1 能登半島地震から学ぶ取組について 2 ダルクについて 3 DXを活用した道路管理義務遂行について 4 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第八十三号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第八十三号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 皆様、おはようございます。県民の誇りを育む会、松浦多紋でございます。 まずもって、本年元日、発災いたしました能登半島地震によりお亡くなりになられました皆様に、衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、御自身のけがや家財などに甚大な被害に遭われていらっしゃる方に、お見舞いを申し上げます。一日も早く北陸地方の復旧が終わりますことを祈念申し上げます。 また、発災後、自衛隊、警察、消防の皆様による危険を顧みない救援活動や、医療機関や山口県職員をはじめとされます公務員の皆様、また、大勢のボランティアの皆様に敬意と感謝を申し上げ、通告に従い、一般質問を始めさせていただきます。 まず、能登半島地震から学ぶ取組についてです。 本年二月七日に気象庁地震火山部が南海トラフ地震関連解説情報を発表しています。今後三十年以内にマグニチュード八からマグニチュード九クラスの地震が七○%から八○%の確率で発生するとのことです。 震源地によっても山口県に及ぶ震度は様々ですが、最大震度六強と推定されています。もしかしたらもっと強い揺れがある可能性も、また津波による甚大な被害もあるかもしれません。プレート間地震であることから長周期の揺れが続き、液状化被害のほか、高層ビル、石油タンク、長大橋梁などへの影響が大きいとし、大規模な津波も発生するとしています。 また、南海トラフのプレート間地震以外にも、活断層による地震も可能性はゼロではありません。 山口県は、台風などが起因する風、雨、高潮や線状降水帯などによる既に想定を超えた被害は多く経験してきました。しかし、それらの被害は、甚大な被害になる場所は限定的な範囲に収まり、このたび発災した能登半島地震や東日本大震災などに比べると、避難や復旧などは限定的なことが多かったと記憶しておりますが、今後も激甚化する災害に備える必要性をひしひしと感じております。 どのような災害が起こった際も、減災は住民自らが避難する、避難できることであり、そのためには、的確で早い情報の伝達、避難場所の確保と周知、避難の訓練が必要です。加えて、ライフラインの確保、災害対応物資の確保と保存場所が必要となります。 また、行政にお願いすべきことは、情報の把握と広報、関係機関との連携、避難所や救援物資の確保、救助・救急、医療活動体制の確保が重要で、初期の対応次第で被害の大小が決まると言っても過言ではないと思います。 山口県では、防災・減災対策のためのハード面での今までの取組に加え、防災意識の高揚を図るため防災に係る普及啓発を推進、災害福祉支援センターを設置し、災害発生時の災害福祉支援活動の体制を強化、地震・津波被害想定の見直し、国土強靱化地域計画の見直しなど、ソフト面での対策を新たに取り組むなど、今回の能登半島地震や東日本大震災から学びましたことを、令和六年度予算にしっかり反映していただいていると評価させていただいております。 しかしながら、能登半島地震では、地震発生後に停電や断水が長期間続き、今なお断水による不自由は続いていらっしゃいます。停電により防寒対策、情報収集や情報発信などの不便、断水による衛生環境の悪化など、有事の際、山口県でも取り組むべき課題が見え始めていると思います。 そこでお尋ねいたします。能登半島地震のような状況に備えて、災害用電源の確保、災害用貯水の確保、災害時の情報通信手段の確保について、山口県としてどのように取り組んでいくのか、県の御所見をお聞かせください。 また、このたびの能登半島地震からの復旧への取組は、自衛隊、警察、消防の皆様、医療関係の皆様の御尽力により始まった救命活動と同時に、多くのボランティアの皆様の尽力による面も大きな割合を占めています。現地に入られ、また遠方からの御支援をされている皆様に、改めて敬意を表しますとともに御礼を申し上げる次第です。 このたびの震災では、七万五千戸以上の住宅に被害があり、そのうち危険と判断された家屋は一万三千戸を超え、約五千七百戸が倒壊したそうです。 また、道路の地割れや液状化による車両の埋没、土砂崩れなどによる被害など、人力では太刀打ちできない復旧活動となっています。 