1 戦没者慰霊祭について 2 中間貯蔵施設調査受け入れについて 3 スポーツの競技力向上について 4 慢性腎臓病対策について 5 インクルーシブ社会の実現について 6 陸上自衛隊に対する認識について 7 その他
議長(柳居俊学君)橋本尚理君。 〔橋本尚理君登壇〕(拍手) 橋本尚理君 私は、自由民主党新生会の橋本尚理でございます。 まず、私心を述べさせていただきます。私は、一般社団法人日本郷友連盟山口県郷友会会長を長年務めております。日本郷友連盟とは、一つ、英霊の顕彰、二つ、国防思想の普及、三つ、日本のよき歴史・伝統の継承の三つの柱を目的として活動している防衛省協力団体第一号の全国組織であり、日本郷友政治連盟を持つ反共政治団体でもあります。私は、この三つの柱を政治活動のバックボーンとして位置づけ、活動を続けております。 その一つ、英霊の顕彰では、平成十二年、地元の岩国護国神社総代会会長となり、正月の献穀祭、春秋の慰霊大祭、夏の御霊祭りを催行し、毎年、必ず靖国神社を正式昇殿参拝し、昨年、今年は八月十五日に参拝をさせていただきました。 靖国の名前は、明治天皇が国を安んずる、すなわち、祖国を平安にする、平和な国家を建設するという願いを込めて命名されたものであり、御英霊を顕彰するとともに、我が国の恒久平和を願う場所が、靖国神社であります。 さて、昨年までの三年間、コロナ禍において靖国神社をはじめとして各護国神社が慰霊祭を神職及び一部関係者のみで催行している中、岩国護国神社は、通年どおり御遺族を招き、来賓を招待して慰霊祭を催行いたしました。 岩国護国神社に祭られている三千三十三柱の御英霊の御加護によりクラスターを出すことはありませんでした。コロナ禍において、通年どおりの慰霊祭を催行したのは全国で岩国護国神社だけであり、これは、私が御英霊に対し、最も誇りとするところになっております。 ただ、戦後七十年以上経過し、御遺族が二代目、三代目となり、慰霊祭への参拝者の減少により護国神社の護持が厳しく、遺族会の存続自体が問われる時代となってきているのを、私は目の当たりにしてきました。 さらに追い打ちをかけるように、コロナ蔓延による各護国神社の祭典中止や縮小により、ますますこれに拍車がかかり、このままでは我が国から英霊の顕彰をする人がいなくなるのではとの思いで、全国の道府県遺族会や道府県護国神社を訪問し、現状の情報収集や今後の英霊の顕彰、遺族会の存続について意見交換をさせていただいております。 我が国の独立と平和を守るために、痛ましくも散華された御英霊を顕彰し、感謝の誠をささげるとともに、恒久平和を願うのは、今を生きる私たちが決して忘れてはならない使命であり、責務なのであります。 それでは、その使命・責務から、御英霊の顕彰についてお伺いをいたします。 沖縄県摩文仁の丘にある防長英霊の塔の前庭において、十一月六日、山口県南方地域戦没者防長英霊の塔慰霊祭が開催され、私は、コロナ禍で慰霊祭が中止された年も一人で参拝させていただいておりましたが、今年も参拝をさせていただきました。 この慰霊祭は、知事が会長の山口県南方地域戦没者慰霊奉賛会主催で、県知事が出席することが他県では少なくなった今でも、本県では、副知事と交代で会長である村岡知事本人が御参列をいただいていることは、大変誇りに思っております。 ただ、この防長英霊の塔には、大東亜戦争での南方地域における本県出身の戦没者が祭られており、一方で、南方地域以外での戦没者や明治維新から戊辰戦争、日清・日露戦争をはじめ様々な国難において、国と家族を守るためにその一身をささげられた方々がほかにも大勢おられるのであります。 戦後七十八年にわたり、我が国が独立と平和を享受できていること、そして、今の山口県があることは、ふるさとを守るために貴い命をささげられた全ての戦没者の礎の上にあることを決して忘れてはならず、我々県民は、色あせることなく後世に引き継いでいかなければなりません。 私は、令和三年十一月議会で、朝日新聞に掲載された、護国神社の例大祭、七県知事ら公務参列との見出しで、ある憲法学者の、到底社会的儀礼とは言えず憲法違反であるとの記事に対し、村岡知事が、戦没者や御遺族に対して弔意、哀悼の意を表するために社会的儀礼として出席している、憲法で禁止されている宗教的活動には当たらないとの見解を堂々と出されたことを紹介させていただきました。