1 魅力あるまちづくりについて 2 山口きらら博記念公園の整備と既存施設の活性化について 3 農業者に寄り添った経営支援について 4 養育費の支払確保に向けた取組について 5 伝統文化を活用した教育の推進について 6 県立高校の魅力ある教育活動について 7 その他
議長(柳居俊学君)有近眞知子さん。 〔有近眞知子さん登壇〕(拍手) 有近眞知子さん 自由民主党会派の有近眞知子です。通告に従い、一般質問させていただきます。 まず、魅力あるまちづくりについてお尋ねします。 私は、まちづくりの重要性について、これまで何度も一般質問で取り上げてきました。 それは、子供も高齢者も、障害のある方も、全ての人が活力に満ち、安心して暮らしていくためには、地域の歴史や風土、身近な地域資源などを生かした個性豊かなまちづくりと、そこから生まれる人と人との絆やつながりがとても大切だと考えているからです。 年始早々起こった能登半島地震で、私は、その思いを一層強くしました。 地理的な条件や厳しい天候も重なり、支援や復旧には想像以上の困難があるようですが、そんな中、早い段階から地域の実情やニーズに対応した迅速な支援活動をされている団体があります。 その団体は、日頃から高齢者や障害者、子育ての支援など福祉事業を核に、地域交流施設の整備・運営など、全国各地で地域コミュニティーの再生に取り組んでおられ、また、そこでのノウハウを生かし、東日本大震災や熊本地震で復旧・復興支援活動に取り組んでこられました。 こうしたまちづくりの取組を、日頃からその地域で実践されていたからこそ、自らの施設を避難所として利用する、福祉の視点を入れた避難所を運営する、孤立地域に物資を搬送するなどの対応が、早い段階から可能になったそうです。 さらに、この団体は仮設住宅の管理運営も担うそうで、こうした地域とつながりが強い団体の活動が、まちを守り、地域を支えようと取り組む活動は、行政の負担を軽減するだけでなく、行政と民間の連携・協働によって早期復興の原動力にもなっています。 ここでもう一つ、地域と行政が一丸となったまちづくりで大きな成果を上げている地域を御紹介します。 広島県の安芸太田町は、人口減少率が県内トップ、高齢化率が五○%を超える典型的な少子・過疎・高齢の町で、町唯一の県立加計高等学校では定員割れが続いておりました。 しかし、こうした状況に危機感を抱いた学校が、町や地域を巻き込み、生徒の地元に対する理解や愛着、誇りを育む、地域にかわいがられる人材育成を積極的に推進した結果、今では県内で最難関の受験倍率を誇る高校に変貌を遂げ、町が整備してきた生徒寮では、北海道から沖縄まで、全国各地から入学してきた多くの生徒が生活しております。 この生徒寮の運営は、町から地域再生推進法人の指定を受け、この地域で交流拠点施設を運営している団体が担っており、寮の食堂は高齢者への配食サービスの調理場も兼ねており、また、寮の交流スペースは地域の方々に貸し出すなど、子供も高齢者も、障害のある方も外国人も、地域の住民と寮で生活する高校生とが交流する場になっています。 私は、本当のまちづくりは、地域の皆さんが地域の未来のために出し合った新しいアイデアが、行政も含めた地域全体の取組として実践されることで初めて実現するもので、そこから人と人との絆やつながりが生まれ、それが地域の魅力につながっていくのだと思います。 そこでお尋ねします。地域の個性を生かした魅力あるまちづくりを県内各地で実現していくため、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、山口きらら博記念公園の整備と既存施設の活性化についてお尋ねします。 県では、山口きらら博記念公園の交流拠点化に向けて、山口きらら博記念公園みらいビジョンを近く策定することとされており、整備方針として、心に安らぎや癒やしを与える緑や花の充実、県内外から幅広い世代の人々が集う施設の導入、アウトドアツーリズムの拠点など十項目が掲げられております。 具体的には、フラワーガーデンの整備や複合型アーバンスポーツ施設、キャンプ・グランピング施設の導入のほか、温浴施設や合宿にも利用できる宿泊施設の導入などが盛り込まれています。 一方で、これまでも、県内各地域において、これらの施設と目的を同じくする類似の施設が、行政だけでなく民間によっても設置・運営なされてきた実態があります。 