1 高校再編に伴う学校施設の充実について 2 医療体制の強化について 3 新たな時代の人づくりについて 4 海業の振興について 5 生物多様性の保全について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第八十三号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第八十三号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 磯部登志恵さん。 〔磯部登志恵さん登壇〕(拍手) 磯部登志恵さん 皆様、お疲れさまでございます。光風会の磯部登志恵でございます。 今回も、この二月議会に登壇させていただく機会を頂きましたので、地元の皆様の声をしっかりと聞きながら、また、毎日のニュースや、そして、新聞などを確認しながら、私なりの視点で今回の質問をまとめてまいりました。 ただ、九月議会にも行いましたけれども、地元の課題に対しても一部今回もさせていただきます。明快な前向きな回答を頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。 それでは、通告に従いまして一般質問を始めます。 一点目、高校再編に伴う学校施設の充実についてであります。 家庭や公共トイレが洋式化される中、県立高校のトイレの洋式化が進んでいないという状況をよく耳にいたします。 私は先日、地元の光高校を訪問して、トイレの環境について、校長先生や事務長のお話を伺い、現場もしっかり見てまいりました。 光高校は四年前、県立光丘高校との再編統合により、新たな県立光高校として歩き始めましたが、現在、使用している校舎は建築後五十五年余りが過ぎております。 県教委が策定している山口県立学校施設長寿命化計画によりますと、築五十年を超えても直ちに建て替えるわけではないとのことでありますが、改めて見ると、やはり経年劣化による傷みはひどく、もう少しよい環境で生徒たちを学ばせてあげられないものだろうかと考えさせられてしまいました。 特に、トイレの環境には正直びっくりしてしまいました。傷みと老朽化がかなり進んでいる状況のものも多数見られ、洋式化されたものはそれぞれのトイレにたった一つずつで、ほぼ和式という環境であります。 また、新型コロナウイルス感染症対策の蛇口も全く手つかずで、旧式の蛇口のままという状況でした。 生徒や保護者からは、トイレの改修をしてほしいという要望が学校に対して毎年出されているようで、今年の二月に光市議会が開催しました七回目の高校生との意見交換会でも、光高校の生徒から、トイレの環境だけでも何とかしてほしいという切実な意見が発表されたと聞いております。 今回は、一つの例を挙げさせていただきましたけれども、同様の問題を抱えている高校はほかの地域にもあるのではないかと思っています。 また、トイレ改修がなされていない高校について、現在学んでいる生徒の衛生面などの問題はもちろんですけれども、これから入学を目指している子供たちの目に果たして魅力的な高校として映るか疑問であります。 志望校の検討に当たり、トイレの洋式化がほぼ完了している高校と、まだ手つかずの高校を見比べると、なおさらその差を感じてしまうと思います。 地元の中学生の保護者も、トイレの環境は志望校を選択する際に重要な要素の一つですと、先ほどの光高校の現状を嘆きつつお話をされていました。 他県では、県立高校のトイレの洋式化を五年間で一○○%にするという目標を掲げているところもあります。 現在、山口県においても県立高校の再編を進められておりますが、再編後の高校の魅力化を図るために、学校施設の充実、特に老朽化したトイレを改修し洋式化を進めていただきたいと思っております。 そこでお伺いいたします。県内の県立高校のトイレ環境の状況、また、トイレの洋式化の進捗状況と今後の見通しにつきまして、御所見を伺いしておきたいと思います。 二番目、医療体制の強化についてであります。 二○二四年、診療報酬改定、介護報酬改定、障害福祉サービス等報酬改定などの具体的な方向性が示されました。医療・介護の連携という視点も示され、それぞれのエリア特性を認識することが、ますます重要となってきます。 人口減少・高齢化率アップなど環境が確実に変化することが見えている中、働き方改革が進められ、患者・国民の医療機関へのアクセスは地域特性を認識した中で考えることが必要になってきます。 そのような中、山口県は、コロナ禍での経験を踏まえ、県立医療センターの建て替えを含む医療体制の強化を図り、着実な整備が行われます。 今後、県内八医療圏の医療体制の適正化、地域特性に合った機能分化が進められていくと思っています。 しかし、山口県の人口は、全国平均より加速的に減少する予想があります。 県内十九市町の人口動態を熟知し考えなければ、エリア特性に合致したものでなくなります。 