1 知事の政治姿勢について 2 「失われた30年」からの脱却について 3 米軍岩国基地問題について 4 原発ゼロへの転換について 5 GIGAスクール・ICT教育について 6 その他
副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。質問に入る前に、一言申し上げます。 自民党派閥の政治資金パーティー券収入をめぐり、最大派閥の清和政策研究会、安倍派が巨額の裏金づくりをしていた疑惑が浮上しています。発端は、昨年十一月のしんぶん赤旗のスクープでした。 所属議員が、販売ノルマを超えて集めた分の収入を政治資金収支報告書に記載せず、議員側に還流させるキックバックが組織的に行われていたとされています。 裏金総額は二○二二年までの五年間で一億円以上、他派閥でも同じ手法の裏金づくりがあったと報じられており、自民党全体に関わる重大な問題であります。 しかし、自民党総裁たる岸田首相は、徹底解明に後ろ向きになっています。岸田首相は、全容を解明して国民の前に明らかにすべきであります。 同時に、パーティー券の購入を含めて、企業・団体献金の禁止が急務である、このことを強調して、通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてです。 今年十月七日のイスラム抵抗組織ハマスによるイスラエルに対する攻撃を直接的な契機として、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザに対する無差別爆撃と地上侵攻で多くの民間人が命を奪われ続けていることに多くの県民が憂慮を深めています。 こうした中、十月二十六、二十七日の二日間、国連総会の緊急特別会合が開かれ、即時、持続的な人道的休戦を求め、イスラエルとハマスの双方をはじめ全ての当事者に対し、国際人道法の遵守と、ガサ地区への必要不可欠な物資とサービスの、継続的、十分かつ妨害のない提供を要求する特別決議が採択されました。 また、捕虜となっている全ての民間人の即時かつ無条件の解放を求めるとともに、国際法にのっとった安全、福祉、人道的な処遇を要求しています。 今、広がる県民の憂慮に応え、知事としても同決議への早急かつ完全な履行を求める意思を表明すべきだと考えますが、見解をお尋ねします。 質問の第二は、失われた三十年からの脱却についてです。 今、物価高騰に暮らしの悲鳴が上がっています。自民党政治の下で三十年という長期にわたって経済の停滞と衰退、言わば失われた三十年で、暮らしの困難が続いているところに物価高騰が襲いかかっているからであります。 日本は、世界でも異常で特異な賃金が上がらない国となっています。資料一に示しましたように、一九九一年から二○二二年にかけての実質賃金は、欧米諸国は大きく伸びていますが、日本はピーク時の九六年から見ると年収で六十万円も減少しています。山口県も傾向としては同様であります。 資料二のように、安倍政権の下で消費税は五%から一○%へと十四兆円もの大増税が行われる一方、国民年金保険料は二倍、一人当たりの国保料・税は一・五倍、介護保険料も二倍になりながら、年金は十年前に比べて実質七・三%も減り、医療の窓口負担は増える、介護制度も悪くなる一方でした。 世界有数の高い学費に加え、無償とされる義務教育でも給食費など高い教育費の負担が暮らしにのしかかっています。 高学費と貧しい奨学金制度によって、若者が背負わされている借金は、今や何と総額十兆円にも及び、三十年間で七倍にもなりました。 賃金が上がらない国にしてしまった最大の原因は、財界、大企業の要求に応じて進められた雇用破壊の政治であります。 目先の利益拡大の経営に走る財界の要求に応じて、労働法制の規制緩和が繰り返され、低賃金で不安定な非正規雇用で働く人を労働者全体の四割まで広げ、正社員には長時間労働が押しつけられています。 その一方で、大企業の内部留保は、この十年間だけでも百八十兆円近く増え五百十兆円にも膨れ上がりました。 大企業が利益を増やしても、内部留保に滞留し、賃上げや下請単価の上昇などで経済全体に還流しない構造がつくられてしまっていることが、日本経済のまともな成長の大きな障害となり、大企業自身にとっても発展の障害になっています。 これまで再三、アベノミクスなど自公政権の経済政策を礼賛されてきた山口県は、こうした経済指標や県民生活の実態をどう認識されているのか、お尋ねします。 日本共産党は十月、三十年に及ぶ経済停滞、暮らしの困難を打開するための経済再生プランを発表しました。