1 山口県の教育について 2 インバウンド対策について 3 山口県の防災対策・有事対策について 4 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第八十三号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第八十三号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 牛見航君。 〔牛見航君登壇〕(拍手) 牛見航君 政友会の牛見航でございます。早速ですが、通告に従い、時間を守って一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 最初は、山口県の教育について伺います。 我が国日本は、神武天皇即位以来、二千六百八十四年にわたり続いてきた現存する世界最古の国家であります。時の権力者が変わっても、日本は日本であり続けた。その理由こそが天皇陛下の存在であります。時の権力者が変われども、天皇陛下を別格の存在として敬ってきたからであります。 我が国は、二千年以上、男系の血筋を継承してきた万世一系の存在であり、まさに奇跡のような国であります。 それを示す根拠としてあるのが世界最古の歴史書である古事記と日本書紀であり、この編さんは、天武天皇が行った国家プロジェクトとして行われたものであり、この政府見解を現在に至るまで踏襲していることは、日本国家の事実であり、日本の原点であるわけであります。 日本の成り立ちにつきましては、神話から始まることもあり、いろいろな御意見もございます。ですが、百歩譲って、七二〇年に完成した日本書紀から数えてみたとしても、我が国は、千三百四年にわたり正史である日本書紀を編さんし続けている、世界で最も長い歴史を持つ国であると言えます。 それにもかかわらず、この奇跡とも言える事実を残念ながら一番知らないのが我が日本国民だということです。 もともと大東亜戦争前の教科書である国史には、天照大御神、神国、神武天皇などの言葉が並び、世界最古の歴史書物である古事記、日本書紀に由来する教育が行われていたことが分かります。 我が国日本は、一九四五年終戦を迎えたわけですが、その後も、日本は、一九五二年まで実質的な戦勝国の集まりである連合国軍最高司令官総司令部、いわゆるGHQの占領下に置かれました。 大東亜戦争の際に日本軍の強さに驚異を感じた各国がその原因を徹底的に調査して日本精神を骨抜きにする、そのために、GHQは、占領政策を日本政府に指令する間接統治を始めたのであります。 多くの公式文書の中に、日本がアメリカに二度と刃向かわないようにすることが目的であったとの記載があることからも、占領政策をもって日本の弱体化を目指したことが分かります。 我が日本が世界一歴史の長い国であること、その国の成り立ち、古事記の内容、大和言葉の特異性、大東亜戦争、その後の近現代史について、多くの日本人は答えられません。まさにそれこそが日本精神を骨抜きにし、日本を弱体化させるためのGHQの政策であると言えるわけです。 GHQは、日本国憲法の制定のみならず、皇室改革、政治改革、公職追放や財閥の解体、労働三法の制定などの労働改革、そして教育改革と戦後日本の民主化計画を実行してまいりました。 戦後教育の中で私が一番問題であると考えるのは、日本人の誇りを教えてはならない、神話を教えてはならないということを進めてきてしまったことだと考えます。 その結果何が起きたか、二〇〇九年十月二日、イギリス誌エコノミストが自国に対する誇りが高い国を調査した結果によりますと、世界三十三か国中、自国に対する誇りが最も高い国はオーストラリア、日本は、中国、ロシア、ブラジル、南アフリカよりも低い三十三か国中、最下位であります。 この八十年近く戦争も紛争もない、犯罪も少ない、物資も豊かで、識字率も高い、道路は山奥の隅々まで整備され、蛇口をひねれば当たり前のように水が出てきます。たとえ生活が困難になっても、助けてくれる制度が用意されている。それなのにもかかわらず、これだけ自国を誇りに思う国民が少ないということは大変残念でなりません。 また、この自虐教育は、日本人全体の自己肯定感にも影響を与えます。 二〇一四年に内閣府が発表した、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの七か国の十三歳から二十九歳を対象にした自己肯定感に関する意識調査では、自分自身に満足しているかの問いに対し、トップのアメリカが八六・〇%、日本は最下位の四五・八%、日本以外の六か国は全て七〇%を超えており、日本と二五%以上も開きがあります。 