1 男性の育休取得促進を通じた働き方改革の推進について 2 山口きらら博記念公園の交流拠点化について 3 錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取組について 4 発達障害の子どもの学びの支援について 5 不登校児童生徒への支援体制の拡充について 6 闇バイト対策の推進について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十二号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十二号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 森繁哲也君。 〔森繁哲也君登壇〕(拍手) 森繁哲也君 皆様、おはようございます。自由民主党の森繁哲也です。 今議会も登壇の機会を頂きました、柳居議長をはじめ、議員諸兄姉に心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。 それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。 初めに、男性の育休取得促進を通じた働き方改革の推進について、お尋ねをいたします。 労働力人口の減少が続く中、経済を持続的に発展させるためには、働くことを希望する者全てが活躍できるような環境を整えるとともに、一人一人の生産性を高めていくことが不可欠です。そのため、働く現場における様々な問題を見直すために、働き方改革の取組が進められているところです。 県では、やまぐち働き方改革推進会議を設置し、国や経済団体、金融機関等様々な主体が連携し、普及啓発や機運醸成を進めてこられました。 また、コロナ禍を契機としたテレワーク等の新しい働き方の普及・定着に向けた様々な施策を展開され、こうした流れを仕事と子育て・介護との両立支援や、生産性の向上などにつなげ、多様な人材が活躍できる雇用の場の創出に向け、取り組まれているところです。 これまでの取組を評価するとともに、さらなる取組の拡大を期待していますが、今後の取組において重要なポイントの一つは、昨年の九月議会でも質問をさせていただきましたが、男性の育休取得だと考えています。 昨年十月には、男性の育休取得促進に向け、子供の出生後八週間以内に最大四週間取得できる、通称産後パパ育休制度が開始されました。 また、政府は、本年六月に閣議決定した、こども未来戦略方針において、民間の男性育休取得率の目標を二○二五年までに五○%に引き上げる方針で、その実現に向け、産後の一定期間に男女で育休を取得した場合の給付率を手取り十割に引き上げる考えも示されています。 さらに十一月二日に閣議決定された新たな経済対策では、育児休業を支える体制整備を行う中小企業において、業務を代替する周囲の社員への応援手当の支給への助成を行うなど支援を強化するとしています。 一方で、本県の現状を見ますと、男性の育児休業取得率は、民間企業で一○・九%、山口県職員でも三六・六%となっており、働き方改革や子育てしやすい県づくりを進める県におかれては、一層の取組強化が求められているところであります。 その際は、国の施策との連携はもちろんですが、取得率の増加を目的とするだけではなく、男性の育児への積極的な参加を進め、女性に偏りがちな育児や家事の負担分散や女性の持続的な就業の促進を図って、多くの企業の働き方改革にしっかりとつなげていくことが重要です。 そのためには、制度の浸透が進まない中小企業が抱える課題に、きめ細やかに対応するとともに、短期間のいわゆる取るだけ育休の解消や、社会全体として、男性も育児休業を取り、家事育児を担うことが当然とする意識改革や機運醸成を進めていく必要があると考えます。 そこでお尋ねします。魅力ある職場環境づくりや企業の成長に向け、男性の育休取得促進を通じた働き方改革の推進や社会全体の機運醸成に、さらに取り組む必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、山口きらら博記念公園の交流拠点化についてお尋ねいたします。 私は六月議会において、コロナ後の開放感あふれる大規模イベントを求めている人々のニーズを捉え、山口きらら博記念公園への経済効果の高い大規模イベントの誘致に取り組んでいくべきであると質問をさせていただき、知事からは、公園の優位性をしっかりとアピールし、効果的なセールス活動に取り組んでいく、と力強い答弁を頂きました。 その後、県は速やかに事業者へプロモーション活動を実施され、現在、幾つかの事業者から、公園でのイベント開催について好感触を得ていると伺っています。 また、今年九月には、大規模イベントとして、西日本最大級の音楽フェス、ワイルドバンチフェスや、日本初上陸となる音楽と花火のエンターテインメント、ディズニーミュージック&ファイヤーワークスが開催され、公園内はもちろんのこと、周辺観光地や宿泊施設も県内外からの来場者で大いににぎわったところです。 