1 防災・減災に向けた取組について 2 交通事故防止に向けた広報と道路整備について 3 産業・観光発展に向けたインフラの整備について 4 水道事業の広域化について 5 障害者が活躍する共生社会の実現について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十七号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 氏原秀城君。 〔氏原秀城君登壇〕(拍手) 氏原秀城君 皆様、こんにちは。この四月の選挙で初当選いたしましたやまぐち県政会の氏原秀城でございます。初めての一般質問となりますが、県民の皆様のためになる建設的な質問に心がけてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。 大きく五項目について質問させていただきますが、まずは一項目めといたしまして、防災・減災に向けた取組についてでございます。 九月一日は防災の日でありますが、これは一九六〇年(昭和三十五年)六月十一日の閣議において了承されたことに始まります。 これは九月一日が関東大震災の発生した日であるとともに、暦の上でも二百十日、また台風シーズンを迎える時期ともあり、一九五九年(昭和三十四年)の九月二十六日、伊勢湾台風によって戦後最大の被害を被ったことが契機となって、地震や風水害等に対する心構え等を育成するため、防災の日が創設されたものでございます。 昭和三十五年九月一日発行の官報資料に登載された防災の日の創設に関する記述では、 政府、地方公共団体など関係諸機関はもとより、広く国民の一人々々が台風、高潮、津波、地震などの災害について、認識を深め、これに対処する心がまえを準備しようというのが「防災の日」創設のねらいである。もちろん、災害に対しては、常日ごろから注意を怠らず、万全の準備を整えていなければならないのであるが、災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限に止めるにはどうすればよいかということを、みんなが各人の持場で、家庭で、職場で考え、そのための活動をする日を作ろうということで、毎年九月一日を「防災の日」とすることになったのである。 と、制定の趣旨が記されています。 こうした中、今年はこの関東大震災からちょうど百年目の年を迎えます。この百年間、全国各地で地震、台風や大雨による災害が発生しているところでありますが、特に近年は、線状降水帯、ゲリラ豪雨など、過去とは異なるレベルの暴風雨による浸水、土砂災害などが毎年、どこかで発生しております。 山口県においても、昨年九月に発生した台風十四号、十五号は大きな災害をもたらし、激甚災害の指定を受けたところでありますが、今年六月三十日から七月一日にかけての大雨による災害におきましても、美祢市、山口市をはじめとする県内の広範囲で、河川の越水による氾濫、大雨による内水氾濫、崖崩れなどの災害を引き起こし、二年連続で激甚災害の指定にされる災害となりました。 具体的な被害状況と復旧に伴う補正予算の概要につきましては、議会初日、村岡知事から説明を受けましたので、私のほうから申し上げることはありませんが、まずは一日も早い復旧・復興を願うところでございます。 これまでも県として、県民の命と財産、安心・安全の暮らしの実現を第一に、計画的に河川や道路などの改修を行っているところは、十分承知しているところではありますが、近年の災害は短時間で大きな災害が発生する傾向にあることから、これまでの対策にさらなる追加も必要になるのではないかと感じております。 そこで、本県の防災・減災に向けた取組について、幾つか質問をいたします。 まずは、河川整備計画についてでございます。 山口県内の一級河川は、佐波川と小瀬川の二つの水系にそれぞれ三十二と十四の河川があり、その流路延長は約二百三十二キロメートルとなっています。 また、二級河川については百六の水系に四百三十四の河川、その流路延長は約二千二百十二キロメートルと、河川の数、流路延長ともに、北海道に次ぐ全国第二位という状況であります。 こうした中、一級・二級の河川整備基本方針は、平成十三年一月五日から順次策定され、現在、一級河川では二水系、二級河川では四十一水系について策定されています。 また、河川整備計画につきましても、平成十三年五月十四日から順次策定されており、現在は、一級河川は二水系、二級河川は三十四水系が策定されている状況にあります。 