また、国立青少年教育振興機構が二〇一八年に、日本、アメリカ、中国、韓国の四か国の高校生に行った調査の中で、私は価値のある人間だと思うかの問いに対し、トップのアメリカが八三・八%、二位韓国が八三・七%、三位中国が八〇・二%に対し、日本は四四・九%というあまりに低い結果からも、世界の中で日本が突出して自己肯定感が低いことが分かります。 二十世紀を代表するイギリスの歴史・考古学者、アーノルド・J・トインビーは、世界中の民族の歴史を調べ上げた結果、十二歳から十三歳までにその民族の神話を学ばなかった民族、または自分たちの国の神話を教えない民族は百年以内に例外なく滅びているという言葉を残しています。 大東亜戦争終結から既に八十年がたとうとしています。世界広しといえども、自国の成り立ちや神話を学校で教えていないのは日本くらいのものです。 戦後それを押しつけた連合国の国々も、日本では禁止させておきながら、そのことの重要性については充分に理解しており、自国では当たり前のように建国の歴史や神話を教えています。 そして、情報統制も日本人の誇りを奪います。日本人に対し、教育やメディアで、太平洋戦争は侵略戦争であったという自虐史観を意図的に強く刷り込むことを目的としたウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム、これはアメリカ国務省が正式文書に載せた名実ともに公式の対日戦略であります。 この対日戦略が戦後進められてきたこと自体を国民は知らされていませんが、それは終戦直後の一九四五年九月に定められた正式名称、日本に与うる新聞遵則、通称プレスコードが大きな要因だと考えられます。 プレスコードに規定された禁止事項三十項目の中から抜粋しますと、GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判、アメリカ、ロシア、イギリス、中国、朝鮮人、その他連合国への批判、神国日本の宣伝、ナショナリズムの宣伝、占領軍軍隊に対する批判、解禁されていない報道の公表、非常に多くのものが報道してはいけないことと規制されたわけでありますが、規制されなかったものといえば、日本政府への批判くらいではないかと思うわけです。 現在の日本社会を取り巻く環境、報道を見聞すると、なるほどと納得させられることが多くございます。 マスメディアやソーシャルメディアの情報に流されがちな日本人が日本の誇りを持つためにこそ、教育の力が大変に重要と考えるわけであります。 日本人としての誇りを感じることができない、自分のことを肯定できない、そんな状況で国や地域、人を愛する心が育まれるはずがございません。 日本人が日本人としての誇りを持つためには、まさに日本の原点、日本の成り立ちである神話、脈々と受け継がれてきた大和言葉の言語、二千六百八十四年紡がれてきたタテイトである皇室、そして天皇陛下について、教育でしっかりと伝えていく必要があります。 少子高齢・人口減少社会において、子供たちが県外、国外に出ていくという社会減も深刻ですが、若者が地元に残る、あるいは地元に戻り、ふるさとのために生きるという郷土愛を育むことが最も効果的で重要であると考えるわけです。 現代社会において、LGBTQ、ジェンダー平等、SDGsといった考え方が日本にもある程度浸透をしてきています。その考えについては、納得できるものであり、責めるものではありませんが、あたかも日本人ができていないからこれを進めていかなければならないという風潮には大いに疑問を感じます。 LGBTQについて例を申し上げますと、二〇一六年の調査ではありますが、国際レズビアン・ゲイ協会が世界の性的指向に関する法律を調査したところ、七十三か国、国連加盟国の三七%が同性同士の性行為を違法と定めていることが分かっています。いまだに同性愛の性行為に対して国内全域で死刑を科している国も存在します。 SDGsの取組の五番、ジェンダー平等を実現しようという項目、それを評価する基準として挙げられるのがスイスのNPO団体、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数であります。その指数には様々な指標があり、二〇二三年、日本は、政治の分野が百三十八位と、経済の分野で百二十三位と、評価を落とし、全体では百四十六か国中、百二十五位でありました。 このことが度々日本人のジェンダー格差について論じられるわけでありますが、そのジェンダーギャップ指数をひもといてみると、教育の分野では、日本は百四十六か国中、四十七位、健康の分野は五十九位であります。 