山口県護国神社の参列に感謝をさせていただきました。 その後、私が視察した道府県でいろいろお尋ねをしたところ、護国神社慰霊祭への知事の参列はありませんが、道府県主催による戦没者慰霊祭を開催されていますとの返事がほとんどでした。 そこで調べてみましたら、驚いたことに、都道府県主催の慰霊祭を実施していないのは、本県を含む七県のみでありました。 そこでお尋ねします。私は、防長英霊の塔慰霊祭や山口県護国神社慰霊祭への知事の参列、また先日、催行されました山口県陸軍墓地慰霊祭への代理の方の出席には感謝をいたしますが、また一方で、県民に対し顕彰の範を示し、県民挙げての顕彰を継続していくためには、まず多くの都道府県同様に、県主催による全戦没者追悼式を遅ればせながらでも山口県も開催し、広く県民に周知を図ることも重要と考えるに至りました。 そこで、御英霊の顕彰について、県では今後どう取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、上関町の使用済核燃料の中間貯蔵施設調査受入れについてお伺いいたします。 私は、温暖化対策としての太陽光や風力発電には疑義を抱いております。それは、その多くが中国による我が国への侵略のすべとして使われており、安全保障上重要な国土の買収だけではなく、固定価格買取制度により多額の円が中国に流出し、この制度が終了するや、大東亜戦争後南方各地に置き去りにされた戦車のように、産業廃棄物となったソーラーパネルや風車が山野に放置される風景が容易に想像できるからであり、同時に、西欧諸国が、ロシアのウクライナ侵攻を機に原発依存にかじを切ったように、エネルギー資源を持たない我が国は、どうしても原子力発電が不可欠であると信じるからであります。 幸いにも昨年八月、岸田総理が次世代原発の開発・建設を指示されました。 これを受け、四十年来、原発によるまちづくりを表明されている上関町が、新たな地域振興策についての検討を中電に要請し、これに対して中電は、島根原発の使用済燃料プールが再稼働によりいずれ満杯になるのを見据え、中間貯蔵施設の設置検討を提案し、町は立地可能性調査に同意をされたのであります。 ただ、中国電力の一連の対応には、私も大いなる不満を持っておりますので、このことは中国電力に対し、強く抗議をしたところであります。 そこで、私からも改めてお伺いいたしますが、上関町の使用済核燃料の中間貯蔵施設の調査受入れについては、上関町の選択を最優先していただきたいと思いますが、県は今後どのように対応されるのか、御所見をお聞かせください。 次に、スポーツの競技力向上についてお伺いいたします。 国民体育大会としては最後の大会となる、かごしま国体で、本県は総合順位を昨年の三十八位から大きく伸ばし二十五位へと躍進いたしました。セーリング競技では、天皇杯と皇后杯を共に獲得する完全優勝を果たしましたが、特筆すべきは、少年種別での活躍であります。 セーリング以外で優勝したテニス、バレーボール、卓球、馬術、バドミントン、スポーツクライミング、この六競技が全て少年種別でありました。 少年女子バドミントンの柳井商工のように、高校選抜、インターハイに続き、この国体で三冠を達成するなど、優勝を期待され、その重圧をはねのけ優勝を果たした競技もあれば、少年男子のバレーボールなどでは、優勝候補を次々と撃破し、短い大会期間に強豪との真剣勝負の中で成長を続け、見事に優勝を果たした競技もあります。 こうした若者の活躍や真剣に競技に取り組む姿は、多くの県民に勇気や活力を与えたところであります。 実業団チームに限りがある我が県では、少年種別の成績により総合順位が大きく左右することを、まさに実証した、かごしま国体となったのであります。 県では、これまでスポーツ能力に優れた児童を早期に発掘し、世界に羽ばたくトップアスリートを育成することを目的とした、県スポーツ協会のジュニアアスリートアカデミーを支援しておられますが、スポーツの力は、地域の活力を維持向上させるために必要であり、そのためには、とりわけジュニアアスリートの競技力を向上させることは欠かすことはできません。 