1 地域交通政策について 2 土地利用規制法について 3 介護保険制度について 4 中国電力の経営方針と株主としての対応について 5 米軍岩国基地問題について 6 朝鮮学校について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第八十三号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第八十三号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、地域交通政策についてであります。 山口県は、昨年三月、新たな地域交通モデル形成に関する取組方針を改定しました。 主要なテーマとして、一、交通空白地の移動手段の確保、二、地域にとって必要な幹線路線の維持、三、市街地における回遊性の向上などが挙げられ、現状と課題、重点施策などが示されています。 人口減少により地域社会の維持が困難になる中、この取組は大いに評価しますが、大事なことは、交通権という新しい人権の概念を基本に置くことであります。 交通権は、重度障害者が外に出たいという切実な要求から生まれ、憲法二十二条の居住・移転及び職業選択の自由、二十五条の生存権、十三条の幸福追求権など、関連する人権を集合した新しい人権であります。 地域交通政策の基本に交通権イコール人権という理念を置くことが重要でありますが、この点お尋ねします。 交通空白地域は、バス路線の縮小・廃止によって郊外団地や市街地にも見られるようになり、中山間地域においては幹線路線バスの移動量は減少を続けています。 一方、市町による市街地における回遊性の向上を図る取組は広がっています。 県は、地方バス路線運行維持対策などに取り組んでいますが、こうした現状を踏まえて、地域交通に係る施策をさらに拡充すべきと考えますが、伺います。 質問の第二は、土地利用規制法についてであります。 国は、昨年十二月二十六日に開催した土地等利用状況審議会で重要土地等調査法、いわゆる土地利用規制法に基づいて、住民を監視下に置く特別注視区域三十三か所、注視区域は百五十一か所の計百八十四か所の候補地を提示し、山口県では初めて特別注視区域四か所、注視区域十か所の計十四か所が候補地とされました。 資料一に示したように、候補地とされたのは米軍岩国基地のほか、岩国、下関、山陽小野田、山口、萩、防府、周南、柳井、光の九市と田布施町にある自衛隊関連施設であります。 注視区域では、土地建物の所有者や賃借人などの情報を集めることができて、特別注視区域では、一定以上の面積の土地売買は氏名、国籍などの事前届出を義務づけています。 調査は、名前や住所、国籍、利用目的にとどまらず、思想信条や所属団体、家族・交友関係、海外渡航歴など、ここまで及ぶおそれがあります。 無届けや虚偽の届出を出した場合には、六か月以下の懲役または百万円以下の罰金。重要施設などの機能を阻害する行為、または機能を阻害する明らかなおそれがある場合には、内閣総理大臣が利用中止の勧告・命令を出すことができ、命令に違反した場合は、二年以下の懲役または二百万円以下の罰金を科すとされています。 問題の一つは、基地周辺住民の権利と尊厳、人権を踏みにじるおそれがあることであります。 基地があることに不安を抱いている住民、これらに対して監視と処罰の対象にするなど、絶対に許されません。政府は、基地被害の根絶にこそ取り組むべきであり、住民を監視の対象にするなどもってのほかであります。この点、見解を伺います。 二つは、民間の経済活動に与える影響です。 同法の審議を通じて政府は、区域内の土地建物が敬遠され、土地取引価格の下落を招く可能性がある、このことは認める一方で、政府としては補償は予定していないなどと答弁しています。機能阻害行為とは全く無縁の住民が経済的不利益を被ることなど許されませんが、見解を伺います。 戦前、要塞地帯法や治安維持法、軍機保護法など一連の治安立法を制定をして、国民の自由を奪う、そして戦争へと駆り立てていった、あの歴史の教訓を思い起こされます。県としては、区域指定については、毅然として反対の意を示すべきですが、この点も伺います。 質問の第三は、介護保険制度について。 介護保険の第九期事業計画が新年度からスタートします。今回の改定に当たり、政府が目指した利用料の二割、三割負担の対象拡大や要介護の生活支援サービス等の総合事業移行などの改悪に対しては、反対意見が相次いで見送られましたが、問題は山積しています。 