1 確実な文化財保護について 2 想定以上の豪雨災害対策について 3 YPくまっぷを活用したクマの管理対策について 4 県立高校再編整備における様々な取組について 5 誰にでも安心な暮らしづくりについて 6 その他
副議長(島田教明君)松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 県民の誇りを育む会、松浦多紋でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 通告に従い、一般質問させていただきます。 まず初めに、確実な文化財保護についてです。 山口県における国宝・国指定の重要文化財総数は百四十一件です。多いか少ないかは個々の判断になってしまいますが、四十七都道府県の平均の件数は二百八十六件となっております。当然のことながら、建物の中に貯蔵されているものもあれば、建物自体が指定されているもの、保管における状態は様々あります。 私の出身小学校区には、防府天満宮、周防国分寺、旧毛利家本邸といった県内から訪れる方が多い神社仏閣が点在しています。 国分寺金堂、旧毛利家本邸は国指定の重要文化財、山口県指定の記念物である防府天満宮大専坊跡、本年の豪雨では、国指定の記念物である周防国分寺旧境内の二ノ門東側土塀が崩壊をしてしまいましたが、このたびの補正予算に文化財災害復旧費補助事業で復旧の支援を上程をいただき、このことには防府市民を代表いたしまして御礼を申し上げる次第でございます。 また、山口県指定の記念物である防府天満宮大専坊跡におきましては、石垣並びに土塀が崩壊し、非常に危険な状態になっております。山口県内随一の観光客が訪れる神社内にある防府天満宮大専坊跡です。皆様の安全のためにも、令和六年度予算に組み込んでいただき、一日も早い復旧がかないますようお願い申し上げます。 さて、文化財に指定されているものの中には、順に、国指定の国宝、重要文化財、重要無形文化財、重要有形・無形民俗文化財、記念物、都道府県における指定の有形文化財、無形文化財、有形・無形民俗文化財、記念物、市町などによる有形文化財、無形文化財、有形・無形民俗文化財、記念物に分けられます。 近年の想定を上回る豪雨や熱波などにより、屋外にある記念物などは保存状態が厳しい環境に置かれているのではないでしょうか。 特に、三世紀頃から造られている古墳は様々な場所に造られ、その保存状態は、場所はさることながら、文化財の指定の有無、国、県、市町などの指定の違いによって大きな差が生じていると思います。 今、全国には約十六万弱の古墳があると言われています。古さも大きさも形も様々ありますが、国の記念物指定もあれば、都道府県としての記念物指定、市町などの記念物指定となります。 千四百年から千八百年前に造られたものをさらに未来につなげていくことは、私たちが未来の人たちに対しての預かりものとして大切にしなければならないと感じています。 山口県には五百四十一基の古墳があると言われています。土壌が弱い場所に造られたもの、しっかりした土地に造られたもの様々ありますが、崩落しかけている古墳などを県の記念物指定をし、未来につないでいくことができないかと思います。もちろん古墳のみならず、樹木といった自然の影響を受けてしまうものに対しても取るべきではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。様々な状態にある山口県内の文化財は、長い歴史の中で生まれ、育まれ、今日の世代に守り伝えられてきたかけがえのないものです。そんな貴重な文化財を、今後どのように守り、後世に伝えていくのか、県の御所見をお聞かせください。 次に、想定以上の豪雨災害対策についてです。 豪雨による災害で引き起こされるものに、崖崩れ、土石流、地滑りなどの土砂災害、外水氾濫、内水氾濫など河川などの氾濫があります。 川の水が堤防の決壊や堤防を越えてあふれ出す外水氾濫とは別に、市街地に降った大雨が地表にあふれる内水氾濫があります。河川は豪雨時の増水で中下流域の水位が高くなります。そのため、本川に合流する都市部などの中小河川、また、水路では、支川から本川へ大量の雨水を流すことができずに、地表に水があふれ出る内水氾濫が起こります。 外水と内水の被害額の割合は、一九九三年から二〇〇二年の十年間の合計は、外水氾濫によるものが約一・三兆円、五四%に対して、内水氾濫によるものが約一・一兆円、四六%となっております。 平成三十年七月豪雨では、浸水戸数は全国で約二・八万戸であったのに対し、内水氾濫による被害が約一・五万戸と五割を超えて、内水氾濫による浸水被害が西日本を中心に十九道府県、八十八市町村で発生いたしました。山口県も六市で発生した次第です。 