そこで、まず、県はジュニアアスリートの育成及び強化に今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、県におかれましては、二巡目山口国体を一過性のものとさせないようにと、我がまちスポーツ推進事業や地域スポーツ人口拡大推進事業を展開してこられました。こうした支援を受けた選手たちは、世界で戦う自らの姿を見せるだけでなく、地元への恩返しも積極的に行っておられます。 私が会長を務めておりますフェンシングでは、岩国工業高校出身の東京五輪金メダリスト 加納虹輝選手が、岩国市の支援を受け、全国トップレベルの若手エペ選手を対象とした加納虹輝杯全国ジュニア・カデランキングマッチ大会を開催し、同じ金メダリストの山田選手や、古俣選手ら世界ランキング上位の選手も同行し、自ら審判をし、ジュニア選手に対しても直接指導を行い、最終日には金メダリスト同士の模範試合を行い、大会に参加した選手たちの競技力向上に加え、世界トップレベルの熱量の高い試合を間近で見る機会を地元の子供たちに提供し、次の世代を担う若者の原動力を生み出すなど、好循環へとつながっております。 先月には、サーブル種目では我が国最大の大会となる全国シニア・ジュニア・カデランキングマッチ大会を、三百二十名の選手の参加を得て、初めての開催となる周南市で実施しました。TYSの全面協力を頂いたので、テレビで御覧になった方もあると思います。 フェンシングを山口県の我がまちスポーツにすべく、今まで岩柳地区に偏っておりましたフェンシングの輪を、県央部に広げていくために、次年度以降もこの大会を周南市で開催することとしております。 私たち競技団体は、全国トップレベルの選手の試合を子供たちに提供し、間近で見た子供たちが競技に関心を持ち、自分もこの場に立ちたいと練習に励み、トップアスリートへと成長する姿を見たいのであります。 しかし、この大会は、主催者である山口県フェンシング協会にとりましては、大いに考えさせられる大会となりました。周南公立大学と柳井学園高校のコラボした大会でしたので、スタッフの確保には苦労しませんでしたが、財政基盤の脆弱な協会にとりましては、財政的には非常に厳しい大会となったのであります。 また、この全国大会では周南市の後援は頂きましたが、山口県の後援は取りませんでした。県有施設を使用しない限り、そのメリットがないからであります。 そこでお伺いいたします。スポーツ団体が主催する全国規模の大会に対しての県の直接的な補助は、財政難から平成二十七年度以降、県が誘致したものを除き実施されておりません。県の補助金がなければ、開催市町からの補助金も頂きづらいのが現状であります。県も観光スポーツ文化部と名をつけておりますことからも、全国規模のスポーツ大会に対する補助制度を復活してはいただけないのか、御所見をお伺いいたします。 次に、慢性腎臓病対策についてお尋ねいたします。 現行の第七次山口県保健医療計画では、糖尿病由来による新規の透析導入患者数を年間百六十人に設定し、重症化予防を行ってきました。策定当時は二百人前後であった新規導入患者数が、二○一七年時点では百六十三人と減少したものの、二○二○年は二百十七人、二一年は二百八人と増加に転じております。 こうした状況を踏まえると、今回策定中の第八次保健医療計画では、糖尿病重症化予防について抜本的な対策を講ずることが必要であると考えられます。 さらには、一般に人工透析といえば、糖尿病が悪くなってするものと思われている方も多いかもしれませんが、日本透析学会が行った患者調査では、人工透析を初めて受ける患者のうち糖尿病由来の患者は四割程度で、六割は高血圧など他の疾患が原因とされていることからも、透析予防の観点から慢性腎臓病対策として、糖尿病以外の残りの六割の疾患にも焦点を当て、しっかりとした対策を行っていく必要があります。 慢性腎臓病とは、腎臓のろ過機能が低下し、たんぱく尿などが継続して確認される状態のことを指します。この慢性腎臓病由来による透析患者が全国的に増加傾向にあることを踏まえ、先般発表された国の第八次医療計画の策定指針の中でも、慢性腎臓病対策の必要性について触れられております。 本年五月に、厚労省が都道府県担当向けに開催した医療政策研修会において、先行事例として、熊本市が実施した慢性腎臓病のリスクがある市民への働きかけの継続と医療従事者との協働により、五年間で約九億五千万円の医療費削減効果があり、長崎県では、慢性腎臓病の対策検討委員会を設け、かかりつけ医から専門医への紹介基準を定め、相談対応が可能な医療機関のリストを準備するなど、治療の仕組みづくりを構築するとともに、チラシ等により県民への啓発も行っているとの紹介があったと聞いております。 