1 一般会計補正予算について 2 景気の現状と対策について 3 高森みどり中学の廃止について 4 中間貯蔵施設の建設について 5 その他
議長(柳居俊学君)井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) 井原寿加子さん 一般質問いたします。よろしくお願いいたします。 先日、内閣改造が行われましたけれども、相も変わらず派閥優先の順送り人事で、新鮮味のないものでした。そんな中、女性大臣が五人誕生しましたけれども、副大臣、政務官には一人の女性も起用されませんでした。女性活躍、ジェンダー平等と言っても、中身のない掛け声だけなのだとがっかりいたしました。これでは、支持率の向上は見込めないのではないでしょうか。 そんな折も折、一部報道により、お隣の広島県を舞台にした大規模買収事件に関連して、時の安倍首相ほかの政権幹部から、河井元法相に対して多額の現金が提供されていたことが明るみに出ました。つまり、政権ぐるみで選挙をお金でねじ曲げ、検察もその事実を知りながらもみ潰していたようです。 選挙は一人一人の自由な意思により公平に行われ、悪いことをすれば誰でも平等に法の裁きを受ける、そんな当たり前のことさえできていないのだと悲しくなりました。翻って山口県を見ても、どうも首をかしげることが多いように感じます。 バスケットボールのワールドカップで、柳井市出身で岩国にも縁がある河村勇輝選手が大活躍をしました。地元の選手が活躍することは手放しでうれしいもので、心から応援しました。同じように心から応援できる県政であってほしいという思いも込めて、以下質問をいたしますので、明確な御答弁をお願いいたします。 一番、一般会計補正予算について伺います。 台風の相次ぐ襲来により、全国各地で大きな被害が発生しています。特に、線状降水帯による集中的な豪雨は予想を超えるものであり、厳重な警戒が必要です。山口県でも、今年の豪雨により特に西部地区が甚大な被害を受けました。 今回の補正予算には、その復旧対策として百三十億円余りの経費が計上されています。この予算が速やかに執行されることを期待しますけれども、その主な対策の内容をお答えください。 先日、アフリカのモロッコの大地震では、死亡者が二千人を超え、リビアでは、二つのダムの決壊により、一万人以上の人が死亡または行方不明と伝えられています。日本でも南海トラフ地震の発生が確実に迫っており、私たちも無関心ではいられません。 そこで、南海トラフ地震による本県への津波などの影響をどのように想定しているのか、その備えは十分にできているのか、具体的にお答えください。 また、ダムの事前放流についてお尋ねいたします。 洪水とダムの放流の関連性が指摘されたことを受けて、国では、既に数年前から大雨が予想される場合のダムの事前放流の基準がつくられ、運用されています。しかし、山口県の菅野ダムでは、台風の襲来に備えた事前放流の仕組みはありましたが、最近の線状降水帯の発生などには対応できない状況にありました。 そこで、一般質問などを通じ、繰り返し改善を求めてきましたが、このたび、ようやく事前放流の新しいルールができたとのことです。菅野ダムに関して、事前放流が行われる具体的な基準と放流の規模等、それによる洪水防止効果などについて、分かりやすく御説明ください。 二番、景気の現状と対策について伺います。 先日、広島県の給食業者が突然倒産し、学校現場が混乱しているという報道がありました。止まらない物価高騰や人手不足が地域経済の足を確実に引っ張り始めており、県内でも倒産件数が増えるのではないかと心配されます。 そこでお尋ねいたします。県内の消費者物価や企業倒産件数などの動きを教えてください。また、今年も最低賃金の引上げが行われましたが、最近の賃上げの状況、物価上昇分を差し引いた実質賃金はどのように推移しているのか、併せて御説明ください。 最近の異常な物価高騰の大きな原因の一つは円安であり、その背景には日銀の大規模金融緩和があると思います。思い切った金利の引下げにより経済を動かし、それが国民生活へも波及するという触れ込みでしたけれども、この間、景気は一向によくならず、超低金利の中で、国民は苦しい生活を強いられてきました。アベノミクスは既に完全に破綻しているのです。 しかし、世界の流れに逆行しながら、政府、日銀はかたくなに動こうとしません。国と一緒に経済対策を行うだけでは、県民の生活は守れません。九州には半導体の新しい工場が建設されています。先端産業を県内に誘致するなど、知事が先頭に立って地域経済の振興、県民所得の向上に取り組むべきだと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。 関連して、人口減少対策についてお尋ねいたします。 人が減れば、地域は確実に衰退します。あらゆる政策の根本に人口対策を据えるべきだと思います。 先日、山口県の人口が百三十万人を割り込んだという発表がありましたが、このまま行けば、早晩百万人の大台を切るかもしれない深刻な事態です。その主な原因は何でしょうか。今後どのように対応するのか、お伺いいたします。 これまで、子育て支援などの様々な人口減少防止対策が行われてきましたけれども、それらがほとんど効果を上げていないというのが現実だと思います。その大きな原因の一つは、若者の非正規雇用が増えていることにあると言われています。短期雇用や派遣、アルバイトなどは一般に賃金水準が低く、雇用も不安定であり、安心して生活できない、結婚など考えられない人が多いそうで、これでは少子化は止まりません。こうした点に関する県の認識をお伺いいたします。 また、県内における非正規雇用の状況と雇用の安定に向けて、どのような対策を取るのか、お伺いいたします。 三番、高森みどり中学校の廃止などについて伺います。 高森みどり中学校を廃止しなければならない理由について、前回の六月県議会でも明確な答弁がなく、私はいまだに理解ができません。そもそも廃止の理由が分からなければ、議論は先に進みませんし、誰も納得できません。 