このうち県政でも実現可能な施策について提案をいたします。 一つは、政治の責任で賃上げと待遇改善を進めることです。 県は、六月補正予算で賃上げ環境整備応援事業をスタートさせました。時給アップと職場環境整備を要件に、一社につき最大百万円を支給する事業です。 これまでの実績と評価をお示しください。さらなるスケールアップが必要と考えますが、伺います。 国は、非正規労働者の正規化、処遇改善に取り組む事業者を支援するキャリアアップ助成金事業を行っています。県内での実績を伺うとともに、東京都などが実施している同事業への加算措置など、これも検討すべきと考えますが、伺います。 福祉・介護職員などケア労働者への賃金底上げも必要です。 鳥取県は、今度の十一月補正予算案に、介護、障害、看護、これらの施設職員の処遇を月六千円引き上げるための助成制度を盛り込んでいます。財源は国の補助金等であり、山口県でも十分可能なはずでありますが、お尋ねします。 また、県や県教育委員会が雇用する会計年度任用職員の処遇改善も急務であります。 今議会に報酬の引上げと勤勉手当を支給する、この条例改正案を提案されたことは評価をいたしますが、県人事委員会勧告に基づく常勤職員の給与改定と同様に遡及改正を実施すべきですが、伺います。 二つは、社会保障の充実、教育費負担軽減であります。 コロナ禍と物価高騰という二重苦で生活が脅かされている中、住民要望に応えた施策に取り組む自治体が広がっています。市町村を包括する広域的な行政を担うとされる都道府県こそできることだと考えています。 県内でも子供医療費助成制度の拡充や学校給食の無償化に踏み切る市町が増えています。こうした市町を対象に、必要な経費の半額を県が補助する制度を実施することは、市町と共に歩むとしてきた県の理念にも合致するものと考えますが、見解を伺います。 質問の第三は、米軍岩国基地問題についてです。 一つは、米空軍横田基地所属の特殊作戦機CV22オスプレイが十一月二十九日午後、鹿児島県屋久島沖で墜落した事故についてであります。 墜落したオスプレイは、その僅か九十分前、米軍岩国基地を飛び立った機体と思われます。一歩間違えば県内に墜落するおそれもありました。県も同様の認識をお持ちでしょうか、お尋ねします。 政府は、墜落事故発生から十七時間以上経過した三十日午前八時頃、米軍に対して、我が国に配備されたオスプレイの飛行について、捜索救助活動を行う機体を除き、飛行に関わる安全が確認されてから飛行を行う、このように要請しましたが、その後も飛行し続けています。 県は、政府の対応、並びに米軍の対応をどう評価されていますか、お尋ねします。 また、米軍は沖縄普天間基地にMV22が二十四機、横田基地にCV22が六機、計三十機のオスプレイを配備していますが、岩国基地は給油等の中継地とされてきました。事故発生のリスクが高いことを踏まえ、厳しい対応が必要ではないでしょうか、伺います。 二つは、米軍岩国基地の米兵・軍属による犯罪、事故の続発であります。 米軍岩国基地所属の米兵・軍属による事故、犯罪が、昨年来急増し、基地周辺住民はもとより、県民に大きな不安を広げています。 また、本年だけでも、二月は酒気帯び運転による自損事故、四月は酒気を帯びた状態での乗用車の窃取事件、七月は酒気帯び運転で信号無視、十一月は四日に酒気帯びした状態で女性への暴行事件が発覚しました。 加えて、同月二日には、車上狙い、十八日には店舗に不法侵入をして、店の男性にけがを負わせていたことが発覚し、米軍岩国基地報道部は二件とも米軍人でありましたと認めています。 県と関係自治体は、事故、犯罪が発生するたびに、米軍岩国基地に対して、基地関係者に対して、外出・飲酒規制の徹底など綱紀の保持と再発防止の徹底を要請されてきましたが、現状を一体どう認識しているのか、改めてお尋ねします。 在日米軍は、米兵の外出・基地の外での飲酒を制限する勤務時間外行動指針(リバティー制度)を設けていますが、全く歯止めになっていません。 背景には、犯罪行為で検挙、起訴されても、基地内に逃げ帰り、軽い処分で済まされているからではないでしょうか。 事故、犯罪で警察に検挙された米兵・軍属に対し、米軍としてどのような処罰を科したのかを明らかにさせて、米軍に対し厳罰を処するよう求めるべきでありますが、それぞれお尋ねします。 質問の第四は、原発ゼロへの転換についてです。 政府が、原子力政策の根幹としている核燃料サイクルとは、原子力発電所の使用済核燃料の中から、再処理工場でウランやプルトニウムといった燃料として再利用可能な物質を取り出し、この取り出した物質を混ぜ合わせて、MOX燃料と呼ばれる燃料に加工して、もう一度発電に利用する取組のことであります。 