委員長報告
議長(柳居俊学君)産業観光委員長 猶野克君。 〔産業観光委員長 猶野克君登壇〕(拍手) 産業観光委員長(猶野克君)産業観光委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第一号のうち本委員会所管分並びに議案第二十二号の議案二件については、全員異議なく、いずれも可決すべきものと決定いたしました。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、産業労働部関係では、 産業戦略の推進について、 やまぐち産業イノベーション戦略第二次改定版(素案)に掲げる重点成長分野の発展・拡大に向け、どのように取り組むのかとの質問に対し、 やまぐち産業イノベーション戦略は、産学公金で構成する産業戦略本部の下、官民一体となって取組を進めており、今回の改定では、本県の産業特性をベースに、産業の持つ強みや優位性、今後のポテンシャルを踏まえ、重点成長分野に半導体・蓄電池関連分野を追加した。 取組の推進・強化に当たっては、実効性ある施策を構築し、付加価値の創出・拡大に向けた企業活動をしっかりと後押ししていくことが重要であり、引き続き、コンビナート企業の連携強化を図っていくほか、新たに、海外展開や、高度産業人材確保・育成のプロジェクトも加えるなど、産業戦略の取組を強化していくとの答弁がありました。 これに関連して、 〇 コンビナート企業間の連携について 〇 半導体・蓄電池関連産業の集積に向けた支援、人材育成について などの発言や要望がありました。 次に、中小企業におけるリスキリングについて、 イノベーション創出には、リスキリングにより新たな視点を持つことが重要であり、学ぶ人材を増やすことは本県産業の振興につながると考えるが、中小企業におけるリスキリングの推進に、どのように取り組むのかとの質問に対し、 中小企業の人手不足が深刻化する中、リスキリングは、業務効率化や新たな業務展開を図るために必要な取組である。 このため、今年度から中小企業におけるリスキリングモデルの構築を図る事業を実施しており、専門的な知見を有する経営コンサルタントも活用しながら、県内の中小企業を対象として、従業員への新たなスキル習得の意欲の高い十社を選定し、経営戦略に対応した研修計画の策定支援を進めている。 今後は、イノベーション戦略の推進に向けて、意欲ある中小企業の取組をしっかりと支援し、支援企業におけるリスキリングのモデル的な取組の普及に取り組んでいくとの答弁がありました。 このほか、産業振興関連では、 〇 物価高の状況等を踏まえた対策の検討・実施について 〇 中小企業電気料金高騰対策支援事業について 〇 海外半導体関連産業交流促進事業について 〇 やまぐち産業脱炭素化戦略の進捗について 〇 自動車の電動化等に向けた支援について 〇 中小企業の脱炭素化に向けた支援機関の対応について 〇 産業団地整備の進捗等について 〇 データセンターの立地促進について 〇 IT・サテライトオフィスの誘致促進について 〇 スタートアップ企業の創出に向けた取組等について 〇 中小企業におけるAIの活用について 〇 中小企業の販路開拓支援について 〇 中小企業の技術支援について 〇 シンガポール訪問における成果等について 〇 水産インフラ輸出構想の推進について 〇 県内中小企業の海外展開について 雇用・人材育成関連では、 〇 県内企業の人材確保に向けた取組について 〇 現場の実情等を踏まえた人材確保対策の実施について 〇 労働者、使用者等との意見交換の状況等について 〇 職業能力開発支援事業について などの発言や要望がありました。 次に、観光スポーツ文化部関係では、 拡大するインバウンド需要の獲得について、 高まる需要を本県に確実に取り込むためには、海外の旅行会社等を招請するFAMツアーの評価や改善点を市町や関係団体と共有し、連携を強化していく必要があると思うが、どのように取り組むのか。 また、本県観光地への交通手段の確保等、二次交通の充実が必要と思うが、どのように取り組むのかとの質問に対し、 大阪・関西万博を見据え、広島方面からの誘客促進に向け、先日開催したFAMツアーでは、市町や関係団体の協力の下、県東部を中心に視察を行い、旅行商品造成に向け、参考となる意見やアンケートによる評価を頂いた。 今後は、こうした意見等を整理した上で、市町等にフィードバックし、観光素材の磨き上げを図るなど、インバウンドの受入れ強化に向けた取組を進めるとともに、万博の観光ポータルサイトへの観光素材の掲載等、情報発信の強化に取り組んでいく。 また、二次交通の充実については、県内外の交通拠点と観光地を結ぶ移動手段として、JRと連携し、周遊パスと観光地をセットにした旅行商品を開発するとともに、これと接続する新たな観光周遊バスの運行や県内を自由に周遊できるタクシーやレンタカーの活用促進など、旅行者ニーズを分析しながら検討を進めていくとの答弁がありました。 次に、観光プロモーションの強化について、 デスティネーションキャンペーンの誘致など、本県の誘客拡大に向け、今後、どのように実効性の高い観光プロモーションに取り組んでいくのかとの質問に対し、 新たな観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」の下、幸福感あふれる山口の旅のブランドイメージの確立により認知度を高めるとともに、本県の強みである絶景、体験、グルメをテーマとする、効果的な情報発信や旅行会社等と連携した旅行商品造成などに取り組むこととしている。 さらに、JRのデスティネーションキャンペーンの誘致を見据えた取組として、新たなグルメ開発をはじめとする、地域の観光資源の磨き上げを行うことにより、観光プロモーションの効果を高めていくとの答弁がありました。 このほか、観光振興関連では、 〇 アウトドアツーリズムの推進について 〇 物産振興の取組について 交通政策関連では、 〇 JR美祢線及び山陰本線の早期復旧について 〇 持続可能な交通システム実現加速化事業について 〇 地方ローカル線の活性化について 〇 バスロケーションシステムの導入促進について 国際交流関連では、 〇 多文化共生社会の推進について スポーツ推進関連では、 〇 県内プロスポーツなどの観戦者数増加に向けた取組について 〇 スポーツ推進に向けたジュニア選手の発掘・育成の取組について 〇 スポーツフィールドやまぐちの推進について 文化振興関連では、 〇 文化観光の推進について ○ 文化的資源の維持・保存について などの発言や要望がありました。 終わりに、請願について御報告申し上げます。 本委員会に付託された請願第二号について、最低賃金の引上げは、景気や物価動向等をはじめとした経済情勢に十分留意して進められるべきであり、全国一律最低賃金制度については、地域経済や雇用への影響等について、より多角的な検討が必要であるなどの意見があり、採決の結果、賛成なしにより、不採択とすべきものと決定いたしました。 次に、請願第三号について、知事からも関係者への説明や必要な情報提供など、周辺市町の首長の声等に十分配意した対応がなされるべきと、中国電力に伝えられているところであり、中国電力が周辺一市三町の首長に対し、説明を行ったとの報道もされているように、中国電力において対応が進められているものと考えるが、こうした周辺自治体や住民等に対し、どのような説明を行うかは、事業者である中国電力において判断されるべきものとの意見があり、採決の結果、賛成なしにより、不採択とすべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)