1 児童生徒の体力・運動能力向上に向けた取組について 2 新時代の活力ある都市公園づくりについて 3 保育の充実について 4 若者の雇用対策の充実について 5 持続可能な農業について 6 介護人材の確保について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十七号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 林直人君。 〔林直人君登壇〕(拍手) 林直人君 おはようございます。自由民主党の林直人です。私は、本日、初めての一般質問をさせていただくことになりました。柳居議長をはじめ、議会運営に携わる皆様の御高配を頂き、重責を担えることに対しまして、深くお礼を申し上げます。 私は、優しい社会を目指すと県民の皆様に約束して当選させていただきました。二十一年前、初めて仕事をさせていただいた高齢者施設で、多くのお年寄りの方や職場の皆さんに優しさの循環と敬愛の心を教えていただきました。現場はいつもドラマチックで、先読みできないわくわく感であふれています。社会生活は様々な現場の人が回していること、政治の中心は県民であることを胸に抱き、今後とも県民福祉の一助となれるように努力いたします。 通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 児童生徒の体力・運動能力向上に向けた取組について、質問いたします。 体力は、人間のあらゆる活動の源であり、生きる力を支える重要な要素です。私たち大人は、子供たちが生涯にわたって健康で、たくましく生きていけるように支えていかなければならないと考えます。 国は、最初の東京オリンピックが開催された一九六四年(昭和三十九年)に体力・運動能力調査を始めました。その後、平成十一年から導入された新体力テストは、国民の体位の変化や科学・医学の進歩を踏まえ、より現状に合ったものに進化しています。この調査は、子供の体力の状況を把握・分析し、その改善を通して体力・運動能力を向上させることを目的にしており、過去最も数値の高かった昭和六十年頃の水準に回復させることを目指しています。 ところで、現在の小学生・中学生の身長、体重などの体格を親世代である三十年前と比較すると、親世代をおおむね上回っています。一方で、先般公表された令和四年度の新体力テストの結果によると、体力・運動能力のほとんどの項目で子供世代が親世代を下回っており、現在の子供たちは、体格が向上しているにもかかわらず、体力・運動能力が低下している状況にあるのです。また、本県の状況に目を向けましても、同テストにおいて体力の総合的な指標である体力合計点は、残念ながら調査対象となった全ての学年で全国平均を下回っており、全国でも下位のレベルとなっています。 子供の体力の低下は、将来的に国民全体の体力低下につながり、生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下などを引き起こすことが懸念されています。このまま低下傾向が継続するとなれば、社会全体の活力が失われるという事態に発展しかねません。 私は、未来を担っていく子供たちが複雑化する社会の荒波に耐えられるよう、体力の向上に向けて、日常の生活や遊びの中で体を動かすことに楽しさを感じ、運動することが好きな子供を育んでいくことが最も大切であると考えます。県教委には、学校内はもちろんのこと、学校外においても、地域やプロスポーツチームなど多様な主体と連携し、学び、遊びながら体力を向上させるような活動を取り入れ、心・技・体のバランスを整え、知・徳・体の調和が取れた子供の育成に取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねします。未来を担う子供たちの体力・運動能力を向上させるために、県教委は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、新時代の活力ある都市公園づくりについて、質問いたします。 平成三十年九月から十一月に開催された山口ゆめ花博は、「ゆめの未来公園はじまる!」をキャッチフレーズに、一千万株の山口県の花と二千回を超えるイベントを繰り広げ、当初目標五十万人の二・七倍である百三十六万人を超える来場者を記録し、百四十一億円の経済波及効果を山口県にもたらしました。