最も大きな障害、ネックは、高レベル放射性廃棄物の最終処分場がないことであります。北海道内の二つの自治体で文献調査が行われているだけです。 このため国は、同廃棄物の地層処分が可能な地域を示した科学的特性マップなるものを作成し、二○一八年以来、当該地域で全国説明会を開催しています。 山口県内も中部から北部にかけ約半分は適地とされ、下関、周南、山口、岩国の四市で説明会が開かれていますが、山口県は参加されたのでしょうか、お尋ねします。 国は、高レベル放射性廃棄物を地表から三百メートル以上深い岩盤に最終処分する計画ですが、同廃棄物の放射能が安全なレベルに減衰するには十万年以上かかることは常識であります。世界でも有数の地震国である日本に適地などあり得ません。 少なくとも県内に高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致を容認することはできないと考えますが、お尋ねします。 また、たとえ使用済核燃料の再処理工場が竣工しても、高レベル放射性廃棄物の最終処分地が決まらない限り、核燃料サイクルは行き詰まって、中間貯蔵のはずが最終貯蔵施設となります。 九月議会でも指摘しましたが、上関原発を電源開発基本計画に組み入れることに対して出された知事意見は、使用済核燃料を長期にわたって県内で貯蔵することは望ましくないというものでありました。この考えに変わりはないと考えますが、改めて伺います。 あわせて、国がこの六分野二十一項目にわたる知事意見に反する対応をした際は、上関原発計画の推進について、県が有する権限、事務、協力などを留保することもあり得るという立場に果たして変わりはないのか、改めてお尋ねします。 いずれにしても、まさにトイレなきマンションと化している原発建設など到底認められません。中国電力が建設に固執する上関原発計画については、きっぱりとノーの立場を表明すべきであります、お尋ねします。 質問の第五は、GIGAスクール、ICT教育についてであります。 今年十月策定された、県教育振興基本計画の教育DXの推進の冒頭には、「Society5・0時代を生きる子どもたちは、タブレット端末をはじめとするICTを活用しながら主体的に学びに取り組み、これからの時代に必要な情報活用能力等の資質能力を一層高めることが求められています」とあります。 実際、教育現場ではICTを使え、使え、使えの大合唱ばかりと聞いています。 一つは、ICTの教育効果について伺います。 IT先進国で知られるスウェーデンは、二○一○年から一人一台のデジタル端末を取り入れ、十四年には実現をして、紙の教科書からデジタル教科書に完全移行をしました。しかし、今年度八月からの新学期から、紙の書籍や手書き練習に重点を置いて、ICTを活用する時間を減らしています。 デジタルデバイスの幼児教育への導入を義務づけた決定を撤回をして、六歳以下の子供を対象にしたデジタル学習を廃止したそうです。子供たちの学力低下を危惧しての政策変更であります。 現に、四年ごとに実施されているPISA、国際学力調査でも、過度なICT使用と生徒の成績の間に負の関連があると指摘されています。 日本でも今年度行われた全国学力・学習状況調査結果から、学校の授業以外での一日当たりの勉強のためのICT機器の使用時間と平均正答率の相関を見ると、中学生の国語では三時間以上は六〇・八、三十分未満は七三・三、数学でも三時間以上は四二・九、三十分未満は五五・一とICT機器の使用時間が長くなればなるほど、学力が低下するという傾向が見られます。この点について見解を伺います。 ICTは、科学技術の成果の一つであり、その活用を否定するわけではありませんが、教育効果をしっかりと検証し、活用方法を検討、工夫することが必要だと考えますが、見解を伺います。 二つは、子供の成長・発達を大切にするICTの活用を探求することであります。 紙と手書きの効果については、脳の成長には手書きの苦労が必要だ、漢字の手書き習得が文書作成能力と高度な言語能力の発達に影響を与える、と多くの研究者が指摘しています。 特に、心身発達の真っただ中にある小中学生については、紙と手書きの学習に重点を置くべきと考えますが、伺います。 三つは、子供たちの個人情報の漏洩を防ぐ必要性です。 ノーベル平和賞を受賞した国際的な人権擁護団体、ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査によると、学習用オンラインアプリやウェブサービスを通じて、子供たちの個人データが採取されている危険性が指摘されています。 