委員長報告
議長(柳居俊学君)産業観光委員長 猶野克君。 〔産業観光委員長 猶野克君登壇〕(拍手) 産業観光委員長(猶野克君)産業観光委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第一号及び第二号のうち本委員会所管分の議案二件については、全員異議なく、いずれも可決すべきものと決定いたしました。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、産業労働部関係では、 半導体・蓄電池産業の集積について、 やまぐち半導体・蓄電池産業ネットワーク協議会の取組の拡大・充実にどのように取り組むのかとの質問に対し、 協議会の設立会議において、参加企業からは人材の育成・確保やサプライチェーンの強靱化に向けた設備投資などの意見があり、企業ニーズを把握し、スピード感を持って対応する重要性を強く認識している。 このため、人材の育成・確保について、企業のニーズ調査を実施するとともに、今後開催のセミナーでは、業界の最新情報や本県のポテンシャルに関する情報提供を行うこととしている。 さらに、台湾をはじめとする諸外国との交流拡大の流れを企業間取引の活性化にもつなげていくなど、協議会が本県の半導体・蓄電池産業の振興に資する実効的な組織となるよう、活動を展開していくとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 県内企業の再投資促進について ○ 事業用地に対するニーズについて などの発言や要望がありました。 次に、中小企業における賃上げの定着について、 利益を持続的に確保し、賃上げを可能とする経営への転換を支援していくことが必要だと考えるが、どのように取り組むのかとの質問に対し、 中小企業における賃上げを定着させるためには、企業の生産性向上や付加価値の増加を図ることが重要であり、長期間かつ継続的な支援が必要である。 このため、県では、県内中小企業の経営革新による付加価値向上やリスキリングによる人材育成等の一体的な支援を行っている。 また、DX推進に積極的に取り組むことにより、企業の生産性向上を図っていくとともに、国の補助制度や県の融資制度を組み合わせて、企業の前向きな取組を支援する。 さらに、企業の賃上げに向けた環境整備にもつながるパートナーシップ構築宣言を県ホームページ等により周知するなど、その普及促進に努める。 これらの取組を総合的に実施することにより、企業の賃上げの定着に向けた環境整備につながるよう、県内中小企業の振興に取り組んでいくとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 中小企業の価格転嫁の状況について ○ 賃上げ環境整備応援事業について などの発言がありました。 このほか、産業振興関連では、 ○ やまぐち産業イノベーション戦略の改定について ○ 地域未来投資促進法に基づく新たな県基本計画の策定について ○ 中小企業の物価高騰対策に係る取組状況について ○ 産業脱炭素化に係る宇部・小野田地域での実証事業等について ○ 水素関連の部材開発等に関する支援について ○ 中小企業のデジタル化に向けた支援について ○ 中小企業高度化資金貸付金の回収について ○ 中小企業の経営改善に向けた支援について ○ 令和五年梅雨前線豪雨災害に係る相談・支援状況について ○ 中国による輸入規制強化に伴う水産加工業者への対応について ○ やまぐち海外展開応援団の取組について ○ 水産インフラ輸出構想の推進について ○ 中小企業への技術支援について 雇用・人材育成関連では、 ○ 若者の県内定着に向けた県内企業の魅力発信について ○ 県外人材の県内就職促進に向けた取組について ○ インターンシップにおける県内大学との連携について ○ 女性デジタル人材の育成について などの発言や要望がありました。 次に、観光スポーツ文化部関係では、 インバウンド需要の獲得について、 本県にとって有望市場である台湾に対して、具体的な取組内容と期待する効果について伺う。また、台湾との国際チャーター便について、課題や今後の展開について伺うとの質問に対し、 台湾での具体的な取組としては、台湾ランタンフェスティバル及び大台南旅行博においてPRブースを出展するなど、効果的・効率的な観光情報の発信を行うことで、誘客拡大につなげていく。 そのほか、台南市のマラソン大会を活用したPRにも取り組むこととしており、本県の認知度向上や誘客への効果が期待できる。 また、台湾との国際チャーター便誘致に向けては、インバウンドとアウトバウンド双方の需要喚起が必要であることから、大規模イベントを活用した取組に加え、アウトバウンド需要の喚起に向け、台南市と連携した観光や文化等のPR活動を進めることとしている。 こうした誘致活動を強力に推進していくことにより、台湾との国際チャーター便の早期就航を目指していくとの答弁がありました。 次に、JR美祢線及び山陰本線の早期復旧について、 代替交通手段については、利用者のニーズに合うよう改善に取り組む必要があるが、代替交通手段の運行状況や改善の状況について伺う。 また、住民の不安解消に向けて、JRに要望や交渉を行っていく必要があると思うが、県は今後、復旧に向けてどのように取り組むのかとの質問に対し、 代行バスは、原則、鉄道のダイヤに合わせて運行されるが、開始当初、特に高校生の通学に支障が生じたため、JRに対して要望を行った結果、平日朝の増便などダイヤ改正が行われた。 これにより、要望事項の多くは改善されたが、改めて調査を行い、JRに対し、さらなる改善を要望したところであり、引き続き、利用状況等の把握に努め、学生をはじめとした地域住民の移動手段の確保や利便性の向上に取り組んでいく。 また、復旧に向けた取組については、発災直後から知事と関係市長らが一体となって、JRに対して早期復旧や代替交通の確保を要望したほか、県議会と共に、国土交通大臣に対しても、国による財政支援などの緊急要望を行い、その後も、関係市と共に直接JRを訪問するなど、早期復旧を要請しているところである。 県としては、住民の不安解消にもつながるよう、知事らによるJRや国への要望を実施するとともに、実効性ある利用促進策の検討なども進めていくとの答弁がありました。 このほか、観光振興関連では、 ○ 特別な体験創出支援事業について ○ イベントの誘致について ○ 物産振興の取組について 交通政策関連では、 ○ 地域公共交通の確保等について 国際交流関連では、 ○ 多文化共生社会の推進について ○ ハワイ州などの姉妹提携都市との交流の深化について スポーツ推進関連では、 ○ サイクル県やまぐちの取組について などの発言や要望がありました。 次に、本委員会に付託された意見書案第二号については、採決の結果、全員異議なく、可決すべきものと決定いたしました。 終わりに、本委員会に付託された請願第一号から第五号については、上関町は、中間貯蔵施設の設置について、事業者から具体的な計画が提示された後に判断することとしており、現在はあくまでも、施設が立地可能かどうか、その調査が実施されているところである。 また、客観的な判断がなされるためには、中間貯蔵施設に関する正確な知識や情報の提供が行われ、住民や周辺自治体への正しい理解が図られることが大前提であるが、具体的な根拠を示すことなく、中間貯蔵施設は危険である、最終貯蔵施設となる可能性が高いなどと一方的に決めつけた主張に到底賛同できないとの意見や、地元や近隣市町にも十二分に説明がなされていないうちから、県議会としての意見を行使することは、時期尚早との意見があり、採決の結果、賛成なしにより、いずれも不採択とすべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)