そこで、本県においても、慢性腎臓病のリスクがある県民を早期に発見し、悪化させない仕組みづくりを実現するには、医師会との協働・連携が不可欠であり、まずはしっかりと対策を検討する場を設けることが必要ではないでしょうか。 また、市町との連携が必要となります。先進的な基礎自治体では、国保データベースなどを用い、慢性腎臓病のリスクのある住民への啓発活動の実施に力を入れておられますが、本県においても、市町が国保データベースを活用した疾患啓発、受診勧奨活動を行えるような環境の整備を県が支援していくことが、今後必要であると考えられます。 また、国保以外の協会けんぽや組合健保等に加入している県民も多く、これらは被保険者の医療情報データには市町はアクセスできず、国保以外の加入者に対する注意喚起をどのようにするのかが課題となります。 こうした中で、健康経営事業所の枠組みを活用し、市の行政保健師を健康経営企業に年に一回派遣し、健康啓発のための講演を行っている自治体もあり、本県も、やまぐち健康経営企業認定制度により、協会けんぽと密接に関わりながら、企業の健康増進に努められておられますが、このような枠組みを生かして、行政保健師が企業の被用者に対し慢性腎臓病の医療機関への紹介基準を直接説明してもらうことが、受診機会の向上につながるのではないでしょうか。 そこでお尋ねをいたします。本県では、現在、第八次山口県保健医療計画を策定されておられますが、この計画において、透析導入患者の減少に向け、まず糖尿病重症化予防対策にどのような具体的対策を取られようとしておられるのか、また、慢性腎臓病等の重症化予防対策をどのように反映されようとしておられるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、一昨年来、私が取り組んでおりますインクルーシブ社会の実現についてお伺いをいたします。 現在、全国的にインクルーシブ公園の整備が進んでおります。私も、春の改選後、日本最大のインクルーシブ公園札幌市の農試公園、県下初のインクルーシブ公園宇部市の山口宇部ふれあい公園と視察いたしました。 両公園とも、インクルーシブ遊具と一般遊具が混在したハード的には理想的なインクルーシブ公園であり、多くの子供たちでにぎわっておりました。 しかしながら、両公園で障害のある子は農試公園で一人見かけただけで、その実態はインクルーシブ公園とは程遠い公園となっておりました。 また、先月の日曜日に、インクルーシブ遊具だけを整備した横浜市の小柴自然公園インクルーシブ遊具広場を視察いたしました。入り口に、「みんなのあそびば」と書かれ、「あいてのきもちをかんがえるのがにがてなこがいます」「からだをうごかすのがむずかしいこがいます」「だれもが自分のペースで楽しめるあそび場を目指しています」と看板にありました。 二百組以上の家族が楽しんでおられましたが、ここでも障害のある子を見かけることはできませんでした。 いずれの公園も、障害のない子やその家族にとって、新しい遊具のある新しい公園となり、障害のある子やその家族にとっては、障害のない子やその家族で占有された今までどおりの遊びに行けない公園となっていたのであります。 さて、私たち、遊びと育ちのインクルーシブ架け橋会は、十月八日に第五回目となる、ふくろう公園インクルーシブDAYを実施いたしました。 当日は朝方まで雨が降り、夜が明けてからは小雨が降ったりやんだりで非常に肌寒い日でありました。前日までに、障害のある子二百五十一人とその家族五百九十九人計八百五十人の参加申込みがありましたが、悪天候のため何人の参加があるのか不安でした。 結果、障害のある子百八十九人とその家族四百十八人計六百七人の参加があり、二百三十名のスタッフで見守り、一緒に遊ぶことができました。悪天候にもかかわらず、実に参加申込者の七割以上の参加があったのであります。 しかし、午後から雨が強くなり、気温も急激に下がったために、一時三十分に中止をいたしました。参加者からのアンケートの多くに、悪天候の中でも実施していただき感謝です、午後から中止になって残念ですとありました。