EUなどIT先進国には、個人データを保護する規則が定められていますが、日本はほぼ野放しにされています。 ICT教育を進めていく上でも、個人データを企業のもうけの種や監視の種にさせないための法整備は不可欠であります。 以上、繁吉教育長に答弁を求めて、第一回目の質問を終わります。 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からはイスラエル・パレスチナ情勢についてのお尋ねにお答えします。 国においては、このたびの事態について、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、人質の即時解放と一般市民の安全確保、全ての当事者が国際法を踏まえて行動すること、そして、事態の早期沈静化を一貫して求め、外交努力を続けられています。 こうした方針の下、お示しの決議について、国は今回の事態悪化の直接の原因である、ハマス等によるテロ攻撃や人質拘束への非難がないなど、全体として内容面でバランスを欠いているとされ、総合的に判断し棄権されたものと承知しています。 私は、人道状況の改善と事態の早期沈静化が図られることを強く願っていますが、同決議への対応については、国の専管事項である外交政策に関することであり、これに対する意思を表明することは考えていません。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)知事部局の会計年度任用職員の処遇改善についてのお尋ねにお答えします。 本県の会計年度任用職員については、従前から年度当初の任用時に示した給与等の勤務条件を、任用期間である当該年度末まで適用しているところです。 このため、人事委員会勧告に基づき常勤職員の給与を改定した場合でも、年度当初に示した給与を年度末まで適用していることから、四月に遡及して給与改定を行うことは考えておりません。 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)経済指標や県民生活の実態の認識についてのお尋ねにお答えします。 我が国では、リーマンショックをはじめ様々な経済危機に見舞われたことなどから、賃金や民間投資などが伸び悩むデフレが続き、この間、急速に進む少子高齢化への対応も求められてきました。 こうした中で進められたアベノミクスにより、企業投資や雇用が拡大し、本県においても、最低賃金や有効求人倍率などの経済指標に大幅な改善が見られたところです。 その後、ロシアによるウクライナ侵略を契機に急激な物価高騰が起こり、これに賃金等の上昇が追いついていないことなどから、県民生活に大きな影響が生じています。 しかしながら、現在、政府の働きかけなどにより、全国的な賃上げなど、デフレ脱却に向けた動きが広がっており、加えて今後、物価高への対応や中小企業等の持続的賃上げと所得向上を実現するための総合経済対策が実施されることから、本県においても、そういった取組の成果が現れてくるものと考えています。 副議長(島田教明君)小関産業労働部長。 〔産業労働部長 小関浩幸君登壇〕 産業労働部長(小関浩幸君)失われた三十年からの脱却についての御質問のうち、政治の責任での賃上げと待遇改善についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、賃上げ環境整備応援事業についてです。 この事業は、賃金引上げを通じた人材確保の取組等が急務となっている中小企業者等に対し、賃上げと併せて仕事へのやりがいや、会社への貢献意欲を高める取組を推進することで、魅力ある職場環境づくりを支援するものです。 これまでに、約二百三十件の交付決定を行ったところであり、この事業による支援がなければ取組が困難であった比較的小規模の事業者からも多くの申請があり、県内企業における賃上げの促進や、柔軟な働き方の導入につながったものと考えています。 また、この事業については、九月補正予算において大幅な拡充を行ったところであり、さらなる拡充については現時点では考えていません。 次に、キャリアアップ助成金についてです。 キャリアアップ助成金の本県における実績については、公表されていません。 また、加算措置については、国の今回の総合経済対策において、正社員化コースの一人当たりの助成金が中小企業で五十七万円から八十万円に増額されるなど、助成内容の拡充がなされたところであり、県のさらなる加算措置については考えていません。