1 新たな観光プロモーションの展開について 2 花き振興について 3 水産インフラ輸出構想の推進について 4 使用済燃料中間貯蔵施設について 5 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十七号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 西本健治郎君。 〔西本健治郎君登壇〕(拍手) 西本健治郎君 自由民主党の西本健治郎です。 質問に先立ち、本県の未来を担う児童生徒の学びの場の整備について一言申し上げます。 本年も六月から八月にかけ猛暑日が続くなど、全国でも記録的な暑さとなりました。 そうした中、山形県が部活動などの運動中の熱中症対策に向けて、希望する市町村立中学校と県立・私立高校などの体育館や武道場等の屋内運動場へ冷房機器の整備を進めていくとの報道を拝見しました。 山形県内では、この夏、部活動帰りの女子中学生が、熱中症の疑いにより亡くなるという痛ましい事案がありました。 また、屋外での体育祭の練習中に、複数の生徒が熱中症と見られる症状で病院に搬送されたことも、大きな背景になったものと思われます。 本県においても、子供たちの命を守り、安心・安全な学校づくりを進めていくことは、私たち大人の責務です。猛暑の中でも、本県の全ての子供たちが熱中症などの不安なく、授業や部活動に全力で向き合い、充実した学校生活を送ることができるよう、学びの場の整備が求められているのではないでしょうか。 そのためにも、県教委には、全国に先駆け整備をしたICT機器等と同様に、全国トップレベルの熱中症対策を目指し、市町とも連携の上、学校の屋内運動場への冷房機器の整備をより一層進めていただくことを要望いたしまして、通告に従い質問をさせていただきます。 初めに、新たな観光プロモーションの展開についてお尋ねいたします。 この夏は、全国各地で祭りやイベントが再開され、地域に活気が戻りつつあります。 私も、先般、きらら博記念公園で開催された音楽イベント、ワイルドバンチフェスに参加し、多くの笑顔に接することができました。こうしたにぎわいを、本県の観光関連産業の活力につなげていかなければならないという思いを新たにしたところです。 さて、昨年、本県においては、宿泊客数が全国で唯一コロナ禍前を上回る三百九十二万人となるなど、様々な需要喚起策の効果もあり、需要は回復してまいりました。 その一方で、直近の数値は伸び悩みを見せており、観光の回復を腰折れさせることなく着実に成功させていくためには、今が正念場です。 これまでの需要喚起策から、地域の観光資源の磨き上げ、受入れ環境の整備、積極的なプロモーションを柱とする、確かな観光戦略に基づく誘客へとシフトさせていくことが重要です。 こうした中、県では、新たな観光キャッチフレーズとして「おいでませ ふくの国、山口」を掲げ、誘客拡大に向けた新たな取組をスタートされました。 そのシンボルであるフクは山口県を象徴する魚であり、私の地元下関においては、天然トラフグ取扱量日本一の南風泊市場や、全国で初めてフク食が解禁された歴史など、多くの結びつきがあります。 また、フクのはえ縄漁業発祥の地である周南市や、近年注目されている天然マフグの漁獲量を誇る萩市など、本県各地とも強い結びつきがあり、フクといえば山口県を連想させる、全国的な訴求力を誇るコンテンツであります。 知事におかれましては、このキャッチフレーズの下、一気呵成に様々な取組を展開していくと力強く表明されたところであり、プロモーションの効果を最大限に高めていただくことを私も期待をしております。 そのためにも、市町や観光連盟と県が一体となって、この新たなキャッチフレーズを浸透させ、県内観光地域の魅力を発信することで、県内周遊へとつなげる大きな流れをつくり上げていくことが重要だと考えます。 また、ターゲットの趣向に合わせたプロモーションの展開や、実際に県内を訪れた方からのSNS等での情報発信を促進する取組も不可欠です。 この新たなプロモーションが、コロナ後の本県誘客促進の起爆剤となり、県が誘致を目指しているデスティネーションキャンペーンへの追い風となるなど、観光関連産業の成長を通じた本県発展を切に願っております。 そこでお尋ねいたします。コロナ後の誘客拡大に向け、県は、新たな観光プロモーションの展開にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 次に、花卉振興についてお尋ねいたします。 花は、美しさや鮮やかさなど生活に潤いと安らぎを与えてくれ、私たちの心豊かな生活の実現に大きな役割を果たしてくれます。 