1 脱炭素社会の実現に向けた家庭及び地域の取組について 2 職員の働き方改革と知事が目指す県職員像について 3 制度改定に係る諸課題について 4 農作物の自給率の向上に向けた小規模農業の振興について 5 山口市における県有財産の活用と公共事業の進捗について 6 不登校児童・生徒への対応について 7 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十二号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十二号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手) 小田村克彦君 やまぐち県政会の小田村でございます。質問に入る前に一言申し上げます。 岸田総理が誕生したとき、私は宏池会のリーダーということもあり、タカ派からハト派へ、進み過ぎた、新自由主義から分配へと大きくかじが切られ、国民が望む信頼を受ける政権となることを期待をしておりました。 しかしながら、旧統一教会の問題、あるいは政務三役の立て続けの辞任、増税しなければなかなか賄えないような政策を前面に打ち出しながら、片や減税を訴える。ついには総理自体も巻き込む派閥の資金疑惑、最後は政治と金という問題となりました。 一昨年、山口県でも県庁を激震をさせました公職選挙法違反問題、これも政治資金パーティー券の連番での県庁への購入依頼などがあったと報道をされております。 国は、まず、国民の負託をされたことを謙虚に受け止め、国は国民から選ばれた政権ですので、信頼のおける国政となるよう期待をし、一般質問をさせていただきます。 脱炭素社会の実現に向けた家庭及び地域の取組についてお尋ねをいたします。 家庭向け脱炭素の推進についてです。 二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、世界が動いています。十一月三十日に開幕をした国連気候変動枠組条約第二十八回締約国会議、いわゆるCOP28というものですけれども、この冒頭で開く首脳会合で、米国や欧州、アラブ首長国連邦など各国が、二〇三〇年に再生可能エネルギーを現在の三倍に引き上げ、エネルギー効率を二倍にすると、誓約に百十か国以上が合意をしたと発表されました。日本政府も加わっており、最新のエネルギー基本計画では、二〇三〇年度の再生可能エネルギーを現在の一・四倍としており、導入の拡大を求められることになります。 十一月七日には、GX、いわゆるグリーントランスフォーメーションですけれども、この実行会議が開催をされ、国民の暮らしの脱炭素化に向け、三年間で二兆円を投資をし、断熱窓の改修といった住宅の省エネ化や電気自動車の購入などを支援していくとされています。 本県としても、あらゆる分野における脱炭素社会の実現に向け取組を進めておられ、産業部門の温室効果ガス排出割合が全国と比較しても高い本県では、産業部門の脱炭素の取組は特に重要な位置づけを占めております。やまぐち産業脱炭素化戦略ややまぐちコンビナート低炭素化構想など、官民挙げて産業の国際競争力の維持とともに、これを契機に、さらなる成長につながるような取組を強化をされております。 また、県内の民生部門のうち個人家庭に向けては、ぶちエコやまぐち太陽光発電設備等共同購入事業として「みんなのおうちに太陽光」とのキャッチフレーズで、太陽光発電設備及び蓄電池の共同購入を実施をされ、県が行う事業としての安心感と一括購入によるスケールメリットを出すことで、多くの県民の皆さんの参加による家庭での脱炭素化が進んだものと思います。という私も、今回参加をさせていただきました。 今次に行われました太陽光発電設備等共同購入による本県の脱炭素化の効果など、どのように受け止められておられるのか。また、本県でも民生部門の排出量の五割を占める家庭部門の二酸化炭素排出量を削減するために、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、地域脱炭素化の推進についてお尋ねします。 国は、令和三年六月に策定をした地域脱炭素ロードマップにおいて、地方自治体が地元企業や金融機関と連携し、二〇三〇年度までに民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現する脱炭素先行地域を百か所以上選定することとしています。 地元山口市は、県内で唯一この脱炭素先行地域に選定されており、アーケードや市有地に太陽光発電設備等を設置し、発電したクリーン電力を、今後設立予定の地域新電力を通じて中心市街地に供給する取組が進められているところです。 地域脱炭素化を進めていくためには、山口市のような一定エリアでの脱炭素化の取組を進めていくことも大変重要だと思います。 また、県では、地球温暖化対策実行計画において、脱炭素地域づくりの推進に取り組むこととしており、これまでも分散型エネルギーの活用促進に取り組まれてきたほか、今年度からは、県有施設に太陽光発電設備と電気自動車を導入し、ゼロカーボン・ドライブの普及啓発拠点として整備することとされています。 あわせて、県及び山口市が検討協議会を設けて進められている農業試験場跡地利用においても、太陽光発電等を活用したエネルギーの地産地消など、資源・エネルギーマネジメント機能の導入に向けて検討されていると伺っております。 地域脱炭素化の実現には、各家庭や事業所単位での取組だけではなく、山口市のような先行的な取組や、県が進める分散型エネルギーシステムの構築など、地域に広く脱炭素を波及させていくような取組を総合的に進めていく必要があると思います。 