一つは、介護保険料であります。 介護保険がスタートした二○○○年の保険料平均基準月額は二千九百十一円でしたが、今年度は六千十四円と二倍にもなっています。 一方、年金平均受給月額は、同年の十七万五千八百六十五円から一九年は十四万四千二百六十八円と三万一千五百九十七円、一八%も減っています。年金に頼っている高齢者にとっては大変な負担増ではありませんか、お尋ねします。 第九期の保険料に関して、国は現在、低所得者の保険料軽減に充当されている公費約三百八十二億円を削減をして、その分を高齢者の保険料負担に置き換えました。 一方、現行九段階の標準段階を十三段階まで拡大をして、上乗せされた十から十三段階については、乗率を一・九から二・四倍に引き上げ、その分を低所得者軽減に充てるという見直しを行いました。国庫負担を削減するために、国民の負担を増やしていく改悪そのものではありませんか、この点も伺います。 介護保険会計には介護給付費準備基金が設けられ、市町が各年度の剰余金を積み立ててきた、その総額は二一年度末時点で百二十二億円にも達していました。この基金については、国も最終年度の残額は次期保険料を見込むに当たり、取り崩すことを基本的な考え方としています。 第九期の保険料算定に当たっては、各市町もこの基本的な考え方に沿った対応をして、保険料の据置き、軽減に努力すべきと考えますが、県の見解を伺います。 二つは、介護報酬の改定であります。 厚労省は、同省が実施した二○二三年度介護事業経営実態調査で、全介護サービス平均の収支差率、いわゆる利益率が二・四%なのに比べて、訪問介護の平均収支差率は七・八%と高いことを挙げて、資料二のように訪問介護の基本報酬を二、三%引き下げることを計画しています。 しかし、しんぶん赤旗の編集部が厚労省から入手した同調査結果資料によると、訪問介護事業所のうち収支差率がゼロ%未満が三六・七%あることが分かりました。この比率からすると、山口県内でも赤字の訪問介護事業所が三分の一以上ある可能性が十分あります。 訪問介護の基本報酬が引き下げられれば、事業継続が困難になる事業所が生まれるのではないでしょうか。訪問介護の基本報酬の引下げは撤回を求めるべきですが、それぞれお尋ねをいたします。 質問の第四、中国電力の経営方針と株主としての対応について伺います。 中国電力は、上関町への使用済核燃料中間貯蔵施設の建設計画を進めるだけではなく、原発新設も諦めてはいません。 こうした経営方針を持つ中国電力の大株主である山口県は、昨年六月の株主総会においても、議決権行使書を白紙で提出をして、事実上、中電の経営方針に賛同の意を示されています。 昨年十一月議会の総務企画委員会で、この問題を取り上げ、せめて棄権すべきと質問したのに対して、財政課長は、棄権は大株主である県の行動が中国電力の信用ですとか、経営に対して影響を及ぼすおそれがあるから白紙で出しているなど、答弁をされました。 過去の知事答弁を調べたところ、二○一一年八月、当時の二井知事は、経営への参画とは、株主総会に出席をして個別具体的に発言することと考えていると答えています。山口県はいつからこの方針を変えたのでしょうか、お尋ねをいたします。 この知事答弁が生きているならば、議決権行使書を棄権としても何ら問題はないと考えますが、見解を伺います。 質問の第五は、米軍岩国基地問題について伺います。 一つは、オスプレイの運用についてです。 アメリカメディアは三月一日、米国防総省がオスプレイの飛行停止を来週にも解除すると報じました。今朝九時半、アメリカから飛行再開を打診されたことについて、木原防衛大臣が明らかにしています。 昨年十一月二十九日、鹿児島県屋久島沖で横田基地所属のCV22オスプレイが墜落をして、乗組員八人全員が死亡した事故を受けて、米軍は十二月六日から海兵隊、空軍、海軍のオスプレイ全機の飛行を停止していました。 報道では、事故原因と再発防止策が特定されたかどうかは明らかになっていません。アメリカNBCのテレビは二月十九日、プロペラのギアボックスに不具合が生じた可能性が高いと報じましたが、その翌日、米空軍が機体の故障部位を特定したものの、故障の原因は明らかになっていないと表明したばかりであります。 オスプレイの機体構造の核心部分はブラックボックスとなっています。日本側は情報を持ち得ていないと見られます。