今後、きらら公園の交流拠点化を進めていくに当たっては、こうした既存の施設を活用し、相乗効果が発揮されるよう連携していく視点も重要だと考えます。 例えば、花のある生活や花の楽しみ方の提案を通じて、花の消費拡大を目指すことを目的に県が設置した、やまぐちフラワーランドには、平成十八年の開園以来培ってきた、季節ごとに約百品種十二万本もの花を楽しむためのノウハウが蓄積されています。 また、瀬戸内海、秋吉台、龍宮の潮吹などすばらしい風景地が点在する本県には、八か所の自然公園があり、保護・活用しているところですが、過去に県が整備したキャンプ場等の施設の老朽化が課題となっている地域があるとの声もお聞きしています。 さらに、満天の星空を満喫できる秋吉台や、関門海峡を一望できるロケーション、愛犬と泊まれるドッグラン付オーシャンビュー、地域の個性を生かしたグランピング施設など、既に県内各地で魅力的な施設が営業をされています。 今後、きらら公園の再整備により、県内に元気と活力を創出する拠点の形成が進められると思いますが、それによって、これまで県内各地域で育まれてきた小さな交流拠点が衰退するようなことがあってはなりません。 むしろ、再整備により拠点化するきらら公園を核に、県内各地の小さな点を結び、面として厚みを持たせ、効果的な連携や既存施設の再整備による活性化など、互いに相乗効果を発揮できる取組を進めていく必要があると思います。 そこでお尋ねします。山口きらら博記念公園の交流拠点化に向けた取組を進めるに当たり、県内の既存施設とどう連携し、活性化を図っていかれるのか、御所見をお伺いします。 次に、農業者に寄り添った経営支援についてお尋ねします。 現在開会中の通常国会に、食料・農業・農村基本法改正案が提出されています。 農政の憲法とも呼ばれるこの法律の改正は、平成十一年に施行されて以来初めてで、昨今の世界の食料需給の変動や地球温暖化、国内の人口減少といった変化に対応するため、現行の基本理念を見直し、食料安全保障の確保が明記されています。 この改正案の中で、私が特に注目しているのは、農産物の取引に対して、生産や環境負荷低減のコストが考慮された適正な価格形成を促す視点が明確にされたことです。 具体的な施策や取組の内容についてはこれから議論が進んでいくようですが、今回、国が、適正な価格形成の視点を示したことによって、これからの農業の在り方が大きく変わる契機になると考えています。 国を守るということは農業を守ること、を信条の一つとしている私としては、今回の改正によって、農業を守るための国民的議論や食料安全保障への関心がさらに深まっていくことを期待しています。 一方で、食料安全保障を支える農業者の経営を安定させるためには、適正な価格形成だけでなく、生産コストを低減していく取組も重要であり、この点については、国の議論を待つのではなく、地方においてもその仕組みをつくることは可能であると考えています。 私は、これまで、農業をやめる離農者から新規就農者への農業資材等の円滑な継承や、農業分野における中古資機材の利活用の推進を訴えてきました。 これは、地域資源の有効活用だけでなく、様々な物資の価格が高騰している中にあって、農業経営のコスト低減の観点からも非常に重要だと考えてきたからです。 特に、新規就農者やこれから規模拡大を目指す農業者にとっては、ハード整備に要する経費をいかに下げていくかということが大きな課題であるにもかかわらず、これまで、国や県の補助事業の対象が主に新品の施設や機械に限定され、まだ十分に活用できる状態の中古施設や農業機械が対象になっていない実態がありました。 こうした中、県の来年度当初予算案には、農業の中古資機材の利活用を促進する事業が盛り込まれております。 県が、農業者の声を受け止め、農業者に寄り添った取組を進められていることを高く評価するとともに、この事業により、地域で利用されていない中古資機材を積極的に活用していくという考え方や手法が定着し、これからの農業を担う若者たちの経営の安定にもつながることを大いに期待しています。 私は、食料の安定供給の重要性が高まっている今だからこそ、その役割を担う農業が、若者たちにとってさらに魅力のある産業となるよう、農業者の収益確保に向けた経営面でのサポートを一層充実させていくことが重要だと考えています。 そこでお尋ねします。