私も見た目に寄らず、議員活動の最中も珍しい花に出会うと思わず足を止め、眺めたり写真に収めたりと、ひとときの癒やしを味わっております。 さて、本県の花卉振興は、私自身、平成二十九年六月議会の一般質問において、様々な振興策などを申し上げさせていただきましたが、県におかれては、山口県花き振興計画に基づき、県オリジナルユリのプチシリーズやリンドウの西京シリーズを開発し、全国に誇れる商品として、やまぐちブランドの登録を進め、県内外の販売拡大に取り組んでこられました。 また、子供たちにも花に親しみを持ってもらうため、花と緑に接する機会の提供等、花育の取組なども積極的に行っておられます。 加えて、私が昨年度まで所属しておりました農林水産委員会では、マンスリーフラワーとして、委員会室に常にその時々の季節の花が飾ってあり、緊張感ある審議の場においても、花の存在が私たちに華やかさを与えてくれていました。 しかし、そうした様々な取組の中、新型コロナウイルスの影響は、あらゆるイベントを自粛や中止に追い込み、花卉の需要も急激に低下したことは御承知のとおりです。 加えて、近年の燃油等資材価格の高騰は、花卉農家の経営をさらに圧迫し、私の地元下関市でも、山口県の花の約四割を産出する、県内でも最大の花の産地であることから、全ての農家が大きな影響を受けました。 こうした危機的状況に対し、県では、昨年度、燃油等高騰対策として、経営継続のための緊急支援や省エネ対策支援など補正予算により措置されたことは、多くの農家を救い、生産意欲の向上につながったことは言うまでもありません。 そして、いよいよ本年五月、新型コロナウイルスの見直しに伴い、イベントの再開などアフターコロナに向け、社会全体が大きな一歩を踏み出しました。 花卉に対する需要も徐々に回復傾向にあり、コロナによって一旦縮小した生産を回復させることは容易ではありませんが、この需要回復をチャンスと捉え、ぜひとも需要に見合う供給拡大にしっかりと取り組んでいかなければなりません。 そのためにも、いまだ厳しい経営環境にある花卉生産農家が、今後も安心して生産活動に従事できるよう、安定的な生産体制の強化に向け、県としても引き続き、生産者に寄り添った事業推進を図っていただきますよう、よろしくお願いをいたします。 そこでお尋ねをいたします。今後、ますます需要の増加が予想される花卉の供給体制の強化や、本県独自のオリジナル品種であるプチシリーズ、西京シリーズのさらなる展開など、本県の花卉振興に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、水産インフラ輸出構想の推進についてお尋ねをいたします。 県では、平成二十八年度に策定された水産インフラ輸出構想の下、漁獲から流通に至る一連の鮮度管理システムの導入に、高いニーズのあるベトナム等ASEAN地域に対して、パッケージでのインフラ輸出に取り組んでこられました。 現在、この取組の一環として、ベトナムのキエンザン省において、県内三つの企業による実証事業が、平成三十一年一月に国際協力機構の事業採択を受け、進められています。 ベトナムは南シナ海の西側に位置し、南北約三千キロメートルを超す海岸線や多くの島、入り江を有し、広大な排他的経済水域を持つ水産大国であります。 こうした環境を生かし、水産業のさらなる発展を目指すべく、ベトナム政府も、技術活用の強化による生産性向上やコスト削減、水産物の加工価値の向上等に取り組んでおり、その結果、近年では養殖エビや白身魚パンガシウスなどの輸出拡大が続き、水産物の輸出額は中国、ノルウェーに次ぐ世界第三位となっています。 こうした拡大傾向が続くベトナム水産業の状況を見ますと、このたびの実証事業は、県内企業にとって大きなビジネスチャンスであり、今後の展開に私も大いに期待をしているところです。 この数年、不運にも新型コロナウイルス感染症の流行があり、事業の進行は大きな影響を受けたものの、キエンザン省、地元漁港管理者等とのウェブでの協議や、現地企業と県内企業とのオンラインマッチング会など、可能な限りの対応をされてきたものと伺っております。 コロナ禍でも一歩ずつ進めてこられた成果も生かし、海外現地への往来が容易となった今こそ、反転攻勢に向けて、現地での活動を力強く再開していただきたいと思っています。 今後は、実証事業を円滑に進め、しっかりと成果を得るとともに、その成果の普及や現地における事業展開、他地域における取組の具現化につなげていくことが重要です。 また、現地での取組から生じた新たなニーズや現地企業等とのつながりを県内企業に波及させ、取組の裾野を拡大していかなければなりません。 