来場者は県内外にとどまらず、海外からも御来場されるなど、日本国内外で大きく注目されるイベントとなったことは県民に深く記憶されています。開催に当たっては、真夏の日差しが照りつける酷暑の中、たくさんの県民ボランティアさんが準備に当たり、様々な業種の企業や団体が協働し、手作りのブースやイベントをつくり上げていました。この山口ゆめ花博の大成功は、まさに県民の手による活力創出であったと考えます。 都市公園とは、都市計画法に基づき、地方公共団体や国により設置される公園または緑地のことを指し、国土交通省の資料には、公園のストック効果が示されています。ストック効果とは、整備された社会資本が機能することによって、整備直後から継続的に中長期にわたり得られる効果のことを意味しますが、本県では山口ゆめ花博を一過性のイベントとせず、その成果を生かしていくために、山口きらら博記念公園活性化協議会が設立されました。協議会には各領域のプロ人材が集結し、官民連携による未来への新しい公園づくりとして、ゆめ花マルシェの開催やゆめはな花壇づくりが行われています。そのほか、野外フェスのワイルドバンチなど、民間が主催するイベントにより、多くの集客を創出しており、山口きらら博記念公園は、まさにストック効果が発揮された、様々な面で好影響を与える、活力あふれる公園であると言えます。 一方で、県内には市町が管理しているものも含め、都市公園が点在していますが、山口きらら博記念公園のような活力ある公園はまだまだ少ないと感じています。県は、これまでも本公園で培ってきた公園の新たな利活用の取組について、県下に波及させるべく努力してこられたと伺っていますが、浸透していない部分もあるように思います。都市公園の規模は、おのおの異なっており、山口きらら博記念公園の先進的な取組を全ての公園でということは難しいと思いますが、先進的な取組を各公園に合った形で波及させ、県内各地の公園のさらなる活力向上につなげていただきたいと考えます。 そこでお尋ねします。県内の都市公園が、多様な効果をもたらす、新時代にふさわしい活力あふれる場となるよう、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 保育の充実について質問いたします。 三つ子の魂百までとよく耳にしますが、これは幼い頃の性格は年を取っても変わらないという意味です。昭和五十五年の日本は、おじいちゃん、おばあちゃんと孫たちが共に一つ屋根で暮らす三世代家族が半数を占めていました。食事の時間になれば、母が、おじいちゃん呼んできてと言い、孫が祖父を呼びに行く、こんな日常が繰り返されていました。時代は令和となり、社会生活は目まぐるしい変化にさらされています。単身または夫婦のみ世帯が六〇%を超え、三世代家族は九%、家族全員が働きに出る時代となりました。新時代が求める効率的で持続可能な社会とはどのようなものなのか、改めて問う時代になったのではないでしょうか。 令和二年、厚生労働省の発表では、一歳・二歳児の五〇・四%が保育所を利用しています。零歳児でも一六・九%と、年々ニーズが高まっている状況です。子供たちが保育所に関わる時間は親世代の働く時間プラス通勤時間ですから、九時間から十時間となります。自宅での睡眠時間十時間を除けば、親と子が過ごす時間は四時間余りです。ましてや、祖父母も働く時代、家族がみんなで会えるのは年に数えるほどの状況です。このような苛酷な社会環境の中で、人づくりの重要な期間を担うのが保育士なのです。 保育士は、この混迷する社会の中で、子供たちの親代わりをしています。ぎゅっとハグをして子供たちの不安を共感したり、共に笑い、悲しみ、怒る、喜怒哀楽を表現する中でコミュニケーションスキルを伝えたり、子供たちの目線に合わせて、かがんでお話をしたり、終わりのない追いかけっこをしたりと、大変な仕事です。それでも、保育士になりたい、お世話になった先生のようになりたいという若い人が増えています。志をつなぐことで新たな時代を担う人間像も形成されていくのだと、頼もしく感じます。 本県では、令和三年に、山口県新たな時代の人づくり推進方針を策定し、他機関連携・協働を図り、取り組んでいるところであり、幼児教育・保育が極めて重要な役割を担っていると認識されています。専門性向上に向けた研修の充実等により保育士の資質能力向上を図ることは、大切な子供を預ける親にとって最大の幸せにつながることでしょうし、優しさの好循環を波及させると期待します。