1 地域公共交通の確保について 2 子どもを産み育てる環境づくりについて 3 予防・健康づくりの充実について 4 移住・定住に向けた空き家の有効活用について 5 農林水産業を守るための森林整備について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十七号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 磯部登志恵さん。 〔磯部登志恵さん登壇〕(拍手) 磯部登志恵さん 皆様、こんにちは。光風会の磯部登志恵でございます。久しぶりの登壇となりますので少々緊張しておりますが、最後まで皆様どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従いまして質問に入らせていただきます。 一点目、地域公共交通の確保についてであります。 モータリゼーションの進展や人口減少などによって、地域公共交通の利用者は減少傾向にあり、交通事業者の独立採算では維持することが困難となった地域が多くなっております。 一方、高齢化の進展によって、免許返納後の移動手段が求められるなど、地域公共交通の必要性は高まってきております。 こうした状況の中、コミュニティーバスやデマンド型交通の運行をはじめとした地域公共交通施策に積極的に取り組む地方自治体が増加してきております。 地域公共交通活性化再生法では、全ての地方自治体に対して地域公共交通計画が策定され、この策定が努力義務となるとともに、補助制度が計画と連動するようになるなど、地方自治体による地域公共交通への関わりが、より一層求められるようになりました。 私が住んでいる光市においても、この問題は継続した課題であり、路線の変更延長やコミュニティーバスなど様々な取組を行ってきておりますが、まだまだ道半ばといった状況であります。 そのような中、皆さんもよく御存じのように、突然発表された中国JRバスの路線バス光線廃止のニュースであります。来年四月からどうなるのかという心配の声を、市民の皆様から毎日のように私に届いております。交通弱者として一番必要な免許を持たない高齢者や子供たちの通学に、大きな影響を及ぼすことになるからであります。 特に以前、新たに路線が新設された県立光高等学校へのバスも、次年度入学希望者に安心を届ける必要があります。一日も早く解決が求められるところです。 今後は、光市において代替手段確保の調査が進む予定ですが、高齢者や通学で利用している学生の移動手段がどのように改善されるのか、心配は尽きません。 光市のみならず、県内様々な市町で地域公共交通の問題が出ている中、県は、各市町の地域公共交通会議の委員などとして参画され、新たな取組をする市町への支援など、県内市町への横展開も行うとしていますが、今まで以上に一歩踏み込んだ後押しが必要であると強く感じております。 地域公共交通の確保に向けて、県はどのように取り組んでいかれるのか、県のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 二点目、子供を産み育てる環境づくりについてであります。 子供を持つことを望む人がその希望をかなえられる社会とは、どのような環境であるのでしょうか。 経済的支援、支える人、預けられる場所などなど、今までにも数多くの取組が進められ、少しずつ改善されてきましたが、果たしてどのような成果につながっているのでしょうか。 経済的支援として、現金支給は若い人にとって誠にありがたいことですが、現場の声として、様々な声を聞いておりますので、特に重要と考えている二点についてお伺いさせていただきます。 一つ目は、産前産後ケアの訪問支援が充実することが求められているという視点です。 核家族化、晩婚、母親の就業などによって、産前産後の身体的・精神的に不安定な時期に、家族などの身近な人の助けが十分に得られず、不安や孤独感の中で育児を行う母親が少なくないという現場の声であります。 産後の母親に対し、心身のケアや育児のサポートなどを行い、安心して子育てができる支援体制を確保することが、かつてなく重要な政策課題となっております。 市町が行う産後ケア事業は、国庫補助が行われているものの、全国的に各自治体ごとの取組状況に差が生まれたり、地域によっては実施ができる医療機関や助産院がないなど様々な課題がありました。 これらの課題に対応するため、産後ケアの法制化が進み、二○二一年度から市町村の努力義務となり、二○二二年には産後ケア施設の補助単価が拡充されました。 現在、山口県のホームページを見ますと、県内の助産院は少なく、特に県東部が少ない状況であります。アウトリーチ、訪問型産後ケア事業について、県東部は周南市、下松市が実施されており、それ以外では山口市、宇部市、山陽小野田市、萩市の四市のみで、その他の市町では、病院などでの宿泊型とデイケア型が実施されている現状であります。 