1 介護・障害福祉・医療分野の職員処遇改善について 2 性の多様性と格差について 3 マイナンバー制度について 4 学校教育について 5 上関町における原子力施設計画について 6 その他
議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 社民党・市民連合の中嶋です。通告に従い、質問いたします。 まず、高齢化の進展により、医療・介護の需要は急速に増加しています。地域医療や介護サービスの提供を支える医療・介護人材の確保が不可欠であります。しかし、事業者における医療・介護人材の確保は困難な状態が続いており、特に介護人材は、賃金が低いことやキャリア形成を十分に行う労働環境が整備されていないことなどから、確保するのが難しい状況であります。 厚労省調査によっても、二十二年の介護職員の賞与を含めた一月当たりの平均給与は二十九万三千円、看護補助者は二十五万五千円で、全産業平均三十六万一千円との差は大きく、全国老人保健施設協会などによると、介護職員の二十三年度の賃上げ率は一・四二%で、今年の春闘での平均賃上げ率三・五八%を大きく下回る状況です。 特に、介護分野では、低賃金のために他産業に移る人が後を絶たず、離職者数が右肩上がりで増加している状況です。 こうした状況を踏まえ、政府は十一月二日、総合経済対策、デフレ完全脱却のための総合経済対策を閣議決定し、二〇二四年度の医療・介護・障害福祉サービス等報酬の同時改定での対応を見据えつつ、喫緊の課題に対応するため、人材確保に向けて賃上げに必要な財政措置を早急に講じるとし、春闘における賃上げに対して介護業界の賃上げが低水準であることを踏まえ、必要な人材を確保するため、令和六年の民間部門における春闘に向けた議論に先んじて、さらなる処遇改善を行う。収入を二%程度、月額平均六千円相当を引き上げるための措置を、令和六年二月から前倒しで実施するために必要な経費を都道府県に交付するとして、介護職員処遇改善に三百六十四億円、障害福祉サービス事業所における福祉・介護職員の処遇改善に百二十六億円を、また、医療分野では他の産業に賃上げが追いついていない現状を踏まえ、緊急の対応として、他の職種より給与水準が低く、人材確保や定着が困難な看護補助者の処遇改善を目的に、収入を引き上げるための措置を実施するために必要な措置を、これまた都道府県に補助するとして、看護補助者の処遇改善に四十九億円を、令和五年度補正予算でそれぞれ示しています。 そこで、介護事業所及び障害福祉サービス事業所等は、まず、県に処遇改善計画書等を提出して申請することからスタートすることになっていますが、この事業が真に有効に利活用されるために県はどのように取り組まれるのかお聞かせください。 一方、病院に勤務する看護補助者は看護師長及び看護職員の指導の下、食事、清潔、排せつ、入浴、移動等の療養生活上の世話など、介護事業所に勤務する介護職員と同様の業務も行っておられます。医療機関において看護補助者の必要性は既に定着しています。 看護職員の負担軽減のため設けられた急性期看護補助体制加算や看護補助加算において、令和四年度入院・外来医療等における実態調査、病棟看護管理者票というそうですけれども、の調査結果として新たなデータが示され、看護師の業務負担軽減策としての看護補助者の業務分担について、効果がある、どちらかといえば効果があるの回答が九〇%超となっています。 しかし、医療機関に勤務する看護補助者数は二〇一四年度以降減少し続けており、定着が困難な看護補助者の処遇の改善は喫緊の課題であります。 看護師不足も課題となる中、給与水準の引上げや処遇改善により看護補助者の確保・定着が促進され、看護師から看護補助者へのタスクシフトシェアが円滑化することで、現場における効果的かつ質の高い医療の提供が期待されています。 こうした点からも、今回の施策は歓迎すべきもので積極活用すべきと考えますが、県の具体的御所見をお聞かせください。 なお、公立医療機関の場合は、今年度中に給与引上げ条例改正案及び補正予算案の議会提出が必要になりますが、この点も併せて県の御所見をお聞かせください。 二つ、性の多様性と格差について。 我が国の男女格差はなぜ大きいのか。世界経済フォーラム発表によると、今年のジェンダーギャップ指数は、百四十六か国中百二十五位です。 教育・健康分野と比べると、政治・経済分野における格差が際立っています。この数値が語る実態が、最優先の政治課題にならないこと自体が問題ではないでしょうか。ジェンダー視点に立脚した構造的格差の分析が必要です。 