そこで注目されているのが、重機ボランティアと呼ばれるパワーショベルや特殊な重機を扱い、災害廃棄物などの撤去をされている方々です。土木建設業や造園業をなりわいとされている方々で構成をされています。 平成十六年の新潟中越地震の際発足した、DRT─JAPANと呼ばれる団体で、神奈川、長野、愛知、山形など全国各地に約二十人が在籍。今回の震災でも、発災直後から甚大な被害が出た石川県輪島市や珠洲市で、道路啓開や倒壊建物の二次災害対応、警察が行っている行方不明者の捜索活動のサポート、不安定建物安定化措置、自衛隊の風呂設営のサポート、車両救出、除雪支援、公道の倒木処理、避難所の支障木撤去などを行っています。 消防や自衛隊とも連携し、自衛隊が持つ大型重機が入れず作業できない場所などで土砂や倒木を撤去するなど、道を開かれ、現在も現地で復旧のため活動されています。 また、私が所属しています防府市消防団では、車両系建設機械運転技能者の登録をするなど、災害に備える取組を始めています。 私は、二○二一年十一月議会におきまして、多発する大規模災害や今後の備えとして、重機免許取得講習を開催し、千名のオペレーターを育成させたいと計画しているnuovoを紹介させていただきました。 荒廃農地を活用し、災害が起こった際の備えとなる技術、農業体験などから安心・安全な食の在り方も学べる施設を造ることは、防災のみならず、荒廃農地の増加という課題を抱える本県の農業振興への有効な手段であり、参考にしやすく、積極的に取り組むべきだと提言いたしました。 激甚化する自然災害や高い確率で発災してしまう可能性のある南海トラフ大地震などの備えに、県として、重機を扱える方々の把握と、重機を扱え災害発生時に対応できる人材を育成するなどの対策も急務であると考えます。 そこでお尋ねいたします。激甚化する自然災害や大規模な被害を受ける震災への備えとして、災害時に対応できる特殊な技術を持ったチームとの連携や、そのチームの人材確保や人材の育成への支援について、どのようなお考えをお持ちなのか、御所見をお聞かせください。 さて、ニューヨークタイムズが発表しました、二○二四年に行くべき五十二か所で、世界各地の旅行先の中で山口市が三番目に選ばれ、山口県では、インバウンド需要を取り込む観光力の強化を令和六年度の新たな取組として様々な取組をされますことは、周辺地域の市町にとりまして非常にタイムリーな取組だと思います。 きっとこれから世界中から多くの方々が山口県に足を運んでくださると期待している一人でもありますし、先月二十三日から二十六日の間の台湾とのチャーター便の際には、私の地元防府市の防府天満宮にも多くの台湾からのお客様がいらっしゃいました。 ニューヨークタイムズの報道から約二か月がたち、これから国内外問わず、多くのお客様が山口県に来県されると期待しております。 内外問わず、他地域から来られる旅行者は天候に関することは事前に予想がつき、装備品の準備などは余裕を持ってすることができると思いますが、震災などの準備はされていないのが実情ではないでしょうか。 多くの旅行者が山口県を訪れている際に、もしも避難などが必要となる地震が起こったら、きっと多くの人々がパニックになられることが予想されます。避難場所はどこなのか、地域の住民も、内外問わず来訪者も被災者には変わりないと思います。 被災者への情報提供とコミュニケーションを円滑に進めることは、発災直後の対応として欠かすことができないことだと思います。特に海外からの来訪者の皆様に対して、多岐にわたる言語で情報提供も必要になると思います。 そこでお尋ねいたします。これから多くの外国人旅行客が増えることが予測されますが、その方たちに対しての災害に対する情報提供などはどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 このたびの能登半島地震でも、また東日本大震災においても被害状況の把握に時間がかかり、正確な状況がつかめない状態が続いたように感じました。 山口県ではDXの推進に力を入れており、様々な分野でその成果を発揮されていらっしゃいます。橋梁やダムのドローンを用いた形状変化の管理など、デジタルの活用先進国と言って過言ではありません。 今までの経験を生かし、緊急を要する災害時にこそ、培ってきたデジタル技術は発揮されるものと思います。 現在では航続飛行時間も長くなったドローンもあり、長時間の飛行、カメラによる調査も可能になっていると伺います。天候にも左右されると思いますが、災害時に被災状況の迅速な把握につながると同時に、復旧開始におけるスピードや復旧方法の検討にもつながると思います。 国土交通省では、災害復旧事業におけるデジタル技術活用の手引案を作成されており、積極的に活用を進めているとのことです。 