過去十年の全国の水害による建物被害のうち、河川の氾濫による洪水よりも、実は市街地で起きる内水氾濫のほうが被害が大きく、浸水棟数は約二十一万棟、全体の六割を占めるほどになります。 これまで洪水氾濫は大河川の氾濫、外水氾濫を中心に対策が取られてきました。台風などの大雨を想定した外水氾濫は、豪雨時に上流で集められた雨水が河川水位を上昇させ、堤防を越水するか堤防を破壊するものであり、人命、資産や産業などに甚大な被害を及ぼす危険性が高く、伊勢湾台風などの教訓から様々な施策が取られています。 台風などの大雨は、二、三日前から雨量、風速などがある程度予測でき、行政側も前もって住民に注意を促すことが可能です。また、戦後、ダムや堤防などの建設が進んだことにより、大規模な河川氾濫は減少してきています。 一方、局地的豪雨による内水氾濫については、豪雨をもたらす積乱雲が、いつ、どこの地域に発生し、どれくらいの降雨があるか、予測困難という問題があります。川幅が狭いことから中小河川では越水が起こってしまいます。 また、排水路や排水ポンプ、下水道では一定の水位を超えると排水不良となり雨水があふれ出すため、短時間で特定の地区が水浸しになってしまいます。 近年、埼玉県春日部市に建設された防災地下神殿とも言われる首都圏外郭放水路が国の予算で、また、神田川・環状七号線地下調節池においては都が中心となり、神田川が引き起こす外水氾濫、神田川に流れ込む水によって引き起こされる内水氾濫を防ぐ目的で建設されるとともに、その威力を発揮しています。 また、近隣では、二〇一八年から四年連続で内水氾濫が発生し、今年七月も水があふれた福岡県久留米市中心部の池町川・金丸川流域で、地下に水をためる調節池(プール)や地下水路などの整備が進んでいます。国や県などが二〇年度から緊急対策として始め、来年の梅雨時期には、一部の調節池で貯水を始める見込みとのことです。 さらに、久留米市では、地元の私立大学のグラウンドを掘り下げ、豪雨時に貯水施設となるよう覚書を締結し、近隣の河川水位が基準値を超えると、地下の水路から川の水が流れ込み、グラウンドにためることができる仕組みとなっており、久留米市で毎年のように発生している豪雨による浸水被害軽減が期待されています。 山口県内において内水氾濫した、またしてしまう場所を正確に把握し、地下への大規模な放水路や貯水池の建設は、急には無理としましても、耕作放棄地を借り上げ若干掘り下げ貯水池を建設するなど、豪雨に対する備えを一刻も早く検討、予算確保するべきではないでしょうか。 そこでお尋ねをいたします。頻発してしまう可能性のある豪雨による内水氾濫被害が起こらないようにするため、どのような対策を取っていかれるのか、県の御所見をお聞かせください。 また、県が管理されている河川の責任ある管理も今後の豪雨災害対策には不可欠な事柄であると思います。想定以上の豪雨は小さな河川の排水能力を上回り、本流にその全てを流し切れず、氾濫が発生してしまうこともあります。 日頃からしゅんせつをしっかり行い、小さい河川だからこそ河川内の繁茂した植物を伐採する、定期的に手を加えることで、突発的な豪雨の際に氾濫の引き金にならないよう、河川のコントロールにつながると考えます。 その責任ある管理を河川流域の自治会に任せているというお話を伺いました。河川内の繁茂した植物の伐採などを自治会が行っているそうですが、高齢化などにより人手が足りず、住民の方が出し合った貴重な自治会費を使い、業者に管理をお願いされていらっしゃる自治会もあるそうです。 県管理の河川でありながら、出費そのものを住民が負担されている、そのような状況では徹底した管理は行えず、豪雨の際、流木や流れの障害となるものが原因となり、氾濫につながる可能性を含んでいると思います。 氾濫を防ぎ、県民の命・財産を守るためにも、住民の負担がなく、川本来の姿を管理者の責任で保てるよう予算確保を強く要望し、お尋ねいたします。 県管理の河川において、その管理はしっかり県の予算においてすべきだと考えます。治水という大切な事柄を近隣住民に負担をかけないよう、管理を今後どのように取り組んでいかれるのか、県の御所見をお聞かせください。 次に、YPくまっぷを活用した熊の管理対策についてです。 東北地方を中心に、過去最悪の人的被害をもたらしている熊。中国地方でも生息域を広げており、本州最西端の山口県でも、近年、目撃情報が相次いでいます。 国内に生息する熊は、北海道のヒグマと、本州・四国のツキノワグマの二種、このうち、山口、島根、広島の三県を含む、西中国地方の熊が生息域を広げています。 三県の調査では、西中国地方の熊の生息域は、一九九九年度の五千平方キロから二〇二〇年度までに約八千二百平方キロに広がっており、二〇二二年時点で約千三百頭の生息が推定されています。 