家庭や事業所等の民生部門を中心とした地域脱炭素化の推進に向けて、県は、今後どのように取り組まれていくのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、職員の働き方改革と知事が目指す県職員像についてお尋ねをいたします。 近年では、公務員志望者も減少傾向に歯止めがかからず、採用試験を受けても内定辞退や採用後、幅広い年齢層で早期退職も増えております。そのような中で、県人事委員会は十月十七日、県知事及び県議会に対して給与等に関する報告及び勧告を出されました。 民間との比較において、職員給与が民間を下回っていることから、所定の改定を行う必要があるとする中で、人材確保の観点からも、初任給及び若年層の引上げに重点を置かれているものと理解をしております。公務運営に関する報告の中では、人材の確保・育成、勤務環境の整備、仕事と生活の両立支援、高齢層職員の能力及び経験の活用、公務員倫理の徹底などが求められております。 県は、今年十月に日本マイクロソフト株式会社と行政分野におけるAIなど最新のテクノロジーを活用した新しい働き方改革の支援や、そのためのクラウドサービスの環境構築に関するアドバイスや技術的支援に関することなど、行政DXの推進に係る包括連携に関する協定を締結をされました。今後のDXの推進による業務の効率化などにより、新しい働き方改革が進み、現状より少しでも職員の働き方にゆとりができ、そのことが県民サービス向上にもつながるものと期待をしております。 例えば、本県では税務や用地など、専門的な職種についてはエキスパート職種として、一定長い経験・勤務をすることで、その能力をフルに発揮をし、業務遂行を確実なものにされております。今後はぜひ、統計や分析、それを基にした企画力など、それらに特化した優秀な職員が活躍できる中長期専門職員の配置や任用などができるような人事行政を期待をしているところですけれども、御所見をお伺いをいたします。 また、知事は、限られた県庁の職員の業務をもっともっとスリム化をし、よりニーズに合った形のサービスを提供できる、創造的な仕事をしていく、そうしたことに県庁自体を変えていかなければいけないと思いますというふうに述べられておりますけれども、今後、本県職員の能力に磨きをかけ、これらの業務遂行にどのような変化を促そうとされているのか、知事の職員に対する将来像も含め、御所見をお伺いをいたします。 次に、制度改定に係る諸課題についてお尋ねをいたします。 一つには、医師の時間外労働の上限規制についてであります。 時間外労働の上限規制を設けた働き方改革関連法は、二〇一九年度から順次施行されましたが、勤務の特殊性などを考慮して五年間猶予された自動車運転業務、建設事業、医師への適用がこの二〇二四年度、迫っております。 例えば、本県でも総合医療センター、精神保健福祉センター等、地域医療・福祉の拠点として重要な位置づけを担っております。あわせて、総合医療センターではセンター内の診療・治療のみならず、医師不足の地域における地域医療支援もされており、新たな施設の建て替え計画なども進められていることから、大変な環境に置かれているのではないかと危惧しております。 この時間外労働の上限規制によって県内地域医療体制が維持できるのか、今以上の人員確保が必要ではないかと危惧をしているところでありますけれども、本県の医療・福祉施設に従事する医師の勤務時間に対する対応など、御所見をお伺いをいたします。 次に、定年引上げに係る課題についてお尋ねをいたします。 令和六年度から公務員の定年引上げにより、今年度六十歳に達した職員が引き続き県庁で働くようになります。人事委員会の報告の中にもあるように、定年の六十五歳への段階的な引上げや、管理監督職勤務上限年齢制、いわゆる役職定年制ですけれども、そして定年前再任用短時間勤務制等の各種制度が本年度から施行されておりますが、対象職員への情報提供をしっかりと行うなど、安心して仕事が続けられるよう、意思確認や勤務環境を十分整えてほしいと思いますけれども、新年度に向けての該当者及び職場環境の整備等についての取組をお伺いをいたします。 次に、農産物の自給率の向上に向けた小規模農業の振興についてお尋ねをいたします。 農産品については、多くの農産物の輸出国家であった中国などが輸入国に変化をするなど、世界的な飽食による食糧危機が叫ばれております。 日本の食料自給率は、二〇二〇年ではカロリーベースで約三七%と言われており、極めて低い水準にあります。また、種や肥料の海外依存度を考慮すれば、自給率は今でも一〇%に届かないとさえ言われています。 古きよき時代と言っていいのかは別としまして、江戸時代あれだけの鎖国が続き、国内生産だけで地産地消による循環型経済の中、生活ができていましたけれども、今では何でも輸入でき、エネルギーから食料品など、全てにおいて海外に依存した生活をしていると言っても過言ではないと思います。 大量に輸出ができる米国やEUなどは、日本に向けても農産品の自由化貿易を進め、いわゆる安価なものをたくさんあなたの国に輸出しますよということでしょうが、現実には昨今の地政学的な問題や異常気象の多発、コロナ禍のような物流の停滞など、様々な形で輸出規制をかけられれば、物価は上がり、ややもすれば輸入が停止をすることも覚悟しなければなりません。 食料は国民の命の源であり、その生産を担う農業は、国を守るための基本です。 米国は、市場価格が実効参照価格を下回った場合に、その差額を一部補?する価格損失補償や、収入が定められた保証収入を下回った場合に一部補?する農業リスク補償。