米側の説明をうのみにして、主体的な検証なしに飛行再開を容認することは絶対に許されません。見解を伺います。 二つは、空中給油訓練について伺います。 米軍岩国基地の海兵隊所属のKC130空中給油機が、昨年十二月五日正午頃、島根県浜田市中心部の住宅地上空で、同基地所属と見られているFA18ホーネット戦闘攻撃機への空中給油を行ったと見られることが明らかになりました。 同基地所属のKC130の空中給油をめぐっては、二○一八年に高知県沖で訓練中のFA18ホーネットと接触をして墜落をする事故が起きています。空中給油訓練については、二○一七年に稲田防衛大臣が、日米間で、今後とも空中給油訓練は陸地から遠く離れた海域の上空でしか実施せず、陸地の上空では実施しないことを確認したと述べ、二○二二年五月にも、岸信夫防衛大臣が、米軍の空中給油訓練に関しましては、陸地から離れた海域の上空で行うという認識を過去に日米間で確認をしておりますと明言をしています。 今回の空中給油は、所属する岩国基地からの距離を考慮すれば訓練の可能性が高く、日米合意に全く反する行為であります。市民・県民に不安を与える行為は、断じて容認することはできません。県の認識とどう対応されたのか、お尋ねします。 三つは、米兵・軍属による犯罪・事故について伺います。 在日米海兵隊基地がある岩国市では、昨年、飲酒を伴う米軍人の事件・事故が相次ぎました。 在日米海兵隊は、昨年十二月十一日、リバティー制度、外出制限の変更を公表しています。 一つ、伍長以下の者が施設・区域外において飲酒する場合には、同伴者を伴うことを義務化する。二、全ての軍人は、午前一時から午前五時まで飲酒できる店舗への滞在は禁止するなどの内容であります。 こうした米軍の対応を県はどう認識されているのか、お尋ねいたします。 質問の最後は、朝鮮学校についてであります。 二○二三年四月一日より、こども基本法が施行されました。 このこども基本法は、日本も一九九四年に批准をした子どもの権利条約の原則である、一、人種や国籍、性、意見、障害、経済などいかなる理由でも差別をされない、差別の禁止。これと、命が守られ、能力を十分伸ばして成長できるよう支援をしていくなど、生存権、教育権、発達権などを基本理念に、子供が将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会を目指すことを目的にしたものであります。 しかし、日本、とりわけ山口県の朝鮮学校に対する政策は、こども基本法の理念から程遠い状況であります。 この間、山口県は、朝鮮学校への補助金を停止する中で、国連子どもの権利委員会などから度々是正勧告が出されてきました。保護者が納税義務を果たしているにもかかわらず、子供の学ぶ権利が保障されないどころか、奪ってきたのが山口県であります。 拉致問題や核・ミサイル開発について、朝鮮学校やその児童生徒には何の責任もありません。 理解をできない、しない県民がいるならば、その誤解や偏見をなくしていく努力をする、この責任を負っているのは山口県ではないですか。 こども基本法の基本理念である子どもの権利条約は、民族的マイノリティーの子供の自己の文化を享有する権利を保障し、子供に対するあらゆる差別の禁止をうたっており、民族教育は、まさに人権に関わる問題であります。この子供には、朝鮮学校の児童生徒は含まれていないのか、改めてお尋ねをします。 こども基本法が制定された今、全ての子供たちの学習を保障する観点から、朝鮮学校への児童生徒を持つ保護者に対する支援も行う。少なくとも補助金の復活を行うことは、山口県が取るべき当然の責務ではないでしょうか。 以上お尋ねして、私の第一質問といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは地域交通に係る施策の拡充についてのお尋ねにお答えします。 地域公共交通は、通勤や通学、通院など県民の日常生活はもとより、地域の経済活動やまちづくりなどを支える重要な基盤ですが、利用者の減少や運転士不足等により、バス路線の廃止や減便が進行するなど、厳しい環境に置かれています。 このため、県では、市町との役割分担の下、複数市町にまたがる幹線バス路線に対し、運行経費の支援を行うとともに、市町や事業者の意見調整を行うなど、広域調整の役割を果たしているところです。 