障害のある子がこのイベントをいかに楽しみに待っていたか。保護者が公園で我が子を遊ばせてやりたいといかに願っているかを、まさに証明したところであります。 ただ、残念なことも起こりました。今回から、看護学生、高校生に続き、中学生三十人に見守りスタッフとして参加してもらったのですが、参加者からのアンケート数件に、中学生に対しての苦情があったのです。事前に中学生に対し、インクルーシブDAYの趣旨を十分に説明できなかったことを反省したところであります。 また、私たち、遊びと育ちのインクルーシブ架け橋会は、来年度、インクルーシブ公園の整備を計画している岩国市の都市計画課、公園施設課、障害者支援課それぞれの担当者と合同で協議を続けており、架け橋会からは市に対し、ふくろう公園の大型遊具の隣接地にインクルーシブ遊具を設置していただき、そのエリアを障害のある子の専用でも共用でもなく、障害のある子供の優先エリアにしてくださいとお願いをいたしております。 先ほど紹介しました三つのインクルーシブ公園とふくろう公園の違いを感じていただければお分かりのように、インクルーシブ社会を目指すには、まだまだ国民、県民のインクルーシブへの理解は未成熟であります。どうか障害のある子とその家族が、誰にも気兼ねせず思い切り遊べ、障害のない子やその家族が温かく見守り、そして一緒に遊べる公園、この整備をしていただきますよう強く要望し、お尋ねします。 県におかれましては、どのような理念で、どのようなインクルーシブ公園を整備されようとしているのか、併せて、インクルーシブ社会の実現に向けて、子供たちへのインクルーシブ教育、さらには、大人たちへのインクルーシブ教育に今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 さて、私たちは今回、「障がいがあります」キーホルダーを製作いたしました。こちらであります。(掲示)このキーホルダーをインクルーシブDAYの参加者に配付させていただきました。またこのことは、十二月二日の中国新聞、(掲示)このように大きく取り上げていただきました。 イベント後に、県内外の方々から、私は、我が子に助けてくださいのヘルプマークをつけることに戸惑いを持っていました、でも、理解してくださいの、障害がありますマークならつけてやりたいですとの問合せが相次いでおります。 障害のある方は、常に助けを求めている社会的弱者ではなく、障害という個性を持った私たちと同じ普通の人であります。障害のある方を社会的弱者と捉えること自体が、福祉ではなく差別であるとの認識を、この議場におられる方には持っていただきますようにお願いをいたします。 それでは、最後に、陸上自衛隊に対する県の認識についてお伺いをいたします。 中国五県の防衛警備と災害派遣を担う陸上自衛隊第十三旅団創立記念式典に四年前に出席した際、五県の中で山口県だけ知事もしくは代理の出席がありませんでした。 そこで、当時の弘中副知事に苦言を呈したところ、大変申し訳ない、来年からは知事が出席できなくても代理の者を出席させますと言っていただいたのですが、先月二十六日に開催された式典に参列をしたところ、来賓紹介で、それぞれの知事の代理として広島県副知事、島根県防災部長、鳥取県危機管理専門官、岡山県危機管理課長と紹介され、山口県の紹介はありませんでした。 その後、山口県議会議員橋本尚理と私の紹介までありましたが、私は強い憤りと山口県民であることへの寂しさと恥ずかしさ、さらには山口駐屯地や県出身の自衛官に申し訳なく、立ち上がり挨拶することに戸惑いを覚えたのであります。 陸上自衛隊の前身である日本陸軍の創始者 大村益次郎や、唯一の親子二代陸軍元帥 寺内正毅・寿一は、山口県の出身であることを御存じでしょうか。 そこでお伺いいたします。県は、山口県の防衛警備や災害派遣を担っていただいている陸上自衛隊第十三旅団に対しどのような認識を持っておられるのか、また、創立記念式典には他の中国四県と同様、山口県からも出席すべきだと考えますが、今後いかに対応されるのかお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)橋本議員の御質問のうち、私からはインクルーシブ社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 誰もが障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する、いわゆるインクルーシブ社会を実現するためには、障害に対する社会全体の理解を深め、障害のある方に対する偏見や差別をなくしていくことが重要と考えています。 