また、子供たちが安心して生活できるよう、保育環境の充実を図ることも重要です。こうした保育の質の向上を通じた保育の充実により、山口県の保育は日本一と誇れるようになれば、本県で子育てをしたいと望む若い人も増えるのではないでしょうか。 そこでお尋ねします。本県では、保育の質の向上を通じ、保育の充実について、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、若者の雇用対策の充実についてお尋ねします。 本県の人口は、令和五年八月一日現在で百二十九万八千五百七十二人です。二〇二〇年の国勢調査結果では、二〇一五年から五年間で六万二千六百七十人、四・五%の減少となり、過去最大の減少幅となりました。主な要因は若年層の転出超過、いわゆる社会減であり、転出先は福岡県や広島県、東京都が多い結果となっています。人口減少は、地域経済や社会保障などあらゆる社会生活に大きなダメージを与えるものであり、若年層への社会減対策をいま一度見詰め直す必要があると考えます。 本県では、若年層の進学・就職時の県外流出、特に女性の減少が多いことを把握されており、若者や女性が活躍できる雇用の場を増やし、地方にも様々な仕事があることをPRするなど、取組を進めてこられました。一旦県外に出ても、また、県内に戻りたい、山口県に移住したいという相談件数は右肩上がりに増加しています。本県ならではの自然豊かな環境などに注目が集まる昨今、移住希望者のニーズを踏まえ、本県の取組につなげることが大切だと感じます。 若年層の住み心地を満足させるには、働く満足が必要だと感じています。本県には、産業集積の強みがあり、特に製造業では世界的な規模の企業をはじめ、多くの企業が立地し、本県経済を牽引しています。そうした企業に対して産業インフラを整備し、県内の優れた若年層人材が活躍することに光明を感じますが、その人材確保に課題が生じています。来年三月本県高卒予定者の求人倍率は、七月末時点で過去最高の二・四七倍となりました。企業の需要に対して人材供給できない状況では、産業の停滞が危惧されます。 令和五年三月新規学卒予定者の就職内定状況を見ますと、県内大学就職決定者の七二・八%は県外へ就職、県内三か所にある高専(高等専門学校)でも七七・六%の者が県外への就職を決め、大学と高専の県内就職者数は八百五十二人となりました。それに対して、短期大学や専修学校では県内への就職が八〇%前後と、安定した数字を示し、即戦力として期待されますが、県内就職者数は合わせて七百六十五人と、分母が少ない課題があります。一方で、高等学校の県内就職者数は二千百十二人と、卒業者に占める県内就職者の割合が高いことが山口県の特徴です。ここで示すように、本県の産業を支える人材の多くは高等学校を卒業した若年層であり、この若者たちへの就職定着支援が本県では重要だと考えます。厚生労働省の調査によると、平成三十一年三月高卒者の三年以内の離職率は三五・九%となり、国の大きな課題となっています。この山口県で生まれ育った若者が、ふるさとで満足して働ける環境を整備することが重要だと考えます。 そこでお尋ねします。県内企業の人手不足を解消し、ひいては本県の社会減対策にもつながる若者の県内就職・定着に向け、本県はどのような取組を進めていくのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、持続可能な農業について質問いたします。 今月二十四日まで山口県立美術館で展示されたジブリ作品には、大地の恵みと人間の煩悩がテーマとされているものが多くありました。技術革新ととめどない人間の経済欲求に対して本当の豊さとは何かを問うストーリーに、私たち人間は自責の念を抱きます。天空の城ラピュタの一節にこんなセリフがあります。「土に根を下ろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう。」バブル期の三十七年前に公開されたこの作品は、土から離れては生きられないと警鐘を鳴らしています。私たちは幼い子供に自然の大切さや命の貴さを伝えますが、大人になると、豊かさを経済資本で考察しています。大地の恵みに感謝し、自国での食料自給を増やすことが日本の農業に最も重要だと考えます。 