ジェンダーギャップ指数で最も低い政治の分野においても、日本は、満十八歳以上であれば、ひとしく男女に選挙権が認められ、参議院選挙を除き、満二十五歳以上の日本国民がひとしく被選挙権が与えられているわけです。 もちろん、現状のままでいいわけではありません。より女性が参加しやすい環境整備を心がけていく必要があると思いますが、女性自らの意思で参加していないとも考えられるわけであります。 また、別の団体、国連開発計画が発表しているジェンダー不平等指数では、調査対象国百九十一か国の中で、日本は二十二位であります。アメリカやイギリス、中国などよりも高いわけです。 しかし、このことは世間一般的に評価されませんし、報道はされませんから、そもそも国民は知りません。そもそも我が国日本は、多神教を信仰する国であり、それは世界の中で少数派であります。西欧諸国においては、ほとんどの国が一神教であり、その信仰の違いこそが、西欧諸国と日本との考え方の相違の根源であることを忘れてはなりません。そもそも我が国は、性の多様性においても、非常に寛容な国であります。 また、もったいない精神に代表されるように、持続可能な社会を進めていくことは、日本国民のDNAにしみついていると考えます。 西欧諸国の政策、考えをただただ受け入れ進めていくことは、日本人としての伝統や文化に対し、泥を塗るものであり、誇りを奪っている自虐教育を進め、自己肯定感を下げる一助になりかねないと考えます。 日本人が日本を愛することができなくて、地域や人に対して愛着を持てるはずがございません。若者がふるさとに残る、戻ってくる、愛国心、郷土愛を育む教育こそが一番の原動力となると考えます。 そこでお尋ねいたします。 小学校学習指導要領、社会、六学年、二、内容、(一)のア(ア)、「日本国憲法は国家の理想、天皇の地位、国民としての権利及び義務など国家や国民生活の基本を定めていることや、現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを理解するとともに、立法、行政、司法の三権がそれぞれの役割を果たしていることを理解すること。」 三、内容の取扱い、イ、アの(ア)の「日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい事項を取り上げ、歴史に関する学習との関連も図りながら、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また、「国民としての権利及び義務」については、参政権、納税の義務などを取り上げること。」とございます。 天皇陛下に関する学校教育について、天皇陛下に対する正しい理解と尊重は、日本の文化と伝統にとって非常に重要であり、若い世代にその価値を伝えることは不可欠です。教育現場ではどのようにしてこれらを深める教育を行っているのか伺います。 そして、山口県の美しい自然環境や豊かな文化遺産を生かし、山口県の歴史、偉人、地政学、また方言教育に至るまで、郷土愛を育む教育は大変重要であると考えます。 地域社会の結束を深め、地元の誇りと地域の一員としての責任感を醸成するのに役立ち、若者の県外への流出を防ぐことやUターン施策においても、大変有効であると考えます。 山口県内の小学校における郷土愛を育む教育についてどのように取り組まれているのか、お伺いいたします。 続きまして、インバウンド対策についてお伺いいたします。 二〇二四年一月九日、アメリカのニューヨークタイムズが二〇二四年に行くべき五十二か所を発表し、山口市が三番目に選ばれました。その日から、山口県では、その話題で持ち切りなわけでありますが、県全体でこのチャンスを確実に物にし、成果を上げていかなければならないと考えます。 このたび一般社団法人インバウンドビジネス協会様の御協力を頂きまして、情報を提供いただいておりますので、幾つか関連する事項について御紹介いたします。 まず、インバウンドについての現状のデータをひもときますと、訪日外国人数は、二〇二三年二千五百万人を突破し、コロナ前の八割まで回復、十二月はコロナ後最多の二百七十三万人となっております。 十二月の内訳は、韓国が七十八万人、台湾三十九万人、香港二十五万人、アメリカ十八万人、また香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリアは、単月での過去最高を更新しています。 注目すべきは、東アジアからの来客が大いに伸びているということです。