雇用などの際に、事業主による性別を理由にした差別を禁止した法律である、男女雇用機会均等法が成立したのは一九八五年、男女共同参画社会基本法は一九九九年、女性活躍推進法は二〇一五年、政治分野における男女共同参画の推進法は二〇一八年、今年はLGBT理解増進法も成立、振り返ると法の理念と実態との乖離が積み重ねられて今日に至っていることがよく分かります。 性といえば、つい男女二つの性を思い浮かべてしまいがちで、法における性の位置づけも同様であろうかと思われます。しかし、近年、性は男女の二元論で語られるものではないことが社会常識になりつつあり、LGBTQ概念の登場は、性を捉まえる意識を劇的に、かつ大胆に変えてきています。男女二元論に違和感を抱いていた潜在的多数派の感覚は間違っていなかったのです。 男か、女かという二分類に、肉体的・精神的な科学的根拠を見いだせなくなったことも大きい。男女でなく、無限の性が両極の間にグラデーションのように存在することが明らかになっています。男女二つの性に基づく固定的役割分担や格差に苦悩する人々は、想定以上に多かったと考えられます。 近代における男女二元論によるジェンダー政治にこそ問題の淵源があったと言えます。歴史的に見れば、多様な性の在り方を発見することができるにもかかわらず、近代国家を支える家父長制度には、男女の固定的役割分担を定めたジェンダーイデオロギーが必要不可欠であった。特に、戦争や経済には、男女の差別と分断イデオロギーが突出しています。 多様な性を認めず、性を制度として統制し構造化するためには、男女二つの性が前提条件として必要とされたのです。よって、法的に性別を変えるには困難を極め、人権を損なう手術、生殖機能をなくすが課せられていた。さすがに、今年十月二十五日、最高裁はこの性同一性障害特例法の要件を憲法十三条違反としました。画期的な決定と言えます。 そこで、パートナーシップ宣誓制度についてお尋ねです。 六月県議会で、この制度について村岡知事は、公明党の石丸県議の代表質問に対して、導入するかどうかを含め、ワーキンググループにおいて検討していきたいと答弁されました。 今や十九都府県が導入、日本全体の人口に対するカバー率はもはや七五%を超えています。いまだ導入されないのは何か隘路があってのことなのかを含め、改めて県の御所見をお聞かせください。 次に、持続可能な社会には物資の生産のみならず、人間の再生産が必要不可欠です。出産にまつわる関係性は、持続可能性を確保するためにどのような制度設計がなされてきたのでしょうか。社会を支えるための人口をどう維持するのか、責任と負担の偏りが限界に達しつつあるのが今日の少子高齢化社会であることは確かだと思います。 産めよ増やせよとあおってみたり、子供は二人までと制限をかけたりと、国家と人口の関係は切り離せないだけでなく、権力の内面化を伴う極めて複雑な問題を宿命のように持っています。 産む性であるがゆえに、女性は家父長制度の下での保護が図られてきました。非正規労働者の七〇%が女性かつ低賃金であるが、所得税の配偶者控除や年金の第三号制度で守るという論理です。 その一方、母子家庭や単身非正規低賃金労働者は、格差と貧困のただ中に置かれたままである。そして、家事、育児、介護等、家庭における無償の愛に基づく労働が女性にあてがわれてきました。しかし、労働者不足が深刻な昨今、税や年金制度の変更は確実視され、女性の労働力を有効活用しようという潮流になっています。 このような折、労働市場での性差における経済格差の研究者、アメリカ・ハーバード大学教授のクラウディア・ゴールディン氏が、今年のノーベル経済学賞を獲得したことは偶然とは思えません。ジェンダー視点の経済学への期待が高まり、ジェンダー平等と人権に基盤を置いた思想・施策が求められています。 そこで、非正規公務員の約八割が女性、公募制度でも女性が雇い止めになることが多い、仕事の質や熱意、市民対応のよしあしで評価されず、単に一年たったから後任を公募する、このような会計年度任用職員に関し、本議会に議案第十一、十二号が提案されており一定評価いたしますが、この際、公務職場における会計年度任用職員の正規化含め、抜本的処遇改善にジェンダー平等の視点を持って取り組むべきと考えますが、県の御所見をお聞かせください。 三点目です。 マイナンバーやマイナンバー保険証について、いろんな問題が発生し、多くの報道がされています。私たちの生活で信頼して身を委ねてきた医療機関で、マイナ保険証による多くのトラブルが発生し、多くの人々が不安を感じています。 マイナ保険証が窓口で使えず、医療費の十割を負担させられたり、別人の診療内容が閲覧され、命に関わるようなトラブルが発生しました。実際に、六割以上の医療機関でマイナ保険証のトラブルがあったと報告されています。 