七月二十七日、国連のグテーレス事務総長は、猛烈な暑さをglobal boiling has arrived(地球は沸騰化の時代に入った)と表現しました。ハワイやスペインでは、猛暑と乾燥の影響で山火事が発生し被災しました。日本では、農地面積の四分の一を占める北海道で農畜産業が大きな打撃を受けています。日本の食料供給政策がこのままではいけないと、皆が感じています。 高齢化と少子化による人口減少は、社会全体の問題であり、農業だけの課題ではありません。人口の減少する日本社会の中でどのように農業を持続していくのかを皆で考え、未来へのビジョンを建設的に描く必要があります。本県では、強い農林水産業育成プロジェクトを掲げ、担い手支援と生産基盤の整備、地域循環型耕畜連携を実践しています。 今年四月には農業試験場、農業大学校、林業指導センターを統合し、高度な技術を持つ即戦力人材の育成と、先端技術の開発に一体的に取り組む、農林業の知と技の拠点をオープンさせました。強化ポイントとして、農業大学校に新設した土地利用学科等において即戦力となる人材の育成に取り組むとともに、民間企業等の力を積極的に取り入れたプラットホーム体制を構築し、本県独自の新技術開発の取組を加速させているとのことです。 また、新時代を担う農業従事者には、少ない人数で広大な耕地面積を活用できる生産基盤の整備も必要です。利便性のよい農地を集約化し、農業用ロボットが効率よく利用できる生産環境を整備することが持続可能な農業の鍵となります。農業者自らが収益を築き起業できる大規模農業環境は、まさにサステーナブルな農業に不可欠です。 本県でも、耕作放棄地が年々増加し、農業従事者が減少する社会課題の中で、新しい農業手法を学んだ新規農業従事者が起業できる場を求めています。五十アール以上の区画整備を着実に進め、百ヘクタールを管理する大規模農家が生まれるチャンスとも言える現在、持続可能な農業に向けて、本県ではどのような未来地図を描いているのか、そしてどのように生産基盤の整備を進めるのか、御所見をお伺いいたします。 介護人材の確保について質問いたします。 住み慣れた地域で、誰にも迷惑をかけずに安心した生活を送りたいと、誰もが望んでおられるのではないでしょうか。二〇二三年、WHOの世界保健統計によると、日本人の健康寿命は男性で七十二・六歳、女性で七十五・五歳と、いずれも世界一位です。高齢者の方々は、健康への意識が高く、自助・互助・共助・公助を満たすことが健康の秘訣であると認識され、御努力されています。では、健康でなくなったらどうでしょうか。体のどこかに不自由を来したり、お気持ちの中でいっぱいの不安を感じたり、自分の思いが他人に伝わらなくなったりすることです。このような状況を支援してくれるのが介護福祉に携わる皆さんです。 一九七〇年(昭和四十五年)、日本は高度経済成長のただ中、人は地方から都市へと流れ、核家族化が一気に進みました。社会と家族の形が大きく変わり、親の扶養や介護ができなくなるといった高齢者問題が明らかになり、福祉施設の整備と介護人材確保が急ピッチに行われました。当時七%であった高齢化率は、現在二九%となり、二〇二三年に必要な介護人材は二百三十三万人で二十二万人の不足、二〇四〇年には二百八十万人で六十九万人の不足と推計されています。若い人材だけではなく、中高年や主婦、学生や外国人等の多様な人材の参画が求められています。従来のまんじゅう型から介護福祉士等の専門職がリーダー職を担う富士山型、いわゆる裾野の拡大が進められ、多様な働き方導入モデル事業が厚生労働省から示されているところです。 本県でも、安心を支える医療と介護の充実・強化プロジェクトにおいて、介護人材の確保に取り組んでいます。介護福祉士修学資金等の貸付けや福祉人材センターのマッチング機能強化、中高生を対象とした職場体験やインターンシップの実施は、介護福祉の魅力発信と将来の担い手育成を推進するものと期待しています。しかしながら、高齢化率三五・二%で就労人口として期待される生産年齢人口が減り続ける本県において、増え続ける要介護者を支える介護現場の職員が、苦労がありながらも介護の仕事に誇りとやりがいを持って昼夜問わず優しく高齢者に接している姿を、私は自身の体験から想像します。健康でいられなくなった方々を癒やす心の籠もった日本の介護福祉は、世界に誇れるものです。介護福祉は敬老文化の縮図であり、決して尊厳を汚してはならない大切なものです。 