そこで、まずは河川整備計画について、全体の整備計画の策定状況と今後の策定方針についてお伺いいたしますとともに、今後の河川整備にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 次に、河川監視カメラの整備の充実についてでございます。 現在、県におきましては、県内の二十七水系、三十三の河川に四十三か所、河川監視カメラが整備されており、その状況は山口県土木防災情報システムで、誰でも状況を確認することができるようになっております。 これは、大雨の際でも安全な場所で河川状況をリアルに確認できることから、地域の住民の方はもとより、県・市・町の各災害対策本部におきましても、迅速に情報収集ができることで、大変良いものだと思っております。 ただ、あえて言わせていただけるならば、夜間時には映像が暗いということなどから、河川の水位が分かりづらいといった御意見もありますし、またレンズに水滴が付着することに、映像がぼやけてしまっているということもあるのも事実でございます。 同じ画面におきまして、絵やグラフ、表によって水位や雨量の状況を確認することもできますが、やはり昼夜を問わず、実際の河川状況を映像によって確認できるほうが、地域住民の方々の自主避難を促すことができると考えますし、災害対策本部におきましても、より状況を把握できると考えております。 そこで、河川監視カメラの設置につきまして、今後の設置方針と照明設備等の追加など、さらなる河川監視カメラの整備の充実について御所見をお伺いいたします。 次に、センサーやAIを活用した浸水状況の早期把握への取組についてでございます。 国土交通省は、大雨による浸水被害が勃発する中、迅速な災害対応への地域への情報発信を行うため、堤防における越水や決壊などの状況や、周辺地域における浸水の状況など、速やかに把握することが求められていること、また、流域内での活動を行う様々な企業においても、各社の店舗や事業設備の適切な管理、住居や車両の浸水被害への保険金支払い等の災害後の対応を迅速化するためなど、浸水の状況を容易に把握できる仕組みへのニーズが高まっていることから、河川付近の民家や企業、冠水しやすい道路付近の電柱や壁などに浸水センサーを設置し、夜間や悪天時におきましても、リアルタイムで浸水状況を面的に把握する仕組みの構築、センサーの特性や情報共有の有効性等を検証するワンコイン浸水センサー実証実験を令和四年度から実施されています。 初年度となる令和四年度におきましては、愛知県岡崎市をはじめとした五自治体をモデル地区に設定し、自らの施設等に浸水センサーを設置し、管理する十の企業・団体による実証実験がスタートしており、令和五年度におきましても、八月四日時点で、令和四年度の参加事業者を含め、五十一自治体、二十五の企業等、六つのセンサー製造者の参加による実証実験が行われているところであります。 ちなみに、中国地方では、岡山県の岡山市、備前市、総社市、島根県の江津市、川本町の五市町が参加しているところです。 このワンコイン浸水センサーとは、小型で約十年間のメンテナンスフリー、長寿命センサーであるとともに、将来にセンサー費用を五百円程度と低コストに抑えることを目的として命名されたそうです。 ただ、こちらの実証実験の対象自治体は市区町村となっていることから、県において参加することはできませんが、まずは県として各市町へのこうした取組についての情報提供をしっかりと行っていただきますとともに、産学官が連携している本県におきましても、こうしたセンサーやAIを活用した同様の実証実験を独自で行うこともできるのではないかと考えております。そこで、県としての御所見をお伺いをいたします。 次に、二項目めといたしまして、交通事故防止に向けた広報と道路整備についてです。 山口県の近年の交通事故発生状況は、人身事故では、令和三年二千四百五十八件に対し、令和四年は二千二百六十一件、死者数は、令和三年三十四人に対し、令和四年は三十一人、負傷者数は、令和三年二千九百四十八人のうち重傷者数四百一人に対して、令和四年は二千六百三十三人、うち重傷者数三百八十人、物損事故におきましても、令和三年三万四千六百九十件に対し、令和四年は三万四千七百四十四件と、おおむね前年を下回っているかなというふうにも捉えられますが、この令和五年におきましては、九月十四日時点で人身事故件数が千六百二件、死者数二十一人、負傷者数千九百十三人、物損事故件数二万五千五百七十七件と、これは前年同期と比較して、人身事故でプラス三十五、死亡者プラス一、負傷者数プラス八十五、物損事故プラス二千二百八十三と残念ながら増加傾向にあります。 