その他、環境などの保全や酪農での利幅の保護などがあり、生産コストと販売価格の差額を穴埋めをしています。また、国内価格と輸出価格の差を埋める輸出補助金を支払うなど、農産物を世界の戦略品として保護し続けています。 また、スイスでは農業景観支払い、供給保障支払い、生産物多様性支払いなど、農業所得の約九二・五%を国が負担をしています。 片や日本では、経済力を有することで、安定的な輸入の確保や不測の対応として一定量の備蓄などによって、食料安全保障に取り組むとしていますけれども、高齢化による農業の担い手不足や耕作放棄地の増加、中山間地の人口減少の加速化など相まって、環境保全や保水などの災害防止機能も低下をしています。少しでも自給率を高めるため、食料安全保障のためにも、頑張っている小さな農業体をしっかりと守っていく必要があると考えます。 我が国の農業産出額の約四割を中山間地が担っていると言われており、本県でも、多種多品目の生産を小規模農家で行っておられます。 私は、面積の約七割を中山間地が占める本県の特徴も生かした形で、米作農家や少量多品目の畑作農家など、小規模農業を守っていく仕組みをしっかりつくっていく必要があると考えますけれども、御所見をお伺いをいたします。 次に、山口市における県有財産の活用と公共事業の進捗についてお尋ねをいたします。 一つには、山口県立大学移転整備と河川計画の整合についてお尋ねをいたします。 県立大学は一九四一年に山口県立女子専門学校としてスタートし、本県唯一の県立大学として、また地域貢献型大学として、地域とのつながり、卒業生の県内の活躍など、私も一県民として、また、同じ地区に住む者として、応援をしているところであります。 昭和十六年から、現在の国道の南キャンパスとして活用されてきましたけれども、新たな人材育成のため時代に合ったニーズを取り入れ、女子大から男女共学にすることや新たな学部や学科の新設など、南キャンパスが手狭になってきたことなどから、平成五年に第一期整備として国道九号北側キャンパスの用地造成をされ、看護学科棟及び新講堂の建設をされました。その後、平成二十四年三月に山口県立大学第二期施設整備計画を策定し、平成六年から南キャンパスから国道を介して北キャンパスへ全てを移行する計画を進めてこられました。 しかし、北キャンパスへの移転が進む中、本来グラウンドや体育館など南キャンパスから北キャンパスに移転する計画だったはずが、平成二十七年六月には移転予定地が土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域に指定されたことから、移転が進まない状況となっております。 土砂災害特別警戒区域は擁壁を建てる、あるいはのり面の傾斜の角度を一定取れば、区域内であっても建築可能となり、土砂災害警戒区域内では、建築上の規制はかからないとされていることから、事前に対策を取って、北キャンパスへの機能の一元化に進められることも可能かと推察をいたしますけれども、今後の進め方について、まずお伺いをいたします。 あわせて、南キャンパスの中を通る油川という川がありますけれども、この河川改修工事との整合性についてお伺いをいたします。 この油川は流路延長三・六キロの二級河川で、昨今の降水量の増加から、下流地域での氾濫が多々見られ、平成五年より油川都市基盤河川改修事業として千二百メートル区間を行うもので、現在は一部が完成はしているものの、国有地や県有地を通る一部が未完成のままとなっております。 その一部が県立大学の南キャンパスであり、まさに北キャンパスに解体・移設予定だった体育館を通り、これも同様移転予定だったテニスコートを通って国道九号にぶつかる河川改修ルートとなっております。 異常気象による雨量の増加など、下流域ではいまだ浸水があり、県民の安心・安全のためにも一日も早い竣工が待たれていますけれども、先ほどの県立大学の移転の停滞から、河川改修工事が進みにくい状況になっているのではないかと危惧をしております。 これまで県立大学の敷地以外、河川計画ライン上では、多くの地区の方が移転を余儀なくされ、併せて近隣の用地買収にも多くの方々が協力をされております。 そういった状況の中、公が事業推進を停滞させることがあってはならないと感じておりますけれども、県立大学の体育館、テニスコートなど河川計画ライン上の公共物について、今後の対応をお尋ねをいたします。 あわせて、県立大学移転計画や油川河川改修工事の進捗との整合性について、用地提供に協力し近隣に新たに住居を持たれ転居された方もおられる中、工事計画の進捗や今後の対応などについて、一定規模での説明会の開催など、地元地区住民の理解を改めて得ながら進めるべきと考えますけれども、御所見をお伺いをいたします。 次に、南キャンパス跡地の利用についてお尋ねをいたします。 この南キャンパス跡地については、山口市においては、県立大学南キャンパスの北キャンパスへの集約整備後に跡地となる南キャンパスの利用方策について、地域からの要望などを踏まえ、本市の発展につながる利活用が図られる形となるよう、引き続き県との情報共有を図り、令和五年度は、新たに南キャンパスの跡地において、買物機能をはじめとした日常生活機能の導入が可能となる都市計画の見直しに向け取り組むとされており、このエリアは山口市の立地適正化計画において、特に人口が集積した居住環境としての発展の方向性を位置づけていることを踏まえ、JR宮野駅を中心に日常生活圏の形成に向けた拠点づくりを進めていきたいとされております。 南キャンパス跡地については、旧福祉棟は県の分庁舎として活用されますが、第二期施設整備終了後に、大学法人から県へ当該財産を返納し、県が売却をすることとなっていると聞いております。 