また、地域の公共交通施策の中心的な役割を担う市町に対し、県も参画している地域公共交通会議等の場で、コミュニティーバスやデマンド型交通の運行など、地域の実情に即した交通体系への見直しなどについて助言を行うとともに、その導入や運行に対し支援しているところです。 さらに来年度からは、運転士不足に対応するため、官民一体となって取組を推進する連携協議会を設置するとともに、バス運転士に特化した求人サイトでのPRや、事業者の採用力強化を図るセミナーの開催など、県内外から運転士を確保する取組を推進することとしています。 私は、今後とも、国や市町、交通事業者等と緊密に連携し、地域住民の日常生活に不可欠な地域交通の維持・確保に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)地域交通政策に関し、政策の基本に交通権イコール人権という理念を置くことが重要とのお尋ねにお答えします。 いわゆる交通権を人権と位置づけるかどうかについては、憲法の解釈に関わるものであることから、国において議論されるべきものと考えています。 そうした中で、交通政策基本法では、交通政策の推進について、国民等の交通に対する基本的な需要が適切に充足されることが重要であるという基本的認識の下に行われなければならないとされており、県としても、こうした考えに基づき、施策を推進しているところです。 議長(柳居俊学君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)土地利用規制法についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、区域の指定により、住民を監視の対象とするのではないかとのお尋ねについてです。 重要土地等調査法は、防衛関連施設などの重要施設の周辺区域内にある土地等が、施設の機能阻害行為の用に供されることを防止し、国民生活の基盤の維持と我が国の安全保障に寄与することを目的とするもので、住民の監視を目的としたものではないと承知しています。 土地等利用状況調査においても、思想や信条等に係る情報を含め、土地等の利用に関連しない情報を収集することはないとされています。 次に、区域指定により住民が経済的不利益を被ることは許されないのではないか、また、県として、区域指定に反対すべきではないかとのお尋ねについてです。 この法律の運用に当たっては、国民の自由と権利を不当に制限することがないよう留意するとされ、区域指定についても、基本方針で、安全保障の確保と経済活動の両立の観点から、合理的かつやむを得ない範囲に限定するとされています。 県としては、重要土地等調査法に基づく区域指定等の措置については、国において、法や基本方針にのっとり、適正に運用されるものと考えています。したがいまして、区域指定に反対する考えはありません。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)介護保険制度についての数点のお尋ねにまとめてお答えします。 介護保険料や介護報酬などの介護保険制度については、その給付と負担の在り方を含め、国の責任において十分な議論の下、制度設計されるべきものと認識しています。 この制度の下、具体的な介護保険料の設定については、次期介護保険事業計画の中で、保険給付に要する費用等を見込んだ上で、保険者である市町において行われるものと考えています。 また、このたびの介護報酬の改定については、国において十分審議・検討した上で示されたものと認識しており、このうち訪問介護については、基本報酬が見直される一方で、処遇改善加算は高い加算率が設定されています。 県としては、管理者向けの研修、専門的な相談員の派遣等を通じて、こうした加算制度の周知や助言を行い、引き続き事業者の支援に努めていくこととしており、個別の介護サービスに係る報酬について国に要望することは考えていません。 次に、朝鮮学校についてのお尋ねのうち、こども基本法の子供には、朝鮮学校の児童生徒は含まれていないのかについてお答えします。 こども基本法の子供には、朝鮮学校の児童生徒は含まれるものと解されます。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)中国電力の経営方針と株主としての対応についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、株主総会への対応方針について、県は、これまでも株主の立場として、一貫して株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢を堅持し対応してきました。 