また、県内他市町への里帰り先でも事業が使えるよう、山口県助産師会との委託契約を令和五年度途中から山口市が委託契約を開始し、周南市が検討中と聞いております。 国の母子保健医療対策総合支援事業実施要綱の令和五年度改正では、産後ケア事業がユニバーサルサービスであることが明確化されました。妊産婦及び家族がどこに住んでいても産前産後のケアが受けられるよう、取組を充実していくことが重要と考えます。 そこで、まず、産前産後のケアの充実に向けて、県としてはどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いしたいと思います。 また、二点目は、保育現場からの声で、育児休業に入ったとき、上の子を保育所に預けられないといった状況があります。このことについては、特にゼロ歳から二歳までの子は、現在、国において検討が進められている、こども誰でも通園制度において、保育所に預けることができるようになるのではないかと期待しているところでございます。 こうした保育制度の充実に向けては、保育士の確保が必要であり、このためには、保育士が働きやすい環境整備を進めていくことが必須であります。 就学前の子育て環境の充実として、保育士の働きやすさを改善しなければ前へは進まないことは当然であります。保育士の処遇改善が充実すれば、山口県から流出する若い世代、特に流出が大きいとされる女性を食い止める一助となるのではないでしょうか。 さらに、潜在保育士の復職として、週二、三日の仕事として負担なく働ける環境も雇用につなげることができるでしょう。 私の周辺で保育士の免許を持っている人は意外と多いのですが、全く違う職業を選んでいる方が多く、もったいないと感じています。 やりがいのある職業として、保育士を選んでもらえるような魅力ある環境となることを願っております。 そこで、保育士の働きやすい環境整備として、保育士確保や処遇改善にどう取り組まれるのか、御所見をお伺いいたしたいと思います。 子供を産み育てる環境づくりとして、様々な現場の意見を二点に絞って質問させていただきました。県の御所見をお伺いいたします。 三点目、予防・健康づくりの充実についてであります。 人生百年時代の安心の基盤は健康であります。予防・健康づくりには、個人の健康を改善することで、個人の生活の質を向上し、将来不安を解消することや、健康寿命を延ばし、健康に働く方を増やすことにつながります。 さらには、生活習慣の改善や早期予防、介護予防、認知症予防の推進を通じて、生活習慣病関連の大きな効果が得られることにも期待が膨らみます。 今までにも、県として、健康寿命の延伸に向けた様々な事業を展開され、以前、私が質問した健診率アップのための周知なども、十九市町との連携で積極的に行われていますが、今後は、県民一人一人がより長く健康に活躍することを応援するため、病気になってからの対応だけでなく、社会全体で予防・健康づくりへの支援を強化する必要があります。 しかしながら、個人の意識を変えていくことは非常に難しいことも事実であります。 予防・健康づくりといっても、全世代に関わることでありますので、今回は私自身が特に必要と感じている視点二点を問題提起をしていきたいと思います。 まず、課題として捉えていることは、高齢化や認知症の方の増加などにより介護需要の拡大が見込まれる中、平成二十九年から始まった総合事業の現状であります。 平成二十九年四月から全ての市町で始まった総合事業とは、介護予防・日常生活支援総合事業のことであります。 市町が主体となって地域の高齢者のニーズに合わせた生活支援サービスなどを提供する事業ですが、私の住む光市の現状を確認したところ、受ける事業所も減少していることが苦慮されている現状と聞いております。 それは、民間はやりたくても事業として成り立たない金額であることや、訪問介護や通所介護に関わるヘルパーが全く足りないという現状があることです。 重症化予防に力を入れることは、介護保険制度の中でも最も重要な視点であると考えています。 特に、ヘルパーの報酬を引き上げることは人材育成とともに重要ですが、採算を取るのが難しい利用者を引き受けた場合、その事業者を財政支援するなど、現場の状況をしっかりと見極めていく必要があると痛感しております。 中小零細事業者を助けることで、高齢者が自宅で安心して過ごせることへつながっていくことは間違いありません。 コロナ禍で不動性の高齢者が多くいたことから、今後、フレイル状態の高齢者が増えるとされています。 県は、県内市町の総合事業の状況をどのように認識しておられるのでしょうか。さらに、今後どのように進めていこうとしておられるのか、御所見をお伺いいたします。 二点目は、個人の健康を改善することに力を入れていく必要があるのではないかという視点です。それは個人の生活の質を向上し、将来不安を解消する取組につながると考えているからです。 