県は、現在、台湾との観光振興を進めていますが、非常によい追い風になると期待するものであります。 また、その前年には、岩手県盛岡市がニューヨークタイムズの、二〇二三年に行くべき五十二か所で二番目に選ばれています。発表の後、盛岡市の観光案内所に訪れた外国人の数は三十倍に膨れ上がっているそうです。山口県も、しっかりと準備を進めていかなければなりません。 そこで、海外旅行者のニーズと不満を理解し、官民連携し、チーム山口として一丸となって課題解決に取り組む必要があると考えます。 そうした中、学研ホールディングスのグループ会社、地球の歩き方は同社が運営する訪日外国人向け旅行情報サイト「GOOD LUCK TRIP」のユーザーで、海外在住の十代から六十代以上の男女八百九十一名を対象に、訪日中に困ったこと、不便に思うことについて調査を実施したところ、その一位がWi─Fi環境で三一・五%。Wi─Fi環境も、既に山口県では、施設やお店での導入において進めていただいているところではありますが、海外からの旅行者からの目線で見ると、屋外の観光施設や駅などの施設において、まだ不十分であるというような意見が出ているようです。 そのことから、その点を踏まえたネットワーク環境整備について、山口県の現状の取組、今後に向けた課題について伺いたいと思います。 二点目は、県内事業者への海外旅行者向けのアプリなどのプラットフォーム活用支援についてでございます。 山口県や県内市町においても、今回の報道の後に何から手をつけるべきか、攻めあぐねている部分もあるかと思います。県内の事業者さんにおいては、それが顕著であると感じています。 そこで、まず、県内事業者が取り入れるべきなのが海外旅行者向けのアプリや、プラットフォームの導入であります。 二〇一七年に行われた観光庁の調査によりますと、日本滞在中に役立った情報源として、訪日外国人の七〇%がスマートフォンを挙げています。 その訪日外国人がスマートフォンで利用するサイトやアプリにおいての導入は、費用対効果が最も高いPR手段であると考えるわけであります。 例えば、世界最大の旅行プラットフォーム、トリップアドバイザーは、ホテルの宿泊施設やレストラン、観光名所などの旅行に関係する体験談や価格比較ができる世界最大の口コミサイトで、世界四十六か国、二十八言語でサービスを展開しているサイトです。 また、「Yelp」というサイトは、世界三十二か国で利用され、ユーザー数は一億四千二百万人を超える世界最大のローカルビジネスの口コミサイトでございます。 これらのサイトの特徴としては、例えば、飲食店はもちろんのこと、病院や美容院、弁護士や会計士、飲食店以外のビジネスや個人事業主も登録が可能という点であります。 また、中国人旅行者をターゲットにするのであれば、中国限定のSNSであるウェイボーへの登録も重要であると考えます。青森県では、ウェイボーへの登録を行い、情報発信を進めたところ、青森県の人口を超える百三十万人以上の登録者があり、その口コミを中心に旅行客が押しかけているそうです。 その他の仕組みを御紹介しますと、大手通信会社の調査では、訪日外国人も、日本人同様、グーグルでの検索が増えてきているそうです。一昔前には、こぞってSEO対策を行うことで検索順位を上げていくという取組を行ってきたわけでありますが、今はグーグルで検索すると、グーグルマップとグーグルビジネスプロフィールが表示されます。それらがマップエンジンで検索した場合の順位となることから、SEOからMEO(マップエンジン最適化)に力を入れていかなければ、検索の上位に入らないようになっています。これらの現状を踏まえた上で、グーグルビジネスプロフィールの登録、管理が必要になるわけです。 そのほかにも、注目すべきサイトもございますが、今、御紹介したこれらサイトに関しては、無料で登録が可能です。まさにこれ以上ない、コストパフォーマンスのよい取組であると考えるわけです。 こういった訪日外国人が利用しているが、日本人が疎い、このようなアプリやプラットフォームに注目し、山口県で取り組むことはもちろんのこと、さらに県内市町とも連携して登録を進めていくようPRすべきだと考えますし、自治体だけではなく、県内の事業者への登録を促す取組が必要であると思います。 商工会や観光協会、商店組合などを巻き込んだ勉強会や相談会などの開催が進めやすいことではないかと考えますが、山口県としてどのようなお考えか、お伺いしたいと思います。 この質問の最後になりますが、盛岡市と同様に、インバウンドの成功例として注目されております岐阜県高山市の例を御紹介します。 