県におかれましては、水産インフラ輸出に意欲を持って取り組む事業者をしっかりと支え、事業者の成長、本県経済の活性化につなげていただきたいと考えています。 そこでお尋ねいたします。本県経済の活性化に向け、水産インフラ輸出の取組拡大・加速化に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、使用済燃料中間貯蔵施設についてお尋ねをいたします。 上関町におけるこの施設の立地可能性調査をめぐり、今議会の質問では、反対の立場の議員から、中間貯蔵施設は原発のトイレを山口県に持ち込むなど、具体的な根拠に基づかない感情的な発言が繰り返されました。 その言葉の一つ一つに、国際的にも認められた処理水を汚染水と強弁し、WTO規定に違反するのではないかと思われる我が国水産物の違法な輸入禁止措置をしている、どこかの国のような発言や、それにくみするかのような一部国会議員の方の発言のように思え、苦々しく感じたのは、私だけではないはずです。 しかし、今求められるのは、科学的で客観的な対応ではないでしょうか。 この観点から考えれば、上関町がこのたびの調査を受け入れられた経緯は、町独自の判断として、まずは尊重すべきではないかと思いますし、あくまで調査を受け入れたということであって、施設建設を受け入れたわけではありません。 調査の結果として建設できないこともあれば、調査結果を受けて提示される施設の内容が受け入れられないこともあるわけで、地元上関町としては、この調査結果を冷静に見守ろうとされていることは、尊重すべきではないかと思います。 その上で、私ども自由民主党会派は、次の二点について指摘し、この間の知事の対応は妥当なものであると評価をするものです。 まず、一点目は、上関町長の調査受入れ判断についてです。 この町長の判断について、住民への説明もないまま、拙速との批判があるようですが、中国電力は、各戸訪問等による説明を行っています。 また、町議会に対しても、その要請を受けて説明を行う予定でしたが、反対住民の抗議活動で説明会場に入れず、中止となりましたが、説明を受けること自体を妨害するような行為そのものに疑問を感じます。 そうした中で、町長は、団体要望等を受けるとともに、臨時議会を招集し、住民の代表として選ばれた町議会議員の全員から意見を聴き、議員十人中七人の多数意見も踏まえて、調査実施を了承されたところです。 さらに、了承に当たっては、町民に対し引き続き丁寧な情報提供等を行うこと、具体的な計画ができたら住民説明会などにより丁寧に分かりやすくしっかりと説明すること、そして、周辺市町に対しても適時適切に情報提供等を行うことを中国電力に要請しています。 繰り返しになりますが、町長は施設の設置に関しては、具体的な計画の提示後に判断するとされており、現時点、その是非の判断を行っているものではありません。 このように、町長の調査受入れの判断は、意思決定過程の透明性や住民への情報提供等に十分配慮した上で行われたものであり、自治体の判断として尊重されるべきとされている知事の考え方に賛同しますし、我が会派としても、町の対応自体は尊重すべきものと考えます。 二点目は、使用済燃料等に関する正しい理解についてです。 上関町の調査受入れの直後に発表された西村経済産業大臣の談話でも、中間貯蔵施設は、使用済燃料を一時的に乾式貯蔵により管理するもので、一定期間後に必ず搬出され、最終処分場になることはないと明言されています。 そして、こうした乾式貯蔵については、安全性に関する原子力規制委員会による審査を経て進められているものであり、既に全国各地で利用、建設が進められているとしています。 しかし、今議会での発言の中に、使用済燃料は死の灰の塊であり、中間貯蔵施設は危険性が高い、中間貯蔵施設は永久貯蔵の押しつけなどの主張がありました。これらの主張はまさに一方的な意見で、不安をあおるだけにしかならないのではと強く懸念しています。 感情に任せて判断するのではなく、物事の是非を客観的に判断するためには、何はさておいても、正確な知識や情報は重要な要素ですし、どのような問題であれ、課題であれ、それに対処する上で求められるのは正確な知見と情報が大前提だと思いますので、この点では、中国電力と国には共に前面に立って、地元の意向も踏まえながら、十分な対応をしていただきたいと言われている知事の考えには、全面的に賛同するところです。 そこでお尋ねをいたします。知事は、上関町における中間貯蔵施設の立地可能性調査の実施をどのように受け止めておられるのか、また、今後どう対応していくお考えか、改めて御所見をお伺いいたします。 