県においては、海に面した絶好のロケーションにあり、敷地が広大であるなど、高いポテンシャルを有する山口きらら博記念公園を、幅広い世代の県民が集い、交流し、県民の活力を創出・発信するにふさわしい拠点となるよう、やまぐち未来維新プランに重点施策として掲げ、今年度は、本公園の交流拠点化に向け、整備の方向性を示す基本構想を策定することとしています。 また、その策定に向けて、県民の意見等を聴取するため、公園利用者へのアンケートや県民ワークショップの実施、宿泊利用等の実証実験、民間活力導入に向けたサウンディング調査など、様々な取組を実施されています。 私は、新たな公園づくりにおいては、幅広い世代の県民が集い、交流する憩いの場としての機能を拡充させていくことはもちろんですが、高いポテンシャルを有する本公園であれば、今の取組をさらに拡充させ、より多くの様々なイベントに対応することも可能であり、途切れることなく多くの県内外の人々が集いにぎわう、誘客力のある公園を目指していかなければならないと考えています。 県は、本公園の交流拠点化に向けた取組に実効性を持たせるため、昨年度、四十億円の基金を積み立てました。 こうした基金を有効に活用し、ハード・ソフトの両面から思い切った取組を進めていくためにも、県民や民間事業者の意見・知見を十二分に生かし、最新のデジタル技術等も取り入れ、公園のデジタル化も検討しながら、従来の公園づくりの発想を超えた方向性をしっかりと打ち出していただきたいのです。 そこでお尋ねいたします。今後、山口きらら博記念公園について、どのような公園を目指し、交流拠点化に取り組んでいこうとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取組について、お尋ねをいたします。 本県が誇る国名勝錦帯橋は、今年創建三百五十年を迎え、世界文化遺産登録に向けた機運がこれまで以上に高まっています。 先月二十三日には、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議イコモスでも活躍される海外専門家を招いたシンポジウムが、岩国市において二百名を超える参加を得て開催され、錦帯橋の持つ歴史的な価値やポテンシャルについて活発な議論が行われたところであります。 シンポジウムに先立って行われた海外専門家による現地視察においても、五連の木造アーチが世界に類を見ない唯一無二の木造の橋であると同時に、貴重な図面や建築技術が何世紀にもわたり脈々と受け継がれており、創建当時の姿や機能を現在も維持し続けていること自体に国際的な希少価値があり、こうした点をアピールし続けることが、世界遺産登録に向けても重要となる、との地元の取組を後押しする貴重なアドバイスも頂いたと伺っております。 また、県議会においては、今年八月、観光議員連盟の研修会が岩国国際観光ホテルにおいて、柳居議長、畑原議連会長をはじめ、私も含め総勢三十名の議員参加の下、開催をされ、錦帯橋を中心とした観光振興や文化遺産登録の実現に向けた具体的な取組、地元の方の強い思いなどをお聞きしたところであり、議連としても、この地元の機運をさらに盛り上げ、錦帯橋周辺地域への誘客促進、さらには県全体の観光振興へつなげていくとの意を新たにしたところであります。 私は、こうした地元の機運の高まりや取組の活発化を契機として、県としても錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取組をしっかりと後押ししていくことが重要であると考えます。 申し上げるまでもなく、錦帯橋は、岩国地域をはじめ本県の歴史を象徴する貴重な文化財であり、先人の努力により受け継がれてきた資産や技術を、次の世代にも確実に引き継いでいかなければなりません。 同時に、その外観的な美しさだけでなく、時代を超え伝承されてきたことの歴史的・国際的な価値を、地元の方はもちろん、県内外の多くの方と広く共有していくために、情報発信など県にも積極的に取り組んでいただきたいと思うのです。 そこでお尋ねします。岩国錦帯橋の世界文化遺産登録に向け、県は今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、発達障害の子供の学びの支援について、二点お尋ねをいたします。 昨年十二月、文科省より、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果が公表されました。 この調査報告によると、通常の学級に在籍する小中学生の八・八%が発達障害等により、学習面または行動面で著しい困難を示しているとされ、またその割合は平成二十四年に行われた同様の調査と比較すると増加している状況でした。 