先ほどのトリップアドバイザーやウェイボーでの口コミで多く声が寄せられているのが、その町で対応してくれた日本人のおもてなしだそうです。言葉が分からなくても身ぶり手ぶりで一生懸命になって教えてくれる、どこに行っても挨拶をしてくれる、親切に対応してくれる、その姿を見て、また来たいという気持ちにさせられるということだそうです。 先ほどもコストパフォーマンスのよい取組を御紹介しましたが、この部分こそが一番のコストパフォーマンスのよい取組と言えると思います。オール山口でこれに取り組んでいくことは、山口県のリーダーである村岡知事が先頭に立って引っ張っていただくことが最も効果的で、重要であると考えます。 「おいでませ ふくの国、山口」のキャッチフレーズの下、県民全体が一丸となっておもてなしできるよう、村岡知事のお考え、意気込みを伺いたいと思います。 最後に、今年元日に起きてしまいました令和六年能登半島地震におきまして、お亡くなりになられた方々、被害に遭われました皆様に対し、心から御冥福をお祈りするとともに、一日も早い再興をお祈りいたします。 日本は、地政学的に見ても、自然災害リスクが決して低いとは言えない国であります。近年に起きた主要なものからリスクを大きく三つ挙げれば、津波、地震、豪雨となると思います。 日本は、北米プレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートが複雑に重なり合っており、周期的に巨大地震が発生しています。我が国は、世界のマグニチュード六・〇以上の地震の二割が発生しているとされる地震多発国です。 日本における地震では、揺れだけではなく、震源が海底の場合は、津波の被害が深刻となることは我々日本人の中に痛いほどに胸に刻まれていることと思います。現在も発生確率が高まっている巨大地震は、南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震など、三十年以内に四〇から八〇%の確率で発生すると予想されています。 毎年のように起こる自然災害の前で人類の無力さを痛感するとともに、その後の検証において見えてくる、防げたものや、守れた命についても、残された私たちは考えていかなければならないわけであります。 そんな中で、自衛隊は、令和六年能登半島地震で、半島という道路状況など、地理的にも大変難しい中、人命救助や災害支援が困難を極める中で災害派遣を頂いているわけであります。 また、自然災害と同時に注意を払わなければならないのは、近隣諸国からの武力攻撃やテロに対しての対策であります。北朝鮮によるミサイルの発射や中国による尖閣諸島周辺の領海への侵入などの挑発的行動は、もはや常態化してきています。 国民保護法においては、国民の生命・財産を守るため、避難、救援、武力攻撃に伴う被害の最小化という三つの柱が掲げてあり、国、県、市町村での役割が想定されています。 そこで、地震やミサイル発射など、有事の際に県としてどのような初動体制が整っているか、緊急時の情報収集や伝達体制について、地域住民への情報提供はどのような手段で行われているのかをお伺いいたします。 また、自衛隊との連携体制について、確認の意味も込め、具体的にどのような体制が取られているか、有事の際、自衛隊からの支援を受けるための連絡体制、また県と自衛隊とで過去に共同訓練などが行われているか、現在もそのように共同で行われている訓練などがありましたら、内容を含めてお伺いしたいと思います。 続きまして、非常時に備えた食料、水、医薬品などの備蓄品はどの程度準備されているか、またその備蓄品の管理や更新体制について、今後その更新期間を見直す動きなど、そしてその備蓄品について、山口県内の各自治体との連携はどのように行われているのか、お伺いいたします。 最後に、県内の公園などの緊急避難場所の現状について十分であると考えるか、新たに設置する必要があると考えていらっしゃるのか、また緊急避難場所の選定基準や、避難所として想定されている施設について、また避難所での生活支援体制、食料提供、医療支援などの想定についての現状のお考えを伺いたいと思います。 以上で、私の一般質問を終えます。 御清聴いただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございます。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)牛見議員の御質問のうち、私からは、インバウンド対策に関し、山口県のおもてなしについてお答えします。 