また、コンビニ交付では、他人の証明書が出力されたり、公金口座では、マイナンバーが十三万人の別人の口座にひもづけされ、実際に公金やマイナポイントが別人に振り込まれたという実害が報告されています。 マイナンバーやマイナ保険証は多くの人々と医療機関から信用を失っています。これらは人為的なミスで片づけられることではなく、法制度やシステム上の不具合が顕在化したものです。 このような状況下にありながら、今年六月二日、マイナンバー制度始まって以来の仕組みの大きな変更が行われ、成立した改正番号法では、大きく三つの改正が行われました。 一つ、個人番号の利用事務を社会保障、税、災害対策の三分野以外の行政分野に拡大すること、二つ、個人番号の利用を法律で限定列挙する事務以外に準ずる事務でも可能にすること、三、情報連携の対象事務の法定をやめ、準ずる事務を含む利用事務であれば、主務省令に規定することで情報提供を可能にするということです。 簡単に言うと、政府が決めたらどんな分野の個人情報でもマイナンバーにひもづけることができるという法整備をしたということです。 法整備をしたが、さすがに顕在化した多くの問題点を残したままでは問題であると考えたためか、国はマイナンバーに関する二十九項目に関して、岸田首相は総点検し、結果を十二月上旬に取りまとめるよう関係閣僚に指示していますが、総点検とは名ばかりで、根本的・実際的な点検になっていないようです。 そこで、保険医の医師や歯科医師で構成される全国保険医団体連合会のアンケート結果では、保険証廃止に反対六五%、マイナ保険証で四〇%がトラブルを経験、九〇%がシステムの必要性なしと回答とのことです。 また、マイナ保険証と一緒に出す書類が、資格情報のお知らせなど続々とできる、医療機関に行って一枚で済まない、だったら今の健康保険証を残せとの声はますます広がっています。 まずは、こうした声に対する県の認識をお聞かせください。 これらを踏まえて、マイナ保険証への一本化に対し、現在の健康保険証の存続を国に強く求めるべきと考えますが、県の御所見をお聞かせください。 次に、GIGAスクール構想により、教育現場の基盤整備をすることには、多くの人の賛同が得られると思っています。 しかし、二十二年に公表されている教育データ利活用ロードマップ、これにはデジタル庁、総務省、文科省、経産省も関わっているようですけれども、これには子供のときの成績、学習態度、使用した学習教材、身体検査など、子供の教育現場におけるあらゆる個人情報をデータ化し、生涯教育も含めて将来にわたって蓄積するように計画されています。蓄積されたデータは、民間活用するとまでしています。これらにマイナンバーをひもづけることを計画されています。教育分野をマイナンバー制度とひもづけることについて、県教委の御所見をお聞かせください。 四点目です。学校教育について。 文科省の誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランによると、小・中・高の不登校が約三十万人に急増し、九十日以上の不登校であるにもかかわらず、学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けられていない小中学生が四・六万人に達しているとしています。山口県に当てはめると四百人規模だと思います。 そこで、山口県内でのこのような児童生徒についての現状と認識についてお伺いします。 文科省では、一つ、不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整える、二つ、心の小さなSOSを見逃さず、チーム学校で支援する、三つ、学校の風土の見える化を通じて、学校をみんなが安心して学べる場所にすることにより、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現するとされています。 市町では、宇部市のように不登校の児童生徒を対象に、ふれあい教室を設置されています。小学校、高等学校に比べて異常に高い出現率の中学校ですが、そのことをどのように認識し、市町への支援をどのようにされているのかお伺いします。 山口県教育振興基本計画、二十三年度から二十七年度では、社会の多様化と子どもの権利利益の擁護という項目の中で、社会の多様化が進む中、誰一人取り残されることのない共生社会の実現が重要、子供たちの抱える困難が多様化・複雑化し、個々の状況に合わせた教育環境の整備が求められている、二〇二三年四月に施行された、こども基本法を踏まえ、子供の意見を考慮した施策の展開が必要であるとされています。 