少子化対策で、人口増の対策も行われていますけれども、基本的には確実に減少する将来が見えているのです。 地域医療構想は二○一四年、病床機能報告を受けて二○一五年から進められてきており、二○二五年には構築され、人口減少や高齢者増などの地域特性に合った医療提供体制が進められていくのだと思っております。 八医療圏の地域医療構想は、各医療圏の調整会議で検討されていると思いますけれど、特に、私が住む光市は周南医療圏に入り、徳山中央病院を核として、その他の基幹となる医療機関との機能分化が進んでいくのだと考えています。 光市は、二つの公立病院を抱えており、限られた医療資源を有効活用するために、今後、周南圏域の中での大きな役割を担うことになるのではないかと思っております。 さらに、高齢者の救急医療に対して、地域包括医療病棟が今回の診療報酬改定で新規に設定されました。各医療機関に入院される患者の年代や疾患は見える化できますし、この病棟の意味合いは今後の高齢者医療への対応として、介護との関係も深く重要な視点だと思っています。 新年度予算にも上げられている地域における訪問看護体制の安定化や推進を図るため、訪問看護総合支援センターを設置することも大きな意義があると思っています。 そこでお伺いいたします。将来を見据えた山口県の医療体制の強化に向けて、今後、どのように進めていかれようとしておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 三点目、新たな時代の人づくりについてであります。 二○二一年から、山口県は将来の予測が困難な中、次代を担う子供や若者たちが、あまねく学びを通して志を育み、その持てる能力を最大限に発揮して行動していくことができるよう、市、町、学校や地域、施設や団体、企業などと共有し、連携や協働を図りながら新たな時代に対応した人づくりに取り組んでおられます。 わくわくするような事業もあり、高校生たちが身近な課題を発見し、解決する「やまぐち若者MY PROJECT」では、私は残念ながら傍聴に行くことができませんでしたけれども、参加者の意見から、ほかの学校の人たちとの交流や意見交換を通じて、それぞれが感じる山口県の課題に気づき、共有することができた、グループワークや現地視察を通じて、地域活性化や起業に対する興味・関心が高まったなど、経験が大きな気づきにつながっており、大変興味ある内容でありました。 傍聴した人からも、おもしろかったですよというお話を聞き、非常に大切な人づくりを県は計画的に進められているということを確認することができました。 人づくりについては、経営者からも、今までは人件費をコストと捉えていたが、人材は財産であり、人に投資するという人材育成に力を入れていくことが、これからの時代には大変重要と言われておりまして、人づくりイコール人材育成こそ社会に貢献できると捉えておられます。 まさに県が推進している新しい時代の人づくりは、これからの社会が求めている人材を育て、発信していくことにつながることは間違いないと痛感しております。 しかしながら、人を育てていくということは時間がかかりますし、成果もすぐには出てきません。幼少期から若い世代までの人材育成への投資について、今までどのような成果が得られたと感じておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。 さらに、各所管にまたがる人づくりについて、どのような連携を考え、裾野を広げようとしておられるのか、さらに広く県民に周知徹底していく必要も感じています。 また、新たな時代の人づくりは、人口減少を食い止める手法の一翼を担えるチャンスでもあり、県内にとどまり活躍できる環境へ必ずつながっていくと確信をしております。 県外流出となった若者も、数年後に県内に戻って活躍できるチャンスにつながる環境を整えるということも必要なのではないかと感じております。 生涯にわたる人づくり、新たな価値を創造する力などなど、二○二一年度からスタートした取組は多方面にわたるものであり、効果的な成果が少しでも出てきているのではないかと感じています。 そこでお伺いいたします。二○二一年度から進められてきた新たな時代の人づくりについて、これまでの成果や課題なども踏まえ、今後の展開をお聞かせいただきたいと思います。 四点目、海業の振興についてであります。 日本人の魚離れが進んでいると言われておりますが、自然豊かな漁村には多くの人々が訪れ、インバウンド効果も併せて年々増加しているとも言われております。 若い世代の食卓からは、魚が遠のきがちと言われていますが、日常から離れて漁港を訪れ、魚が水揚げされているところを見たり、きれいな景色の中で新鮮な魚を味わいたいといったニーズは逆に増えております。 消費者のニーズは、水産物を消費する物消費から、経験や体験を消費する事消費へと指向が変化しております。 漁港は、水産物生産や流通の起点となる場ですけれども、今では水産物の消費の場、漁業体験など貴重な体験の場としても注目をされています。 