そこで、今回は、この一点に絞ってお尋ねいたしますので、廃止を強行するのなら、それなりの合理的な理由があるはずで、逃げないで正面から具体的にお答えください。 それと、答弁の方法についてお願いがあります。私の質問に対して、よく「まとめて答弁する」として、個々の論点を曖昧にする傾向がありますが、それでは議論が深まりません。以下、質問を一つ一つ明確に区切って行いますので、全部をまとめないで、個々別々に明快な御答弁をお願いいたします。 六月議会終了後、県教委に二回にわたり文書で質問し、その回答を頂いており、そこには次のように記載されています。「岩国地域の人口規模や今後の児童数の減少を踏まえると、岩国地域では県立中学校一校が妥当であると判断し、高森みどり中学校の生徒募集を停止することとした」 まず、第一です。岩国地域で二校分の定員維持は困難とされましたが、その後、定員割れを見越したわけではなく、可能性に言及しただけと答弁を変えられました。要するに、どちらなんでしょうか。県教委は定員割れすると考えているのでしょうか、それとも定員割れしないと考えているのでしょうか、端的に答えてください。 第二です。定員以外に一校が妥当であるとする何かほかの根拠があるのでしょうか、具体的にお答えください。 第三です。県教委の方針として、二つは要らないので、既存の実績のある学校を廃止するというのは、あまりにも短絡的で乱暴です。常識的には、二つは要らないのであれば、二つ目をつくらずに、県外流出防止のための別の方策を考えればいいだけだと思いますが、いかがでしょうか。 第四です。高森みどり中学校の廃止については、山口県立高等学校等条例の改正が必要だと思いますが、いつ所要の改正を行うのでしょうか、お伺いいたします。 次に、高森みどり中学も高校再編の一連の中で募集停止となりましたが、関連してこのたびの柳井地域の五つの高校の再編統合についてお尋ねいたします。 県立高校将来構想検討協議会の中では、具体的に提起されていないのに、突然こうした案が出てくるのは、どうも違和感があります。どこで、どのような経緯で、こうした案がつくられたのでしょうか。 再編整備の対象となる高校を選定する客観的な基準として、定員割れの状態などが必要だと思いますが、それをお示しください。 地域への説明も含めて、今後のスケジュールもお示しください。 そんな中で、どうしても気になるのが、周防大島高校です。最近の定員に対する充足率をお示しください。 柳井地域の再編整備を考えるなら、当然、周防大島高校も含めて検討すべきだと思います。実際に、そうした声が私のところにも届いております。どうして名前が挙がらないのか、その理由を御説明ください。 さらに関連で、県立大学の附属高校の設置候補校が周防大島高校に決定されたという報道があり、先週には、大学から県教委に要望書が提出されましたが、周防大島高校を特定した要望になっているのでしょうか、その選定理由も併せてお答えください。 以前の一般質問でも指摘しましたが、県は否定されても、地元は既に周防大島高校に決まっているというような話が流れていたようですから、ああ、やっぱりと思ったのは私だけではないと思います。 この要望を受けて、今後、県教委として、どのような手順で進めていかれるのか、県議会にはいつどのような形で諮られるのか、お伺いいたします。 また、これも聞いた話ですけれども、電子機器を使って行うeスポーツ科をつくり、全国募集をするというのは事実でしょうか、お答えください。 四番、中間貯蔵施設の建設についてです。 降って湧いたような話というのは、まさにこのことでしょうか。原発の使用済核燃料の中間貯蔵施設の建設話が突然持ち上がり、わずか二週間という短期間の間に、上関町長がその調査の受入れを表明してしまいました。 この間、様々な報道や専門家のコメントなどもありましたが、私自身も調べれば調べるほどに疑問が湧いてきました。 まず、中間貯蔵とは名ばかりで、再処理の見込みが立たない限り、永久貯蔵になってしまうこと。上関原発建設の見通しが立たない中で、どうして関西電力の使用済核燃料を遠く山口県にまで持って来なければならないのか。上関の住民に対する説明が全く行われず、こんな大切なことを町長と議会だけで勝手に決めていいのか。さらに、一旦事故が起これば、自治体の枠を超えて広範囲に影響が生じるにもかかわらず、周辺自治体やその住民に対して何の説明もなく進めていいのかなどです。 そこで、基本的なことをまずお尋ねいたします。 まず、今現在、現地調査等は行われているのでしょうか。その進捗状況を教えてください。 今回の調査にかかる期間はどのくらいなのでしょうか。その後、施設の建設、運用開始までに何年くらいかかるのでしょうか。 こうした原子力関連の施設の建設に関して、知事がどのような法的立場にあるのかよく分かりません。法体系の中に、県知事の事前同意または承認などの要件はないのでしょうか、お伺いいたします。 また、実際の施設の建設に際しては、山林の伐採、土地の造成や建屋の建設、そして、海の埋立てや港湾の建設などが必要になると思います。こうした行為に関して、個別の法に基づく知事の許認可権限等があると思いますが、今後、計画の進捗に応じて、どのような法的手続が必要となるのか、想定で結構ですから、主なものを御説明ください。 次に、この施設の最大の貯蔵容量は幾らなんでしょうか。貯蔵期間は何年程度なのでしょうか。貯蔵期間終了後に十分な再処理工場が稼働していなかった場合には、そのままここに保管し続けるのでしょうか。それとも外部に搬出することになるのでしょうか、お伺いいたします。 この計画について、会社側や上関町から県に対して、事前または事後に何らかの説明なり連絡はあったのでしょうか。もしあったのなら、その内容とその際の県の対応を明らかにしてください。 また、今回の計画は、一つの会社に関係するだけでなく、核燃料サイクルなどの国のエネルギー政策に深く関わることだと思いますが、これまでに国から何らかの説明はあったのでしょうか、お伺いいたします。 