農業者が安定した収益を確保できるよう、農業者への経営的な支援に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、養育費の支払い確保に向けた取組についてお尋ねします。 少子化の危機的な状況を背景に、国において、こども家庭庁を司令塔として子供政策が強化される中、子育て家庭への支援については、児童手当の拡充や出産費用・医療費・教育費の負担軽減などと併せて、誰一人取り残さない社会を実現する観点から、独り親家庭の自立支援が掲げられています。 その取組の一つに、養育費確保支援があります。 昨年七月に公表された令和四年国民生活基礎調査によりますと、子供の貧困率は一一・五%で、それを独り親家庭に限りますと四四・五%と極めて高い状況になっているのですが、その背景の一つに、養育費の不払い問題があるとされています。 子供に対する養育費の支払い義務は、民法上、親の生活に余力がなくても自分と同じ水準の生活を保障する生活保持義務だと解されていますが、全国の母子世帯のうち、養育費の取決めをしている世帯は四六・七%、養育費の支払いを受けている世帯は二八・一%と、大変低い水準にとどまっています。 こうした状況を踏まえ、法制審議会は、先月十五日、離婚後の子供の養育などに関する、家族法制の見直しに関する要綱を取りまとめ、法務大臣に答申したところであり、今後、閣議決定を経て、民法など必要な法改正の手続が進められていきます。 今回の見直しでは、子を養育する上で父母が生活保持義務を負うことが明記されるとともに、養育費の支払いに関する父母間の取決めがあれば、ほかの債権に優先して財産の差押えが可能となり、養育費に関する取決めがなくても、一定額の養育費を請求できる法定養育費制度が新設されるなど、その内容は日本弁護士連合会も高く評価しているところです。 こうした中、県が来年度当初予算に、少子化対策の抜本強化に向けた新規事業として、独り親等への養育費の相談・履行確保支援のための養育費履行確保支援事業を盛り込まれたことは、時宜を得た取組であり評価しております。 今後は、この事業の運用面が課題となります。 本来、養育費履行確保の補助が居住地によって異なることは好ましくはありませんが、まずは県が、この事業をしっかりと運用していくことが重要だと思います。 県内の独り親世帯数や養育費に関する調停申立てと審判の件数を考えれば、この事業を実効性ある形で運用していくことは大変な業務だと思いますが、まさに、誰一人取り残すことのないよう、市町や関係機関等とも連携しながら、相談から法的手続の支援、費用助成まで、しっかりと寄り添って取り組んでいただきたいと思います。 また、私自身、弁護士の立場でもお話を伺う中で、独り親家庭の方から、法律的な知識がなく経済的にも厳しい中、法的な手続費用の事前準備は大変だ、離婚に至った経緯から、差押え等を行った場合の相手方の反応が心配だといった声もお聞きします。 こうしたお声も踏まえ、今後は、請求者が立替払いをしなくて済む代理人への直接支払いなど、一歩踏み込んだ取組も検討していただきたいと思います。 そこでお尋ねします。独り親家庭の子育て環境の充実に向けた養育費の支払い確保について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、伝統文化を活用した教育の推進についてお尋ねいたします。 私は、先日、「日本全国能楽キャラバン!周南新春能」を観覧いたしました。 当日は、能楽の初心者から着物姿のファンまで、さらには教育長をはじめとする職員の皆さんなど多くの方が来場され、私は皆さんと一緒に、我が国が誇る文化芸術のすばらしさを存分に楽しませていただきました。 実は、私の地元柳井市には、このキャラバンの主催者で出演者の上田拓司先生が代表を務められている団体、瓦照苑の稽古場があり、これまでも様々な御縁を頂いてきました。 そんな御縁のある上田先生が、周南市の公演に先立ち、御子息と共に周南市の中学校で能体験教室を開催されました。 能の歴史の説明や実演はもちろん、面をかぶったり能の動きを体験したり、生徒の皆さんは能の魅力について楽しく学ばれていました。 能は、私たちにとって、正直難しさもある舞台芸術なんですが、こうして事前に能と触れる機会があることで、能の本当の意味や楽しさを感じ取ることができます。 