このような基本姿勢の下、県は、株主として中立的な態度を明示するため、株主総会は欠席し、議決権行使書は白紙で提出しているところであり、平成二十三年八月に当時の二井元知事が答弁した時期から県の方針に変わりはありません。 次に、棄権については、大株主である県の行動が中国電力の信用や経営に影響を及ぼすおそれがあることから、例年、議決権行使書を白紙で提出しているところです。 次に、朝鮮学校に関する御質問のうち、補助金の復活についてのお尋ねにお答えします。 県としては、国際条約やこども基本法が求める子供の人権や学ぶ権利は尊重すべきものと考えていますが、朝鮮学校への補助金については、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないと判断しており、補助金を予算計上することは考えていません。 議長(柳居俊学君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)米軍岩国基地問題についての三点のお尋ねのうち、まず、オスプレイの運用についてお答えします。 県では、基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会を通じ、既に米軍の全てのオスプレイについて安全が確認されるまで飛行を停止することを国に求めているところです。 また、国において、米側との間で事故の状況、安全対策等について確認作業が行われていることや、防衛大臣が、一昨日、これまでのところ、米側から日本国内のオスプレイの運用に関する事前調整は来ていないと発言されていることを承知しています。 県としては、引き続き、国の確認作業等に関する情報収集に努め、問題があれば、地元市町と連携して適切に対応してまいります。 次に、空中給油訓練についてです。 浜田市上空における岩国基地所属機に関する報道を受け、国に照会したところ、米軍機の個々の運用の内容や飛行ルート等については、米軍の運用に関する事項であるため、防衛省として必ずしも承知していないとの回答を得ているところであり、現時点で事実関係が確認できていない状況です。 一方、県では、どのような名称や形態の飛行訓練であれ、住民に不安や危険を及ぼすような訓練は行われてはならないと考えており、これまでも、渉外知事会を通じ、重大な事故につながるおそれがある訓練の実態を明らかにし、このような飛行が行われないよう措置することを要望しているところです。 いずれにしても、県としては、航空機の運用や飛行実態等について、引き続き、地元市町と連携して状況を把握し、問題があれば、国や米側に対し必要な対応を求めてまいります。 次に、米兵・軍属による犯罪・事故についてです。 県では、これまで、政府要望をはじめ、あらゆる機会を通じて、米軍人等の事件・事故の防止に向けた規律の厳正な保持や教育訓練の徹底などについて、国や米側に対し要請しているところです。 こうした中、米軍自らが、米軍人等による事件・事故の防止を図るため、昨年十二月に勤務時間外行動の指針、いわゆるリバティー制度の改定が実施されたものと受け止めています。 議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 交通政策ですが、今、公共交通による通院や買物、通勤や通学など、移動の自由に支障を来す地域が県内各地に広がっています。移動の自由、すなわち交通権を人権の一つと位置づけることで、交通権を保障するために県や市町が果たすべき役割が一層明確になります。 少子高齢化による人口減が劇的に進む山口県にとって、地域交通の維持と充実は大きな課題であります。 交通権を保障するために必要な施策を市町と協力して明確にする。そして市町の取組を全力で支援し推進すべきと考えますが、改めて答弁を求めます。 介護保険について、介護報酬の改定について伺います。 昨年の訪問介護事業者の倒産は、過去最多を大幅に上回る六十七件にも及んでいます。このまま訪問介護の報酬引下げが進めば、特に中山間地の小規模な訪問介護事業者は、倒産・廃業を余儀なくされ、介護難民を生んでいくことになりかねません。 