1 中小零細企業への支援策について 2 外国人観光客の受入環境等について 3 地域公共交通(バス事業)について 4 がん検診受診率の低迷が続く本県の取組について 5 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第八十三号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第八十三号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 酒本哲也君。 〔酒本哲也君登壇〕(拍手) 酒本哲也君 やまぐち県政会の酒本哲也です。通告に従いまして、順次質問いたします。 まず、中小零細企業への支援策について質問いたします。 昨日も日経平均株価が史上最高値を更新しました。バブル崩壊後、長期にわたり停滞を続けてきた日本経済ですが、最近では世界インフレの影響を受けて、国内インフレが増加しています。これにより、企業の値上げや賃上げが促進され、日本経済のマインドセットが変わりつつあります。また、企業業績は順調であり、長年のデフレ経済からの完全脱却に期待が集まっています。 二○二三年の名目GDPは、インフレの影響もあり、前年比五・七%の五百九十一兆円となりました。 しかし、一九八九年の四百十兆円に対して約一・四倍ですが、一九八九年から二○二二年の名目GDPの伸びは、世界経済全体が約五倍です。先進国のアメリカは約四・五倍になっており、日本の低成長が浮き彫りとなりました。 エネルギーを含む物価の高騰もあり、全国的に企業倒産の傾向が問題視されております。不況型倒産が二○〇〇年以降で初めて前年から三割以上増え、二〇二三年の全国企業倒産数は八千四百九十七件で、前年から三三・三%増加し、バブル崩壊後で最も高い増加率となりました。 業種別に見ると、サービス業、小売業、建設業と続き、運輸・通信業は、ドライバー不足に悩む道路貨物運送の大幅増もあり、全体では二〇一〇年の四百五十二件以来十三年ぶりに四百五十件を記録しました。 小売業では、飲食店が前年から約七割の大幅増となり、資材価格の高騰が続く建設業では、内装工事など職別工事の増加が目立ちます。 二〇二三年の人手不足倒産は、前年比一・九倍で、過去最多を更新しております。 また、三年半という、長期にわたって続いた、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、多くの中小零細企業が打撃を受け、その救済策として政府や自治体から提供されたコロナ融資は、多くの企業の資金繰りを支える命綱となりました。 しかし、その一方で、返済期限が迫る中で、業績の立て直しが困難な企業が増え、倒産や自己破産を余儀なくされる経営者が増えております。 特に、二〇二三年は、コロナ融資を受けた企業の約三割が返済開始を迎えるとされております。その中には、コロナ融資を運転資金等で使い切った中小零細企業が多く含まれております。 また、帝国データバンクの調査によれば、新型コロナウイルス対策で政府系金融機関が中小事業者向けに実施した特別融資十九・四兆円のうち、昨年度末時点で約一兆円が回収困難なおそれがあるとされております。 このような状況は、全国的な問題となっておりますが、本県も例外ではなく、今後の中小零細企業の経営環境に大きな影響を及ぼすことが予想されております。 本県で二〇二三年に休廃業、また解散した企業の件数は五百七十七件でした。これは前年を十六件上回り、二年連続で増加した数字です。また、コロナ融資等の支援策により低水準であった倒産件数も二〇二三年から増加に転じ、前年を二十三件上回る五十七件となっております。 本県も追い打ちをかけた、原材料やエネルギー価格の上昇などによる問題、また、後継者不在や高齢化の問題など、中小零細企業では経営改善が難しい状況が続いており、喫緊の課題であります。 二〇二四年も企業倒産の増加局面が続くと予測されております。特に、時間外労働の上限規制が適用される二〇二四年問題の影響が本格化することもあり、本年度初めの四月以降に倒産がさらに加速する可能性があると言われております。 また、コロナ融資の返済開始を迫られる企業が増え、特に四月には最後のピークを迎えると予想されております。その結果、返済負担に耐えかねて事業継続を諦める経営者が増える可能性があります。 さらに、従来のような返済条件の変更や借換えに応じることが難しくなると予想されており、融資先の選別が進むことや、ゼロ金利から利上げに進むことにより、新たな借入れに苦慮する企業が増えることも予想されております。 そこでお尋ねいたします。三年半続いた新型コロナウイルスの影響を受け、経営を苦しめられている県内の中小零細企業に対し、これまでの本県の取組と、今後、休廃業、倒産を防ぐためにどう取り組んでいくのか、御所見を伺います。 