県警の方々におかれましては、交通事故防止はもとより、事故時の対応に大変御尽力していただいていることに感謝いたしますとともに、こうした努力を超えた数の交通事故が今なお発生していることにつきましては、残念で仕方ありません。 やまぐち未来維新プランにおきましても、交通事故防止対策として関係機関・団体と連携して、交通安全教育や交通事故防止対策の実施、ゾーン30の整備、高齢者事故の減少に向けた安全運転サポート車の普及啓発、安全な道路横断の実践、明るい色の服装や反射材・ライトの活用、悪質・危険ドライバーへの対応、速度違反の取締りなど、様々な対策を推進し、交通事故防止に取り組んでいると示されていますが、交通事故は様々な原因・要因によって発生するものですから、この対策を行えばということで、全ての交通事故がなくなるものではございません。 だからこそ、こうした様々な対策を組み合わせることで、交通事故ゼロに向けて進めていかなければならないと考えます。 そこで、まず交通事故防止に向けた広報活動として、交通ルールやマナー向上に向けた広報活動の実施状況と今後の取組方針についてお尋ねいたします。 また、そうした中、県民の方からお問合せが多いのが、道路における横断歩道の白線、停止線、中央線、外側線など路面標示が消えかかっている、道路幅の拡張、道路脇の雑草や樹木の撤去といった、道路環境の整備についての問合せです。 近年の自動車は、車線等をセンサーで感知し、ドライバーに安全運転を促す安全サポート装置もついていますし、また、コロナ禍の影響もあって、自転車の利用者が増加している昨今、七月一日からは十六歳以上であれば運転免許証がなくても電動キックボードを公道で運転することができるようになったことなど、道路交通環境は大きく変わり始めています。 そのためにも先ほど申しましたとおり、交通安全事故防止に向けては様々な対応が必要であり、道路整備もその一つと考えております。 全体の予算上の都合もありますから、こうした要望を今すぐ早急に全てに対応してほしい、対応できるとまでは思ってはおりませんが、県民の方からすると、なぜ整備してもらえないのかという疑問が多いのが事実でございます。 そこで、ぜひとも安心・安全、住みよいまちづくりに向け、まずは、今後の予算編成に当たって、ぜひとも道路整備に係る費用の増額を要望させていただきますとともに、県民の方から道路整備に関する問合せの対応状況、県民の方への理解を深めるためにも、道路整備に当たっての考え方、例えば優先順位などにつきまして、道路管理者、県警察それぞれにお伺いいたします。 次に、三項目めといたしまして、産業・観光発展に向けたインフラの整備についてでございます。 令和五年五月八日から新型コロナウイルス感染症も五類に移行されて、はや五か月がたちました。産業・観光ともにコロナ禍前の傾向に戻りつつある中、こうした状況に後れを取ることなく、県としてもしっかりと産業・観光支援に向け、村岡知事を筆頭に積極的な推進活動を進められておられます。 そこで、これら産業・観光発展に向けたインフラ整備として、山口宇部空港の国際線の再開、宇部港、宇部湾岸道路の位置づけと整備計画について質問をさせていただきます。 まずは、山口宇部空港の国際線の再開についてです。 令和五年二月定例会商工観光委員会における、インバウンドの再起動と山口宇部空港における国際線の再開や将来の定期便化に向けた、アウトバウンドの確保についての質問に対し、市場ごとのターゲット層や興味関心、有効な情報発信の手法などを明らかにしたところである。また、来訪者数、旅行支出額などから、来年度は、特に誘客効果の見込まれる台湾へのプロモーションを強化することとしている。 具体的には、台湾最大の訪日観光情報サイトやテレビ番組、人気の高い台湾プロ野球の試合会場での観光PRなど、ターゲット層に適した媒体を複合的に活用した、集中的かつ戦略的なプロモーションにしっかりと取り組んでいく。 また、国際線の再開に向けては、令和五年度中の韓国との定期便化、台湾、ベトナムからのチャーター便の誘致に向け取組を進めており、アウトバウンド向けの旅行商品の造成に対する支援や運航当初の知名度アップに向け、県民へのプロモーション活動の実施など、インバウンドの需要はもとより、アウトバウンドの需要を確保するための取組も実施することとしているとの御答弁がなされています。 この中でも台湾へのプロモーション強化につきましては顕著に取り組まれており、私自身も七月十四日からの四日間、山口県議会台湾友好・調査訪問団の一員として、台湾とのさらなる友好に向けて一役を担わせていただいたところでございます。