そこでお尋ねいたします。災害時における被害状況の迅速な把握、早期の復旧計画を立てるため、災害用ドローンに対する県の御所見をお聞かせください。 次に、ダルクについてです。 先日、薬物依存症から立ち直ろうとしている二十一歳の男性の方にお会いし、話を聞かせていただきました。 冒頭、私は薬物依存症ですという衝撃的な一言から始まった話は、彼の生い立ち、育ってきた環境、薬物にはまった話、立ち直るきっかけなど、赤裸々に話を聞かせていただきました。 自ら進んで使った薬物ではなかったにもかかわらず、その環境から抜けられなくなった自分、薬物使用中の自分の挙動、全てを話してくれた若者でした。 そんな彼が自分を取り戻し、心身ともに回復を目指すため入所している場所が、D、ドラッグ、A、アディクション、R、リハビリテーション、C、センター、通称ダルクと呼ばれている場所になります。 昨年十二月現在、全国に約百二十施設、入所者は約四千七百人、通所者は約五千三百人がその場所で社会復帰を目指し、リハビリを受けています。 各施設、独立運営をされており、運営費は利用者負担、寄附、また場所によっては補助金を受けられているそうです。主な活動は、衣食住の生活支援、個別相談やグループワークによる精神的支援、断薬プログラム、再発防止プログラムといった薬物依存からの回復支援が主な活動です。 山口県におけるグルクは、二○二二年九月二十八日に開設され、山陽小野田市埴生で活動されています。 四LDKに九名で集団生活を行い、一日も早い社会復帰を目指し、地域活動も取り入れながらプログラムを行っています。 依存症の方は、一人でいると生活のリズムが崩れ、依存状態に逆戻りしてしまう傾向があると言われ、集団生活をすることで規則正しい生活習慣を身につけることが可能と言われ、社会復帰への大きな前進と言えます。 そのようなダルクは、薬物依存症者自身が運営する回復支援施設で、資金、人材、制度の三つの支援を必要としています。 山口ダルクは、利用者自身の資金、受給されている生活保護費を投じられる方もいらっしゃったり、個人や企業からの寄附金、食料品や日用品、文房具など物品の寄附により運営されています。 病院や山口県精神保健福祉センター、山口保護観察所、矯正施設などと連携を図り、当事者同士の支え合いをし、長期的な視点で利用者の社会復帰を支援しており、医療・福祉サービスへのアクセス向上、就労支援の充実や行政機関が連携し、情報共有や共同事業を行うことで、より効果的な支援体制の構築が可能となります。 厚生労働省も依存症対策を行っており、薬物依存症に関する問題に取り組む民間団体支援事業では、都道府県や政令指定都市が窓口となり、問題の改善に取り組む民間団体の活動に対し、金銭的・技術的な支援を行っているそうです。 山口ダルクで生活をしている利用者は、出身地は様々ですが、社会復帰をここ山口県でできることを目指し生活を送られています。 そこでお尋ねをいたします。薬物依存症者が強い意志を持ち、自らを生まれ変わろうと取り組んでいる活動に対し、今後、山口県としてどのように寄り添い、手を差し伸べていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、DXを活用した道路管理義務遂行についてです。 議案の中に示された、損害賠償の額を定めることに関する専決処分というものがあります。今回の二月議会にも十七件上程されております。 令和五年に行われました臨時議会を含む五回の議会において、何件の専決処分が行われたか、皆様御存じでしょうか。 金額の大小にかかわらず、七十七件の専決処分が行われております。そのうち県が管理する道路、国道や県道等で起こった案件が四十件、半分以上を占めておりますが、その四十件のうち、落石や隣接する土地からの倒竹木などを除くと、二十三件は道路に空いてしまった穴によるものでした。 老朽化したアスファルトに穴が空き、最初は小さな穴かもしれませんが、時間の経過とともに走行している車を破損してしまうような大きな穴になってしまう。その賠償額は、県の財政にとりまして侮れないものではないでしょうか。 昨年一年間の山口県行政における、穴による損害被害は全てが四輪の自動車でしたので大事故にはつながりませんでしたが、他県では平成二十七年三月二十四日、路面に直径約二十センチ、深さ五センチの穴が空き、オートバイが転倒して運転者が負傷した事故があります。管理者である東京都に道路管理義務違反を認め、約三百八十万円の支払いを命じた裁判沙汰にまでなった事例もあります。 道路の穴に限らず、わだちでは、平成二十五年七月三十一日、わだちが深く、車体が大きく揺さぶられたため、車が対向車線にはみ出して衝突した事故。