それは、好奇心の強い子供たちにとっては特にそうで、公演当日は、子供たちも多く来場し、四時間もの長時間、静かに観覧していました。 能楽は、室町時代から約七百年にわたり途絶えることなく演じられてきた日本を代表する舞台芸術です。 ユネスコの無形文化遺産にも登録され、その文化的価値の高さは言うまでもありませんが、能楽をはじめとした伝統文化は、日本人としての大切な価値観や感性を養うことで、世界の多様な人々や文化を理解する土台を育む、また、地域の担い手との交流を通じて、技能の継承やふるさとの振興に主体的に関わる意識を醸成するなど、高い教育効果も有しています。 私も小学生の頃、徳地人形浄瑠璃と出会い、アジア人形劇フェスティバルにも出演いたしました。 そのときは、子供ながらに、この伝統を絶やしてはならないという一心で演じておりました。 伝統芸能は、台本はあるものの、全て口伝えで教わり、呼吸で学ぶところがあります。何度やっても、それは違うと怒られて、そうそう、それそれと褒められても、何がよかったのか分からない、そんな感じです。 ですから、たとえ映像を残していても、一旦途絶えてしまうと二度と本物を再現することができず、途絶えることなく続いていること自体がとても尊いことなのです。 一方で、伝統文化は今、担い手の確保、技能の継承が大きな課題となっています。 いま一度、教育の再生、新たな時代の人づくりに力を入れなければならない中、ぜひ多くの子供たちが伝統文化に触れる機会を拡充していただきたいと考えています。 そこで、教育長にお尋ねします。伝統文化を末永く未来に継承し、子供たちの豊かな人間性を育む観点から、伝統文化を活用した教育の推進に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 最後に、県立高校の魅力ある教育活動についてお尋ねします。 昨年夏に、柳井商工高等学校の女子バドミントン部が全国大会六連覇を果たされました。 部員生徒たちが日々練習に打ち込み、たゆまない努力を積み重ねてこられたあかしであることはもちろんのこと、選手の能力を引き出し、全国の頂点まで技術を高めてこられた監督である竹光先生の卓越した指導力のたまものであり、改めて敬意を表する次第です。 今や同校の女子バドミントン部は、県内外から入学生徒を呼び込める大きな魅力となっています。 ぜひともこの魅力ある活動を継続、進化させていくとともに、今後、再編整備により設置が予定されている新しい学校へしっかりと継承していかれることを強く願っています。 県教育委員会におかれては、こうした部活動をはじめ、生徒や地域の期待に応える特色ある教育活動を積極的に展開されています。 また、学校の特色づくりをさらに進めていくため、昨年度、各高校の社会的役割や理念をスクール・ミッションとして定め、これに基づき、今年度、各学校で、生徒にどのような資質・能力を育成するのか、そのためにどのような教育カリキュラムを実施するのかなどの具体的な方針をスクール・ポリシーとして策定されると伺っております。 こうして策定された方針等を基に、今後、実践されていく教育活動に大きな期待を抱いておりますが、これが絵に描いた餅となってはなりません。 各学校の特色や魅力が言葉や文章で幾らつづられていても、それを教育活動として実践していくのは教員である人です。 各教員が自身の高校に期待される役割や目指すべき学校像、育成すべき生徒像をしっかりと認識・共有した上で、その実現に必要となる自身の資質・能力を高め、主体的に積極的に教育活動を実践していくことが非常に重要であると考えています。 例えば、工業科など専門学科の高校であれば、教員が地域企業とのコミュニケーションを積極的に図り、生徒に求められる人材像やスキルを把握し、また、今後成長が見込まれる先端技術等の情報・知識を意欲的に習得して、教育活動に生かしていく。こうした教員一人一人の主体的な取組が特色ある学校づくりにつながっていくのだと考えています。 また、魅力ある教育活動を定着させていくためには、その継続性が大切です。 各教員が学校の特色づくりのためにつくり上げてきた教育活動を、人事異動により、まだまだ道半ばの思いの中で手放さなければならないことも生じてくると思います。 こうした教員の人事異動によって、特色ある教育活動が途切れることのないよう、継続性を考慮した人事異動や体制などの仕組みづくりも必要ではないかと考えます。 