国内の生息域の西限である山口県では、四月以降で四百四件、これは十二月一日時点でありますが、熊の目撃などがありました。既に、二〇二二年度の二百五十四件を上回り、過去十年で最多となっています。 今年は今のところ人的被害は出ていませんが、昨年六月には、岩国市の山間部で七十代の男性が道路を散歩中に熊に遭遇し、首などに全治数週間のけがをされました。 熊による被害件数は東北ほどではありませんが、山間部に暮らす方々、山間部で林業をなりわいとされていらっしゃる方々、農業をされていらっしゃる方々にとりまして、恐怖でしかないと思います。そのことによって、さらなる過疎化、林業の衰退、耕作放棄地の増加などにつながりかねません。そのことはさらなる熊の増加や遭遇となるおそれがあります。 もともとは絶滅のおそれがあったため、一九九四年度から狩猟が禁止され、各県が保護策を取ってきた経緯があります。生息数の増加を受けて、山口、島根、広島の三県は、二二年四月から五年計画で対策を保護から管理に転換されています。年間捕獲頭数の目安も、五年前の前計画開始時の八十頭から百三十五頭に引き上げています。 県警察では、十月二十五日から山口県内の熊が目撃された場所を地図上に示し、可視化することができるYPくまっぷを運用され、目撃場所が一目で分かるようにしていただいていることは、私たち県民にとりまして、安心で安全な生活の一助となっておりますこと、感謝を申し上げます。 環境省自然環境局から熊類の出没対応マニュアルが出され、各都道府県や地域の状況に合った出没対応策を示されています。 また、二〇二三年四月、山口、島根、広島の三県の担当部局が事務局になっている西中国山地ツキノワグマ保護管理対策協議会から、「ツキノワグマの被害を防ぐために」というリーフレットも出され、安全確保のため対策をされています。 そのリーフレットに示されているツキノワグマの分布範囲とYPくまっぷの目撃地域との差異が生じており、早急に修正するなど、必要があるのではないかと感じます。 熊の出没を抑制して被害を軽減するとともに、地域個体群を安定的に維持していくためには、人と熊とのすみ分けを確立し、人の生活圏と熊の生息域を区分(ゾーニング)し、その境界の環境整備をしっかりすることで、出没、不意な遭遇を抑制可能にするともマニュアルには書かれています。 三県で出しているリーフレットにも書かれていますが、集落周辺にある茂みなどあると熊は身を隠すことができ、人の生活圏に侵入しやすくなるため、茂みを取り除くなどの環境整備にも触れられています。 目撃された場所が的確に示されているYPくまっぷを手がかりに、その周辺の環境整備を、県主導の下、地域の方と連携し着手されるべきではないでしょうか。昨年起こってしまった負傷事故など、二度と起こさないためにも、熊が冬眠している間に策を講じる必要があると思います。 そこでお尋ねをいたします。山口、島根、広島の三県で形成されている西中国山地ツキノワグマ保護管理対策協議会ではありますが、人の生活圏と熊の生息域の環境整備によるさらなる県民の安全のため、ツキノワグマ管理のさらなる徹底のために、今後どのような取組をされていかれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、県立高校再編整備における様々な取組についてです。 まず初めに、再編整備による廃校の跡地利用についてお尋ねいたします。 平成十八年度から始まった山口県立高校の再編整備は、柳井、徳山、萩地区の商業高校、工業高校の統合から始まりました。 柳井商工、徳山商工、萩商工の三校が新高校に、翌平成十九年度は、安下庄高校、久賀高校が周防大島高校として、平成二十五年には、美祢高校と合併され、美祢青嶺高校となりますが、大嶺高校、美祢工業高校が青嶺高校に、さらに、平成二十年度は、四つの高校が分校化され、それまで分校として地域の子供たちを受け入れ、地域の活性化に尽力していた四校の分校が募集停止となりました。 その三年間の間に、八校の高校が学校としての役割を終え、小学校や消防庁舎、保育園など、地域の施設として姿を変えてきました。 また、平成二十二年度は、田布施農業高校と田布施工業高校が統合され、田布施農工高校がつくられ、廃校となった田布施工業高校の跡地は、田布施総合支援学校高等部へなりました。 平成二十八年度には、下関中央工業高校と下関工業高校が統合され、下関工科高校となり、廃校となった下関中央工業高校の跡地は、多部制定時制の下関双葉高校として、学校の役目を今も果たしております。 また、令和二年度に光高校と再編統合され廃校になった光丘高校は、光市立浅江中学校として姿を変えようとしています。 令和三年度に募集を停止し、今年度から廃校となった徳山高校徳山北分校、鹿野分校をはじめ、今年度から募集を停止し、廃校に向かう岩国高校広瀬分校、防府高校佐波分校、山口高校徳佐分校、これから募集停止や再編統合を控えている学校があります。 