影響は広範囲に及び、岩国でも不安を覚える人がたくさんいます。周辺自治体の行政や住民に対して丁寧な説明をするよう、会社側に求めるべきではないですか、お伺いいたします。 知事は、今回の計画を知ったとき、どのように感じられましたか。また、今回の計画に対しては、核燃料サイクルの破綻、他県の使用済燃料の受入れ、陸上保管の安全性、周辺環境への影響、漁業被害などについて、どのように認識されていますか、率直なお考えをお聞かせください。 次に、交付金についてお尋ねいたします。 上関町だけでなく、県や周辺自治体にも交付金が支給されると聞いていますが、それぞれの支給要件、支給額、支給期間について御説明ください。 知事が同意すれば、交付額が増額されると聞いていますが、その増加額についても教えてください。 また、調査の段階から、建設工事が始まり、そして実際の貯蔵が始まるとすると、その段階に応じて交付額はどのように変化するのでしょうか、併せて教えてください。 県は、当面交付金の申請はしないとしていますが、調査は既に着手されています。いつまでも判断の時期を先送りにすべきではないと思いますが、いつどのようになれば交付金の申請をされるのでしょうか、教えてください。 以上で、一回目の質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)井原議員の御質問のうち、私からは人口減少対策についての数点のお尋ねにお答えいたします。 人口減少は、社会活動や地域社会、県民生活に深刻な影響を及ぼす本県の最重要課題であり、その要因として、少子高齢化の進行による自然減と、若者を中心とする県外流出による社会減があります。 この克服に向け、県では、少子化対策や新たな人の流れの創出等の取組を総合的に進めており、社会減については、近年、本県への移住者数が増加していることを背景に、縮小してきているところです。 一方で、自然減は拡大しています。 とりわけ少子化については、子育てにおける経済的負担や仕事と子育ての両立への不安、非正規雇用等経済的な不安定さを背景とする結婚の躊躇、家事・育児負担の女性への偏りなど、様々な理由が複合的に重なり合い、さらに、コロナ禍の影響も加わり、出生率低下をもたらしています。 少子化は、全国的に深刻さの度合いを増しており、これに対応するため、現在、国において、子育てに係る経済的支援の強化や希望する非正規雇用者の正規化等による若い世代の所得向上、多様な働き方と子育ての両立支援、男性育休の取得促進等を盛り込んだ、次元の異なる少子化対策が検討されています。 私は、こうした国の動きに呼応して、今後、さらなる子育て支援の充実や、子育てに対する社会全体の意識改革につながる取組など、県独自のきめ細かな施策を推進するとともに、若者の県内定着や本県への移住を促進する取組の強化を図り、人口減少の克服につなげてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)一般会計補正予算についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、豪雨災害対策の主な内容についてです。 今回の補正予算においては、まず、災害復旧事業として、被害状況に基づき、公共土木施設や農林水産施設等の早期復旧を図るため、百億四千三百万円を計上するとともに、災害関連事業として、砂防事業や河川改修事業等を実施するため、二十六億九百万円を計上しています。 次に、被災者支援として、災害救助法に基づく被災者の応急救助を行うとともに、県単独の措置として、住家の全壊・半壊世帯等に災害見舞金を支給し、被災者生活再建支援法の対象とならない地域の被災世帯には、国制度と同等の支援金を支給するなど、二億四千七百万円を計上しています。 このほか、被災した社会福祉施設や指定文化財の復旧、道路、河川に流出した土砂や倒木の除去等を実施することとし、それぞれ所要の経費を計上しています。 県としては、国や市町等との緊密な連携の下、これらの災害対策の本格的な実施を通じ、災害の早期復旧と被災者救済対策等に取り組んでまいります。 次に、南海トラフ地震についてのお尋ねにお答えします。 まず、南海トラフ地震による本県への津波などの影響についてです。 県では、平成二十六年三月に、南海トラフ地震の被害想定を取りまとめており、柳井市など七市町で震度六弱以上を想定するほか、津波については、最高津波水位は下関市など三市町で三・八メートル、最高津波水位に最短で到達するのは光市で、地震発生の約二時間後を想定しています。また、建物全壊・焼失棟数は最大で五千九百二十六棟、死者数は最大で六百十四人、避難者は約十六・八万人、経済被害額は約一・二兆円と想定しています。 次に、南海トラフ地震への備えについてです。 強い揺れと津波により、多くの被害が想定される南海トラフ地震などに備え、建築物等の耐震化や地域防災活動の促進など、ハード・ソフトの両面から防災・減災対策の取組を推進しています。 具体的には、ハード面では、橋梁・岸壁等の耐震化や海岸保全施設のかさ上げ、緊急物資の輸送等に重要な役割を担う幹線道路の整備などを推進するとともに、市町の防災拠点施設や学校施設等の耐震化を促進します。 また、ソフト面では、住民の早期避難に向けて、ガイドブック等を通じ、防災知識の普及啓発を行うとともに、率先避難など、地域の避難体制づくりの促進に努めるほか、県のホームページ防災やまぐちにおいて、市町の避難情報を迅速に発信していきます。 県としては、南海トラフ地震などの災害に備え、引き続き、市町や関係機関と連携し、防災・減災対策の推進に取り組んでまいります。 次に、高森みどり中学校の廃止に関する御質問のうち、県立大学の附属高校の設置に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、大学から県教委に提出された要望書について、周防大島高校を特定した要望となっているのかとのお尋ねです。 