少子化の進行や若者の県外流出という大きな課題を抱える中で、地域のみならず県内外の子供たちから、自分の目標の実現に向けて、入学したい、学びたいと思える魅力あふれる学校づくりを進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねします。本県の高校が県内外の中学生から選ばれる特色ある学校となるよう、各学校が掲げるスクール・ミッション等の実現に必要な教員の資質・能力の向上や、その力を発揮した魅力ある教育活動の充実にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)有近議員の御質問のうち、私からは、山口きらら博記念公園の整備と既存施設の活性化についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍が明け、社会に活気が戻る中、私は、本県の発展的再生に向け、海に面した絶好のロケーションなど、高いポテンシャルを有する山口きらら博記念公園を、山口の豊かさや住みよさを実感できる交流拠点として、また、県外の人に訪れてもらう集客拠点としていくこととしています。 公園の拠点化に向けては、これまで、アンケートや県内各地域でのワークショップなど、県民の皆様の声を丁寧にお聴きし、御意見等を踏まえた上で公園の目指すべき姿や整備方針などをお示しする、山口きらら博記念公園みらいビジョンを今年度策定することとしています。 このビジョンにおいては、公園の新たな利活用に向け、中国地方最大級の規模を誇るフラワーガーデンの整備や多様な人々が共に楽しめる大型複合遊具等の設置、キャンプ等が楽しめる施設の導入などを掲げることとしており、今後、官民の役割分担の下、整備・導入を進めてまいります。 私は、こうした取組を進めるに当たっては、山口きらら博記念公園が核となり、やまぐちフラワーランドや自然公園内のキャンプ場など、県内各地域の既存施設と連携することにより、相乗効果を発揮しながら県全体を活性化し、本県に元気と活力を創出していくことが重要と考えています。 このため、今後、公園に整備・導入する施設や機能については、公園の自然環境等を生かし、この場所ならではの特徴あるものとするとともに、既存施設にも効果が波及するよう取り組んでまいります。 例えば、フラワーガーデンについては、県産花卉の消費拡大の拠点であるやまぐちフラワーランドと連携し、花の開花やイベント情報を相互に発信することなどにより、四季折々の花に直接触れ合い、来園者に安らぎや癒やしを感じていただける機会を県全体で拡大していきます。 また、全県を挙げてアウトドアツーリズムを強力に推進する中、その拠点となる山口きらら博記念公園にキャンプ施設等を導入し、集客力を高めるとともに、他のキャンプ場や温泉、グルメ等の観光資源を効果的に結びつけた県内周遊の促進を図ることで、新たな人の流れと活力を生み出していきます。 なお、県が整備した自然公園内のキャンプ施設等については、市町等の要望を踏まえ、老朽化の状況、環境への影響などの観点から、必要に応じて再整備に努めているところです。 私は、山口きらら博記念公園の交流拠点化に向けて、他の施設とも連携しながら、県全体で相乗効果を発揮し、既存施設の活性化にもつながるよう、積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)片山土木建築部長。 〔土木建築部長 片山克浩君登壇〕 土木建築部長(片山克浩君)魅力あるまちづくりについてのお尋ねにお答えします。 人口減少・少子高齢社会にあっても、いつまでも安心して暮らし続けられる山口県を実現するためには、お示しのとおり、地域の歴史や風土等の個性を生かすとともに、年齢や性別、障害の有無等にかかわらず、あらゆる人がつながり協働することにより、まちづくりを進めていくことが重要です。 このため、県では、本年度、持続可能なまちづくり集中支援事業を立ち上げ、市町が地域とともに目指す、まちの将来像の実現に向けた取組への支援を行っているところです。 具体的には、県庁内の福祉や観光等の関係課で構成する支援チームと民間アドバイザーが、まちづくりに向けた社会実験や魅力向上に関する取組について、助言・提案をすることなどにより、市町が行うまちづくりの計画策定を支援することとしています。 