討論
議長(柳居俊学君)岡生子君。 〔岡生子君登壇〕(拍手) 岡生子君 自由民主党を代表し、提出された全ての議案及び意見書案について賛成し、請願五件を不採択とする立場から意見を述べさせていただきます。 まず、議案第一号 令和五年度一般会計補正予算についてです。 本定例会に提案された今夏の豪雨災害に関わる関連事業、約百三十七億円については、道路、河川、農業用施設等の復旧、さらには被災された方の生活再建支援など、いずれも実施が急がれる重要な事業です。 県においては、被災地域の一日も早い復旧・復興に向け、この補正予算の迅速な執行により、全庁を挙げた取組をさらに加速していただくとともに、復旧の見通しが立っていないJR美祢線、山陰本線について、沿線自治体と一体となってJRと粘り強く協議を重ね、被災地に寄り添った取組を進めていただくよう、よろしくお願いをいたします。 また、過去にも大雨によって多くの被害が発生した厚狭川について、知事が抜本的な改修を進める意向を示されたことは、まさに地元の願いにかなった対応であり、周辺流域の安心・安全の確保に確実につながるよう、迅速かつ着実に取組を進めていただくことが重要であります。 現在、国において検討が進められている新たな経済対策では、防災・減災、国土強靱化が柱の一つとして位置づけられており、こうした国の施策も十分に活用しながら、厚狭川の河川改修を含め、県土全体にわたる強靱な県づくりをさらに前進させていただくよう、お願いをいたします。 次に、台湾誘客強化関連事業についてです。 七月の台湾訪問では、私も県議会訪問団の一員として参加させていただき、現地の方の本県に対する思いと絆の深さを肌で感じることができました。 今回の訪問を受け、県が迅速に補正予算を組まれ、次の展開に向けて動き出されたことは高く評価するものであり、今後の経済交流拡大に結びつく具体的な成果を期待しております。 私どもとしましても、先輩方が積み上げてこられた諸外国との信頼関係を受け継ぎ、さらに発展させるため、本県の海外展開の取組をしっかりと後押ししていく所存であります。 次に、意見書案五件のうち、特に、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬及び保育等の公定価格の大幅改定を求める意見書案について、提出会派として意見を述べさせていただきます。 今月一日、我が党県連の主催、関連団体の共催・協力により、医科歯科診療報酬・調剤報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬及び保育等の公定価格の大幅改定を求める総決起大会が開催されました。 今回のような職域の垣根を超え、関係団体が一堂に会した大会は、全国的にも例を見ないものであり、当日は、医療、福祉、保育に従事する関係者約五百名もの参加を得て、各報酬等の大幅改定を求める大会決議が採択され、我が党を含めた関係団体が一丸となって、これを実現していく決意を表明いたしました。 また当日は、村岡知事からも、政府要望を通じて強く働きかけを行ってまいる、との大変心強い言葉を頂いたところであります。 我々県議会としましても、医療・福祉・保育関係従事者の給与の適正な引上げによる処遇改善と、地域経済の底上げの実現に向け、診療報酬等の大幅改定を求める強い意志を国にしっかりと示していくため、本意見書案に対する皆様の御賛同を賜りますよう、改めてお願いをするものであります。 最後に、請願第一から五号の、使用済燃料中間貯蔵施設の上関町への誘致に反対することを求める請願についてです。 まず、申し上げたいのは、本会議において再三にわたり議論がありましたが、現在はあくまでも、上関町において、中国電力側から提案された使用済燃料中間貯蔵施設が果たして立地可能なのかどうか、その調査が行われている段階であるということです。 設置の是非については、西上関町長も、事業者から具体的な計画が提示された後に改めて判断すると明言されており、今は上関町長が下された調査受入れの判断を尊重し、その結果を冷静に見守るときであります。 その上で、請願の内容について申しますと、果たして正しい理解に基づいた主張になっているのか、疑問を持たざるを得ません。 一般質問において、我が会派議員からも指摘いたしましたが、上関町の調査受入れ直後に発表された西村経済産業大臣の談話においては、中間貯蔵施設は一時的に乾式貯蔵施設により管理するものであり、最終処分場になることはないと明言されていますし、こうした乾式貯蔵施設については、原子力規制委員会により安全性に関する審査を経て進められるものであり、既に全国各地で利用、建設が進められているとされています。 しかしながら、本請願は、こうした前提を踏まえずに、また、具体的な根拠を示すことなく、中間貯蔵施設の将来見通しや安全性に関して、最終貯蔵施設となる可能性が高い、安全に保管できる保障はないなど、まさに一方的な主張を繰り返されています。 先ほどの共産党会派の討論では、請願の主張には根拠があるとしきりに述べておられましたが、どれも物事を一面から見ただけでなく、それを都合よく解釈しただけの発言で、客観性は何ら担保されておらず、とても皆さんの理解が得られるものではないと感じたのは、私だけではなかったかと思います。 何よりも重要なことは、正確な知見と情報をもって、客観的かつ冷静に対応することであり、いたずらに県民の不安をあおり、冷静な判断を妨げるかのような主張には、我が会派として賛同することはできません。 以上のことから、上関町の中間貯蔵施設の調査・建設に反対すること等を県議会に求める請願五件は、委員長報告のとおり不採択とするべきであることを申し上げ、自由民主党会派の代表としての討論とさせていただきます。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手)