これは、過去から台湾との交流に御尽力された多くの方々のおかげだと思っておりますし、このつくっていただいた道のりを、これからよりしっかりと確かなものにしていかなければならない、努めてまいらなければならないと、私自身も感じて、思っているところでございます。 インバウンド・アウトバウンドの需要の確保におきましては、山口県の空の玄関口であります山口宇部空港のさらなる活用、特にコロナ禍前同様、韓国との定期便や台湾とのチャーター便の再開には大きな期待を持つところです。 そこで、インバウンド需要の確保に向けた山口宇部空港の国際線の再開と、これに併せてアウトバウンド需要の確保に向けた取組とその進捗状況についてお伺いいたします。 次に、宇部港についてです。 宇部港は、平成二十三年に徳山下松港とともに国際バルク戦略港湾の石炭部門に選定され、宇部港背後の企業のみならず、広く西日本の産業界全体の国際競争力の強化に資する港湾として、さらなる機能強化が求められている中、輸送船舶の大型化、防災や環境に対する市民ニーズ等、宇部港を取り巻く社会経済情勢等が近年大きく変化したことから、現在は令和二年に改正されました港湾計画に沿って、今現在進められています。 こうした中、共に国際バルク戦略港湾として位置づけられた徳山下松港におきましては、脱炭素化に配慮した港湾設備の機能高度化等を通じたカーボンニュートラルポートの形成に向け、現在、徳山下松港港湾脱炭素化推進協議会が発足しております。 こうした経緯を踏まえますと、今後も宇部港においては徳山下松港との連携を基軸に、よりカーボンニュートラルの推進に向けた方向に進むことが想定されますことから、地場産業界におきましても、宇部港の整備計画への動きについては注視されておられるとともに、また地元におきましては、今後の周辺のさらなる発展に向けた地域のにぎわいの空間の形成の一角として、独自の整備を進めていかれることも期待されているところであります。 そこで、引き続き、山口県の産業・経済の発展の一角を担う宇部港の位置づけと整備計画についての御所見をお伺いいたします。 次に、宇部湾岸道路についてですが、山口宇部空港や宇部港に直結するこの宇部湾岸道路は、現在、西中町インターチェンジまでが整備されていますが、計画上ではその先となる新町インターチェンジまでが示されている中で、引き続き未施工状態という状況になっております。 産業・観光をさらに発展していくことを考慮すれば、これまで以上に重要な位置づけとなる道路であり、それに向けた整備が必要と考えます。そこで、今後の宇部湾岸道路の位置づけと整備の実現に向けた御所見についてお伺いいたします。 次に、四項目めといたしまして、水道事業の広域化についてでございます。 水道事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、本県におきましても県内の水道事業者が持続可能な水道供給の基盤を確立することを目的として、水道事業の今後の方向性を示す山口県水道ビジョンが令和二年七月に策定されました。 また、令和五年三月には広域連携による基盤強化を図るために、山口県水道ビジョンを本編とする広域連携シミュレーション編を新たに追加策定されるとともに、本県の水道広域化推進プランとして位置づけられ、県として水道事業の基盤強化に積極的に取り組んでいくとの考えが示されています。 広域連携シミュレーション編によりますと、山口県の水道普及率は、令和二年度時点で九三・九%まで上昇しているものの、給水量は平成十年度頃をピークに減少傾向が続いています。 こうした中、水道管路の延長は、用水供給を含む上水道が約一万二百九キロメートル、簡易水道が四百三十一キロメートルと、総延長約一万六百四十キロメートルに及ぶ中、管路の耐震化状況は、用水供給を含む上水道の基幹管路九百七十八キロメートルのうち耐震性を有する水路が二百六十二キロメートルと、その耐震化率は二六・八%、簡易水道事業の管路におきましても、耐震性を有する管路が四十七キロメートルと、管路の耐震化率は一〇・八%、さらに全体の老朽管は約二千七百七十五キロメートルと、老朽化率も二六・一%ということで示されています。 また、用水供給を含む上水道の主要な水道設備である浄水施設及び配水池の耐震化におきましても、浄水施設で一五・六%、配水池で四八%という状況でございます。 これらの耐震化・老朽化率は全国平均と比べて何とか同程度、もしくは下回るものが多く、設備環境というのは大変厳しい状況にあるというふうに捉えています。 また、水道施設は、それぞれの地域特性に応じた施設整備が重要であり、給水区域の地形的な条件や水源の位置により、施設や管路の整備費用や維持管理費用が大きく異なるため、事業者間での給水原価、供給単価に大きな差が生じています。 