管理者である大阪府に道路管理義務違反を認め、約三千七百万円の支払いを命じられた裁判や、外側線消失では、平成二十六年九月二十五日、外側線が消えていたため、車同士が衝突した事故。管理者である東京都に道路管理義務違反を認め、約二千五百万円の支払いを命じられ、また横断歩道消失では、平成二十八年一月二十八日、横断歩道の標示が消えかかっていたため、歩行者が車にひかれ死亡した事故。管理者である大阪府に道路管理義務違反を認め、約七千八百万円の支払いを命じられるなど、道路管理義務に付随する賠償問題が起こっています。 県内の道路で見られる道路上の穴、わだち、外側線消失、横断歩道消失の一秒でも早い修繕と義務違反にならない適切な管理をすることで、県民の安全はもちろん、損害賠償金の発生などによる急な財政支出の抑制につながり、令和六年度予算で新規取組をされる、スポーツフィールドやまぐち推進事業のサイクルスポーツ環境の整備により、来県する多くのサイクリストたちの安全確保、山口県の安全で美しく整備された道路を求め、さらなる来県に結びつくのではないかと考えます。 安全、そして快適にサイクルスポーツが行える舞台はもちろんですが、県民をはじめ多くの人が行き来する道路の整備は、優先順位に関係なく、迅速に責任を持って行わなければならないと思います。 私は、以前、県道における外側線について質問させていただきましたが、日々のパトロール等による異常箇所の早期発見と速やかな補修を行い、良好な状態に維持するよう努めていますと御答弁いただきました。 山口県が管理されている県道二千八百一・一キロ、国道六百四十八・七キロ、合わせて三千四百四十九・八キロを今以上にしっかりした管理を行い、県民を含む全ての人が安全にかつ快適に利用するため、今以上に徹底した道路の維持管理が必要なのではないでしょうか。 山口県では多様な主体が連携し、デジタル技術を活用して地域課題の解決や新たな価値の創造を図る、官民連携フォーラム「デジテック for YAMAGUCHI」において、会員同士がノウハウや技術等を持ち寄り、県内をフィールドとした実証実験等を行い、新たなソリューションなどの先導的事例の創出を目指す、デジテック・オープンイノベーションに二○二一年度から取り組んでいます。 その取組の中に、下関におけるドラレコデータを活用した道路インフラ維持管理の最適化を目的に、地域の民間企業の車両に搭載されたドライブレコーダーのデータを活用し、AIが自動的に道路損傷を検知することで、下関市内の舗装道路状態を定量的に評価します。 また、さらに市内五地域で実施されている既存の維持管理業務をデータに基づき再評価することにより、業務の最適化に向けた検証を既に始められています。 山口県内を網羅し営業車を走らせている企業様の御協力を頂き、山口県が所有する全ての車に既に始めているシステムを導入することも可能だと思います。 また、県民の皆様に道路の状態を報告してもらい、状況を可視化できるシステムの導入も可能ではないでしょうか。県警察が取り組んでいただいているYPくまっぷや、周南市が導入している周南野犬アプリが参考になると思います。 もちろん、県内に多くいらっしゃるサイクリストの皆様やツーリングをされている方に協力してもらうことで、今以上に道路管理における異常箇所の早期発見につながるはずです。 道路における穴、わだち、外側線などの異常箇所はもちろん、二○二二年十二月末の数字ですが、二千五百十七か所の信号機のある横断歩道、五千四百八十か所の信号機のない横断歩道状況把握をすることで、県民の皆様の日常生活での安全確保、子供たちの通学路の安全確保、県内在住、来県されるサイクリストたちの安全、道路上における不備による損害金の抑制につながると思います。 そこに上がってくる情報を真摯に受け止め、何度も聞いてきましたが、優先順位などという言葉を用いることなく、早急に対処できる山口県になれるよう、強くお願いする所存です。 そこでお尋ねいたします。総合企画部が取り組まれているデジタルの力を活用した豊かな社会づくりでの、データ利活用促進事業の山口県オープンデータカタログサイトのシステム更新、機能強化などのため作成されているオープンデータダッシュボードに期待をしております。 官民連携フォーラム「デジテック for YAMAGUCHI」が培ってきたノウハウを、土木建築部また県警察が管理する分野にまで裾野を拡大し、全ての場面、全ての人の安全確保のための取組をするべきだと思いますが、今後の取組に対する御所見をお聞かせください。 