また、文科省による令和三年の別の調査では、注意欠如・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)など、総称として発達障害と呼ばれる障害のある児童生徒を中心として、通級による指導を受けている小・中・高生の数は十八万三千八百八十人という結果が出ており、この数字も過去最多で、前年より一万九千百八十三人増えている状況です。 現在、山口県内の小中学校において、こうした特別な教育的支援を必要とする子供たちのための特別支援学級は、公立小学校に六百六十九学級、公立中学校には三百十九学級あり、また通級による指導は、公立小学校九十六校、公立中学校五十九校において実施されていますが、その数は全国と同様に県内でも年々増加をしている現状にあります。 今申し上げたとおり、発達障害、また発達障害が疑われる子供たちが増加傾向となっていることから、教育現場では発達障害の子供たちの学びの支援をどのように充実、拡充していくかが喫緊の課題となっています。 私は、今回この質問をするに当たり、下松市に在住の発達支援の専門家の方にお話をお伺いしてきました。 その方のお話では、全国と同様に教員の人手不足が問題となっているものの、山口県は市町によって多少の温度差はあれ、いわゆる入り口の段階である小学校入学前から義務教育段階においての支援体制は、他県に比べて整備されており、県・市町教委並びに現場の理解は比較的進んでいるという御認識でした。 しかしながら、現場に専門的な知識を有する教員がまだまだ少ないと指摘しておられ、私もお話をお聞きし、現場の先生方の発達障害に関する知識の習得や充実に向けた取組が求められると強く感じたところであります。 また、全国的には、発達障害に関する知識や理解が乏しいことからくる教師の何げない態度や一言、また学びの困難さに対して十分に支援できないことから、子供が自信をなくし、不登校やひきこもりになる、いわゆる二次障害も少なくないと言われています。 県教委においては、教員に対する研修の機会を充実させ、しっかりと現場で対応できる教員を増やし、支援体制をより充実させていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねします。発達障害、またその疑いのある児童生徒が増加する中、現場の教員の発達障害に関する知識の習得、さらなる習熟に向けて今後どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 二点目として、この問題について、高等学校における発達障害のある生徒への支援についてお伺いいたします。 先ほどの専門家の方のお話において、山口県は発達障害に対して、入り口の部分は非常に理解が進んでいると御紹介をさせていただきました。しかし現在、社会に向けた出口部分に当たる高校段階における発達障害のある生徒への支援は、決して十分ではないこと、入り口がしっかりしていても、出口も同様にしっかりしていなければ、それまでの支援の意味がなくなってしまうと強く御指摘を頂きました。 現在、発達障害のある生徒たちは、中学校卒業後に、それぞれの状況に応じて、様々な進路を選択しています。公立・私立を問わず、全日制の高校に進学する生徒がいる一方で、同時に、定時制や通信制の高校に通う生徒たちも増えているようですが、入学後の教育やその後の進路に対するアプローチには、温度差がかなりあるとのことです。 県教委では、現在、県立高校七校を特別支援教育を推進する拠点校として設置し、その拠点校に配置された特別支援教育推進教員が中心となり、地域内の支援体制の整備を進められています。また、県立高等学校では、平成三十年から支援が必要な生徒に対する通級による指導が実施されており、該当の生徒に対しては個別の教育支援計画作成が義務となったことからも、以前と比べると、県立高校における対応も充実してきていると言えるのではないかと考えています。 しかしながら、実際に保護者から相談を受ける専門家の方から見ると、それぞれの学校では障害に対する理解や支援の方法等に差があり、小中学校で行われていた支援が引き継がれていない状況にあるとのことです。 人生は言うまでもなく、高校卒業後のほうがはるかに長い時間となります。高校段階においても、全ての生徒がその子に合った学びを受け、充実した高校生活を送り、特に保護者の一番の関心事である出口の部分、卒業後の進路もしっかりと検討、選択できるよう、小中学校同様に高等学校における発達障害の生徒への支援を充実させていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。高等学校における発達障害のある生徒に対する支援の充実に、今後どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、不登校児童生徒への支援体制の拡充についてお伺いいたします。 