そうであるならば、なぜこれまで小規模校・分校の募集停止がされてきているのでしょうか。生徒の個々の意見を考慮すれば、大規模校よりも小規模校・分校を希望している生徒の権利利益の擁護が最優先されるべきであり、募集停止などは基本計画の目標に反し矛盾していると考えますが、県教委の見解をお伺いします。 高等学校の中途退学者数は、中途退学率一・一%、三百七十一人いるという現実があり、不登校と合わせると延べ七百人を超える生徒が教育の機会を享受できていません。と同時に、昨年の宇部西高校、高森みどり中学校、今年の周南地域と柳井地域の五校を二校にすることに対して、地域に親しまれ地域の活性化につながっている学校の廃止に反対をしている県民の方が多くおられます。 今議会にも、熊毛北高校の存続を求める請願書が提出され、請願者代表の方は、JR岩徳線を利用して通学する生徒がいなくなれば鉄道の廃線につながりかねず、地域住民にとって死活問題だ、などと危惧されながら請願書を提出されました。 これからの日本の社会を築く生徒たち、地域の活性化のことを考えれば、これ以上の公立高等学校の小規模校・分校の募集停止はすべきではありません。 生徒、保護者、また地域の方の声を高校再編整備計画にどのように反映されてきたのか、県教委の見解を改めてお伺いします。 県教委は、大規模校にすることによって、お互いが切磋琢磨して能力向上が図れると言われていますが、現場で教鞭を取っておられる先生方からは、大規模校で不登校あるいは中途退学の生徒が増えているという話を伺っています。現状認識をお聞かせください。 全国の不登校児童生徒の不登校対策に取り組んでおられる方からは、学校での居場所づくりと同時に、学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の取組が今まで以上に必要であると言われています。今後、県教委は市町と共に、このことに関しどのようにされていかれるのかお伺いいたします。 また、近い将来、廃校が決定されている公立の高校の小規模校・分校をこの、学びの多様化学校に再編することが必要であると思いますが、県教委の見解をお伺いします。 五点目です。 上関原発の位置づけは、二井元知事の六分野二十一項目の意見書の提出をもって知事同意と受け止められ、法に基づき二〇〇一年に電源開発基本計画に組み入れられました。それが、二〇〇四年九月十日の単なる閣議了解に従い、重要電源開発地点の指定に関する規程が二〇〇五年二月十八日付で定められ、しかも、地点の指定の特例として、附則第二条に、経済産業大臣は、現に二〇〇二年度電源開発基本計画に含まれている電源であって、第二条に規定する対象電源については、第四条第一項から第五項までの規定にかかわらず、重要電源開発地点として指定することができるとされています。 したがって、この規程第四条の三の定め、資源エネルギー庁長官は、第一項の申請があった場合には、あらかじめ重要電源開発地点の指定が行われる前に申請された地点の所在地を管轄する都道府県知事に対して、申請された地点に係る意見の照会を行わなければならない、が空文化され、上関原発が重要電源開発地点に指定されてしまっています。しかも、指定の期間は、第六条で、指定を行った日から運転を開始した日までとするとされてしまっています。 そこで、こうした重要な変更に対して、本県に国から意見照会もなかったことに対する県の認識を改めてお聞かせください。 また、原子炉設置許可申請の審査の棚上げ状態が十年以上続き、設置許可が出てもいない段階にもかかわらず、国から、地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除する考えはないとの見解が示されていることをもって、国のエネルギー政策における上関原発の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであると認識していますとの答弁が繰り返されていますが、建設計画の見通しに対する県の具体的根拠にはなっていません。具体的根拠についてお聞かせください。 上関原発建設が必要だとした主な理由の一つは、当時の電力需要で、電力不足解消のための電源開発が必要だとされてきました。決算特別委員会資料によっても、県内の電力需要量は、令和四年度は千百二十三万四千八百六十四メガワットアワーであり、平成二十二年度比八六・六%にまで減少しています。 加えて、福島事故前の原発一基当たりの建設費は約四千五百億円程度と言われていたものが、我が国では近年新設例がないものの、海外の新規原発は一兆円超と言われているほど、採算性にも状況変化が起きています。 