お示しの要望書では、県立大学附属高等学校の対象校として、周防大島高等学校を要望されています。 次に、選定理由についてです。 周防大島高等学校での教育活動や内容が、県立大学の全ての学科と教育的につながっており、また、地域課題の解決や地域活性化に向けた様々な取組は、県立大学で行いたい人材育成に有用と考えられることが、選定した理由とされています。 次に、eスポーツ科をつくり、全国募集するのは事実かとのお尋ねですが、県としては承知していません。 議長(柳居俊学君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)一般会計補正予算についての御質問のうち、ダムの事前放流についての数点のお尋ねにお答えします。 ダムの事前放流は、利水者との協定の下、ダムの貯水能力を超えるような降雨が予測される場合に、利水を目的にためた水の一部を事前に放流し、洪水を調節するための容量を追加で確保するものです。 菅野ダムにおける事前放流を行う具体的な基準については、国から示される予測降雨量が十二時間で二百七十ミリを上回る場合に、ダムの貯水位を踏まえ、最大三日前から必要に応じて事前放流を実施できることとしています。 これにより、新たに最大で約千五百万立方メートルを放流することができ、その結果、洪水調節容量は約二倍になり、ダム下流の洪水被害の防止・軽減を図ることができます。 議長(柳居俊学君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)県内の消費者物価の動きについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、消費者物価の動きについてです。 総務省が公表している山口市の消費者物価指数によると、天候で値動きが変わる生鮮食品を除く総合指数は、令和三年九月に、前年同月比でプラスに転じ、以降、二十四か月連続で前年同月を上回って推移しています。 次に、物価上昇分を差し引いた実質賃金の推移についてです。 本県が実施している毎月勤労統計調査によると、五人以上規模の事業所における実質賃金は、令和四年十二月以降、八か月連続で前年同月比マイナスとなっています。 議長(柳居俊学君)小関産業労働部長。 〔産業労働部長 小関浩幸君登壇〕 産業労働部長(小関浩幸君)景気の現状と対策に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、県内の企業倒産件数の動きについてです。 日銀下関支店が発表した山口県金融経済情勢等によれば、令和五年一月から八月までの企業倒産件数は四十五件、一月当たり五・六件となっています。 コロナ禍の令和二年から令和四年までの倒産件数は、一月当たり四・三件で、令和五年の倒産件数は、コロナ禍時と比べて増加していますが、コロナ前の倒産状況と同程度の水準で推移しています。 次に、最近の賃上げの状況についてです。 県内の令和五年春季の賃上げの状況については、定昇込みで交渉した組合の平均妥結額は一万一千七百五十二円、対前年比は二三〇・八%、賃上げ率は三・七九%となっています。 次に、知事が先頭に立って地域経済の振興と県民所得の向上に取り組むべきではないかとのお尋ねについてです。 県では、急激な物価高騰やDX・GXの進展等の環境変化に対応するため、本県経済の重要な担い手である中小企業の持続的な成長に向けた支援や、新たな成長産業の誘致促進などに取り組んでいるところです。 とりわけ、世界的な市場拡大が見込まれる半導体や蓄電池分野の産業集積に向けては、国が示す成長戦略を踏まえ、本県の立地優位性を最大限生かしながら、知事のトップセールスをはじめ、積極的な誘致活動を展開しています。 半導体、蓄電池分野は裾野が広く、コンビナート企業や高度技術を有する県内企業への波及効果が高いことから、先月、知事を会長とする協議会を設置し、産学公が一体となって、この分野の産業集積を強化することとしています。 また、中小企業の持続的な成長に向けては、DXの活用による生産性向上や、新商品開発、販路開拓等を支援するとともに、賃金引上げの環境整備を支援するため、最大百万円の奨励金を支給する県独自の制度を創設しており、こうした取組を通じて県民所得の向上につなげてまいります。 次に、非正規雇用の状況と雇用の安定に向けた対策についてです。 七月に公表された令和四年就業構造基本調査の結果によると、本県の雇用者に占める非正規雇用の割合は、二十歳から三十四歳の若者では二五・三%となっており、五年前に比べ二・一ポイント低下しています。 県では、非正規雇用労働者の雇用の安定に向け、ハローワーク等と連携し、山口しごとセンターにおける相談体制を整えるとともに、スキルアップ研修や雇用転換支援員によるマッチング等を行い、正社員を希望する方の雇用転換を支援しており、引き続き取組を進めてまいります。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)中間貯蔵施設の建設についてのお尋ねにお答えします。 まず、現地調査等の進捗状況と調査期間についてです。 中国電力は現在文献調査を行っており、現地調査期間は半年程度としているものと承知しています。 次に、施設の建設、運用開始まで何年か、法体系に知事の事前同意などの要件はないか、計画の進捗に応じ必要となる法的手続、最大貯蔵容量、貯蔵期間、貯蔵期間終了後の対応に関する六点の御質問に一括してお答えします。 現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について、上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であり、現時点、具体的な計画もないことから、お示しする状況にありません。 次に、県への説明に関する二点のお尋ねにお答えします。 中国電力からは、八月二日に、上関町へ新たな地域振興策として回答したこと、同月十八日に、上関町から調査実施の了承について回答・要請があったことについて連絡があり、それぞれの内容について報告を受けました。 