このため、昨年十月に、障害のある人の人権の尊重、差別の禁止、障害についての理解、これら三つを基本理念とする、障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくり条例を制定し、障害を理由とする差別の解消や障害理解の促進に向けた取組を一層強化することとしたところです。 また、やまぐち未来維新プランにおいても、誰もがいきいきと輝く地域社会実現プロジェクトを掲げ、県民誰もが多様な障害の特性を理解し、必要な配慮を実践するあいサポート運動を、学校や企業、地域などにおいて幅広く展開しています。 とりわけ、県の将来を担う子供たちが、社会性を身につけながら成長する過程において、偏見なく、障害のある人に接する心を育むことができるよう、小学校低学年向けの研修教材等の活用や、障害のある子供とない子供の交流イベントの開催に取り組んでまいります。 さらに、あいサポート運動の担い手であるあいサポーターや、この運動趣旨に賛同するあいサポート企業・団体等に協力を頂きながら、子供から大人まで幅広い年代において障害のある方への理解が進むよう、引き続き取り組んでまいります。 また、インクルーシブ公園は、多種多様な人々が交流し、一緒に遊ぶことで子供たちが人の多様性を自然に理解し、共に生きる心を形成することが期待される場所であり、今後の公園づくりを進める上で重要な視点と考えています。 こうしたことから、インクルーシブ公園のニーズや課題を把握するため、昨年、山口きらら博記念公園において、教育機関や学生ボランティア等の協力の下、障害のある子供やその家族にも参加していただき、実証実験を行ったところです。 この実証実験で得られたハード・ソフト両面での課題を踏まえ、障害の有無等にかかわらず、多くの方が集い、誰もが安心して一緒に遊べる公園づくりを進めることとしています。 私は、今後とも、市町や関係団体等と連携し、障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)平屋副知事。 〔副知事 平屋隆之君登壇〕 副知事(平屋隆之君)陸上自衛隊に対する認識についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 お示しの陸上自衛隊第十三旅団は、本県を含む中国五県を担任区域とし、我が国の平和を守る国土防衛の任務とともに、災害発生時における救援活動や支援物資の輸送など、中国各県の県民の安心・安全の確保に多大な御貢献を頂いているところです。 本県にとりましても、平成二十五年の山口・島根豪雨災害において、野外活動施設から多くの孤立被災者を救出・搬送していただくなど、本県県民の命と暮らしを守る上で、欠くことのできない部隊であると認識しています。 他方、本県には、陸海空合わせて八つの自衛隊基地が所在していることから、県としても、毎年、それぞれにおいて開催される創立記念式典や入隊式などの多くの行事に出席をしています。 このため、県では、県外で行われる第十三旅団の創立記念式典については、これまで祝電対応を基本としてきたところですが、今後は、他県とのバランスも考慮し、これを踏まえて適切に対応してまいりたいと考えています。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)戦没者慰霊祭についてのお尋ねにお答えします。 戦後七十八年が過ぎ去り、多くの方々が戦後生まれとなられた今日、広く県民が、平和と繁栄の礎となられた数多くの戦没者の方々を追悼し、平和の誓いを新たにすることは大変重要であると考えています。 このため、県では、戦没者及び御遺族に対して、弔意、哀悼の意を表するために、県護国神社慰霊大祭に出席させていただいているところであり、また、市町から御案内のある戦没者追悼式においても、追悼の言葉を申し上げているところです。 