自分の健康を知るための健診率の向上に関する周知は今後も必要ですが、その人に必要な助言など、個別の対応にシフトすることも重要なのではないかと考えます。 例えば、個別の身体機能測定で自分自身の身体の力を知ってもらい、その指導を促していくという取組であります。 今後、健康診断の内容も女性疾患の問診の項目追加や高齢者の骨密度の測定追加など、現状必要とされる検査項目に変更していくことが検討されるようであります。 一例ですが、人口動態から見える骨折に関するデータを推計してみますと、女性においては、骨粗鬆症が原因と思われる骨折が確実に増え、寝たきりの状態になる方が増える可能性があります。このように様々なデータを参考にしたピンポイントの啓発が必須となるのではないでしょうか。 個々人の意識を変え、成果が出てくるロールモデルをつくることも、意識を変えていくきっかけになると思っています。 健康寿命の延伸に向けた取組は、全世代に通じるところでありますが、現状の課題を成果として上げていくためには、さらに踏み込んだ施策が必要と考えますが、今後どのように取組を進めていかれようとしておられるのか、御所見を伺いたいと思います。 四点目、移住・定住に向けた空き家の有効活用についてであります。 先日、総務省統計局から五年ごとに実施している、住宅・土地統計調査が本年十月から実施され、住宅数や居住状況、空き家の実態調査を詳しく把握するという記事を読みました。 山口県においても、空き家は増加し続けており、空き家率は一七・三%と約六戸に一戸が空き家という結果になっております。 山口県は全国でも八番目に空き家率が高いとのことですが、負の遺産へ進む前に、移住・定住や新たなまちづくりへつながる取組が必要となるのではないでしょうか。 空き家対策の主体は市町でありますが、市町の取組も様々で、空き家バンクだけではなかなか十分とは言えません。 少しずつではありますが、空き家の流通を促すプラットフォームを開設し、民間と協働した事業展開を進める自治体も出てきています。 さらに進んだ自治体では、空き家のVR体験──三百六十度カメラからバーチャル内覧などが可能となり、間取りだけでなく、広さや傷み具合もよく分かり、移住希望者の後押しとなっております。 課税強化する動きもある中で、もっと所有者の声を聞くことが重要であると感じております。新たな人流の受入れやまちづくりへ協力してくださる空き家所有者へ、負担軽減策にもなる取組も進んでいくのではないでしょうか。 平成二十七年五月に空き家法が施行された後、私の居住地である光市では、同年七月から空き家バンクを始めておりますが、成立件数は十六件、所有者の周知不足や相続などの取扱いなどで、空き家バンクへ登録される件数が伸び悩んでいる状況であります。 県内の空き家の所有者は、遠くにいる方、近隣に住んでいる方などからどうしたらよいかと、一歩が踏み出せない方が多いと感じております。 安心して相談できる場所は、空き家を有効活用するための必須条件であると痛感しております。 周辺の取組などを見てみますと、県が空き家活用サポートセンターを開設しているところもあります。空き家の利活用に関して、豊富な経験を持つ専門相談員が、空き家や将来空き家になりそうな住宅を今後どうすればいいか、丁寧に相談に応じる公的機関であります。 売買、賃貸や相続のことなど様々な相談への対応をはじめとし、空き家の最適な活用・処分方法の検討、提案から、相談者の意向に合った安心して依頼できる専門事業者の紹介まで行われております。 現在の空き家バンクは、各市町のホームページごとに設けられており、県の移住専用サイトでも一括掲載されていますが、内容の充実や県内外へPRが十分とは言えず、利用希望者の方は情報収集がしにくい状況であります。 他県版空き家バンクでは、物件情報を集約することで、地域を横断した情報収集や比較検討を容易に実施することが可能というところまで行われております。 県の事業として、昨年度、やまぐち社会起業塾で発表された方の中に、空き家を活用した面白い提案を発表した参加者がおられます。今後の展開に期待しているところですが、空き家と社会・地域貢献型ビジネスは、既に様々な場所で取組が始まっています。 若い人が山口県で活躍できるチャンスを牽引する取組は、若者流出を防ぐことにもつながるはずです。さらに若い世代が魅力ある山口県へ、ビジネスチャンスとして移住・定住をしてもらえることにもつながっていくのではないでしょうか。 今後、さらなる空き家の増加を食い止めるため、空き家バンクの充実や住み継ぐ方々へのサポートなど、各市町の民間の取組を後押しすることは重要であると感じています。 県が、積極的に進めているワーケーションや移住・定住の需要が増えていけば、各市町の受入れも受皿として供給できる体制を整える必要があります。まさに、役割分担として進めていくことも大きなメリットと考えています。 