きっとこれらの学校は、耐震工事も完了し、空調などの設備も充実している施設だと思います。廃校から時間がたって、次の役目が決まるよりも、間髪入れずその施設を使えることができれば、その地域のにぎわいや公共交通機関の利便性を維持することができ、その地域に居住している方々にとって、廃校というダメージを少しでも和らげる取組になるのではないでしょうか。 学校が立地していた場所は、ほとんどがグラウンドを有し、広く、比較的フラットなイメージがあり、企業の誘致により、持続的な雇用の創出や、その地域の人口流出の対策にもつながる可能性があります。 また、分校など、中山間地域にある学校などに企業誘致をすることができれば、人口減少が激しく、高齢化が著しく進むエリアへの起爆剤になるとも考えます。山口県が抱える人口減少に対してもプラスに作用するのではないでしょうか。 場合によっては、附属高校をつくれるようになった県立大学のさらなる附属高校の新設校としての利用、県立大学の新学部設置や学部移転によるキャンパス利用、いろいろな使い方が可能だと思います。 そこでお尋ねいたします。再編整備という苦渋の選択である廃校という、どちらかといいますとマイナスな事柄をプラスに転じるためにも、早めに夢のある跡地利用を住民の皆さんと、また場合によっては、在校生も交えて協議をしていくことはできないでしょうか。県教委の御所見をお聞かせください。 次に、再編整備によるコミュニティ・スクールの継続についてです。 本県では、次代を開く子供たちや若者を育成するため、市町立小中学校におけるコミュニティ・スクールの導入率一〇〇%は早々と完了し、社会総がかりでの地域教育力日本一の取組を進められています。高校教育においても、地域と連携し、地域から信頼される学校づくりを一層推進する取組をされてこられたことと思います。 学校施設の開放やボランティア活動など、地域を活性化する取組、地域に貢献する取組をされてこられ、高校がある地域の小中学生の一番身近な大人として、コミュニティ・スクールの欠かすことができないピースになっています。 地域の子供は地域で育てるを基本として、小・中・高等学校の連携の強化を図られてきた取組が廃校という苦渋の選択により形成できなくなってしまう、今まで取り組んできた地域教育力日本一が一瞬にしてなくなってしまう、そんな気さえしています。 今までも、そしてこれからも地域教育力日本一の取組を継続していくためには、高校がなくなってしまう地域に、今まで以上に多くの学校が加わり、その地域の子供たちを盛り上げていくことが必要だと思います。 そこでお尋ねいたします。山口県が全力を挙げて推進してこられたコミュニティ・スクールを核とした、地域教育力日本一の取組をより盤石なものにするため、再編整備によって高校が失われてしまった地域におけるフォローはどのように今後取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 最後に、誰にでも安全な暮らしづくりについてです。 全国には何らかの障害を患っていらっしゃる方が、令和三年度時点で四百九十一万九十八人いらっしゃいます。視覚障害者が三十二万二千三百十人、聴覚障害が四十四万三千十三人、言語障害が五万九千二百四十人、肢体不自由が二百四十六万二千五百二十三人、内部障害が百六十二万三千十二人となっています。 その中で、視覚障害とは、全盲、弱視、視野狭窄、色覚、光を認識する機能である光覚などに障害がある状態を言います。 私たちの五感による知覚の割合は、視覚が八三%、聴覚が一一%、嗅覚が三・五%、触覚が一・五%、味覚は一%と言われています。人間が受け取る情報のうち八割は視覚からの情報と言われており、その視覚に障害を持たれていらっしゃる方が、普段の生活をする上で不自由を軽減し、安心して暮らせる社会をつくることは私たち晴眼者に期された使命であると思います。 街中には視覚障害の方にとって命綱とも言える、いわゆる点字ブロックが施された場所が増えてきました。道路に面した歩道、駅や空港などの公共施設、一部の交差点などで見ることができます。しかし、点字ブロックが設置されている歩道は、比較的幅の広い歩道が備わっている道路にしかなく、道幅の広くない道路には残念ながら設置をされておりません。 通常、歩道に設置された点字ブロックは、破損や摩耗は少ないですが、車両も行き来する横断歩道に設置されたエスコートゾーンは、せっかく設置があるにもかかわらず、破損が多く見受けられます。 平成三十一年三月、警察庁からエスコートゾーンの設置に関する指針の制定についての通達がされました。 