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)失われた三十年からの脱却についてのお尋ねのうち、まず福祉・介護職員などケア労働者の賃金底上げについてお答えします。 国の処遇改善事業については、令和六年二月から五月までの賃金引上げ分を対象としており、現時点において具体的な事業内容が示されていないことから、十一月補正予算には計上しておりません。 次に、社会保障の充実、教育費負担軽減についてのお尋ねのうち、子供医療費助成制度の拡充についてお答えします。 本県の乳幼児医療費助成制度は、国の医療保険制度を補完し、一定の福祉医療の水準を確保することを目的として、基準を定めて市町に助成を行っているところです。 各市町による独自の取組については、それぞれの自治体において、財政状況や住民ニーズなどを勘案して判断されているものと受け止めています。 副議長(島田教明君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)米軍岩国基地問題についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、CV22オスプレイの墜落事故に関する県の認識についてです。 当該事故については、国において米側に対し事実関係の確認中であり、事故原因も究明されていない中で、県内への墜落のおそれに関する認識についてお答えすることは困難です。 次に、十一月三十日の政府の墜落事故に係る対応と、その後の米側の対応についてです。 政府の対応については、航空機の機体の安全性について専門的な知見を有する国の責任において、オスプレイの飛行に係る要請を行うなど、適切に対応されたと考えています。 一方、米側は、国の要請を受け止め、事実関係の確認や迅速な情報提供など国と緊密に連携し、対応されようとしていると考えています。 次に、オスプレイの運用への対応についてです。 県では、地元二市二町とで構成する山口県基地関係県市町連絡協議会において、オスプレイの運用に関し、これまでも日米合同委員会合意や岩国日米協議会における確認事項を遵守し、安全性が最大限確保されるよう米側に求めていくことを国に対し要望しているところです。 県としては、引き続き航空機の安全対策の徹底について、国や米側に働きかけてまいります。 次に、米兵・軍属による事故、犯罪の現状に対する認識についてです。 県としては、これまでも国や岩国基地に対し、米軍関係者の綱紀の保持や再発防止の徹底を要請しているにもかかわらず、昨年末以降、飲酒を伴った事件・事故が続いていることは、基地周辺住民に大きな不安を与えるものであり、誠に遺憾です。 次に、警察に検挙された米兵・軍属に対し、米軍としてどのような処罰を科したのかを明らかにさせ、米軍に対し厳罰を処するよう求めるべきとのお尋ねについてです。 合衆国の軍当局が行使する刑事及び懲戒の裁判権等の内容について、地方自治体である県として見解を申し上げる立場にはありませんが、米軍関係者による犯罪はあってはならないものであり、今後とも綱紀の保持や再発防止の徹底について、国や米側に求めてまいります。 副議長(島田教明君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)原発ゼロへの転換についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、国の全国説明会への県の参加についてです。 お示しの対話型全国説明会には、県は参加していませんが、情報収集のため傍聴をしています。 次に、県内への最終処分場の誘致の容認についてです。 国の対話型全国説明会は、地層処分の理解を深めてもらうことを目的とし、説明会開催地域の住民や自治体に対して、調査や処分場の受入れの判断を求めるために実施するものではないとされており、また、仮定の御質問でもあることから、県として見解を述べることは考えていません。 次に、上関原発計画に係る知事意見における使用済燃料の貯蔵・管理及び県の権限等の留保に関する記述について、まとめてお答えします。 知事意見では、使用済燃料の貯蔵・管理について、発電所内での新たな貯蔵施設に頼らないで済むよう、また、発電所内での貯蔵管理が長期にわたらないよう適切な対策を講じることとしています。 