こうした状況変化などを踏まえた上での、上関原発建設の県の見通しに関する認識をお聞かせください。 そもそも、上関原子力発電所計画に係る知事意見のチェックはどのように行ってこられたのでしょうか。特に、六分野二十一項目の要請事項に対するこの間の具体的な検証・評価についてお聞かせください。 次に、原発を稼働・発電すれば、必ず核のごみは出ます。使用済核燃料の中間貯蔵問題に直面している関西電力に対し、歴代の福井県知事は、一九九七年以降、使用済核燃料の中間貯蔵施設は、県外への立地を求め、原発サイト内への設置を拒否しています。 例えば、福井県の西川前知事は、サイト内貯蔵、中間貯蔵では、雇用も生まれないし、税収増にもつながらないとして、自身の最大の後援者の福井商工会議所の川田達男会頭の、中間貯蔵も最終処分も全く見通しが立たない、貯蔵ビジネスと捉まえて意識転換しないと進まないぞ、との提案も退けられています。 さらに、二〇〇四年に美浜町が誘致を表明、二〇一七年には高浜町長が敷地内での乾式貯蔵を検討、それらを西川前知事は許されていません。 原発を十五基も受け入れてきた、事あるごとに国の振興策を引き出すことを増設や「もんじゅ」の運転を認める交換条件にしてきた、あの福井県の歴代知事でさえも使用済核燃料の中間貯蔵だけは避けた。それは、さすが福井県知事でも最終処分地になることをおそれ、金にもならないことも熟知されていたからです。 杉本現福井県知事も、この十月十三日に関電のロードマップは受け入れて、三基の原発の運転を認めましたが、ロードマップどおりにいかない場合は例外、原発サイト内貯蔵もあり得るという関電の主張を、例外はないとはねつけています。 海千山千の福井県の政治家でさえも忌避している厄介者の使用済核燃料中間貯蔵施設、今まさに、村岡知事の政治姿勢が問われています。 上関で受け入れるおつもりなのか、村岡知事のお考えをお聞かせいただきたいことで、第一回目の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中嶋議員の御質問のうち、私からは、介護・障害福祉分野の職員処遇改善についてのお尋ねにお答えします。 高齢化の進行により介護ニーズが増加し、また、障害福祉サービス等の充実が求められている中、福祉・介護人材を安定的に確保するためには、職員の処遇改善を図ることが重要です。 このため、県では、これまでも、市町や関係団体等と連携し、国の福祉・介護職員処遇改善加算制度等の活用により、賃金の改善が図られるよう、施設管理者向けの研修、社会保険労務士などの専門的な相談員の派遣等を通じて、事業所に対する制度の周知や助言に努めてきたところです。 このたびの国の処遇改善事業については、現時点において具体的な事業内容は示されていませんが、既存のベースアップ等の支援加算に上乗せする形で行うものとされていることから、まずは当該加算の取得促進に努めてまいります。 私は、引き続き市町や関係団体等と緊密に連携しながら、処遇改善の支援に努め、福祉・介護人材の確保に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)性の多様性と格差についてのお尋ねのうち、会計年度任用職員についてお答えします。 会計年度任用職員の任用や給与等の処遇については、制度の趣旨や国の事務処理マニュアル等を踏まえ、適切に運用しているところです。 また、正規職員の配置については、その業務の量や性質等を踏まえた上で、適正に行っているところであります。 県としては、引き続き、会計年度任用職員の任用等について、その性別にかかわらず、適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)介護・障害福祉・医療分野の職員処遇改善についてのお尋ねのうち、看護補助者の処遇改善についてお答えします。 先月示された国の経済対策においては、看護補助者の処遇改善事業が国の補正予算に計上されていますが、現時点、詳細な内容が示されていないことから、国の動向を把握して対応してまいります。 また、公立医療機関における対応については、国の事業内容を踏まえ、各設置者で適切に対応されるべきものと考えています。 次に、マイナンバー制度についてのお尋ねのうち、マイナ保険証についてです。 県内も含め、医療機関において、受診の際にトラブルが発生していることは承知しておりますが、制度を所管する国において、その解消や国民の信頼確保に向け、登録データの確認やマイナンバーカードを持たない方への資格確認書の交付など、対策が進められています。 また、国は、受診履歴に基づく質の高い医療の実現など、マイナ保険証の制度やメリットが十分に浸透していないことから、国民、医療機関への普及啓発や利用の促進にも取り組むこととしています。 