文部科学省が、本年十月四日に発表した、令和四年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、小中学校における不登校児童生徒は二十九万九千四十八人、前年度から五万四千百八人も増加し、過去最多となりました。 不登校の内訳は、小学校が十万五千百十二人、中学校が十九万三千九百三十六人、十年前と比較すると、小学生は四・九倍、中学生は二・一倍増となっています。 本県においても不登校児童生徒は増加しており、小学生で百六十六人増の九百七十三人、中学生で二百六十四人増の二千六十人となっています。 また、不登校の数にカウントされるのは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間三十日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」となっているので、行き渋りと言われる子供たちも含めると、実際はもっと多くの学校に行けない子が存在していると言われています。 私は現在、小学生と中学生の娘を育てる父親でありますが、正直ここまで増加していることに驚きを隠せませんでした。 この結果を受けて、文部科学省は、新型コロナによる環境の変化が子供たちに大きな影響を与えていると分析し、共通施策として、個々の児童生徒の状況に応じて必要な支援や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、関係機関との連携、アウトリーチ機能の強化による教育相談体制などを進めるとともに、これらを踏まえた取組を実施するため、二○二四年度概算要求に予算を計上しています。 しかしながら、文科省が予算要求している内容は重要なものではありますが、これまでの支援策の延長であり、教員の人材不足が深刻さを増してきている状況において、どれだけ効果がもたらされるのかは少々疑問が残ります。また、ここまで増加傾向が続いている現状において、これまでの対症療法のみでは限界があるとの指摘もされているところです。 県・市町教委並びに現場の教師の方々は、これまでも日々の業務と並行して、不登校児童生徒やその保護者への対応等を親身になって真剣になされてきたと思います。それでも増加に歯止めがかからない今、これまでの取組等について、いま一度検討し、より効果的な方法で不登校児童生徒への対応を実施していくべきと考えています。 児童生徒が不登校になる原因は様々で、全ての子供たちに対応できる方法はないかもしれません。また、価値観の多様化により、学校に行くことが全てではないと別の選択をする子供たちもいますが、本県では都市部と違い、選択肢が乏しいのが現状です。 本県において、子供が不登校になり、本人を含めて苦しんでいる御家族を少しでも減らし、これ以上増加をさせないという決意で、この問題に取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねします。増加の一途をたどる不登校児童生徒への対応について、今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、警察行政のうち、闇バイト対策の推進に向けた取組についてお伺いいたします。 全国的な刑法犯認知件数の増加は、コロナ禍の行動制限の緩和が街頭犯罪の増加につながったと見られており、山口県内での刑法犯認知件数は、昨年中は前年と比べて若干減少傾向にあったと聞いています。 しかし、私が六月議会でも質問させていただいたうそ電話詐欺被害は、引き続き高水準で推移しているところです。 本年三月十七日、犯罪対策閣僚会議が開催され、会議では、SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン等について議論が行われ、その中で岸田総理は、SNSを使った闇バイト強盗事件が各地で発生をしており、多くの国民から自分が被害者になるのではないかとの不安の声が寄せられていると、国民が強く不安を感じていることに加え、被害に遭わない環境を構築することにも言及をしています。 皆さん御存じのとおり、当県におきましても、昨年十一月に岩国市内で同じくSNSで実行犯を募集した闇バイトでの強盗事件が発生をしています。幸いにして、この事件の実行犯は、山口県警の皆様方の迅速的確な各種捜査によって検挙され、現在も捜査が進められていますが、凶悪犯罪、重大事件は他人事ではなく自分たちの身近に迫っているのだということを自覚して、自分の身は自分で守る、自分たちのまちは自分たちで守るという意識を持つことも非常に大切なことです。 しかしながら、一般の方が防犯意識を持つことや自衛の手段を講じるにも限界があるのも事実です。ネット環境やスマートフォンによる通信手段が発達した現代においては、簡単に闇バイトで求人やそれに応じることができてしまう環境にあります。 それを証明するように、闇バイトでの強盗事件は全国各地で発生しており、県民の安全・安心を脅かしています。 