また、知事意見の冒頭において、今後の対応状況等によっては、当該計画の推進等について、県が有する権限、事務、協力等を留保することもあり得ることを申し添えるとしています。 これらの知事意見の内容について、変更はありません。 最後に、上関原発計画について、反対の立場を表明すべきだとのお尋ねについてです。 上関原発計画は、事業者である中国電力が、国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えています。 したがって、県としては、お尋ねのような立場を表明することは考えていません。 副議長(島田教明君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)教育に関する数点の御質問のうち、まず最初に、教育委員会の会計年度任用職員の処遇改善についてのお尋ねにお答えします。 県教育委員会におきましても、知事部局と同様、年度当初に示した給与を年度末まで適用しており、四月に遡及して給与改定を行うことは考えておりません。 次に、社会保障の充実、教育費負担軽減に関するお尋ねのうち、学校給食の無償化についてです。 市町の学校給食費の無償化については、設置者が実情に応じて判断するのが基本と考えておりまして、お示しの県が補助する制度の実施は、現時点で検討することは考えておりません。 次に、GIGAスクール、ICT教育に関する数点の御質問にお答えします。 最初に、ICT機器の使用時間が長くなるほど、学力が低下する傾向が見られるがどうかとのお尋ねについてです。 全国学力・学習状況調査の結果は承知しておりますけれども、県教委では、引き続きICT機器の効果的な活用により学力の向上に努めてまいります。 次に、ICTは、教育効果をしっかりと検証し、活用方法を検討、工夫することが必要ではないかとのお尋ねについてです。 県教委では、各学校における成果や課題を検証し、効果的な活用を図っているところです。 次に、小中学生については、紙と手書きの学習に重点を置くべきではないかとのお尋ねについてです。 県教委では、これまでの教育実践とICTのベストミックスによる個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に努めています。 次に、個人情報の漏洩防止についてのお尋ねにお答えします。 個人情報については、個人情報保護法等に基づき取り扱われており、新たな法整備につきましては、国の責任において行われるものと考えています。 副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 ガザ問題、ガザでのジェノサイドが再び始まりました。これを絶対に回避しなければならない思いは、知事と同じであります。しかし、残念なことに日本政府はこれまでも、イスラエルの行為を国際法違反と批判せず、人道的休戦を求める国連総会決議には棄権をするという情けない態度をとってきたことです。 日本は、中東の植民地支配や戦後の中東戦争にも一切加担しておらず、しかも九条、平和憲法を持った国であります。 アメリカの世界戦略などに振り回されず、積極的に平和な世界をつくるイニシアチブを発揮することが今必要だと思いますが、改めて知事の見解を伺います。 失われた三十年、この問題では十二月一日、財務省が発表した二○二三年七─九月期の法人企業統計によると、資本金十億円以上の大企業の内部留保は五百二十八兆円と過去最大を更新しています。前年同期に比べて、二十二兆三千億円、四・四%の増加であります。 第二次安倍政権が発足した十二年七─九月期からの伸び率を見ると、内部留保は一・六四倍と急拡大、一方で、労働者一人当たりの賃金は一・一二倍にとどまり、二十三年七─九月期までの消費者物価指数は一五・一%の上昇でありますから、賃金の上昇率を上回り、実質的に賃金は減少しています。これでは、格差と貧困がますます広がり、日本の経済は立ち直れません。 改めて提案します。国に対して、せめて五百二十八兆円の内部留保にわずか二%の税金を負担してもらう、この十兆五千億円を賃上げに回すような、そういうふうな施策を取るように国に求めるべきではないでしょうか、改めてお尋ねします。 オスプレイの問題です。 日本政府は、米軍に対して飛行停止を明確に要請していないことが明らかになりました。だからこそ米軍は、日本政府から公式の飛行停止要請は受けていないと居直り、欠陥機オスプレイは、事故当日から今現在も岩国を含めて全国で飛び回っています。 米軍の運用に関わることは、一切物が言えない、これが日米同盟の実態であります。