国は、マイナンバーカードと健康保険証との一体化に当たり、国民の不安払拭を前提に、きめ細やかな対応に努めることとしており、現行の健康保険証の存続を求めることは考えていません。 議長(柳居俊学君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)性の多様性と格差についての御質問のうち、パートナーシップ宣誓制度についてのお尋ねにお答えします。 県では、性の多様性に関する理解促進に向けた取組を加速するため、本年七月に、関係課で構成するワーキンググループを設置しました。 このワーキンググループでは、県民に向けた理解増進施策や事業主としての県職員への対応等について、当事者団体の意見や他県の例などを踏まえ、検討を進めています。 お尋ねのパートナーシップ宣誓制度についても、導入するかどうかを含め、まずはこのワーキンググループにおいて検討しているところです。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)上関町における原子力施設計画についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、重要電源開発地点の指定に関する手続の制定等の際に、国から意見照会がなかったことに対する県の認識についてです。 重要電源開発地点の指定手続は、平成十五年に、国の電源開発基本計画を規定した電源開発促進法が廃止され、それまで同法が有していた意義や機能を受け継ぐための措置として、エネルギー政策を所管する国の責任において制定されたものであり、県として見解を述べることは考えていません。 次に、エネルギー政策における上関原発建設計画の見通しに関する県の判断の具体的根拠についてです。 重要電源開発地点指定制度は、推進することが特に重要な電源開発の円滑な推進を図るために、閣議了解に基づき設けられた制度であり、その地点指定は、個別の電源開発について、国のエネルギー政策上の位置づけを具体的かつ明確に示すものです。 国は、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていないとの見解を示していることから、県としては、国のエネルギー政策における上関原発の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであると認識しています。 次に、上関原発建設の見通しに関する県の認識についてです。 上関原発建設計画は、事業者である中国電力が国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えています。 したがって、お示しのような状況等を踏まえた建設の見通しに関し、県として見解を述べることは考えていません。 次に、知事意見のチェックについてです。 知事意見のうち安全確保等については、平成二十二年に連絡調整会議を設置し、国の対応状況のチェックを開始しました。 この会議は、福島第一原発の事故以降、上関原発の原子炉設置許可申請に係る国の審査会合が開催されていないことから、現在は開催していませんが、今後、国の安全審査の進捗状況に応じて適切に対応することとしています。 最後に、中間貯蔵施設に対する県の考えについてです。 現在は、あくまでも使用済燃料中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査が実施されているところであり、当該施設に関し、県としての対応を申し上げる状況にはないものと考えています。 議長(柳居俊学君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)教育に関する数点の御質問にお答えします。 最初に、マイナンバー制度についてのお尋ねのうち、教育分野をマイナンバー制度とひもづけることについてです。 現在、国において、学校教育でのマイナンバー制度の活用方策に関する調査研究が行われている段階であり、その状況を注視しているところです。 次に、学校教育に関する御質問のうち、不登校対策についての数点のお尋ねにお答えします。 最初に、山口県内の児童生徒の現状と認識についてです。 国の調査では、本県の令和四年度の小・中・高等学校の不登校児童生徒数は三千三百七十八人であり、このうち学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けられていない小中学生の状況は公表されておりませんが、一定数いることは承知しており、不登校対策は喫緊の課題であると考えています。 