山口市は残地活用について、県との協議の場の設置を求めていると聞いておりますけれども、対応及び今後の方針についてお伺いをいたします。 次に、農業試験場跡地利用の進捗についてお尋ねをいたします。 十一月二十四日、県庁において第四回農業試験場等跡地利用検討協議会が開催をされました。この協議会は、農業試験場や林業指導センターの跡地利用の検討を進めるに当たり、山口市の意向を的確かつ十分に反映するため、県と山口市による農業試験場等跡地利用検討協議会を設置するとされ、本県と山口市の双方からの委員で構成をされ、検討対象となる施設跡地について、農業試験場、農業試験場落葉果樹試験地、林業指導センターとなっております。 二〇一九年の一月に第一回が開催されて以来、諸課題の整理を行いつつ、山口県農業試験場跡地利用基本構想を策定され、跡地利用に関して改めて民間活力の導入に向けたサウンディング型の市場調査をスタートされるなど、着実に前に進んでいるものと受け止めております。 改めて、今後の進め方と課題について、御所見をお伺いをいたします。 あわせて、農業試験場以外の検討対象跡地の今後の対応についても、御所見をお伺いをいたします。 次に、国道九号のバイパス整備等の取組についてであります。 国道九号は、山陰と山陽を結ぶ主要な幹線道路であり、広域経済、地域間経済や交流、連携の重要な位置づけを占める路線です。この国道九号については、急峻な崖の上に建設された区間が宮野上から木戸山トンネルまで続き、同時にトンネルの老朽化も進んでいます。 令和四年九月には、台風十四号による大雨により、五時間三十分に及ぶ通行止め規制が行われるなど、災害対策を含めた早期対応が必要です。 今年の一月には期成同盟会も設立をされ、早期事業化に向けた要望も出されていると伺っておりますけれども、本県として今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、最後になりますけれども、不登校児童生徒への対応についてお尋ねをいたします。 昨年度、全国の小中学校で不登校の児童生徒数は、前年度比、五万四千百八人増の、率にして二二・一%増、二十九万九千四十八人となり、最多を更新をしています。 山口県においても、令和四年度は小中学校で四千四百九十四名の長期欠席者のうち、三千三十三名が不登校児童生徒であり、全国の出現率、いわゆる児童生徒数千人当たりの数ですけれども、それでは小学校では全国平均以下であるものの、中学校では全国平均を上回っているというのが現状であります。 文部科学省は今年十月十七日、不登校・いじめ緊急対策パッケージを取りまとめ、文部科学大臣は、子供たちにも理解できるよう振り仮名を付した、次のようなメッセージを出されています。 君たちは日本の未来そのものであり、私たち大人の希望です。君たちを大切にすることが私たち大人の努めです。君たちのことは私たち大人が必ず守ります。 文部科学省の調査で、学校に行けない小学生・中学生が約三十万人、特に重いいじめが起きた回数が九百二十三件となり、どちらも今までで一番多くなりました。 私はこのことを重く受け止め、みんなが安心して学ぶことができるように、「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」を作ることにしました。 このパッケージで、なるべく早く、学校の中でも教室とは別に安心できる居場所を作ったり、みんなの心のSOSに大人が早く気付くことができるようにしていきます。 私たち大人が全力で色々な学びの場所や悩みを相談できる場所を作っていくので、学校に行くのが苦しくなったときや、悩みがあるときにはぜひ積極的に使ってください。私たち大人は君たちの味方です。 私は文部科学大臣として、みんなが安心して勉強できるよう、全力で寄り添っていきます。 というふうにされまして、不登校児童生徒数が小中学校で約三十万人、学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けていない小中学生は約十一万四千人といずれも過去最多となったとされ、安心して学ぶことができる、誰一人取り残されない学びの保障に向けた取組の緊急強化が必要とされました。 この中で、不登校への緊急対策として、文部科学省において三月に策定したCOCOLOプランというのがありますが、その対策を前倒しをし、不登校の児童生徒全ての学びの場の確保として、落ち着いた空間で学習・生活できる環境を学校内に設置する校内教育支援センターの未設置校への設置促進やオンラインで自宅等から学べるようにする教育支援センターのICT環境整備、どこにもつながっていない児童生徒に支援を届けるため、自治体の体制強化を図る教育支援センターの総合的拠点機能の強化などが言われています。 また、心の小さなSOSの早期発見を目的とした心の健康観察として、困難を抱える子供の支援に向けたアプリや専門家の支援を活用した心や体調変化の早期発見・早期支援など、また一人一台パソコンを使った子供のSOS相談窓口の集約と周知などを推進するとしています。 そして、課題解決に向け、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の充実など、プランの前倒しのほか、学びの多様化学校設置促進のための全国会議開催や相談・助言が受けられる制度の創設など、不登校についての緊急対策が盛り込まれています。 スクールカウンセラーとは、心理学をベースにした専門職であり、児童生徒の臨床心理に関して、高度に専門的な知識・経験を有した臨床心理士等であり、悩みある児童生徒へのカウンセリングや家庭や教職員に助言や援助を行うとされています。 