こんな状態で県民の安全・安心は果たして守られるのか、改めて伺います。 オスプレイの死亡事故は、この間、開発時に三十四人、実戦配備以降も二十三人の計五十七人。そして今回の事故で、墜落で六十人を超えました。 こんな危険な空飛ぶ棺おけとやゆされるオスプレイを配備しているのは、世界でも米軍と日本の自衛隊だけであります。 昨年六月、米本土カリフォルニア州で海兵隊のMV22オスプレイが墜落し、搭乗員五名全員が死亡した事故に関して、米軍は今年七月二十一日、調査報告書を初めて公表しました。 それによると、操縦者及び乗組員には瑕疵はない。本事故の発生を予知、防止するために彼らはできることがなかった。そして、この壊滅的かつ予期せぬ機械の故障が発生したのだと。こうして、事実上、構造的欠陥を認めました。にもかかわらず防衛省は、構造的欠陥ではないと言い張り続けています。 こうした異常な腰の引けた対米従属、忖度の態度は事故原因の究明を遠ざけ、次の事故を呼び込みかねません。 事故原因の徹底究明と、その結果の公表は不可欠でありますが、県の認識を伺います。 もう一点、飛行停止の問題でありますが、岩国の住民団体が岩国市に申し入れた際、岩国市の基地対策担当部長は、オスプレイはほかの機体より事故率が高いと認識している、だから山口県と協議をして飛行停止を求めることも検討すると答えていますが、山口県基地対は、どのような態度を取るか、改めて伺いたいと思います。 今、岩国基地は、横田や嘉手納その他からオスプレイや米軍の航空隊の中継基地として使われていますが、その機能強化の一環である燃料タンクの五倍化、この問題は一体どうなっているのか、改めて伺います。 中間貯蔵所問題ですが、核燃料サイクルについて改めて伺います。 共産党県議団は、十月中旬、青森県当局と六ケ所村、むつ市に視察に行ってきました。 御承知のとおり、高速増殖炉「もんじゅ」は、相次ぐ事故やトラブル続きで、二○一六年廃炉が決定した。 びほう策として国が持ち出したのが、プルトニウムとウランを混合させたMOX燃料を作り、既存の原発で使用するプルサーマルでありますが、この技術も全く未確立で、安全性も担保されない極めて危険極まりないものであります。 にもかかわらず九三年、六ケ所村の再処理工場建設に着工、九九年の稼働開始を目指したものの、以後二十五回も延期をされ、八方塞がりになり今日に至っています。 核燃料サイクルは、完全に破綻していると考えますが、県の認識を伺います。 立地の問題については、むつ市の中間貯蔵施設なるものは、津軽海峡側に面した民家などほとんどない広大な原野を切り開いた場所であります。 一方、立地が検討されている上関町は、瀬戸内海のど真ん中、むつ市と同じ規模の貯蔵建屋や専用道路、港湾施設を整備するには、大規模な森林伐採と土地造成、さらに港湾整備に伴う新たな海面埋立てなど、大規模な自然破壊が避けられず、しかも直下に活断層が走っているという最悪の場所で、悪魔の選択とも言わざるを得ません。この点について改めて伺って、再質問を終わります。(拍手) 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)再質問にお答えをいたします。 まず、イスラエル・パレスチナの事態についての再質問でございますけれども、国においては全ての当事者が国際法を踏まえて行動すること等を一貫して求めて、外交努力を続けられております。 県としても、事態の早期鎮静化が図られることが重要と考えておりますけれども、その実現に向けた国の対応につきましては、国の専管事項である外交政策に関することでありますので、お答えする立場にはございません。 それから、次に、賃上げに関する再質問についてでありますけれども、賃上げが物価上昇に追いついていない状況の改善に向けましては、これまでも全国知事会等を通じて賃上げに取り組む中小企業を後押しするための支援などを国に求めております。 こうしたことを踏まえ、国においては総合経済対策によって中小企業等の持続的な賃上げの実現に向けた支援等に取り組むとされております。 加えまして、国では来年の春闘に向けて、経済界に対して今年を上回る水準の賃上げを働きかけるとされていると承知もしておりますので、県としてお示しのあったような内容について国に求めていくことは考えておりません。 副議長(島田教明君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)オスプレイの墜落事故についての数点の再質問にお答えします。 