訪問介護の報酬引下げに対し、国に見直し・再検討を求めることは県の責任と考えますが、答弁を求めます。 土地利用規制法についてですが、国は、私権の制限につながるにもかかわらず、地域住民への説明会を行わないとしており、あまりにも不誠実・強権的な対応であります。住民から出た意見に対し真摯に対応するよう、国に厳しく求めるべきであります。 また、指定された地域では、財産権やプライバシー権利の侵害や制限など影響が出ると考えますが、県の認識を伺います。 戦前、下関は、野戦重砲兵連隊が置かれて、要塞地帯法、軍機保護法で縛られた挙げ句、相次ぐ空襲で焼け野原になった歴史を持っています。 また、あの治安維持法では、小林多喜二や山口県出身の二十四歳の乙女、田中サガヨさん、河合喜代さんの親戚でありますが、多くの日本共産党員が弾圧・虐殺をされた歴史を持っています。 この点では、皇紀二六八六年、万世一系の天皇制などと、戦前の絶対主義的天皇制と軍国主義を懐かしむ向きもありますが、そこで行われたのは野蛮な侵略戦争と植民地支配であったことは、歴史的事実であります。 こうした過ちを二度と繰り返さないためにも、憲法で保障された財産権や人権侵害に対する国家からの侵害・制限は絶対に許さないという姿勢こそが、地方自治体に求められているのではないでしょうか、見解を伺います。 岩国基地問題で、オスプレイの問題では、在日米軍は普天間基地と横田基地に約三十機のオスプレイを配備し、自衛隊も十四機、木更津に暫定配備しています。 岩国基地はそのオスプレイの中継拠点の役割を担わされており、それだけに昨年十一月の屋久島沖での墜落事故は人ごとではないと考えますが、いかがでしょうか。 その上で、航空機の機体の安全性について、県は、度々、専門的な知見を有する国の責任において判断されるなどと繰り返されていますが、さきにも触れましたが、国産機ならまだしも、米軍機の機体構造の核心部分はブラックボックスだらけで、県は何をもって国は専門的な知見を有していると認識されているのか理解に苦しみますが、この点お尋ねします。 オスプレイは、米側もギアボックスに構造的な欠陥があると公表し、部品交換などでごまかし続けた末に十一月の墜落であります。欠陥機オスプレイは、飛行再開を絶対許さず、国内の配備機全てを撤去するよう求めるべきでありますが、県の見解を伺います。 KC130、空中給油については、訓練か否かが一つの問題であります。岩国と浜田の直線距離は僅か八十二キロしかありません。岩国基地から飛び立っているのなら、訓練と考えるのが常識ではありませんか、伺います。 KC130は七千ガロン、約三万二千リットルの航空燃料を搭載できる空飛ぶガソリンスタンドです。訓練か否かを問わず、まかり間違って地上にでも墜落をすれば、大事故・大惨事となります。 岩国出身の岸防衛大臣が、陸から離れた海域の上空で行うことを日米間で確認していると大見えを切ったにもかかわらず、これが無残に裏切られている。訓練だけではなく、実際の給油についても陸地の上空での実施は絶対に禁止されるべきですが、伺います。 この点では、岩国日米協議会の開催の問題があります。一九七一年二月に発足した岩国日米協議会は、多岐にわたる基地がもたらす諸問題に関して協議が行われ、その都度確認された内容を議事録として残す。このうち、航空機の飛行に関する規制等について整理をしたものを確認事項としています。 最後に開催されたのは、たしか一九九一年五月、三十年以上開かれていません。 この間、岩国基地は、沖合移設の完了、空母艦載機の移駐、F35Bの配備、外来機の一時配備、大型艦船の相次ぐ寄港、燃料タンクの五倍化、米兵犯罪の急増など大変貌を遂げ、文字どおり基地がもたらす諸問題は山積しています。 その都度協議しているなどと言われますが、協議会で山積する課題を議論をして、住民の安全と安心を守るために新たなルールを確認事項に盛り込むべきであります。直ちに開催を検討すべきですが、見解を求めます。 中電株主総会は、知事の意向に背いてミスリードをした財政当局の責任は重大であります。 とりわけ、昨年の株主総会では、中電は昨年四月に、二○二三年アクションプランを発表し、二○五○年カーボンニュートラルに向けて島根二号機・三号機の稼働と、二○五○年までに上関を目指すと露骨な原発推進を宣言している中で、白紙で提出。百三十万県民の共有財産である三千四百万株の議決権行使を白紙で提出し、中電経営方針にもろ手を挙げて賛成した責任は極めて重大です。