次に、外国人観光客の受入れ環境等について質問いたします。 新型コロナウイルスの影響前、二〇一九年の訪日外国人観光客数は約三千百八十八万人で、その消費額は約四・八兆円でした。二〇二三年に二千五百六万人、消費額は五兆二千九百二十三億円に達し、コロナ禍前の二〇一九年を上回る結果となりました。 また、外国人観光客の消費の目的別では、宿泊費が最も多く、買物よりも体験を重視する傾向が強まっていることが報告されております。 新型コロナウイルスの影響後の予測としては、二〇二四年の外国人観光客数は三千三百十万人に達すると予測されております。 また、現在は、円安のため消費単価が高くなる傾向にありますが、消費額は、二〇二三年の二千五百六万人で五兆円を超えている状況から、三千三百十万人となれば七兆円から八兆円まで届く可能性があるとされております。 二〇一九年の山口県の外国人観光客数は約十八万八千人で、この数値は全国で三十五位。また、外国人の宿泊者数は約九万八千九百人で、全国で四十四位でした。 隣県の福岡県は約二百七十七万人、広島県は九十六万五千人と全国でもランキング上位であり、近くまで来られた外国人観光客をどう呼び寄せるかが大きな課題でした。 そんな中、山口市がニューヨークタイムズの二〇二四年に行くべき五十二か所で北米、オリンピックを控えたパリに続く三番目に選ばれたことは、県民にとって大変誇らしいことであり、外国人観光客が本県に集まる期待が高まっております。 訪日外国人観光客が増えることにより、本県には様々なメリットが期待できます。 まず、観光客が地域のホテルに宿泊することで、レストランで食事をしたり、お土産を購入したりすることで、地域のビジネスに直接的な収益をもたらす経済効果。新たな観光地の開発や地元のイベントの開催など、観光客を引きつけるための様々な取組が行われ、地域全体が活気づくことなども期待できます。 また、訪日外国人観光客と地元住民との交流は、相互の文化理解を促進し、国際交流の機会を拡大します。これは、地元住民にとって新たな視野を開く機会を提供し、観光客にとっては日本の文化を深く理解する絶好の機会となります。このような交流は、地域社会の多様性を高め、地元経済にもプラスの影響を与える可能性があります。 しかし、その一方で、本県が直面しているのは、あらゆる面で外国人観光客の受入れ体制が整っているかという問題です。 外国人旅行者が訪日中、不便に思うことの第一位はWi─Fi環境が整っていないこと、二位は施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れないこと、三位は多言語表示の少なさ・分かりにくさ、四位は公共交通の利用、五位はごみ箱の少なさという結果になっております。 昨年、二〇二三年に行くべき五十二か所の旅行先には、盛岡市が選ばれました。盛岡市が同紙に紹介されてから観光客が増加し、具体的な数字は公表されていませんが、記事が公開されてから四か月余りで、町はにぎわいが戻ってきたと報告されております。欧米からの旅行者に加え、記事を知った国内からの観光客も増えたそうです。 盛岡市内では英語の表示や音声案内など、受入れ体制の整備も進み、盛岡市はFree Wi─Fiを六か所から三十二か所に拡充し、まち歩きの英語マップを作成して、外国人に人気の盛岡城跡公園などを紹介しています。 一方で、コロナ禍で規模を縮小していたタクシーやバスなどの交通機関では、人手不足が課題となりました。また、盛岡市内のホテルや旅館はしばしば満室になると報告されており、観光客が盛岡市のホテルの予約に苦労するなど、宿泊施設のキャパシティーの問題が指摘されました。 本県も今後、盛岡市と同様、外国人観光客の増加により様々な問題が発生することが予測されております。 他国から大幅に後れを取っていると言われているFree Wi─Fiの環境整備の問題、キャッシュレス化の遅れ、飲食、宿泊などの観光関連業種での人手不足の問題、観光客が集中することで、地元住民の生活環境の悪化や、観光地の自然環境が破壊されるおそれがあるオーバーツーリズムの問題などがあります。 私が一番危惧しているのが、移動手段の問題です。レンタカーを運転できる方はまだよいのですが、公共交通を使って移動する外国人観光客は、スムーズに県内各所を移動しやすい環境にあるのかという問題です。 現在、鉄道は下関から長門までの山陰本線と、美祢線が切断されたまま復旧のめどが立っておりません。 また、盛岡市と同様、タクシーやバスなどの人手不足。特に二〇二四年問題が来月からに迫っており、これも大変気になるところであります。 私が住んでおります下関市の唐戸エリアには、毎日たくさんの外国人観光客が訪れており、私の事務所前も日本人より外国人のほうがはるかに多く、関門橋方面に歩いて向かわれております。 