また、スクールソーシャルワーカーは、教育と福祉の両面に関して、専門的な知識・技術を持ち、過去に教育や福祉の分野で活動経験の実績等がある社会福祉士や精神保健福祉士等であり、教職員のほか、関係機関として児童相談所や福祉事務所などとの連携・調整などを行います。 両者とも、複雑な社会、家庭環境の中で育つ子供と家庭にとっては、大きなよりどころとなっています。 しかしながら、有資格者でありながら臨時的雇用の職員であることなど、採用が困難な状況があると伺っています。 不登校やいじめなど、家庭環境や生活環境を含め、生徒一人一人に付き添いながら専門的に支援する重要な職種です。今後の人員確保策や処遇の改善に向けての御所見をお伺いをいたします。 あわせて、校内教育支援センター設置の状況と今後の取組について、また、文部科学省では不登校の児童生徒の状況に応じて特別な教育課程を編成できる学びの多様化学校の設置を求めており、現在の十都道府県二十四校から三百校に増やす方針を示しておりますけれども、全国で設置が進みつつあるこの不登校特例校である学びの多様化学校の本県での現状と今後の対応について御所見をお伺いをし、一般質問を終わります。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)小田村議員の御質問のうち、私からは、職員の働き方改革に関して、今後の業務の変化についてのお尋ねにお答えします。 人口減少社会において、県においても、限られた人的な資源で、どのように行政サービスの維持・向上を図るのかということが、喫緊の課題となっています。 このため、本年九月から、行政DX・新たな価値を創出する働き方改革の取組を開始をしており、デジタルを積極的に活用して、県庁職員の働き方を効率的で洗練された働き方へ移行していく、このことをやまぐちワークスタイルシフトの名の下に推進をしていくこととしています。 この取組は、職員の意識改革でもあると考えており、職員一人一人が業務の在り方を徹底的に見詰め直し、効率的に仕事を進める一方で、県民のニーズや現場の課題を的確に捉えた施策を構築し、実施していく、そうした意識づけを全ての職員に対して行っていきたいと考えています。 そのためには、幹部職員の業務マネジメント等に係る意識や行動の変革を促すとともに、これからの県庁を支える若い世代の職員が持つ、仕事への課題や問題意識に対してしっかりと答えていかなければならないと考えており、私自身が先頭に立ってこの取組を進めているところです。 私は、職員一人一人が、県民の皆様の思いに寄り添いながら、常に問題意識を持って、新たな課題に積極果敢にチャレンジをする職員であってほしいと考えており、この行政DX・働き方改革の取組を通じて、これからの時代にしっかりと対応できる県庁を目指してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)まず、職員の働き方改革と知事が目指す県職員像についてのお尋ねのうち、中長期専門職員の配置や任用についてお答えを申し上げます。 行政ニーズが多様化し、業務の遂行に当たって高い専門性が求められるようになったことを踏まえ、県では税務や用地事務などの特定の行政分野について、業務の知識や経験を深め、中長期的に当該分野へ配置されるエキスパート型の職員公募を実施してきたところです。 最近においては、本県のデジタル化を強力に進めるため、令和二年度からデジタル推進業務を公募の対象に追加し、デジタル技術の活用やデータ分析によりまして、業務やサービスの変革のための企画・立案に必要な提言などを行う専門人材を養成しています。 県としては、引き続き、職員の能力や実績の的確な把握に努めながら、職員の意欲や希望を重視した人事配置を行い、多様化する行政ニーズに的確に対応してまいります。 次に、定年引上げに係る課題についてのお尋ねにお答えします。 六十歳以上の高齢期職員の幅広い活躍を促すとともに、その多様な知識や経験を積極的に活用していくためには、職員が従事する適切な職務の検討や職場環境の整備が必要であります。 このため、県では、今年度六十歳に達する職員を対象に、六十歳以後に適用される勤務形態や給与に関する情報を提供するとともに、職員の勤務意思の確認を行ったところであります。 その上で、意欲のある高齢期職員の能力を最大限活用できるよう、関係部局が連携し、これまで培ってきた職員の知識や経験、専門性を生かせる業務や配置箇所の検討を行っています。 また、高齢期職員が安心して働ける職場づくりを進めるため、所属の安全衛生管理者を対象に、定年引上げ後の職場環境の整備等に関するセミナーを開催したところです。 県としては、高齢期職員が幅広く活躍し、不安なく希望する働き方ができるよう、引き続き職員の意向をきめ細かく把握しながら、定年引上げの円滑な実施に向けて取り組んでまいります。 次に、山口市における県有財産の活用と公共事業の進捗についての御質問のうち、山口県立大学移転整備と河川計画の整合に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、北キャンパスの土砂災害特別警戒区域等の指定に伴う移転整備の今後の進め方についてです。 県立大学では、平成五年に策定した整備基本計画に沿って北キャンパスへの移転を進めていましたが、平成十三年に土砂災害防止法が施行されたことに伴い、同法に基づく調査を経て、平成二十七年に北キャンパスの一部が土砂災害特別警戒区域等に指定されたところです。 