視覚障害者の利用頻度が高い施設(駅、役所、視覚障害者団体等が在る施設、特別支援学校、リハビリテーションセンター、病院、障害者スポーツセンター等の社会福祉施設等)の周辺で、視覚障害者の需要が見込まれる横断歩道、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律における重点整備地区内の主な生活関連経路に係る横断歩道といった優先設置場所の指示や設置方法や構造に関すること、突起物の消失、摩耗、変形等が視覚障害者による検知を困難にすることを認識し、維持管理に努めるといった留意点が記されています。 日々のパトロールの中で、エスコートゾーンを通過されることは多々あると思います。横断歩道の塗装面の薄れや消失もさることながら、エスコートゾーンのチェックも行っていただいていることと思います。 そこでお尋ねいたします。エスコートゾーンは視覚障害の方々にとって命綱のようなものです。優先設置場所に沿った県内横断歩道へのエスコートゾーンの早急な設置に向けた取組はもちろん、県内多くの場所の横断歩道に設置されたエスコートゾーンは、適正なというよりも厳正な管理が必要です。山口県警察における今後の取組に対する御所見をお聞かせいただき、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)松浦議員の御質問のうち、私からは、確実な文化財保護についてのお尋ねにお答えします。 文化財は、長い年月をかけて地域で守り伝えられてきた貴重な財産であり、私は、これを次世代に確実に継承していくことが重要と考えています。 このため、県では、文化財の保存・活用の総合的な指針である山口県文化財保存活用大綱に基づき、文化財の調査や指定を行うとともに、文化財所有者に対し、保存に向けた必要な支援を行うことで、その価値の維持を図っているところです。 お示しのように、文化財の中には、大雨などの自然の影響を受けやすいものもありますが、調査・研究の結果、価値が高いと認められるものについては、国や県、市町において指定文化財に指定するとともに、所有者が適切に維持管理できるよう、相談対応や助言を行っているところです。 また、災害により毀損した指定文化財については、早期復旧を図るため、被災後、速やかに現地調査を行い、毀損状況を確認した上で、原状復旧に必要な費用を支援しています。 私は、今後とも、貴重な文化財を次世代に確実に引き継いでいけるよう、国や市町等と連携しながら、文化財の適切な保護に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)想定以上の豪雨災害対策に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、内水氾濫対策についてです。 豪雨災害から県民の生命・財産を守るためには、市町等と連携し、適切な役割分担の下、ハード・ソフト両面から取り組むことが重要であることから、内水氾濫対策においては、まず、ハード対策として、雨水貯留施設やポンプ場の整備などを行っているところです。 ソフト対策としては、住民への的確な情報伝達や避難行動につなげるため、メールによる防災情報の提供などを行っており、また、内水被害が想定される市町において、内水ハザードマップを作成することとしています。 県としては、引き続き、市町等との適切な役割分担の下、内水氾濫対策に取り組んでいくこととしています。 次に、河川の管理についてです。 県では、河川巡視の点検結果等を踏まえ、治水上支障のある箇所について、河川内の立木伐採やしゅんせつなどを実施することで、治水機能の保持に努めています。 一方、環境美化を目的とした堤防等の草刈りについては、自治会など地域の方々に実施していただいており、県では、河川に対する愛護意識を醸成し、環境美化への自発的な取組を促す観点から、実施団体への助成などを行っているところです。 県としては、引き続き、こうした取組を通じて、河川の適切な管理に努めることとしています。 副議長(島田教明君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)YPくまっぷを活用した熊の管理対策についてのお尋ねにお答えします。 本県に生息するツキノワグマについては、近年、増加傾向にあり、人とのあつれきが問題となっていることから、島根県、広島県との三県で設置している西中国山地ツキノワグマ保護管理対策協議会において、昨年三月に計画を改定し、保護から管理へと方針転換を図ったところです。 県では、この計画に基づき、人身被害等の防止と個体群維持の両立を図る観点から、人と熊とのすみ分けに重点を置くゾーニング管理により、奥山では、広葉樹林の回復により生息環境の維持を図るとともに、人の生活域では、熊を寄せつけない環境整備などに取り組んでいます。 