例えば、県内で外国人観光客が行きたい場所一位の唐戸市場や、下関水族館の海響館など、駅からも近く、徒歩圏内である場所はまだよいのですが、人気スポットである元乃隅神社や角島など、県内にはバスやタクシーを使わないと行けない観光スポットが多数あります。 多くの外国人観光客が本県に訪れる可能性がある、このチャンスを最大限生かし、県内で消費してもらい、できるだけ長く滞在していただき、訪れた方々がリピーターになっていただけるよう、取組を進めていかなければなりません。 そこでお尋ねいたします。これらの課題を解決するためには、行政、観光業界、地域住民が一体となって取り組むことが求められますが、今後一気に訪日が予測される外国人観光客に対し、県としてのこれまでの取組と今後の対応について、御所見をお伺いします。 次に、地域公共交通、バス事業について質問いたします。 日本の地域公共交通は、人口減少と高齢化の波に直面しています。特に地方では、これらの変化が公共交通の利用者数を減少させ、運行路線の存続が危ぶまれております。 また、高齢者の中には、運転免許を持たない方や免許を返納した方も多く、公共交通がなければ生活に支障を来すことへの不安が高まっている中、路線バス事業は、利用者の減少により厳しい状況に立たされており、赤字経営に苦しむ事業者も増えてきております。これにより、バス路線の削減が進み、さらに利用者が減るという悪影響に陥っております。 また、自動車運送事業では、労働時間の長さと低い年収が問題となり、若者の就業回避が進んでおります。特に、第二種大型自動車運転免許の保有者が減少しており、運転手不足が深刻な問題となっている中、来月から施行される二〇二四年問題において、バス運転手の勤務時間は重要な課題となっております。 二〇二四年の四月からのバス運転手の労働時間について詳しくお話ししますと、拘束時間と休息時間が第一に上げられます。自動車運転者の労働時間等の改善のための基準により、バス運転手の拘束時間と必要な休息時間、勤務と次の勤務の間の時間、これが定められております。 具体的には、二〇二四年四月から、バスの日勤勤務者の拘束時間、それから休息時間は、一年の拘束時間、原則三千三百時間、四週間を平均とした一週間当たりの拘束時間は原則六十五時間以内、一日の休息時間は継続十一時間以上与えるよう努めることを基本とし、九時間を下回らない。運転時間は二日平均で一日九時間以内、四週平均一週で四十時間以内、連続運転時間は四時間以内。予期できない事象への対応時間を、一日の拘束時間、運転時間、連続運転時間から除くことができます。 分割休息や二人乗務、隔日勤務など、特定の条件下での労働時間の変更が認められていますが、バス運転手はこれらの規制に従い、適切な休息を取りながら、安全かつ効率的に勤務しなければなりません。 先日、私の住んでいる地域のバス会社、サンデン交通の労働組合に行き、この問題について聞き取りをしてまいりました。 全国的な問題と同様、現状でも人手不足が大変な中、減便などを余儀なくされるなど、四月からの施行後は様々な面で非常に厳しい状況であると伺いました。 まず、二百八十人の労働力を必要とする中で、現時点で五十人不足していること、運転手の平均年齢は五十歳を超え、若い運転手が就職してこないこと、年収の平均が他の業種に比べ、約二割少ないと言われることも大きな原因だとお話しいただきました。 また、通常の運行でもぎりぎりな状態である中、例えば関門地域の花火大会などの臨時便が多数出る場合、翌朝の運転手が足りていないという物理的な問題にも直面するそうですが、解決策は見つかっていないということです。 このお話の中で、花火大会が三十分早く終了するだけでも翌日の運行的に非常に助かるといった言葉が、本当に切実であるということが感じられたところであります。 各地域で廃業する事業者が出てくる中、本県の公共交通の要でもあります、バス事業の持続は喫緊の課題であります。 そこでお尋ねいたします。二〇二四年問題が間近に迫っているバス事業への県としてのこれまでの取組、また、施行後、どういう形で支援し公共交通を守っていくのか、御所見をお伺いします。 最後に、がん検診受診率の低迷が続く本県の取組について質問いたします。 本県におけるがん検診受診率の低迷が続いているという事実は、非常に気になる問題です。国が三年ごとに公表する国民生活基礎調査によれば、二〇二二年の山口県内におけるがん検診受診率は、全国平均を上回るものが一つもなく、特に女性の胃がん、子宮頸がん、乳がん検診は全国最下位という結果でした。 昨年、山口県は二〇二四年度から十二年間にわたる県民の健康づくりに関する基本計画の素案をまとめました。その中には、がん検診の受診率の引上げなど、四十七項目の目標が設定されています。 