まず、日本政府が米軍の運用に係ることは一切物が言えない状態で、県民の安全・安心を守れるのかというお尋ねがあったと思います。 政府の対応ですけれども、先ほども御答弁申し上げましたとおり、航空機の機体の安全性について専門的な知見を有する国の責任において、オスプレイの飛行に係る要請を行うなど、適切に対応されていると考えております。 県としては、引き続き国からの情報収集に努めるとともに、県民の安心・安全の確保に関し、問題があれば基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会や山口県基地関係県市町連絡協議会を通じ、国や米側に必要な対応を求めてまいります。 次に、オスプレイの墜落事故に関して、事故原因の徹底究明とその結果の公表は不可欠であるが、県の認識を伺うとのお尋ねです。 県では、これまでも県と地元二市二町で構成する山口県基地関係県市町連絡協議会において、米軍機の事故に関する徹底した原因究明と早期の公表などを求めているところです。引き続き航空機の安全対策の徹底について、国や米側に求めてまいります。 次に、オスプレイの飛行停止に関して、岩国市との協議のことのお尋ねがあったと思いますけれども、今回の墜落事故に関して、岩国市を含めた地元市町と現在まだ協議中でございます。引き続き協議を続けて、検討を進めてまいります。 最後に、オスプレイの墜落事故に関して、燃料タンクのことについてのお尋ねです。 米側から、実施内容の詳細について検討段階であり、共有できる新たな情報はありませんとの情報を得たことについて、国から情報提供を受けているところです。 県としては、引き続き情報収集に努め、地元市町と連携しながら適切に対応してまいります。 副議長(島田教明君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)原発ゼロへの転換についての再質問にお答えします。 まず、核燃料サイクルについては、第六次エネルギー基本計画において、これまでの経緯等も十分に考慮し、関係自治体や国際社会の理解を得つつ、再処理やプルサーマルを推進することとされています。 いずれにしても、エネルギー政策は、国家運営の基本であることから、核燃料サイクルをどうするかについては国の責任において判断されるべきものであり、核燃料サイクルは破綻しているかどうかについて、県として見解を述べることは考えていません。 次に、上関町への中間貯蔵施設の立地についてのお尋ねですが、現在はあくまでも中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、中国電力において調査が開始された段階であり、県としての認識を申し上げる状況にはないものと考えております。 副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 オスプレイ問題、日米地位協定によって主権が損なわれ、国民の命が脅かされているのにも改めようとしてこなかった自民党政権。日米同盟、日米同盟と口にしながら、自国のことを自分たちで決められない情けない姿がまたもあらわになったのが、今回の墜落事故であります。 住民の安全・安心、命を守るためには、欠陥機オスプレイの飛行停止と完全撤去は不可欠であります。改めて総務部理事に見解を求めて、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)再々質問にお答えします。 オスプレイの飛行停止や全面撤去に関してのお尋ねだったと思います。 飛行停止ですけれども、オスプレイを含め航空機の機体の安全性については、専門的な知見を有する国の責任において判断し確保されるべきものであり、岩国基地への飛来も含めた飛行停止についても、基本的には国や米側が安全管理の徹底を図る中で、自主的に判断されるべきものと考えています。 また、全面撤去について、オスプレイは岩国基地配備機ではありませんが、度々飛来してくることから、問題がある都度、これまでも国に対し地元市町と連携して、機体の整備や安全運用の徹底など必要な要請をしているところです。 オスプレイの安全性については、専門的知見を有する国の責任において確保されるべきと考えており、全面撤去を求める考えはありません。 副議長(島田教明君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(島田教明君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後二時五十六分散会