今後、漁港において積極的に来訪者を受け入れていく視点は、地域の漁業や水産業の活性化にとっても大変重要であると思っています。 市場に出回らない漁獲量の少ない魚の利活用も含め、魚需要の販路も拡大してまいります。 訪問した方々に滞在していただき、新鮮な魚がすぐに食べられる環境や、余暇を過ごしてもらえれば、地域の活性化にもつながっていくでしょう。 さらに、地域水産業のすばらしさに理解と共感を得られれば、新規就業者(ニューフィッシャー)の獲得にもつながる可能性があるのではないでしょうか。 このため、現在、漁港において海業を推進し、水産物の消費増進や交流促進を目指したいと考える地域のニーズが強く、先進的な地域では、既に取組が始まっております。 しかし、今までは共同の用途以外での利用や民間活用を前提としていなかったため、事業者が漁港施設を活用して海業を実施したいと考えた場合、一時的・例外的な占用許可の範囲でしか取り組むことができませんでした。 このため、漁港漁場整備法が改正され、行政財産である漁港を水産物の消費増進や交流促進に資する事業に活用する考え方を明らかにし、漁業利用と海業利用の調和を図っていく計画制度と、適切な事業者に対して長期安定的な事業運営を保証する仕組みが導入されることとなりました。 漁港における海業の推進に向けて、漁港の活用を促進することが追加され、その目玉の一つは漁港施設等活用事業の創設であります。 現在、漁港施設の県の管理は七か所で、光市の漁港は市の管理となりますので、直接の県からの指導は難しいということになりますが、今後どのような展開になるのか、また新たな情報提供や手法など、県の役割は大きいと感じております。 さらに、日本一ニューフィッシャーの育成に力を入れている山口県として、今後とも継続的な担い手育成に市町と一緒になって力を入れていただきたいと思っております。 そこでお伺いいたします。漁港における海業の振興について、今後どのようなことが可能となるのか、さらには三方を海に囲まれた水産県山口が目指す方向について、お伺いをしておきたいと思います。 最後の五点目です。生物多様性の保全についてです。 国は、二○二三年三月に、生物多様性国家戦略を改定し、二○三○年までに陸と海のそれぞれ三○%の面積を健全な生態系として保全する国際目標サーティ・バイ・サーティが示されました。 サーティ・バイ・サーティが重要と指摘する研究報告の中に、日本の保護地区を三○%まで効果的に拡大すると、生物の絶滅リスクが三割減少する見込みであること、気候変動の緩和や災害に強く恵み豊かな自然を確保、森林の栄養で河川を通して海の生産性を向上させるなどなど、豊かな恵みを取り戻すことにもつながると言われています。 この目標達成に向けた自然共生サイトの認定制度に山口県は二○三○年度までの目標として七か所の認定を、現在改定作業中の生物多様性やまぐち戦略に盛り込む方向で検討されているとのことであります。 自然共生サイトとは、企業や団体、地方公共団体の取組によって生物多様性の保全が図られている場所を指します。 環境省が二○二三年に認定制度を創設し、企業の敷地内にある緑地や保有林、学校のビオトープなど全国で百八十五か所が認定されております。認定区域のうち、国立公園などの保護地域との重複を除いた区域が、国際データベースに登録され、サーティ・バイ・サーティの対象地域としてカウントされるとのことであります。 県内の自然公園や鳥獣保護区など、法令や条例に基づいた保護地域の割合は一四・二%で、自然共生サイトの登録の促進が必要とされております。 現在、県内には自然共生サイトの認定地はないため、改定中の生物多様性やまぐち戦略において、新たな施策として自然共生サイトの取組の推進を掲げられることを検討されており、その一環として、県自然保護課に地域連携保全活動支援センターを設置予定とお聞きしております。 これからは、この自然共生サイトの取組はもとより、企業や団体など社会全体で生物多様性を守っていくことが求められていると思っています。 例えば、山口市を流れる椹野川の河口、山口湾では干潟・藻場を再生するため、県民、民間事業者、専門家及び行政が連携して協議会を組織し、自然再生活動に取り組んでいるとのことであります。 ここでは、複数の企業が様々な形で自然環境の保全に協力しているとのことでありますが、より多くの民間事業者などが社会貢献事業として生態系の保全活動に参加して、こうした活動が全県的に広がっていくことを期待しております。 そこでお伺いいたします。県は、今後、国が認定する自然共生サイトへの登録促進に向け、また、社会全体で生物多様性を保全するため、どのように取り組まれようとしておられるのか、詳しくお聞きをしておきたいと思います。 以上で、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)磯部議員の御質問のうち、私からは、新たな時代の人づくりについてのお尋ねにお答えします。 