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)西本議員の御質問にお答えします。 まず、新たな観光プロモーションの展開についてのお尋ねです。 コロナ禍が明け、観光地が活気を取り戻すなど社会経済活動が活発となる中、全国に先駆けて宿泊者数のV字回復を果たした本県も、さらなる高みを目指して誘客促進に取り組んでいく必要があります。 私は、本県観光の飛躍的発展を実現していくためには、本県の強みである豊かな自然や文化、多彩なグルメなどの優れた観光資源を最大限活用し、観光客の心をつかむプロモーションを戦略的に展開することにより、県内周遊の促進を図っていくことが重要と考えています。 このため、本県の観光地としての認知度を一層高めていくため、幸福感あふれる山口の旅を連想させる、インパクトのある新たな観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」を先般発表したところです。 今後は、この新たなキャッチフレーズの速やかな浸透に努めるとともに、これまで行ってきたビッグデータ等の分析によるマーケティング結果に基づき、本県の強みである絶景、グルメ、体験をテーマとして、観光客のニーズを的確に捉えた効果的なプロモーションを強力に展開をしてまいります。 具体的には、まず、首都圏や関西圏等の重点誘客エリアを対象に、観光事業者等と連携した情報発信会の開催や新たな旅行商品の開発を進めるとともに、SNS等による観光客のニーズに即したターゲティング広告を効果的に配信し、本県への誘客拡大を図っていきます。 また、自然体験へのニーズの高まりを踏まえ、キャッチフレーズの発表と同時に、アウトドア体験の割引キャンペーンを開始したほか、来月には、山口きらら博記念公園においてアウトドアツーリズムの大規模なキックオフイベントを開催することとしています。 さらに、本県観光の新たな魅力を創出するため、絶景をテーマにしたフォトコンテストを実施し、角島大橋や元乃隅神社に並ぶ絶景スポットを発掘するとともに、本県の優れた食材を生かした訴求力の高いグルメを開発し、広く情報発信することにより、周遊の促進につなげていきます。 こうした取組に加え、誘客効果が高く、本県の多彩な魅力を全国に発信する絶好の機会であるJRのデスティネーションキャンペーンの誘致にも、引き続き、取り組んでいくこととしています。 私は、今後とも、新たな観光キャッチフレーズの下、市町や観光関係団体等と緊密に連携し、本県の観光地としての認知度の向上を図り、一層の誘客拡大につながる戦略的な観光プロモーションに全力で取り組んでまいります。 次に、使用済燃料中間貯蔵施設についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、立地可能性調査実施の受け止めについてです。 このたびの使用済燃料中間貯蔵施設に係る調査については、上関町からの新たな地域振興策の検討要請に対し、中国電力が島根原発の安定稼働や国のエネルギー政策にも合致すること等から、施設の調査等の実施について上関町に回答したものです。 これを受けて、町長は、団体等からの要望を受けるとともに、臨時議会を招集し、町議会議員全員から意見を聴取した上で、調査の実施を了承されました。あわせて、中国電力に対し、町民や周辺市町に対する情報提供等も要請をされたところです。 この了承はあくまでも調査の実施についてのものであり、施設設置については、事業者から具体的な計画が提示された後に判断することとしており、現時点、施設設置の是非を判断しているものではありません。 私は、地方自治の本旨に照らし、地方自治体が行った判断は尊重されるべきものと考えており、また、このたびの調査実施の了承は、町長として意思決定過程等にも十分配慮しながら、総合的に判断されたものと受け止めています。 次に、今後の対応についてです。 今回の中間貯蔵施設の立地可能性調査については、周辺市町の首長から丁寧な説明等を求める声が上がるなど、中間貯蔵施設に関し、県民の間で様々な意見があることは承知をしており、お示しのように正確な知見と情報が周知されることが極めて重要です。 このため、私は、調査を進めている中国電力において、上関町からの要請等も踏まえ、関係者への説明や必要な情報提供など、周辺市町の首長の声等に十分配意した対応が行われるべきと考えており、その旨は中国電力に機会あるごとに伝えています。 また、エネルギー政策を所管する国においても、中国電力と共に前面に立ち、地元の意向も踏まえながら、十分な対応をしていただきたいと考えているところです。 