この点について、改めてその責任を問いたいと思います。 最後に、朝鮮学校補助金問題では、山口県に今問われているのは、こども基本法の基本理念である差別の禁止にあがなって、引き続き官製ヘイトを続けるか、こういうことであります。 人間の尊厳をうたった憲法十三条や、法の下の平等、憲法十四条をもじゅうりんをする。さらには、地方自治法で明記された住民の福祉の増進を、立派な山口県民である在日コリアンを排除するなど、恥ずべき官製ヘイトはもうやめるべきではないか。この点も伺って、第二質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)地域交通政策についての再質問にお答えします。 交通権を人権の一つに位置づけ、必要な施策を市町と協力して明確にし、市町の取組を支援すべきとのお尋ねでした。 御指摘のいわゆる交通権を人権と位置づけるかどうかについては、憲法の解釈に関わるものであることから、国において議論されるべきものと考えておりますが、いずれにいたしましても、県としては、引き続き、交通政策基本法に示された基本的認識の下で、市町と連携して地域公共交通の維持・確保に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)介護保険制度について、訪問介護の報酬引下げに対し、国に見直し・再検討を求めるべきとの御質問でございます。 先ほども答弁させていただきましたとおり、介護報酬などの介護保険制度については、その給付と負担の在り方を含め、国の責任において十分な議論の下、制度設計されるべきものと認識しており、県としては、個別の介護サービスに係る報酬等について、国に見直し等を求めることは考えておりません。 議長(柳居俊学君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)土地利用規制法に係る再質問にお答えをいたします。 まず、私権制限につながるので、住民意見に対応するよう国に求めるべきとのお尋ねですが、先ほども御答弁しましたけれども、法律の運用に当たっては国民の自由と権利を不当に制限することがないよう留意するとされております。 県としては、国において適正に運用されるものと考えており、お尋ねのような対応を国に求める考えはありません。 なお、国においては、法の趣旨などについてホームページに掲載するなどして周知されているほか、コールセンターも設置され、住民からの問合せにも対応されているものと承知をしております。 次に、指定された区域では、財産権の侵害などの影響が出るのではないか、また財産権などの侵害・制限を許さない姿勢が県に求められるとのお尋ねですが、重要土地等調査法に基づく措置については、区域内にある土地等が機能阻害行為の用に供されることを防止するために、必要な最小限度のものとなるように実施するとされており、法や基本方針にのっとり、国において適正に運用されるものと考えています。 議長(柳居俊学君)近藤総務部理事。 〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 総務部理事(近藤和彦君)米軍岩国基地問題についての数点の再質問にお答えします。 まず最初に、昨年十一月の屋久島沖での墜落事故は人ごとではないと考えるがいかがかということでございましたが、オスプレイは岩国基地配備機ではありませんけれども、度々飛来してきており、今回の墜落事故は基地周辺住民に大きな不安を与えたものと考えています。 このため県では、渉外知事会や山口県基地関係県市町連絡協議会を通じて、国に対し事故に関する情報提供や安全対策等を米側に求めることを要請したところです。 次に、オスプレイに関して、県は何をもって国は専門的な知見を有していると理解しているのかというお尋ねでした。 国は、自衛隊でオスプレイを実際に導入して運用していますことから、機体の安全性について専門的な知見を有しているものと考えています。 次に、オスプレイは飛行再開を許さず、国内の配備機全てを撤去するよう求めるべきだというお尋ねです。 オスプレイは岩国基地配備機ではありませんが、度々飛来してくることから、問題がある都度、これまでも国に対し、地元市町と連携して機体の整備や安全運用の徹底など必要な要請をしているところです。 