移住や定住の促進、特に若者が住み継ぎ活躍できる場の創出といった観点から、県は、県内の空き家の現状をどのように捉えられ、空き家対策の主体である市町への支援強化として、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 五点目、農林水産業を守るための森林の整備についてであります。 近年、農林水産業を取り巻く環境は、気候変動などの影響も受け、さらには生産者数の減少と高齢化の進展により、今まで以上に厳しい状況にあります。 厳しい状況を解決するためには、現場の状況や声をしっかり聞いて、農地、漁場、山林の状況を確認していくことが重要であると考えています。 特に、農家の高齢化や過疎化から生じる耕作放棄による未利用地の増加と荒廃は、今後も増えていくのは目に見えております。 そのような現状の中、光市内で頑張っておられる若手農家の皆さんから、様々な御意見を頂戴いたしました。 その中で、特に課題として挙げられたのは、個人の農家が農地を広げようとしても個々の所有者対応となり、なかなか厳しい状況であること、さらに、水を確保するための水路の整備──雑草の管理や水路にたまった泥上げなどにも限界があるということであります。 農業法人の農地拡大で、生産拡大や農地周辺の環境整備については、一定の成果は出ているものの、法人内の人手不足や高齢化で、今まで可能であった環境整備などが十分にできなくなり、その影響が個人の農家にも大きな負担となっていることにつながっているのです。 さらに、雑草木などの下刈りができていない荒廃した森林の課題、特に樹木を生かすための間伐など、一定の整備をしていかないと農業や漁業にも大きな影響を及ぼすことになるという声であります。 森林を守ることが、農林水産業の安定した事業につながっていくということなのではないでしょうか。 山口県の森林の面積は四十三万七千ヘクタール、森林はきれいな空気、水や住宅を建てるための木材をつくり出し、洪水や土砂崩れなどの災害を防いだりと地球温暖化の防止、景観の保全など多くの役割を果たしております。 しかし、これまで森林を守り育ててきた林業の担い手は年々少なくなり、手入れされず荒れた森林が増えているため、森林の持ち主や林業で働く人たちだけで森林を守ることが難しくなってきております。 森林を守り、良い木を育てるためには、木を植えるだけでなく、日当たりをよくし、木を適度に切って木の間隔を広げる間伐という作業も重要であります。 林業の担い手を育てるとともに、県民の皆さんや企業の力をお借りして、木を植えたり間伐作業などをして、森を守り育む取組を広げていく必要があるのではないでしょうか。 森や緑の環境を守ることが、農林水産業を守り育てる基本であると痛感しております。 新しい取組の一例として、来年から人手不足の解消や若い担い手の育成を目的に、農林業を営む方が、ドローンを活用した効率的な米作りを始めようと準備を進めておられます。直面する課題の克服にチャレンジしている地域の農林水産業者へ、あと一歩後押しをする必要があるのではないでしょうか。それが、農林水産業と食と地域の暮らしの発展に貢献することは間違いありません。 以上、様々な現場の意見を確認した上で、農林水産業を守り育てていく原点は、森林の公益的機能を守ることであると考えますが、そのための森林整備には県はどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いしておきたいと思います。 以上で、私の一般質問を終了させていただきます。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)磯部議員の御質問のうち、私からは、農林水産業を守るための森林整備についてのお尋ねにお答えします。 森林は、水源の涵養をはじめ、土砂災害の防止や快適な生活環境の形成など多面的な機能を有しており、県民の暮らしを支えるとともに、本県の農林水産業に様々な恩恵をもたらしています。 私は、県土の七割を占めるこのかけがえのない森林を、県民共有の財産として、健全な姿で次世代へ引き継いでいくことが極めて重要と考えており、引き続き、未来維新プランに基づき、森林の整備に向けた様々な取組を計画的に進めていくこととしています。 具体的には、まず、平成十七年度から導入したやまぐち森林づくり県民税を活用し、奥山等の荒廃した森林を対象に、間伐の実施による森林機能の回復や、繁茂拡大した竹の伐採による健全な森林の再生などに取り組むこととしています。 また、森林資源の持続的な確保に向け、伐採後の確実な再造林を推進するため、主伐・再造林一貫作業システムの導入や、年間を通して植栽できるコンテナ苗の効率的な生産・供給体制の構築など、低コストな再造林技術の普及を積極的に進めてまいります。 さらに、林業従事者が減少する中、将来にわたる担い手の確保・育成や林業現場の生産性向上を図るため、半年間に及ぶ新規就業者研修や森林組合等が実施するOJTへの支援を行うほか、異業種の新規参入を促進する実践研修等も実施することとしています。 