質問は以上となりますが、このたびの令和六年度予算におきまして、文化財災害復旧補助事業におきまして、私の地元防府天満宮内にあります大専坊の石垣の崩落の復旧に寄り添っていただきましたことを感謝申し上げます。 また、私は、当選以来、野犬に対して何遍も質問や要望をしてまいりました。このたび、デジタル活用による野犬対策強化事業を新たな取組として予算をつけていただいていることにも、重ねて御礼を申し上げます。 子供たちの登下校をはじめとする生活はもちろん、県民の誰もが安心して生活できる環境が整うことに期待をしております。 最後に、今年度の予算では、交通ネットワークの機能強化を目的に、山口県内を巡る広域観光周遊バスの実証運行を計画されています。 先ほどお礼を申しました防府天満宮は、日本で最初にできた菅原道真公をお祭りする神社として、県内はもちろん、県外や海外からも参拝に訪れる方が多い場所です。 また、日本三天神に数えられ、千年以上続くお祭りもあれば、最近始まったお祭りも四季を通して行われている神社です。そこから徒歩圏内には周防国分寺、国指定名勝である毛利氏庭園や県立農業大学校付近には、東大寺の別院として建立された阿弥陀寺などを有しています。 また、周南市湯野温泉郷は、地域の皆様がTEAM湯野温泉を結成し、国民宿舎であった湯野荘を露天風呂やカフェなどを備えた日帰り温泉施設を中心とした観光拠点施設にリニューアルする取組をされ、魅力ある温泉郷づくりをされています。 令和六年度は新山口を起点としたルートは二つで行う予定ではありますが、ぜひ新山口からのルートに防府天満宮・湯野温泉ルートも前向きに検討していただきますようお願いを申し上げまして、私の一般質問とさせていただきます。 このたびも御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)松浦議員の御質問のうち、私からは、能登半島地震から学ぶ取組に関するDXを活用した被災状況の把握についてのお尋ねにお答えします。 自然災害や突発的な事故などが発生した際には、被災状況の把握や被災者の救出・救助活動などを迅速かつ効果的に展開し、被害拡大の防止や被災地の早期復旧等を図る必要があります。 このため、県では、機動性が高く、危険な被災現場の情報収集も可能なドローンの積極的な活用を進めているところであり、昨年、本県で発生した豪雨災害においても、ドローンを使って被災位置や規模等の情報を収集し、早期に被災状況を把握したところです。 こうした中、能登半島地震では、ドローンが被災者の捜索や被害状況の把握、物資の運搬に活用されるなど、その有用性が確認される一方、天候や電波到達範囲の制約、高度な操縦技術を持つ人材の確保など、運用上の課題も指摘されています。 このため、能登半島地震の検証等を行うため来月設置する地震・津波防災対策検討委員会において、ドローンの活用に関しても様々な角度から検証し、その結果を今後の災害対応に生かしていく考えです。 私は、引き続き、被災状況の迅速な把握等に効果が期待できるドローンを活用し、災害への対応力の強化を進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)能登半島地震から学ぶ取組に関する御質問のうち、発災直後の問題解決についてのお尋ねにお答えします。 まず、災害用電源の確保に向けては、停電発生時に備え、電力会社と協定を締結し、停電復旧に向けた障害物除去作業などに連携して取り組むこととしています。 次に、災害用貯水の確保に向けては、断水発生時に備え、県内市町相互間で応援協定を締結し、被災市町からの要請に基づき、飲料水や資機材の提供、人員の派遣等を迅速に行うほか、必要に応じ自衛隊への災害派遣要請を行うこととしています。 次に、災害時の情報通信手段の確保に向けては、通信手段の途絶時に備え、通信事業者と協定を締結し、通信障害の原因除去作業などに連携して取り組むこととしています。 議長(柳居俊学君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)能登半島地震から学ぶ取組についてのお尋ねのうち、復旧体制の確保についてお答えします。 大規模災害時において、道路、河川等の応急復旧作業が、迅速かつ円滑に実施できるよう、関係団体等との協力体制をあらかじめ構築しておくことが重要です。 このため、県では、建設業協会など、必要な技術・人材・機材を有する県内の関係団体と災害応急対策に関する協定を締結しているところです。 さらに、将来にわたって復旧活動に支障を来すことのないよう、建設産業全体の担い手確保及び人材育成に向け、必要な支援も行っています。 県としては、大規模災害への備えとして、既に必要な技術等を持つ関係団体と連携しており、これまでの大規模災害においても迅速に対応いただいていることから、引き続き、こうした取組を継続していくこととしています。 