市町においては、この策定した計画に基づき、地域の方々と一丸となって、息の長い取組を主体的に進めていくこととなり、県においても、各部局が連携して、地域内の県道整備など、県が担うべき事業を集中的に実施すること等により、市町の取組を促進してまいります。 また、この事業は、令和八年度までに三地域を選定し、モデル的に実施することとしていますが、この事業に選定されなかった地域へも、こうした取組を広げていくことが重要であることから、得られた知見やノウハウを県内市町へ情報提供していくこととしています。 加えて、御案内の、地域と行政が一丸となって成果を上げている安芸太田町の先進事例等についても、都市計画のみならず福祉や教育分野の関係者等へ情報提供していく考えです。 県としては、引き続き、こうした支援を行うことにより、地域の個性を生かした魅力あるまちづくりが、県内各地で進むよう積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)三坂農林水産部長。 〔農林水産部長 三坂啓司君登壇〕 農林水産部長(三坂啓司君)農業者に寄り添った経営支援についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化に加え、生産資材や肥料等の価格が高止まりするなど、農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、食料安全保障を支える農業を守っていくためには、様々な環境の変化にも柔軟に対応できる安定的な農業経営が展開されることが重要です。 このため、県としては、意欲ある農業者が将来にわたって収益性の高い農業経営を実現できるよう、経営感覚に優れた人材の育成を進めるとともに、さらなる経営コストの削減に向けた取組を積極的に推進することとしています。 まず、人材の育成に向けては、農林業の知と技の拠点において、新規就農者等を対象とした経営スキルアップ研修等を実施し、営農計画の改善や経営分析の手法等を習得させることにより、経営能力の向上を図ってまいります。 また、規模拡大を目指す中核経営体に対しては、効率的な組織運営やコスト管理などによる収益性の高い経営が実践できるよう、引き続き、県農業経営支援センターによるセミナーの開催や中小企業診断士の派遣など、きめ細かな支援を行います。 次に、経営コストの削減に向けては、農業者が遊休化した農業資産を有効に活用できるよう、来年度予算において、中古施設や機械の導入に要する経費を助成するとともに、こうした資産の情報を一元的に閲覧できるウェブサイトを新たに開設することとしています。 また、無駄のない効率的な経営を図るため、衛星画像データ等に基づく農薬や肥料の過剰投入を防止する技術や、作物の生育を促進するための環境制御システムなど、農業DX技術の導入にも積極的に取り組んでまいります。 さらに、肥料価格の高騰により厳しい経営環境にある農業者の負担軽減を図るため、引き続き、価格高騰分の一部を支援することとしています。 県としては、今後とも、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、収益性の高い本県農業の実現に向け、農業者へのきめ細かな経営支援に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)養育費の支払い確保に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 子育てと仕事を一人で担う独り親家庭は、就業や収入、子供の養育等の面で様々な困難を抱えていることから、独り親家庭の生活の安定と子供の健やかな成長のためには、養育費の確保に向けた取組を推進することが大変重要です。 こうした中、お示しのとおり、約七割の母子世帯に養育費が支払われていないという現状があり、国においては、昨年末に策定したこども未来戦略に基づき、養育費の確保に向けた支援を強力に推進していくこととされたところです。 このため、県では、国の戦略に呼応し、来年度予算において、養育費に関する相談体制のさらなる充実を図るとともに、養育費の取決めや履行確保に向けた支援など、総合的な支援体制の強化に取り組むこととしています。 具体的には、まず、相談体制の充実については、山口県母子・父子福祉センターに養育費に関する専門相談窓口を設置し、離婚前の段階から伴走型の相談支援を行うとともに、必要に応じて弁護士による無料の法律相談を実施します。 