加えて、森林の果たす役割や重要性について県民の理解と関心を高めるため、市町や森林組合等と連携し、NPOや企業が取り組む森林環境活動を支援するとともに、山口きらら博記念公園において県民向け体験イベントを実施するなど、多様な主体の参加による森林づくり活動を促進します。 私は、今後とも、国や市町、関係団体等と緊密に連携を図りながら、将来にわたって森林の持つ公益的機能が高度に発揮できるよう、適切な森林の整備に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)地域公共交通の確保についてのお尋ねにお答えします。 路線バス等の地域公共交通は、地域住民の日常生活に欠かせない重要な基盤であることから、県では、市町との役割分担の下、複数市町にまたがる幹線バス路線に対し運行支援を行うとともに、市町や事業者の意見調整など広域調整の役割を果たしているところです。 また、地域の公共交通施策の中心的な役割を担う市町に対して、県も参画している地域公共交通会議等の場で、コミュニティーバスやデマンド型交通の運行など、地域の実情に即した交通体系への見直しなどについて助言等を行っています。 こうした中、人口減少やマイカー利用の拡大などにより、路線バス等の利用者は減少が続き、地域公共交通は大変厳しい環境にあることから、県や市町、交通事業者が連携し、地域公共交通の確保に向けて、さらなる業務の効率化や利便性の向上に取り組んでいく必要があります。 このため、今年度からAIデマンド交通や自動運転など、市町が行うデジタル技術を活用した新たなモビリティーサービスの導入を支援しており、希望があった九つの市に対し、検討から導入段階までの間、ノウハウを有する専門家を派遣し、実装を見据えた助言等を行っています。 また、地域交通の課題解決に資する先進的な取組を広く県内に波及させていくため、市町や交通事業者等を対象に、自動運転に関するセミナーや体験試乗会なども開催することとしています。 県としては、今後とも、市町や交通事業者との連携を密にしながら、地域住民の日常生活に不可欠な地域公共交通の確保に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)子供を産み育てる環境づくりについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、産前産後ケアの充実についてです。 県では、市町が行う産前産後ケアの充実に向け、子育て世代包括支援センターを中心とした切れ目のない地域の相談支援体制である、やまぐち版ネウボラを推進し、身近な場所で妊娠・出産・育児の相談に対応する、まちかどネウボラの設置を進めています。 今年度からは、まちかどネウボラへ新たに助産師を派遣し、産前産後の専門的な相談に対応できるよう体制の強化を図るとともに、現在の八十七か所を令和六年度までに百か所まで増やすことで利便性を高め、より身近な場所で相談できる環境づくりを進めています。 また、市町の保健師等を対象とした研修会の開催を通じて、相談対応の質の向上に取り組むとともに、先進的な事例の共有などにより、地域の実情に応じて、妊産婦等に寄り添ったきめ細かな産前産後ケアが実施されるよう、市町の取組を支援してまいります。 次に、保育士確保と処遇改善についてです。 県では、保育ニーズが拡大する中、子育て家庭が安心して保育サービスを利用できるよう、保育士の確保に取り組んでいます。 具体的には、保育士養成施設の学生を対象とした修学資金の貸付け等により県内就職を促進するとともに、保育士バンク等を活用した潜在保育士の再就職を支援しているところです。 また、保育士の負担軽減を図るため、看護師等専門職の配置や、保育の補助業務を担う子育てサポーターの配置への取組を進めています。 処遇改善については、国制度による処遇改善加算制度が適切に活用されるよう支援を行うとともに、キャリアアップにつながる研修会を実施しているところです。 こうした中、国においては、こども未来戦略方針に基づき、保育所等における職員配置基準やさらなる処遇の改善、こども誰でも通園制度などの具体化に向けた検討が進められています。 県としましては、国の動きに呼応し、職員配置基準の改善等に伴い必要となる保育士の確保に向け、県外からの就職を促進する取組を強化するなど、一層の充実を図るとともに、さらなる処遇改善について、引き続き国に要望していくなど、働きやすい環境整備に向けた取組を進めてまいります。 次に、予防・健康づくりの充実についてのお尋ねのうち、まず、介護予防・日常生活支援総合事業の現状の認識と今後の取組についてお答えします。 高齢者ができる限り要介護状態にならずに自立した日常生活を送るためには、高齢者一人一人の状態やニーズに応じた多様な介護予防サービスの提供が重要です。 