がんは、一九八一年以降、四十一年連続で国内の死因の第一位となっております。死亡総数の約二五%を占めており、生涯のうちに二人に一人ががんに罹患すると推計されています。 二〇一九年のデータから見ると、全国のがん罹患数を性別・部位別に見ると、男性は前立腺が最多で、大腸、胃、肺と続きます。女性は乳がんが最多で、大腸、肺、胃の順となっております。 一方、本県では、男性はやはり前立腺がんが最多で、その後、胃、肺、大腸と続きます。女性は、全国と同じ順となっております。 厚生労働省は、五つのがん、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんについて、定期的な検診の受診を推奨しております。これらのがんは、罹患率や死亡率が高い一方で、受診による早期発見や早期治療を行うことで、死亡率を下げる効果があると確認されています。 しかし、山口県内における検診受診率は近年伸び悩み、全国平均を大きく下回っております。 胃がん検診で最も受診率が高いのが山形県で五七・三%。大腸がん検診も山形県で五八・三%。肺がん検診も山形県六三・六%。子宮頸がん検診も山形県四六・八%、宮城県、山梨、鹿児島、沖縄と続きます。乳がん検診が最も高かったのは宮城、山形、山梨、千葉、沖縄と続きます。 山形県のがん検診受診率が全国的に高い水準を維持している理由は何なのか、取組を確認したところ、無料のクーポン券を配付したり、また、検査キットの送付等の取組がなされているようです。これにより、県民の方々ががん検診を受けやすくなり、その結果として検診受診率は徐々に増加しております。 さらに、山形県では休日のがん検診を拡大しており、特に、女性ががん検診を受けやすいように、十月のがん検診推進強化月間を中心に、子宮頸がんと乳がんの休日検診の受診機会を増やしております。 これらの取組により、山形県のがん検診受診率は全国的に高い水準を維持しています。 本県は二〇二四年度の予算案で、女性と働く世代のがん検診キャンペーン推進事業として千二百万円計上しております。 がん検診受診率の向上に向けて、女性を対象とした普及啓発を行うとともに、職場でのがん検診の受診を促進。やまぐちピンクリボン・三〇七〇キャンペーン、SNSなどを活用した若い女性向け情報発信の強化、三十代の子宮頸がん受診率七〇%を目指すキャンペーン、大人のがん教育、事業所に対する出張講座、がん・がん検診普及の冊子等の作成とあります。 そこでお尋ねいたします。がん検診受診率最下位が続く本県のこれまでの取組と、そして今後どうやって先進地の受診率に近づけていくのか、御所見をお伺いします。 質問は以上になりますが、最後に、一月に村岡知事がパートナーシップ制度の導入を目指すとの内容を受けまして、私も質問を一つ作っておりました。ですが、公明党の代表質問とまたかぶるということで、今回やめておいたんですが、昨日の回答の中でも九月の施行を目指すということで回答がありました。大変重要なことなんですが、内容が本当に大事なことなので、しっかりこれから内容の策定に向け、引き続き取り組んでいただきたいということを要望しまして、私の質問といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)酒本議員の御質問のうち、私からは、がん検診受診率の低迷が続く本県の取組についてのお尋ねにお答えします。 がん検診は、がんの早期発見・早期治療につながり、死亡率の減少に有効とされていることから、これまで私は、市町や関係団体と連携し、県民への普及啓発や受診勧奨、無料クーポン券・検査キットの送付、休日、そして平日夜間におけるがん検診の実施など、受診率向上に努めてまいりました。 この結果、死因の一位である肺がんの検診受診率が、平成二十二年の二三%から令和四年の四五%となるなど、各がん検診の受診率は大きく向上しており、一定の成果が現れているところです。 しかしながら、全国と比べ、本県の受診率はいずれのがん検診も平均以下であり、特に女性の受診率は低く、また、働く世代の受診率も伸び悩んでいることから、来年度予算において、女性と働く世代を対象に、重点的な取組を進めることとしています。 まず、女性の受診率向上については、三十代から四十代にかけて、乳がんや子宮頸がんの罹患者が増加することから、若い世代に検診の重要性を広く理解されるよう、SNS等による情報発信や、三十代を対象とした三〇七〇キャンペーンの実施など、一層の普及啓発に努めてまいります。 また、働く世代の受診率向上については、検診を希望しない従業員が多いとの企業からの意見等も踏まえ、事業所に対する出張講座の開催や、大人向け普及冊子の作成等により、働く方々に対しても検診の必要性を伝え、職域でのがん検診の受診拡大に向けた取組を進めることとしています。 