山口県内の一か月二十立方メートル当たりの家庭料金におきましては、事業者間で水道料金に約三倍の差が生じているとともに、給水原価が供給単価を上回っている事業は、上水道で十五事業中七事業、簡易水道におきましても、一事業を除き全てで給水原価が供給単価を上回っていると示されています。 また、この水道事業を担う職員数の状況は、計画給水人口規模で見ますと、十万人を下回る水道事業者では、極端に職員数が少ないという状況にあると示されています。 こうした課題の中、各市町の水道事業者におかれましては、これまでも独自で効率的な設備の改修や省力化、コスト削減につながる施策に努められている中、この令和五年三月に策定されました広域連携シミュレーションでは、先ほど申しましたとおり大きな方向性を示したものであるとともに、県としても積極的に関与していくことが示されたものではございます。 そこで、水道事業の広域化について、広域連携シミュレーションを示されて以降の広域化の進捗状況と、広域化を進めていくに当たって、市町からの様々な意見・要望も上がっていると思いますので、その課題を踏まえ、県としての活動、支援について、今後どのように取り組まれるのかお尋ねいたします。 最後に、五項目めといたしまして、障害者が活躍する共生社会の実現についてでございます。 やまぐち未来維新プランにおきましては、県民が活躍できる環境づくりとして、障害者が活躍できる地域社会の実現に向け、あいサポート運動等を通じた障害・障害者への県民の理解促進、障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくり条例の周知、相談支援体制・障害福祉サービス等への提供体制の充実、障害者の意思疎通や情報の取得・利用に係る支援の充実、企業への就労が困難な障害者への工賃向上や企業への就労・定着に向けた支援の充実などが挙げられています。 厚生労働省の資料におきましても、共生社会の実現という理念の下、障害に関係なく、希望や能力に応じて、誰もが職業を通じた社会参加のできる共生社会をつくっていく必要がある。 障害者の特性を強みとして捉え、合致した活躍の場を提供することで、企業にとっても貴重な労働力・戦力の確保につながる。職場環境の改善やコミュニケーションの活性化が図られることで、他の従業員にとっても安全で働きやすい職場環境が整えられ、企業全体の生産性向上、マネジメント力の強化にも結びつくと示されています。 全国の障害者雇用は、令和四年六月一日時点で、民間企業に雇用されている障害者の方は六十一万四千人となり、十九年連続で過去最高を更新し、実雇用率は二・二五%、障害者雇用率達成企業割合は四八・三%で、障害者雇用は着実に進展しているものと受け止めております。 とはいえ、全ての障害者の方の雇用が、これで確保できているわけでは当然ございません。個々人の障害の程度に応じて、できること、できないことがありますから、全体として障害者の方の就労環境はまだまだ厳しい状況にはありますが、今後、さらなるサポート体制の充実やAIなど、技術革新による障害者の方の就労に結びつけていく支援を途切れることなくしっかりと進めて、推進していかなければなりません。 また、一般的な企業に雇用されることは困難な障害者や難病を持つ方に、就労機会を提供する就労継続支援サービス、いわゆるA型、B型と言われた支援事業があります。 A型・B型就労継続支援事業所においては、それぞれ利用条件や特徴がありますが、先ほど県が示されておりますとおり、企業への就労が困難な障害者への工賃向上、いわゆるB型就労継続支援の事業所の方に当たりますが、こちらに向けた支援の充実を図りたいとされています。 そこで、県における障害者の就労支援の充実に向けて、今後どのように取り組まれていかれるのか、ここでお伺いをいたします。 最後になりますが、地元の個人事業主の方から、こうした障害者の方への現状を変えていきたいという思いから、就労継続支援事業所を始めていきたいというお言葉を頂きました。 これは、共生社会の実現に向けての取組が理解され、浸透しているあかしだと私は受け止めております。がしかし、正直申し上げますと、この就労継続支援事業を始めるに当たって、施設の整備費がネックになっているといったことをお伺いいたしました。 