この指定を受け、当該区域には施設を整備しないこととし、併せて事業費抑制の観点から、運動施設の移転取りやめなど施設の配置の見直しを行っており、お示しのような災害対策の工事を施すことにより北キャンパスへの機能の一元化を進めることは考えておりません。 次に、油川河川改修工事への対応についてです。 この工事は、山口市により整備が進められており、将来的には県立大学南キャンパスの一部が施工区域に入ると認識しております。 今後、工事の進捗状況を踏まえつつ、市とも協議をしながら、県立大学の体育館など、工事の計画区域内となる施設の対応について検討をしてまいります。 次に、県立大学移転計画などの地元住民への説明についてです。 県では、県立大学の北キャンパスへの移転計画の進捗状況等について、随時、山口市に情報提供しているほか、施設の工事等を行う際には、あらかじめ回覧等により周辺住民の方への周知を行っているところです。 また、県立大学では、宮野地区との連絡協議会を年六回開催するなど、定期的に地域住民との意見交換を行っており、移転計画の説明等については、こうした機会も通じて、今後、山口市とも協議をしながら、必要に応じ行ってまいりたいと考えております。 次に、南キャンパス跡地利用についてのお尋ねにお答えします。 山口市からは、商業施設の立地など地域活性化につながる形での跡地売却に向けた検討や市との継続した協議等について要望を頂いております。 これを受け、県では昨年から山口市と実務者レベルで継続的に協議しており、今後とも宮野地域からの要望を踏まえたまちづくりに資するよう、市と協働して検討を進めてまいります。 次に、農業試験場跡地利用の進捗についてのお尋ねのうち、農業試験場以外の検討対象跡地の今後の対応についてのお尋ねにお答えします。 対象となる農業試験場落葉果樹試験地及び林業指導センターの跡地については、県と市の実務者レベルで構成をする農業試験場等跡地利用検討協議会幹事会において、利活用方策などについて意見交換を行っているところです。 また、跡地の利活用が円滑に進められるよう、現在、それぞれの敷地の測量を行うとともに、林業指導センターの建物の解体に着手することとしております。 県としては、引き続き、山口市と協議しながら跡地の有効な利活用について検討を行ってまいります。 副議長(島田教明君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)脱炭素社会の実現に向けた家庭及び地域の取組についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、家庭向け脱炭素の推進についての二点の御質問のうち、初めに、太陽光発電設備等共同購入による本県の脱炭素化の効果などの受け止めについてです。 お示しの共同購入事業については、既設住宅への太陽光発電設備や蓄電池の導入を促進するため、今年度から開始しており、九月までの参加募集期間に千件以上の登録がありました。 現時点で、当初の目標を上回る約九十件の契約が締結されており、今後、太陽光発電設備等が順次導入されていくこととなります。 県としては、本事業によって、脱炭素化への県民の関心が高まり、機運醸成につながったものと受け止めており、今後もこうした取組を継続することで、太陽光発電設備等のさらなる導入が図られ、家庭の脱炭素化が進むものと考えています。 次に、家庭部門の二酸化炭素排出量の削減に向けた今後の取組についてです。 家庭での排出量削減に向けては、住宅への省・創・蓄エネ設備の導入促進とともに、県民自らによる脱炭素型ライフスタイルへの行動変容を促していくことが重要です。 このため、まず、住宅の省エネ化については、共同購入の取組に加え、脱炭素効果が高いネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHの普及に向け、その省エネ効果や快適性を啓発する内覧会等を通じて、さらなる導入促進を図ってまいります。 また、脱炭素型ライフスタイルの推進については、日常生活のエコ活動の定着を促す県独自のぶちエコアプリの利用促進や、小中学生を中心に幅広い世代を対象としたデジタルでの環境学習イベントの開催などにより、自発的な行動変容につながるきっかけを提供してまいります。 次に、地域脱炭素化の推進についてです。 国は、令和三年に策定した地域脱炭素ロードマップにおいて、民生部門の脱炭素化の取組を通じて、地域課題を解決し、地域の魅力と住民の暮らしの質を向上させる脱炭素先行地域を選定し、そのモデル的な取組を全国に展開することで、脱炭素社会の実現を目指すこととしています。 こうした中、地域脱炭素化を進めていくためには、地域課題の解決等に主体的な役割を担う市町との連携が特に重要であることから、本県では、各市町の地域特性に応じた取組が活性化するよう支援しているところです。 これまでも、先行地域に選定された山口市の取組を紹介する地域脱炭素創生セミナーを開催したほか、今年度は、環境省と連携して開催しているステップアップ講座において、各市町の脱炭素化の施策立案を支援しており、引き続き、必要な助言や情報提供に努めてまいります。 こうした取組に加え、県自らも、比較的小規模で地域に分散している、太陽光発電や蓄電池などのエネルギーリソースを組み合わせて有効活用する分散型エネルギーシステムの構築に率先して取り組むこととしています。 具体的には、地域性や施設用途・規模等を踏まえて選定した多種多様な県有施設をゼロカーボン・ドライブの普及啓発拠点として整備することとしており、今年度は、県民利用の多い三か所の総合庁舎に電気自動車等を導入します。 