次に、DXを活用した道路管理義務遂行についてのお尋ねのうち、知事部局の取組についてです。 県では、日々の目視によるパトロールに加え、デジタル技術を活用した施設点検等により、異常箇所を早期に発見し、補修を行うなど、道路を良好な状態に維持するよう努めているところです。 具体的には、車両に搭載したカメラやレーザースキャナーなどを活用し、路面のわだちやひび割れ、区画線の状況などを把握するシステムを導入しており、適切な維持管理につなげています。 加えて、道路利用者から迅速に異常箇所の詳細な情報が得られるよう、国と連携し、スマホアプリの導入を検討しているところです。 また、近年、急速にデジタル化が進展していることから、引き続き、お示しの「デジテック for YAMAGUCHI」における下関市の取組も含め、維持管理におけるデジタル技術を活用した取組の動向を注視することとしています。 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)能登半島地震から学ぶ取組についてのお尋ねのうち、グローバルな情報提供についてお答えします。 災害発生時において、外国人旅行者の安全を確保するためには、災害情報を多言語で迅速かつ確実に届けることが必要です。 このため、県では、地震速報や気象警報などを多言語で情報提供する観光庁の外国人旅行者向けアプリの周知を図るとともに、これらの情報を活用し、県及び国際交流協会のホームページやSNS等により注意喚起を行っているところです。 また、外国人旅行者に通訳サービスを提供している多言語コールセンターを活用し、観光案内所等と連携しながら、公共交通機関の運行状況等に関する情報提供や、宿泊施設等に関する各種相談に対応することとしています。 さらに、大規模災害発生時には、県国際交流協会に災害時多言語支援センターを設置し、外国語にも堪能な災害時外国人サポーターにより、災害の状況や避難場所などの情報提供や避難所でのコミュニケーションの確保など、外国人への支援を円滑に行うこととしています。 県としては、今後も、国や市町、関係機関と連携し、災害時における外国人旅行者への迅速かつ適切な情報提供等に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)ダルクについてのお尋ねにお答えします。 ダルクは、薬物依存症者が、薬物とのつながりを絶ち、社会復帰できるよう、長期間の回復支援プログラムに基づいて共同生活を行う民間リハビリ施設であり、その利用者の断薬率は高いことから、県では、ダルクの活動に対する支援を行っているところです。 具体的には、まず、ダルクが活動の幅を広げ、より充実した回復支援プログラムを提供できるよう、精神保健福祉センターが実施する家族教室で、利用者本人が体験を話す場を提供するとともに、他の依存症支援団体等と取組内容の情報を共有するフォーラムを開催するなどの支援を行っています。 また、薬物依存症者への切れ目のない効果的な支援体制の構築に向けて、県では、依存症対策検討会を設置し、ダルクが、保護観察所、医療機関等の関係団体等と相互に理解を深め、連携強化できるよう支援しているところです。 こうしたダルクの活動についての理解が社会に広まるよう、薬物依存症に関する啓発リーフレットの中で、ダルクの活動も紹介し、様々な県民向け講演会等において配布するとともに、県ホームページに掲載するなど、引き続き、普及啓発に努めてまいります。 県としては、今後とも、薬物依存症に悩む方が回復し、一人でも多く社会復帰されるよう、ダルク等関係団体の活動を支援してまいります。 議長(柳居俊学君)阿久津警察本部長。 〔警察本部長 阿久津正好君登壇〕 警察本部長(阿久津正好君)DXを活用した道路管理義務遂行についてのお尋ねのうち、県警察の取組についてお答えいたします。 横断歩道や停止線などの道路標示については、横断歩行者の安全を確保し、交通事故の防止を図る上で重要な役割を果たしており、適正な維持管理を行っていく必要があります。 県警察におきましては、補修の検討を要する箇所について、警察官の日常の警察活動を通じて行う点検のほか、自治体や道路管理者などからの情報、地域住民の方からの要望を受けて把握しているところであります。 また、その補修については、摩耗状況に応じ、通学路や子供、高齢者の方が使用する施設等を優先して整備等に努めているところであります。 県警察といたしましては、デジタル技術を活用した国や県などの取組の動向を注視しながら、横断歩道等道路標示の適正な維持管理に努めてまいります。