社会が、急速かつ複雑に変化し、将来を見通すことが困難な時代にあって、持続可能で活力ある山口県を実現していくためには、本県の未来を担う人材の育成が非常に重要です。 こうした考えの下、私は、新たな時代の人づくり推進方針に基づく取組を積極的に推進しており、様々な成果が生まれています。 まず、幼少期の教育・保育の質の向上に向けては、その取組の核となる、乳幼児の育ちと学び支援センターを開設しました。 多様なニーズに応じた専門研修や、幼児教育アドバイザーが直接園を訪問して行う助言など、現場に寄り添った支援を行いながら、年々その取組の充実も図っており、これがよりきめ細やかな幼児教育・保育の提供へとつながっていると考えています。 また、高校生等が失敗を恐れず果敢に挑戦し、新たな価値を創造する力を育む取組も様々な形で行っています。 自ら課題を発見し、デジタルの力を使って、その解決を目指すICT活用コンテストや、社会人等の伴走支援も受けながら、地域の課題解決に取り組む、お示しの「やまぐち若者MY PROJECT」などの取組が、若い世代が大きく成長する機会となっていると考えています。 さらに、人づくりの裾野の拡大に向け、行政に加え、企業、団体などの参画も得たネットワークを構築し、連携しながら取組を行うなど、人づくりを支える基盤の充実も図っているところです。 こうした中、本県の人口減少が一段と厳しさを増し、その大きな要因である若者の転出を食い止めることが、ますます重要となっているため、私は、人づくりにおける若者の県内での活躍につながる取組に一層力を入れていくこととしています。 具体的には、来年度から新たに、子供たちが将来目指す分野で活躍している地域の大人と交流する取組などを開始し、子供たちの、自分も県内で活躍できる、活躍したいという意識を高めていきます。 また、ウエルビーイングの観点を取り入れた、子供たちが自分の力で地域や社会をよくしていこうと考え、行動する契機となるプログラムの実施により、子供たちのふるさとに対する愛着をより高めていきたいと考えています。 さらに、こうした人づくりの取組が一層広がるよう、関係団体のネットワーク等を生かしながら、情報発信の充実も図っていきます。 私は、次代を担う子供や若者たちが、自らの志を育み、これからの時代に必要な能力を高め、将来、その力を地域で発揮してもらえるよう、引き続き、多様な主体と連携しながら、人づくりの取組を積極的に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)医療体制の強化についてのお尋ねにお答えします。 本県の高齢化や人口減少が進展する中にあっても、県民が生涯を通じて、健康で安心して暮らせるよう、保健医療計画に基づき、保健医療施策を総合的に推進するとともに、本計画の一部である地域医療構想に沿って、良質な医療を持続的に提供できる体制の整備に取り組んでいるところです。 とりわけ、今後は、生産年齢人口の減少により、医療・介護人材の不足が懸念されることから、限られた医療資源を有効に活用し、高齢化の進行に伴う救急・在宅医療の需要の増加等に対応していく必要があります。 このため、各医療機関が強みを生かして役割を分担した上で、相互に協力・連携することで、地域全体で患者を治し、支える、地域医療連携を推進し、患者の病態に応じて、入院から在宅医療まで切れ目なく、必要な医療を提供する体制の整備を進めることとしています。 具体的には、まず、入院医療については、高齢の救急患者の重症度等に応じた適切な医療を提供できるよう、各地域における関係者の議論を通じ、集約化による急性期医療の機能強化や、早期の在宅復帰を目指してリハビリ等を行う回復期病床の確保等に取り組みます。 また、在宅医療の充実に向けては、市町や郡市医師会等と連携し、各地域の実情に応じた医療・介護従事者等の多職種連携を強化するほか、訪問看護総合支援センターの設置により、在宅医療の中核を担う訪問看護ステーションの活動を支援します。 県としましては、地域で必要とされる質の高い医療を持続的に提供できるよう、市町や関係団体等と緊密に連携し、将来を見据えて医療資源の効率的な活用を積極的に進めることで、医療体制の強化に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)三坂農林水産部長。 〔農林水産部長 三坂啓司君登壇〕 農林水産部長(三坂啓司君)海業の振興についてのお尋ねにお答えします。 人口減少や高齢化の進行により、漁村の活力が低下する中、将来にわたって、地域の水産業が発展し、水産物を安定的に生産・供給していくためには、その基盤である漁村地域の活性化を図ることが重要です。 こうした中、国においては、漁港漁場整備法を改正し、漁港において、販売施設や飲食店、漁業体験施設等を長期安定的に活用し、海や漁村の価値や魅力を高める海業の取組を推進することとされたところです。 