次に、中学校の高い出現率の認識と市町への支援についてです。 中学校においては、進学に伴う新しい環境への不適応等の、いわゆる中一ギャップなどにより、不登校の出現率が小学校、高校と比べて高く、対策を講じていく必要があると認識しており、市町に対し、教育相談体制の充実に向けたスクールカウンセラーの配置などの支援を行っているところです。 次に、大規模校における不登校、中途退学の現状認識についてですが、在籍生徒数と不登校生徒数、中途退学者数との間に関連はないと考えています。 次に、学びの多様化学校についてですが、他県の状況等の把握に努めているところであり、引き続き、市町教委と連携し、設置の可能性を検討していくこととしています。 次に、小規模校・分校の学びの多様化学校への再編についてですが、現在進めている県立高校の再編整備の中で、高校を学びの多様化学校へ再編することは考えておりません。 次に、高校再編整備計画についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、小規模校や分校の募集停止などは、山口県教育振興基本計画の目標に反し、矛盾しているのではないかとのお尋ねについてです。 県教委では、本県の将来を担う子供たちに、より質の高い高校教育を提供できるよう、山口県教育振興基本計画の目標を踏まえながら再編整備の検討を行っており、御指摘は当たらないと考えています。 次に、生徒、保護者、地域の方の声を高校再編整備計画にどのように反映してきたのかとのお尋ねについてです。 再編整備計画については、パブリックコメントや地域説明会などを通して、広く県民の方々から御意見をお聞きしながら策定をしてきたところです。 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 再質問いたします。 関電によると、使用済核燃料中間貯蔵施設の立地条件は、福井県外を原則として、一、広大な敷地、二、安定した地盤、三、港湾などのインフラ整備を挙げ、シンポジウムにて、国と連携をして中間貯蔵施設の必要性・安全性等について丁寧に説明するなど、関電は福井県外への自治体などへの訪問説明を二〇一五年十一月末現在で二千八百回以上行ったが、海外、県外貯蔵、めど立たずと報道があります。 隣接した京都府の舞鶴市や宮津市には港や関電の施設があるなど、適地であるにもかかわらず、両市の市長とも断固拒否されています。 宮津市においては、ふるさと宮津を守り育てる条例を二〇一五年に制定され、核燃料物質を貯蔵等の施設を立地しようとする者は、市長の許可を受けなければならないとまで、拒否の姿勢を鮮明にしておられます。 関電の電気消費地でもない山口県が、なぜに関電の使用済核燃料の受入れを断ると言われないのか、再度知事にお伺いをいたします。 次に、会計年度任用職員。一年単位の仕事だと言われますけれども、スキルを要する長期間の仕事じゃないですか。毎年履歴書を出し、面接を受け、そして毎年毎年一か月の試用期間まである。公募制だと、公募によらない再度の任用回数は国で一律に制限を設けているわけではないと言われながら、すぐに平等取扱いの原則や成績主義を持ち出す。これって本当に実態と合わないと思いますが、いかがでしょうか。 期末手当を出す代わりに賃金が下がった例、十月から最低賃金が九百二十八円になり大慌てをした市町の例があることを御存じでしょうか。今議会の議案第八号、九号の施行期日は令和五年四月一日から遡及、議案第十号は令和五年十二月一日から適用ですが、会計年度職員に係る議案第十一号、十二号では勤勉手当の支給についてはさりとて、報酬の引上げも令和六年四月一日にする、四月に遡及しない、これって差別そのものじゃないですか。 改めてお伺いして、再質問といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)会計年度任用職員についての三点の再質問にお答えを申し上げます。 まず、会計年度任用職員については、一年単位の仕事ということであるけれども、スキルを要する長期間の仕事ということで、毎年の履歴書提出、面接、毎年一か月間の試用期間があるという運用については、これは実態に合わないと思うがいかがかというお尋ねが、まず最初の御質問でありました。 先ほども御答弁申し上げまして、繰り返しとなりますけれども、会計年度任用職員の任用や給与等の処遇については、制度の趣旨や国の事務処理マニュアル等を踏まえて適切に運用しているところであります。 それから二点目は、期末手当を出す代わりに賃金が下がった例があって、最低賃金が九百二十八円になって大慌てした市町がある例を御承知かというお話がございました。