今後も計画的な整備を進めるとともに、省エネ・脱炭素の効果や災害時におけるエネルギー確保等のレジリエンス強化など、様々な効果を発信することで、市町や民間企業等の施設への導入を促進してまいります。 県としては、今後とも、県民や事業者、市町等と連携し、脱炭素社会の実現に向けた家庭や地域での取組を推進してまいります。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)医師の時間外労働の上限規制についてのお尋ねにお答えします。 令和六年度から、医師の時間外労働の上限規制が適用されることから、県では、時間外労働縮減と地域医療提供体制の確保が図られるよう、医療勤務環境改善支援センターにおいて、医療機関にアドバイザーを派遣し、タスクシフトなどの好事例の紹介や職員向け研修等を実施しています。 また、医療機関が、時間外縮減に向けて取り組んでもなお、上限を超えることが予想される場合には、県医療審議会の議論を経て、健康管理等の徹底強化を要件に、特定労務管理対象機関として県が指定し、保健所の立入検査において、必要な指導を行ってまいります。 県としては、引き続き、こうした取組を通じて、医師の勤務環境の改善と地域医療提供体制の確保に努めてまいります。 副議長(島田教明君)三坂農林水産部長。 〔農林水産部長 三坂啓司君登壇〕 農林水産部長(三坂啓司君)農作物の自給率の向上に向けた小規模農業の振興についてのお尋ねにお答えします。 食料の安定供給や、県土保全などの多面的機能を有する本県農業の持続的な発展を図るためには、多くを占める小規模農家の経営規模の拡大を進めるとともに、中山間地域等の規模拡大が困難な農家においても持続的な農業経営が展開されることが重要です。 このため、県としては、規模拡大による効率的な農業経営を進めるため、集落営農法人等の育成に向けた取組を進めるとともに、小規模農家においても安心して営農が継続できるよう、収益性の確保等に向けた取組を支援することとしています。 まず、集落営農法人等の育成に向けては、農地の集積による営農計画の策定を支援するとともに、法人化に当たって必要となる経費の助成や、中小企業診断士の派遣等による経営面での支援、さらに、生産の効率化に資するスマート農機の導入等の支援を行うこととしています。 また、小規模農家においても、安定した収入が確保できるよう、JA等と連携し、収益性の高いワサビやリンドウなどの品目の導入に向け、生産技術の習得や共同出荷による販路の拡大等を支援してまいります。 さらに、国の中山間地域等直接支払制度を活用し、その要件である、集落協定に基づく継続的な農業生産に向けた体制整備を支援し、条件不利地域の生産コストを補?することにより、持続的な農業経営につなげていくこととしています。 県としては、中山間地域などの条件不利地域においても、県民の安心・安全な食料の確保につながる持続可能な農業が展開できるよう、小規模農家をはじめ、多様な担い手が活躍できる本県農業の振興に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)農業試験場の跡地利用の進捗についてのお尋ねのうち、今後の進め方と課題についてお答えします。 農業試験場の跡地については、県と山口市で組織する利用検討協議会において、跡地の利活用を総合的かつ効果的に進めるための方策について検討を重ね、本年三月、基本構想を策定したところです。 この基本構想に基づき、今年度は、導入する具体的な施設やゾーニング等を内容とする基本計画の策定に着手をしており、これまで、先進事例の調査や企業・団体等への聞き取りを行い、その結果を基に、先般、想定される未来のまちの姿や導入機能の方向性等を、中間整理として取りまとめました。 今後、跡地での事業実施に関心を有する民間事業者を対象としてサウンディング型市場調査を行い、導入機能の実現に資する事業内容や手法、事業者間の連携なども含めた幅広い提案を頂きながら、跡地に導入する機能や施設についてさらに精査していくこととしています。 そして、この調査の結果や地元の意向を踏まえながら、土地利用のゾーニングなどについて検討を進め、来年二月頃を目途に骨子案を取りまとめ、素案、最終案を経て、十月頃に基本計画の策定を完了する予定です。 また、基本計画の策定に向けては、土壌調査とその結果への対応、土地利用の変化に伴う雨水排水対策、周辺の交通渋滞対策など、跡地利用に当たっての諸課題への対応も併せて検討する必要があります。 このため、先月の利用検討協議会において、これらの諸課題に関するこれまでの取組状況や今後の検討方向、スケジュール等を関係者間で共有したところです。 県としては、引き続き、山口市と緊密に連携しながら、農業試験場跡地を活用した未来のまちモデルの構築に向けた取組を着実に進めてまいります。 副議長(島田教明君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)山口市における県有財産の活用と公共事業の進捗についてのお尋ねのうち、国道九号のバイパス整備等の取組についてお答えします。 国道九号は、県域を越えた幹線道路であり、地域経済や人々の生活を支えるとともに、災害時の救急・救援活動にも資する重要な路線です。 しかしながら、お示しの区間や島根県の一部区間において、大雨による落石等のおそれがあることから、事前通行規制区間に指定されるなど、様々な課題を抱えています。 こうした課題を解消し、地域間の交流・連携の促進や住民の安心・安全の確保等を図るため、本年一月に、山口市と島根県内の関係市町等で構成する一般国道九号(益田市~山口市間)整備促進期成同盟会が設立され、国への要望活動が行われているところです。 