こうした中、県内各地においても、毎年、市町や遺族会などの主催により、戦没者の顕彰に関する行事が開催され、定着していることから、県主催の追悼式については、こうした状況を考慮しながら、御遺族の皆様をはじめ、関係団体などから幅広く意見を聞いていく必要があるものと考えています。 県としては、引き続き、市町や関係団体とも連携しながら、戦没者の慰霊と御遺族の援護の推進に努めてまいります。 次に、慢性腎臓病対策についてのお尋ねにお答えします。 慢性腎臓病は、糖尿病やその他の生活習慣病等が原因となり、対応が遅れると進行し、透析が必要となる疾患ですが、適切な医療により重症化予防が可能であるため、早期発見と医療機関への早期受診が重要です。 このため、県では、現在策定中の第八次保健医療計画において、引き続き糖尿病対策に取り組むとともに、新たに慢性腎臓病対策を追加し、重症化予防対策等を推進していくこととしています。 まず、糖尿病対策については、生活習慣の改善や健診受診のほか、保健指導や適切な医療による重症化予防を切れ目なく推進することが重要であるため、県では、県医師会等と共同で健診等を担う市町と医療機関の標準的な取組方針となる、重症化予防プログラムを策定しました。 このプログラムにより、市町と連携して、重症化リスクの高い未治療者や治療中断者を医療に結びつけるとともに、かかりつけ医と連携した保健指導等を実施し、重症化予防に努めてきたところであり、今後もこの取組を推進してまいります。 また、慢性腎臓病については、県民の認知度が約三割と低いことや、糖尿病以外の原因も含めた透析患者総数は増加傾向にあることなどの課題があるため、県民への普及啓発やハイリスク者の医療機関への受診勧奨などに取り組んできたところです。 まず、普及啓発については、専門家による県民公開講座の開催などにより、疾病に対する理解の促進や日々の様々な生活習慣の改善等の周知を図ってきました。 また、受診勧奨については、早期に適切な医療につなげるため、市町と連携し、国保データベースを活用して、高血圧などリスクの程度に応じた効果的な個別通知を行うとともに、県政出前トーク等により、健康経営企業などに保健師等が直接出向き、健診結果の活用等の健康教育を実施しています。 今後は、これまでの普及啓発や受診勧奨等の取組の強化に加え、医師会など医療関係者に意見を伺いながら、かかりつけ医と専門医療機関が連携した診療体制の充実を図るとともに、保健医療関係者への専門研修等を通じ、慢性腎臓病対策に携わる人材の育成と資質向上に取り組んでまいります。 県としましては、第八次計画に基づく取組を通じ、市町や関係団体、企業等と連携し、慢性腎臓病対策の充実に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)中間貯蔵施設調査受入れについてのお尋ねにお答えします。 現在、中国電力により、上関町における中間貯蔵施設の立地可能性調査が行われているところですが、周辺市町の首長から丁寧な説明等を求める声が上がるなど、中間貯蔵施設に関し、県民の間で様々な意見があると承知しています。 県としては、調査を進めている中国電力において、上関町からの要請等も踏まえ、関係者への説明や必要な情報提供など、周辺市町の首長の声等に十分配意した対応が行われるべきと考えており、その旨は中国電力に伝えているところです。 こうした中、先月二十八日から三十日にかけて、中国電力から上関町周辺の一市三町の首長に経緯や調査の概要などの説明がなされたところであり、県としては、今後とも、適切に対応していただきたいと考えています。 いずれにいたしましても、現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査が実施されているところであり、県としては、県民の安心・安全の確保の観点に立って、今後の動向を注視したいと考えています。 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)スポーツの競技力向上についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、ジュニアアスリートの育成及び強化についてです。 