こうした中、今年度に入って、熊が分布範囲を越え、これまで目撃情報の少なかった県西部地域にも出没してきており、今後、新たな被害が発生するおそれがあることから、住民への注意喚起や環境整備、捕獲対策に一層取り組む必要があると考えています。 このため、まず、注意喚起については、お示しの県警のYPくまっぷと各市町に寄せられた目撃情報を県ホームページ上でリンクさせ、より分かりやすく県民に周知することにより、被害の未然防止を呼びかけてまいります。 また、環境整備や捕獲対策については、引き続き、目撃情報を基に、集落内の環境を点検し、柿など誘因物の除去等を促進するとともに、特に頻繁に出没する地域では、熊出没警報発令の上、市町や県警、猟友会等と連携し、クマレンジャー隊による捕獲やパトロールの強化に取り組みます。 さらに今後は、新たな出没地域においても、適切な被害防止対策が図られるよう、地元猟友会との連携による捕獲体制を構築するとともに、熊対策の経験が少ない市町職員への指導・助言を行ってまいります。 県としては、今後とも、市町や県警、猟友会などの関係機関と連携を図りながら、県民の安全確保に向けた熊の管理対策に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)県立高校再編整備における様々な取組に関する二点の御質問のうち、まず、再編整備による廃校の跡地利用についてのお尋ねにお答えします。 再編整備により閉校となった学校施設については、初めに、県において利活用の検討を行い、県で利活用の予定がなければ、次に地元市町における利活用の意向を確認し、さらに、それが見込めない場合には民間に売却することとしています。 こうした方針に基づき、これまで地元市町に譲渡された学校施設の中には、小学校や消防署などに利用されているものや、防災機能を備えた公園として整備が進められているものもありますが、これらは、いずれも閉校後に地元市町の意向により整備されたものです。 お尋ねの、閉校前の跡地利用に係る住民等との協議についてですが、県教委としては、在校している生徒が卒業するまで、安心して学習に取り組めるよう配慮する必要があることから、考えておりません。 次に、再編整備によるコミュニティ・スクールの継続についてのお尋ねにお答えします。 本県では、全国に先駆けて全ての公立学校に導入したコミュニティ・スクールを核として、子供たちの成長段階に応じた地域連携教育に取り組んでいるところです。 特に、小中学校では、地域の方々が子供たちの学びや育ちを見守り、支援していただくことにより、郷土への誇りや愛着を育むとともに、地域貢献の意識を高める取組を推進しています。 今後も、こうした取組を継続するとともに、県立高校が再編整備の対象となった地域においても、地域連携の取組を充実させていけるよう、地元に高校がない地域での好事例を提供するなど、小中学校や地域の実情に応じた支援を行ってまいります。 県教委といたしましては、現在進めている県立高校の再編整備にかかわらず、次代を担う子供たちの豊かな学びや育ちの実現に向け、市町教委と連携しながら、地域教育力日本一の取組を着実に推進してまいります。 副議長(島田教明君)阿久津警察本部長。 〔警察本部長 阿久津正好君登壇〕 警察本部長(阿久津正好君)議員お尋ねのエスコートゾーンの設置・管理に係る取組方針についてお答えいたします。 エスコートゾーンは、道路を横断する視覚障害がある方の安全と利便性を確保するために横断歩道上に設置するもので、これらの方が安全に道路を横断する上で、重要な交通安全施設の一つでございます。県下に、本年十一月末現在、百五十か所に設置しております。 設置については、議員お示しのいわゆるバリアフリー法における重点整備地区内の横断歩道のほか、総合支援学校や視覚障害者団体から要望があった場所などに、視覚障害がある方の横断需要などを調査の上、設置しております。 また、エスコートゾーンの摩耗などが、視覚障害がある方のエスコートゾーンの認識を困難にすることから、この補修については、警察署からの報告や関係団体、利用者からの要望に基づき、摩耗などが著しい場所から順次行っております。 県警察といたしましても、視覚障害がある方々が安心に安全に社会参加ができる道路環境をつくっていく、これは大変重要なことと認識しており、引き続き関係機関・団体と連携を図り、エスコートゾーンの適切な設置・管理に努めてまいります。 副議長(島田教明君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(島田教明君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後二時十七分散会