討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、持ち時間の範囲内において、発言を許します。 藤本一規君。 〔藤本一規君登壇〕(拍手) 藤本一規君 日本共産党を代表して、議案第六十四号 教育長の任命についてに対する反対討論を行います。 なお、議案第六十五号 教育委員会の委員の任命については賛成いたします。 議案第六十四号は、現教育長である繁吉健志氏を再任するものです。 再任に反対する第一の理由は、繁吉教育長が進める教育施策が児童生徒や教員、ひいては県民の願いに反するものになっているという点です。 一つは、全国でも誇れる施策であった小中学校の三十五人学級を崩し、今年度、中学校の二年、三年の一部を三十八人学級にしてしまったことです。 私が一般質問で指摘をしたとおり、二二年度と今年度を比較すると、加配教員は実に二百五十二人、担任教員は四十七人減っています。全国的な課題ではありますが、いかに山口県の教育現場が多忙を極めていることが、主な原因だと思います。 これも一般質問で指摘をしましたが、県教委は、時間外在校等時間が年三百六十時間を超える教員の割合をゼロに近づける目標を掲げていますが、二二年度、年三百六十時間を超える教員は中学校で実に七割超、小学校でも六割超となっている実態は、一刻の放置も許されません。必要な教員を確保できない教育長の結果責任は重大です。 二つは、県立高校再編の強行です。 繁吉教育長の下で、県立高校再編整備計画前期実施計画が強行されました。宇部西高校の募集停止案には、県教委に存続を求める署名が実に二万九百十筆、提出されました。高森みどり中学校の募集停止案には、存続を求める署名が実に一万八百五十筆、県教委に提出をされました。 さらに、周南・柳井地域の県立学校五校を二校に再編統合する計画に対しても、地元コミュニティー団体から県立熊毛北高校の存続を求める請願が提出されました。 これらの県立学校の再編整備案に係るパブリックコメントには、県立学校の存続を求める声が数多く寄せられましたが、県教委はこの声を顧みることなく、再編整備を強行しようとしています。 また、近隣他県と比較してみましょう。まず、県民の意見を聞いて、当初計画を見直している広島県、愛媛県の教育委員会の姿勢と対比して、当初案に固執する山口県教委のかたくなさは際立っています。 さらに、基本的に高校再編統合を行わない方針の鳥取県や、地域再生を見据えて、地域住民と一緒に小規模校を存続させている島根県の教育委員会の姿勢と対比しても、望ましい学校規模、一学年四から八学級の基準を機械的に当てはめ、問答無用に統廃合を強行する山口県教委の高圧的な姿勢は際立っています。 その一方で、周南・柳井地域にある周防大島高校は、地理的条件を総合的に勘案して、再編統合の対象から外した繁吉教育長の姿勢は、著しく公平さを欠く判断と言わざるを得ません。 存続を求める数多くの地元住民や子供たちの声に耳を傾けることなく、中山間地域の県立学校の統廃合を強行した教育長の姿勢は、地域創生や地域再生にも逆行するものだと、厳しく指摘をせざるを得ません。 再任に反対をする第二の理由は、繁吉教育長は県政野党に属する議員による質問に対しては、意図的に答弁を行わないことです。 私は、県議会議員を通算二十一年務めておりますけれども、過去、藤井氏、田邉氏、浅原氏の歴代教育長からは、何度も丁寧な御答弁を頂いてきましたが、繁吉教育長が就任したこの三年間、一回も答弁を頂いたことはありません。 教育次長が参与員に加わった二〇一五年以前は、教育行政に係る質問には例外なく、教育長が答弁に立たれてきました。教育行政に係る責任者は教育長以外にはおらず、副教育長が参与員に加わったことをもって、教育長が全く答弁に立たないことを合理化することはできません。 ちょうど約二年ぐらい前に、県政野党に属する議員がそろって、差別は許されないと県教委に改善を求めた際に、県教委は、大局的な観点からの教育長の所見や教育委員会の方向性を尋ねられたら教育長が答える。そして、それ以外は副教育長が答弁を行っていると説明されました。 しかし、その後も一部の例外はあるものの、趣旨が同じ質問であっても、また教育長に所見を求めても、県政与党には教育長が、県政野党には副教育長が答弁を行っています。こうした教育委員会の姿勢は、議員平等の原則をないがしろにするものです。 以上、指摘をした理由をもって、繁吉教育長の再任に反対をいたします。今後は県政に対する姿勢は問わず、議員平等の原則を尊重して、教育行政に係る答弁はできるだけ教育長が行う姿勢が貫かれることを願って、繁吉健志教育長の再任に反対する討論といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。