毎年、国の補助金を用いた施設整備費の補助制度もありますが、ぜひともこうした機運をさらに発展できるよう、県独自の補助制度の創設につきましても、ぜひとも御検討いただきたいということを要望させていただきまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)氏原議員の御質問のうち、私からは、障害者が活躍する共生社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方にとっての就労は、経済的自立にとどまらず、生きがいや社会とのつながりを感じ、自己実現を図る観点からも重要です。 このため、私は、やまぐち未来維新プランにおいて、高齢者・障害者等が活躍する地域社会の実現を重点施策に位置づけ、障害のある方の社会的・経済的自立を目指し、就労の場の拡充や就労継続支援事業所における工賃向上に取り組んでいるところです。 まず、就労の場の拡充に向けては、労働局等と連携し、障害者雇用に積極的な企業の認定等を通じて企業の理解を深めるとともに、障害者雇用を推進する職場リーダーの養成や、テレワークなどデジタル技術を活用した新しい働き方の導入支援により企業の受入れ環境の整備を促進しています。 また、パソコンの技術を習得する職業訓練や、訓練コーチによる特別支援学校の生徒に対する在学中から卒業後までの一貫した支援を行うとともに、地域ごとの就職面接会の実施により障害のある方と企業の出会いの場を創出し、職場定着につなげています。 今後、障害者雇用を着実に進めるため、ハローワーク等と連携し、就職の準備段階から職場定着までのきめ細かなチーム支援を行うとともに、技術革新を踏まえた新たな業務に対応できるよう多様なニーズに対応した職業訓練を実施するなど、就労支援のさらなる充実を図ってまいります。 次に、就労継続支援事業所における工賃向上に向けては、障害者優先調達推進法に基づき、就労継続支援事業所等への優先発注を、全庁一体となって推進するとともに、小規模事業所でも受注できるよう、共同受注体制の強化に努めているところです。 また、事業所が生産した農産物や製品を販売するノウフクマルシェは、年々規模を拡大して今後の販路開拓を支援するとともに、事業所が新たな設備整備をすることなく収益の増加が期待できる施設外就労に取り組むことにより、受注の機会の拡大を図ることとしています。 さらに、障害のある方が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく農福連携の一層の促進による新たな就労の場の確保にも努め、こうした取組を通じて、就労継続支援事業所における工賃向上につなげてまいります。 私は、今後とも、障害のある方が積極的に社会参加し、地域で自立した生活ができるよう、関係団体等と緊密に連携しながら、就労支援の一層の充実に努め、共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)防災・減災に向けた取組についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、河川整備計画についてです。 県では、過去に大きな水害が発生した河川や、川沿いに人口・資産が集中している河川を優先して、有識者や関係市町等で構成される検討委員会の意見も聴きながら、三十四の二級水系で河川整備計画を策定しており、一級水系の計画も含め、対象となる流域面積は、県土の約七割をカバーしています。 残りの水系については、引き続き、近年の集中豪雨等による災害の発生状況等も踏まえ、必要に応じて河川整備計画を策定していくこととしています。 また、河川整備については、計画に基づき、優先度・緊急度を考慮しながら、川幅の拡幅や堤防の整備などを進めていくこととしています。 次に、河川監視カメラの整備の充実についてです。 河川監視カメラについては、的確な情報伝達や住民の適切な避難行動につなげるため、洪水予報河川や水位周知河川など、洪水により相当な被害が予想される河川から設置しており、令和三年度以降、これまでに県内四十三か所に設置したところです。 一方で、河川監視カメラの画像は、一部の箇所で夜間等に視認性が低下することから、今後の機器の新設や更新に向け、カメラの仕様等について検討を行っているところです。 県としては、現時点では、照明設備の設置は考えていませんが、引き続き、必要に応じて河川監視カメラを設置することとしています。 次に、センサーやAIを活用した浸水状況の早期把握への取組に関する考えについてです。 ワンコイン浸水センサーについては、大雨による浸水状況を、面的にいち早く把握することが可能とされており、現在、国と、住民避難に主要な役割を担う市区町村等により実証実験が行われているところです。 