警察庁は、正規の求人サイトにも特殊詐欺の受け子などの有害求人が掲載されているケースがあるとして注意喚起を行っており、具体的なケースとしては、本人だけでなく、家族、友人等の個人情報を執拗に要求される。家族等の情報を入手することで、それを基に脅迫を行い犯罪をやらざるを得なくするといったものがあります。 先ほども申し上げたとおり、一般の方が自衛の手段を講じるには限界があり、今こそ警察の組織力で、闇バイト対策を強力に推し進めていくと同時に体制づくりを進めることが必要であると考えます。 そこでお尋ねします。闇バイト関連犯罪は、国をも超える犯罪で、国家の課題であると言えます。県民の安全・安心な山口県の実現に向けて、闇バイト対策の推進及び体制づくりに、今後どのように取り組んでいくのか、県警本部長の御所見をお伺いし、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)森繁議員の御質問にお答えします。 まず、男性の育休取得促進を通じた働き方改革の推進についてです。 少子高齢化と人口減少が進行する本県において、企業が人材を確保し、持続的に成長・発展するためには、県民誰もが能力や希望に応じた就業をかなえ、活躍できる社会を実現することが重要です。 このため、私は、柔軟な働き方の導入や、仕事と子育てを両立しやすい職場環境の整備の促進など、企業における働き方改革の推進に取り組んでいます。 具体的には、テレワークや短時間勤務の導入を促進するための専門家による助言や、男性が育児休業を取得した企業への奨励金の支給などにより、企業の取組を促進しているところです。 しかしながら、本県では夫が育児に携わる時間が全国四十六位という調査結果が出ており、その結果も踏まえ、大学生や子育て世代の若者から子育て等に関する様々な意見を伺ったところ、男性の積極的な家事・子育てへの参加や、女性の働きやすい環境づくりへの支援を求める声が多くありました。 私は、こうした若者や女性のニーズを踏まえ、長期間の男性育休が当たり前となり、男女が共に育児に参画する社会の実現に取り組むことが極めて重要と考えています。 これらの取組は、出生率の向上に加え、女性が出産後も働き続けられる環境の整備や若者や女性に選ばれる職場づくりなどの大きな効果が見込まれ、ひいては本県の人口減少や産業人材の確保という喫緊の課題の克服にもつながります。 このため、男女が共に育児に参画する環境の整備に向けて、全国トップレベルの長期間の育休取得率を目指して取り組んでまいります。 そのためには、まず県自らが大きく変わっていくことが重要であり、県職員の男性職員の育児休業取得率の向上と期間の長期化を図るとともに、育休を取得しやすい職場環境づくりに取り組むこととし、現在、本県職員の子育て支援の指針の見直しを検討しているところです。 その上で、市町や企業に広くこうした取組を拡充するため、育休取得率を一○○%とすることや、一か月以上取得することを目指し、市町や企業への働きかけを強力に展開するとともに、企業への奨励金制度の創設についても検討してまいります。 さらに、育休取得後の男性の育児参加も促進することにより、女性のキャリアアップを支援するなど、ライフステージに応じた多様な働き方の導入を促進してまいります。 私は、本県において、長期の男性育休が当たり前となり、男女が共に家事・育児を担う社会の実現に向けて、男性の育休取得促進を通じた働き方改革の推進に全力で取り組んでまいります。 次に、山口きらら博記念公園の交流拠点化についてのお尋ねにお答えします。 長く続いたコロナ禍では、イベントや行事が中止となり、活動機会が減少するなど、県民生活にも大きな影響を及ぼし、地域や人と人とのつながりが薄れてきています。 こうした中、新型コロナウイルス感染症が五類に変更され、お示しのとおり、山口きらら博記念公園においても大規模イベントが開催され、来場者が県内の観光地を訪れるなど、にぎわいを取り戻しつつあります。 私は、活気が戻りつつあるこの機を逃さず、単にコロナ前に戻すのではなく、これまで以上に活動を活発にし、にぎわいの創出や交流の拡大などに取り組んでいくことが重要と考えています。 このため、海に面した絶好のロケーションや広大な芝生広場など、高いポテンシャルを有しているこの公園を、山口の豊かさや住みよさを実感できる交流拠点として、また県外の人に訪れてもらう集客拠点として整備することとしています。 公園の拠点化に向けては、まずは県民の皆様の御意見を丁寧にお聴きすることが大切であることから、公園利用者等へのアンケート調査に加え、県内各地域でワークショップを行い、私自らも参加し、様々な御提案を直接お聴きしました。 また、宿泊利用やモビリティー導入等の実証実験や、民間活力導入に向けた調査などを行い、ニーズや課題等も把握しているところです。 私は、こうした取組を踏まえ、公園の目指すべき姿として、県民の皆様が山口きらら博記念公園に愛着を持ち、誇りに思い、そしてウエルビーイングを向上させる公園としていきたいと考えています。 