そこでお尋ねします。本県の高齢者福祉を支える介護人材は、依然として大きく不足している状況です。二〇〇〇年に介護保険制度が施行されて以降も、変わり続ける制度に対応し続け、御利用者に変わらぬ敬愛の念を伝え続けている介護現場の皆さんは、県民の社会生活を支える中心的存在であるからこそ、社会的評価を一層高めていく必要があります。県は、どのようにして介護現場の評価を上げ、介護人材を確保するのか、御所見をお伺いいたします。 以上で、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)林議員の御質問のうち、私からは、介護人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 介護の仕事は、高齢者等が自立した生活を送れるよう支援するとともに、その家族の心身の負担を軽減し、仕事と介護の両立に資するなど、県民の社会生活を支える社会的意義の高い仕事であり、今後、要介護者の一層の増加が見込まれる中、介護人材の確保はますます重要になっています。 このため、県では、議員お示しのとおり、学生や外国人留学生への修学資金の貸付けのほか、他業種からの転職希望者や中高年齢者に対するマッチングや研修機会の提供、就職支援金の貸与など、求職から就職までの一貫した支援を行うことにより、人材確保に努めているところです。 さらに、より多くの方々に介護に興味を持っていただき、参入を促進するため、介護の仕事の魅力や、やりがい等を広く県民に発信し、職業イメージの向上を図るとともに、介護職員等の処遇が社会的意義にふさわしいものとなるよう、改善に向けた支援にも取り組んでいます。 具体的には、職業イメージの向上については、意欲と誇りを持って働いておられる若手・中堅職員をいきいき福祉・介護実践賞として、私から表彰するとともに、介護の日のイベントなど、関係団体等が実施する情報発信の取組を積極的に支援しています。 また、今年度から、福祉・介護関係団体との意見交換の場を新たに設け、現場の声を反映しながら、介護職の専門性や仕事のやりがい・誇りを発信する動画の制作やイベントの開催など協働した広報を展開し、県民に向け、訴求力の高い情報発信を行ってまいります。 次に、処遇改善に向けては、国の介護職員処遇改善加算制度等の活用により、賃金の改善が図られるよう、施設管理者向けの研修等を通じて、事業者に対する制度の周知や助言を行い、制度の活用促進に努めています。 また、人材育成やキャリアに応じた処遇、ICT機器の導入など、就業環境の改善に積極的に取り組む事業所を働きやすい介護職場として認証しているところです。 さらに、来年春の介護報酬の改定に向けて、厳しい現場の実態や人材不足の状況等を国に伝えるとともに、政府要望を通じて、従事者の賃上げにつながるよう、介護報酬等の大幅な改定実施を、強く働きかけてまいります。 私は、こうした取組を通じ、市町や関係団体等とも緊密に連携しながら、介護現場の評価を高め、介護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)新時代の活力ある都市公園づくりについてのお尋ねにお答えします。 都市公園は、人々の憩いの場となるほか、健康増進、自然との触れ合い、観光や地域間交流等の多様なニーズに対応するとともに、災害時には避難場所となるなど、県民生活に欠かせない施設です。 県内には、五か所の県立公園を含め、約千三百か所の都市公園が設置されており、身近な街区公園から、広域的なレクリエーション需要に対応した大規模公園まで、様々な公園があることから、それぞれの特徴を生かしながら、県全体として公園を充実させていくことが重要です。 こうした中、県では、やまぐち未来維新プランにおいて、山口きらら博記念公園を拠点として、創出・発信される県民の活力を県内に広く波及させるための取組を推進することとしています。 このため、これまで山口ゆめ花博等を通じて得られた様々なノウハウを他の県立公園で生かすことはもとより、県内の公園の大部分を管理・運営する市町に情報提供するなど、その波及・浸透に努めていく考えです。 具体的には、民間活力導入の先行事例である山口きらら博記念公園活性化協議会の取組や、インクルーシブ遊具の実証実験で得られた成果について、説明会等を通じて、市町や教育機関等と共有しているところです。 