県としては、引き続き、期成同盟会等と連携しながら、取り組んでいくこととしています。 副議長(島田教明君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)不登校児童生徒への対応についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの人員確保策や処遇の改善についてです。 不登校の児童生徒が年々増加し、相談内容も多様化・複雑化する中、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーのさらなる確保や常勤化など、相談体制の充実が必要であると考えています。 このため、県教委では、公認心理師協会等と連携した人材確保に努めるとともに、政府要望において、配置に係る財政支援の拡充や教職員としての定数化を求めてきたところであり、今後も引き続き、関係団体との連携や国への働きかけを行ってまいります。 次に、校内教育支援センターの設置状況と今後の取組についてです。 本県では、校内教育支援センターとして、在籍する学級での学習が困難になった生徒のためのステップアップルームを県内二十二校の中学校に設置し、専属教員による個に応じた支援を行っており、今後、設置校の拡大など充実に努めてまいります。 次に、学びの多様化学校の本県の現状と今後の対応についてです。 授業時間を柔軟に設定できるなど、不登校児童生徒の多様なニーズに応えられる学びの多様化学校は、学校に行きづらい児童生徒にとって、有効な学びの場の一つであると考えています。 このため、県教委では、本年度、他県の学びの多様化学校を視察するとともに、現在、教育上の効果や運営上の課題等について、市町教委と情報共有や意見交換を行っているところであり、今後、引き続き、設置の可能性を検討してまいります。 県教委としましては、今後とも、市町教委と緊密に連携し、不登校対策に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手) 小田村克彦君 ありがとうございました。二点ほど、改めてお尋ねをいたします。 一つは、農業大学校の試験場跡地で、三つの課題が上がっております。土壌、あるいは保水、治水といいますか、水の関係、浸水があるんじゃないかと。 それから、あと一番、市民の皆さんといいますか、近隣の方が気にしておられるのは、やはり山口─防府、前の県道の渋滞対策です。かなり以前から、皆さんがお尋ねになっているというふうに思っておりますけれども、この四回の検討協議会の中で、一定、共有化が図られたというようなお答えでございましたが、都市計画道路も近くにあるように伺っておりますが、なかなかそこが生き目いくかというと難しいのかな。そうすると、市道とかをやはり改良していくのかなというふうな気持ちでおりますけれども、少し共有した内容、あるいは今後、バイパスなのか、今の現道利用なのか、そこも協議がまだということであれば、それですけれども、内容をもう少し教えていただければと思います。 それと、今日は総務部長がおられないので、平屋副知事がわざわざ出ていただいて大変恐縮ですけれども、県立大学の河川の関係で、要はありましたように、体育館、それからテニスコート、そこが今障害物に、多分ライン上にはなっております。 この障害物、先ほどのお話ですと、協議をしていきますということでしたけれども、最終的にはやはりのけるということが前提かなというふうに思っておりますが、そこを改めてお尋ねしたいのと、一元化については、北キャンパス一元化するということについてはもうないという認識で、下のグラウンド、あるいは寮もありますけれども、それから今のテニスコート等も含め、移設なり何なりという形で対応をされるということでよろしいのか、この二つについて、改めてお尋ねをいたします。(拍手) 副議長(島田教明君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)小田村議員の再質問にお答えを申し上げます。 二点ございました。県立大学の第二期整備計画の関係でございます。 まず、油川河川改修工事との整合ということで、現に、そこに存在する県立大学の施設の移転が、その河川改修工事に伴って、将来起こるのかということだというふうに承りました。 先ほども申し上げましたけども、工事の進捗に併せて検討はする必要があるというふうに考えておりますけれども、市とも協議をしながら、必要があれば、支障となる建物については移転を前提に検討を行うことになろうというふうに考えております。 それから、県立大学移転計画についてでございますけれども、関連する施設等は全て現キャンパスに移転することにはならないのかということだと思います。 先ほども御答弁申し上げましたけれども、第二期施設整備工事については、本年度行っております一号館の完成をもって完了の予定というふうにしておりまして、残ります南側のテニスコート、体育館等の施設については、移転を考えておりません。 副議長(島田教明君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)農業試験場跡地利用に係る再質問にお答えします。 農業試験場跡地周辺の渋滞については、これまでの検討の結果、既設道路の容量不足、信号待ちによる先詰まり、沿道店舗の出入り等が原因であると考えております。 今後は、面的な交通実態を把握した上で、県・市で連携し、ソフト対策やハード対策の両面から実現性や整備効果等を考慮しながら、個々の対策を組み合わせ、適切な渋滞対策となるよう検討を深めていくこととしています。