上関町からは、中国電力から回答を受けたことを八月八日に、調査実施の了承に係る回答・要請をしたことについて同月十八日に連絡があり、それぞれ報告を受けました。国からは説明を受けていません。 次に、周辺自治体に対して丁寧な説明をするよう会社側に求めるべきとのお尋ねです。 このたびの調査は、事業者である中国電力が進めているものであり、中国電力においては、上関町の要請等も踏まえ、関係者への説明や、必要な情報提供、周辺市町の首長の声等に十分配意した対応が行われるべきものと考えており、その旨は中国電力にも伝えています。 次に、今回の計画を知ったときの所感、また今回の計画に対しての認識についてです。 今回の調査については、上関町が中国電力に検討を要請していた新たな地域振興策について、中国電力から中間貯蔵施設の設置に係る調査検討を進めたいとの回答が行われたものであると承知しておりますが、現時点、具体的な計画もないことから、その所感や認識をお示しする状況にありません。 次に、電源立地地域対策交付金に関する三点の御質問に、制度ごとに一括してお答えします。 まず、初期対策として、対象電源が設置される地点をその区域に含む県または市町村に対し、立地可能性調査の開始年度から知事の同意年度まで年一・四億円、知事の同意翌年度から二年間は年九・八億円が上限として交付されます。 次に、立地促進対策として施設が所在する市町村、隣接市町村等に対し、着工年度から運転開始五年後まで設備能力に応じた金額が交付されます。 また、施設交付金として中間貯蔵施設が所在する市町村、都道府県に対し、建設段階においては設備能力に応じた金額、運転段階においては稼働実績に応じた金額が交付されます。 最後に、いつどのようになれば交付金の申請をするのかとのお尋ねです。 電源立地地域対策交付金のうち、初期対策交付金相当部分は、初期段階における発電用施設等に関する理解促進を図るためのものであり、制度上の交付対象は対象電源が設置される地点をその区域に含む県または市町村とされています。 現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について、上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であり、現時点、県として交付金を活用して事業を行うことは考えていないことから、今年度の国への申請は行わないこととしたところです。 今後の申請については、仮定の御質問であり、お答えすることはできません。 議長(柳居俊学君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)高森みどり中学の廃止についての数点の御質問にお答えします。 初めに、高森みどり中学校は定員割れすると考えているのか、しないと考えているのかとのお尋ねです。 将来、定員割れするのかしないのかをお示しすることは困難です。県教委としては、定員割れするかどうかという観点のみをもって再編整備の対象とするのではなく、将来を担う子供たちのことを最優先に考えて、県立学校の再編整備に取り組んでいるところです。 次に、定員以外に一校が妥当である根拠はあるのかとのお尋ねです。 中学校段階の学校教育は、市町教育委員会が担うことが基本であり、岩国地域の人口規模や今後の児童数の減少を踏まえると、岩国地域では県立中学校一校が妥当であると判断したところです。 次に、二校は要らないのであれば、二つ目をつくらず、県外流出防止のための別の方法を考えればよいと思うがどうかとのお尋ねです。 県外への進学が多く見られる岩国地域において、児童や保護者のニーズに対応する必要があることから、通学の利便性や高校の規模も考慮し、高森みどり中学校での取組の成果を可能な限り継承する形で、岩国高校に進学に重点を置いた併設型中学校を設置することとしたところです。 次に、山口県立高等学校等条例の改正はいつ行うのかとのお尋ねです。 条例改正については、廃止の前年度に対応することとなります。 次に、柳井地域の高校再編統合についての御質問にお答えします。 まず、柳井地域の再編統合の案がどのような経緯でつくられたのかとのお尋ねです。 柳井地域、周南地域については、昨年十二月に策定した県立高校再編整備計画前期実施計画において、引き続き再編整備の検討を進め、その内容が計画に掲げられるようになった時点で対象校を追加と記載しており、現在も検討を進めているところです。 なお、一部報道機関により示された内容については、県教委として公表したものではありません。 次に、再編整備の対象となる高校を選定する客観的な基準として定員割れの状態が必要だと思うが、それを示してほしいとのお尋ねです。 県教委では、中学校卒業見込み者数の推移や中学校の志願状況などを総合的に勘案するとともに、地域における高校の実情や地域バランスなどを踏まえ、全県的な視点に立った上で、各学校の今後の在り方について検討しています。 次に、地域への説明のスケジュールについてのお尋ねですが、現時点でお示しできるものはありません。 次に、周防大島高校の定員に対する充足率に関するお尋ねです。 令和五年度の入学定員に対する入学者数の割合は、普通科が八八%、地域創生科が四三%、全体では七三%となっています。 次に、柳井地域の再編に周防大島高校の名前が挙がらない理由についてのお尋ねですが、柳井地域、周南地域の再編整備については、現在も検討を進めているところであるためです。 最後に、県立大学附属高校についての御質問のうち、県立大学附属高校の設置に係る要望を受け、県教委としてはどのような手順で進めていくのか、県議会にはいつどのような形で諮られるのかとのお尋ねです。 県教委といたしましては、今定例会における議論も踏まえ、今後、設置者変更による影響等について整理した上で、教育委員会会議に諮り、対応方針を決定していきたいと考えています。 