスモデルの確立や投資家とのマッチング支援を行い、その結果、県内企業が地元のベンチャーキャピタルからの投資を受けるほか、起業家万博での表彰や国の大規模実証事業に採択されるなど、成果も現れています。 こうした中、国においては、昨年十一月にスタートアップ育成五か年計画を策定し、人材やネットワークの構築、資金供給の強化などを取組の柱として、官民一体となり、スタートアップの創出に向けた諸施策を展開しています。 私は、こうした国の取組等を踏まえ、やまぐち未来維新プランに急成長が期待されるスタートアップ企業の支援を重点施策として位置づけ、起業人材の育成や事業化に向けた資金獲得、関係機関との支援体制の構築など、スタートアップ支援の取組を強化しているところです。 まず、起業人材の育成については、将来に向けてスタートアップを継続的に輩出していくため、高等学校等における起業家教育をはじめ、起業するまでのステップを体系的に学ぶプログラムを実施することにより、職業の選択肢として起業を志す若い人材の増加を目指します。 次に、事業化に必要な資金獲得支援については、ベンチャーキャピタル等とのメンタリングを通じたビジネスモデルの磨き上げにより、全国規模のピッチコンテストへの出場による投資の喚起を図り、資金調達につなげていくこととしています。 さらに、こうした取組を効果的に推進するため、県内の大学や金融機関等による産学公金連携の支援体制を活用し、各機関の支援メニューを有機的に結びつけて提供することにより、スタートアップを目指す方に対して最適な支援を行ってまいります。 私は、今後とも、起業意欲を持つ人材が積極果敢に挑戦することができるよう、本県産業の起爆剤となるスタートアップの育成に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)小関産業労働部長。 〔産業労働部長 小関浩幸君登壇〕 産業労働部長(小関浩幸君)山口県立東部高等産業技術学校についてのお尋ねにお答えします。 労働力人口の減少が進む中で、地域産業の持続的な発展を図るためには、地元企業の人材ニーズを踏まえた質の高い産業人材を育成し、県内就職につなげることが重要です。 このため、高等産業技術学校において、地元企業のニーズを踏まえ、新卒者や離転職者等を対象に職業訓練を実施し、多くの優れた産業人材を地域に輩出しています。 具体的には、周南地域に位置する東部校では、化学分野をはじめとする製造業のニーズに対応できるよう、プラントの設計・製造やメンテナンスを中心に、技能の習得や関連資格の取得、キャリアアップを目指して、多様で効果的な訓練を実施しています。 また、近年の機械加工分野におけるデジタル化の進展や、地元企業からの要望を踏まえ、本年度、東部校に機械デジタル科を設置したところであり、デジタル革新に対応できるものづくり人材の育成に取り組んでいます。 さらに、現場におけるデジタル技術の基礎知識の一環として、ドローン活用に係る研修を実施しています。 ドローン免許の取得に向けては、今後、地元企業や離職者等のニーズを踏まえながら、必要な対応について検討してまいります。 お示しの半導体・蓄電池分野については、今後、人材不足が懸念されることから、本年設置した、やまぐち半導体・蓄電池産業ネットワーク協議会に参画している高等教育機関との役割分担を踏まえ、東部校での関連部品の製造技術などの訓練について検討してまいります。 県としては、今後も社会変化や地域の要望・ニーズに的確に対応し、訓練科の見直しや訓練内容の充実を図りながら、地域で必要とされる優秀な人材を育成して、地域産業の発展に貢献できるよう取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)多胎児の家庭に対する支援についてのお尋ねにお答えします。 多胎児のいる家庭は、同時に二人以上の妊娠・出産・育児をすることに伴う身体的・精神的な負担が大きく、また、社会からも孤立しやすいことから、妊娠中から保護者に寄り添ったきめ細やかな支援を行うことは重要です。 このため、県では、各市町が行う産前産後ケアの充実が図られるよう、市町の担当者等の専門的知識や技術の向上に向けた研修会を開催するとともに、各種会議等において、県内で行われている多胎児支援の取組についての事例発表や意見交換を行うなど、情報の共有化を図っています。 また、多胎児は、低体重で出生するケースが多く、その保護者は子供の成長や発達に不安を抱えているため、昨年度、低体重で生まれた子供の一人一人の成長に合わせて発育状況等を記録することができる手帳を作成したところであり、その活用により、保護者の精神的な負担の軽減を図っています。 