国体や世界の舞台で活躍できる選手の育成などを通じて、競技力の向上に取り組んでいる中、今年の特別国体では、少年種別において、バドミントンをはじめ六つの競技で優勝するなど、若い世代の活躍が総合二十五位という好成績につながったところです。 今後は、国体総合成績の十位台の回復・定着に向け、中長期的視点に立って、ジュニア期から成年競技者に至る各段階に応じた育成・強化を図る中で、このたびの躍進の原動力となったジュニア世代の強化を着実に進めてまいります。 まず、ジュニア選手の発掘に向け、子供たちがそれぞれの適性に合った競技を発見できる体験会を開催するとともに、ジュニアアスリートアカデミーにおける専門的なプログラムの実施などを通じ、将来を担う有望なアスリートを育成していきます。 また、競技団体等と連携したジュニア選手の強化として、次世代アスリートの育成の場となるジュニアクラブ活動の充実や、全国で活躍する中学・高校部活動への支援など、ジュニア選手の一貫した育成・強化システムの充実により、競技力の底上げを図ってまいります。 さらに、専門的な知見を活用しジュニアアスリートの成長を支えるため、県スポーツ協会のスポーツ医・科学サポートセンターに配置したフィジカル、メンタル等の専門スタッフを日々の練習等へ派遣し、選手の発達等に応じた適切なサポートを行っていきます。 次に、全国規模のスポーツ大会に対する補助についてです。 競技団体等が開催する全国規模の大会は、トップレベルの選手の試合を間近で観戦することを通じて、子供たちの競技への関心を高め、競技力の向上にもつながる重要な取組です。 こうした大会の開催は、競技団体等が主体となって取り組まれるものですが、県では、平成二十九年度まで、市町が競技団体等と連携し、全国規模の競技会の開催・誘致等を行う我がまちスポーツの取組を支援してきたところです。 その結果、十九市町全てで地域の特性に応じた取組が実施されるなど、一定の成果を上げたことから、こうした市町の取組への補助は廃止したところであり、厳しい財政状況の中、改めて市町や団体等に対する補助制度を設けることは難しいと考えています。 一方で、スポーツツーリズムを推進する観点から、宿泊を伴う全国規模のスポーツ大会等に対しては、関係市町と連携し、開催経費の一部を助成するMICE補助制度を設けており、これを活用し、競技団体等の大会誘致を後押ししてまいります。 県としては、県スポーツ協会や各競技団体等と連携しながら、競技力の向上に向けたジュニアアスリートの育成・強化や、交流人口の拡大につながるスポーツ大会への支援に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)インクルーシブ社会の実現についての御質問のうち、子供たちへのインクルーシブ教育についてのお尋ねにお答えします。 障害の有無にかかわらず、誰もがその能力を発揮し、共に認め合い、支え合う社会の実現のためには、障害のある人と障害のない人が、可能な限り共に学ぶインクルーシブ教育を推進することが重要であると考えています。 そのため、県教委では、障害のある子供と障害のない子供、あるいは地域の障害のある人とが触れ合い、共に活動する、交流及び共同学習を推進しています。 具体的には、特別支援学校と小・中・高等学校等とが、学校行事やボランティア活動、部活動などの取組を合同で行っているところであり、こうした取組を通して、子供たちは、お互いを尊重し合う大切さを学ぶとともに、経験を深め、社会性を養い、豊かな人間性を身につけているところです。 今後は、県内全ての公立学校に導入しているコミュニティ・スクールの連携・協働体制を生かし、学校が保護者や地域の方を講師として招き、農作物の栽培や地域の花壇づくり、レクリエーションなどを通して、障害のある子供との交流を行うことなどにより、保護者や地域住民の障害及び障害者理解の促進にもつなげていくこととしています。 県教委といたしましては、障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し合える社会の実現に向けて、障害のある子供と障害のない子供が、共に助け合い支え合うことができるよう、インクルーシブ教育のさらなる充実に努めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十三分休憩