議長(柳居俊学君)井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) 井原寿加子さん 二回目の質問をいたします。 まず、補正予算のうちのダムの放流について伺います。 菅野ダムの場合は、予測降雨量が十二時間で二百七十ミリを超える場合、三日前から事前放流を行うとのことですが、逆に言えば、一日に五百四十ミリを超えなければやらないということになるかと思いますが、以前、錦川が氾濫したときには七百ミリ以上の雨が降りました。 最近の豪雨を考えると、少し甘いのではないかというふうに思いますが、国のガイドラインとの整合性はきちんと取れているのでしょうか。さらに、これで洪水の防止ができると考えておいででしょうか、お伺いいたします。 それから、景気対策です。 最近の全国世論調査によりますと、家計が苦しくなったが五七%、その原因は物価高とする人が大部分を占め、アベノミクスにも六六%が反対をしています。 幾ら賃上げが行われても物価上昇に追いつかず、実質賃金が五%も六%も目減りしている状況では、県民の生活はますます苦しくなります。消費は低迷して景気もよくなりませんし、物価対策とともに県民の所得向上に向けて対策を強化する必要があると思いますが、その点についてはいかがお考えなのでしょうか。まず、お伺いいたします。 それから、非正規雇用が三割弱を占めるというのは、やはり異常だと思います。若い人が不安定な雇用を強いられていることは不幸なことでありますし、本人にとっても社会にとっても大きなマイナスで、これで人口は増えません。 先ほど知事の御答弁にありましたけれども、少子化対策をしっかりなさっていることは理解しておりますが、それ以前の若者の雇用の安定、それから結婚・出産を応援してほしいというふうに思いますが、この点については具体的に何か施策をお持ちでしょうか、伺います。 それから、深刻な人手不足を解消するためにも、労働条件の改善は急務だと思いますが、今はひょっとしたら絶好のチャンスかもしれません。雇用の安定・賃上げを努める中小企業等に対して、先ほど支援をしていますということでしたが、中小企業等に対する具体的な支援の内容についてお示しください。それから、これからも積極的に応援すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。 それから、三番目です。高森みどり中学校です。 人口減少によって何年も定員割れが続けば、廃止の対象になってもある意味やむを得ないかもしれませんし、地元の方も納得されるかもしれません。しかし、高森みどり中学校には、周南市や柳井市から、広域のところから生徒が集まって、これまで一度も定員割れをしたことがないことを考えれば、今後も定員割れすることはないと私は思います。 そうした中で、岩国地域には県立中学校は一校しか要らないと言われても、それだけでは実績のある学校を廃止する理由にはならないことは明らかですし、先ほどの答弁にもありました、みどり中学校がやっていたことを継承して岩国でやるというのは、それは難しいことですし、部活に関してもなかなか実現はしないと思いますが、その辺のことは、継承についてはいかがお考えなんでしょうか。 それで、高森みどり中学、高森高校というのは、地域で若者が集う活気のある場所です。生徒たちの心からの訴えとあの涙を、県教委は知っているのでしょうか、お伺いいたします。 また、通学する生徒が利用する岩徳線には、朝夕多くの制服姿を見かけます。地元の足である鉄道の活用という面からも、生徒の夢を潰さないためにも、みどり中学の募集停止は見直すべきだと思いますが、改めて県教委の御所見をお伺いいたします。 それから、周防大島高校ですが、地域創生科の定員ですけれども、半分にも満たないということでした。県大の附属高校については、周防大島高校の定員については、ちゃんと満たすとお考えなのでしょうか、お尋ねいたします。 また、附属の生徒は、周防大島から山口市にある県立大学に多くが進学すると考えておられるのか、お尋ねいたします。 四番目です。中間貯蔵施設です。 交付金と知事の同意について、もう少し確認いたします。 今からでも会社側の説明をきちんと聞いて、現在行われている立地可能性調査について、今からでも知事として可否の判断をすれば、電源立地初期対策交付金が大幅増になると思いますが、どうして判断を先延ばしにされるのでしょうか。その理由をお答えください。 施設の建設から運転の終了までを対象とする核燃料サイクル交付金は、知事が策定する各市町から出る地域振興計画に基づき交付されるとのことです。知事が策定します。つまり、施設建設の着工以前に知事の同意が必要だと思いますが、その理解でいいのでしょうか、教えてください。 今後、知事は、いつ、どのような手順で同意の可否を判断されるのか、その段取りをお示しください。 これで、二回目の質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)ダムの事前放流についての再質問にお答えします。 菅野ダムの基準降雨量は、近年の気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による水害の頻発化・激甚化等を踏まえて、国が策定したガイドラインに基づき設定したものであり、妥当な値だと考えております。 議長(柳居俊学君)小関産業労働部長。 〔産業労働部長 小関浩幸君登壇〕 産業労働部長(小関浩幸君)再質問にお答えを申し上げます。 まず、一点目でございますけれども、消費が低迷しており、県民の所得向上に向けて対策を強化すべきではないかという質問であったと思います。 まず、県では、今、生産性・付加価値の向上による県経済の持続的な成長を図るという観点から、やまぐち産業イノベーション戦略というものを策定しておりまして、これに基づきまして、本県の高度技術や産業集積を生かしたイノベーションの加速を図っているという状況にございます。 