私は、県民誰もが安心して暮らし続けられるよう、引き続き、市町や関係団体等と一体となって、女性や働く世代をはじめとする、県民のさらなるがん検診受診率の向上に、積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)小関産業労働部長。 〔産業労働部長 小関浩幸君登壇〕 産業労働部長(小関浩幸君)中小零細企業への支援策についてのお尋ねにお答えします。 地域経済を支える中小企業が、長引く物価高などの難局を乗り越え、事業を継続し成長していくためには、資金繰り支援により経営の安定を図るとともに、経営課題に対応した支援を切れ目なく実施することが重要と考えています。 このため県では、コロナ禍において、中小企業の事業継続のため、県制度融資のゼロゼロ融資による手元資金の確保や、各種キャンペーンを通じた消費需要の喚起など、機動的に対応してきました。 また、ゼロゼロ融資の返済に苦しむ企業には、返済条件の見直し時に生じる追加の保証料の全額補助制度に加え、借換え資金の供給により、負担軽減を図ってきたところです。 こうした支援を通じ、コロナ禍の企業倒産は低い水準で推移してきましたが、物価高騰は長期化し、倒産の増加が懸念されるなど、経営環境は厳しい状況にあることから、引き続き、企業の実情に応じた支援に万全を期してまいります。 まず、物価高騰の影響を受ける事業者の収益改善を図るため、中小企業の活性化につながるイベントの実施や、ECサイトによる商品送料への支援を実施します。 資金繰り支援については、特に経営状況の苦しい企業に対する抜本的な経営改善に向けて、県制度融資における、融資期間十五年の借換え資金の活性化枠により、中小企業活性化協議会等のサポートを通じて、活力の再生を図ります。 また、借入れ時に経営者保証の解除を経営者自らが選択可能となる、新たな制度の運用により、厳しい経営状況にあっても課題の克服に向けて意欲的に取り組めるよう後押しします。 こうした取組に加えて、支援機関や金融機関が一丸となって支援するためのプラットフォームを形成し、経営と金融の一体型支援を通じて、複雑化・専門化する中小企業の経営課題にきめ細かく対応してまいります。 県としては、今後とも関係機関と連携して、中小企業支援に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)外国人観光客の受入れ環境等についてのお尋ねにお答えします。 ニューヨークタイムズの記事を契機として、海外からの注目が高まる中、増加が期待される外国人観光客が安心して快適に県内周遊できるよう、受入れ環境を整備することが必要です。 このため、県では、市町とも連携しながら、「やまぐち Free Wi─Fi」の導入を進めてきたところであり、今年一月末時点で観光施設や駅、空港など約千二百か所に整備され、多言語によるパンフレットやホームページ等を通じて外国人観光客の利用促進に取り組んでいるところです。 また、宿泊施設の人手不足等に対応するため、自動チェックイン機や配膳ロボット、キャッシュレス決済端末などの導入による業務の効率化を支援してきたところです。 今後は、外国人観光客の移動手段の確保に向け、県内外の交通拠点と主要観光地を結ぶ、多言語に対応した新たな観光周遊バスを運行するなど、二次交通の充実を図るとともに、引き続き、Wi─Fiやキャッシュレス決済の導入を促進していきます。 県としては、市町や観光事業者等と緊密に連携し、外国人観光客の快適な県内周遊に向け、受入れ環境の整備に取り組んでまいります。 次に、地域公共交通についてのお尋ねにお答えします。 利用者の減少や運転士不足など、バス事業者を取り巻く環境は大変厳しい状況にあることから、県では、これまで、山口県バス協会と連携した大型二種免許の取得費用の助成や、事業者と連携した運転士体験会の開催等に取り組んできたところです。 こうした中、来月から、運転士の労働時間等の基準が改正されることから、労働時間短縮による路線の廃止や減便が広がることのないよう、関係者とこれまで以上に連携し、運転士の確保対策に取り組んでいく必要があります。 このため、来年度、国や県バス協会などの関係団体による連携協議会を設置し、運転士確保に関する課題の共有や対策の検討を行うとともに、就職フェアなどの開催による若者への積極的なPRや、事業者向けのセミナーの開催による効果的な採用手法の導入促進に取り組むこととしています。 また、バス運転士に特化した求人サイトでのPRや、大都市圏で開催される就職イベントへのブース出展により、県内だけでなく、県外からも運転士を確保する取組も行っていきます。 県としては、今後とも、国や関係団体等と緊密に連携しながら、運転士の確保に向けた取組を着実に進め、地域住民の日常生活に不可欠な地域公共交通の維持・確保に取り組んでまいります。