このため、県独自で実証実験を行うことは考えていませんが、この取組は、地域における被害状況の把握等の迅速化につながることから、県では、これまでも、県内市町に対して情報提供を行ってきたところであり、引き続き、実証実験の成果等について情報収集に努めてまいります。 次に、交通事故防止に向けた広報と道路整備についてのお尋ねのうち、道路環境の整備についてお答えします。 県では、安心・安全な交通環境を確保するため、地域の課題やニーズを踏まえ、限られた予算の中で、生活道路等における安全対策として、適切な維持管理はもとより、必要な施設整備に取り組んでいるところです。 具体的には、草刈りや路面標示の更新などの維持管理については、利用者の安全な通行を確保するため、緊急性や重要性の高い箇所から、順次、行っているところです。 また、歩道設置や交差点改良等の施設整備については、通学路合同点検における要対策箇所や、事故危険箇所等において、優先的かつ計画的に行っています。 こうした中、県民の方からの問合せがあった場合には、まず、現地の状況を確認し、必要に応じて地域の関係者から利用実態等の聞き取りを行うこととしています。 その上で、緊急性等を勘案し、地域の皆様の御理解・御協力を頂きながら、適切に対応しているところです。 次に、産業・観光発展に向けたインフラ整備についてのお尋ねのうち、宇部港、宇部湾岸道路についてお答えします。 まず、宇部港についてです。 宇部港は、背後の化学工業を中心とした臨海工業地帯を支える重要な港湾であり、徳山下松港とともに国際バルク戦略港湾として、石炭やバイオマスの一括大量輸送による物流コストの削減に資する施設整備などに取り組んでいるところです。 こうした中、本年八月、宇部・山陽小野田地域のコンビナート企業により、カーボンニュートラル推進及び実現に向けたキックオフ会議が開催されました。 県では、これら企業の動向も注視しつつ、港湾脱炭素化推進計画の策定について検討しており、今後とも、港湾計画に位置づけている施設について、産業振興、地域振興や防災に加え、カーボンニュートラルなどの新たな視点も踏まえ、必要に応じて整備を進めることとしています。 次に、宇部湾岸道路についてです。 本道路は、地域高規格道路山口宇部小野田連絡道路の一部を構成するものであり、東須恵から新町までの約五キロメートルの区間について都市計画の決定を行っています。 このうち、東須恵から西中町までの区間については、国道百九十号の藤山交差点や流川交差点などの渋滞緩和に向け先行して整備、供用しており、地域間のアクセス強化等に一定の効果が得られています。 お尋ねの西中町から新町までの約一・五キロメートルの区間については、宇部市中心市街地の渋滞緩和や宇部港へのアクセスの改善などの効果が見込まれることから、延伸が必要であると認識しています。 このため、県では、関係市との協議・調整を行っているところであり、引き続き、財政状況等も踏まえながら、事業着手の可能性を検討していくこととしています。 副議長(島田教明君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)産業・観光発展に向けたインフラの整備に関する御質問のうち、山口宇部空港の国際線の再開についてのお尋ねにお答えします。 国際線の誘致は、外国人観光客を直接本県に呼び込むことができる重要な取組であることから、県では、これまで実績のある韓国や台湾に対して、空港利用促進団体や現地に配置している観光プロモーターと連携し、積極的な誘致活動を行っているところです。 このうち、韓国については、山口宇部空港と仁川国際空港を結ぶチャーター便の来年一月からの就航が決定したところであり、今後、韓国の旅行会社等を招いた視察ツアーを実施し、本県への旅行商品の造成を促進することにより、チャーター便の搭乗率向上に取り組むこととしています。 また、台湾については、台南市で開催される大規模イベントへの出展等を活用した効果的な観光プロモーションを実施し、本県へのインバウンド需要をさらに喚起することで、チャーター便の早期就航に取り組んでいくこととしています。 その実現に向けては、本県から台湾へのアウトバウンド需要の喚起も重要であることから、台南市と連携し、来月、きらら浜で開催される大規模イベントへの観光ブースの出展や、観光地等を紹介するテレビ番組の放映など、県民向けのプロモーションを行うこととしています。 県としては、今後とも、関係団体や現地プロモーターと連携し、インバウンド・アウトバウンド双方の需要を確保する取組を推進することにより、さらなる国際線の誘致に向けて取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)水道事業の広域化についてのお尋ねにお答えします。 