具体的には、医療関連、環境・エネルギー、バイオなど、九分野を重点成長分野と位置づけまして、成長産業育成・集積プロジェクトをはじめ、九つの産業戦略プロジェクトを強力に推進をしております。 この重点成長分野に、先ほど答弁をいたしました、半導体・蓄電池関連分野を追加しまして、取組を強化したいというふうに思っております。 こうした、本県の強みである産業集積を生かした取組を強力に進めることによりまして、付加価値の向上や賃金の引上げにつなげていきたいというふうに考えております。 二点目が、雇用条件の改善に向けた中小企業に対する具体的な支援内容についてというところでございます。 県内企業の大多数を占める中小企業において、賃上げを実現するためには、生産性向上による付加価値の増加でありますとか、円滑な価格転嫁の実現が必要というふうに考えております。 このため、県では、デジタル技術を活用した業務改革の推進でありますとか、国の賃上げを条件とした各種補助金等の活用を十分図るため、商工会との支援機関と連携したサポートを行うとか、そういった取組をしております。 また、円滑な価格転嫁の実現に向けましては、価格交渉促進月間というものを三月と九月に設けておりますけれども、この期間に大企業に対する取引適正化に対する文書要請等を行っているというところでございます。 さらに、先ほども答弁いたしましたけれども、賃金引上げに向けた環境整備を促進するという観点から、最大百万円の奨励金を支給するというような独自の制度を設けているところでございます。 こうした取組を通じまして、中小企業の賃上げにつながるような環境整備にしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)少子化対策に関する再質問にお答えをいたします。 少子化の主な要因である未婚化・晩婚化、こういったものに対応するため、結婚応縁センターを核とした取組に加えまして、婚活応縁隊の結成あるいは結婚の魅力を伝えるキャンペーンイベントの開催と、社会全体で結婚を応援する取組を強化しているところでございます。 また、妊娠・出産・育児の相談に対応するまちかどネウボラ、これに新たに助産師を派遣するなど、専門的知見に基づいた指導や助言を行うということで、市町が行う伴走型相談支援の実効性が高まるように支援を行っているところでございます。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)中間貯蔵施設の建設に係る再質問についてお答えいたします。 知事同意の判断の先送り、あるいは核燃料サイクル交付金の仕組み、それから知事同意の今後の手順についての三点のお尋ねでございましたけれども、現在あくまでも中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について、上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であり、県としての対応を申し上げる状況にはないものと考えておりますことから、お答えするものはございません。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)県立大学の附属高校についてのお尋ねにお答えします。 周防大島高校の定員で附属高校から定員を満たすとお考えかとの質問でございました。 基本的に、県立大学からは定員確保等に向けまして、今後、附属高校の教育理念ですとか、高大連携の手法、入学者の選抜の方法等を具体的に検討していく中で、魅力のある選ばれた学校となるように努めていくというふうに聞いております。 議長(柳居俊学君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)井原議員の再質問にお答えします。 まず、高森みどり中の取組を岩国高校に設置する併設型の中学校に継承することについて、どう考えているのかというお尋ねでありましたけれども、高森みどり中学校では少人数授業でありますとか、先取り学習、それから中高合同で行う学校行事などの取組を実施しておりまして、それぞれ成果を上げていると評価しております。 こうした高森みどり中学校での取組の成果を、可能な限り岩国高校に設置する併設型中学校にも継承するよう考えております。 それから、二点目、感動の姿を知っているのかということについてですが、本年度はそういう姿を拝見する機会はまだ恵まれておりませんけども、定期的に校長と情報を交換する中で、生徒たちが頑張っている、そういう姿は十分聞いております。 それから、三点目で、岩徳線の利用などもあるので見直すべきではないかということでありましたけども、県教委としましては、何よりもまず将来を担う子供たちのこと、これから入学してくる子供たちのことを第一に考えて、県立学校の再編整備に取り組んでいるところでありまして、見直しすることは考えておりません。 議長(柳居俊学君)井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) 井原寿加子さん 再々質問いたします。 まず、今の答弁について少し伺います。 菅野ダムの放流についてですけれども、私は再質問で、洪水はこれで防げるのですかともお聞きいたしました。それについてのお答えがなかったのでお伺いいたします。 それから、県大についてですけれども、私は多くの人が大島の附属高校から県大へ行くのかというふうにも、そのつもりでおられるのかというふうにもお聞きいたしました。その二点について、答弁漏れと思いますので、きちんと答えてください。 こうして質問をしておりましても、県政のすごく重要な課題にもかかわらず、知事のお顔が全然見えてきません。そこで、最後に知事に直接お聞きいたします。ぜひ、県民に向き合う政治家としての率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。 高森みどり中学の件ですけれども、一つの学校を廃止するからには、それ相当の理由があるはずだと思い、繰り返し質問を私はしてきましたけれども、いまだに明確な答弁がありません。