さらに、山口きらら博記念公園の交流拠点化に向け、現在、新たな利活用や必要な施設整備についての検討を進めているところであり、キャンプなどの実証実験を通じて得られる知見等も市町などの関係者に対し、幅広く発信していくこととしています。 県としては、今後とも、最新の社会情勢や県民ニーズ等を踏まえ、山口きらら博記念公園をはじめ、県立公園で行う先進的な取組を基に、市町等の関係者に対し、情報提供や助言を行うことなどにより、各公園の特徴や地域の実情に応じた、にぎわいのある公園づくりを進めてまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)保育の充実についてのお尋ねにお答えします。 乳幼児期における教育及び保育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、中でも、お示しのとおり、乳幼児が生活時間の大半を過ごす保育所等の果たす役割は、保育ニーズの高まりとともに、ますます大きくなっています。 このため、県では、保育の質の向上に向け、保育士の資質能力の向上や、保育環境の充実に取り組んでいるところです。 まず、保育士の資質能力の向上を図るため、新任保育士や、主任保育士等を対象とした階層別研修や、乳児保育や障害児保育などの専門性の向上を図り、キャリアアップにつながる研修を開催しているところであり、今後も様々な課題に対応できるよう、研修の充実を図ってまいります。 また、教育委員会と連携し、専門的な知見や豊富な実践経験を有する幼児教育アドバイザー等が保育所等を訪問し、日々の保育の悩みに対する助言を行うとともに、園内研修の充実に向けた支援等を引き続き行ってまいります。 次に、保育環境の充実については、保育士がより保育に専念し、手厚い保育が行われるよう、保育士の補助業務を担う子育てサポーターや、登園時などの時間帯に見守りを行うスポット支援員、乳幼児の健康管理を行う看護師等専門職を配置する取組を支援しています。 また、人格形成の基礎を培う重要な時期に、障害のある子もない子も、生活を共にし、学びや遊びを通じて成長できる環境づくりを進めるため、多様性に配慮したインクルーシブ遊具の整備等をさらに進めてまいります。 県としましては、今後とも、市町や関係団体と連携し、子育て家庭が安心して保育所等を利用できるよう、保育の充実に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)小関産業労働部長。 〔産業労働部長 小関浩幸君登壇〕 産業労働部長(小関浩幸君)若者の雇用対策の充実についてのお尋ねにお答えします。 人口減少が進む中、本県産業が持続的に成長・発展していくためには、産業を支える人材の確保が必要であり、とりわけ、若者の県内企業への就職・定着を促進することが極めて重要です。 このため、まず、若者の県内就職に向けて、山口しごとセンターにおいてワンストップで支援する体制を整えるとともに、就職情報等を集約した就職アプリや、VR映像で企業見学ができるウェブサイトにより企業の魅力発信に取り組んでいます。 また、経済団体等と連携した就職フェアの開催や、インターンシップをはじめとする就業体験の促進等に取り組み、学生と企業の出会いの場を創出しています。 こうした中、企業の人手不足が深刻化していることから、若者の県内就職の促進に向けたさらなる取組が必要であり、特に、多くの卒業生が県内就職している高校生への対策が重要と考えています。 このため、県教委と共に、市町との連携会議を立ち上げ、関係機関とも連携を図りながら、企業の求める人材や県の支援策等に対するニーズを調査しているところであり、その結果を踏まえ、県内就職促進の取組の強化について検討してまいります。 次に、若者の県内定着に向けては、労働局と連携し、企業に対して新規採用者の職場定着を働きかけるとともに、入社三年目までの各段階に応じた職場定着セミナーを実施するなど、早期離職防止に取り組んでいます。 また、時間や場所にとらわれない多様な働き方などの導入を促進するため、今年度新たに専門家のアドバイスが受けられるワークショップの開催や伴走支援を行うなど、働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。 