水道は、私たちの生活を支える重要な社会インフラであり、安全な水が将来にわたって安定的に供給されることが必要です。 その一方で、人口減少による料金収入の減少や、施設の耐震化・老朽化への対応、専門人材の不足など、事業者単独では解決が困難な課題に直面しています。 こうした課題に対応するため、県では、広域連携による基盤強化が必要であると考え、昨年度、お示しの広域連携シミュレーションを策定し、持続可能な水道事業経営を実現するための選択肢の一つとして示したところです。 このシミュレーションでは、東部、中部、西部の三圏域と全県域の連携パターンにおいて、それぞれ経営統合、施設の共同設置・共同利用、事務の広域的処理の三つの類型ごとに、今後四十年間の財政収支等を推計し、いずれも一定の費用削減効果を確認しました。 県では、シミュレーションを契機に、地域の実情やニーズを踏まえた広域連携を促進するため、県と事業者で構成する水道基盤強化連絡協議会の下に、広域連携分科会を立ち上げるとともに、今月、第一回会合を開催し、より実務的な協議に着手したところです。 分科会においては、まずは、他の類型と比べて取り組みやすい事務の広域的処理から検討を進めたいとの事業者の意見を踏まえ、水道メーター、薬品等の共同購入や、料金収納の共同委託等、五つの連携事項を選定しました。 今後は、連携事項ごとにワーキンググループを設置し、共同で契約する場合の仕様の統一など、具体的な議論を進め、令和六年度以降の連携の実現を目指すこととしています。 こうした広域連携の実績を積み重ね、将来的には、人員体制の強化や技術継承が可能となる経営統合も視野に入れた議論につなげていきたいと考えています。 また、広域連携を円滑に進めるためには財政的な支援等が必要であるとの事業者の要望を踏まえ、引き続き、政府要望等を通じ、交付金の拡充や採択要件の緩和などについて、国に働きかけてまいります。 県としては、今後とも、水道事業の基盤強化に向けて、広域連携の検討が進むよう、事業者による主体的な取組を支援してまいります。 副議長(島田教明君)阿久津警察本部長。 〔警察本部長 阿久津正好君登壇〕 警察本部長(阿久津正好君)お尋ねの交通事故防止に向けた広報と道路整備のうち、まず、広報活動の実施状況と今後の取組方針についてお答えいたします。 議員お示しのとおり、山口県における本年の交通事故発生状況は、人身事故件数、死者数、負傷者数及び物損事故件数のいずれも増加しており、やまぐち未来維新プランにおける諸対策をしっかりと推進していかなければなりません。 県警察が実施しています広報活動といたしましては、積極的な資料提供によるテレビ、ラジオなどを通じた広報啓発活動のほか、各種イベントにおけるポスター、交通安全広報パネルの掲示や反射材・チラシの配布などにより、子供から高齢者の方まで、交通ルールやマナーの向上を呼びかけております。 また、タイムリーなメルマガ発信や県警ホームページの更新を行い、新たに作成した動画は、順次、ユーチューブ山口県警察公式チャンネルに掲載しております。 加えて、秋の全国交通安全運動に併せて、山口県ゆかりのタレントによる横断歩道ハンドサイン運動やヘルメット着用のCMを作成するとともに、交通安全フォト・川柳コンテストを開催し、優秀作品については、交通安全グッズへの活用や交通情報板への掲示を行うこととしております。 県警察といたしましては、交通ルールやマナーの向上のため、引き続き、関係機関・団体などと連携し、創意工夫を凝らしながら、波及効果の高い広報啓発活動に取り組んでまいります。 次に、道路整備のお尋ねのうち、横断歩道などの道路標示の整備についてお答えいたします。 横断歩道は、横断歩行者の安全を確保し、交通事故の防止を図る上で重要な役割を果たしており、令和五年八月末現在、県内に約八千か所整備しております。 横断歩道の新設につきましては、地域住民の方からの要望などを踏まえ、道路横断需要や交通事故の発生状況等を調査・分析した上で、真に必要性の高い場所を選定して整備しております。 また、横断歩道等の道路標示は、日々、摩耗が進んでいきますことから、地域住民の方から、道路標示が消えかかっているなどの要望を受けた場合には、現地の状況を確認した上で、通学路など優先度の高い場所から補修を行うほか、摩耗状況によっては部分的に補修をするなど、一か所でも多くの補修に努めているところでございます。 県警察といたしましては、今後も安全・安心な道路交通環境を構築するため、横断歩道をはじめとした交通安全施設の計画的な整備及び不断の見直しに努めてまいります。