新しい学校をつくるから、もう一方は廃止するというのは、あまりにも乱暴な議論であり、誰も納得をいたしません。合理的な理由もなく、ほとんどの住民が反対する政策を実施することは、民主主義という観点からも許されないと思います。 県教委が、将来の子供たちのためを考えてと言われますけれども、今の子供たちのことは考えられないんですか。その辺のこともお伺いいたします。 ここは、県政全体の立場なので、知事にお伺いします。このまま強行するのではなく、一度立ち止まって地元の方に丁寧に説明し、先ほど申しました、生徒の顔、生徒の意見をしっかり、直接、今年は聞いていないとおっしゃいましたけれども、きちんと理解をして、理解を求める努力をしていただいてから判断をされても遅くないと思いますので、一考をお願いいたします。 それから、中間貯蔵施設です。 私は、先日、上関で取れました大きなクルマエビを頂戴しました。もちろんとてもおいしかったんですけれども、しかし、そこに原発や中間貯蔵施設ができたら、その周辺で取れた海産物を敬遠する人が出てくるおそれもありますし、生産者の方は、ああ、これで作れなくなるかもしれないというふうにもおっしゃっておりました。 目先のわずかなお金で先祖代々受け継いできた豊かな海を失ってしまったら、元も子もないと思います。 関連ですけれども、上関のお隣の平生町で、海底の水を利用したサウナとクルージング事業に、県は多額の補助金を予算化しておりますが、中間貯蔵施設が具体化すれば、利用者は期待できなくなるというふうな懸念もございますが、そのような懸念はお持ちではないのでしょうか、お尋ねいたします。 知事は、地元の意思を尊重するとよく言われますけれども、それももちろん大切ですけれども、こうした重要な問題に関する知事の顔が見えないのが大変残念です。 知事の同意は、これから調査が終わり、建設が進み、それから貯蔵がもし始まったとすれば、ずうっと地域の政策に関して知事の査定が必要となってまいります。 今回、このように影響が広範囲に及び多くの県民が不安を覚える中で、県民全体の安心・安全という観点から、知事が主体的に、その是非を判断して県民に示してほしいというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。知事、ぜひ本人の声を聞かせてください。お願いいたします。 以上で、私の質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)ダムの事前放流についての再々質問にお答えします。 菅野ダムの基準降雨量は、国が策定したガイドラインに基づき設定した妥当な値であり、適正に運用することで洪水は防げるものと考えています。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)再々質問にお答えします。 周防大島高校から多くの人が県大へ行くのかというような御質問であったかと思いますけれども、周防大島高校は、現在でも一応三分の二の方が周防大島町以外から入学されておる状況がございます。こういった状況を踏まえれば、今後、県立大学は山口市にありますけれども、多くの方がある程度進学するというのが見込まれるのではないかというふうに考えております。 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)中間貯蔵施設の建設に関連して、先般、アウトドア補助金で採択した、平生町でのサウナ事業等にも影響が出るのではないかとの再々質問にお答えします。 現在、中間貯蔵施設の立地可能性調査が開始された段階であり、具体的な計画がないことから、お尋ねの事業への影響について、お答えできる状況にはありません。 議長(柳居俊学君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)中間貯蔵施設の建設に係る再々質問のうち、知事同意に関するお尋ねについてお答えいたします。 現在はあくまでも中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であり、当該施設に関し、県としての対応を申し上げる状況にはないものと考えています。 議長(柳居俊学君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)井原議員の再々質問にお答えします。 高森みどり中学校の募集停止について、理由が明確でないので見直しをしてはどうかという趣旨の御質問だったと思いますが、答弁でもお答えしましたように、県外への進学が多く見られる岩国地域におきまして、児童あるいは保護者のニーズに的確に対応する必要がありますことから、通学の利便性あるいは併設する高校の規模も考慮し、岩国高校に併設型中学校を設置することとしています。 中学校段階の学校教育は、市町教育委員会が担うことが基本であることを踏まえつつ、岩国市内、それから岩国地域の子供の数、さらには今後の児童数の減少を踏まえて、岩国市で県立中学校二校は困難であると判断し、高森みどり中学校の募集停止を考えたところであります。 しかしながら、高森みどり中学校は、高森高校との接続による多様な交流を創造する学校づくりの観点から設置したものでありまして、先ほど申し上げたような成果も見られるところでありますので、みどり中学校での取組の成果は、しっかりと可能な限り岩国高校へ設置する附属中学校に引き継いでまいりたいと考えています。 地元の関係者から、いろいろな御意見を頂戴して重く受け止めてはおりますけれども、県教委といたしましては、何よりもまず、これから中学校に入ってくる、あるいは高校に入ってくる生徒、将来を担う子供たちのことを第一に考えて、計画を着実に進めてまいりたいと考えています。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時四十四分休憩