お示しの総合事業は、既存の介護サービス事業者に加えて、住民主体の取組を含む多様な主体によって介護予防や日常生活支援のサービスを総合的に実施できるようにし、市町が地域の実情に応じたサービス提供を行えるようにすることを目的に始まった事業です。 事業開始以降、人材不足等を理由に既存の事業者が撤退するなど全体としてサービスの提供主体が減少しており、一方では、今後も高齢化の進行に伴い需要の増加が見込まれることから、介護サービス事業者への支援や多様な主体のさらなる参画の促進が必要と考えています。 このため、まず、介護サービス事業者への支援については、人材確保に向け、訪問介護員の養成研修等の受講料補助を行うとともに、小規模事業所等を対象とした職員の資質向上研修を引き続き実施してまいります。 次に、多様な主体のさらなる参画については、掃除や洗濯、買物などの生活支援サービスの創出等を行うコーディネーターや担い手を養成するとともに、市町や老人クラブ等と連携し、元気な高齢者が地域を支える担い手となる取組を支援してまいります。 また、国においては、総合事業の充実に向けた検討会が開催され、多様な主体の参入促進のための具体的な方策などの検討が進められています。 県としましては、こうした国の動向も踏まえながら、今後とも市町や関係団体と連携し、高齢者が住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けられるよう、多様な介護予防サービスの提供体制の充実に取り組んでまいります。 次に、健康寿命の延伸に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 健康寿命の延伸には、県民の主体的な健康づくりの推進と、それを支援する環境づくりが重要であることから、県では、スマートフォンを利用した、やまぐち健幸アプリや、やまぐち健康経営企業認定制度の普及等に取り組んでいます。 まず、健幸アプリについては、日々の歩数や血圧、体重などを記録する機能を活用した健康づくりの見える化や、ウオーキングに仲間との競争やポイント獲得などゲーム的な要素を取り入れた日常化を図り、現在、ダウンロード数は六万件を超えています。 今後は、さらなる利用促進に向けた企業協賛キャンペーン等の充実を図るとともに、県民一人一人の主体的な健康づくりにつながるよう、市町と連携し、性別、年代等に応じた健康情報のプッシュ通知や健康管理に役立つアプリ機能の周知により、利用者の属性に応じた啓発に取り組んでまいります。 次に、健康経営企業認定制度については、企業の組織的な健康づくりを目的とした取組であり、県では、これまで七百七十七事業所を認定したところですが、認定企業においては、従業員や扶養家族の健診結果を踏まえた個別の保健指導を通じて、健康増進に向けた取組が進められています。 今後は、健康経営に取り組む企業が従業員等に対して行う保健指導や健康管理の質の向上を促進するため、優良企業の取組事例の県ホームページ等による周知や、企業担当者を対象としたフォローアップ研修の充実等を図るなど、県民の健康づくりを支援する環境づくりを一層進めてまいります。 県としましては、健康寿命の延伸に向けて、今後とも、市町や関係団体、企業と連携し、県民の生涯を通じた健康づくりの推進に積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)移住・定住の促進に向けた空き家の有効活用についてのお尋ねにお答えします。 人口減少が進む中、本県においても、空き家の数が増加を続けており、その対策が大きな課題となっています。 こうした中、今、都市部の若い世代を中心に地方移住への関心が高まっており、実際、本県に移住される方の数は、年々増加しているところです。 移住者の受入れに当たり、ニーズに応じた住居の確保は大変重要であり、空き家を有効活用することは移住の促進につながるとともに、地域にとっても、新たなビジネスの創出等を通じた活性化のチャンスになるものと考えています。 このため、県では、市町とも連携しながら移住促進を図る中で、空き家対策にも資する取組を進めているところです。 具体的には、各市町の移住者向け物件情報を掲載している空き家バンクの情報を集約し、広く広報するほか、移住相談窓口である、やまぐち暮らし支援センターにおいて、移住希望者のライフスタイル等に合わせて物件を紹介するなど、きめ細やかな対応を行っています。 また、本県に移住し、空き家をリノベーションして起業されている方などに、空き家の効果的な活用事例や、やまぐち暮らしの魅力についてお話しいただくイベントや、市町と連携し、オンラインによる空き家見学会を開催する等の取組も行っているところです。 今後も、移住希望者のニーズに、より的確に対応していけるよう、県の移住サイトに、空き家情報を効率的に検索できる機能を付加して利便性の向上を図るなど、市町の取組を支援し、移住・定住の促進と空き家の有効活用につなげてまいります。