このため、安らぎや癒やし、わくわく感などの充足感を得られ、心を満たす公園となるとともに、県民誰もが一緒に元気に遊び、活力を生み出す場となることを目指してまいります。 また、県民が交流しながら、新たな価値を創造できる場となるとともに、魅力的な施設の整備などにより、県内外から多くの人が目的地として訪れる公園となることを目指します。 こうした将来の姿を実現していくため、四季折々の花を楽しむことのできる中国地方最大級のフラワーガーデンや、広大な自然環境を生かし、子供から大人までが一日中伸び伸びと遊び楽しむことができる空間、県内外から多くの人が集う複合型アーバンスポーツパーク、多様で新しい働き方を推進するリモートワーク環境など様々な機能を整備、導入していきます。 さらに、積極的に大規模イベントのさらなる誘致や公園の魅力発信を行うなど、ハード・ソフト両面から取組を進めていきます。 私は、山口きらら博記念公園が幅広い世代の県民が集い、交流し、県民の活力を創出、発信する拠点となるよう、民間活力も導入しつつ、積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 錦帯橋は、その独創的なアーチ構造が生み出す造形美や美しい周辺環境などから、国の名勝や重要文化的景観に選定されるなど、貴重な文化財として、また、本県を代表する観光資源として、その価値が高く評価されています。 この錦帯橋を人類共通の財産として次世代に継承していくため、県では知事を会長とする錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会を設置し、地元岩国市や関係団体等と一体となった推進体制の下、世界文化遺産登録に向けた取組を積極的に推進しているところです。 具体的には、登録に必要な要件である、顕著な普遍的価値や真実性を錦帯橋が有していること等について、セミナーの開催やホームページ等を通じ、広く情報発信することで理解増進を図るとともに、国に対し、国内登録候補が記載される暫定一覧表への追加を要望しているところです。 こうした中で、お示しのように、創建三百五十年を迎えて、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた地元の機運は大きく高まっており、県としても協議会の先頭に立って、一層の取組を推進していく必要があると考えています。 このため、まずは、さきの国際シンポジウム等を通じて得られた専門家からの意見や助言を今後の取組に反映し、国際的に希少価値を有すること等をしっかりとアピールしていくことで、錦帯橋の持つ歴史的・国際的価値のさらなる理解増進を図っていきます。 また、こうした錦帯橋の価値を広く県内外の方と共有していくため、このたびのシンポジウムの動画配信を行うほか、各種イベント等におけるPRパネルの展示や、親しみやすいキャラクターを活用した啓発ツールの作成、配布等により、一層の情報発信に取り組んでまいります。 こうした取組に加え、錦帯橋を含む観光周遊ルートの造成を進めるとともに、多様な媒体を活用して、その魅力を積極的にPRし地域への誘客を促進していくことで、観光振興と併せて登録に向けたさらなる機運醸成を図っていきます。 県としては、地元の機運の高まりや熱い思いをしっかりと受け止め、今後とも、岩国市や関係団体等と一体となって、本県が誇る錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、発達障害の子供の学びの支援についてのお尋ねのうち、教員の発達障害に関する知識の習得、さらなる習熟に向けた取組についてです。 小中学校に在籍し、発達障害により学習面または行動面で様々な困難を示す子供の学びと育ちを支えるためには、一人一人の教員が特別支援教育に関する知識や技能を高めるとともに、発達障害についての理解を深めていくことが重要であると考えています。 このため県教委では、特別支援教育の視点を踏まえた通常の学級における授業づくりセミナーや、各市町において特別支援教育の中核となる教員の育成を目指したアドバンス講座などの実施により、障害の特性に応じた教員の指導力の向上を図っています。 こうした取組に加え、今年度からは国の事業を活用して、発達障害のある子供への指導方法や事例等を示したテキストを作成し、これを活用した研修を、管理職を含めた全ての教員を対象に実施することで、さらなる専門性の向上に努めることとしています。 次に、高等学校における発達障害のある生徒への支援についてです。 発達障害のある生徒が、高校においても進路実現を見据えた適切な指導や支援により、充実した学校生活を送ることは重要です。 このため、県教委では、管理職を含めた教員に対する各種研修会を開催するとともに、研修動画を作成し、各高校の校内研修での活用を促すことなどにより、全ての教員の特別支援教育に関する専門性の向上を図っているところです。 