また、市町の職員に対する研修を通じて、離婚届を受理する戸籍担当部署と独り親家庭の支援担当部署の連携を図り、養育費の確保に資する早期の情報提供・相談支援の充実につなげてまいります。 次に、養育費の取決めや履行確保に向けた支援については、新たに公正証書の作成や調停・強制執行の申立てに係る手続費用の補助を行うとともに、強制執行の申立てに要する弁護士費用を補助するなど、経済的な負担の軽減に取り組むこととしています。 お示しの代理人への補助金の直接支払いについては、独り親家庭の状況に寄り添った対応が可能となるよう、関係団体等と調整してまいります。 県としましては、独り親家庭の子供を誰一人取り残すことなく、本県の未来を担う子供たちが、心身ともに健やかに成長することができるよう、市町や関係機関等と連携し、独り親家庭への支援に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育に関する二点のお尋ねのうち、まず、伝統文化を活用した教育の推進についてお答えします。 我が国や地域の伝統文化を学び、体験することを通して、子供たちに豊かな人間性や郷土への誇りと愛着を育むことは重要であると考えています。 このため、県教委では、市町教委と連携しながら、小中学校において伝統や文化に関する教育が推進されるよう、様々な支援を行っているところです。 具体的には、神楽や太鼓、人形浄瑠璃など、本県の地域素材の説明や、それらを扱った学習展開例などをまとめた伝統文化教材集「これが私の故里だ」を作成し、ウェブサイトに掲載するなど、活用事例の紹介を進めてきました。 また、子供たちが能楽や邦楽などの公演を鑑賞するだけでなく、関係団体による実演指導やワークショップに参加できるよう、国や県の事業の積極的な活用等を促すことにより、本物の伝統文化に直接触れる機会の創出に努めています。 こうした取組に加え、今後は、各学校が、地域と育てたい子供像を共有し、その実現に向けて、連携・協働する教育活動を行うために作成した、学校・地域連携カリキュラムに、学校や地域の実情に応じて、伝統や文化に関する学習活動を位置づけ、計画的・継続的に展開していくよう、研修会等を通して働きかけてまいります。 県教委といたしましては、引き続き、国や市町、関係団体等と連携・協力しながら、子供たちが我が国や郷土の伝統文化を理解し、それを継承・発展させるための教育の充実に努めてまいります。 次に、県立高校の魅力ある教育活動についてのお尋ねにお答えします。 社会が大きく変化し、生徒の興味・関心や進路希望、目的意識等が多様化する中、お示しのように、子供たちが入学したい、学びたいと思える、魅力あふれる学校づくりを推進することは大変重要であると考えています。 このため、県教委では、昨年三月に各高校の存在意義や期待される社会的役割等をスクール・ミッションとして設定し、教職員が教育活動の実施に当たって共有する中長期的な目標としました。 また、スクール・ミッションに基づき、各高校においては、入学から卒業までの教育活動を一貫した体系的なものにするとともに、その継続性を担保するため、スクール・ポリシーを策定し、学校の特色づくりに一層取り組むこととしたところです。 こうした中、スクール・ミッションやスクール・ポリシーの方向性に沿って、各高校が特色ある教育活動を継続していくためには、教員の資質能力を向上させるとともに、学校の組織力を強化することが必要です。 このため、県教委では、キャリアステージや学校の教育課題等に応じた教職員研修の充実を図るとともに、人事異動方針に基づく適材適所の人事配置や、教職員評価の着実な実施などに取り組んでいます。 また、各高校においても、教員自身が地域や関係機関等と連携した教育活動に主体的に取り組むことなどを通して、自らの資質能力の向上を図るとともに、管理職がリーダーシップを発揮し、一人一人が高めた教育力を学校全体の力とするよう、組織力の強化に努めているところです。 県教委といたしましては、今後とも、こうした取組を一層進め、魅力ある教育活動の充実を図ることにより、生徒や保護者の期待に応える特色ある学校づくりに取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時二十六分休憩