ニューヨークタイムズの記事を契機に、多くの外国人観光客の来訪が期待される中、県民全体が一丸となったおもてなしにより、観光満足度を高め、今後のリピーターの獲得やさらなる誘客につなげていくことが重要です。 このため、県では、やまぐちDMOや市町等と連携し、おもてなし力の向上を図っているところであり、観光案内所や観光事業者、ボランティアガイド等を対象とした研修会を開催しています。 また、本県の玄関口ともなる新山口駅の観光案内所に、多言語による対応が可能な観光コンシェルジュを配置し、きめ細やかな情報提供を行うほか、Wi─Fi環境の充実や案内表示の多言語化など、外国人観光客が安心して快適に周遊できる環境づくりを推進しています。 さらに、先般の韓国、台湾とのチャーター便就航に際しては、地元宇部市と連携して歓迎の式典を開催し、私自ら、海外からのお客様をお出迎えをし、県のPRグッズや観光パンフレットなどをお渡しをしたところです。 引き続き、こうした機会も活用しながら、私が先頭に立って、心の籠ったおもてなしに努めてまいります。 私は、今後とも、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、観光客の満足度を高めるおもてなし力の向上を図り、インバウンド対策に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)京牟礼観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 京牟礼英二君登壇〕 観光スポーツ文化部長(京牟礼英二君)インバウンド対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、ネットワーク環境整備についてです。 県では、これまで、事業者向け研修会の開催等により「やまぐち Free Wi─Fi」の導入促進に取り組んできたところであり、今年一月末時点で、観光施設や駅、空港など約千二百か所に整備されたところです。 また、多言語によるパンフレットやホームページ等により、アクセスポイントや使用方法を分かりやすく情報提供することで、外国人観光客の利用促進に取り組んでいます。 県としては、今後も、Wi─Fi環境のさらなる普及促進を図る必要があると考えており、引き続き、通信事業者とも連携して取り組んでまいります。 次に、県内事業者のアプリなどのプラットフォーム活用支援についてです。 県では、観光事業者がデジタルプラットフォームを活用して効果的に情報発信できるよう、市町や観光協会、商工会議所等と連携して、プラットフォームへの登録作業の代行やセミナーの開催、マニュアルの作成、配付等の支援を行ってきたところです。 その結果、グーグルのプラットフォームにおいて、約千六百件の新規登録につながったところであり、引き続き、登録を促してまいります。 県としては、今後とも、市町や観光事業者等と連携しながら、外国人観光客が快適に周遊できる受入れ環境の整備など、インバウンド対策に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡総務部長。 〔総務部長 松岡正憲君登壇〕 総務部長(松岡正憲君)山口県の防災対策・有事対策に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、有事の際の初動体制についてです。 自然災害や弾道ミサイル発射などの有事の際には、国、県、市町等が一体となって、迅速な初動対応を行う必要があります。 このため、県では、地域防災計画や国民保護計画に基づき、有事発生後速やかに職員が配備し、情報収集を行い、県のホームページから県民に対し迅速に発信するとともに、市町においても、地域の実情に応じた広報手段により伝達を行っています。 また、緊急地震速報や弾道ミサイル発射情報など、対処に時間的余裕のない事態に係る情報については、いわゆるJアラートにより、国から住民まで瞬時に伝達されています。 次に、自衛隊との連携についてです。 大規模な災害等から県民の生命・財産を守るためには、市町や消防等はもとより、充実した装備と組織力を有する自衛隊と緊密な連携を確保しておくことが重要です。 このため、県では、防災関係部署に退職自衛官を配置するとともに、県総合防災訓練等において、情報伝達や救出・救助に係る訓練を共同で行うなど、平時より緊密な連携体制を構築しています。 次に、緊急避難場所の現状についてです。 指定緊急避難場所は、災害の危険から命を守るために緊急的に避難をする場所であり、市町が適切に指定する必要があります。 