いずれにいたしましても、現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査が実施されているところであり、私は、県民の安心・安全の確保の観点に立って、今後の動向を注視したいと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)三坂農林水産部長。 〔農林水産部長 三坂啓司君登壇〕 農林水産部長(三坂啓司君)花卉振興についてのお尋ねにお答えします。 花卉は、県民の心豊かな生活の実現に大きな役割を果たすとともに、農作物の中でも高い収益性が確保できることから、県としては、これまで花卉農協等の関係者と一体となって、需要の拡大や生産体制の強化に向けた取組を積極的に進めてきたところです。 こうした中、コロナ禍で縮小した花卉の需要は、各種行事やイベントなど社会経済活動の再開に伴い回復傾向にあることから、この機を捉え、本県の花卉振興に向けた、県オリジナル品種の開発や一層の生産供給体制の強化に取り組むこととしています。 まず、県オリジナル品種の開発に向けては、県内外の市場から高い評価を得ているユリ、リンドウについて、花卉業界のニーズを先取りしながら、花の色や形質などに独自性を有する新たな品種を計画的に育成することとしています。 特にユリについては、ブライダル業界等で大きな需要が期待できる花粉のない品種を、全国の公設研究機関で初めて開発したところであり、今後、その登録に向けた手続を進めることとしています。 次に、生産供給体制の強化に向けては、花卉生産者に優良な種苗を安定供給するため、優れた種苗生産技術を有する県内の大規模農業法人等と連携した大量生産により、安価で優良な種苗の供給体制を構築してまいります。 また、農外企業など新たな生産者の確保に向けた働きかけを行うとともに、栽培施設の導入に対する支援や、収量の増加につながる新たな栽培技術の普及等により、花卉の一層の生産拡大を図ってまいります。 さらに、生育途中の画像データをAI解析することにより、収穫時期を高精度に予測できる技術を確立し、生産者の出荷時期の情報を市場と共有することで、出荷前における取引を促進し、花卉の円滑な供給や適正な価格の維持を図る取組を進めることとしています。 県としては、需要が回復傾向にあるこの機を逃さず、JAや花卉関係団体等と緊密に連携しながら、県民の生活に潤いと安らぎを与える花卉の生産振興に積極的に取り組んでまいります。 〔三坂農林水産部長の発言中、島田副議長に代わり、柳居議長が議長席に着く〕 議長(柳居俊学君)小関産業労働部長。 〔産業労働部長 小関浩幸君登壇〕 産業労働部長(小関浩幸君)水産インフラ輸出構想の推進についてのお尋ねにお答えします。 本構想は、水産関連企業が多く立地する本県の強みを生かし、その技術をパッケージで輸出することにより、海外展開による企業の業績拡大、地域経済の活性化を図ることを目的とするものです。 お示しの県内企業三社による実証事業は、高度な製氷技術や魚倉のFRP化、品質評価技術を組み合わせた漁獲段階での鮮度管理システムの普及・実証事業であり、構想の具現化に向けた極めて重要な取組です。 平成三十一年一月の事業採択後、コロナの影響により現地との往来が困難となる中、キエンザン省とのウェブ会議を開催して関係者の緊密な連携を図るとともに、国内での機材製作などに注力し、活動の本格的な再開に備えてきました。 こうした中、水際対策の緩和を受け、現地での実証設備の整備に着手し、いよいよ来月、実証を開始することとなりました。 県としては、キエンザン省と連携した実証開始式や現地企業を対象とした商談会の実施をはじめ、ホーチミン市で開催される国際的な水産展示会への出展など、本事業の円滑な実施とともに、参加企業の受注機会の創出に向けた取組を進めてまいります。 また、漁獲段階に続き、流通・加工段階へのシステムの導入を目指し、現地の関連企業等を本県に招聘し、県内企業の視察やマッチング等も行うことで、新たな実証事業の実施に向けて、現地の協力企業の確保に取り組みます。 さらに、キエンザン省からは、水産資源保護の観点から、新たに本県企業の持つ養殖技術に対しても強い関心が示されたため、県内の養殖事業者の参画を得ながら、同省との意見交換も始めています。 県としては、関係機関やキエンザン省との緊密な連携の下、水産インフラ輸出構想の戦略的な展開を図ることにより、意欲ある県内企業の発展や県経済の活性化にしっかりと取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。