また、個別の教育支援計画等を中学校から高校に引き継ぐことが重要であることから、引継ぎの重要性やポイント等を記載したリーフレットを作成し、中学校と高校に配付することで、高校での支援の充実に努めてまいります。 県教委といたしましては、特別支援教育に関する研修の充実を図るとともに、個々に必要な支援が切れ目なく行われるよう、発達障害のある子供の学びの支援に向けた取組を着実に進めてまいります。 次に、不登校児童生徒への支援体制の拡充についてのお尋ねにお答えします。 令和四年度の小中学校の不登校児童生徒数は、お示しのとおり過去最多となっており、不登校対策は生徒指導上の喫緊の課題です。 不登校児童生徒の支援に当たっては、不登校の要因や背景を的確に把握し、寄り添った対応をするとともに、一人一人の状況に応じた学びの場を確保することが重要であると考えています。 このため、不登校の要因の把握や寄り添った対応に向けて、県教委と市町教委で構成する不登校児童生徒支援協議会において、市町ごとの要因を分析するとともに、課題を踏まえたICTの活用等による学習支援や教育相談などの市町の先進的な取組を共有しているところであり、今後この好事例を全県に展開してまいります。 また、学びの場の確保に向けては、今年度新たに、在籍する学級での学習や集団での生活が困難になった生徒のためのステップアップルームを県内二十二校の中学校に設置し、専属教員による個に応じた支援を行っており、今後、設置校の拡大など、さらなる充実に取り組んでまいります。 さらに、不登校対策では、その未然防止が重要であることから、中学校及び高校入学前の全ての児童生徒を対象に心理教育テストを行い、サポートが必要な児童生徒を早期に把握し、入学後の支援につなげる事業を今年度から本格的に実施しており、小学校と中学校、中学校と高校といった校種間の連携をさらに深め、切れ目のない教育相談体制の強化を図っていくこととしています。 県教委といたしましては、今後とも市町教委や関係機関としっかりと連携し、不登校児童生徒に対する支援体制の一層の充実に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)阿久津警察本部長。 〔警察本部長 阿久津正好君登壇〕 警察本部長(阿久津正好君)闇バイト対策の推進に関する御質問にお答えいたします。 いわゆる闇バイトは、単なるアルバイトの求人ではなく、犯罪グループが犯罪の実行役を手広く募集し、アルバイト感覚で応募した者が犯罪に加担させられるものであります。 議員お示しのとおり、昨年中の刑法犯認知件数は、前年比で若干減少しておりますが、本年は増加傾向にあり、十月末現在では昨年比で二百四十六件増加しております。 また、全国的にも闇バイトに関連する強盗などの重大犯罪が大きな問題となっておりますが、当県におきましても、お示しのとおり昨年十一月に岩国市内で強盗事件が発生しており、その後もこの種実行犯による県民の生命・身体等に関わる重大犯罪の発生が強く懸念される現状にあります。 県警察では、本年三月に開催されました犯罪対策閣僚会議により示された、SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン、これを受け、闇バイト対策等に現在総力を挙げて取り組んでおります。 具体的には、実行犯を生まないための対策として、サイバーパトロールを強化し、闇バイト、高額報酬などをうたう違法有害情報の発見とサイト管理者に対する削除要請を実施しております。 また、中高生を含めた若い世代に対する情報モラル教養や各種キャンペーンを通じまして、闇バイトの募集手口などの事例紹介を行うなど、青少年を犯行に加担させないための広報啓発に取り組んでおります。 さらに、事案の大本にいる闇バイトを募集する上位被疑者らの検挙に資するとともに、犯罪を容易にするツールを根絶するための対策として、犯行に利用されたスマートフォンなどを早期に解析することが可能な資機材の導入や、証拠収集に必要な各種資機材の拡充に向けた検討を進めているところであります。 加えて、闇バイトを含む犯罪グループ等を早期に検挙するため、その対策としてグループに関する情報収集を徹底して、その実態を解明するほか、事件が発生した際には認知段階から捜査力を大量投入して実行犯を検挙するとともに、突き上げ捜査により、事件の背後に潜む暴力団をはじめとする匿名・流動型犯罪グループを壊滅させるための捜査を強力に推進しているところであります。 また、今後の対策として、これら犯罪グループの効果的な取締りを一層強力に推進するため、先ほど申し上げた解析用資機材に加え、捜査員の増員を含めた人的基盤を強化する方向でも調整中であります。 県警察といたしましては、この種、重大犯罪から県民を守るため、県警一丸となった対策を講じているところであり、今後も県民の安全・安心の確保に向けた業務を強力に推進してまいります。 以上です。