このため、県としては、この取組の推進に向けて、市町や漁業関係団体等の海業の推進に対する機運醸成を図るとともに、漁村地域のにぎわいを創出する取組を支援することとしています。 具体的には、まず、市町や漁業関係団体等に対し、海業への理解を深めるための説明会を開催するとともに、漁港施設の新たな利活用に係る情報提供や助言等を行うことにより、地域の取組意欲の向上につなげることとしています。 また、漁村のにぎわいの創出に向けては、地元市町や漁業関係団体等の要望や意見を踏まえ、引き続き、水産物の加工・販売施設の整備や、漁港を活用した養殖業等への新規参入等の取組を支援し、水産物の消費拡大や漁村地域の交流促進を図ってまいります。 こうした取組に併せ、漁村の活力の源であり、海業の牽引役ともなる新規漁業就業者の一層の確保を図るため、引き続き技術研修や定着支援など幅広い担い手支援策に積極的に取り組んでまいります。 県としては、今後とも、国や市町、漁業関係団体等と緊密に連携しながら、海業の振興による地域の水産業の発展や漁村地域の活性化に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)藤田環境生活部長。 〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 環境生活部長(藤田昭弘君)生物多様性の保全についてのお尋ねにお答えします。 豊かな自然環境に育まれた様々な動植物等からなる生物多様性は、食料や水などの自然の恵みをもたらしていますが、地球温暖化などにより損失が続いており、その保全に取り組むことは重要です。 このため県では、これまでも生物多様性やまぐち戦略に基づき、条例指定による希少種の保護やレッドデータブックを活用した普及啓発、鳥獣保護区の指定などに取り組んできたところです。 こうした中、国は、新たな世界目標に対応するため、昨年三月、国家戦略を改定し、お示しのサーティ・バイ・サーティ目標の達成に向けて、民間の取組等により保全が図られている区域を自然共生サイトとして認定し、登録する制度を創設しました。 県としては、このような国の動きに呼応し、現在、やまぐち戦略の改定を進めているところであり、来年度予算において新たに自然共生サイトの登録促進をはじめ、社会全体で生物多様性を保全するための施策に取り組むこととしています。 具体的には、まずサイトの登録促進に向けて、担い手不足等により登録が進んでいない現状を踏まえ、登録候補地に専門家を派遣して、希少種等の生息状況を調査し、保全活動計画を策定するとともに、ボランティアによる活動への支援を行うモデル事業を実施することとしています。 このモデル事業により、県内初のサイトの登録を目指し、その成果を県内全域に波及させることで、さらなる登録数の増加につなげていきたいと考えています。 また、多様な主体が連携・協働した体制を構築するため、自然保護課内に地域連携保全活動支援センターを新たに設置し、人的・経済的支援を必要とする自然保護団体と社会貢献活動に意欲のある企業とのマッチング等に取り組むこととしています。 さらに、先進事例などを紹介するセミナーの開催や、保全活動に取り組む企業や団体を、生物多様性応援宣言企業・団体として登録することなどにより、企業等の積極的な参加を促進したいと考えています。 県としては、こうした取組を通じて、自然共生サイトの登録促進など、社会全体での生物多様性の保全を推進してまいります。 副議長(島田教明君)木村副教育長。 〔副教育長 木村香織君登壇〕 副教育長(木村香織君)高校再編に伴う学校施設の充実についてのお尋ねにお答えします。 県立高校の再整備に当たっては、必要な施設・設備の整備に努めるとともに、各学校からの要望等も踏まえながら、学校施設の老朽化対策やバリアフリー化など、教育環境の改善にも取り組んでいるところです。 一方で、各県立高校では、老朽化に起因する多くの不具合が発生しており、トイレ環境についても、経年劣化による便器やトイレブースの破損などが発生していることから、順次、学校の状況や緊急性などを勘案しながら、必要な改修等を進めております。 こうした中、トイレの洋式化については、令和二年度に高校を含む全ての県立学校を対象とした意向調査を実施し、その際、要望があった全ての箇所について集中的に改修したところであり、令和五年九月一日時点で、県立高校の生徒が利用するトイレの洋式化率は四六・五%となっています。 今後もトイレの老朽化対策をはじめ校舎の改築等の機会を活用しながら、さらなる洋式トイレの整備を進めるとともに、生徒の状況の変化などで、洋式トイレの追加が必要となった場合にも、学校の要望等を踏まえながら、必要な整備を行うこととしています。 県教委といたしましては、今後とも、衛生的で使いやすいトイレ環境の整備を進めるなど、学校施設の充実に取り組んでまいります。