これについて、他団体の事例については詳細は承知をしておりません。 それから次に、今回の議案第十一号、第十二号について、報酬の引上げが令和六年四月一日ということになっていることについて、四月に遡及しないのは差別そのものではないかということでの御質問がございました。 本県の会計年度任用職員については、年度当初の任用時に示した給与等の勤務条件を年度末まで適用していくということで運用しております。人事委員会勧告により常勤勤務の給与を改定した場合でも、年度当初に示した給与を年度末まで適用しているということでありますので、四月に遡及して給与改定を行うことは考えておりません。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)上関町における原子力施設計画についての再質問にお答えいたします。 関電の使用済燃料の受入れについてのお尋ねでございますが、上関地点における使用済燃料中間貯蔵施設につきましては、現在はあくまでもその立地が可能なのかどうか調査が実施されているところでありまして、県としての対応を申し上げる状況にはないものと考えています。 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 再々質問をさせていただきます。 会計年度任用職員の報酬についてです。 例えば、四月に遡及させる条例を市町が制定しても、県としては何ら問題ないと思いますけども、この点について伺います。 今年五月、総務省が遡及改定についても、常勤職員と同様に取り扱う旨の要請を通知を出されているではありませんか。何ら問題ない、当然と考えますが、見解をお伺いをいたしたいと思います。 中間貯蔵施設についてでありますけれども、まさに、これは京都府だけではなく、和歌山県の白浜町には関電の火力発電所建設予定地の広大な用地があった。ここも関電は何度も和歌山県に頼まれた。和歌山県の御坊市議会でも誘致の要請があったけれども、これも市民の皆さんが、何でそんなものを受け入れる必要があるのかということで話が立ち消えになっております。 これに関して、和歌山県の当時の県知事は、NUMOが最終処分地の適正マップを公表したときに、うちにはそんな話を持ち込んでもらっては迷惑だとわざわざコメントをされているほど、関電の電気消費地の各県は猛烈な反発を起こされています。それがなぜ山口県に持ち込まれるということに対して、県知事が異を唱えられないのか、意見を述べられないのか不思議でならない。 このことについて再度お伺いをいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)会計年度任用職員についての再々質問、三点ございました。順次お答えを申し上げます。 まず、県内市町が遡及して改定をする条例改正等を行った場合に、県として問題はないのではないかという御質問でございました。 県といいますか、各団体、県内市町がそれぞれの事情を踏まえてどのように判断されるかは、これはそれぞれの団体の判断でございますので、これについて、県として見解を申し上げる立場にはないと考えております。 それから二点目は、国の通知に照らして給与の遡及適用ができるのではないかという御趣旨の御質問だったと思います。 今お示しのありました国からの通知は、今年五月に国のほうから出されたものでありますけれども、その時点においては既に今年度における会計年度任用職員の雇用は行われている状況にございました。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、本県の会計年度任用職員については、その年度当初の任用時において、給与等の勤務条件を示して、年度末までこれを適用するという形で運用しております。 人事委員会勧告により、常勤職員の給与を改定した場合でも、年度当初に示した給与を年度末まで適用しているという実態でございますので、四月に遡及をして給与改定を行うことは考えていないところであります。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)上関町における原子力施設計画についての再々質問にお答えいたします。 繰り返しになりますが、上関地点における使用済燃料中間貯蔵施設については、現在はあくまでもその立地が可能なのかどうか調査が実施されているところであり、県としての対応を申し上げる状況にはないものと考えています。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時三十四分休憩