加えて、民間資金等による子ども・子育て応援ファンドを活用し、多胎児家庭を応援する活動を行っている団体に対し助成を行うことで、社会から孤立しやすい多胎児家庭の交流の場づくりを支援しています。 今後は、こうした取組に加え、医療機関や市町の母子保健担当者が参加する連絡調整会議を県内三ブロックで開催し、市町の連携・共同による多胎児家庭への支援の取組が進むよう助言を行うとともに、市町の状況に応じた必要な調整をしてまいります。 県としましては、多胎児の家庭をはじめとした子育て家庭が安心して子供を産み育てていけるよう、市町や関係団体と連携し、子育て家庭に寄り添った支援の充実に取り組んでまいります。 次に、オンラインを活用した遠隔医療のさらなる充実についての二点のお尋ねにお答えします。 医療資源が限られた地域においても、必要な医療が提供できる体制の確保・充実を図ることが重要であることから、県では、保健医療計画に基づき、離島などの僻地においても十分な医療が提供できるよう、オンラインを活用した遠隔医療の普及促進に努めているところです。 まず、高画質モバイル中継装置を活用した実証事業における成果や課題等についてです。 県では、離島などの僻地において、持ち運び可能な中継装置を使用し、離島等に滞在する看護師から僻地医療拠点病院の医師に、高解像度の映像を送り、皮膚の状況や傷口の回復状況を診察するなど、遠隔医療の実証に取り組んだところです。 その成果として、5G環境と同様に高画質で遅延なく動画を送ることが確認されたことから、僻地においても、技術面では対面医療と遜色ない診療が可能であることが実証できたと考えています。 実証に協力いただいた患者からは、オンラインでも医師と会話でき安心して診療を受けることができたとの声も頂いており、また、拠点病院の医師からも、手術を受けた患者が退院して離島に戻った後も、継続して経過観察ができるなど、一定の評価を得たところです。 こうした成果を踏まえ、遠隔医療の社会実装に移行したところであり、市町や医療機関に対し、有効性を周知するとともに、導入経費が高額であるなどの課題もあることから、県としては、通信機器等の導入支援を行うなど、僻地における遠隔医療の普及促進を図っているところです。 次に、オンラインを活用した遠隔医療のさらなる充実についてです。 厚生労働省が本年六月に策定した、オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針では、オンライン診療は、患者の継続治療や医師の負担軽減の観点から有用である一方で、対面診療が基本であることから、両者を適切に組み合わせて行うよう示されています。 県としては、まずは医療資源が特に限られた離島などの僻地において、オンラインを活用した遠隔医療の普及促進を図るとともに、国の動向を把握しながら、引き続き関係市町や医療機関と連携・協力して、地域医療提供体制の充実に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)臨時食品営業の届出についてのお尋ねにお答えします。 飲食物の調理・提供を営業として行う場合には、原則として、食品衛生法に基づく営業許可を受ける必要があります。 一方、本県では、縁日や地域の祭りなど、地域における諸行事に付随した食品の提供については、臨時食品営業取扱要領に基づく届出により実態を把握し、食品の衛生的な取扱い等、必要な指導を行っているところです。 こうした中、コロナ禍を経て、県内各地で地域振興イベントや物産フェアなど、食品の提供を伴う多くの催しが行われるようになり、届出の窓口となる保健所には様々な相談が寄せられています。 このため、保健所では、臨時食品営業の対象となる行事の種別や提供可能な食品の分類・品目などについて、丁寧な説明に努めるとともに、相談の内容に応じた適切な指導・助言を行っているところです。 このうち、臨時食品営業の対象となる行事については、イベントの主体や目的などが多様化している現状を踏まえ、現在見直しを検討しており、要領の改正に向けて各保健所への相談状況や他県の取扱い等の整理を進めています。 また、提供可能な食品を示した御指摘の、臨時食品営業を行う場合の注意事項の内容については、具体的な食品の分類名や品目、取扱い上の留意点等も示し、より分かりやすいものに見直していきたいと考えています。 さらに、臨時食品営業における食中毒は、本県では近年発生していませんが、届出時の指導・助言や必要に応じた現地での監視指導により、引き続き食中毒の発生防止に努めてまいります。 県としては、地域の慣習や地域振興にも配慮しつつ、臨時食品営業における食品の適切な衛生管理が図られるよう、しっかりと取り組んでまいります。