さらに、賃上げと同時に柔軟な働き方を導入する企業に対し、最大百万円の奨励金を支給する制度を創設したところであり、この制度を活用し、従業員の仕事へのやりがいや、会社への貢献意欲が高まる職場環境づくりを進めています。 県としては、今後とも、人手不足を解消し、本県の社会減対策にもつながるよう、関係機関等と連携し、若者の県内就職・定着の促進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)三坂農林水産部長。 〔農林水産部長 三坂啓司君登壇〕 農林水産部長(三坂啓司君)持続可能な農業についてのお尋ねにお答えします。 小規模経営が多い本県農業を持続的に発展させていくためには、意欲ある担い手に農地を集積し、経営規模の拡大や省力化等による生産性の向上を図ることが重要です。 このため、県としては、持続可能な農業経営の確立に向け、生産規模の拡大や維持管理の省力化を図るとともに、スマート農業技術の活用も可能となる生産性の高い農業基盤整備を積極的に推進することとしています。 まず、基盤整備に当たっては、整備後の区画を分かりやすく示すデジタル地図を活用し、営農の継続に向けた地域の円滑な合意形成を図りながら、地域農業の設計図となる整備計画の策定を進めることとしています。 また、担い手への農地集積や大型機械等の円滑な導入を図るため、引き続き、農地の大区画化を進めるとともに、幅の広い農道や圃場間の移動通路を設置するなど、作業効率を高める基盤整備を積極的に進めてまいります。 さらに、農作業の大幅な負担軽減を図るため、水管理の省力化が期待できる給排水栓の遠隔操作システムを導入するとともに、リモコン式草刈り機の活用や泥上げが容易となる、幅の広い畦畔や勾配の緩やかなのり面の整備などを進めてまいります。 こうした取組に加え、大区画圃場における営農の効率化を図るため、農林業の知と技の拠点の機能を活用し、大規模経営に適する大型農機の活用技術を確立・普及させるとともに、操作技術の習得や資格取得も支援することとしています。 県としては、将来にわたって持続可能な本県農業の実現に向け、経営規模の拡大や省力化等につながる生産性の高い農業基盤整備に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)児童生徒の体力・運動能力向上に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 体力は、人間の活動の源であり、生きる力を支える重要な要素であることから、県教委では、これまで市町教委や学校等と連携し、子供たちの体力向上に向けた様々な取組を進めてきたところです。 こうした中、令和四年度の全国調査において、体力の総合的な指標である体力合計点は、本県では新型コロナウイルス感染症の影響による運動時間の減少などもあり、お示しのとおり、全ての調査対象学年で全国平均を下回っており、子供の体力・運動能力の向上は、重要な教育課題であると考えています。 このため、県教委では、本年二月から、新たに県内全ての小中学校で、組織的かつ統一的に体力向上を目指す、体力向上維新プロジェクトを開始し、子供たちの運動機会の創出や本県の体力課題の解決に向けた取組の強化を図っているところです。 具体的には、まず、子供たちの運動機会の創出に向けて、学校の休み時間や家庭の日常生活において、一人一台タブレット端末を活用し、友達や家族と一緒に楽しく運動できるよう、遊びの要素を取り入れた動画を作成したところであり、今後、自主的な運動習慣の定着につなげてまいります。 また、体力課題の解決に向けては、各学校の課題の分析を踏まえて、授業改善に向けた教員研修を行うとともに、児童生徒が主体となり、柔軟性を高めるストレッチや、筋力・投力の向上に効果的なボール投げなどの学校オリジナル活動を実施しており、こうした取組を全県に広げて、積極的に展開することとしています。 さらに、子供の体力向上には、運動への興味や関心、意欲を高めていくことが重要であることから、今年度、山口市の中学校において、レノファ山口の選手や地域住民と共に、楽しみながら体力測定等を行う取組をモデル的に実施しているところであり、その検証を踏まえ、今後、他地域への拡大を検討してまいります。 県教委といたしましては、今後とも、市町教委や学校、家庭、地域と緊密に連携し、未来を担う子供たちの体力・運動能力の向上にしっかりと取り組んでまいります。