市町においては、想定される災害や人口など地域の実情を踏まえながら、おおむね自治会や小学校区単位で、学校や公民館等を避難場所に指定しているところであり、適切に対応されているものと考えています。 また、国のガイドラインに、その選定に当たっての立地条件等の基準が示されており、例えば、洪水に係る指定緊急避難場所は、浸水想定区域でないこととされています。 次に、避難所における生活支援体制等についてです。 避難所は、被災者が一定期間滞在する場所であることから、良好な生活環境が確保される必要があります。 このため、県では、避難所の円滑な開設・運営に向け、避難所運営マニュアル策定のための基本指針を定め、市町に、避難所における必要な食料や水、生活物資等の備蓄のほか、救護所の開設や医療専門職による健康管理の実施などを求めています。 また、必要に応じて、県の備蓄物資の提供を行うとともに、関係団体を活用した看護師や栄養士の派遣を行うこととしています。 なお、避難所は、国の防災基本計画において、必要となる適切な規模を有し、災害による影響が少なく、物資等の輸送が比較的容易な場所であることとされ、学校の体育館や公民館等が想定されています。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)山口県の防災対策・有事対策についてのお尋ねのうち、備蓄品についてまとめてお答えいたします。 災害時の備蓄については、県及び市町の地域防災計画において、市町が主体的に担い、県は、広域的・補完的な観点から市町を支援することとなっています。 こうした役割分担を踏まえ、県では、毛布や給水ポリ袋など長期保存が可能な物資の一定数を現物備蓄し、短期間での更新を要する飲食料品をはじめ、その他必要な物資については、民間事業者等との協定による流通備蓄として調達し、被災状況に応じて必要となる数を確保することとしています。 また、県内市町との連携についてですが、県及び各市町の現物備蓄の在庫状況については、国のシステムにより相互に確認することが可能です。 さらに、県では、毎年、災害救助担当者会議において、県の流通備蓄に関する状況を各市町と共有するとともに、備蓄物資を非常時に必要な要支援者に迅速に供給できるよう、市町と連携した支援物資配送訓練を実施するなど、連携強化に努めているところです。 議長(柳居俊学君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)山口県の教育に関する二点の御質問のうち、まず、天皇陛下に関する学校教育についてのお尋ねにお答えします。 天皇の地位については、日本国憲法に定められており、義務教育段階から正しい理解を図ることは重要であることから、小中学校では、社会科において、学習指導要領に基づいた教育活動を行っています。 具体的には、国会の召集、栄典の授与等の国事行為や、全国植樹祭等への出席、被災地への訪問・励ましといった各地への訪問などを通して、象徴としての天皇と国民との関係を取り上げ、天皇が日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であることを理解できるようにしています。 また、その指導に当たっては、我が国の伝統や文化を育んできた歴史に関する学習との関連に配慮することにより、天皇についての理解と敬愛の念を深められるようにしています。 県教委といたしましては、引き続き、市町教委と連携して、学習指導要領に基づいた教育が適切に行われるよう努めてまいります。 次に、郷土愛を育む教育についてのお尋ねにお答えします。 郷土に誇りと愛着を持ち、地域に貢献する子供たちを育むためには、ふるさとの自然や歴史、産業等を教材として、地元のよさや魅力を実感・再発見する教育活動を行うことが重要です。 このため、各学校では、本県教育の強みであるコミュニティ・スクールの連携・協働体制を活用し、学校、家庭、地域が一体となって、地域の特性を生かした教育活動を実施しているところです。 具体的には、ふるさと学習の中で、和太鼓、舞踊等の伝統文化や、地元の特産品の生産、加工、販売について、地域の方から学んだり、地域の方と一緒に体験したりする取組などが行われています。 県教委といたしましては、こうした取組を持続可能なものとするために、学校が家庭や地域とともに作成し、見える化した地域連携カリキュラムの継続的な見直しを、市町教委とも連携して支援しながら、小学校における子供たちの郷土愛や地域貢献の意識を高める教育活動のさらなる充実を図ってまいります。