一方、オスプレイを含む航空機の安全性については、専門的な知見を有する国の責任において確保されるべきものであり、国内の配備機全ての撤去を求める考えはありません。 次に、浜田市上空での岩国基地所属機のことについて、空中給油訓練と考えるのが常識ではないかというお尋ねでございました。繰り返しになりますけれども、国からは、米軍機の個々の運用の内容や飛行ルート等については、米軍の運用に関する事項であるため防衛省として必ずしも承知していないと聞いておりまして、事実関係が確認できていないことから、訓練かどうかをお答えすることは困難です。 次に、岸防衛大臣の発言を御紹介されて、空中給油の関係が陸地の上空での実施は絶対に禁止させるべきだとのお尋ねです。 繰り返しになりますけれども、国からは、米軍機の個々の運用の内容やルート等については、米軍の運用に関する事項であるため、防衛省として必ずしも承知しないということですので、お答えすることは困難ですけれども、その上で国からは、空中給油訓練は陸地から離れた海域の上空でしか実施せず、陸地の上空では実施しないことを米側との間で確認している認識に変わりはないとの説明を受けていますので、適切に実施されているものと考えています。 最後に、日米協議会の開催を検討すべきではないかというお尋ねでございました。 この岩国日米協議会は、平成三年五月以降開催されていないものの、随時米軍とも情報交換、意見交換、それから運用についての協議などを実施し、現在も地元岩国市と連携し、様々な機会を捉え、その時々の重要な課題について、協議や要請を積み重ね、適切に対応しているところです。 こうしたことから、協議会の開催や確認事項の見直しがなくても、対応に支障が生じるものではないと考えておりますけれども、今後とも確認事項の在り方につきましては、地元岩国市の意向を尊重しながら適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)二点の再質問にお答えします。 まず、県の株主総会への対応についてですが、県はこれまでも一貫して、株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営に関する提案や総会で発言を行うなど、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢を堅持し、対応してきました。 こうした考えの下、株主総会への対応については、株主として中立的な態度を明示するため、総会を欠席し、議決権行使書は白紙で提出しているところであり、これまでの基本姿勢を踏まえた適切な対応であると考えています。 次に、朝鮮学校補助金についてです。 朝鮮学校補助金については、県民との相互理解の増進を図ることを目的として交付してきたものですが、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外とした国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、県として現時点では県民の理解が得られないと判断しているものです。こうしたことから、官製ヘイト等々、様々な御指摘がありましたけれども、御指摘は当たらないものと考えています。 議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 朝鮮学校問題です。こども基本法の四原則の要、差別の禁止は、子供自身だけではなく、親の人種などいかなる理由でも差別されないというものであります。 知事の子育て支援策は、全国トップレベルの不妊治療対策などを評価するものですが、何よりも今、在日四世を育てている在日三世のオモニの皆さんへの子育て支援をしっかりやる。そして、こども基本法の根本理念に沿って、朝鮮学校への補助金を今こそ復活させるべきであります。 以上、答弁を求めまして、私の一般質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)朝鮮学校補助金についての再々質問にお答えします。 県としては、こども基本法の理念は尊重すべきものと考えていますが、朝鮮学校への補助金については、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、現時点では補助金の支給は県民の理解を得られないと判断しており、補助金を予算計上することは考えていません。